(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、ランドセルにおいては鞄本体に蓋が止め具によって固定されている。止め具は支持部と、固定部と、操作部とを主に有している。支持部は鞄本体の底部に取り付けられており、固定部は蓋の先端に取り付けられている。操作部は支持部に回動可能に取り付けられている。固定部は貫通孔を有しており、貫通孔に操作部が挿通した状態で操作部が回ることによって固定部が支持部に固定される。
【0003】
固定部の貫通孔に操作部が挿通した状態で回動可能な操作部を有する止め具がたとえば、実開平4−120621号公報(特許文献1)に開示されている。この公報に開示されたランドセルの蓋着脱装置では、支持金具がランドセル本体の底板に固着されており、固定金具が蓋の先端に設けられている。固定金具は第1のコイルばねによって蓋側に付勢されており、自由な状態では固定金具は第1のコイルばねによって蓋に接するように折り曲げられる。
【0004】
固定金具の係合長孔に係止突起が嵌められた状態で係止突起が回ることによって固定金具が支持金具に固定される。係止突起は左右両方向に回動可能に支持金具に取り付けられている。係止突起の回転軸には鈎片が取り付けられている。鈎片は係止溝、左右の凹欠、左右のストッパーピンを有している。各ストッパーピンを経て支持金具の突子に第2のコイルばねの両端が引掛けられている。これにより第2のコイルばねによって鈎片は左右両方向に付勢され得る。
【0005】
また鈎片に対して支持金具と固定金具とが重なる方向に移動可能に可動金具が設けられている。可動金具は支持金具の裏面の囲繞片によって囲まれている。可動金具にはストップ片および止ピンが設けられている。可動金具の内周部は鈎片の先端部を囲むように円弧状に形成されている。円弧状の内周部から係止突起の係止溝および左右の凹欠と係合可能にストップ片が突出している。止ピンと支持金具の裏当板との間に第3のコイルばねが配置されている。これにより止ピンは支持金具の小孔より外部に突出するように第3のコイルばねによって付勢され得る。
【0006】
固定金具によって第3コイルばねに抗して可動金具の止ピンが押されると、可動金具が囲繞片に沿って移動して、可動金具のストップ片と鈎片の係止溝、左右の凹欠のいずれかとの係止が解除される。これにより、第2コイルの付勢力によって鈎片および係止突起が回動する。そして、鈎片の係止溝、左右の凹欠のいずれかに可動金具のストップ片が入り込むことによって、鈎片および係止突起の回動が止まる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記公報に記載されたランドセルの蓋着脱装置においては、鉤片のストッパーピンの平面に第2のコイルばねの両端が接触している。このため第2のコイルばねの両端の位置が安定しない。したがって、鉤片のストッパーピンに第2のコイルばねが安定して保持されないという問題がある。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、コイルばねを安定して保持することができる止め具およびそれを備えたランドセルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の止め具は、鞄本体に蓋を固定するための止め具であって、
一方面および他方面を有し、鞄本体に取り付け可能な支持部と、支持部の他方面に沿って左右両方向に回動可能に設けられた操作部と、
蓋に取り付けられ、操作部を挿通可能な貫通孔を有し、かつ貫通孔に操作部が挿通された状態で鞄本体に蓋を固定可能な固定部と、操作部に固定され、一方面に沿って左右両方向に回動可能であり、かつ一方面から突出する方向に延びる第1および第2の爪部を両側に有する回動板と、第1および第2の爪部の外側に設けられ、かつ一方面から突出する方向に延びる第1および第2の突子
を有し、支持部と回動板との間に配置された機構部材と、
機構部材の第1および第2の突子のいずれか並びに第1および第2の爪部のいずれかと両端部のそれぞれで当接して回動板を一方面に沿って左右両方向に付勢可能なコイルばねとを備えている。第1および第2の爪部はコイルばねの両端部をそれぞれ保持可能な第1および第2の凹状部を含んでいる。第1および第2の凹状部は、互いに異なる一方面からの高さ位置でコイルばねの両端部のそれぞれを保持するように形成されている。
【0011】
本発明の止め具では、第1および第2の爪部はコイルばねの両端部をそれぞれ保持可能な第1および第2の凹状部を含んでいる。このため、第1および第2の凹状部でコイルばねの両端部を保持することができる。これによりコイルばねを安定して保持することができる。
【0012】
また、第1および第2の凹状部は、互いに異なる一方面からの高さ位置でコイルばねの両端部のそれぞれを保持するように形成されている。コイルばねでは、ばねが巻かれることによってばねが積層されるため、コイルばねの一端と他端との高さが異なる。第1および第2の凹状部が互いに異なる一方面からの高さ位置でコイルばねの両端部のそれぞれを保持するため、コイルばねの両端部の高さ位置にあわせて第1および第2の凹状部はコイルばねの両端部のそれぞれを保持することができる。これにより、第1および第2の凹状部にコイルばねの両端部が当接することによるコイルばねの高さ方向の変形を抑制することができる。このため、コイルばねの両端部のそれぞれを安定して保持することができる。これにより、回動板が左右両方向に回動する際のコイルばねの付勢力を安定化することができる。また、回動板が左右両方向に回動する際に第1および第2の凹状部からコイルばねの両端部が外れることを抑制することができる。
【0013】
上記の発明の止め具では
、一方面に対して上下方向に移動可能であり、他方面から先端部が突出するように設けられ、中央部に円柱形状を有し、回動板を係止可能な係止部と、係止部を一方面に向かって付勢可能な弾性部材とをさらに備えている。回動板は、両側に第1および第2の切欠部を含んでいる。
第1および第2の切欠部は外周面から中央に向かって凹む円弧形状を有している。係止部は、弾性部材に付勢されて上方向に移動した状態でコイルばねによって付勢された回動板の第1および第2の切欠部の
円弧形状のいずれかと中央部の
円柱形状の外周面で係合するように構成されており、かつ固定部によって押し下げられて下方向に移動した状態で回動板の第1および第2の切欠部のいずれかとの係合を解除するように構成されている。操作部は、回動板の第1および第2の切欠部のいずれかと係止部とが係合した状態で貫通孔に挿通可能に構成されており、かつ回動板の第1および第2の切欠部のいずれかと係止部との係合を解除した際に貫通孔と交差する方向に回動可能に構成されている。
【0014】
係止部は、中央部に円柱形状を有し、弾性部材に付勢されて上方向に移動した状態でコイルばねによって付勢された回動板の第1および第2の切欠部のいずれかと中央部の外周面で係合するように構成されている。係止部の中央部は円柱形状を有しているため係止部が四隅で支持部と接触することはない。そのため、係止部をスムーズに動かすことができる。また、係止部は中央部の外周面で回動板の第1および第2の切欠部のいずれかと係合するように構成されているため、係止部は回動板より小さくなる。そのため、係止部の寸法が小さくなることによって係止部の重量が軽くなる。これにより、係止部をスムーズに動かすことができる。
【0015】
上記の発明の止め具では、好ましくは、係止部の中央部の外周面は、第1および第2の切欠部の厚み寸法より大きな厚み寸法を有している。このため、回動板が傾いた場合でも、第1および第2の切欠部と係合するための係止部の厚みを確保することができるため、第1および第2の切欠部に係止部を係合しやすくすることができる。
【0016】
上記の発明の止め具では、好ましくは、支持部の一方面に沿って設けられた磁石をさらに備えている。固定部は、磁石に吸着可能な材質で構成されており、かつ貫通孔に操作部が挿通された状態で支持部を挟んで磁石と対向するように設けられている。このため、磁石によって固定部が支持部に固定される。これにより、固定部の位置が安定するため、操作部を回しやすくすることができる。
【0017】
本発明のランドセルは、上記の止め具を備えている。鞄本体に支持部が取り付けられており、蓋に固定部が取り付けられている。発明のランドセルでは、上記の止め具を備えているため、コイルばねを安定して保持することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、コイルばねを安定して保持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。なお、同一の機能を果たす要素には同一の参照符号を付し、その説明は、特に必要がなければ繰り返さない。
【0021】
最初に本発明の一実施の形態のランドセルの構成について説明する。
図1を参照して、本実施の形態のランドセルは、鞄本体1と、蓋2と、肩ベルト3と、止め具10とを主に有している。鞄本体1は、ランドセルを使用者が背負ったときに背中が接する背板部1aと、背板部1aの両側に設けられた側面部1bと、背板部1aと対向して側面部1bと両側で連結された正面部1cと、背板部1a、側面部1bおよび正面部1cの下端に設けられた底面部1dとを有している。また、鞄本体1は、背板部1a、側面部1bおよび正面部1cの上端に設けられた開口部を有している。開口部は底面部1dと反対側に開口している。
【0022】
蓋2は開口部を開閉可能に鞄本体1に接続されている。つまり、蓋2は鞄本体1の背板部1aの上端部に接続されており、鞄本体1の開口部および正面部1cを覆うことが可能に設けられている。蓋2は蓋部材2aを有している。蓋部材2aの先端に止め具10が取り付けられている。止め具10は鞄本体1に蓋2を固定するための装置である。止め具10の詳細な構成については後述するが、鞄本体1に支持部11が取り付けられており、蓋2に固定部14が取り付けられている。操作部13によって支持部11は固定部14に固定されている。
【0023】
肩ベルト3は鞄本体1の背板部1aの上端部と止め具10とに接続されている。肩ベルト3は、左右に2本設けられている。肩ベルト3は、ランドセルを使用者が背負ったときに使用者の両肩に装着されるように構成されている。
【0024】
続いて、本実施の形態の止め具10の詳細な構成について説明する。
図2および
図3を参照して、止め具10は、支持部11と、磁石12と、操作部13と、固定部14と、回動板15と、コイルばね16と、係止部17と、弾性部材18と、固定台19と、機構部材20と、機構カバー21と、ワッシャ22とを主に有している。なお、
図3では操作部13の軸13aはかしめ加工前の状態で示されている。以下、各図において適宜同様に操作部13の軸13aはかしめ加工前の状態で示されている。
【0025】
支持部11は、鞄本体1に取り付け可能に構成されている。支持部11の一方面S1側に磁石12などが配置され、他方面S2側に操作部13などが配置されている。支持部11は、中央に設けられた第1の貫通孔11aと、第1の貫通孔11aを挟むように設けられた2個の第2の貫通孔11bと、第2の貫通孔11bが並ぶ方向と交差する方向に設けられた第3の貫通孔11cとを有している。また支持部11の両端部には2個の第4の貫通孔11dが設けられている。
【0026】
第1の貫通孔11aは操作部13の軸13aを挿通可能に形成されている。第2の貫通孔11bは固定台19の突起(図示せず)と係合可能に形成されている。第3の貫通孔11cは係止部17の先端部17aを挿通可能に形成されている。第4の貫通孔11dは肩ベルト3を支持部11に取り付けるための取付部材3a(
図1)を回動可能に形成されている。
【0027】
磁石12は、支持部11の一方面S1に沿って設けられている。磁石12は機構部材20の凹部20cに嵌められた状態で支持部11の一方面S1に沿って配置されている。磁石12は支持部11に固定部14を磁力によって吸着可能に構成されている。磁石12は支持部11に固定部14を仮固定することができる。
【0028】
操作部13は支持部11の他方面S2に沿って左右両方向に回動可能に設けられている。操作部13は、軸13aと、つまみ部13bとを有している。操作部13の軸13aは、固定台19の貫通孔19a、支持部11の第1の貫通孔11a、機構部材20の第1の貫通孔20d、回動板15の貫通孔150、機構カバー21の第1の貫通孔21a、ワッシャ22の貫通孔22aの各々を挿通するように形成されている。操作部13は左右両方向にそれぞれ約90°の角度範囲で回動可能に構成されている。
【0029】
固定部14は鞄本体1に蓋2を固定可能に構成されている。固定部14は磁石12に吸着可能な材質で構成されている。固定部14は、2個の貫通孔14aと、湾曲部14bと、板状部14cと、連結部14dとを有している。2個の貫通孔14aはそれぞれ操作部13を挿通可能に形成されている。固定部14は貫通孔14aに操作部13が挿通された状態で支持部11を挟んで磁石12と対向するように設けられている。湾曲部14bは使用者が指をかけやすくするために湾曲している。板状部14cに2個の貫通孔14aが略平行に延びるように形成されている。板状部14cと連結部14dとは斜めに接続されている。つまり板状部14cが伸びる方向に対して連結部14dは操作部13側に傾くように形成されている。
【0030】
回動板15の貫通孔150に操作部13の軸13aが嵌め合わされることによって回動板15は操作部13に固定されている。回動板15は一方面S1から突出する方向に延びる第1の爪部15aおよび第2の爪部15bを両側に有している。回動板15は両側に第1および第2の切欠部151、152を有している。第1および第2の切欠部151、152は外周面から中央に向かって凹むように形成されている。第1および第2の切欠部151、152は円弧形状を有している。回動板15は一方面S1に沿って左右両方向に回動可能に構成されている。回動板15にはコイルばね16が取り付けられている。コイルばね16は回動板15を一方面S1に沿って左右両方向に付勢可能に構成されている。
【0031】
係止部17は、一方面S1に対して上下方向に移動可能に構成されている。係止部17は回動板15を係止可能に構成されている。係止部17は、他方面から先端部17aが突出するように設けられている。係止部17は中央部17bに円柱形状を有している。係止部17の中央部17bの外周面17cは、第1および第2の切欠部151、152の厚み寸法より大きな厚み寸法を有している。係止部17は1つの部品で形成されているため壊れにくくすることができる。また係止部17は1つの部品で形成されているため寸法を小さくすることができる。
【0032】
係止部17には弾性部材18が取り付けられている。弾性部材18は係止部17を一方面S1に向かって付勢可能に構成されている。弾性部材18はコイルばねであってもよい。この場合、弾性部材18は係止部17の中央部17bの下面と機構カバー21の上面との間に挟まれている。
【0033】
係止部17は、弾性部材18に付勢されて上方向に移動した状態でコイルばね16によって付勢された回動板15の第1および第2の切欠部151、152のいずれかと中央部17bの外周面17cで係合するように構成されている。係止部17は、固定部14によって押し下げられて下方向に移動した状態で回動板15の第1および第2の切欠部151、152のいずれかとの係合を解除するように構成されている。
【0034】
操作部13は、回動板15の第1および第2の切欠部151、152のいずれかと係止部17とが係合した状態で貫通孔14aに挿通可能に構成されている。操作部13は、回動板15の第1および第2の切欠部151、152のいずれかと係止部17との係合を解除した際に貫通孔14aと交差する方向に回動可能に構成されている。
【0035】
固定台19は支持部11の他方面S2に取り付けられている。固定台19の突起(図示せず)は支持部11の第2の貫通孔11bに挿入されている。これにより、固定台19が支持部11に固定されている。支持部11の他方面S2と操作部13とのつまみ部13bとの間に固定台19が配置されている。固定台19は固定部14の厚み以上の厚みを有している。これにより、操作部13は固定部14の上面上を回動することができる。
【0036】
図3および
図5を参照して、機構部材20は一方面S1から突出する方向に延びる第1の突子20aおよび第2の突子20bを有している。第1の突子20aは第1の爪部15aの外側に設けられており、第2の突子20bは第2の爪部15bの外側に設けられている。
【0037】
機構部材20は、支持部11の一方面S1との間で磁石12を保持可能な凹部20cを有している。機構部材20の第1の貫通孔20dは操作部13の軸13aを挿通可能に形成されている。機構部材20の第2の貫通孔20eは固定台19の突起(図示せず)と係合可能に形成されている。機構部材20の第3の貫通孔20fは係止部17の先端部17aを挿通可能に形成されている。
【0038】
機構部材20の磁石12が配置された面と反対側の面には回動板15、コイルばね16、係止部17、弾性部材18が配置されている。コイルばね16は、第1および第2の突子20a、20bのいずれか並びに第1および第2の爪部15a、15bのいずれかと両端部16a、16bのそれぞれで当接して回動板15を一方面S1に沿って左右両方向に付勢可能に構成されている。
【0039】
図3および
図4を参照して、機構カバー21は機構部材20を覆うように構成されている。機構カバー21の第1の貫通孔21aは操作部13の軸13aを挿通可能に形成されている。機構カバー21の第2の貫通孔21bは係止部17の後端部17eを挿通可能に形成されている。機構カバー21の凹部21cに嵌め込まれるようにワッシャ22は構成されている。ワッシャ22の貫通孔22aは操作部13の軸13aを挿通可能に構成されている。
【0040】
図4を参照して、機構部材20が機構カバー21に覆われている。機構カバー21の中央に配置された凹部21cにワッシャ22が嵌め込まれている。操作部13の軸13aがワッシャ22に接してかしめられている。
【0041】
図5〜
図7を参照して、第1の爪部15aおよび第2の爪部15bはコイルばね16の両端部16a、16bをそれぞれ保持可能な第1および第2の凹状部15a
1、15b
1を有している。第1および第2の凹状部15a
1、15b
1はコイルばね16の両端部16a、16bに対して凹むように形成されている。第1および第2の凹状部15a
1、15b
1bはコイルばね16の両端部16a、16bに当接するように形成されている。第1および第2の凹状部15a
1、15b
1にコイルばね16の両端部16a、16bが当接するためコイルばね16の両端部16a、16bが第1および第2の凹状部15a
1、15b
1から外れにくい。第1および第2の凹状部15a
1、15b
1の凹み部はそれぞれ異なる形状を有している。
【0042】
第1および第2の凹状部15a
1、15b
1は、互いに異なる一方面S1からの高さ位置でコイルばね16の両端部16a、16bのそれぞれを保持するように形成されている。第1の凹状部15a
1の一方面S1からの高さは第2の凹状部15b
1の一方面S1からの高さよりも高くなっている。つまり第1の凹状部15a
1がコイルばね16の一端部16aと当接する位置は、第2の凹状部15b
1がコイルばね16の他端部16bと当接する位置より一方面S1から離れている。また、機構部材20の突子20a、20bも凹状部を有していてもよい。
【0043】
図5〜
図7に示す状態では、
図2に示すように操作部13が固定部14の貫通孔14aと交差する。この状態では係止部17は押し下げられており、係止部17の中央部17bは回動板15よりも一方面S1から離れている。係止部17の中央部17bの上面の一部は回動板15の先端の下面の一部と接している。なお、回動板15の第1および第2の切欠部151、152のいずれもが係止部17と係合していない。
【0044】
コイルばね16の一端部16aは第1の凹状部15a
1を経由して機構部材20の突子20aに当接しており、コイルばね16の他端部16bは第2の凹状部15b
1を経由して機構部材20の突子20bに当接している。
【0045】
次に、本実施の形態の止め具の動作について説明する。
図8を参照して、この状態は
図5〜
図7に示すのと同じ状態である。つまり、
図2に示すように操作部13が固定部14の貫通孔14aと交差する。この状態から使用者が操作部13のつまみ部13bをつまんで図中矢印R1方向またはR2方向に回すことで操作部13が回される。
【0046】
図9および
図10を参照して、図中矢印R1方向に約90°の角度で操作部13が回される。この際、操作部13と一緒に回動板15が回動する。コイルばね16の一端部16aは第1の爪部15aの第1の凹状部15a
1に当接し、コイルばね16の他端部16bは機構部材20の突子20bに当接する。このため、コイルばね16が曲げられることによってコイルばね16によって回動板15は付勢される。また、係止部17は、弾性部材(コイルばね)18に付勢されて上方向A1に移動して第1の切欠部151と中央部17bの外周面17cで係合する。これにより、回動板15の図中矢印R1方向の回動が止められる。この状態で使用者が固定部14の湾曲部14bをつかんで操作部13を貫通孔14aから抜き出すことで支持部11から固定部14が取り外される。
【0047】
続いて、
図11および
図12を参照して、図中矢印R2方向に約90°の角度で操作部13が回される。この際、操作部13と一緒に回動板15が回動する。コイルばね16の他端部16bは第2の爪部15bの第2の凹状部15b
1に当接し、コイルばね16の一端部16aは機構部材20の突子20aに当接する。このため、コイルばね16が曲げられることによってコイルばね16によって回動板15は付勢される。また、係止部17は、弾性部材(コイルばね)18に付勢されて上方向A1に移動して第2の切欠部152と中央部17bの外周面17cで係合する。これにより、回動板15の図中矢印R2方向の回動が止められる。この状態で使用者が固定部14の湾曲部14bをつかんで操作部13を貫通孔14aから抜き出すことで支持部11から固定部14が取り外される。
【0048】
図13を参照して、固定部14によって係止部17の先端部17aを押し下げることによって、コイルばね18に抗して係止部17が押し下げられて下方向A2に移動する。この状態で回動板15の第1および第2の切欠部151、152のいずれかと係止部17との係合が解除される。これにより、コイルばね16によって回動板15および操作部13が回動し、再び
図8に示す状態になる。
【0049】
つまり操作部13は、回動板15の第1および第2の切欠部151、152のいずれかと係止部17とが係合した状態で貫通孔14aに挿入される。そして、操作部13は、回動板15の第1および第2の切欠部151、152のいずれかと係止部17との係合を解除した際に貫通孔14aと交差する方向に回動する。これにより、操作部13によって支持部11に固定部14が固定される。なお、固定部14が屈曲しているため固定部14の一部と支持部11とが接した状態で固定部14を押し下げることができる。このため、固定部14で係止部17の先端部17aを押し下げやすい。また、係止部17の中央部17bは機構部材20および機構カバー21に接触しない。
【0050】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の止め具10では、第1および第2の爪部15a、15bはコイルばね16の両端部16a、16bをそれぞれ保持可能な第1および第2の凹状部15a
1、15b
1を含んでいる。このため、第1および第2の凹状部15a
1、15b
1でコイルばね16の両端部16a、16bを保持することができる。これによりコイルばね16を安定して保持することができる。
【0051】
また、第1および第2の凹状部15a
1、15b
1は、互いに異なる一方面S1からの高さ位置でコイルばね16の両端部16a、16bのそれぞれを保持するように形成されている。このため、コイルばね16の両端部16a、16bの高さ位置にあわせて第1および第2の凹状部15a
1、15b
1はコイルばね16の両端部16a、16bのそれぞれを保持することができる。これにより、第1および第2の凹状部15a
1、15b
1にコイルばね16の両端部16a、16bが当接することによるコイルばね16の高さ方向の変形を抑制することができる。このため、コイルばね16の両端部16a、16bのそれぞれを安定して保持することができる。これにより、回動板15が左右両方向に回動する際のコイルばね16の付勢力を安定化することができる。また、回動板15が左右両方向に回動する際に第1および第2の凹状部15a
1、15b
1からコイルばね16の両端部16a、16bが外れることを抑制することができる。
【0052】
本実施の形態の止め具10では、係止部17は、中央部17bに円柱形状を有し、弾性部材18に付勢されて上方向A1に移動した状態でコイルばね16によって付勢された回動板15の第1および第2の切欠部151、152のいずれかと中央部17bの外周面17cで係合するように構成されている。係止部17の中央部17bは円柱形状を有しているため係止部17が四隅で支持部11と接触することはない。そのため、係止部17をスムーズに動かすことができる。また、係止部17は中央部17bの外周面17cで回動板15の第1および第2の切欠部151、152のいずれかと係合するように構成されているため、係止部17は回動板15より小さくなる。そのため、係止部17の寸法が小さくなることによって係止部17の重量が軽くなる。これにより、係止部17をスムーズに動かすことができる。
【0053】
本実施の形態の止め具10では、係止部17の中央部17bの外周面17cは、第1および第2の切欠部151、152の厚み寸法より大きな厚み寸法を有しているため、回動板15が傾いた場合でも、第1および第2の切欠部151、152と係合するための係止部17の厚みを確保することができるため、第1および第2の切欠部151、152に係止部17を係合しやすくすることができる。
【0054】
本実施の形態の止め具10では、固定部14は、磁石12に吸着可能な材質で構成されており、かつ貫通孔14aに操作部13が挿通された状態で支持部11を挟んで磁石12と対向するように設けられている。このため、磁石12によって固定部14が支持部11に固定される。これにより、固定部14の位置が安定するため、操作部13を回しやすくすることができる。
【0055】
本実施の形態のランドセルは、上記の止め具10を備えているため、コイルばね16を安定して保持することができる。
【0056】
なお、上記ではランドセルに本発明の止め具が取り付けられた場合について説明したが、これに限定されず、本発明の止め具は各種の鞄に取り付けられ得る。
【0057】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。