特許第6012999号(P6012999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012999
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】生体情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1455 20060101AFI20161011BHJP
   A61M 16/10 20060101ALI20161011BHJP
   A61B 5/1477 20060101ALI20161011BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   A61B5/14 322
   A61M16/10 B
   A61B5/14 332
   A61B5/00 D
   A61B5/00 102E
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-79730(P2012-79730)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-208217(P2013-208217A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】下地 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】綱嶋 俊介
【審査官】 ▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第02/053209(WO,A1)
【文献】 特開2005−235024(JP,A)
【文献】 特開平9−122084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
A61B 5/145 − 5/1477
A61M 16/10
G06Q 50/22 −50/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の生体パラメータの数値改善を目的として治療用器械による第1の治療と投薬による第2の治療とを受ける患者の前記特定の生体パラメータの測定値を取得する測定値取得部と、
前記第1の治療における器械動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記第2の治療における投薬情報を取得する投薬情報取得部と、
前記器械動作情報及び前記投薬情報のうち一方が一致し他方が相違する複数の時間帯における前記特定の生体パラメータの測定値の経時変化を、対比可能な態様で一括表示する表示部と、
を有し、前記表示部は、前記経時変化をそれぞれ前記治療用器械の動作開始時から示す複数のグラフ又は表を、並べて表示する生体情報表示装置。
【請求項2】
特定の生体パラメータの数値改善を目的として治療用器械による第1の治療と投薬による第2の治療とを受ける患者の前記特定の生体パラメータの測定値を取得する測定値取得部と、
前記第1の治療における器械動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記第2の治療における投薬情報を取得する投薬情報取得部と、
前記器械動作情報及び前記投薬情報のうち一方が一致し他方が相違する複数の時間帯における前記特定の生体パラメータの測定値の経時変化を、対比可能な態様で一括表示する表示部と、
を有し、前記表示部は、前記経時変化をそれぞれ前記治療用器械の動作開始時から示す複数のグラフ又は表を、重ねて表示する生体情報表示装置。
【請求項3】
前記測定値取得部は、前記患者の別の生体パラメータの測定値を取得し、
前記表示部は、前記複数の時間帯における前記特定の生体パラメータの測定値の経時変化と共に、前記複数の時間帯における前記別の生体パラメータの測定値の経時変化を、対比可能な態様で一括表示する、
請求項1又は2に記載の生体情報表示装置。
【請求項4】
前記治療用器械は酸素供給装置であり、前記第1の治療は在宅酸素療法である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の生体情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、在宅医療とは、何らかの疾患を有する患者が、入院することなく自宅などで医師による医学的指導管理によって治療を行うことの総称とされている。たとえば在宅医療のひとつである在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy)は、酸素供給装置を用いて、患者(主に慢性呼吸不全患者)の動脈血酸素飽和度又はこれに対応する酸素関連のパラメータの数値改善を図り、ひいては患者のQOL(Quality of Life)の向上を図るための治療法である。
【0003】
酸素供給装置の一種である酸素濃縮器は、フィルタ及び吸気タンクを通して取り込んだ室内空気をコンプレッサにより圧縮し、圧縮空気を加減圧の切り替えを繰り返しながらシーブベッドに通過させることにより圧縮空気から高濃度酸素を生成し、鼻腔カニューラを介して高濃度酸素を患者体内に供給する。
【0004】
患者は、酸素濃縮器を例えば自宅に設置し、在宅時、医師の処方に従って酸素濃縮器から高濃度酸素を吸入する。
【0005】
患者についての酸素流量値等の処方を決定した医師は、在宅酸素療法の経過観察をし、処方の見直し等を適宜行う。
【0006】
例えば特許文献1には、患者に対する高濃度酸素の供給(酸素供給)の効果を確認するために、動脈血酸素分圧又は動脈血酸素飽和度の測定値を酸素供給装置の酸素流量値と共に表示する装置が、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−194306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、呼吸器系の治療のために例えば酸素供給装置等の治療用器械による治療(酸素治療)を受ける患者は、呼吸器系の薬剤による治療(投薬治療)を受けることが多い。よって、生体パラメータの数値改善は、酸素治療における酸素流量値の変更によって生じることもあれば、投薬治療の開始によって生じることもあり、投薬治療における薬剤の変更によって生じることもある。すなわち、これらの治療の併用の結果として生体パラメータの数値改善が見られた場合に、これが酸素治療によるものなのか、或いは投薬治療によるものなのか、直ちに判定することは容易ではない。
【0009】
したがって、治療用器械による治療と薬剤による治療とが併用された場合に、各治療の有意差検定及びその後の処方についての判断に役立てることができる情報が、求められている。これは、呼吸器系以外の臓器等の治療についても同様であり、在宅医療に限定されず入院医療、外来医療、予防医療など全ての治療において同様である。
【0010】
本発明の目的は、治療用器械による治療と薬剤による治療とが併用された場合に、いずれか一方の治療の有意差検定を効率化し、その後の処方についての判断に役立つ情報を提供することができる生体情報表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る生体情報表示装置は、
特定の生体パラメータの数値改善を目的として治療用器械による第1の治療と投薬による第2の治療とを受ける患者の前記特定の生体パラメータの測定値を取得する測定値取得部と、
前記第1の治療における器械動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記第2の治療における投薬情報を取得する投薬情報取得部と、
前記器械動作情報及び前記投薬情報のうち一方が一致し他方が相違する複数の時間帯における前記特定の生体パラメータの測定値の経時変化を、対比可能な態様で一括表示する表示部と、
を有し、前記表示部は、前記経時変化をそれぞれ前記治療用器械の動作開始時から示す複数のグラフ又は表を、並べて表示する。
また、本発明に係る生体情報表示装置は、
特定の生体パラメータの数値改善を目的として治療用器械による第1の治療と投薬による第2の治療とを受ける患者の前記特定の生体パラメータの測定値を取得する測定値取得部と、
前記第1の治療における器械動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記第2の治療における投薬情報を取得する投薬情報取得部と、
前記器械動作情報及び前記投薬情報のうち一方が一致し他方が相違する複数の時間帯における前記特定の生体パラメータの測定値の経時変化を、対比可能な態様で一括表示する表示部と、
を有し、前記表示部は、前記経時変化をそれぞれ前記治療用器械の動作開始時から示す複数のグラフ又は表を、重ねて表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、治療用器械による治療と薬剤による治療とが併用された場合に、いずれか一方の治療の有意差検定を効率化し、その後の処方についての判断に役立つ情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係る治療管理システムの構成を示すブロック図
図2図1に示すディスプレイ装置における画面表示の第1の例を示す図
図3図1に示すディスプレイ装置における画面表示の第2の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施の形態に係る治療管理システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示す本実施の形態の治療管理システム100は、酸素濃縮器110、パルスオキシメータ120、管理装置130、ディスプレイ装置140、プリンタ装置150、及び経皮的二酸化炭素分圧測定装置(以下、単に「分圧測定装置」という)160を含む。
【0017】
治療管理システム100は、上記の各種機器を組み合わせて成るシステムであるため、図1においてはこれらの機器が有線または無線によって相互に接続された状態で示されている。しかし、酸素濃縮器110と管理装置130との接続、パルスオキシメータ120と管理装置130との接続、及び分圧測定装置160と管理装置130との接続は、常時通信可能な接続を意味するだけではなく、これらの機器間でのデータ授受が必要なときにのみ相互に通信可能に接続されることも意味するものである。なお、上記機器間でのデータ授受をリムーバブルメディアによって行うことができる場合には、上記機器間を通信可能に接続する構成は必ずしも必要ではない。また、酸素濃縮器110と管理装置130との間でのデータ授受は、これらの機器間で直接に行われても良いし、無線通信など別の機器を介して間接的に行われても良い。パルスオキシメータ120と管理装置130との間でのデータ授受、及び分圧測定装置160と管理装置130との間でのデータ授受についても、同様である。
【0018】
酸素濃縮器110は、在宅酸素療法に用いられる治療用器械である酸素供給装置の一種である。酸素濃縮器110が据置型である場合は通常、酸素濃縮器110は患者の自宅に設置されて患者への酸素供給に使用される。酸素濃縮器110が携帯型である場合は、自宅内に限らず使用可能である。高濃度酸素の生成及び供給のための構成及び方法は、従来周知であるため、ここではその詳細な説明を省略する。また、酸素濃縮器110の全体構成は、特許文献1記載のものと同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0019】
パルスオキシメータ120は、生体情報測定装置の一種であり、例えば患者の指に装着されて患者の動脈血酸素飽和度(SpO)及び脈拍数の測定に使用される。SpOは、ヒト動脈血ガス分析の動脈血酸素分圧(PaO)に由来する生体パラメータである。SpO及び脈拍数の測定のための構成及び方法は、従来周知であるため、ここではその詳細な説明を省略する。また、パルスオキシメータ120の全体構成は、特許文献1記載のものと同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0020】
なお、SpOを測定する代わりに、PaO、或いはPaOに由来又はPaOとの関連性が高い別の生体パラメータを単独または組み合わせて測定しても良い。PaOに由来又はPaOとの関連性が高い生体パラメータとしては、例えば、呼吸数、呼吸波形、脈拍数、心電図、血圧、換気量、運動量、運動負荷量等がある。
【0021】
分圧測定装置160は、生体情報測定装置の一種であり、例えば患者の耳朶に装着される。分圧測定装置160は、従来周知の構成及び方法により、患者の経皮的二酸化炭素分圧(PtcCO)の測定を行う。PtcCOは、ヒト動脈血ガス分析の動脈血二酸化炭素分圧(PaCO)に由来する生体パラメータである。分圧測定装置160において、PtcCOの測定のための構成以外の構成(例えば時計・カレンダ機能等)として、パルスオキシメータ120と同様の構成を採用可能であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0022】
なお、PtcCOを測定する代わりに、PaCO、或いはPaCOに由来又はPaCOとの関連性が高い別の生体パラメータを単独または組み合わせて測定しても良い。PaCOに由来又はPaCOとの関連性が高い生体パラメータとしては、例えば、終末呼気炭酸ガス分圧(EtCO)、心電図、血圧、換気量、運動量、運動負荷量等がある。
【0023】
また、パルスオキシメータ120及び分圧測定装置160は、互いに一体であっても良く、また、治療管理システム100内のいずれかの装置に装備されていても良い。
【0024】
管理装置130は、治療管理を行うための装置であって、典型的にはパソコンにおいて実現される。管理装置130は、例えば医療施設内に設置されて医師により使用される。管理装置130は、データ転送処理部131、記憶部132、データ演算部133及び入力部134を有する。
【0025】
データ転送処理部131は、通信ケーブルの接続部又はリムーバブルメディアの挿入部又は無線通信部を含み、酸素濃縮器110、パルスオキシメータ120及び分圧測定装置160のそれぞれからのデータを受信する。受信したデータは記憶部132に格納される。酸素濃縮器110からのデータには、酸素濃縮器110の器械動作情報(以下、単に「動作情報」という)が含まれる。酸素濃縮器110の動作情報は、酸素濃縮器110の電源投入期間の日時と各時点で設定されている酸素流量値とを含む。パルスオキシメータ120からのデータには、パルスオキシメータ120の測定結果が含まれる。パルスオキシメータ120の測定結果は、SpOの測定値(酸素測定値)及びその測定日時を含む。分圧測定装置160からのデータには、分圧測定装置160の測定結果が含まれる。分圧測定装置160の測定結果は、PtcCOの測定値(二酸化炭素測定値)及びその測定日時を含む。すなわち、データ転送処理部131は、在宅酸素療法において数値改善の対象となっている生体パラメータの測定値を取得し、同一患者の別の生体パラメータの測定値も取得することができる測定値取得部を構成する。なお、各測定値と共に記録される測定日時は、データ転送処理部131で付加されてもよい。
【0026】
入力部134は、キーボード、マウス或いはタッチパネル等の入力装置であり、患者に対して行われている投薬治療に関する情報(投薬情報)の入力に使用される。投薬情報は、処方されている薬剤の種類・名称・量・投与条件・処方時期等を含む。投薬情報はデータとして記憶部132に格納される。なお、投薬情報の入力は、必ずしも入力部134によって行う必要はなく、例えば電子カルテ等の外部システムから投薬情報を転送させることによって行っても良い。
【0027】
記憶部132は、動作情報及び投薬情報等のデータ並びに患者情報を記憶するほか、データ演算部133において受信データに基づいて実行される演算のプログラムを記憶する。
【0028】
データ演算部133は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置(図示せず)を有し、この演算装置で治療管理プログラムを実行することにより、記憶部132に記憶されたデータから得られた演算結果としての演算情報を、表示部としてのディスプレイ装置140(例えば液晶ディスプレイ)の画面に表示させる。なお、プリンタ装置150(例えばレーザプリンタ)により演算情報の印刷を行っても良い。
【0029】
管理装置130及びディスプレイ装置140の組合せは生体情報表示装置を構成する。
【0030】
図2は、ディスプレイ装置140における画面表示の第1の例を示す図である。
【0031】
ディスプレイ装置140の画面141には、管理装置130から出力された演算情報が表示される。
【0032】
この画面表示例では、演算情報は、酸素濃縮器110の動作開始時からの生体パラメータの測定値の経時変化を示す2つのトレンドグラフを含んでいる。左右に並べて表示されたこれらのトレンドグラフは、投薬情報D1、D2の異なる時間帯に対応している。左側のトレンドグラフは、薬剤が処方されていないときの、酸素濃縮器110の動作開始時からの時間帯におけるPtcCOの経時変化B1及びSpOの経時変化C1を示す。一方、右側のトレンドグラフは、薬剤(この例では気管支拡張剤)が処方されているときの、酸素濃縮器110の動作開始時からのPtcCOの経時変化B2及びSpOの経時変化C2を示す。
【0033】
これらを対比すると、投薬開始後の右側のトレンドグラフでは、投薬開始前の左側のトレンドグラフと比べて、SpOが99%以上となる期間の比率が高くなっていると共に、PtcCOが上昇傾向となっていることが、一目見て理解できる。
【0034】
このように、これらのトレンドグラフを並べて一括表示することにより、PtcCOの経時変化B1、B2及びSpOの経時変化C1、C2を基に投薬治療の有意差検定を行うことができる。
【0035】
また、この演算情報は、各トレンドグラフの時間軸に平行して、それぞれの時間帯における酸素濃縮器110の酸素流量値の一覧つまり動作情報A1、A2を示すバーグラフを含む。このバーグラフにおいて、酸素流量値は表示色によって表されている。例えば、2.00Lは黄色で表示され、4.00Lは赤色で表示される。酸素濃縮器110の動作開始から動作停止までの時間帯において、酸素流量値は必ずしも一定でなく、変えられている場合があり、この場合、酸素流量値の変動は表示色の変化によって表現される。このバーグラフにより、酸素濃縮器110の動作開始時からの時間帯における酸素流量値が分かるようになっている。なお、動作情報A1、A2、PtcCOの経時変化B1、B2及びSpOの経時変化C1、C2の表示態様は、適宜変更可能である。例えば、これらの表示態様は、グラフでなくても良く、例えば数値を並べて表示する表であっても良い。
【0036】
特定の時間帯におけるPtcCOの経時変化B1(又はB2)及びSpOの経時変化C1(又はC2)をこの時間帯における動作情報A1(又はA2)と共に表示することにより、処方された酸素流量値での酸素供給が行われた結果として患者のPtcCO及びSpOがどのように変動したかを容易に確認することができる。
【0037】
左右のトレンドグラフは、異なる投薬情報D1、D2の時間帯に対応しているが、これらの時間帯においては、動作情報A1、A2が互いに一致しており、より具体的には、酸素濃縮器110の酸素流量値がいずれも2.00Lである。
【0038】
すなわち、これらのトレンドグラフを比較すると、投薬開始前後で酸素流量値が同一であるにもかかわらず、SpOに改善の兆候が現れている。よって、投薬治療による効果を明確に確認することができる。
【0039】
一方で、投薬開始後にPtcCOの上昇傾向も現れているが、これについては、気管支拡張剤の投薬によって患者の肺に取り込まれる酸素の量が増え、その結果として二酸化炭素の量も増えたとも解釈できる。よって、投薬開始後は、酸素流量値を、投薬開始前よりも低く設定しても良いと考えることもできる。
【0040】
このように、本実施の形態によれば、治療用器械の動作情報及び投薬情報のうち一方が一致し他方が相違する複数の時間帯におけるSpOの経時変化が、対比可能な態様で一括表示される。これにより、SpOの生体パラメータの数値改善を目的として酸素治療と投薬治療とを受けている患者において、数値改善が見られた場合に、これが酸素治療によるものなのか、或いは投薬治療によるものなのか、直ちに判定することができる。したがって、各治療方法の処方に関する有意差検定を容易に行うことができる。また、その結果を利用して、その後の処方についての判断をより的確に行うことができる。
【0041】
なお、上記の例では、2つのトレンドグラフを左右に並べて表示しているが、図3に示すように、これらのトレンドグラフを重ねて表示するようにしても良い。また、一括表示されるトレンドグラフの数は2つ以上でも良い。さらに、酸素治療の有意差検定のために、投薬情報が一致し且つ動作情報が相違する複数の時間帯におけるSpOの経時変化を表示するようにしても良い。これらのような表示条件或いは演算条件の設定は、入力部134を用いて行えば良い。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について説明した。上記実施の形態は種々変更して実施可能である。
【0043】
例えば、上記実施の形態では、呼吸器系の治療として在宅酸素療法を例にとっているが、本発明は在宅での呼吸器系の治療に限定されない。すなわち、上記実施の形態では、患者が酸素濃縮器110から酸素供給を受けているが、人工呼吸器や酸素供給用の院内配管等、別の治療用器械から酸素供給を受けても良いし、持続陽圧呼吸補助装置のように酸素供給を伴わない治療用器械を使用した治療にも適用可能である。
【0044】
また、本発明は、呼吸器系の治療の用途に好適であるため、本実施の形態では、酸素治療を例にとっているが、呼吸器系以外の臓器等の治療、例えば血液透析機やリハビリ治療装置を用いた治療にも適用可能である。
【0045】
また、上記生体情報表示装置は、酸素濃縮器110等の治療用器械に装備されていても良いし、パルスオキシメータ120或いは分圧測定装置160のような生体情報測定装置に装備されていても良い。
【0046】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
100 治療管理システム
110 酸素濃縮器
120 パルスオキシメータ
130 管理装置
131 データ転送処理部
132 記憶部
133 データ演算部
134 入力部
140 ディスプレイ装置
141 画面
150 プリンタ装置
160 経皮的二酸化炭素分圧測定装置
図1
図2
図3