特許第6012977号(P6012977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012977
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20161011BHJP
   G03G 21/02 20060101ALI20161011BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G03G21/16 104
   G03G21/02
   H04N1/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-30094(P2012-30094)
(22)【出願日】2012年2月15日
(65)【公開番号】特開2013-167709(P2013-167709A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2014年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
【審査官】 野口 聖彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−084827(JP,A)
【文献】 特開2009−288398(JP,A)
【文献】 特開平11−122405(JP,A)
【文献】 特開2008−148075(JP,A)
【文献】 特開2010−137568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/16
G03G 15/00
B41J 3/54
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを読み込むことで画像形成を行う画像形成装置であって、
貨幣を受け付けることで、前記画像形成装置による画像形成を許可する課金処理を実行する課金処理部と、
前記画像形成装置による画像形成の設定を受け付ける操作部と、
読み込まれた画像データを前記操作部の設定に基づいて画像形成する第1画像形成部と、
画像形成後の用紙を積載する胴内排紙部と、
を備え、
前記課金処理部は、前記操作部と同等の高さに配され、
前記課金処理部は、前記第1画像形成部とは別の筐体に設けられ、
前記操作部は、前記第1画像形成部が設けられた筐体において、筐体の水平方向中心より前記課金処理部側に設けられ、
前記胴内排紙部は、前記操作部の下方に設けられ
前記第1画像形成部とは独立して配され、読み込まれた画像データを前記操作部の設定に基づいて画像形成する第2画像形成部をさらに備え、
前記第1画像形成部は、前記操作部の下方に位置し、
前記第2画像形成部は、前記課金処理部の下方であって前記課金処理部と離間して位置する画像形成装置。
【請求項2】
所定の画像データを格納するメディアを挿入可能なメディアスロット部
をさらに備え、
前記メディアスロット部は、前記操作部と同等の高さに配される
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記胴内排紙部は、前記操作部と同等の高さに配される
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
原稿の画像データを読み取るスキャナ部
をさらに備え、
前記スキャナ部は、前記操作部と同等の高さに配される
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2画像形成部は、前記第1画像形成部の平面から底面までの鉛直方向の範囲外に配される
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、課金状態に応じて動作する画像形成部を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアに設置される画像形成装置は、コインベンダーおよびMFPから構成され、コインベンダーにコインが投入されると、MFPによって所定の画像が形成される仕組みとなっている。
【0003】
したがって、コインベンダーとMFPとは一体として操作されるため、コインベンダーとMFPとの設置距離が離れていると操作性が悪くなる。
【0004】
そこで、コンビニエンスストアでは、コインベンダーとMFPとを近接配置する構成が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−266359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コンビニエンスストアに設置されている画像形成装置は、特許文献1に記載されているように、コインベンダーのコイン投入処理部(課金処理部)とMFPの操作部との高さが離れているため、ユーザにとって操作性が悪く、身体的負担となっていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、課金処理部と操作部との高さを近づけることで、ユーザの操作性を向上させることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、画像データを読み込むことで画像形成を行う。また、本発明の画像形成装置は、課金処理部、操作部、第1画像形成部を備える。
【0009】
課金処理部は、貨幣を受け付けることで、画像形成装置による画像形成を許可する課金処理を実行する。操作部は、課金処理部において課金処理が実行されると、画像形成装置による画像形成の設定を受け付ける。第1画像形成部は、読み込まれた画像データを操作部の設定に基づいて画像形成する。
【0010】
課金処理部は、操作部と同等の高さに配される。
【0011】
この構成では、ユーザによる画像形成装置の操作動線をほぼ直線化することで、画像形成装置に対するユーザの操作性を向上させることができる。したがって、ユーザの身体的負担を軽減することができるとともに、画像形成装置に対するユーザの視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明における画像形成装置は、課金処理部と操作部との高さを近づけることで、ユーザの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す正面図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の構成を示す正面図である。
図3】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の構成を示す正面図である。
図4】本発明の第4実施形態に係る画像形成装置の構成を示す正面図である。
図5】本発明の参考例に係る画像形成装置の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
最初に、本発明の第1実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す正面図である。
【0017】
画像形成装置100は、画像データを読み込むことで画像形成を行い、コインベンダー200およびMFP300を備える。また、画像形成装置100は、コイン投入処理部110、操作パネル120、電子写真式プリンタ130を備える。
【0018】
コイン投入処理部110は、硬貨を受け付けることで、画像形成装置100による画像形成を許可する課金処理を実行する課金処理部である。課金処理とは、ユーザから硬貨が投入されることで、その対価として電子写真式プリンタ130による画像形成を許可する処理をいう。なお、図1では、硬貨を受け付けるコイン投入処理部110を課金処理部の一例として記載しているが、紙幣を受け付ける紙幣投入口をさらに備えていてもよい。
【0019】
操作パネル120は、コイン投入処理部110において課金処理が実行されると、画像形成装置100による画像形成の設定を受け付ける操作部である。操作パネル120は、MFP300の平面部に配される。また、操作パネル120の配置角度は、一辺を軸にして回動可能であってもよい。なお、操作パネル120として、タッチパネルが採用されている。
【0020】
電子写真式プリンタ130は、読み込まれた画像データを操作パネル120の設定に基づいて画像形成する第1画像形成部である。電子写真式プリンタ130は、感光体を中心として、感光体の上流から帯電器、露光器、現像器、転写器が配され、搬送路の下流側に定着器が配される構成をしている。電子写真式プリンタ130は、主として普通紙に画像形成する際に使用される。
【0021】
また、コイン投入処理部110は、操作パネル120と同等の高さに配される。本実施形態では、コイン投入処理部110は、操作パネル120の鉛直方向の中心位置122から上方向と下方向とにそれぞれ20cmの範囲内に配される。この範囲内では、コイン投入処理部110から硬貨を投入し、その次に操作パネル120を操作する場合に、ユーザの腕や首が鉛直方向にほとんど動かない。
【0022】
すなわち、この構成では、ユーザによる画像形成装置100の操作動線をほぼ直線化することで、画像形成装置100に対するユーザの操作性を向上させることができる。したがって、ユーザの身体的負担を軽減することができるとともに、画像形成装置100に対するユーザの視認性を向上させることができる。
【0023】
さらに、画像形成装置100は、昇華型プリンタ140をさらに備えると好ましい。昇華型プリンタ140は、電子写真式プリンタ130とは独立して配され、読み込まれた画像データを操作パネル120の設定に基づいて画像形成する第2画像形成部である。昇華型プリンタ140は、熱転写式プリンタの一種で、固形インクを塗布したインクリボンに印字ヘッドで熱を加えてインクを昇華させ、樹脂でコーティングされた専用紙にインクを付着させる。昇華型プリンタ140は、主として上記のような専用紙に画像形成する際に使用される。
【0024】
この構成では、ユーザは、電子写真式プリンタ130を使用するか昇華型プリンタ140を使用するかの選択が可能となるので、ユーザにとって用紙に画像形成を行う際に選択の幅が広がる。
【0025】
また、昇華型プリンタ140は、電子写真式プリンタ130の平面から底面までの鉛直方向の範囲外に配されると好ましい。
【0026】
この構成では、昇華型プリンタ140は、ユーザによる使用頻度が低いと考えられるため、電子写真式プリンタ130とは異なる位置に配置することで、コインベンダー200の内部スペースを有効に活用することができる。
【0027】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態以降の各実施形態においては、第1実施形態と重複する部分の説明は適宜省略する。
【0028】
図2は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す正面図である。
【0029】
画像形成装置100は、所定の画像データを格納するメディアを挿入可能なメディアスロット部150をさらに備える。メディアの例としては、USBメモリやSDメモリカード等が該当する。画像形成装置100は、当該メディアの中に格納された画像データを読み込んで、電子写真式プリンタ130または昇華型プリンタ140で用紙上に画像形成をする。なお、メディアの中に格納された画像データを読み込むには、コイン投入処理部110による課金処理が必要である。
【0030】
メディアスロット部150は、操作パネル120と同等の高さに配されると好ましい。本実施形態では、メディアスロット部150は、操作パネル120の鉛直方向の中心位置122から上方向と下方向とにそれぞれ20cmの範囲内に配される。この範囲内では、コイン投入処理部110から硬貨を投入し、その次に操作パネル120を操作し、その次にメディアスロット部150にメディアを挿入する場合に、ユーザの腕や首が鉛直方向にほとんど動かない。
【0031】
すなわち、この構成では、ユーザによる画像形成装置100の操作動線をほぼ直線化することで、画像形成装置100に対するユーザの操作性を向上させることができる。したがって、ユーザの身体的負担を軽減することができるとともに、画像形成装置100に対するユーザの視認性を向上させることができる。
【0032】
また、この構成では、画像形成装置100に対するユーザの視認性を向上させることができるため、用紙への画像形成後に、メディアスロット部150からメディアを取り忘れることを防止することができる。
【0033】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0034】
図3は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す正面図である。
【0035】
画像形成装置100は、画像形成後の用紙を積載する胴内排紙部160をさらに備える。胴内排紙部160は、電子写真式プリンタ130において画像形成され、排出口162から排出された用紙164を積載する。
【0036】
胴内排紙部160は、操作パネル120と同等の高さに配されると好ましい。本実施形態では、胴内排紙部160は、操作パネル120の鉛直方向の中心位置122から下方向に20cmの範囲内に配される。この範囲内では、コイン投入処理部110から硬貨を投入し、その次に操作パネル120を操作し、その次に胴内排紙部160から用紙164を取り出す場合に、ユーザの腕や首が鉛直方向にほとんど動かない。
【0037】
すなわち、この構成では、ユーザによる画像形成装置100の操作動線をほぼ直線化することで、画像形成装置100に対するユーザの操作性を向上させることができる。したがって、ユーザの身体的負担を軽減することができるとともに、画像形成装置100に対するユーザの視認性を向上させることができる。
【0038】
また、この構成では、画像形成装置100に対するユーザの視認性を向上させることができるため、用紙への画像形成後に、胴内排紙部160から用紙164を取り忘れることを防止することができる。
【0039】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0040】
図4は、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す正面図である。
【0041】
画像形成装置100は、原稿の画像データを読み取るスキャナ部170をさらに備える。スキャナ部170は、ユーザの利便性を考慮し、画像形成装置100の最上面に配される。画像形成装置100は、スキャナ部170で読み取った原稿の画像データを読み込んで、電子写真式プリンタ130または昇華型プリンタ140で用紙上に画像形成をする。なお、スキャナ部170で原稿の画像データを読み込むには、コイン投入処理部110による課金処理が必要である。
【0042】
スキャナ部170は、操作パネル120と同等の高さに配されると好ましい。本実施形態では、スキャナ部170は、操作パネル120の鉛直方向の中心位置122から上方向に20cmの範囲内に配される。この範囲内では、コイン投入処理部110から硬貨を投入し、その次に操作パネル120を操作し、その次にスキャナ部170で原稿を読み取る場合に、ユーザの腕や首が鉛直方向にほとんど動かない。
【0043】
すなわち、この構成では、ユーザによる画像形成装置100の操作動線をほぼ直線化することで、画像形成装置100に対するユーザの操作性を向上させることができる。したがって、ユーザの身体的負担を軽減することができるとともに、画像形成装置100に対するユーザの視認性を向上させることができる。
【0044】
また、この構成では、画像形成装置100に対するユーザの視認性を向上させることができるため、用紙への画像形成後に、スキャナ部170から原稿を取り忘れることを防止することができる。
【0045】
次に、本発明の参考例について説明する。
【0046】
図5は、本発明の参考例に係る画像形成装置100の構成を示す正面図である。
【0047】
第1実施形態〜第4実施形態においては、画像形成装置100は、コインベンダー200とMFP300とに物理的に分離していたが、本参考例のように、一体型のものであってもよい。
【0048】
この構成であっても、ユーザによる画像形成装置100の操作動線をほぼ直線化することで、画像形成装置100に対するユーザの操作性を向上させることができる。したがって、ユーザの身体的負担を軽減することができるとともに、画像形成装置100に対するユーザの視認性を向上させることができる。
【0049】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
100−画像形成装置
110−コイン投入処理部
120−操作パネル
122−中心位置
130−電子写真式プリンタ
140−昇華型プリンタ
150−メディアスロット部
160−胴内排紙部
170−スキャナ部
図1
図2
図3
図4
図5