(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0009】
===吹流し装置===
以下、
図1、
図2を参照して、本実施形態における吹流し装置について説明する。
図1は、本実施形態における吹流し装置を示す図である。
図2は、本実施形態における、無風のときの吹流し装置を示す図である。尚、
図1及び
図2において、角度エンコーダ6、電線L1、L2、発電機42、回転軸411は見えない状態となっているが、説明の便宜上、点線で示される。
【0010】
吹流し装置100(風力確認装置)は、吹流し装置100が設置されている位置の風力及び風向を確認するための装置である。尚、本実施形態において、Z軸は、支持柱71が延びる垂直方向に沿う軸であり、上側に向かう方向を+Zとし、下側に向かう方向を−Zとする。X軸は、固定アーム76が延びる方向に沿う軸であり、一方に向かう方向を+Xとし、他方に向かう方向を−Xとする。Y軸は、X軸及びZ軸に直交する方向に沿う軸であり、奥側に向かう方向を+Yとし、手前側に向かう方向を−Yとする。吹流し装置100は、例えば、製鉄所で発生する高炉ガスやコークス炉ガス等の各種副生ガスを燃料として発電する火力発電所内に設置される。そして、吹流し装置100は、火力発電所内で各種設備の点検や工事等を行う作業者に対して、昼夜を問わず、風力及び風向を知らせることが可能である。
【0011】
吹流し装置100は、吹流し2、LED(Light Emitting Diode)25a乃至25d(以下、「LED25」ともいう)、LED26a乃至26d(以下、「LED26」ともいう)、LED27a乃至27d(以下、「LED27」ともいう)、スイッチ装置SW、制御装置8、支持装置7、角度エンコーダ6、風力発電装置4、太陽光発電装置3、バッテリ51、照度センサ52、を有している。
【0012】
吹流し2は、風力によってたなびく、筒状の布である。吹流し2には、空気の入口となる開口2aと、空気の出口となる開口2bとが設けられる。開口2aの径は、例えば、開口2aから吹流し2内に流入した後開口2bから吹流し2外へ流出する空気によって吹流し2の開口2b側の端部が吹き上がるように、開口2bの径よりも大きく設定されている。吹流し2は、支持装置7に支持される。
【0013】
支持装置7は、吹流し2、バッテリ51、風力発電装置4、太陽光発電装置3を支持する装置である。尚、支持装置7については、後述する。
【0014】
LED25乃至27は、吹流し2の視認性を向上させるために発光する発光素子ある。LED25、26、27は夫々、例えば、吹流し2の視認性が向上するように、吹流し2の外側の面に、吹流し2の長手方向に沿って取り付けられる。LED25、26、27は夫々、LED25、26、27に電力が供給された際に、赤色、黄色、青色に発光するものとする。つまり、吹流し2に取り付けられているLEDは、角度θが小さくなるにつれて、青色、黄色、赤色の順に発光することとなる。尚、角度θについては、後述する。尚、例えば、LED25乃至27の発光色は、火力発電所内の設備点検等の作業を行う作業者の危険度の認識に基づいて選択される。LED25乃至27の発光については、後述する。
【0015】
角度エンコーダ6は、回動部材75が回動軸751を中心に回動する角度を検出する装置である。尚、角度エンコーダ6については、後述する。
【0016】
バッテリ51は、スイッチ装置SWを介して、LED25乃至27に電力を供給する。尚、バッテリ51は、風力発電装置4、太陽光発電装置3の発電電力で充電できるように、発電機42、ソーラパネル31と夫々、例えば電線L1、L2を介して電気的に接続されている。バッテリ51は、LED25乃至27に対して電力を供給できるように、電線(不図示)、スイッチ装置SWを介して、LED25乃至27と電気的に接続されている。尚、風力発電装置4、太陽光発電装置3については、後述する。
【0017】
スイッチ装置SWは、LED25乃至27のうち、バッテリ51から電力が供給されるLEDを切り替えるための装置である。尚、スイッチ装置SWについては、後述する。
【0018】
照度センサ52は、照度センサ52が設置されている位置の明るさを検知して、当該明るさを示す照度信号を出力する装置である。
【0019】
制御装置8は、スイッチ装置SWを制御する装置である。尚、制御装置8については、後述する。
【0020】
===支持装置、吹流し===
以下、
図1、
図2を参照して、本実施形態における支持装置、吹流しについて説明する。
【0021】
支持装置7は、吹流し2、バッテリ51、風力発電装置4、太陽光発電装置3を支持する装置である。支持装置7は、支持柱71、ベアリング72、回動アーム74、回動部材75、固定アーム76を有する。
【0022】
支持柱71は、垂直方向(Z軸)に沿って延びる、例えば円柱形状の部材である。支持柱71の上端(+Z)には、支持柱71と直交するX軸方向に延びる固定アーム76が取り付けられている。固定アーム76上には、例えば、風力発電装置4、太陽光発電装置3、バッテリ51、照度センサ52が設けられる。尚、風力発電装置4、太陽光発電装置3、バッテリ51、照度センサ52については、後述する。
【0023】
回動アーム74は、支持柱71から離れた位置で吹流し2を支持するための部材である。回動アーム74は、例えば支持柱71と直交する水平方向に沿った棒状の部材である。回動アーム74は、支持柱71を中心に360度回動できるように、回動アーム74の一方側の端部が取付部材73及びベアリング72によって、支持柱71の所定の高さ位置に回動可能に取り付けられる。つまり、回動アーム74は、支持柱71の所定の高さ位置において回動可能に軸支されることとなる。尚、所定の高さ位置とは、例えば、無風のとき(
図2)に、回動アーム74に取り付けられた吹流し2における開口2b側の縁が地面に接触しないような位置である。つまり、地面から所定の高さ位置までの垂直方向の距離は、吹流し2の長手方向の長さよりも長くなる。
【0024】
回動部材75は、回動アーム74における支持柱71に取り付けられる一方側の端部とは反対側の他方側の端部に、吹流し2を取り付けるための部材である。回動部材75は、例えば、棒状の部材である。回動部材75の一方側の縁には、ロープ22、23によって吹流し2が取り付けられる。尚、例えば、ロープ22、23の一端は夫々、吹流し2の開口2a側の縁における当該開口2aを挟んで対向する位置に取り付けられ、ロープ22、23の他端は、回動部材75の一方側の縁に取り付けられる。回動部材75は、例えば、回動アーム74と支持柱71とで形成される面に対して直交する回動軸751を中心に回動できるように、回動アーム74の他方側の端部に回動可能に取りつけられる。
【0025】
回動アーム74、回動部材75は夫々、風力によってたなびく吹流し2から伝達される力によって、支持柱71、回動軸751を中心に回動することとなる。つまり、回動アーム74、回動部材75は夫々、吹流し装置100が設置されている位置における風力に基づいて、支持柱71、回動軸751を中心に回動することとなる。
【0026】
例えば、無風の場合(
図2)、吹流し2は、垂下した状態となる。尚、吹流し2が垂下した際の当該吹流し2の位置を、吹流し2の垂直位置とする。この際、回動部材75は、回動部材75のロープ22、23が取り付けられている一方側の縁が下側(−Z)を向き、且つ、回動部材75が垂直方向に沿うように、回動軸751を中心に回動することとなる。尚、回動部材75が垂直方向に沿い、且つ、回動部材75の一方側の縁が下側に向けられたときの回動部材75位置を、回動部材75の垂直位置とする。
【0027】
例えば、他方側から一方側(
図1中の白抜き矢印の方向)に向かう風を吹流し2が受けた場合、吹流し2は、吹流し2の開口2a側の縁が風上側(−X)に向けられて、且つ、吹流し2の開口2b側の縁が風下側(+X)に向けられるように、たなびくこととなる。このとき、回動アーム74の他方側の端部には、吹流し2によって、他方側から一方側に向かう力が伝達される。回動アーム74は、回動アーム74の他方側の端部が風下側を向くように、支持柱71を中心に回動することとなる。更に、回動部材75は、吹流し2から伝達される力によって、回動部材75の一方側の縁の高さが、回動部材75の垂直位置における回動部材75の一方側の縁の高さよりも高くなるように、回動部材75の垂直位置から風下側に向かって回動軸751を中心に回動することとなる。回動部材75は、例えば、吹流し2が吹流し2の垂直位置からたなびく角度θ(第2角度)だけ、回動部材75の垂直位置から回動することとなる。つまり、角度θの大きさは、吹流し装置100が設置されている位置における風力に応じて定まることとなる。
【0028】
===角度エンコーダ===
以下、
図1、
図2を参照して、本実施形態における角度エンコーダについて説明する。
【0029】
角度エンコーダ6は、角度θを検出する装置である。角度エンコーダ6は、例えば、回動アーム74に対する、回動軸751を中心に回動する回動部材75の回動角度に基づいて、角度θを検出するものとする。角度エンコーダ6は、例えば、角度エンコーダ6で検出した角度θを示す角度信号を出力するものとする。尚、例えば、特開2008−51827号公報に記載されている発明に基づいて、角度エンコーダ6における角度θを検出する機能を実現することもできる。
【0030】
===風力発電装置===
以下、
図1を参照して、本実施形態における風力発電装置について説明する。
風力発電装置4は、バッテリ51を充電するための装置である。
風力発電装置4は、風力を利用して発電を行う。風力発電装置4は、羽根41、発電機42、本体43、支持棒44、ベアリング45、尾翼46を有する。
【0031】
本体43は、本体43の内部に発電機42が配設されるとともに、羽根41を支持する。
本体43は、垂直方向(Z軸)に延びる支持棒44、ベアリング45によって、支持棒44を軸に360度回動できるように、回動可能に固定アーム76上に取り付けられる。
羽根41は、風力を受けて、支持棒44の長手方向に対して略直交する回転軸411を中心に回転できるように、本体43に回転可能に取り付けられる。
尾翼46は、羽根41が風上を向くように本体43を回動させる。尾翼46は、本体43における羽根41が取り付けられる側とは反対側に取り付けられる。
発電機42は、羽根41の回転力に基づいて発電を行う装置である。
【0032】
例えば、他方側から一方側に向かう(
図1中の白抜き矢印の方向)風を風力発電装置4が受けた場合、本体43は、羽根41が風上である他方側を向くように、支持棒44を中心に回動する。羽根41は、受けた風力によって回転する。羽根41の回転力に基づいて、発電機42は発電する。発電機42の発電電力は、電線L1を介してバッテリ51に供給される。一方、例えば、無風の場合、羽根41は回転せずに、発電機42は発電を行わないこととなる。この場合、風力発電装置4からバッテリ51へは、電力が供給されないこととなる。
【0033】
===太陽光発電装置===
以下、
図1を参照して、本実施形態における太陽光発電装置について説明する。
太陽光発電装置3は、バッテリ51を充電するための装置である。太陽光発電装置3は、ソーラパネル31、支持棒32を有する。
ソーラパネル31は、太陽光を利用して発電を行う装置である。ソーラパネル31は、支持棒32によって、固定アーム76上に取り付けられる。
【0034】
例えば、日中は太陽光がソーラパネル31に照射されるので、太陽光発電装置3で発電が行われて、太陽光発電装置3の発電電力によって、バッテリ51は充電される。一方、例えば、夜間は、太陽光発電装置3は発電を行わずに、バッテリ51は太陽光発電装置3によって充電されないこととなる。
【0035】
===スイッチ装置===
以下、
図3を参照して、本実施形態におけるスイッチ装置について説明する。
図3は、本実施形態における吹流し装置の回路図である。尚、LED25a乃至25dは直列接続されているが、説明の便宜上、一つのLED25として示されている。LED26a乃至26d直列接続されているが、説明の便宜上、一つのLED26として示されている。LED27a乃至27d直列接続されているが、説明の便宜上、一つのLED27として示されている。
【0036】
スイッチ装置SWは、LED25乃至27夫々とバッテリ51との間に接続される、スイッチSW5乃至SW7を有する。スイッチSW5乃至SW7の開閉は夫々、制御装置8から出力される制御信号Z5乃至Z7によって制御される。
【0037】
例えば、スイッチを開く制御信号Z5乃至Z7をスイッチ装置SWが受信した場合、スイッチSW5乃至SW7は開くものとする。又、例えば、スイッチを閉じる制御信号Z5乃至Z7をスイッチ装置SWが受信した場合、スイッチSW5乃至SW7は閉じるものとする。
【0038】
===吹流し装置の回路===
以下、
図3を参照して、本実施形態における吹流し装置の回路について説明する。
吹流し装置100は、バッテリ51、スイッチ装置SW、LED25乃至27を有する。
【0039】
スイッチSW5とLED25は、バッテリ51の正電極と接地との間に直列接続される。尚、スイッチSW5は、LED25とバッテリ51との間に接続されるものとする。スイッチSW6とLED26は、バッテリ51の正電極と接地との間に直列接続される。尚、スイッチSW6は、LED26とバッテリ51との間に接続されるものとする。スイッチSW7とLED27は、バッテリ51の正電極と接地との間に直列接続される。尚、スイッチSW7は、LED27とバッテリ51との間に接続されるものとする。
【0040】
例えば、スイッチSW5乃至SW7が夫々閉じた場合、LED25乃至27は発光することとなる。又、例えば、スイッチSW5乃至SW7が夫々開いた場合、LED25乃至27は消光することとなる。
【0041】
===制御装置===
以下、
図4、
図5を参照して、本実施形態における制御装置について説明する。
図4は、本実施形態における制御装置の機能を示すブロック図である。
図5は、本実施形態における発光テーブルを示す図である。
【0042】
制御装置8は、例えば、マイコン等を用いて実現される装置である。制御装置8は、角度信号、照度信号に基づいて、スイッチ装置SWを制御する装置である。制御装置8は、照度センサ52、角度エンコーダ6、スイッチ装置SWと通信できるように、例えば有線または無線で通信可能に接続されている。
【0043】
制御装置8は、送受信部81、判定部82、記憶部83、制御部84を有する。
送受信部81は、照度信号、角度信号を受信し、制御信号を送信する。
記憶部83は、例えば、第1の領域831、第2の領域832、第3の領域833を有する。
第1の領域831には、例えば、吹流し装置100を制御するためのプログラムが記憶されている。
第2の領域832には、例えば、照度信号に基づく照度を示す情報、角度信号に基づく角度θを示す情報が記憶される。
【0044】
第3の領域833には、例えば、第1比較角度θ1を示す情報、第2比較角度θ2を示す情報、第3比較角度θ3(第1角度)を示す情報が記憶される。尚、第3比較角度θ3は、LED25乃至27のうち何れかを発光させるか、LED25乃至27を全て発光させないかの判断のために用いられる。第3比較角度θ3は、例えば、吹流し装置100が設置されている位置の風力が、安全な風力よりも強い所定風力のときの角度θであり、実験的に求めてられるものとする。尚、例えば、第3比較角度θ3は、シミュレーション等によって求められることとしてもよい。例えば、火力発電所内に設置されている吹流し装置100の周辺で、各種設備の点検や工事等の作業を行うことがある。安全な風力とは、例えば、吹流し装置100の周辺の作業位置に有毒ガスが漏れ出したとしても、作業を行う作業者に被害を与えない程度となるように、当該有毒ガスを空中に拡散させるような風力である。ここで、例えば、吹流し装置100が設置されている位置の風力が所定風力より強い場合、角度θは、第3比較角度θ3より大きくなる。一方、例えば、吹流し装置100が設置されている位置の風力が所定風力より弱い場合、角度θは、第3比較角度θ3より小さくなる。つまり、角度θと、第3比較角度θ3との大小を比較することによって、吹流し装置100が設置されている位置の風力が、所定風力より弱いか否かを判断できることとなる。
【0045】
更に、第3の領域833には、例えば、第1比較角度θ1、第2比較角度θ2、第3比較角度θ3と、発光させるLEDとが関連付けられた発光テーブルT1を示す情報が記憶されている。第1比較角度θ1、第2比較角度θ2は、LED25乃至27のうち何れのLEDを発光させるかの、発光させるLEDを選択するために用いられる。第1比較角度θ1、第2比較角度θ2、第3比較角度θ3は、例えば、第1比較角度θ1、第2比較角度θ2、第3比較角度θ3の順に大きくなるように設定される。
【0046】
更に、第3の領域833には、例えば、所定照度を示す照度情報が記憶されている。尚、所定照度は、第3比較角度θ3と共に、LED25乃至27のうち何れかを発光させるか、LED25乃至27を全て発光させないかの判断のために用いられる。所定照度は、例えば、火力発電所内で各種設備の点検や工事等を行う作業者が、比較的遠方から吹流し2を視認できる程度の照度よりも高く設定されているものとする。つまり、例えば、照度が所定照度よりも高い場合、吹流し装置100を確実に視認できることとなる。一方、例えば、照度が所定照度よりも低い場合、吹流し装置100が設置されている位置が暗いために、吹流し装置100を視認できない可能性があることとなる。
【0047】
判定部82は、角度信号に基づく角度θが、第3比較角度θ3より小さいか否かを判定する。つまり、判定部82は、吹流し装置100が設置されている位置における風力が所定風力よりも弱いか否かを判定(検出)することとなる。尚、角度エンコーダ6と、角度θが、第3比較角度θ3より小さいか否かを判定する判定部82の機能が、風力検出装置に相当する。判定部82は、角度信号に基づく角度θが、第1比較角度θ1より小さいか否かを判定する。判定部82は、角度信号に基づく角度θが、第2比較角度θ2より小さいか否かを判定する。更に、判定部82は、照度信号に基づく照度が所定照度より低いか否かを判定(検出)する。尚、照度センサ52と、照度信号に基づく照度が所定照度より低いか否かを判定する判定部82の機能が、照度検出装置に相当する。
【0048】
制御部84は、吹流し装置100を制御するためのプログラムに基づいて、スイッチ装置SWを制御する。
【0049】
例えば、照度信号に基づく照度が所定照度より低くないと判定部82が判定した場合、制御部84は、スイッチを開く制御信号Z5、Z6、Z7を送受信部81から送信させる。例えば、照度信号に基づく照度が所定照度より低く、且つ、角度θが第3比較角度θ3よりも大きいと判定部82が判定した場合、制御部84は、スイッチを開く制御信号Z5、Z6、Z7を送受信部81から送信させる。例えば、照度信号に基づく照度が所定照度より低く、且つ、角度θが第3比較角度θ3よりも小さく、且つ、角度θが第2比較角度θ2よりも大きいと判定部82が判定した場合、制御部84は、スイッチを開く制御信号Z5、Z6、及び、スイッチを閉じる制御信号Z7を送受信部81から送信させる。例えば、照度信号に基づく照度が所定照度より低く、且つ、角度θが第2比較角度θ2よりも小さく、且つ、角度θが第1比較角度θ1よりも大きいと判定部82が判定した場合、制御部84は、スイッチを開く制御信号Z5、Z7、及び、スイッチを閉じる制御信号Z6を送受信部81から送信させる。例えば、照度信号に基づく照度が所定照度より低く、且つ、角度θが第1比較角度θ1よりも小さいと判定部82が判定した場合、制御部84は、スイッチを開く制御信号Z6、Z7、及び、スイッチを閉じる制御信号Z5を送受信部81から送信させる。
【0050】
===吹流し装置の動作===
以下、
図1、
図2、
図6を参照して、本実施形態における吹流し装置の動作について説明する。
図6は、本実施形態における吹流し装置の動作を示すフローチャートである。
【0051】
第1の領域831に記憶されている吹流し装置100を制御するためのプログラムの実行が開始されて、制御装置8が吹流し装置100の制御を開始したところから説明する。
【0052】
制御装置8は、照度信号を受信する(ステップS1)。制御装置8は、照度信号に基づく照度が所定照度よりも低いか否かを判断する(ステップS2)。例えば、照度信号に基づく照度が所定照度よりも低くないと判断した場合(ステップS2のNO)、制御装置8は、ステップS1の制御を行った後、ステップS2の判断を再度行う。
【0053】
一方、例えば、照度信号に基づく照度が所定照度よりも低くい判断した場合(ステップS2のYES)、制御装置8は、角度信号を受信する(ステップS3)。制御装置8は、角度信号に基づく角度θが第3比較角度θ3よりも小さいか否かを判断する。つまり、制御装置8は、吹流し2に供給される風力が所定風力よりも弱いか否かを判断する(ステップS4)。
【0054】
例えば、角度信号に基づく角度θが第3比較角度θ3よりも小さくないと判断した場合(ステップS4のNO)、制御装置8は、ステップS1の制御を行った後、ステップS2の判断を再度行う。
【0055】
一方、例えば、角度信号に基づく角度θが第3比較角度θ3よりも小さいと判断した場合(ステップS4のYES)、制御装置8は、判定部82の判定結果に基づいて、LED25乃至LED27の何れかのLEDを発光させた後(ステップS5)、吹流し装置100の制御動作を終了する。
【0056】
例えば、角度θが第3比較角度θ3よりも小さく、且つ、角度θが第2比較角度θ2よりも大きいと判定部82が判定した場合、制御装置8は、スイッチを開く制御信号Z5、Z6、及び、スイッチを閉じる制御信号Z7を送信する。その場合、LED27に対してのみバッテリ51から電力が供給されて、LED27のみが発光することとなる。又、例えば、角度θが第2比較角度θ2よりも小さく、且つ、角度θが第1比較角度θ1よりも大きいと判定部82が判定した場合、制御装置8は、スイッチを開く制御信号Z5、Z7、及び、スイッチを閉じる制御信号Z6を送信するその場合、LED26に対してのみバッテリ51から電力が供給されて、LED26のみが発光することとなる。又、例えば、角度θが第1比較角度θ1よりも小さいと判定部82が判定した場合、制御装置8は、スイッチを開く制御信号Z6、Z7、及び、スイッチを閉じる制御信号Z5を送信する。その場合、LED25に対してのみバッテリ51から電力が供給されて、LED25のみが発光することとなる。つまり、角度θに応じた色のLEDが発光することとなるので、LEDの発光色を視認して、吹流し装置100が設置されている位置における風力を確実に確認することができる。
【0057】
前述したように、判定部82は、角度信号に基づく角度θが、第3比較角度θ3より小さいか否かを判定する。つまり、判定部82は、吹流し2に供給される風力が所定風力よりも弱いか否かを判定(検出)する。角度θが第3比較角度θ3より小さい場合、制御装置8は、LED25乃至27のうち、何れかを発光させる。一方、角度θが第3比較角度θ3より大きい場合、制御装置8は、LED25乃至27全てを発光させないこととなる。従って、LED25乃至27が発光しているか、LED25乃至27の全てが発光していないかによって、吹流し装置100が設置されている位置の風力が、所定風力よりも弱いか否かを確認することができる。例えば、火力発電所内の設備点検等の作業を行う地点に、吹流し装置100を設置して、当該作業地点に有害ガスが漏れ出したときに、設備点検等の作業を行う作業員が危険に曝される虞があるか否かを判断することができる。従って、有害ガスが漏れ出す危険性のある地点に吹流し装置100を設置して、吹流し装置100が設置されている位置の風力を確認することによって、作業者の安全性を確保することができる。
【0058】
又、吹流し2には、LED25乃至27が取り付けられる。支持装置7は吹流し2を支持する。例えば、LED25乃至27の発光を目視によって比較的確認し辛い日中でも、吹流し2を視認して、吹流し装置100が設置されている位置の風力を確認することができる。吹流し装置100が設置されている位置の風力を、昼夜を問わず確実に確認することができる。更に、例えば、吹流し2のたなびく方向から、吹流し装置100が設置されている位置の風向を確認することができる。従って、風力及び風向を確認できる、使い勝手の吹流し装置100を提供することができる。
【0059】
又、支持装置7は、支持柱71、回動アーム74を有する。回動アーム74は、支持柱71を中心に360度回動できるように、回動アーム74の一方側の端部が、支持柱71の所定の高さ位置に回動可能に取り付けられる。回動アーム74の他方側の端部には、回動部材75を介して吹流し2が取り付けられる。制御装置8は、角度信号に基づく角度θと、第3比較角度θ3とに基づいて、吹流し装置100が設置されている位置の風力が所定風力よりも弱いか否かを判定(検出)する。よって、吹流し2は、支持柱71から離れた位置で、回動アーム74によって支持されることとなる。更に、回動アーム74は、例えば、回動アーム74における吹流し2が取り付けられる他方側の端部が風下側に向けられるように、支持柱71を中心に回動する。よって、吹流し2を支持柱71の風下側で支持して、吹流し2がたなびいたときに、当該吹流し2が支持柱71に絡むのを防止できる。よって、風力の強さに応じて吹流し2をたなびかせて、角度θを、吹流し装置100が設置されている位置の風力の強さに応じた大きさとすることができる。従って、吹流し装置100が設置されている位置の風力を確実に確認することができる。
【0060】
又、判定部82は、照度信号に基づく照度が所定照度より低いか否かを判定(検出)する。角度θが第3比較角度θ3より小さく、且つ、照度が所定照度より低い場合、制御装置8は、LED25乃至27の何れかを発光させる。よって、例えば、日中の吹流し2を比較的視認し易い場合、LED25乃至27は全て発光しいせず、夜間等の照度が所定照度よりも低く、且つ、角度θが第3比較角度θ3より小さく場合、LED25乃至27は全て発光することとなる。風力を確実に確認できるとともに、吹流し装置100の消費電力を抑えることができる。
【0061】
又、バッテリ51からLED25乃至27に電力が供給される。よって、例えば、LED25乃至27に対して電力を供給するための電源を確保する必要が無いので、電源の設置位置に関わらず、あらゆる位置に吹流し装置100を設置することができる。従って、使い勝手のよい吹流し装置100を提供することができる。更に、バッテリ51は、風力発電装置4によって充電される。従って、バッテリ51の充電量が減ったときも、バッテリ51は、風力発電装置4によって充電されるので、LED25乃至27を確実に発光させることができる。よって、吹流し装置100が設置されている位置の風力を確実に確認することができる。
【0062】
又、バッテリ51を充電するための太陽光発電装置3が設けられる。よって、比較的風力が弱いときにも、太陽光発電装3によってバッテリ51を充電することができる。従って、吹流し装置100が設置されている位置の風力を確実に確認できる吹流し装置100を提供することができる。
【0063】
尚、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0064】
本実施形態においては、角度θが第3比較角度θ3より小さく、且つ、照度が所定照度より低いときに、LED25乃至27のうち何れかを発光させる構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、LED25乃至27を点滅させてもよい。その場合、吹流し装置100の視認性を向上させるとともに、吹流し装置100の消費電力を抑えることができる。又、例えば、LED25(LED25a乃至25d)を点滅させるとき、LED25a、25b、25c、25dの順に点灯した(発光させた)後、25a、25b、25c、25dが全て同時に消灯する(発光させない)ように、LED25a乃至25dを夫々異なるタイミングで点滅させてもよい。尚、LED26、27もLED25と同様に点滅させてもよい。その場合、角度θが第3比較角度θ3より小さく、且つ、照度が所定照度より低いときに、吹流し2の開口2a側のLEDから開口2b側のLEDの順に発光することとなる。よって、吹流し装置100の設定されている位置の風向及び風力を、昼夜を問わず、確認することができる。従って、使い勝手のよい吹流し装置100を提供することができる。
【0065】
又、本実施形態においては、バッテリ51の電力によってLED25乃至27を発光させる構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、LED25乃至27に対して電力を供給するための電源を設けて、当該電源から供給される電力によってLED25乃至27を発光させてもよい。その場合、例えば、バッテリ51の充電量に関わらず、LED25乃至27を発光させることができる。従って、風力を確実に確認できる吹流し装置100を提供することができる。
【0066】
又、本実施形態においては、LED25乃至27を発光させるとき、角度θに応じた色のLEDを発光させる構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、LED25乃至27が全て同色で発光するものとし、照度が所定照度より低いときに、角度θに応じた個数のLEDを発光させることとしてもよい。具体的には、例えば、角度θが第3比較角度θ3よりも小さく、且つ、角度θが第2比較角度θ2よりも大きい場合、LED25のみを発光させる。又、角度θが第2比較角度θ2よりも小さく、且つ、角度θが第1比較角度θ1よりも大きい場合、LED25、26のみを発光させる。又、角度θが第1比較角度θ1よりも小さい場合、LED25乃至27全てを発光させる。尚、角度θが第3比較角度θ3よりも大きい場合、LED25乃至27を全て発光させない。よって、角度θに応じた個数のLEDが発光することとなるので、発光するLEDの個数に基づいて、吹流し装置100が設置されている位置における風力を瞬時に把握することができる。従って、例えば、火力発電所内における吹流し装置100が設置されている作業地点で作業を行っている作業者は、当該作業地点の危険性の度合いを、発光するLEDの個数に基づいて瞬時に判断できるので、当該作業者の安全性を更に確実に確保することができる。又、例えば、角度θが小さくなるにつれて、発光するLEDの個数を増加させることによって、吹流し装置100が設置されている位置における風力が弱くなるにつれて、吹流し2の視認性が向上することとなる。よって、例えば、吹流し装置100が、火力発電所内の設備点検等の作業を行う地点に設置されている場合、当該作業地点の危険性の度合いを確実に把握することができる。従って、設備点検等の作業を行う作業者の安全性を、更に確実に確保することができる。