(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術には、装置の筐体のサイズと比較して、文字の入力に使用されるキーボード全体の占有領域(入力操作領域)が大きすぎるため、ユーザの指などの可動範囲が広範囲におよび、操作性が悪いという問題点があった。
【0007】
例えば、特許文献1の技術では、代表スイッチやメンバスイッチなどが、筐体の最大面積を有する面のほぼ全面を占有しているため、入力操作領域が大きすぎ、操作性が悪い。
【0008】
一方、特許文献2の技術では、第2階層またはそれより下階層の仮想キーボードが、第1階層仮想キーボードにおける仮入力した複数のキーのそれぞれの表示位置の近傍に表示されるようになっているため、入力操作領域が大きすぎ、操作性が悪い。
【0009】
以上のような問題点を解決する従来技術として、
図12に示す文字グループの選択のための選択ボタンを含む仮想キーボード全体を親指で操作し易い位置に寄せるように表示を変更することを可能にした技術がある。しかしながら、同図に示す技術では仮想キーボード全体を親指で操作し易い位置に寄せる際に、各選択ボタンのサイズも合せて小さくなってしまい、選択ボタンを押すことが困難となり、操作性が低下してしまう。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のGUIよりも入力操作領域を小さくし、操作性を向上させることができる文字入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の文字入力装置は、上記の課題を解決するために、所定のタッチ画面領域に対する入力回数または入力位置を判定する入力判定手段と、入力文字の候補となる候補文字を少なくとも1つ含む複数の文字グループのそれぞれを識別するためのグループ識別表示のうち、現在選択されている1つの文字グループに対応するグループ識別表示が割り当てられた文字グループキーを、上記タッチ画面領域に設定された固定位置に表示し、上記タッチ画面領域に対する入力回数または入力位置に応じて、文字グループキーに割り当てるグループ識別表示を切替えて表示する制御を行う表示制御手段と、を備え、上記表示制御手段は、上記現在選択されている1つの文字グループに属する少なくとも1つの候補文字を入力文字として指定する操作を受け付けるための候補文字入力キーを、上記固定位置の近傍に表示する制御を行い、上記入力判定手段は、上記固定位置の近傍に表示された上記候補文字入力キーに対する入力操作に応じて、上記少なくとも1つの候補文字のうち、どの候補文字が入力文字として指定されたかを判定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の文字入力装置の制御方法は、上記の課題を解決するために、所定のタッチ画面領域に対する入力回数または入力位置を判定する入力判定ステップと、入力文字の候補となる候補文字を少なくとも1つ含む複数の文字グループのそれぞれを識別するためのグループ識別表示のうち、現在選択されている1つの文字グループに対応するグループ識別表示が割り当てられた文字グループキーを、上記タッチ画面領域に設定された固定位置に表示し、上記タッチ画面領域に対する入力回数または上記タッチ画面領域における入力位置に応じて、文字グループキーに割り当てるグループ識別表示を切替えて表示する制御を行う表示制御ステップと、を含み、上記表示制御ステップにおいて、上記現在選択されている1つの文字グループに属する少なくとも1つの候補文字を入力文字として指定する操作を受け付けるための候補文字入力キーを、上記固定位置の近傍に表示する制御を行い、上記入力判定ステップにおいて、上記固定位置の近傍に表示された上記候補文字入力キーに対する入力操作に応じて、上記少なくとも1つの候補文字のうち、どの候補文字が入力文字として指定されたかを判定することを特徴とする。
【0013】
上記構成または方法によれば、入力判定手段は(または入力判定ステップでは)、上記タッチ画面領域に対する上記入力回数または入力位置を判定する。
【0014】
また、表示制御手段は(または表示制御ステップでは)、文字グループキーを表示する制御を行う。
【0015】
さらに、表示制御手段は(または表示制御ステップでは)、上記タッチ画面領域に対する入力回数または入力位置に応じて、文字グループキーに割り当てるグループ識別表示を切替えて表示する制御を行う。
【0016】
ここで、「文字グループキー」は、入力文字の候補となる候補文字を少なくとも1つ含む複数の文字グループのそれぞれを識別するためのグループ識別表示のうち、現在選択されている1つの文字グループに対応するグループ識別表示が割り当てられるキーである。
【0017】
また、表示制御手段は(または表示制御ステップでは)、表示した文字グループキーに対応する文字グループに属する少なくとも1つの候補文字を入力文字として指定する操作を受け付けるための候補文字入力キーを、上記固定位置の近傍に表示する制御を行う。
【0018】
一方、入力判定手段は(または入力判定ステップでは)、上記固定位置の近傍に表示された上記候補文字入力キーに対する入力操作に応じて、上記少なくとも1つの候補文字のうち、どの候補文字が入力文字として指定されたかを判定する。
【0019】
これにより、候補文字を入力文字として指定する入力操作領域が、上記固定位置の近傍の領域に限定されるので、ユーザの指などの可動範囲を狭小化させることができ、操作性を向上させることができる。
【0020】
よって、従来のGUIよりも入力操作領域を小さくし、操作性を向上させることができる。
【0021】
また、本発明の文字入力装置は、上記構成に加えて、上記タッチ画面領域における上記固定位置およびその近傍は、ユーザが片手で入力が可能な範囲であることが好ましい。
【0022】
これにより、文字入力に係る入力操作領域が、ユーザが片手で入力が可能な範囲に限定されるので、ユーザは、片手で文字入力を容易に行うことができる。
【0023】
なお、「片手で入力が可能な範囲」とは、文字入力装置を通常の使用状態における持ち方により片手で持って親指を動かしたときに、親指の先端部分が接触可能なタッチ画面領域における最大限の範囲である。
【0024】
また、本発明の文字入力装置は、上記構成に加えて、上記表示制御手段は、上記固定位置に対する入力回数に応じて、上記文字グループキーに割り当てる上記グループ識別表示を切替えるとともに、上記固定位置の近傍に表示する上記候補文字入力キーに対する入力操作によって入力文字として確定される候補文字を、切替え後の文字グループに属する候補文字に切替える制御を行っても良い。
【0025】
これにより、文字グループおよび候補文字を切替えるための入力操作領域が、文字グループキーの表示領域に限定されるので、従来のGUIよりも入力操作領域をより小さくし、操作性をさらに向上させることができる。
【0026】
また、本発明の文字入力装置は、上記構成に加えて、上記グループ識別表示が、上記候補文字の1つである代表文字である場合に、上記代表文字を入力文字として指定するための代表文字指定エリアが、上記タッチ画面領域の上記固定位置の近傍における、上記文字グループキーおよび上記候補文字入力キーの表示を妨げない位置に設けられていることが好ましい。
【0027】
文字グループキーが、グループ識別表示として候補文字の1つである代表文字を表示している場合、代表文字は、タッチ画面領域に対する入力回数または入力位置に応じて切り替わるため、文字グループキーの表示領域に対する入力操作では、代表文字を指定することができない。
【0028】
このため、上記構成では、上記代表文字指定エリアを上記タッチ画面領域の上記固定位置の近傍における、上記文字グループキーおよび上記候補文字の表示を妨げない位置に設けている。
【0029】
また、本発明の文字入力装置は、上記構成に加えて、上記表示制御手段は、上記複数の文字グループのそれぞれに対応する複数のグループ選択キーが配置された仮想キーボードを表示する制御を行い、上記入力判定手段は、上記仮想キーボードに対する入力位置に応
じて、上記複数のグループ選択キーのいずれが指定されたかを判定し、上記表示制御手段は、上記入力判定手段によって指定された上記グループ選択キーに対応する文字グループを、上記現在選択されている1つの文字グループとして、上記固定位置に上記文字グループキーを表示し、上記固定位置の近傍に当該文字グループキーに属する候補文字を表示するとともに、上記候補文字入力キーは、指定されたグループ選択キーに対応する文字グループと同一の文字グループに属する少なくとも1つの候補文字を入力文字として指定する操作を受け付けるように構成されていても良い。
【0030】
上記構成によれば、仮想キーボードに対する入力位置に応じて、どの文字グループが指定されたかが判定されると、(単一の)文字グループキーが固定位置に表示される。また、指定された文字グループに属する少なくとも1つの候補文字を入力文字として指定する操作を受け付けるための候補文字入力キーが固定位置の近傍に表示される。
【0031】
このため、ユーザは、使い慣れた仮想キーボードによって文字グループの指定が行えるとともに、文字グループが指定された後は、候補文字を入力文字として指定するための入力操作は、固定位置の近傍の限られた範囲で容易に行うことができる。
【0032】
また、本発明の文字入力装置は、上記構成に加えて、上記仮想キーボードにおける上記複数のグループ選択キーのそれぞれの配置を決定するキー配置決定手段を備え、上記表示制御手段は、上記配置決定手段によって決定された配置で、上記複数のグループ選択キーのそれぞれを表示する制御を行っても良い。
【0033】
上記構成によれば、仮想キーボードにおける複数のグループ選択キーの配置を適宜変更することができる。これにより、例えば、ユーザは、自身の手の大きさ等に合せて、仮想キーボードの操作しやすい位置に、良く使用するグループ選択キーを配置することが可能になるため、操作性が向上する。
【0034】
また、本発明の文字入力装置は、上記構成に加えて、上記表示制御手段による上記文字グループキーを表示する制御の終了を指示するための終了指示エリアが、上記タッチ画面領域の上記固定位置の周囲における、上記文字グループキーおよび上記候補文字入力キーの表示を妨げない位置に設けられていても良い。
【0035】
上記構成によれば、ユーザは、文字の入力操作を妨げられることなく、所望のタイミングで、指を大きく動かさずに容易に文字入力操作を終了させることができる。
【0036】
また、本発明の文字入力装置は、上記構成に加えて、上記タッチ画面領域における上記固定位置を設定する固定位置設定手段を備えていることが好ましい。
【0037】
上記構成によれば、タッチ画面領域における上記固定位置を適宜変更することができる。これにより、例えば、ユーザは、自身の手の大きさ等に合せて、固定位置を操作しやすい位置に配置することが可能になるため、操作性が向上する。
【0038】
なお、上記文字入力装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記文字入力装置をコンピュータにて実現させる文字入力装置の制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る文字入力装置は、以上のように、所定のタッチ画面領域に対する入力回数または入力位置を判定する入力判定手段と、入力文字の候補となる候補文字を少なくとも
1つ含む複数の文字グループのそれぞれを識別するためのグループ識別表示のうち、現在選択されている1つの文字グループに対応するグループ識別表示が割り当てられた文字グループキーを、上記タッチ画面領域に設定された固定位置に表示し、上記タッチ画面領域に対する入力回数または入力位置に応じて、文字グループキーに割り当てるグループ識別表示を切替えて表示する制御を行う表示制御手段と、を備え、上記表示制御手段は、上記現在選択されている1つの文字グループに属する少なくとも1つの候補文字を入力文字として指定する操作を受け付けるための候補文字入力キーを、上記固定位置の近傍に表示する制御を行い、上記入力判定手段は、上記固定位置の近傍に表示された上記候補文字入力キーに対する入力操作に応じて、上記少なくとも1つの候補文字のうち、どの候補文字が入力文字として指定されたかを判定する構成である。
【0040】
また、本発明に係る文字入力装置の制御方法は、以上のように、所定のタッチ画面領域に対する入力回数または入力位置を判定する入力判定ステップと、入力文字の候補となる候補文字を少なくとも1つ含む複数の文字グループのそれぞれを識別するためのグループ識別表示のうち、現在選択されている1つの文字グループに対応するグループ識別表示が割り当てられた文字グループキーを、上記タッチ画面領域に設定された固定位置に表示し、上記タッチ画面領域に対する入力回数または上記タッチ画面領域における入力位置に応じて、文字グループキーに割り当てるグループ識別表示を切替えて表示する制御を行う表示制御ステップと、を含み、上記表示制御ステップにおいて、上記現在選択されている1つの文字グループに属する少なくとも1つの候補文字を入力文字として指定する操作を受け付けるための候補文字入力キーを、上記固定位置の近傍に表示する制御を行い、上記入力判定ステップにおいて、上記固定位置の近傍に表示された上記候補文字入力キーに対する入力操作に応じて、上記少なくとも1つの候補文字のうち、どの候補文字が入力文字として指定されたかを判定する方法である。
【0041】
それゆえ、従来のGUIよりも入力操作領域を小さくし、操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。以下の特定の実施形態で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の項目で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。また、各図面に記載した構成の形状や、長さ、大きさおよび幅などの寸法は、実際の形状や寸法を反映させたものではなく、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更している。
【0044】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態について、
図1〜
図6に基づいて説明すると以下のとおりである。本実施形態では、本発明の文字入力装置の実施の一形態として、スマートフォン(文字入力装置)10について説明する。しかしながら、本発明を具現化する形態は、このようなスマートフォンに限定されず、入力操作が可能なGUIを表示する機構と、タッチパネルに対する入力操作を受け付けるための機構とを備えたあらゆる情報処理装置、携帯端末および電子機器に適用可能である。例えば、携帯電話やPDAなどの携帯端末、タブレットPC、デジタルカメラなどに広く適用することができる。「携帯端末」とは、少なくとも1つ以上の通信機能をもつ携帯端末の意義であり、携帯電話サイズの通信機能付きPC(パーソナル・コンピュータ)、例えば、IP通信しか出来ない携帯PCなども含まれる概念である。さらに、「電子機器」とは、通信機能付きAV機器(ナビシステム等含む)なども包含する概念である。
【0045】
(スマートフォン10)
図1は、本実施形態に係るスマートフォン10の要部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、本実施形態のスマートフォン10は、少なくとも、タッチパネル1、制御部2、記憶部3を備えている。なお、スマートフォン10は、その他、スマートフォンが標準的に備えている各種部品として、例えば、図示しない、通信部、タッチパネルとは別の操作部(ハードウェアキー等)、近距離無線通信部、音声出力部、音声入力部、外部インターフェース、通話処理部、撮影を行う撮像部(レンズ・撮像素子等)、放送受像部(チューナ・復調部等)、GPS(Global Positioning System)、および、センサ(加速度センサ、傾きセンサ等)などを備えていてもよい。
【0046】
以下、スマートフォン10の各構成の詳細について説明する。
【0047】
(タッチパネル1)
タッチパネル1は、マトリクス状に配置された複数の撮像センサ(または光センサ)の集合である撮像センサ群(不図示)を備えており、いわゆるタッチセンサとしての機能を有している。すなわち、タッチパネル1は、その表示画面(タッチ画面領域)に対する入力操作を受け付ける機能を有している。
【0048】
なお、撮像センサの例としては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(complementary metal-oxide semiconductor)センサなどの固体撮像素子を例示することができる。
【0049】
また、本実施形態では、タッチパネル1を構成するディスプレイとして、液晶ディスプレイ、すなわち、LCD(Liquid Crystal Display)を例にとって説明するが、本発明が適用可能なものはこれに限定されるものではない。例えば、ディスプレイとしては、上記液晶ディスプレイの他、電気泳動型ディスプレイ、ツイストボール型ディスプレイ、微細なプリズムフィルムを用いた反射型ディスプレイ、デジタルミラーデバイス等の光変調素子を用いたディスプレイ、発光素子として、有機EL発光素子、無機EL発光素子、LED(Light Emitting Diode)等の発光輝度が可変の素子を用いたディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイ(PD)などを挙示することができるが、これらのディスプレイと撮像センサ(イメージセンサ、光センサ)とを一体化した入出力一体型ディスプレイが将来的に開発された場合でも、これらの入出力一体型ディスプレイに本発明を適用できることは、以下の説明から明白であろう。
【0050】
また、本実施形態では、タッチパネル1のタッチセンサが撮像センサを備えるものとして説明するが、タッチセンサはこれに限定されず、圧力センサ、静電容量センサ、光センサ等であっても良い。
【0051】
なお、タッチパネル1に対する入力操作としては、タップ(クリック)、ダブルタップ(ダブルクリック)、ドラッグ、フリック、ピンチアウト(ピンチオープン)、ピンチイン(ピンチクローズ)などを例示することができる。タップは、表示画面を指で軽く叩く操作であり、ダブルタップは、タップを2回繰り返す操作であり、ドラッグは、接触させたまま指をずらす操作であり、フリックは、指で軽くはらう操作であり、ピンチオープンは、接触させたまま2本の指の間を広げる操作であり、ピンチインは、2本の指の間を縮める操作である。
【0052】
また、タッチパネル1は、その表示画面にスマートフォン10が扱う情報を表示する機能を有する。タッチパネル1の表示画面には、以下で説明するように、
図4に示した文字入力に係る各種操作領域や、スマートフォン10に搭載されているアプリケーションのアプリケーションウィンドウ、その他スマートフォン10を操作するためのGUI等、様々なオブジェクト等が表示される。
【0053】
(タッチパネル1の表示画面における特徴的な表示形態)
次に、
図4に基づき、タッチパネル1の表示画面における特徴的な表示形態について説明する。
図4は、タッチパネル1の表示画面(タッチ画面領域)を示す図である。
【0054】
図4(a)は、本実施形態に係る片手文字入力モードを開始する前の初期画面の表示画面を示している。同図に示すように、タッチパネル1の初期画面は、主として、領域A1と領域A2とを含んでいる。
【0055】
領域A1は、片手文字入力モードに移行させる入力操作を受け付ける領域である。片手文字入力モードとは、スマートフォン10を片手に持ちながら、親指の先端部分をタッチ画面領域に接触させる入力操作により文字入力を行うモードのことである。
【0056】
なお、領域A1は、スマートフォン10を通常の使用状態における持ち方により片手で持って親指を動かしたときに、親指の先端部分が接触可能なタッチ画面領域における最大限の範囲であることが好ましいが、これに限定されない。例えば、ユーザの手の大きさや、スマートフォン10の持ち方などによって、片手入力可能な範囲が変わり得るため、本
実施形態の領域A1は、表示画面の紙面に対して下側において、少し広めに設定している。
【0057】
一方、領域A2は、片手文字入力モードにおける入力操作によって指定された(確定された)入力文字を表示するための領域である。
【0058】
図4(a)に示す状態で、領域A1の任意の位置をタップ等すると、
図4(b)に示す片手文字入力モード画面に移行する。このとき、後述するように、タップされた位置Sの座標が記録される。
【0059】
図4(b)に示すように、このモードでは、領域A1内に、文字グループキーB1、候補文字入力キーB2、代表文字確定領域AD、およびグループ選択キャンセル領域ACが表示される。
【0060】
(文字グループキーB1)
本実施形態の文字グループキーB1は、入力文字の候補となる候補文字を少なくとも1つ含む複数の文字グループのそれぞれを識別するためのグループ識別表示のうち、現在選択されている1つの文字グループに対応するグループ識別表示が割り当てられる(単一の)仮想キーである。なお、後述する表示制御部25は、領域A1に対する入力回数または入力位置に応じて、文字グループキーB1に割り当てるグループ識別表示を切替えて表示する制御を行う。
【0061】
ここで、グループ識別表示とは、入力対象となる候補文字を複数の文字グループに分割したときに、特定の文字グループと、その他の文字グループとを識別するための表示である。グループ識別表示の典型例は、文字グループに属する候補文字のうち、そのグループを代表する候補文字である代表文字である。例えば、文字の種別が「ひらがな」であれば、通常は、文字グループ「あ行」の代表文字は、その行の先頭の「あ」であり、同様に、文字グループ「か行」の代表文字は、その行の先頭の「か」である。
【0062】
ここでは、
図4(a)の初期画面から
図4(b)に示す表示に切り替わった瞬間に指が接触している位置を位置Sとして以降の動作を説明する。位置Sは、言い換えれば、
図4(a)に示す状態における、領域A1のタップ位置と同じ位置である。
【0063】
次に、
図4(b)に示す状態で、位置Sまたはその近傍(ほぼ位置Sと同じ位置と看做せる範囲)で2回目のタップ等が行われると、
図4(c)に示す状態に移行する。すなわち、文字グループが「あ行」から「か行」に切替えられる。このとき、文字グループキーB1には、グループ識別表示として、文字グループ「か行」の代表文字である「か」が表示される。より具体的には、検出された2回目のタップ位置の座標が、タッチ画面領域上の位置Sの座標を含む所定の範囲(ほぼ位置Sと同じ位置と看做せる範囲)に含まれていれば、文字グループの切替えが行われる。
【0064】
なお、本実施形態では、初期画面に対する最初の位置Sへのタップから2回目のタップが為されるまでの経過時間が所定時間内(比較的短い、いわゆる長押しと判定されない時間内)であり、2回目のタップ位置が、最初のタップ位置Sと同じと看做せる場合、その位置が、代表文字確定領域ADおよびグループ選択キャンセル領域AC上の位置であっても上記文字グループの切替えが行われるようにしている。
【0065】
なお、文字グループキーB1が表示される所定の位置は、上記の片手入力の範囲内であることが好ましいが、本実施形態では、スマートフォン10を左手で持ったときに、ユーザが持ち手の親指で容易に操作できる位置に配置している。すなわち、タッチパネル1の
表示画面において、片手入力する際のユーザの手の大きさや親指の太さおよび長さ等に応じた最も操作しやすい位置に、文字グループキーB1を配置することが好ましい。
【0066】
(候補文字入力キーB2)
一方、候補文字入力キーB2は、文字グループキーB1の近傍に(例えば、文字グループキーB1の周囲を囲むように)配置される仮想キーである。各候補文字入力キーB2には、文字グループキーB1に表示されているグループ識別表示に対応する文字グループに属する候補文字のうち、文字グループキーB1に表示された代表文字以外の候補文字が表示される。例えば、
図4(c)では、文字グループキーB1に文字グループ「か行」に属する代表文字「か」が表示され、各文字グループキーB1には、文字グループ「か行」に属するの「か」以外の候補文字が表示されている様子を示している。
【0067】
また、各候補文字入力キーB2は、文字グループキーB1の指の接触位置を基点とした各候補文字入力キーB2の配置方向へのフリック等の入力操作により、各候補文字入力キーB2が表示する候補文字の指定を促すための領域である。
【0068】
例えば、
図4(d)は、候補文字「け」が表示されている候補文字入力キーB2(f3)の配置されている方向に向けてフリック(図中白矢印)することにより、候補文字「け」の入力が指定(確定)され、領域A2に入力文字「け」が表示されている様子を示している。同図では、破線で示した指の位置が、フリック操作の基点の位置であり、文字グループキーB1をタッチした後に、候補文字入力キーB2(f3)の配置方向に向けてフリックしたときの様子を示している。なお、複数の候補文字の中から入力文字を指定する操作は、フリックに限定されず、ドラッグやタップであっても良い。
【0069】
例えば、変形例として、
図4(c)の指の接触位置から一旦指を離して、
図4(d)に示す候補文字「け」が表示されている候補文字入力キーB2(f3)をタップしても良いし、
図4(c)の指の接触位置から候補文字入力キーB2(f3)へドラッグさせても良い。
【0070】
(代表文字確定領域AD)
代表文字確定領域ADは、タップ等の入力操作によって代表文字の入力を確定するための領域である。本実施形態では、文字グループキーB1に対するタップ等の入力操作により代表文字を入力文字として確定させることができないため、代表文字確定領域ADを設けている。
【0071】
例えば、
図4(b)に示すように文字グループキーB1に文字グループ「あ行」の代表文字「あ」が表示されている際に、再び位置Sおよびその近傍、または、文字グループキーB1をタップすると、
図4(c)に示すように、次の文字グループ「か行」の代表文字「か」に切り替わってしまう。このため、代表文字の入力を確定する操作を受け付ける領域として、代表文字確定領域ADが設けられていることが好ましい。
【0072】
なお、別の形態では、文字グループキーB1に対する入力操作がいわゆる長押しの場合に、代表文字が入力文字として確定する構成としても良い。この場合、代表文字確定領域ADを設ける必要がなくなる。
【0073】
(グループ選択キャンセル領域AC)
グループ選択キャンセル領域ACは、片手文字入力モード(文字グループの選択)をキャンセルするための領域である。
【0074】
例えば、グループ選択キャンセル領域ACがタップ等されると、文字グループキーB1
、候補文字入力キーB2、代表文字確定領域AD、およびグループ選択キャンセル領域ACの各表示が解除され、
図4(a)の初期画面の状態に戻る。なお、キャンセル後の表示形態としては、この他、
図4(b)の状態に戻るようにしても良い。
【0075】
これにより、片手文字入力モードを終了させたい場合に、グループ選択キャンセル領域ACにタップ等するだけで簡単に片手文字入力モードを終了させる(片手文字入力モードをキャンセル)することができる。
【0076】
(制御部2)
制御部2は、スマートフォン10が備える各構成の機能を統括し、スマートフォン10の起動を制御するものである。制御部2は、例えば、CPU(central processing unit)などで実現され、スマートフォン10が備える機能は、制御部2としてのCPUが、ROM(read only memory)などに記憶されているプログラムを、RAMなどに読み出して実行することで実現される。
【0077】
図1に示すように、制御部2は、タッチパネル制御部(入力判定手段)22、固定位置決定部(固定位置設定手段)23、および表示制御部(表示制御手段)25を備える。
【0078】
以下、制御部2が備える各構成について説明する。
【0079】
(タッチパネル制御部22)
本実施形態のタッチパネル制御部22は、タッチパネル1の上記撮像センサ群からの検出信号を受け、タッチパネル1に対する指やペン先などの接触の有無や、その接触位置(入力位置)の座標を特定し、ユーザによりどの仮想キーまたは領域に対するどの種類の入力操作がなされたかを判定するようになっている。
【0080】
例えば、本実施形態のタッチパネル制御部22は、タッチパネル1の表示画面における上述したタップ(クリック)、ダブルタップ(ダブルクリック)、ドラッグ、フリック、ピンチアウト(ピンチオープン)、ピンチイン(ピンチクローズ)などの各入力操作を判定することができるようになっている。
【0081】
特に、本実施形態のタッチパネル制御部22は、上記の領域A1、文字グループキーB1、候補文字入力キーB2、代表文字確定領域AD、グループ選択キャンセル領域ACのいずれかに対して所定の入力操作が行われたか否かを判定する。例えば、
図4(a)の初期画面で領域A1の任意の位置が指定された場合、後述する表示制御部25にその旨を通知し、
図4(b)に示す片手文字入力モードに移行させる。
【0082】
また、
図4(b)に示す状態で、表示された指の位置とほぼ同じ位置で再度タップが行われた場合、表示制御部25にその旨を通知し、表示を
図4(c)の状態に切替える。
【0083】
さらに、
図4(d)に示す状態では、タッチパネル制御部22は、候補文字「け」が指定された(入力確定)と判定し、表示制御部25にその旨を通知し、領域A2に入力文字「け」を表示させる。
【0084】
(固定位置決定部23)
本実施形態の固定位置決定部23は、ユーザからの固定位置を変更する指示に従い、タッチ画面領域における固定位置を設定する機能を備える。
【0085】
例えば、固定位置決定部23は、ユーザからの固定位置を変更する指示を受けた場合、変更後の固定位置のタッチ画面領域における座標を特定し、記憶部3に予め記録されてい
るデフォルトの固定位置の座標を、指示された座標に更新する。
【0086】
また、このとき、後述する表示制御部25は、記憶部3に予め記録されているデフォルトの固定位置の座標または更新された座標を読出し、タッチ画面領域内の対応する位置に、文字グループキーB1を表示する。
【0087】
これにより、例えば、ユーザは、自身の手の大きさ等に合せて、固定位置を操作しやすい位置に配置することが可能になるため、操作性が向上する。
【0088】
なお、本実施形態では、表示制御部25が、記憶部3に予め記録されているデフォルトの固定位置の座標または更新された座標を読出すことにより、文字グループキーB1の固定位置を変更する形態について説明した。
【0089】
しかしながら、文字グループキーB1の固定位置を変更する形態は、このような形態に限られず、例えば、固定位置決定部23が、記憶部3に予め記録されているデフォルトの固定位置の座標または更新された座標を読出し、表示制御部25に通知することにより、文字グループキーB1の固定位置を変更する形態としても良い。
【0090】
(表示制御部25)
表示制御部25は、タッチパネル1の表示画面の各画素の輝度値(または画素値もしくは濃度値)を調整することにより、表示画面上に各種のコンテンツや仮想キー、オブジェクトなどを表示する制御を行う。なお、「コンテンツ」とは、コンピュータの処理対象となる情報のことである。また、コンテンツには、画像、動画、音楽、音声データの他、メール等のテキストデータ、WEBページ(ハイパーテキスト形式による情報検索システム)に掲載されているデータ、写真やカメラ立ち上げ時のファインダ画面、ならびに、ワンセグ、3セグおよび地デジなどの放送コンテンツ、データベースに蓄積された各種辞書データなど、ソフトウェアの処理対象となるさまざまな情報を含む概念である。
【0091】
特に、本実施形態の表示制御部25は、上記の領域A1、文字グループキーB1、候補文字入力キーB2、代表文字確定領域AD、グループ選択キャンセル領域ACなどを表示する制御を行う。
【0092】
(記憶部3)
記憶部3は、(1)制御部2が実行する各種プログラム、(2)該プログラムの実行において読み出されるデータ、および、(3)制御部2の上記各構成がその機能を実行する仮定で演算に使用するデータおよび演算結果等を記憶するものである。上記(1)および(2)は、例えばROM、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、HDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性記憶装置に記憶されてもよい。
【0093】
上記(3)は、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置に記憶されてもよい。どのデータを記憶するために、記憶部3をどの記憶装置にて実現するのかについては、スマートフォン10の使用目的、利便性、コスト、物理的な制約などから適宜決定されればよい。記憶部3は、上記(3)を記憶する領域として、固定位置記憶部31と、文字グループ記憶部32とを含んでいる。
【0094】
(固定位置記憶部31)
固定位置記憶部31には、下記表1に示すように、デフォルトでは、メーカ製造時に予め決定されたタッチ画面領域における固定位置の座標(x1,y1)が予め記録される。
【0095】
なお、デフォルトの固定位置の座標は、例えば、平均的な人の手の大きさや親指の長さおよび太さなどに基づいて、平均的な人が片手入力する際に、操作し易いと予想されるタッチ画面領域上の位置の座標とする。
【0096】
また、上述したように固定位置決定部23によって固定位置が更新(変更)された場合、下記表1に示すように、固定位置記憶部31では、デフォルトの固定位置の座標(x1,y1)に替えて、更新(変更)された後のタッチ画面領域における固定位置の座標(x2,y2)が記録される。
【0098】
(固定位置記憶部31)
なお、固定位置記憶部31は、上記表1に示すような座標を保持しておくための記憶領域である。
【0099】
(文字グループ記憶部32)
文字グループ記憶部32には、予め複数の候補文字が登録(記録)される。
図2は、文字の種別が「ひらがな」である場合の、登録(記録)された候補文字のデータ構造の一例を示す。
【0100】
図2に示すように、候補文字の登録データとしては、特定の候補文字を他の候補文字と識別するための識別番号としてのindex番号のほか、特定の文字グループを他の文字グループと識別するための識別番号(
図2に「文字グループ識別番号」の列参照)、代表文字であることを示すフラグ(
図2に「代表文字フラグ」の列参照)などを例示することができる。なお、index番号は、文字コードに替えても良い。
【0101】
すなわち、文字グループ記憶部32には、同図に示すようなルック・アップ・テーブル(LUT)が予め記録されている。
【0102】
図2に示すように、文字グループの設定は、上記LUTにおいて、例えば、文字グループ「あ行」には1、文字グループ「か行」には2といったように、文字グループ毎に異なる文字グループ識別番号を割り当てれば良い。また、代表文字の設定は、上記LUTにおいて、例えば、文字グループ「あ行」の先頭「あ」には1のフラグを、「い」〜「お」には0のフラグを付すことで、文字グループ「あ行」の代表文字は「あ」に設定される。文字グループ記憶部32は、タッチパネル制御部22からの要求に応じて、上記の候補文字の登録データをタッチパネル制御部22に対し送信する。
【0103】
(候補文字の配置について)
以上の
図4(b)および(c)(または(d))における入力操作の位置の変化と指定可能な候補文字の配置との関係は下記表2のようになる。
【0105】
なお、
図1には図示していないが、後述する記憶部3には、上記表2に示すようなテーブルと同様のルック・アップ・テーブルが予め記録されている。
【0106】
また、
図4(b)に示す例では、文字グループキーB1の左の候補文字「い」を出発点として、候補文字「う」、「え」、「お」がこの順で、文字グループキーB1を時計回りに囲むように配置している。しかしながら、候補文字の配置はこのような時計回りの配置に限定されない。例えば、文字グループキーB1の左側の候補文字「い」を出発点として、候補文字「う」、「え」、「お」をこの順で、文字グループキーB1を反時計回りに囲むように配置しても良い。また、良く使用する候補文字をユーザが操作し易い位置に配置したり、あまり使用しない候補文字をユーザが操作しにくい位置に配置したりしても良い。
【0107】
(スマートフォン10の特徴的な動作)
次に、
図3に基づき、スマートフォン10の特徴的な動作である、片手文字入力モードにおける文字入力処理の流れについて説明する。
図3は、スマートフォン10の片手文字入力モードでの文字入力処理の流れを示すフローチャートである。なお、上記文字入力処理に伴って表示されるGUIは、
図4(a)〜(d)に示したものと同様であるため、本フローチャートの説明においても、
図4(a)〜(d)を参照して説明する。
【0108】
ユーザによって、文字入力モードが開始されると、表示制御部25は、
図4(a)に示す初期画面を表示する。
【0109】
次に、タッチパネル制御部22は、
図4(a)に示す領域A1でタッチパネル操作が行われたか否かを判定する(S101)。具体的には、タッチパネル制御部22は、タッチパネル1から受け取った入力信号から、入力位置の座標を特定し、入力位置が領域A1に含まれるか否かを判定する。領域A1でタッチパネル操作が検出されなかった場合(S101でNo)、タッチパネル制御部22は、入力待ちの状態となりS101に戻る。なお、図示しないが、
図3に示すフローチャートの任意の時点でハードウェアキー(例えば、エスケープキー)の押下が検出された場合、現行の処理に関わらず片手文字入力モードを終了するようにしてもよい。
【0110】
タッチパネル制御部22は、領域A1でタッチパネル操作が検出されたと判定した場合(S101でYes)、該タッチパネル操作位置を位置Sとして記憶部3に記録する(S102)。これと同時に、タッチパネル制御部22は、領域A1でタッチパネル操作が検出された旨を表示制御部25に通知する。
【0111】
表示制御部25は、記憶部3から、文字グループキーB1を表示させる固定位置の座標を読出し、
図4(b)に示す位置に、代表文字「あ」が表示された文字グループキーB1を表示する。また、表示制御部25は、文字グループキーB1の左の候補文字「い」を出発点として、候補文字「う」、「え」、「お」をこの順で、文字グループキーB1を時計回りに囲むように配置して、候補文字入力キーB2を表示する(S103)。また、表示制御部25は、このとき、
図4(b)に示すように、代表文字確定領域ADおよびグループ選択キャンセル領域ACを予め定められた範囲に表示する。
【0112】
次に、タッチパネル制御部22は、再び、
図4(a)に示す領域A1でタッチパネル操作が行われたか否かを判定する(S104)。具体的には、タッチパネル制御部22は、タッチパネル1から受け取った入力信号から、入力位置の座標を特定し、入力位置が領域A1に含まれるか否かを判定する。領域A1でタッチパネル操作が検出されなかった場合(S104でNo)、タッチパネル制御部22は、入力待ちの状態となりS103に戻る。その他、ステップS101と同様である。
【0113】
タッチパネル制御部22は、領域A1でタッチパネル操作が検出されたと判定した場合(S104でYes)、続いて、該タッチパネル操作の種類がA:タップであるか(S106へ進む)、B:フリックであるか(S111へ進む)を判定する(S105)。具体的には、タッチパネル制御部22は、タッチパネル1から受け取った入力信号から、入力位置の座標を特定し、入力操作が行われてから所定の時間内に次の入力操作が検出されなかった場合、すなわち所定の時間内に指が離れれば、該タッチパネル操作はA:タップであると判定する。一方、入力位置の移動を検出すれば、該タッチパネル操作はB:フリックであると判定する。
【0114】
タッチパネル制御部22は、操作の種類がタップであると判定すると(S105でA)、続いて、タップ位置は位置Sと同じ位置であると看做せるか否かを判定する(S106)。具体的には、タッチパネル制御部22は、該タップ位置が、位置Sのタッチ画面上の座標を含む所定の範囲に含まれるか否かを判定する。上記所定の範囲は、文字グループキーB1の表示サイズと同程度であっても良いが、これに限定されない。
【0115】
タッチパネル制御部22は、タップ位置が位置Sと同じ位置であると看做せると判定すると(S106でYes)、その旨を表示制御部25に通知する。表示制御部25は、該通知を受けて、文字グループを
図4(b)に示す「あ行」から
図4(c)に示す「か行」に切替えて表示する(S107)。具体的には、タッチパネル制御部22は、位置Sおよびその近傍に対するタップ回数を計数するようになっており、例えば、
図4(c)に示す例では、ステップS102で位置Sが記憶された後に1回タップされているので、タップ回数「1」を表示制御部25に通知する。表示制御部25は、タッチパネル制御部22からのタップ回数「1」の通知に基づき、
図2に示すLUTにおいて、文字グループ識別番号「2」に対応する「か行」の文字グループに対応する文字グループキーB1および候補文字入力キーB2を、
図4(c)のように表示して、S104に戻り入力待ちの状態となる。
【0116】
なお、タッチ画面領域における位置Sを含む所定の領域に対するタップ回数と、表示制御部25が選択する文字グループの文字グループ識別番号との関係は、以下に示す表3のようになる。
【0118】
なお、
図1には図示していないが、後述する記憶部3には、上記表3に示すようなテーブルと同様のルック・アップ・テーブルが予め記録されている。
【0119】
一方、タッチパネル制御部22は、タップ位置が位置Sであると看做せないと判定した場合(S106でNo)、続いて、タップ位置がA:代表文字確定領域AD内であるか(S109へ進む)、B:グループ選択キャンセル領域AC内であるか(S110へ進む)を判定する(S108)。具体的には、タッチパネル制御部22は、タッチパネル1から受け取った入力信号から、入力位置の座標を特定し、入力位置が代表文字確定領域ADに含まれるか、グループ選択キャンセル領域ACに含まれるかを判定する。
【0120】
タッチパネル制御部22は、操作終了位置が代表文字確定領域ADであると判定すると(S108でA)、その旨を表示制御部25に通知する。表示制御部25は、指定された代表文字を入力文字として領域A2に表示して(S109)、S104に戻り入力待ちとなる。
【0121】
タッチパネル制御部22は、操作終了位置がグループ選択キャンセル領域ACであると判定すると(S108でB)、その旨を表示制御部25に通知する。表示制御部25は、文字グループキーB1、候補文字入力キーB2、代表文字確定領域AD、グループ選択キャンセル領域ACの各表示を解除し(S110)、
図4(a)に示す初期画面を表示し、S101に戻り、入力待ちの状態となる。なお、グループ選択キャンセル領域ACが指定された場合、S101ではなく、S104に戻ってもよい。
【0122】
なお、位置Sは領域A1上の任意の位置に設定され得るため、代表文字確定領域ADやグループ選択キャンセル領域ACに位置Sが含まれる場合があり得る。このような場合においても、2回目以降のタップ位置(特定のタップから次のタップまでの経過時間が、いわゆる長押しでない)が位置Sを中心とする上記所定の範囲内であれば、ステップS106でYesと判定される。このような構成によってユーザが代表文字確定領域ADまたはグループ選択キャンセル領域ACと位置Sとを混同する可能性も考えられるため、位置Sを中心とする上記所定の範囲内の領域を、ユーザが視認可能に表示してもよい。
【0123】
タッチパネル制御部22は、操作の種類がフリックであると判定すると(S105でA)、続いて、フリックの方向が候補文字入力キーB2の配置されている方向と看做せるか否かを判定する(S111)。具体的には、タッチパネル制御部22は、タッチパネル1から受信した入力信号と、上記表2に示すLUTとに基づき、フリックの向きが、文字グループキーB1から見ていずれの候補文字入力キーB2が配置されている方向と一致して
いると看做せるか否かを判定する。
【0124】
なお、フリックの向きを検出するには、例えば、基点を中心とする極座標系を考え、基点と入力操作の終了位置とを結ぶ直線と、タッチパネル1の長手方向と、の為す角度がどのような角度範囲にあるかによって、入力操作の方向を特定すれば良い。
【0125】
また、別の実施例として、タップ操作位置が、候補文字入力キーB2上であるか否かを判定してもよい。なお、タップによって入力文字を指定する場合は、位置Sを中心とする上記所定の範囲は候補文字入力キーB2と重複しないことが好ましい。
【0126】
タッチパネル制御部22は、フリックの向きが、いずれかの候補文字入力キーB2が配置されている向き一致していると看做せると判定すると(S111でYes)、上記入力信号と上記表2に示すLUTとに基づき特定されるフリック先の候補文字が、入力文字として指定された(文字入力が確定した)と判定し、その旨を表示制御部25に通知する。表示制御部25は、該通知を受けて、指定された候補文字を入力文字として領域A2に表示する(S112)。
【0127】
なお、ステップS103で決定される上記固定位置に関する固定位置決定部23などの動作については、上述したとおりである。
【0128】
また、ステップS108以降の代表文字の入力確定およびグループ選択のキャンセルは、代表文字確定領域ADおよびグループ選択キャンセル領域ACを設けずとも行うことが可能である。例えば、文字グループキーB1および候補文字入力キーB2のいずれにも含まれない領域に対するタップで代表文字の入力を確定し、タッチパネル1外のハードウェアキーの押下でグループ選択をキャンセルするようにしてもよい。あるいは、文字グループキーB1に対する長押しで代表文字の入力を確定し、文字グループキーB1および候補文字入力キーB2のいずれにも含まれない領域に対するタップでグループ選択をキャンセルしてもよい。
【0129】
(文字グループキーB1および候補文字入力キーB2の形状)
次に、文字グループキーB1および候補文字入力キーB2の形状は、
図4に示すような十字型に限定されず、ユーザが片手で操作しやすいよう適宜変更されてもよい。例えば、
図5に示すように、扇形(「き」、「か」、「け」)、少なくとも一辺が曲線である四角形(「く」)、少なくとも一辺が曲線である五角形(「こ」)など任意の閉図形の形状を採用できる。
【0130】
図5の形状は、スマートフォン10を左手で持ったときに、タッチ画面領域の左下側から右斜め上側に親指を動かすか、弧を描くように親指を動かすことで候補文字の選択を行えるようにしたものである。
【0131】
(候補文字入力キーB2の配置)
また、上記のように、候補文字入力キーB2は、文字グループキーB1の周囲を囲むように配置する必要は無い。
【0132】
例えば、
図6(b)は、文字グループキーB1および候補文字入力キーB2を紙面に対して縦方向に延在させて表示した例であり、
図6(b)は、文字グループキーB1および候補文字入力キーB2を紙面に対して横方向に延在させて表示した例である。
【0133】
図6(a)は、文字グループキーB1のみが表示された状態を示している。この文字グループキーB1上で、図の縦方向のフリック操作が検出されると、
図6(b)に示すよう
に、表示制御部25は同方向(図中の黒矢印方向)に文字グループキーB1を延在させて複数の代表文字を表示し、タッチパネル制御部22はフリックまたはタップによる代表文字の選択を受け付けるようにしてもよい。このとき、縦方向に延在する文字グループキーB1において代表文字が選択されると、
図6(c)に示すように、図の横方向(白矢印方向)のフリックで、表示制御部25は、選択された文字グループに含まれる候補文字を表示し、タッチパネル制御部22はフリックまたはタップによる候補文字の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0134】
(スマートフォン10の効果)
以上により、本実施形態に係るスマートフォン10によれば、従来のGUIよりも入力操作領域を小さくし、操作性を向上させることができる。
【0135】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について、
図7〜
図10に基づいて説明すると以下のとおりである。
【0136】
本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、文字グループの指定は従来の仮想キーボードによって行うが、文字グループ指定後の候補文字の指定を受け付ける領域の表示位置が固定されている例を示す。
【0137】
図7は、本実施形態におけるスマートフォン(文字入力装置)20の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0138】
同図に示すように、本実施形態におけるスマートフォン20は、主として、制御部2aの構造、記憶部3aの記録領域の構造や、片手入力モードにおける文字グループキーB1に表示される代表文字の切替え方法などが上述したスマートフォン10と異なる。
【0139】
(スマートフォン20の特徴的な表示形態)
次に、
図9に基づき、スマートフォン20の特徴的な表示形態について説明する。
【0140】
図9(a)は、本実施形態の片手文字入力モードを開始した時点での初期画面を示している。本実施形態の初期画面では、従来技術と同様のソフトウェアキーボード(仮想キーボード)B3が表示される。なお、ソフトウェアキーボードB3は、上記の代表文字を表示するグループ選択キーをいわゆる「12キーボード」の配置で表示したものである。
【0141】
図9(a)の状態で、ソフトウェアキーボードB3における代表文字「か」を表示したグループ選択キーをタップすると、
図9(b)の状態に移行される。
【0142】
なお、
図9(b)では、複数の候補文字入力キーB2が、文字グループキーB1の周囲を囲むように表示されている点で、スマートフォン10の表示形態と共通している。
【0143】
但し、スマートフォン10では、タッチ画面領域に対するタップ回数により、文字グループを切替える構成であったのに対し、スマートフォン20は、ソフトウェアキーボードB3における入力位置に応じて、文字グループを切替える構成である。すなわち、本実施形態における文字グループキーB1は、タッチ画面領域に対する入力位置に応じてグループ識別表示を切替えるという点において、上記第1の実施形態と異なる。
【0144】
(キー配置決定部24)
本実施形態のキー配置決定部24は、ソフトウェアキーボードB3の各グループ選択キーの配置を決定するものであり、ユーザからのソフトウェアキーボードB3のグループ選
択キーの配置を変更する指示に従い、タッチ画面領域におけるソフトウェアキーボードB3のグループ選択キーの配置を設定する。
【0145】
例えば、キー配置決定部24は、ユーザからのソフトウェアキーボードB3のグループ選択キーの配置を変更する指示を受けた場合、変更後のソフトウェアキーボードB3のグループ選択キーの配置を決定し、記憶部3に予め記録されているデフォルトのグループ選択キーの配置を、指示された配置に更新する。
【0146】
また、このとき、後述する表示制御部25は、記憶部3に予め記録されているデフォルトのグループ選択キーの配置または更新されたグループ選択キーの配置を読出し、ソフトウェアキーボードB3内の対応する位置に、グループ選択キーを表示する。
【0147】
これにより、例えば、ユーザは、自身の手の大きさ等に合せて、仮想キーボードの操作しやすい位置に、良く使用するグループ選択キーを配置することが可能になるため、操作性が向上する。
【0148】
なお、本実施形態では、表示制御部25が、記憶部3に予め記録されているデフォルトのグループ選択キーの配置または更新されたグループ選択キーの配置を読出すことにより、グループ選択キーの配置を変更する形態について説明した。
【0149】
しかしながら、ソフトウェアキーボードB3におけるグループ選択キーの配置を変更する形態は、このような形態に限られず、例えば、キー配置決定部24が、記憶部3に予め記録されているデフォルトのグループ選択キーの配置または更新されたグループ選択キーの配置を読出し、表示制御部25に通知することにより、ソフトウェアキーボードB3におけるグループ選択キーの配置を変更する形態としても良い。
【0150】
これにより、ソフトウェアキーボードB3における複数のグループ選択キーの配置を適宜変更することができる。これにより、例えば、ユーザは、自身の手の大きさ等に合せて、仮想キーボードの操作しやすい位置に、良く使用するグループ選択キーを配置することが可能になるため、操作性が向上する。
【0151】
(キー配置記憶部33)
キー配置記憶部33には、デフォルトでは、ソフトウェアキーボードB3に含まれるグループ選択キー毎に、メーカ製造時に予め決定されたタッチ画面領域における座標が予め記録される。
【0152】
また、上述したようにキー配置決定部24によってグループ選択キーの配置が更新(変更)された場合、キー配置記憶部33では、デフォルトのグループ選択キーの配置に替えて、更新(変更)された後のタッチ画面領域における各グループ選択キーの表示位置の座標が記録される。
【0153】
(スマートフォン20の特徴的な動作)
次に、
図8に基づき、スマートフォン20の特徴的な動作である、片手文字入力モードにおける文字入力処理の流れについて説明する。
図8は、スマートフォン20の片手文字入力モードでの文字入力処理の流れを示すフローチャートである。なお、上記文字入力処理に伴って表示されるGUIは、
図9(a)および(b)に示したものと同様であるため、本フローチャートの説明においても、
図9(a)および(b)を参照して説明する。
【0154】
ユーザによって、文字入力モードが開始されると、表示制御部25は、
図9(a)に示す初期画面を表示する。
【0155】
タッチパネル制御部22は、ソフトウェアキーボードB3上でタップ操作が検出されたか否かを判定する(S201)。具体的には、タッチパネル制御部22は、タッチパネル1から受け取った入力信号から、入力位置の座標を特定し、入力位置がソフトウェアキーボードB3の表示範囲に含まれるか否かを判定する。
【0156】
ここで、ソフトウェアキーボードB3上でタップ操作が検出されなかった場合(S201でNo)、S201に戻り、入力待ちとなる。なお、ここでは、図示しないが、
図8に示すフローチャートの任意の時点でハードウェアキーの押下が検出された場合、現行の処理に関わらず片手文字入力モードを終了するようにしてもよい。
【0157】
一方、タッチパネル制御部22が、ソフトウェアキーボードB3上でタップ操作が検出されたと判定した場合(S201でYes)、S202に進む。
【0158】
S202では、表示制御部25は、文字グループキーB1および候補文字入力キーB2を表示する。具体的には、表示制御部25は、固定位置記憶部31から上述した各グループ選択キーの表示位置の座標を読出し、
図9(b)に示す位置に、代表文字「か」が表示された文字グループキーB1を表示する。また、表示制御部25は、文字グループキーB1の左の候補文字「き」を出発点として、候補文字「く」、「け」、「こ」をこの順で、文字グループキーB1を時計回りに囲むように配置して、候補文字入力キーB2を表示する(S202)。
【0159】
次に、タッチパネル制御部22は、操作終了位置が文字グループキーB1または候補文字入力キーB2上であるか否かを判定する(S203)。具体的には、タッチパネル制御部22は、候補文字入力キーB2(候補文字「き」、「く」、「け」、「こ」)のいずれかに対するフリック(または文字グループキーB1上から候補文字入力キーB2へのドラッグ)が検出されたか否かを判定する。フリック方向の判定処理については、上記第1の実施形態におけるステップS111と同様である。なお、候補文字入力キーB2に対するタップ(またはタッチ)によって、候補文字を入力文字として指定するようにしてもよい。ここで、操作終了位置がいずれの候補文字入力キーB2上でないと判定すると(S203でNO)、タッチパネル制御部22は、その旨を表示制御部25に通知する。表示制御部25は、該通知を受けて、文字グループキーB1および候補文字入力キーB2の表示を解除して(S205)、S201に戻り入力待ちとなる。
【0160】
一方、S203で、タッチパネル制御部22は、操作終了位置が文字グループキーB1または候補文字入力キーB2上にある(代表文字を含むいずれかの候補文字が指定された)と判定すると(S203でNO)、その旨を表示制御部25に通知する。表示制御部25は、該通知を受けて、指定された、代表文字を含む候補文字を入力文字として領域A2に表示し(1文字の文字入力が確定する)て(S204)、S201に戻り入力待ちとなる。
【0161】
(スマートフォン20の効果)
スマートフォン20では、文字グループキーB1および候補文字入力キーB2の表示位置は文字グループ間で固定されている、すなわち、どの文字グループを指定しても同じ位置に文字グループキーB1および候補文字入力キーB2が表示される。このため、従来の仮想キーボードにおいては、タッチ画面領域の端に表示されている代表文字の周囲に候補文字を表示させるために必要だった余白が必要なくなるので、例えば、
図10(a)に示すように、ソフトウェアキーボードB3を画面の端に間隙を設けずに表示することも可能となる。これにより、より持ち手の親指で操作しやすい位置にソフトウェアキーボードB3を移動させることができる。このソフトウェアキーボードB3の移動は、
図9(a)の
の状態で、ソフトウェアキーボードB3(12キーボード)に対して左向きにフリックを行うことで実現されてもよい。
【0162】
上述したように、本実施形態のスマートフォン20は、
図10(b)のように、任意にソフトウェアキーボードB3に含まれる各グループ選択キー配置を変更できるようになっている。
図10(b)は、左手でスマートフォン20を持ち、左手の親指でソフトウェアキーボードB3を操作する際、指の付け根で触れてしまう領域(
図10(b)のタッチパネル1の左下の角の領域)にキーを配置しないようにした例を示す図である。キーの配置についてはユーザが操作に慣れさえすればよいので、ユーザが任意で設定できるようにしておけばよい。
【0163】
以上のように、本実施形態のスマートフォン20によれば、ソフトウェアキーボードB3に対する入力位置に応じて、どの文字グループが指定されたかが判定されると、(単一の)文字グループキーB1が固定位置に表示される。また、指定された文字グループに属する少なくとも1つの候補文字に対応する候補文字入力キーB2が固定位置の近傍に表示される。
【0164】
このため、ユーザは、使い慣れたソフトウェアキーボードB3によって文字グループの指定が行えるとともに、文字グループが指定された後は、候補文字の指定のための入力操作は、固定位置の近傍の限られた範囲で容易に行うことができる。
【0165】
なお、本発明において、入力文字を指定するための入力操作は、上記のフリック等に限定されず、より微小な動きであってもよい。例えば、タッチパネル制御部22は、ステップS111やステップS203において、わずかな指の曲げ伸ばしや指の軸方向の回転(
図11)を検出して、入力文字の指定を受け付けてもよい。ユーザがこれらの操作に慣れてしまえば、入力操作領域をさらに小さくし、操作性をより向上させることができる。
【0166】
最後に、スマートフォン10、20の制御部2の各ブロック、特に、タッチパネル制御部22、固定位置決定部23、キー配置決定部24および表示制御部25の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0167】
後者の場合、スマートフォン10、20は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるスマートフォン10、20の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、スマートフォン10、20に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0168】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(Compact Disc-ROM)/MO(Magnet Optical)ディスク/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0169】
また、スマートフォン10、20を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、VAN(Value Added Network)、CATV(Community Antenna TV)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0170】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。