(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に係る金属格子状フィルタの前面に配置されるカバー材は、家庭ごみとして廃棄することができるが、長期間使用し油脂分の付着が進んだ状態で火炎が直接触れた場合には、これらフィルタ等の不燃性が高くても、付着した油脂分に炎が移り燃焼する可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、不燃性を有するとともに家庭ごみとして容易に廃棄でき使い捨て可能であり、仮に、付着した油脂分に炎が移り燃焼した場合であっても、自己の形状を維持し調理器などの上に燃え落ちないレンジフード用フィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、調理器の周囲に設置され、調理により発生する油煙を捕獲するレンジフードに備えられ、油煙に含まれる油脂分を回収するレンジフード用フィルタであって、不燃性または準不燃性または難燃性の素材から作製されたシートと、そのシートの少なくとも一方の表面に、無機性接着剤により接着された金属箔と、を備え、シートと金属箔とを貫通する複数の通気口を有するフィルタ
であって、レンジフードにおける設置状態において、レンジフードが吸入する空気の流れの上流側の面に、金属箔を備え、レンジフードが吸入する空気の流れの下流側の面に不燃層として不燃性塗料層を備えるフィルタが提供される。
これによれば、耐火性を有しかつ油脂分の捕集性能を維持するとともに、手で丸めて容易に使い捨て可能なので、使用者がレンジフード用フィルタを洗浄する手間から解放し、かつ、外部から力が加えられない限り自己の形状を維持することができ、シートに付着したり浸み込んだりした油脂分に炎が移り燃焼した場合であっても、シートと金属箔の接着力が低下することがなく、金属箔がシートから剥がれ落ちてしまうことを防止することができ
る共に、レンジフードにおける設置状態における、吸入する空気の流れの上流側の面に金属箔を備えることにより、たとえフィルタに火炎が接触するようなことがあっても問題のない耐火性を有することができ、さらに、レンジフードにおける設置状態における、吸入する空気の流れの下流側の面に金属箔として不燃塗料層を備えることにより、フィルタの裏面からの油脂分や水分の浸み込み防止し、耐火性を向上させることができるフィルタを提供できる。
【0008】
さらに、シートは、含水ケイ酸マグネシウム化合物を主成分とする不燃性素材から作製されることを特徴としてもよい。
これによれば、シートに付着したり浸み込んだりした油脂分に炎が移り燃焼した場合であっても、シートの形状を維持することができる。
【0009】
さらに、不燃性素材は不燃紙であることを特徴としてもよい。
これによれば、より容易に使い捨て可能となり、自重が減少し自己の形状の維持がより容易となり、さらに、耐火性もより向上させることができる。
【0010】
さらに、一の通気口は、シートの一方の表面側へ切り起こす切り起こしにより形成されることを特徴としてもよい。
これによれば、
上流側の面に切り起こしを設けることにより、捕集性能を向上させることができる。
【0013】
さらに、切り起こしの切り起こし片の上流側の面は、レンジフードが吸入する空気の流れに対して対向するように成形されることを特徴としてもよい。
これによれば、たとえフィルタに火炎が接触するようなことがあっても、金属箔にのみ火炎が当たり、フィルタの裏面側に火炎が当たることを防止することにより、耐火性を向上させることができる。
【0014】
また、上記課題を解決するために、上記のフィルタを備えたレンジフードが提供される。
これによれば、耐火性を有しかつ油脂分の捕集性能を維持するとともに、手で丸めて容易に使い捨て可能なので、使用者がレンジフード用フィルタを洗浄する手間から解放し、かつ、外部から力が加えられない限り自己の形状を維持することができ、シートに付着したり浸み込んだりした油脂分に炎が移り燃焼した場合であっても、シートと金属箔の接着力が低下することがなく、金属箔がシートから剥がれ落ちてしまうことを防止することができるフィルタを備えたレンジフードを提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、耐火性を有しかつ油脂分の捕集性能を維持するとともに、手で丸めて容易に使い捨て可能なので、使用者がレンジフード用フィルタを洗浄する手間から解放し、かつ、外部から力が加えられない限り自己の形状を維持することができ、シートに付着したり浸み込んだりした油脂分に炎が移り燃焼した場合であっても、シートと金属箔の接着力が低下することがなく、金属箔がシートから剥がれ落ちてしまうことを防止することができるフィルタおよびかかるフィルタを備えるレンジフードを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施例について説明する。
<第一実施例>
図1A〜1Cは、本発明に係る第一実施例におけるフィルタ10の正面図等である。フィルタ10は、調理器の上方などの周囲に設置され、調理により発生する油煙を捕獲するレンジフードに備えられ、油煙に含まれる油脂分を回収するレンジフード用のフィルタである。
【0018】
フィルタ10は、不燃性のシート12即ち本実施例では不燃紙12と、不燃紙12の正面側の表面に金属箔13および背面側の表面に不燃性塗料層14の不燃層を備える、薄く軽量で可撓性を有するシート状物である。これにより、人の手により容易に丸めて廃棄等が可能である。
【0019】
また、フィルタ10は、不燃紙12と、金属箔13および不燃性塗料層14の不燃層とを貫通する多数の通気口11を有する。すなわち、金属箔13の通気口としての開口部と不燃紙12の通気口としての開口部とが、ほぼ一致して形成されており、例えば、不燃紙12の一部が、金属箔13の開口部を覆うようなことはない。
【0020】
通気口11は、切り起こしにより形成される。金属薄板を切り起こすことにより通気口を形成し、レンジフード用フィルタとすることはスロットフィルタとして従来から知られている。スロットフィルタは、金属薄板を切り起こすことにより、切り起こし片と通気口(開口部)を同時に形成することにより、安価で作製でき、かつ油脂分の捕集性能が優れている(約50%程度)。従って、本実施例にかかるフィルタ10は、スロットフィルタと同じ形状を備えることで、高い油脂分の捕集性能を有し、また、通気口11を不燃紙で覆うことがないので通気抵抗を低く抑えることができる。
【0021】
開口部は、縦横に所定のピッチで配列され、同じ大きさのスリット(隙間)で形成されているが、これに限定されず、どのような形状の隙間であってもよいし、それぞれが異なる形状であってもよいし、どのように配列されて形成されても良い。
【0022】
また、本実施例では、切り起こし片15は、背面側に切り起こされているが、これに限定されず、
図1C(D)に示すように、正面側に切り起こされてもよい。すなわち、切り起こされる方は、金属箔13側であってもよいし、不燃紙12(不燃性塗料層14)側であってもよい。いずれであっても、油脂分を含む空気が開口部を通る際に、油脂分が、切り起こし片の正面側、すなわちレンジフードが吸入する空気の流れの上流側の面に衝突することにより、油煙に含まれる油脂分を回収することができる。
【0023】
なお、フィルタ10は、不燃紙12の一方の面に金属箔13を、もう一方の面に不燃性塗料層14を、すなわち、不燃紙12の両面に不燃層を備える。しかし、これに限定されず、一方の面にのみ不燃層を備えてもよい。この場合、調理により発生する火炎が接触する場合があるので、不燃層を備える面は、レンジフードが吸入する空気の流れの上流側の面であることが好ましい。これによれば、レンジフードにおける設置状態における、吸入する空気の流れの上流側の面に不燃層を備えることにより、たとえフィルタ10に火炎が接触するようなことがあっても問題のない耐火性を有することができる。特に、金属箔13をレンジフードが吸入する空気の流れの上流側面に不燃層として備えた場合には、通過する油煙より分離されて特に上流側に多く付着する水分や油脂分が金属箔13により不燃紙12に浸透してしまうことを防止することができるため、より好ましい。
【0024】
また、本実施例では、シート12は不燃紙12で作製されているが、これに限定されず、不燃性または準不燃性または難燃性の材料から作製されたシートであればよい。ここで、不燃性の材料とは、建築物の材料のうち、建築基準法施行令第108条の二で定める技術的基準に適合する不燃性を持つ材料を指す。一般には石、ガラス、コンクリートなどの材料が不燃材料に含まれる(建築基準法第2条第九号、平成12年建設省告示第1400号参照)。本願においては、例えば、ガラス繊維混入/ケイ酸マグネシウム板(認定番号:NM−0509、発売元:株式会社トッパン・コスモ、製品名:GRANDEX、GP18)を用いることが好ましい。
【0025】
また、準不燃性の材料とは、建築物の材料のうち、建築基準法施行令第1条の五で定める技術的基準に適合する不燃性を持つ材料を指す。一般には木毛セメント板、石膏ボード、セルロースファイバーなどの材料が準不燃材料に含まれる(平成12年建設省告示第1401号参照)。本願においては、例えば、シリコーン系樹脂塗装/和紙壁紙張(認定番号QM−0235)を用いることが好ましい。
【0026】
また、難燃性の材料とは、建築物の材料のうち、建築基準法施行令第1条の六で定める技術的基準に適合する不燃性を持つ材料を指す。一般には難燃合板、難燃繊維板、難燃プラスチック板などの材料が難燃材料に含まれる(平成12年建設省告示第1402号参照)。本願においては、例えば、エチレンプロピレンゴム・コルク混入ポリエチレン樹脂系塗装/水酸化アルミニウム混抄紙壁紙張/不燃材料(金属板を除く)(認定番号:RM−0003)を用いることが好ましい。
【0027】
シート12は、含水ケイ酸マグネシウム化合物を主成分とする不燃性素材から作製されることが好ましい。不燃性素材には、不燃紙または不燃ボードなどが含まれる。不燃紙または不燃ボードは、含水ケイ酸マグネシウム化合物以外には、水酸化アルミニウム化合物を主成分とする場合があるが、この場合、かかる不燃紙または不燃ボードに油脂分が付着したり浸み込んだりした油脂分が燃焼した場合であっても、燃焼により分解されて水分が放出されることで自己消化性を有するが、分解されてしまうため自己の形状を維持できず、不燃層から剥がれ落ちてしまう。一方、含水ケイ酸マグネシウム化合物の場合は、自己の形状を維持することができ不燃層から剥がれ落ちることがないので、調理器の上方に設けるレンジフードのフィルタとしては、含水ケイ酸マグネシウム化合物の方が好ましい。
【0028】
なお、含水ケイ酸マグネシウム化合物は、セピオライト、アタパルジャイト、タルク等があり、これらの化合物も含むものとする。また、シートにおける含水ケイ酸マグネシウム化合物の重量パーセントは、75重量%〜90重量%が好ましく、85重量%〜90重量%がより好ましい。上記主成分以外の成分は、パルプ、ガラス繊維、バインダなどである。なお、前述のガラス繊維混入/ケイ酸マグネシウム板に含まれる含水ケイ酸マグネシウム化合物は、85重量%〜90重量%である。
【0029】
また、シート12が不燃紙12であることにより、より容易に使い捨て可能となり、自重が減少し自己の形状の維持や自立がより容易となり、さらに、耐火性もより向上させることができる。
【0030】
また、金属箔13は、例えば、アルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔、銀箔、白金箔、金箔、銅箔、真鍮箔、錫箔、ニッケル箔等の種々の金属箔を用いることができる。保管時等のさびの発生を考慮するとアルミニウム箔が好ましい。これによれば、より容易に使い捨て可能となり、さらに自重が減少し自己の形状の維持や自立がより容易となり、さらに、耐火性もより向上させると共に耐水性も向上させることができる。また、不燃性塗料層14は、例えば、ガスバリア性の優れた含水ケイ酸アルミニウム及びポリエーテルを主成分とするものを用いることができる。
【0031】
本実施例においては、不燃紙12は、比重0.8g/cm
3、目付け量120〜300g/m
2のものである。不燃紙12の厚さは、スロットフィルタ形状に切り起こしの塑性変形をさせるので厚すぎると割れを生じる恐れがあり、不燃紙12の厚さは、おおよそ150〜375μmの厚さが好ましい。なお、本実施例のようにスロットフィルタ形状の切り起こしによる塑性変形を必要とせずに、単純にパンチングによるフィルタ形状とする場合には、変形による割れを生じる恐れがないため、その場合には不燃紙は上記より分厚いものを選定することが可能である。
【0032】
また、金属箔13(より具体的にはアルミニウム箔)の厚さは、スロットフィルタ形状の切り起こし高さ(角度)により変化するが、切り起こしの塑性変形を行う加工上、10μm未満だと亀裂が入る可能性があるので、10μm以上、より好ましくは50μm以上であることが好ましい。なお、アルミニウム箔の箔厚は、一般的に、6μm〜0.2mmと規定されている(JIS規格)。
【0033】
これによれば、フィルタ10は、耐火性を有しかつ油脂分の捕集性能を維持するとともに、手で丸めて容易に使い捨て可能なので、使用者がレンジフード用フィルタを洗浄する手間から解放し、かつ、外部から力が加えられない限り自己の形状を維持し、フィルタの外周部を支持する枠体以外にフィルタ自身を支持する部材を必要とせず自立することができる。また、上記のように不燃紙12の厚さを150〜375μmと薄くすることで切り起こしの塑性変形を容易としたが、薄くしたことによる剛性の低下を金属箔13で補うことで、切り起こし形状を維持できるようにした。すなわち、切り起こしの塑性変形を伴う加工を行った後でも不燃紙12に割れが生じず、且つ切り起こし形状を維持可能なフィルタとすることが可能となる。
【0034】
なお、本実施例では、不燃紙は比重0.8g/cm
3、目付量180〜200g/m
2で厚さが225〜250μmのものを使用し、アルミニウム箔は50μmのものを使用することで、切り起こしの塑性変形を行った後でも不燃紙12に割れが生じず、且つ切り起こし形状を維持可能な良好なフィルタとしている。
【0035】
フィルタ10の原板は、不燃紙12の一方の面に金属箔(アルミニウム箔)13を接着剤により接着し、不燃紙12の他方の面に不燃性塗料を塗布し不燃性塗料層14を形成することにより作製される。接着剤は、有機性接着剤や無機性接着剤のいずれであっても良い。但し、無機性接着剤であれば、シートに付着したり浸み込んだりした油脂分に炎が移り燃焼した場合であっても、シートと不燃層の接着力が低下することがなく、不燃層がシートから剥がれ落ちてしまうことを防止することができるので、無機性接着剤が好ましい。例えば、無機性接着剤は、特に限定されないが、アモルファスシリカやマイカを主成分とするものが好ましい。
【0036】
フィルタ10は、その原板をカットベント加工することにより、切り起こし片15と通気口11を形成し、作製される。より詳しくは、無機性接着剤(製造元:グランデックス株式会社、品番:FJ523)を用いて一方の面に金属箔(アルミニウム箔)13を接着し、他方の面に不燃性塗料を塗布した不燃紙12をプレス加工によりカットベンド加工を行うことで切り起こし片15と通気口11を形成する。切り起こし片15の切り起こし角度はフィルタ表面に対して30〜70度の範囲で適宜フードの排気性能に合わせて設計されるが、深型レンジフードでは約37度、比較的薄いフード部の上に送風機が設けられ、底面に整流板が備えられる薄型レンジフードにおいては約67度の切り起こし角度が通気抵抗及び油捕集効率からみて良好なものである。
【0037】
図2は、本実施例にかかるフィルタを備える深型レンジフード1A(A)および薄型レンジフード1B(C)と、それらに設けられるフィルタ10A(B)およびフィルタ10B(D)を示す。深型レンジフード1Aは、水蒸気や油脂分を含む空気を吸込み捕獲するための捕獲空間が高さ方向(天井方向)に深く形成されたフード2Aと、フード2Aの内部に吸込み口を前側(調理者側)に向けた送風機3Aと、送風機3Aに連接され空気を排気する排気口4Aと、送風機3Aにより生じた空気の流れが通過することにより、フード2Aの捕獲空間内にある空気に含まれる油脂分を回収するフィルタ10Aとを備える。
【0038】
フィルタ10Aは、切り起こしにより形成された通気口11Aと切り起こし片15Aを備え、送風機3Aにより吸引される空気が通気口11Aを通過する際、空気に含まれる油脂分が切り起こし片15Aに衝突することにより、油脂分を回収する。本実施例では、切り起こし片15Aは送風機3A側に切り起こされているが、これに限定されず、反対側(調理者側)の方へ切り起こされていてもよい。また、本実施例では、切り起こしにより生ずる屈曲部が開口部の上方(天井側)に設けられ、通気口11における、
図1Cの(A)または(B)に示される通気口11の開口面は水平方向よりやや下方を向いたように形成されているが、これに限定されず、逆に、切り起こしにより生ずる屈曲部が開口部の下方に設けられ、通気口11Aの開口面が水平方向よりやや上方を向いたように形成されてもよい。換言すれば、切り起こし片15Aの切り起こし角度は水平方向よりやや下方を向いたように形成されているが、これに限定されず、逆に、切り起こしにより生ずる屈曲部が開口部の下方に設けられ、切り起こし片15Aの切り起こし方向が水平方向よりやや上方を向いたように形成されてもよい。
【0039】
また、本図(B)に示すように、切り起こしの切り起こし片15Aの空気の流れの上流側の面は、レンジフード1Aが吸入する空気の流れに対して対向するように成形されることが好ましい。すなわち、切り起こし片が、本図(B)に示す切り起こしとは異なり、調理者側に切り起こされている場合、切り起こし片の上流側の面が、空気の流れFに対して対向せず、油脂分の捕集性能が低下する共に裏面の不燃紙が火炎に曝されることもありうるので好ましくないが、本図(B)に示すような切り起こしであれば、切り起こし片の上流側の面が、空気の流れFに対して対向し、油脂分の捕集性能が向上し、さらに、たとえフィルタに火炎が接触するようなことがあっても、不燃層である金属箔13Aにのみ火炎が当たり、フィルタ10Aの裏面側にある不燃紙12Aや不燃性塗料層14Aに火炎が当たることを防止することにより、耐火性を向上させることができる。
【0040】
また、本実施例においては、レンジフード1Aにおける設置状態において、レンジフード1Aが吸入する空気の流れの上流側の面に、不燃層である金属箔13Aを備える。こうすることにより、たとえフィルタに火炎が接触するようなことがあっても問題のない耐火性を有することができる。
【0041】
さらに、レンジフード1Aが吸入する空気の流れの下流側の面に不燃層として不燃性塗料層14Aを備える。こうすることにより、フィルタ10Aの裏面からの油脂分や水分の浸み込みを防止し、さらに耐火性を向上させることができる。
【0042】
薄型レンジフード1Bは、水蒸気や油脂分を含む空気を吸込み捕獲するための捕獲空間が非常に薄く形成されたフード2Bと、フード2Bの上方に吸込み口を下側(調理器側)に向けた送風機3Bと、送風機3Bに連接され空気を排気する排気口4Bと、送風機3Bにより生じた空気の流れが通過することにより、フード2Bの捕獲空間内にある空気に含まれる油脂分を回収するフィルタ10Bと、フィルタ10Bの上流側に位置し、空気の流れを整流する整流板5Bとを備える。
【0043】
フィルタ10Bは、切り起こしにより形成された通気口11Bと切り起こし片15Bを備え、送風機3Bにより吸引される空気が通気口11Bを通過する際、空気に含まれる油脂分が切り起こし片15Bに衝突することにより、油脂分を回収する。本実施例では、切り起こし片15Bは送風機3B側に切り起こされているが、これに限定されず、反対側(調理器側)の方へ切り起こされていてもよい。
【0044】
レンジフード1Bは、前側(調理者側、図視左側)の、フード2Bの下面と整流板5Bの縁との間の吸込間隙6Bの幅は、後側(壁側、図視右側)の、フード2Bの下面と整流板5Bの縁との間の吸込間隙6B’の幅より大きいので、空気の流量は、前側の吸込間隙6Bの方が後側の吸込間隙6B’より多い。したがって、切り起こしにより生ずる屈曲部が開口部の右側(壁側)に設けられ、通気口11Bは前側方向を向いたように形成されているが、これに限定されず、逆に、切り起こしにより生ずる屈曲部が開口部の左側(前側)に設けられ、通気口11Bが後側方向を向いたように形成されてもよい。
【0045】
また、本図(D)に示すように、切り起こしの切り起こし片15Bの空気の流れの上流側の面は、レンジフード1Bが吸入する空気の流れに対して対向するように成形されることが好ましい。すなわち、切り起こし片が、本図(D)に示す切り起こしとは異なり、調理器側に切り起こされている場合、切り起こし片の上流側の面が、空気の流れFに対して対向せず、油脂分の捕集性能が低下する共に裏面の不燃紙が火炎に曝されることもありうるので好ましくないが、本図(D)に示すような切り起こしであれば、切り起こし片の上流側の面が、空気の流れFに対して対向し、油脂分の捕集性能が向上し、さらに、たとえフィルタに火炎が接触するようなことがあっても、不燃層である金属箔13Bにのみ火炎が当たり、フィルタ10Bの裏面側にある不燃紙12Bや不燃性塗料層14Bに火炎が当たることを防止することにより、耐火性を向上させることができる。
【0046】
なお、本実施例では、すべての切り起こしにおいて、切り起こしにより生ずる屈曲部が開口部の右側(壁側)に設けられ、通気口11Bは前側方向を向いたように形成されているが、これに限定されない。例えば、フィルタの前側半分が、切り起こしにより生ずる屈曲部が開口部の右側(壁側)に設けられ、通気口は前側方向を向いたように形成され、フィルタの後側半分が、逆に、切り起こしにより生ずる屈曲部が開口部の左側(前側)に設けられ、通気口は後側方向を向いたように形成されてもよい。また、例えば、吸込間隙は整流板の四周に備えられるので、切り起こしにより生ずる屈曲部が開口部より遠い方(フィルタの中心側)に設けられ、通気口は最も近傍の吸込間隙の方向を向いたように形成されてもよい。これにより、切り起こし片の空気の流れの上流側の面は、それぞれの吸込間隙からの吸い込まれる空気の流れに対して対向するように成形されるので、油脂分の捕集性能が向上し、さらに、たとえフィルタに火炎が接触するようなことがあっても、不燃層である金属箔13Bにのみ火炎が当たり、フィルタ10Bの裏面側に火炎が当たることを防止することにより、耐火性を向上させることができる。
【0047】
また、本実施例においては、レンジフード1Bにおける設置状態において、レンジフード1Bが吸入する空気の流れの上流側の面に、不燃層である金属箔13Bを備える。こうすることにより、たとえフィルタに火炎が接触するようなことがあっても問題のない耐火性を有することができる。
【0048】
さらに、レンジフード1Bが吸入する空気の流れの下流側の面に不燃層として不燃性塗料層14Bを備える。こうすることにより、フィルタ10Bの裏面からの油脂分や水分の浸み込み防止し、さらに耐火性を向上させることができる。
【0049】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。即ち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に関し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0050】
例えば、第一実施例では、切り起こしにより通気口を形成しているが、これに限定されるものではなく、フィルタの原板をパンチングすることによりパンチング孔を形成し、そのパンチング孔を通気口としてもよいことは、言うまでもない。
また、切り起こし片や開口部の端面に不燃層として金属箔または不燃性塗料層を備えても良いものである。