(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電動モータと直動機構が減速機構を介して接続され、前記モータの回転によって直動機構に装着した摩擦材をブレーキディスクに押し付けて制動し、かつ、その制動を行った直動機構または減速機構に係合部材をソレノイドによって係合させ、前記ソレノイドのプランジャーの変位を検出して、その検出した変位から係合部材の動作を監視する監視手段を備えた電動パーキングブレーキにおいて、
上記プランジャーに磁石を備えたことを特徴とする電動パーキングブレーキ。
電動モータと直動機構が減速機構を介して接続され、前記モータの回転によって直動機構に装着した摩擦材をブレーキディスクに押し付けて制動し、かつ、その制動を行った直動機構または減速機構に係合部材をソレノイドによって係合させ、前記ソレノイドのプランジャーの変位を検出して、その検出した変位から係合部材の動作を監視する監視手段を備えた電動パーキングブレーキにおいて、
上記変位に基づいて、係合部材が減速機構または直動機構との係合に達しているかを判定することを特徴とする電動パーキングブレーキ。
電動モータと直動機構が減速機構を介して接続され、前記モータの回転によって直動機構に装着した摩擦材をブレーキディスクに押し付けて制動し、かつ、その制動を行った直動機構または減速機構に係合部材をソレノイドによって係合させ、前記ソレノイドのプランジャーの変位を検出して、その検出した変位から係合部材の動作を監視する監視手段を備えた電動パーキングブレーキにおいて、
上記係合に達したと判定した際、ソレノイドの駆動電流をゼロもしくは所定値以下として、上記変位の検出を行って、その検出値から係合完了を判定することを特徴とする電動パーキングブレーキ。
電動モータと直動機構が減速機構を介して接続され、前記モータの回転によって直動機構に装着した摩擦材をブレーキディスクに押し付けて制動し、かつ、その制動を行った直動機構または減速機構に係合部材をソレノイドによって係合させ、前記ソレノイドのプランジャーの変位を検出して、その検出した変位から係合部材の動作を監視する監視手段を備えた電動パーキングブレーキにおいて、
上記係合部材を減速機構または直動機構との係合から解除する際、上記変位の検出を行って、電動モータの回転角を制御することを特徴とする電動パーキングブレーキ。
電動モータと直動機構が減速機構を介して接続され、前記モータの回転によって直動機構に装着した摩擦材をブレーキディスクに押し付けて制動し、かつ、その制動を行った直動機構または減速機構に係合部材をソレノイドによって係合させ、前記ソレノイドのプランジャーの変位を検出して、その検出した変位から係合部材の動作を監視する監視手段を備えた電動パーキングブレーキにおいて、
上記変位の検出値からプランジャーの動作速度を算出し、その算出した動作速度に基づいてソレノイドへの印加電圧を制御することを特徴とする電動パーキングブレーキ。
電動モータと直動機構が減速機構を介して接続され、前記モータの回転によって直動機構に装着した摩擦材をブレーキディスクに押し付けて制動し、かつ、その制動を行った直動機構または減速機構に係合部材をソレノイドによって係合させ、前記ソレノイドのプランジャーの変位を検出して、その検出した変位から係合部材の動作を監視する監視手段を備えた電動パーキングブレーキにおいて、
上記変位の検出値の変化からプランジャーの摺動性を検出し、その検出した摺動性に基づいて動作に要する制御の時間を設定することを特徴とする電動パーキングブレーキ。
電動モータと直動機構が減速機構を介して接続され、前記モータの回転によって直動機構に装着した摩擦材をブレーキディスクに押し付けて制動し、かつ、その制動を行った直動機構または減速機構に係合部材をソレノイドによって係合させ、前記ソレノイドのプランジャーの変位を検出して、その検出した変位から係合部材の動作を監視する監視手段を備えた電動パーキングブレーキにおいて、
上記変位の検出値を予め設定した値と比較し、比較した値が設定値よりも劣化した場合は、動作不良としてロックアラーム(AL)信号を出力することを特徴とする電動パーキングブレーキ。
電動モータと直動機構が減速機構を介して接続され、前記モータの回転によって直動機構に装着した摩擦材をブレーキディスクに押し付けて制動し、かつ、その制動を行った直動機構または減速機構に係合部材をソレノイドによって係合させ、前記ソレノイドのプランジャーの変位を検出して、その検出した変位から係合部材の動作を監視する監視手段を備えた電動パーキングブレーキにおいて、
上記変位の検出を、ソレノイドの誘導電流を検出して行うことを特徴とする電動パーキングブレーキ。
上記ソレノイドの非作動時に、係合部材が減速機構または直動機構に係合できない微少電流を、所定時間ごとにソレノイドへ供給し、上記変位を検出して、その検出値からプランジャーの摺動状態を定期的に監視することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載の電動パーキングブレーキ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように、プランジャーを摺動させるものでは、パーキングブレーキの継続的な使用により、プランジャーが機械的摩耗から摺動特性の劣化や係合不良などの動作不良を起こす。そのため、確実なパーキング動作が実現できない問題がある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、動作不良の監視ができるようにして事故を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、この発明では、電動モータと直動機構が減速機構を介して接続され、前記モータの回転によって直動機構に装着した摩擦材をブレーキディスクに押し付けて制動し、かつ、その制動を行った直動機構または減速機構に係合部材をソレノイドによって係合させる電動パーキングブレーキに、前記ソレノイドのプランジャーの変位を検出して、その検出した変位から係合部材の動作を監視する監視手段を備えた構成を採用したのである。
【0007】
このような構成を採用することにより、プランジャーの変位(変位を微分したものも含む)を検出することで、プランジャーのソレノイド内の位置を検出する。そして、その検出した位置の変化から係合部材が作動したかどうかを監視できる。このとき、変位を微分したものを検出したり算出したりすれば、プランジャーの速度が判るので、その速度から係合部材が現在作動中であるかどうか監視できる。また、変位と変位の微分したものを検出すれば、位置と速度から作動中の係合部材が監視できる。
【0008】
このとき、上記変位の検出を、ソレノイドのインダクタンスを検出して行う構成を採用することができる。
【0009】
このような構成を採用することにより、ソレノイドは、交流電源eと接続すると、
e=(r+jωL)i
である。
ここで、交流電源を、例えば、出力抵抗r>>|jωL|とする定電流源とすれば、
e=ωLi (i=交流電源の定電流)
である。
したがって、
L=e/ωi=e/2πfi
となり、定電流iと電圧測定手段の検出する電圧eとからソレノイドのインダクタンスLを検出することができる。
このとき、ソレノイドのインダクタンスLは、ソレノイドに鎖交する磁束数に比例する。
また、ソレノイドを鎖交する磁束は、ソレノイドの中を移動する磁性体であるプランジャーの変位に応じて変化する筈である。
したがって、プランジャーの変位は、インダクタンスLを測ることで監視することができる。
【0010】
このとき、上記プランジャーに磁石を備えた構成を採用することができる。
【0011】
このような構成を採用することにより、磁石は、磁極をソレノイドの磁束の向きに合せて磁束を増加させる向きに取り付けてあるので、プランジャーに鎖交する磁束を増加して、インダクタンスや誘導電流を大きくできるので、検出感度を向上できる。
【0012】
また、このとき、上記変位に基づいて、係合部材が減速機構または直動機構との係合に達しているかを判定する構成を採用することができる。
【0013】
このような構成を採用することにより、変位から位置や速度(微分した変位)が分かり移動距離(微分した場合は:速度×時間とから距離が算出できる)が分かるので、移動距離から係合点に達しているかを判定して動作不良を監視できる。
【0014】
このとき、上記係合に達したと判定した際、ソレノイドの駆動電流をゼロもしくは所定値以下とし、上記変位の検出を行って、その検出値から係合の有無を判定するという構成を採用することができる。
【0015】
このような構成を採用することにより、係合点でソレノイドを停止状態(バネによって復帰されない極短時間)として変位を検出する。その際、位置が変化しなければ(微分を採用した場合は、出力ゼロ)、係合完了とし、位置が変化すると(微分の場合は出力有)、未完了と判定することにより、係合状態を監視できる。
【0016】
また、このとき、上記係合部材を減速機構または直動機構との係合から解除する際、上記変位の検出を行って、電動モータの回転角を制御するという構成を採用することができる。
【0017】
このような構成を採用することにより、変位(位置や速度)の変化を監視することにより係合の解消を判定する。例えば、モータの回転角を制御し、減速機構または直動機構を少し動かしてプランジャーの変位が変化すれば係合が解消されたことであり、変位が変化しなければ係合が解消されていないことなので、変位が変化するまで(微分したものが変化するまで)監視することで、係合を解消させることができる。
【0018】
このとき、上記変位の検出値からプランジャーの動作速度を算出し、その算出した動作速度に基づいてソレノイドへの印加電圧を制御するという構成を採用することができる。
【0019】
このような構成を採用することにより、プランジャーの動作速度を変位または変位を微分したものから求めて監視し、動作速度が低下しないようにソレノイドの印加電圧をフィードバック制御することで、摺動不良を補償できる。
【0020】
このとき、上記変位の検出値の変化からプランジャーの摺動性を検出し、その検出した摺動性に基づいて動作に要する制御の時間を設定するという構成を採用することができる。
【0021】
このような構成を採用することにより、プランジャーの変位または変位を微分したものから摺動性を監視し、プランジャーの係合を判定する時間を調整する。例えば、ソレノイドの駆動電流や電動モータの回転角を制御する際に、ソレノイドへの通電時間や係合不良の判定時間を延長する。こうすることで、摺動性の劣化に対処できる。また、このとき駆動電流を増加したり、モータの回転数や回転角を増加したりする前に前記時間の設定を調整することを行って摺動性を改善できれば、駆動電流を増加したり、モータの回転数や回転角を増加したりしなくてもよいため、電力消費を抑制することもできる。
【0022】
また、このとき、上記検出値を予め設定した値と比較し、比較した値が設定値よりも劣化した場合は、動作不良としてロックアラーム(AL)信号を出力するという構成を採用することができる。
【0023】
このような構成を採用することにより、動作不良を監視して報知できる。
【0024】
このとき、上記ソレノイドの非作動時に、係合部材が減速機構または直動機構に係合できない微少電流を、所定時間ごとにソレノイドへ供給し、上記変位を検出し、その検出値からプランジャーの摺動状態を定期的に監視するという構成を採用することができる。
【0025】
このような構成を採用することにより、作動していないときに定期的に監視できるので、動作不良の発生を未然に防止できる。
【0026】
また、このとき、上記変位の検出を、ソレノイドのインダクタンスに替えてソレノイドの誘導電流を検出して行うという構成を採用できる。
【0027】
このような構成を採用することにより、ソレノイドに通電すると、ソレノイドに吸引されたプランジャーは変位する。その際、ソレノイドの磁束は、磁性体であるプランジャーの変位に応じて変化する筈である。このとき、磁束の変化を妨げるように誘導電流が発生する。この誘導電流の極性は印加電圧と逆となるため、この誘導電流を検出すれば、プランジャーの変位はセンサを設けずに監視することができる。
【発明の効果】
【0028】
この発明は、上記のように構成したことにより、電動パーキングブレーキの状態を監視し、動作不良による事故を防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
この形態の電動パーキングブレーキは、
図1に示すように、自動車用の電動式ディスクブレーキに、ソレノイド13を用いたロック機構14を設けたもので、前記ロック機構14に制御手段(ECU)15を接続する構成となっている。
【0031】
自動車用のディスクブレーキは、電動モータ10と直動機構11が減速機構12を介して接続され、前記直動機構11に装着したブレーキパッド16aをブレーキディスク61に押し付ける構造となっている。
【0032】
電動モータ10は、ここでは、直流モータを採用して、モータ10の可逆運転が電源の極性を反転させるだけで簡単にできるようにしてある。
【0033】
直動機構11は、外輪部材17と軸受部材18及びキャリア19で構成されおり、円筒状のハウジング20に収容されている。また、円筒状のハウジング20の一端には、径方向外方に向けてベースプレート21が設けられ、そのベースプレート21の外側面及びハウジングの一端の開口がカバー22によって被われる構造となっている。さらに、ベースプレート21にはモータ10が取り付けられ、モータ10の回転は、前記カバー内に組み込まれた減速機構12によって回転軸23に伝達されるようになっている。
【0034】
外輪部材17は、スライド部材として組み込まれたもので、回り止めされて、ハウジング20の内径面に沿って軸方向へ移動自在となっている。また、その内径面には、
図2に示すように、断面がV字形で螺旋状の突条24が設けられている。
【0035】
軸受部材18は、中央部にボス部を設けた円盤状の部材で、先の外輪部材17の軸方向の一端側に組み込まれている。また、この軸受部材18の中央部のボス部内には、一対の転がり軸受25が間隔を置いて組み込まれ、その転がり軸受25によって外輪部材17の軸心上に配置された回転軸23を回動自在に支持する。この組み込まれた軸受部材18は、ハウジング20の内周面に取り付けたストッパリング26により、ハウジング20の開口端を覆うカバー側への移動が防止されている。
【0036】
キャリア19は、
図2、
図3に示すように、軸方向で対向する一対のディスク27a、27bと複数の間隔調整部材28、複数のローラ軸29で構成されている。複数のローラ軸29には、遊星ローラ30が回動自在に支持されており、外輪部材17の内側に回転軸23を中心にして回転可能に組み込まれている。
すなわち、キャリア19は、一方のディスク27aの片面外周部に他方のディスク27bに向けて複数の間隔調整部材28が周方向に間隔を置いて設けられたもので、その間隔調整部材28の端面にねじ込まれるネジの締め付けによって対向する一対のディスク27a、27bを連結したものである。
この一対のディスク27a、27bのうち、軸受部材18側に位置するインナー側ディスク27bは、回転軸23との間に組み込まれたすべり軸受31aによって回動自在に、かつ、軸方向へ移動自在に支持されている。
一方、アウター側ディスク27aは、中心部に段付き孔からなる軸挿入孔が形成され、その軸挿入孔内に嵌合されたすべり軸受31bが回転軸23で回動自在に支持されている。この回転軸23には、すべり軸受31bのアウター側端面に隣接してスラスト荷重を受ける金属ワッシャ33が嵌合されており、そのワッシャ33は回転軸23の軸端部に取り付けられた止め輪34によって抜け止めされている。
【0037】
ローラ軸29は、それぞれ、一対のディスク27a、27bに形成された長孔からなる軸挿入孔32内に軸端部が挿入されて径方向に移動自在に支持されたもので、そのローラ軸29を巻き込むようにして架け渡された弾性リング35によって径方向に向けて付勢されている。この複数のローラ軸29のそれぞれには、遊星ローラ30が回動自在に支持されている。
【0038】
遊星ローラ30は、
図3に示すように、それぞれ、回転軸23の外径面と外輪部材17の内径面間に配置され組み込まれる構成となっており、先述したとおり、外輪部材17の内径面間に組み込まれたローラ軸29は、軸端部に掛け渡された弾性リング35によって回転軸23の外径面に押し付けられて弾性接触するようになっている。そのため、上記回転軸23が回転すると、その回転軸23の外径面に対する接触摩擦によって回転するようになっている。
また、遊星ローラ30の外径面には、
図2に示すように、断面V字状の複数の螺旋溝が軸方向に等間隔に形成されている。この螺旋溝のピッチは、先述した外輪部材17に設けられた螺旋突条24のピッチと同一となっており、その螺旋突条24に螺合している。なお、螺旋溝に替えて、複数の円周溝を螺旋突条24と同一ピッチで軸方向に等間隔に形成してもよい。
【0039】
これらの遊星ローラ30とキャリア19のインナー側ディスク27bの軸方向の対向部間には、
図2のように、ワッシャ37およびスラスト軸受38が組み込まれている。さらに、キャリア19と軸受部材18の軸方向の対向部間には、環状のスラスト板39が組み込まれ、そのスラスト板39と軸受部材間18にスラスト軸受40が組み込まれている。
【0040】
外輪部材17のハウジング20の他端部の開口から外部に位置する他端の開口には、シールカバー41の取り付けにより閉塞され、内部に異物が侵入するのを防止するようになっている。また、ハウジング20の他端の開口部にはベローズ42の一端部が連結され、そのベローズ42の他端部は外輪部材17の他端部に連結される構造となっており、前記ベローズ42によってハウジング20への異物の侵入を防止するようにしてある。
【0041】
減速機構12は、
図2に示すように、モータ10のロータ軸に取り付けられた入力ギヤの回転を一次減速ギヤ列G1→二次減速ギヤ列G2→三次減速ギヤ列G3により、順次減速して回転軸の輪端部に取り付けられた出力ギヤ43へ伝達し、回転軸23を回転させる。
この減速機構12に、モータ10のロータ軸をロック及びアンロック可能なロック機構14が設けられている。
【0042】
ロック機構14は、係合部材である係止ピン(ロックピン)50とピン駆動用ソレノイド13とで構成されている。ピン駆動用ソレノイド13は、
図4に示すように、リニアソレノイド(DC:直流)にリターンスプリング52を内蔵してプッシュ型としたアクチュエータで、プランジャー53の先端に、マグネット55を介してロックピン50を装着した構造(ロックピン50とプランジャー53を一体にしたものでも可)となっている。
そのため、ソレノイド13に通電すると、プランジャー53は、ソレノイドコイルに吸引され、スプリング52に抗して先端のロックピン50がボビンから突出する。このとき、プランジャー53に備えたマグネット55は、磁極の向きをソレノイド13の磁束の向きに合わせて磁束が増加する方向にして取り付けてあるので、プランジャー53に鎖交する磁束を増やしてインダクタンスLの値を大きくする。
また、通電を停止すると、プランジャー53はスプリング52に引っ張られ、スプリング52に引っ張られたプランジャー53の先端のロックピン50はボビンに収容される。
【0043】
このソレノイド13は、フロントプレートにロックピン50をスライド自在に支持するピン孔58が形成された保護カバー57に収容されていて、
図2のように、ベースプレート21に支持されてハウジング20とモータ10間に配置されている。
【0044】
このように、ソレノイド13は、ハウジング20とモータ10間に配置されたことにより、プランジャー53の先端のロックピン50が、二次減速ギヤ列G2の出力側の中間ギヤ54に対して進退可能になっている。
この中間ギヤ54は、
図5(a)に示すように、側面に複数の係止孔56が等間隔で同一円状に設けられたもので、その複数の係止孔56に対してロックピン50をソレノイド13で進退させるのである。そして、
図5(b)に示すように、係止孔56に対するロックピン50の係合によって、中間ギヤ54をロックする構造としている。
ここで、係止孔56は、孔にロック面56aとテーパ面56bを形成して方向性を持たせたラチェット構造となっている。
すなわち、ロック面56aは、係止孔56の周方向の一端部に設けられたもので、ロックピン50に対する係合によって中間ギヤ54を矢印(ア)の制動解除方向へ回転させるのを防止する。一方、テーパ面56bは、矢印(イ)で示す中間ギヤ54の制動方向への回転によってロックピン50を係止孔56から抜け出る方向に移動させる。
その結果、中間ギヤ54は、ロックピン50の係合時に制動方向へスムースに回転させることができ、係合後は、ブレーキディスク61に駐車に必要な既定の押圧力を確実に負荷することができる。
【0045】
また、ハウジング20の他端部には、
図1に示すように、キャリバボディ60が一体に取り付けられている。このキャリバボディ60は、外周部の一部が配置されたブレーキディスク61の両側に、固定ブレーキパッド16bと可動ブレーキパッド16aを設け、その可動ブレーキパッド16aを外輪部材17の他端部に連結して一体化した構造となっている。
【0046】
次に、ECU15は、CPUを備えたブレーキ制御用のマイクロコントローラとして設けられたものである。このECU15は、
図6の模式図に示すように、ソレノイド13の駆動用直流電源70を備えている。
また、ECU15は、変位検出手段71とスイッチ手段72を備えており、スイッチ手段72を介して、変位検出手段71と駆動用直流電源70がピン駆動用ソレノイド13に接続する構成になっている。
このスイッチ手段72は、ここでは、例えば、高速でオン・オフできるトランジスタなどの半導体スイッチを採用している。
【0047】
変位検出手段71は、交流電源手段73と電圧測定手段74とで構成されている。
電圧測定手段74は、交流電源手段73とスイッチ手段72間に設けられており、交流電源手段73と並列に接続される構成となっている。
ここで、交流電源手段73は、出力抵抗r(r>>|jωL|) (L:ソレノイドのインダクタンス)とする定電流源である。
そのため、スイッチ手段72が接点bに接続すると、ソレノイド13は、交流電源手段73と接続されて、
e=(r+jωL)i
となる。ここで、先述したように、r>>|jωL|なので、
e=ωLi (i=交流電源の定電流)
である。
したがって、
L=v/ωi=v/2πfi
となり、
電流i(定電流で既知)と電圧測定手段74の検出する電圧eとから、ソレノイド13のインダクタンスLを検出することができる。
このとき、ソレノイド13のインダクタンスLは、ソレノイド13に鎖交する磁束数に比例する。また、ソレノイド13を鎖交する磁束は、ソレノイド13の中を移動する磁性体であるプランジャー53の変位に応じて変化する筈である。
したがって、インダクタンスLを測ることでプランジャー53の変位を検出することができるのである。
【0048】
この形態は、上記のように構成されており、ECU15は、センサ素子を用いること無く、ソレノイド13自体をセンサとして使用する。そして、ロック機構(パーキングブレーキ)の動作不良の監視、判定、補償、事前報知などを制御プログラムに基づいて実行する。
このように、ソレノイド13自体をセンサとして使用し、センサ素子を用いないため、センサ故障による事故のリスクを低減できる。
【0049】
まず、動作不良の監視と監視に基づく判定機能について説明する。
この電動パーキングブレーキでは、走行中など、ロック機構14の解除中は、
図6の符号(イ)で示すように、ECU15が、スイッチ手段72を接点bに切り換え、ソレノイド13を変位検出手段71と接続する。そのため、前記ソレノイド13はオフ状態(直流ソレノイドなので、変位検出手段71から供給される交流電源では動かない)なので、ソレノイド13のプランジャー53はスプリング52に吸引され、吸引されたプランジャー53先端のロックピン50は、減速機構12の二次減速ギヤ列G2の中間ギヤ54との係合を解消する。
このとき、変位検出手段71は、基準となるプランジャー53の解除位置でのインダクタンスLを検出しており、検出値は、ECU15が記憶する。
【0050】
いま、駐車のため、ブレーキ部分で制動をかけて停車した状態でロック機構(パーキングブレーキ)を作動する。すると、
図6の符号(ロ)で示すように、ECU15は、スイッチ手段72を接点aに切り換え、駆動用直流電源72とソレノイド13を接続してソレノイド13を作動する。すると、作動したソレノイド13は、プランジャー53を吸引し先端のロックピン50を保護カバー57のピン孔58から突出させて減速機構12の二次減速ギヤ列G2の中間ギヤ54の係止孔56に係合させる。
このロックピン50がピン孔58から突出して中間ギヤ54に達するまでの係合処理の実行中に、ECU15は、スイッチ手段72を極めて短く接点bに切り換えてインダクタンスLの検出を行う。ここで、短く切り換える時間とは、スプリング52の作用によってプランジャー53の動作が止められない程度の短時間である。
また、このサンプリングを行う期間は、プランジャー53が中間ギヤ54と係合するのに要する時間である。
その際、プランジャー53に設けたマグネット55による磁束の増加は検出感度を向上させるので精度を高めることができる。
このとき、検出した結果は、記憶した基準の値と比較して変化していれば、プランジャー53が変位したことである。そのため、この変位を監視してソレノイド13が正常に作動したかどうか監視できる。
また、このとき、変位の微分したものを検出(変位の差から算出も可)すれば、プランジャー53の速度が分かるので、動作していることが監視できる。加えて、変位と微分したものとからは、プランジャー53の位置と速度が分かるので、作動中のプランジャー53の監視ができる。
【0051】
さらに、ロックピン50が中間ギヤ54の係止孔56と係合した際のインダクタンスLの値を設定しておくことで、ロックピン50が係止孔56に挿入できているかどうかを監視する。
すなわち、設定値と検出値を比較して差が検出されるとプランジャー53が変位していることなので、この変位を検出する。そして、変位が検出された場合は、その変位が許容できる程度の範囲内であれば、係止孔56に挿入できていると判定し、範囲外であれば挿入不良と判定する。
【0052】
このとき、係止孔56への挿入が成功していると、再度、ソレノイド13への通電を停止してインダクタンスLの値を検出する。そして、ロックが完了したことを監視する。
すなわち、インダクタンスLの値が先の値から変化していると係止孔56と係合したプランジャー53の位置が変化していることなので、この変位の有無を検出する。
【0053】
このように、プランジャー53の変位を検出することにより、ソレノイド13の動作時の摺動不良とロック時の係合不良に基づいて動作不良を監視する。
【0054】
次に、補償機能について説明する。
補償機能は、ソレノイド13の動作時の摺動不良と、ロック解除時の係合不良に対応したものである。
摺動不良に対する補償は、先の摺動不良の監視の際、検出した変位から摺動速度を算出し、その算出した摺動速度が低下傾向にある場合に、それを補償するようにソレノイド13の駆動電流をフィードバック制御するというものである。
そのため、摺動速度が低下したことを判定するため、算出した摺動速度は、時系列で記憶するようにすることが好ましい。
また、摺動速度の算出は、例えば、前回の変位と今回の変位の差を繰り返し検出する際のサンプリング周期で変位を割れば、容易に算出できる。このとき、変位の微分(速度)したものを監視することにすれば、微分値の変化を検出するだけで係合の状態がわかるので制御の応答を早くできる。
【0055】
一方、係合不良に対する補償は、直動用の電動モータ10を使用する。
すなわち、ロック機構(パーキングブレーキ)14を解除する場合は、
図6の符号(イ)のように、ECU15が、スイッチ手段72を接点bに切り換えて、ソレノイド13を変位検出手段71と接続する。そのため、ソレノイド13はオフ状態となる。すると、ソレノイド13のプランジャー53はスプリング52に吸引されるため、先端のロックピン50は、減速機構12の中間ギヤ54との係合を解消する。
このとき、中間ギヤ54の係止孔56は、ロック面56aとテーパ面56bを有するラチェット構造なので、テーパ面56bと対向するロック面56aにロックピン50の先端が引っ掛かることが考えられる。
このため、ECU15は、インダクタンスLの検出を逐次行って変位を監視することにより、中間ギヤ54との係合の解消を制御する。
すなわち、逐次検出した変位(位置)の変化を検出することにより係合の解消を監視する。そして、解消時に変位が変化しなければ、例えば、
図5(a)のものでは、モータ10を矢印(イ)の制動方向への回転角を増加し、テーパ面56bを利用して中間ギヤ54との係合を解消させる制御を行うのである。
このとき、変位の微分(速度)したものを検出(コンデンサなどの微分要素を使用)すれば、応答を早くできる。
このように、係合を解消する補償を行うことにより、中間ギヤ54との係合を解消し、
図2に示すように、プランジャー53をソレノイド13のオフ時の位置に戻すのである。
【0056】
なお、実施形態では、係止孔56にテーパ面56bが形成されたものについて述べたが、テーパ面56bを有しないものの場合は、モータ10の回転を正・逆に動かして回転角を少しだけ増減させて中間ギヤ54との係合を解消させる制御を行うことで、係合の解消を図ることができる。
【0057】
また、前述のように、プランジャー53の変位あるいは変位の微分からソレノイド13の摺動性を判定できるので、ソレノイド13の駆動電流や中間ギヤ54の回転角を制御する前に、ソレノイド13への通電時間や係合不良の判定時間を調整しても良い。
その結果、駆動電流を増加したり、モータ10の回転数を増加したりしなくても摺動性の劣化に対処できれば、電力消費を抑制することができる。
このとき、通電時間や係合不良の判定時間を調整しても、ダメな場合は、駆動電流や回転角を増加する。加えて、通電時間や係合不良の判定時間を調整することで対処する。
【0058】
加えて、本パーキングブレーキは、摺動の異常が限界まで達したときに警報を出力するようにもなっている。
すなわち、前記変位あるいは変位の微分の検出した値が改善されない場合は(例えば、予め上限値を設定し、その設定値よりも劣化しているかどうかで判定しても良い)、パーキングブレーキ動作不良としてAL信号(ロックアラーム「警報」信号)を出力する。
【0059】
また、この電動パーキングブレーキは、ロック機構14の故障予測機能を備えている。
この故障予測機能は、ロック機構14のソレノイド13へ通電して摺動性をテストする。
すなわち、ECU15は、ロック機構の非動作時(例えば、信号待ちなどの停車時)に、スイッチ手段72を接点bからaに切り換えてソレノイド13に通電し、プランジャー53を作動する。
そして、ECU15は、スイッチ手段72をb接点に繰り返し切り換えてインダクタンスLの検出を行う。ここで、繰り返し切換える時間は、スプリング52の作用によって動作が止められない程度の短時間である。そして、プランジャー53が中間ギヤ54の係止孔56に達する前にスイッチ手段72を接点bに切り換え、ソレノイド13への通電を停止する。通電の停止されたプランジャー53は、中間ギヤ54の係止孔56に達することなく、スプリング52に引き戻されてオフの位置に戻る。
なお、この通電を停止する切換えの時間は、十分安全な時間に予め設定しておくことは当然である。
このようにしてインダクタンスLの検出を行うことにより、プランジャー53の変位する量が判る。また、この検出を定期的に行って、そのデータから変位する量の低下傾向を監視したり、変位を微分した値(プランジャー53の速度)を求めて、その低下の度合いを監視したりすることにより、動作不良の発生を予測して事故を未然に防止するのである。
【実施例1】
【0060】
この実施例1は、実施形態のインダクタンスLに替えて、誘導電流を用いてプランジャー53の変位の監視を行うものについて述べる。
図7に誘導電流を用いるECU15´の模式図を示す。
【0061】
ECU15´は、CPUを備えた実施形態と同じディスクブレーキ制御用のマイクロコントローラで、
図7の模式図に示すような、短時間の間欠出力を行うソレノイド13の駆動用直流電源70´を備えている。
また、ECU15´は、変位検出手段71´とスイッチ手段72´を備えている。
前記変位検出手段71´は、誘導電流を検出するための電流検出手段である。
また、スイッチ手段72´は、スイッチ用のダイオードで、ダイオードのアノード端子と変位検出手段71´を接続して直列回路を形成し、その直列回路のカソード端子を駆動用直流電源70´の正極側に接続して、ソレノイド13と並列に駆動用直流電源70´に接続する構成になっている。
【0062】
このような構成を採用することにより、ソレノイド13の磁束を妨げるように発生する誘導電流を検出する。
すなわち、ソレノイド13に通電すると、ソレノイド13に吸引されたプランジャー53は変位する。その際、ソレノイド13を鎖交する磁束は、磁性体であるプランジャー53の変位に応じて変化する筈である。そのため、磁束の変化を妨げるように誘導電流が発生する。この誘導電流の極性は印加電圧と逆になるため、スイッチ手段72´のダイオードを介して変位検出手段71´の電流検出手段で検出するのである。
また、このとき、ソレノイド13の駆動用直流電源70´を間欠出力として、間欠出力がゼロ出力(欠出力)の時の誘導電流(位相がπ/2ずれる)を検出することでソレノイド13の駆動電流と峻別するようにしてある。
【0063】
この実施例1は、上記のように構成されており、ソレノイド13のインダクタンスLに替えて誘導電流の検出を行うことで、プランジャー53の変位を検出し、動作不良を監視する。
そのため、ECU15´は、センサ素子を用いること無く、ソレノイド13自体をセンサとして使用して、ロック機構(パーキングブレーキ)の動作不良の監視、判定、補償、事前報知などを制御プログラムに基づいて実行する。その結果、センサ故障による事故のリスクを低減できるものである。
【0064】
まず、動作不良の監視と判定機能について説明する。
この電動パーキングブレーキでは、走行中など、ロック機構14の解除中は、ソレノイド13はオフ状態となっている。このとき、ソレノイド13のプランジャー53はスプリング52で吸引され、先端のロックピン50は、減速機構12の二次減速ギヤ列G2の中間ギヤ54との係合を解消している。
【0065】
いま、駐車のため、電動ブレーキで制動をかけて停車した状態でロック機構(パーキングブレーキ)を作動する。すると、ECU15´は、
図7のように、駆動用直流電源70´からソレノイド13へ給電してソレノイド13を作動する。この作動したソレノイド13は、プランジャー53を吸引し、先端のロックピン50を保護カバー57のピン孔58から突出させて減速機構12の二次減速ギヤ列G2の中間ギヤ54の係止孔56に係合させる。
その際、前記直流電源70´の出力を間欠出力として、間欠出力のゼロ出力(欠出力)の時にスイッチ手段72´のダイオードを介して誘導電流を検出する。
このとき、プランジャー53に設けたマグネット55による磁束の増加は誘導電流を増加させるため、検出感度を向上し精度を高めることに貢献する。
そして、このとき、検出した誘導電流が変化していれば、プランジャー53が変位したことなので、この変位を検出してソレノイド13が正常に作動したかどうか監視する。
このとき、変位を微分したものを使用して監視することもできる。変位を微分したものを採用した場合は、出力の有無で作動中かどうかも検出できる。
さらに、誘導電流の検出を継続する。そして、ロックピン50が中間ギヤ54の係止孔56と係合するのに十分な時間が経過したのち、誘導電流が検出されなくなるかどうか監視する。このとき、誘導電流が検出されなければ、プランジャー53が変位していないので、係合が完了したことである。したがって、この変位を監視して係止孔56に挿入できているかどうかを判定する。
これに反して誘導電流が検出され続ければ、係合に失敗していることであると判定できる。
【0066】
さらに、係合が成功したときに、ソレノイド13への通電をゼロもしくは作動電流以下として誘導電流の値を検出する。このとき、誘導電流の値が変化すると、係止孔56と係合が解除され、プランジャー53が変位していることである。よって、係合に失敗していることになる。このように、この変位を監視することで、係合が完了しているかどうかを監視する。
【0067】
次に、動作不良の補償機能について説明する。
補償機能は、ソレノイド13の動作時の摺動不良と、ロック解除時の係合不良に対応したものである。
摺動不良に対する補償は、実施形態の場合と同様に、先の摺動不良の監視の際、検出した変位から摺動速度を算出する。そして、その算出した摺動速度が低下傾向にある場合に、それを補償するようにソレノイド13の駆動電流を制御する。
そのため、摺動速度が低下したことを判定するため、算出した摺動速度は、時系列で記憶することが好ましい。
また、摺動速度の算出は、前回の変位と今回の変位の差から算出できる。このとき、変位の微分(速度)したものを監視すれば、微分値の変化を検出するだけで速度の変化から係合状態がわかるので制御の応答を早くできる。
【0068】
一方、係合不良に対する補償は、直動用の電動モータ10を使用する。
すなわち、ロック機構(パーキングブレーキ)14を解除する場合は、ECU15´が、駆動用直流電源70´からソレノイド13への給電を停止する。すると、ソレノイドはオフ状態となり、ソレノイド13のプランジャー53はスプリング52に吸引されるため、先端のロックピン50は、減速機構12の二次減速ギヤ列G2の中間ギヤ54との係合を解消する。
このとき、ECU15´は、誘導電流の検出を逐次行って変位を監視することにより、中間ギヤ54との係合の解消を制御する。
すなわち、逐次検出した変位(位置)の変化を監視することにより係合の解消を判定する。変位が変化しなければ、例えば、
図5(a)のものでは、モータ10を矢印(イ)の制動解除方向への回転角を増加し、テーパ面56bを利用して中間ギヤ54との係合を解消させる制御を行うのである。
このとき、変位の微分(速度)したものを監視することにすれば、先に述べたように、制御の応答を早くできる。
このように、係合を解消する補償を行うことにより、中間ギヤ54との係合を解消し、
図2に示すように、プランジャー53をソレノイド13のオフ時の位置に戻すことができる。
【0069】
また、前述のように、プランジャー53の変位あるいは変位の微分からソレノイド13の摺動性を判定できるので、実施形態の場合と同様に、ソレノイド13の駆動電流や中間ギヤ54の回転角を制御する前に、ソレノイド13への通電時間や係合不良の判定時間を調整しても良い。こうすることで摺動性の劣化に対処できる。その結果、駆動電流を増加したり、モータ10の回転数や回転角を増加したりしなくても対処できれば、電力消費を抑制することができる。
このとき、通電時間や係合不良の判定時間を調整しても改善できない場合は、駆動電流や回転角を増加したのち、通電時間や係合不良の判定時間を調整することで対処する。
【0070】
加えて、本パーキングブレーキは、摺動の異常が限界まで達したときに警報を出力するようにもなっている。
すなわち、前記変位あるいは変位の微分の検出した値を予め設定した値と比較して、設定した値よりも劣化しているがどうかを判定する。劣化している場合は、パーキングブレーキの動作不良としてAL信号(ロックアラーム「警報」信号)を出力する。
【0071】
また、この電動ブレーキユニットは、ロック機構14の故障予測機能を備えている。この故障予測機能では、ロック機構14のソレノイド13へ通電して摺動性をテストする。
すなわち、ECU15´は、パーキング機構の非動作時(例えば、信号待ちなどの停車時)に、ソレノイド13へ通電してプランジャー53を作動させて誘導電流の検出を行う。そして、プランジャー53が中間ギヤ54の係止孔56に達する前にソレノイド13への通電を停止する。この通電を停止するタイミングは、予め安全な値に設定しておくことは当然である。
こうすることで、通電の停止されたプランジャー53は、中間ギヤ54の係止孔56に達することなく、スプリング52に引き戻されてオフの位置に戻る。
このようにして誘導電流の検出を行うことにより、プランジャー53の変位する量が判る。また、この検出は定期的に行って、そのデータから変位する量の低下傾向を監視したり、変位量を微分した値(プランジャー53の速度)を算出して、その低下の度合いを監視したりすることにより、動作不良の発生を予測して事故を未然に防止する。
【0072】
なお、実施形態及び実施例1では、係合部材にロックピン50を使用したものについて述べたが、これに限定されるものではない。プランジャー53によって動かされるのであれば、係合部材は、例えば
図10に示すような係止爪8を使用したものでも構わない。
また、実施形態及び実施例1では、係合部材を減速機構12に係合させるものについて述べたが、これに限定されるものではない。係合部材を、例えば
図9に示すように直動機構2に係合させる構造のものであっても良い。
また、実施形態及び実施例1では、プッシュ型ソレノイド13を用いたロック機構14について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、従来例のようにプル型を用いたロック機構6においても、ソレノイドがプランジャーを吸引したときのインダクタンスあるいは誘導電流を検出すればよいので適用可能であることは明白である。