特許第6013008号(P6013008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アイホーの特許一覧

<>
  • 特許6013008-食器カゴ 図000002
  • 特許6013008-食器カゴ 図000003
  • 特許6013008-食器カゴ 図000004
  • 特許6013008-食器カゴ 図000005
  • 特許6013008-食器カゴ 図000006
  • 特許6013008-食器カゴ 図000007
  • 特許6013008-食器カゴ 図000008
  • 特許6013008-食器カゴ 図000009
  • 特許6013008-食器カゴ 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013008
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】食器カゴ
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/50 20060101AFI20161011BHJP
   A47L 15/18 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   A47L15/50
   A47L15/18
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-89329(P2012-89329)
(22)【出願日】2012年4月10日
(65)【公開番号】特開2013-215431(P2013-215431A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116699
【氏名又は名称】株式会社アイホー
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】佐原 義章
(72)【発明者】
【氏名】牧野 充昌
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−188405(JP,A)
【文献】 特開2009−082653(JP,A)
【文献】 特開2002−078663(JP,A)
【文献】 特開2011−15703(JP,A)
【文献】 特開2010−68921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/00−21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の食器を収納したまま食器洗浄装置に投入される食器カゴであって、
複数の食器が重ねられて収納される収納空間部と、
前記食器洗浄装置による食器洗浄時に、前記食器カゴが食器重ね方向を水平方向とした洗浄姿勢状態で前記食器洗浄装置に投入されこの投入された洗浄姿勢状態の食器カゴ内の食器の下端部を1点で支持する1点支持体と、
前記収納空間部を介して互いに離間対向し、前記食器洗浄装置による食器洗浄時にいずれか一方が食器の一側端部を支持しかついずれか他方が食器の他側端部と隙間を介して対向する対をなす支持体とを備え
前記収納空間部に収納された食器は、前記1点支持体側とは反対側への移動によって前記対をなす支持体間を通過可能である
ことを特徴とする食器カゴ。
【請求項2】
複数の食器を収納したまま食器洗浄装置に投入される食器カゴであって、
前記食器洗浄装置による食器洗浄時に食器を食器重ね方向に移動させるための移動用空間となる余地を残して複数の食器が上下方向に重ねられて収納される収納空間部と、
前記食器洗浄装置による食器洗浄時に食器の下端部を1点で支持する1点支持体と、
前記収納空間部を介して互いに離間対向し、前記食器洗浄装置による食器洗浄時にいずれか一方が食器の一側端部を支持しかついずれか他方が食器の他側端部と隙間を介して対向する対をなす支持体とを備え、
前記食器洗浄装置への投入の際には、食器重ね方向が水平方向となるように前記食器カゴが90度回転により洗浄姿勢状態にされ、
前記食器カゴが洗浄姿勢状態のまま前記食器洗浄装置に投入され、洗浄水が前記食器カゴ内の食器に向かって噴射されると、互いに隣り合う食器間に間隙が生じてその間隙に洗浄水が入り込んで食器の汚れが除去され、
この食器洗浄時に洗浄水の水圧によって食器が前記1点支持体にて支持されたまま前記対をなす支持体間で動くことが可能であり、
前記収納空間部に収納された食器は、前記1点支持体側とは反対側への移動によって前記対をなす支持体間を通過可能である
ことを特徴とする食器カゴ。
【請求項3】
複数の食器を収納したまま食器洗浄装置に投入される食器カゴであって、
複数の食器が収納される収納空間部と、
前記食器洗浄装置による食器洗浄時に食器の下端部を1点で支持する1点支持体と、
前記収納空間部を介して互いに離間対向し、前記食器洗浄装置による食器洗浄時にいずれか一方が食器の一側端部を支持しかついずれか他方が食器の他側端部と隙間を介して対向する対をなす支持体とを備え、
前記1点支持体は、食器重ね方向に長手方向を有する1本の1点支持棒であり、
前記対をなす支持体間の距離は、食器の外径寸法よりも大きく、
前記収納空間部に収納された食器は、前記1本の1点支持棒側とは反対側への移動によって前記対をなす支持体間を通過可能である
ことを特徴とする食器カゴ。
【請求項4】
支持体は、洗浄姿勢状態の食器カゴ内の食器の上下方向中心部と同じ高さに配設されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の食器カゴ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の食器を収納したまま食器洗浄装置に投入される食器カゴに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された食器カゴが知られている。
【0003】
この従来の食器カゴ(収納具)は、例えば収納部とこの収納部に回動可能に設けられた保持部とからなるもので、互いに離間対向する板状の位置規制部材間に固定された複数本の支持棒を備えている。
【0004】
食器洗浄装置による食器洗浄時には、複数の食器は、食器カゴ内に水平な食器重ね方向に重ねられて収納された状態で、左右に互いに離間対向する平行な2本の支持棒によって下方から2点で支持される。
【0005】
そして、2点で支持された食器に向かって、食器洗浄装置の噴射口部から洗浄水が噴射されると、互いに隣り合う食器間に間隙が生じてその間隙に洗浄水が入り込んで食器の汚れ(付着物)が除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−173258号公報(図2図4等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の食器カゴでは、複数の食器を平行な2本の支持棒による2点で支持することから、食器は重ね方向へのみ移動することしかできず、例えば食器に付着した汚れの状態や、食器カゴ内に収納された食器の姿勢のずれ等によっては、食器洗浄装置による食器洗浄時において、互いに隣り合う食器間に狭い間隙しか確保できず、洗浄水の流入がしづらくなり、その結果、食器に付着した汚れが除去されずに、残ったままとなってしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、食器洗浄装置による食器洗浄時において食器の汚れを適切に除去できる食器カゴを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の食器カゴは、複数の食器を収納したまま食器洗浄装置に投入される食器カゴであって、複数の食器が重ねられて収納される収納空間部と、前記食器洗浄装置による食器洗浄時に、前記食器カゴが食器重ね方向を水平方向とした洗浄姿勢状態で前記食器洗浄装置に投入されこの投入された洗浄姿勢状態の食器カゴ内の食器の下端部を1点で支持する1点支持体と、前記収納空間部を介して互いに離間対向し、前記食器洗浄装置による食器洗浄時にいずれか一方が食器の一側端部を支持しかついずれか他方が食器の他側端部と隙間を介して対向する対をなす支持体とを備え、前記収納空間部に収納された食器は、前記1点支持体側とは反対側への移動によって前記対をなす支持体間を通過可能であるものである。
【0010】
請求項2記載の食器カゴは、複数の食器を収納したまま食器洗浄装置に投入される食器カゴであって、前記食器洗浄装置による食器洗浄時に食器を食器重ね方向に移動させるための移動用空間となる余地を残して複数の食器が上下方向に重ねられて収納される収納空間部と、前記食器洗浄装置による食器洗浄時に食器の下端部を1点で支持する1点支持体と、前記収納空間部を介して互いに離間対向し、前記食器洗浄装置による食器洗浄時にいずれか一方が食器の一側端部を支持しかついずれか他方が食器の他側端部と隙間を介して対向する対をなす支持体とを備え、前記食器洗浄装置への投入の際には、食器重ね方向が水平方向となるように前記食器カゴが90度回転により洗浄姿勢状態にされ、前記食器カゴが洗浄姿勢状態のまま前記食器洗浄装置に投入され、洗浄水が前記食器カゴ内の食器に向かって噴射されると、互いに隣り合う食器間に間隙が生じてその間隙に洗浄水が入り込んで食器の汚れが除去され、この食器洗浄時に洗浄水の水圧によって食器が前記1点支持体にて支持されたまま前記対をなす支持体間で動くことが可能であり、前記収納空間部に収納された食器は、前記1点支持体側とは反対側への移動によって前記対をなす支持体間を通過可能であるものである。
【0011】
請求項3記載の食器カゴは、複数の食器を収納したまま食器洗浄装置に投入される食器カゴであって、複数の食器が収納される収納空間部と、前記食器洗浄装置による食器洗浄時に食器の下端部を1点で支持する1点支持体と、前記収納空間部を介して互いに離間対向し、前記食器洗浄装置による食器洗浄時にいずれか一方が食器の一側端部を支持しかついずれか他方が食器の他側端部と隙間を介して対向する対をなす支持体とを備え、前記1点支持体は、食器重ね方向に長手方向を有する1本の1点支持棒であり、前記対をなす支持体間の距離は、食器の外径寸法よりも大きく、前記収納空間部に収納された食器は、前記1本の1点支持棒側とは反対側への移動によって前記対をなす支持体間を通過可能であるものである。
【0012】
請求項4記載の食器カゴは、請求項1ないし3のいずれか一記載の食器カゴにおいて、支持体は、洗浄姿勢状態の食器カゴ内の食器の上下方向中心部と同じ高さに配設されているものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、食器洗浄時に洗浄水の水圧によって食器が1点支持体にて支持されたまま対をなす支持体間で食器の重ね方向および食器の左右側方へと動くことができるため、食器洗浄装置による食器洗浄時において食器の汚れを適切に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係る食器カゴの斜視図である。
図2】同上食器カゴの正面図である。
図3】同上食器カゴの平面図である。
図4】同上食器カゴの洗浄姿勢状態時における斜視図である。
図5】同上食器カゴの洗浄姿勢状態時における正面図である。
図6】同上食器カゴの洗浄姿勢状態時における平面図である。
図7】食器洗浄装置による食器洗浄時の前方視の断面図である。
図8】食器洗浄装置による食器洗浄時の平面図である。
図9】本発明の他の実施の形態に係る食器カゴの洗浄姿勢状態時における正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施の形態について図1ないし図8を参照して説明する。
【0016】
図1ないし図3において、1は食器カゴで、この食器カゴ1は、円形状をなす複数(例えば8枚)の食器Aがその表面を上にして上下方向に積み重ねられて収納される外形直方体状の扉無しつまり蓋無しの食器収納具である。そして、この食器カゴ1は、90度回転により通常姿勢状態から洗浄姿勢状態にされた後、複数の食器Aを収納したまま食器洗浄装置2に洗浄姿勢状態で投入され、食器Aとともに洗浄される。
【0017】
食器Aは、例えば平面視で円形状をなす容器である。すなわち例えば、食器Aは、円形の上面開口部である開口部A4を上面に有する円形状の樹脂製の椀である。
【0018】
食器Aは、円板状の底面部A1と、この底面部A1の外周端部に設けられ上方に向って徐々に拡径する截頭円錐筒状の側面部A2と、この側面部A2の上周端部に斜め上外方に向って突設された円形環状の鍔部(食器Aの周端部)A3とを有している。
【0019】
食器カゴ1は、例えば1つの収納空間部4を内部に有する外形直方体状のカゴ本体5を備えている。そして、収納空間部4には、食器洗浄装置2による食器洗浄時に食器Aを水平な食器重ね方向に移動させるための所定寸法の移動用空間6となる余地7を残して(図2および図6参照)、複数の食器Aがその表面を上にして上下方向に重ねられて収納される。
【0020】
このとき、複数の食器Aは、互いに隣り合う食器Aのうちの一方の食器Aの表面(内面)と他方の食器Aの裏面(外面)とが介在部材(例えば算盤玉のような移動自在の保持部材等)を介さずに互いに接触して対向した状態に直接重ねられて収納される。
【0021】
なお、ここでいう一方の食器Aの表面と他方の食器Aの裏面とが互いに接触する場合には、表面と裏面とが厳密な意味で接触する場合のほか、表面と裏面とが略接触する場合も含まれる。例えば互いに隣り合う食器A間にその食器Aに付着した汚れ(残飯や残汁等の残滓である付着物)が存在して表面と裏面とが若干離れている場合も含まれる。
【0022】
ここで、図1ないし図3に示されるように、カゴ本体5は、例えば金属製の複数本の棒状部材(例えば断面円形)が組み合わされて構成された箱状の金網カゴである。
【0023】
そして、まず、カゴ本体5は、収納空間部4の上面前側を上方に向って開口させ、収納空間部4に対して食器Aの出し入れをするための食器出入用開口部11を有している。つまり、収納空間部4の上面前側は、食器出入用開口部11を介して上方に向って常時開口し、この食器出入用開口部11を介して収納空間部4に対して食器Aの出し入れが行なわれる。なお、食器出入用開口部11の大きさは、平面視で食器Aの外形寸法よりも少し大きくなっている。
【0024】
また、カゴ本体5は、収納空間部4の上面に配設され、食器出入用開口部11の後端に臨んで位置する上規制部12を有している。
【0025】
上規制部12は、前後に互いに離間対向する第1上規制棒13および第2上規制棒14と、これら上規制棒13,14同士を連結する前後方向長手状の2本の連結棒15とにて構成されている。
【0026】
第1上規制棒13は、折り曲げられずに左右方向長手状である場合に比べて食器出入用開口部11が大きくなるように所定箇所(例えば中間4箇所)で折り曲げられたもので、例えば左右方向に沿った3つの棒部13a,13a,13bと左右方向に対して傾斜した2つの傾斜棒部13c,13cとにて構成されている。そして、この屈曲棒からなる第1上規制棒13は、食器出入用開口部11の後端に臨んで位置している。第2上規制棒14は、左右方向に沿って一直線上に位置する左右方向長手状に形成されている。
【0027】
第1上規制棒13の左端部および第2上規制棒14の左端部は前後方向長手状の左上棒16に固定され、第1上規制棒13の右端部および第2上規制棒14の右端部は前後方向長手状の右上棒17に固定されている。なお、左上棒16の後端部と右上棒17の後端部とが、左右方向長手状の後上棒18にて連結されている。
【0028】
そして、収納空間部4に対する食器Aの出し入れ時には、収納空間部4の前側寄りの位置(出入時用空間11a)に収納された食器Aと上規制部12の第1上規制棒13とが平面視で互いに重なり合わない構成となっている。なお、左上棒16および右上棒17には、食器カゴ1を持ち運ぶ際等に把持される取手体(図示せず)が取り付けられている。
【0029】
また、カゴ本体5は、収納空間部4の下面に配設され、収納空間部4に上下方向に重ねられて収納された複数の食器Aの底面を下方からスライド可能に支持する支持部である下規制部23を有している。
【0030】
下規制部23は、互いに間隔をおいて左右方向に並ぶ複数本、例えば互いに平行な2本の前後方向長手状の下規制棒24にて構成されている。各下規制棒24は、その前端部が左右方向長手状の前下棒25に固定され、その後端部が左右方向長手状の後下棒26に固定され、その前後方向中間部が左右方向長手状の中間棒27に固定されている。
【0031】
なお、これら各棒25,26,27の左端部が前後方向長手状の左下棒28に固定され、これら各棒25,26,27の右端部が前後方向長手状の右下棒29に固定されている。また、左下棒28と左上棒16とが複数本の上下方向長手状の連結棒30にて連結され、右下棒29と右上棒17とが複数本の上下方向長手状の連結棒31にて連結されている。
【0032】
また、カゴ本体5は、収納空間部4の前面に配設され、収納空間部4に上下方向に重ねられて収納された複数の食器Aの鍔部A3との当接により食器Aの前方への移動を規制する前規制部33を有している。
【0033】
前規制部33は、前面開口部34を介して互いに離間対向する上下方向長手状の左右1対の前規制棒35にて構成されている。
【0034】
左右の両前規制棒35の離間距離は食器Aの外形寸法より短く、これら両前規制棒35間の前面開口部34を介して収納空間部4が前方に向って常時開口している。これによって、特に、円形状の食器Aに関しては、食器Aの周端部の一部を前面開口部34から食器カゴ1の前方に突出させた状態で、収納空間部4の出入時用空間11aに対して食器Aの出し入れが可能であるから、食器Aを手で持ったまま出入時用空間11aに収納された食器Aへの積み重ねや、出入時用空間11aからの取り出しが容易になっている。
【0035】
なお、左側の前規制棒35の下端部が前下棒25の左端近傍に固定され、左側の前規制棒35の上端側が左側方へ折り曲げられて左上棒16の前端部に固定されている。同様に、右側の前規制棒35の下端部が前下棒25の右端近傍に固定され、右側の前規制棒35の上端側が右側方へ折り曲げられて右上棒17の前端部に固定されている。
【0036】
また、カゴ本体5は、収納空間部4の後面に配設され、収納空間部4に上下方向に重ねられて収納された複数の食器Aの鍔部A3との当接により食器Aの後方への移動を規制する後規制部37を有している。
【0037】
そして、この後規制部37は、食器洗浄装置2による食器洗浄時に、水平方向(水平な食器重ね方向)に重ねられて収納された状態の各食器Aの下端部を1点で不安定な状態(つまり左右のいずれかに揺らぐような状態)として支持する上下方向長手状の1本の1点支持体である1点支持棒(後規制棒)40にて構成されている。つまり、この1点支持棒40は、食器Aの周端部のうち、円形状の食器Aの外周から等距離にある中心部(重心)の真下に位置する部分を1点で支持する。
【0038】
1点支持棒40は、真っ直ぐな断面円形の棒部材のみからなるもので、食器重ね方向に長手方向を有している。1点支持棒40の上端部は、第2上規制棒14の左右方向中央部に固定されている。1点支持棒40の下端部は、後下棒26の左右方向中央部に固定されている。なお、1点支持棒40のうち少なくとも外周面部は、食器Aとの摩擦が小さい樹脂材料によって形成されている。
【0039】
また、カゴ本体5は、収納空間部4の左右側面に配設され、収納空間部4に上下方向に重ねられて収納された複数の食器Aの鍔部A3との当接により食器Aの左右側方への移動を規制する側方移動規制部41を有している。
【0040】
そして、この側方移動規制部41は、収納空間部4を介して互いに離間対向し、食器洗浄装置2による食器洗浄時にいずれか一方が食器Aの一側端部に当接してこの一側端部を支持しかついずれか他方がその食器Aの他側端部と隙間42を介して非接触で対向する上下方向長手状の左右1対の支持体である支持棒43にて構成されている(図5等参照)。なお、各支持棒43は、図5等に示されるように、洗浄姿勢状態の食器カゴ1内の食器Aの上下方向中心部と同じ高さに配設されている。また、カゴ本体5の側面よりも内方に位置するように配設されている。
【0041】
左側の支持棒43は、収納空間部4の左側面に配設され、その上端部が左上棒16の前後方向中央部に連結棒44を介して連結固定され、その下端部が左下棒28の前後方向中央部に連結棒45を介して連結固定されている。
【0042】
同様に、右側の支持棒43は、収納空間部4の右側面に配設され、その上端部が右上棒17の前後方向中央部に連結棒46を介して連結固定され、その下端部が右下棒29の前後方向中央部に連結棒47を介して連結固定されている。
【0043】
そして、互いに平行な左右の両支持棒43間の距離aは、食器Aの外径寸法bよりも大きくなっている。このため、図2図3等に示す食器カゴ1の通常姿勢状態時では、例えば食器Aと左右の両支持棒43とが非接触であったとしても、食器カゴ1を90度回転により通常姿勢状態から洗浄姿勢状態にすると、両支持棒43のいずれか一方(食器Aの重心に近い側の支持棒)が食器Aの一側端部を支持し、かつ、両支持棒43のいずれか他方(食器Aの重心に近い側の支持棒)が食器Aの他側端部と若干の隙間42を介して離間対向する。
【0044】
そして、食器洗浄装置2による食器洗浄時には、噴射される洗浄水の水圧によってカゴ本体5内の食器Aがその下端部を1点支持棒40にて1点で支持されたまま左右の両支持棒43,43間で隙間42分だけ動くことが可能である。
【0045】
ここで、図4ないし図6に示すように、付着物が付着して汚れた複数の食器Aを収納空間部4に上下に積み重ねて収納した食器カゴ1を、食器洗浄装置2に投入する際には、カゴ本体5内の食器Aの食器重ね方向が水平方向となるように、食器カゴ1が90度回転により通常姿勢状態から洗浄姿勢状態にされる。
【0046】
すなわち例えば、作業者は、通常姿勢状態の食器カゴ1を一旦持ち上げ、前規制部33が上側になるように食器カゴ1を90度回転させて洗浄姿勢状態にする。
【0047】
このとき、食器重ね方向に重なった複数の食器Aの各々は、その下端部が1点支持棒40にて支持されかつその一側端部がいずれか一方の支持棒43にて支持された状態となり、食器Aの他側端部といずれか他方の支持棒43との間に隙間42が存在する。
【0048】
なお、図6等には、食器カゴ1内の複数の食器Aのすべてが左側の支持棒43にて支持された場合が示されているが、食器Aの中心部(重心)の真下に位置する部分を1点支持棒40にて1点で支持していることから、例えば、図示しないが、複数の食器Aのすべてが右側の支持棒43にて支持される場合や、複数の食器Aのうち一部が左側の支持棒43にて支持されかつ残部が右側の支持棒43にて支持される場合もある。
【0049】
そして、このような食器カゴ1の洗浄姿勢状態時では、後規制部37の1点支持棒40が収納空間部4に水平方向に重ねられて収納された食器重ね方向に並ぶ複数の食器Aの下端部を下方からスライド可能に1点で支持し、側方移動規制部41の左右いずれかの支持棒43のみが食器重ね方向に並ぶ複数の食器Aの側端部を側方からスライド可能に1点で支持し、上規制部12が食器重ね方向に並ぶ複数の食器Aのうちの一方端の食器Aとの当接により食器Aの一方向への移動を防止し、下規制部23が食器重ね方向に並ぶ複数の食器Aのうちの他方端の食器Aとの当接により食器Aの他方向への移動を規制する。
【0050】
図4に示す洗浄姿勢状態では、カゴ本体5内の複数の食器Aのすべてが、鉛直姿勢(立ち姿勢)となっているが、複数の食器Aの少なくとも一部が他方端の食器Aに向けてもたれかかる傾斜姿勢となる場合もある。
【0051】
そして、そのカゴ本体5内の複数の食器Aのうちの他方端の食器Aは下規制部23に当接しているが、一方端の食器Aは上規制部12に当接しておらず、一方端の食器Aと上規制部12との間には食器洗浄の際に食器カゴ1内で洗浄水の水圧によりカゴ本体5に対して食器Aを移動させるための移動用空間6が存在し、食器Aは食器カゴ1内で食器重ね方向とこの食器重ね方向に対して直交する水平な方向との2方向に不安定な状態となっている。
【0052】
次に、上記食器カゴ1の作用等を説明する。
【0053】
食器Aを食器カゴ1の収納空間部4に対して出し入れする際には、前規制部33が前側になるように食器カゴ1を通常姿勢状態(出入姿勢状態)にする。
【0054】
例えば、学校等においては、給食を食べた後、各生徒は自分が使って汚れた食器Aを食器出入用開口部11から収納空間部4に順次収納する。
【0055】
そして、予め決められた枚数の食器Aが、収納空間部4の後側寄りの位置に上下方向に重ねられて収納される。つまり、食器Aは収納空間部4の前側寄りの位置つまり出入時用空間11aに順次積み重ねられるが、所定枚数の食器Aが上下に積み重ねられると、重なった所定枚数の食器(食器群)Aは、下規制部23上をスライドして収納空間部4の後側寄りの位置つまり洗浄時用空間11bに収納される。なお、出入時用空間11aと洗浄時用空間11bとは、一部が互いに重なり合っている。
【0056】
このとき、カゴ本体5の収納空間部4に上下方向に重ねられて収納された複数の食器Aのうちの上端の食器Aと上規制部12との間には、食器洗浄時に食器Aをカゴ本体5に対して移動させるための移動用空間6となる余地7が残っている。
【0057】
また、食器Aの運搬等は、この図1等に示す通常姿勢状態のまま行なわれるが、食器カゴ1内の食器Aは、前規制部33、後規制部37および側方移動規制部41によって4方向から包囲されているため、その運搬時等において食器Aが食器カゴ1内から飛び出す不具合は生じない。
【0058】
そして、食器Aの洗浄を連続的に行う食器洗浄装置2を使用して、食器カゴ1内の汚れた食器Aを洗浄する場合には、食器カゴ1を食器重ね方向が水平方向となるように90度回転させて通常姿勢状態から洗浄姿勢状態にしてから、食器洗浄装置2のトンネル状の洗浄室内へ投入する。
【0059】
ここで、食器洗浄装置2は、例えば複数の食器Aを食器カゴ1内に収納したまま、浸漬水に浸すことなく、洗浄水を用いて、食器Aの洗浄を連続的に行う業務用洗浄装置である。
【0060】
図7および図8に示されるように、この食器洗浄装置2は、複数の食器Aを収納した洗浄姿勢状態の食器カゴ1を上面の搬送面50に載せて水平な移動方向(搬送方向)に移動させるコンベヤ等の搬送手段51と、食器カゴ1が移動する移動領域の上方に移動方向に間隔をおいて並設され移動中の食器カゴ1内の食器Aに向けて上方からカーテン状の洗浄水を噴射するスリット状の噴射口部53が下面に形成された洗浄ノズル52とを備えている。
【0061】
食器カゴ1の移動方向に間隔をおいて並ぶ複数の噴射口部53は、食器カゴ1の移動方向と直交する水平方向に長手方向を有するスリット状に形成されている。なお、このスリット状の噴射口部53の長手方向長さ寸法は、食器カゴ1の移動方向と直交する方向としている左右方向長さ寸法よりも長い。また、スリット状の噴射口部53は、単一の開口からなるものでもよく、間隔をおいて並ぶ複数の開口からなるものでもよい。
【0062】
そして、例えば食器カゴ1内の複数の食器Aの食器重ね方向が食器カゴ1の移動方向と一致するように、洗浄姿勢状態の食器カゴ1が搬送手段51の搬送面50上に載置され、この搬送手段51の作動により食器カゴ1が食器洗浄装置2の洗浄室内に投入される。
【0063】
なお、作業者は、食器カゴ1内の食器Aの開口部A4が移動方向を向くように、食器カゴ1を洗浄姿勢状態のまま搬送手段51の搬送面50上に載置する。
【0064】
そして、鉛直下向きのカーテン状の洗浄水が、洗浄ノズル52の噴射口部53から食器カゴ1内の食器Aに向かって噴射されると、食器Aが洗浄水の水圧を受けて鉛直姿勢のまま1本の1点支持棒40上をスライド移動することで、互いに隣り合う食器A間に所定の大きさの間隙55が生じ、この生じた間隙55に洗浄水が入り込み、この入り込んだ洗浄水によって食器Aの汚れが除去される。
【0065】
つまり、洗浄ノズル52から噴射される洗浄水によって、互いに隣接していた食器Aが先頭から後尾にわたって順次1枚ずつ離れて間隙55が生じ、その間隙55に流入した洗浄水の流動により食器Aの洗浄が順次行われる。なお、食器Aの種類等によっては、食器Aが傾斜姿勢から鉛直姿勢へと姿勢変化する場合もある。
【0066】
そして、このような食器洗浄時に、例えば図8に示すように、複数の食器Aは、それぞれ1枚ずつ、洗浄ノズル52から噴射される洗浄水の水圧に基づき、その下端部を1点支持棒40によって1点で支持された状態のまま、食器カゴ1に対して移動方向前方に移動しながら、隙間42分だけ食器カゴ1に対して移動方向側方へ動く。
【0067】
このような移動の途中で、食器Aは、1点支持棒40にて下方から支持された状態で、左右1対の支持棒43間で左右に揺れ動く。
【0068】
すなわち、すべての食器Aが食器カゴ1内で不安定に支持されて前後および左右に揺らぐ状態となっていることから、隣り合う食器Aと食器Aとの間に洗浄水を噴射して両食器Aを離そうとする力を加えると、各食器Aは、洗浄水の水圧によって、隣り合うもの同士間に間隙55を生じさせながら、隙間42の範囲内で揺れ動くようにして、1点支持棒40と左側の支持棒43とにて支持された状態から、1点支持棒40と右側の支持棒43とにて支持された状態へと、1点支持棒40を支点として1枚毎、傾動する。
【0069】
その結果、互いに隣り合う食器A間には、所望の大きさの間隙55が順次生じることとなり、その間隙55に適量の洗浄水が流入し、この流入した洗浄水によって食器Aの汚れである付着物(残飯、残汁等の残滓)が適切に除去される。
【0070】
また、粘着性のある付着物によって、食器A同士が接着し合った場合においても、隣り合う食器Aと食器Aとの間に洗浄水を流入させることで、食器A同士は、左右に揺れを生じるようになり、互いに離れるとともに、その付着物が除去される。
【0071】
なお、例えば食器Aの種類等によっては、洗浄水の水圧に基づいて食器Aが1点支持棒40によって1点で支持された状態で左右に揺動した後、右側の支持棒43で支持された食器Aと左側の支持棒43で支持された食器Aとが混在するような場合もある。
【0072】
このように、食器カゴ1によれば、食器洗浄装置2による食器洗浄時に洗浄ノズル52の噴射口部53から噴射される洗浄水の水圧によって、食器Aがカゴ本体5内で1点支持棒40にて下方から1点で支持されたまま左右対をなす支持棒43間で隙間42分だけ側方へ動くことができるため、洗浄ノズル52からの洗浄水による食器Aの移動が容易かつ確実となり、互いに隣り合う食器A間に所望の大きさの間隙55が作ることができ、食器洗浄装置2による食器洗浄時において食器Aの汚れを適切に除去できる。よって、食器洗浄装置2による食器洗浄効率の向上を図ることができ、効率良く洗浄作業ができる。
【0073】
また、食器洗浄装置2による食器洗浄時にカゴ本体5内の複数の食器Aの下端部を1本の1点支持棒40で支持する構成であるから、カゴ本体5を構成する棒状部材の数を少なくでき、構成の簡素化を図ることができる。
【0074】
なお、例えば食器Aの食器重ね方向が食器カゴ1の移動方向と直交するように、食器カゴ1を搬送手段51の搬送面50上に載置して食器洗浄を行った場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。なお、この場合には、食器カゴ1内のすべての食器Aに関して、隙間42分だけ一斉に動くとともに、互いに隣り合う食器A間に間隙55が同時に生じる(特許第4256913号公報参照)。
【0075】
なお、上記一実施の形態では、側方移動規制部41が左右1対の支持体である棒状の支持棒43からなる構成について説明したが、例えば図9に示すように、側方移動規制部41が左右1対の支持体である板状の支持板63からなる構成でもよい。
【0076】
つまり、図9に示すカゴ本体5は、収納空間部4を介して互いに離間対向する左右1対で2枚の板状の整流板(飛散抑制手段)として機能する支持板63を有している。左側の支持板63が収納空間部4の左側面に沿って配設され、右側の支持板63が収納空間部4の右側面に沿って配設されている。また、各支持板63は、カゴ本体5の側面よりも内方に位置するように配設されている。
【0077】
そして、左右の両支持板63は、食器洗浄装置2による食器洗浄時において、カゴ本体5内に水平方向に重なって収納された複数の食器Aの側方に鉛直状に位置した状態で、洗浄水からの水圧に基づいて互いに隣り合う食器A間に生じた間隙55に入り込んだ洗浄水の一部が食器Aの下方まで通過することなくその間隙55内から食器Aの側方に向かって飛散するのを抑制する。
【0078】
また、両支持板63の各々は、いずれも例えば樹脂製の矩形状をなす厚さ一定の1の板部材のみからなるもので、その支持板63の全体が鉛直面に沿って位置している。つまり、支持板63は、例えば鉛直板部64のみからなるもので、折れ曲がっていない鉛直状の平板によって構成されている。
【0079】
さらに、支持板63の下端部が後下棒26および中間棒27に固定され、支持板63の上端部が第1上規制棒13および第2上規制棒14に固定されている。支持板63の後端部はカゴ本体5の後面近傍に位置しているが、支持板63の前端部は、カゴ本体5の前面から後方へ所定距離離れて位置している。
【0080】
そして、食器カゴ1の洗浄姿勢状態時には、支持板63の上端部(通常姿勢状態での前端部)がカゴ本体5内の食器Aの上下方向中央部よりも上方に位置し、かつ、支持板63の下端部(通常姿勢状態での後端部)がカゴ本体5内の食器Aの下端部と同じ高さ(略同じ高さを含む)に位置する。
【0081】
このとき、支持板63の上端部は、食器Aの上下方向中央部よりも上方でかつ食器Aの上端部よりも下方に位置する。すなわち例えば、支持板63の上端部は、食器Aの上半分における上下方向中央部と同じ高さ(略同じ高さを含む)に位置する。
【0082】
なお、例えば図示しないが、例えば食器カゴ1の洗浄姿勢状態時に支持板63の少なくとも一部が鉛直面に対して傾斜して下端ほど食器A側に位置する傾斜面(仮想傾斜面)に沿って位置する構成であってもよい。
【0083】
また、上記いずれの実施の形態においても、1点支持体が1点支持棒40である場合について説明したが、1点支持体は、棒状には限定されず、板状でもよく、例えば食器重ね方向に長手方向を有する細長い1点支持板等でもよい。
【0084】
さらに、食器カゴ1が1つの収納空間部4のみを有した構成について説明したが、例えば左右方向に並ぶ複数の収納空間部4を有する構成等でもよい。
【0085】
また、その収納空間部4に収納される食器Aは、例えば円形状の皿やトレイ等でもよく、また4角等の多角形状の椀、皿、トレイ等でもよい。
【0086】
さらに、1点支持体や左右両側の支持体がカゴ本体5に固定的に設けられた構成には限定されず、例えばカゴ本体5に脱着可能に設けられた構成や、例えば食器Aの大きさ等に応じて位置調整可能な構成等でもよい。
【0087】
また、1点支持体や左右両側の支持体の材質は、金属や樹脂等、任意である。
【0088】
さらに、食器洗浄装置2における洗浄水噴射手段である洗浄ノズル52は、固定式には限定されず、可動式とし、例えば洗浄水を右斜め下方に噴射する状態と洗浄水を左斜め下方に噴射する状態とに交互に変化するもの等でもよい。
【0089】
このように、洗浄水の噴射方向が変化する構成とすれば、食器洗浄時に洗浄水の水圧によって食器が1点支持体にて支持されたまま隣り合うもの同士間に洗浄用の間隙を生じさせることはもちろん、対をなす支持体間で左右いずれか所望の側方へ確実に動くことができ、食器洗浄効率の更なる向上を図ることができる。
【0090】
また例えば、食器カゴ1の移動方向に間隔をおいて並設された複数の洗浄ノズル52が、洗浄水を右斜め下方に噴射する右斜め下向きの洗浄ノズル部と、洗浄水を左斜め下方に噴射する左斜め下向きの洗浄ノズル部とを有するようなもの等でもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 食器カゴ
2 食器洗浄装置
4 収納空間部
6 移動用空間
7 余地
40 1点支持体である1点支持棒
42 隙間
43 支持体である支持棒
55 間隙
63 支持体である支持板
A 食器
支持体間の距離
食器の外径寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9