特許第6013024号(P6013024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013024
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】冷却器
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20161011BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   H01L23/46 Z
   H05K7/20 N
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-113393(P2012-113393)
(22)【出願日】2012年5月17日
(65)【公開番号】特開2013-239675(P2013-239675A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2015年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】岡本 好司
(72)【発明者】
【氏名】古川 裕一
【審査官】 下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/134160(WO,A1)
【文献】 特開平04−294570(JP,A)
【文献】 特開2010−129774(JP,A)
【文献】 特開2013−123038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/34 − 23/46
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体が接合される基体の内部領域に熱媒体を流通させることで、前記基体に接合された発熱体を冷却する冷却器であって、
前記内部領域には、基板の両面から延設されている複数の円柱状のフィンが形成されたフィンユニットが配設されるとともに、前記フィンの端面が前記基体の内面と接合され、 前記フィンは、軸方向と直交する断面における直径が1mm〜3mmであり、隣り合うフィン同士の最短離間距離が0.5mm〜2mmであり、
前記フィンは、熱媒体の流通の上流側から下流側に複数列をなして配置されていて、最も上流側の列を第1列とした場合、奇数列を構成するフィンと偶数列を構成するフィンとは、列の延びる方向においてずれて配置されていることを特徴とする冷却器。
【請求項2】
前記フィンは前記基板の両面に一体成形されることを特徴とする請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記フィンユニットは一体成形されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却器。
【請求項4】
発熱体が接合される基体の内部領域に熱媒体を流通させることで、前記基体に接合された発熱体を冷却する冷却器であって、
前記内部領域には、基板の両面に複数の柱状のフィンが狭ピッチで形成されたフィンユニットが配設されるとともに、前記フィンの端面が前記基体の内面と接合され、
基部の一面にフィンが一体成形された第1フィンユニット形成部材のフィンが形成されていない面と、基部の一面にフィンが一体成形された第2フィンユニット形成部材のフィンが接合されていない面と、接合されていることにより前記フィンユニットが形成されていることを特徴とする冷却器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基体の内部領域に熱媒体を流通させることで基体に接合された発熱体を冷却する冷却器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品などの発熱体を冷却する冷却器として、基体の内部に流路を形成した冷却器が知られている。この種の冷却器では、発熱体に対する冷却効率を向上することが望まれており、特許文献1では、流路内に形成されるフィン間ピッチを狭くして、フィンの表面積を増加させている。
【0003】
特許文献1の冷却器は、第1基板に複数の第1凸部が形成された第1凸基板と、第2基板に複数の第2凸部が形成された第2凸基板と、を対向するように接合することで構成されている。そして、冷却器をこのように構成することで、第1凸部の先端面は、第2凸基板に当接するとともに、第2凸部の先端面は第1凸基板に当接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−294196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の冷却器は、フィン間ピッチを狭くできても、その製造が容易ではなかった。フィン間ピッチを狭ピッチ化しているために第1凸部と第2凸部とが複数存在する。この場合、第1凸部と第2凸部とが対向するように第1凸基板と第2凸基板を配置すると、第1凸部に対する第2凸部の位置合わせが困難であった。この場合、仮に第1凸基板の先端面及び第2凸基板の先端面が所定の場所ではないところに配置された場合、第1凸基板及び第2凸基板を再度配置する必要がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、狭ピッチ化された柱状のフィンの位置合わせを容易にすることができる冷却器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、発熱体が接合される基体の内部領域に熱媒体を流通させることで、前記基体に接合された発熱体を冷却する冷却器であって、前記内部領域には、基板の両面から延設されている複数の柱状のフィンが形成されたフィンユニットが配設されるとともに、前記フィンの端面が前記基体の内面と接合され、前記フィンは、軸方向と直交する断面における直径が1mm〜3mmであり、隣り合うフィン同士の最短離間距離が0.5mm〜2mmであり、前記フィンは、熱媒体の流通の上流側から下流側に複数列をなして配置されていて、最も上流側の列を第1列とした場合、奇数列を構成するフィンと偶数列を構成するフィンとは、列の延びる方向においてずれて配置されていることを要旨とする。
【0008】
これによれば、フィンは、基板の両面に形成され、基板の両面に形成されたフィンを一つのフィンユニットとして取り扱うことができる。このため、フィンユニットの位置決めを行えば、フィンを個別に位置決めする必要はなく、狭ピッチ化された柱状のフィンの位置合わせを容易にすることができる。なお、「狭ピッチ」とは、隣り合うフィン同士の最短離間距離がフィンの直径の1/6倍から2倍の長さとなるフィン間ピッチをいう。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の冷却器であって、前記フィンは前記基板の両面に一体成形されることを要旨とする。
これによれば、基板の両面とフィンとが、一体成形される。したがって、基板の両面にフィンを容易に形成することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の冷却器であって、前記フィンユニットは一体成形されることを要旨とする。
これによれば、基板の一面にフィンが形成された一対の部材におけるフィンが形成されていない面を接合してフィンユニットを形成する場合に比べて、基板の板厚が薄く形成される。したがって、基板の板厚が薄くなった分だけフィンを厚く形成できるため、フィンユニットと熱媒体の接触面積が増加され、発熱体に対する冷却効率が向上される。
【0011】
請求項4に記載の発明は、発熱体が接合される基体の内部領域に熱媒体を流通させることで、前記基体に接合された発熱体を冷却する冷却器であって、前記内部領域には、基板の両面に複数の柱状のフィンが狭ピッチで形成されたフィンユニットが配設されるとともに、前記フィンの端面が前記基体の内面と接合され、基部の一面にフィンが一体成形された第1フィンユニット形成部材のフィンが形成されていない面と、基部の一面にフィンが一体成形された第2フィンユニット形成部材のフィンが接合されていない面と、接合されていることにより前記フィンユニットが形成されていることを要旨とする。
【0012】
これによれば、第1フィンユニット形成部材及び第2フィンユニット形成部材の組み合わせを変更することで、第1面に対する冷却効率と、第2面に対する冷却効率を容易に変更することができる。例えば、第1面に接合される発熱体の発熱量が、第2面に接合される発熱体の発熱量よりも多い場合には、第1フィンユニット形成部材の基部に形成されるフィンの量を、第2フィンユニット形成部材の基部に形成されるフィンの量よりも多くすればよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、狭ピッチ化された柱状のフィンの位置合わせを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態における冷却器を示す分解斜視図。
図2】第1の実施形態における冷却器を示す断面図。
図3】第1の実施形態におけるフィンユニットを示す斜視図。
図4】第2の実施形態における冷却器を示す断面図。
図5】第2の実施形態におけるフィンユニットを示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について図1図3にしたがって説明する。
図1に示すように、冷却器10は、第1基体形成部材21と第2基体形成部材22から構成される基体20の内部にフィンユニット31を収容することにより形成されている。第1基体形成部材21は、平面視矩形状をなす底部20bの4辺から立設された側壁20cから形成されている。第1基体形成部材21の底部20bと対向する側は開口している。第2基体形成部材22は、平面視矩形状をなす平板状の部材であり、その大きさは、第1基体形成部材21の開口部を塞げるような大きさに形成されている。そして、第1基体形成部材21の開口部を塞ぐように第2基体形成部材22を接合することで、基体20は形成されている。
【0017】
図2に示すように、基体20の内部には、熱媒体が流通する内部領域Sが形成されている。第1基体形成部材21において底部20bの短辺側から立設された両側壁20cには、内部領域Sに熱媒体を供給する供給パイプ23及び内部領域Sから熱媒体を排出する排出パイプ24が嵌装される開口部20aが形成されている。そして、開口部20aに供給パイプ23及び排出パイプ24が接合されている。第1基体形成部材21において内部領域Sと反対側の面は、発熱体としてのパワーモジュールPが接合される第1面25とされている。また、第2基体形成部材22において内部領域Sと反対側の面はパワーモジュールPが接合される第2面26とされている。第1面25において第1基体形成部材21の短手方向における略中央には、内部領域Sに向けて突出する凸部25aが形成されている。凸部25aは、供給パイプ23側から排出パイプ24側に向けて、第1基体形成部材21の長手方向に沿って一定間隔おきに形成されている。また、第1面25において凸部25aの形成されている場所には、窪みが形成されている。なお、凸部25aは、内部領域Sに向けての突出量が、内部領域Sを流通する熱媒体の流通を阻害しないように形成される。
【0018】
内部領域Sには、フィンユニット31が配設されている。各フィンユニット31は、凸部25aの間に位置するように、すなわち、隣接するフィンユニット31同士で凸部25aを挟むように配設されている。したがって、凸部25aは、フィンユニット31の位置決め部として機能している。
【0019】
次に、フィンユニット31について詳細に説明する。
図3に示すように、フィンユニット31は、平板状の基板32の両面に円柱状のフィン33を形成することにより構成されている。基板32の両面には、同一形状のフィン33が同一数形成されている。なお、フィン33の直径は、2.1mmに設定されている。フィン33の直径は、1mm〜3mmの範囲内で設定可能となっている。
【0020】
また、フィン33は互い違いに配置されている。フィン33を互い違いに配置することにより、同一形状のフィン33を同一領域に一定間隔おきに配置する場合と比べて、同一領域内に多くのフィン33を配置することができる。すなわち、熱媒体とフィン33との接触面積が増加されている。
【0021】
隣り合うフィン33同士のフィン間ピッチは、狭ピッチ化されている。「狭ピッチ」とは、隣り合うフィン33同士の最短離間距離がフィン33の直径の1/6倍から2倍の長さとなるフィン間ピッチをいう。本実施形態において、互い違いに隣り合うフィン33同士の最短離間距離は、0.9mmに設定されている。また、隣り合うフィン33同士の最短離間距離は、0.5mm〜2mmの間で設定可能となっている。
【0022】
図2に示すように、フィンユニット31の基板32の両面は、フィンユニット31を内部領域Sに配設した状態で、第1面25及び第2面26と対向するようになっている。したがって、フィン33は基板32の両面から第1面25及び第2面26に向けて延設されていると捉えることもできる。また、フィンユニット31は、基体20に接合されるパワーモジュールPに対応して配設されている。すなわち、内部領域Sを熱媒体が流通したときに、パワーモジュールPとの熱交換が適切になされるように、基体20の壁部(第1基体形成部材21及び第2基体形成部材22)を挟んでパワーモジュールPとフィンユニット31が対向するように配設されている。
【0023】
また、フィン33において基板32側の端部を基端とし基板32と逆側の端部を先端とすると、先端面は基体20の内面に接合されている。詳細にいえば、フィンユニット31において第1基体形成部材21側に形成されたフィン33の先端面は、その全面が第1基体形成部材21の内面に接合されている。同様に、フィンユニット31において第2基体形成部材22側に形成されたフィン33の先端面は、その全面が第2基体形成部材22の内面に接合されている。また、各フィン33は、熱媒体の流通方向と直交する方向への断面積が基端から先端まで略同一となるように形成されている。そして、各フィン33の間の流路面積は略同一となっている。
【0024】
フィンユニット31は、基板32とフィン33を一体成形することで構成されている。具体的にいえば、フィンユニット31はフィンユニット31の形状に合わせて形成された鍛造用金型により、アルミニウム板や銅板を熱間鍛造することによって形成されている。したがって、本実施形態の基板32の板厚t1は、基板の一面にフィンを形成した一対のフィンユニット形成部材においてフィンが形成されていない面を接合して形成されたフィンユニットと比べて、薄くなっている。したがって、板厚t1が薄くなった分だけ、フィン33の延設方向への長さが増加されている。すなわち、内部領域Sを流通する熱媒体と、フィン33の接触面積が増加されている。
【0025】
本実施形態の冷却器10は、第1基体形成部材21及び第2基体形成部材22において、内部領域S側の面にロウ材を塗布し、フィンユニット31におけるフィン33の先端面が第1基体形成部材21及び第2基体形成部材22に塗布されたロウ材と接した状態で一括ロウ付けされて形成されている。ロウ付け時においては、基体20が加圧されてロウ付けがされる。このため、ロウ材が溶融しても、フィン33の先端面が基体20の内面と離間せず、基体20の内面とフィン33の先端面が密着した状態で接合が行われる。
【0026】
次に、本実施形態における冷却器10の作用について説明する。
本実施形態における冷却器10は、電気自動車、ハイブリッド自動車、電車などに搭載される電力変換装置に用いられるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワーデバイス(発熱体)を冷却するのに好適に用いられる。
【0027】
パワーモジュールPが駆動されることにより発熱すると、パワーモジュールPは、内部領域Sを流通する熱媒体と熱交換されることによって冷却される。この際、基体20の第1面25及び第2面26の両側にパワーモジュールPが接合されているため、冷却器10は、第1面25及び第2面26の両側から加熱される。
【0028】
本実施形態のフィンユニット31は、基板32の両面に、フィン33を形成しているため、第1面25に接合されたパワーモジュールPは、第1面25側のフィン33によって適切に熱交換され、第2面26に接合されたパワーモジュールPは、第2面26側のフィン33によって適切に熱交換される。
【0029】
特に、フィン33の形状として、柱状のフィン33を複数形成することにより、基板32の両面にストレートフィンを形成する場合と比べて、表面積が増加されている。このため、熱媒体とフィンユニット31との熱交換が促進されている。
【0030】
したがって、上記実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)第1面25及び第2面26と対向するように配置される基板32の両面に、円柱状のフィン33を形成している。したがって、フィンユニット31を内部領域Sに位置決めすることで、全てのフィン33の位置決めが行われる。したがって、フィンユニット31の位置決めを行えば、フィン33を個別に位置決めする必要はなく、狭ピッチ化された柱状のフィン33の位置合わせを容易にすることができる。
【0031】
(2)第1面25及び第2面26と対向するように配置される基板32の両面に、第1面25及び第2面26に向けて延設される円柱状のフィン33を形成している。このため、第1面25に接合されるパワーモジュールPは、第1面25側に形成されたフィン33によって適切に熱交換され、第2面26に接合されるパワーモジュールPは、第2面26側に形成されたフィン33によって適切に熱交換される。したがって、基体20の第1面25及び第2面26に接合されたパワーモジュールPを効率よく冷却することができる。
【0032】
(3)フィン33の形状として、柱状のフィン33を基板32に形成している。このため、基板32の両面にストレートフィンを形成する場合と比べて、表面積が増加されている。したがって、パワーモジュールPに対する冷却効率が向上されている。
【0033】
(4)また、柱状のフィン33を基板32に形成することで、フィン33の先端面と基体20を面接触させることができる。したがって、基体20とフィンユニット31との接触面積が増加される。このため、パワーモジュールPが発した熱は、フィンユニット31に伝導しやすく、パワーモジュールPに対する冷却効率が向上されている。
【0034】
(5)また、柱状のフィン33を基板32に形成することで、内部領域Sを流通する熱媒体の乱流が発生しやすく、パワーモジュールPに対する冷却効率が向上される。
(6)また、基体20とフィン33の先端面が面接触することにより、基体20はフィンユニット31によって支持され、基体20の厚み方向への強度が向上される。
【0035】
(7)基板32の両面には、フィン33が一体成形されている。このため、基板32にフィン33を形成しやすい。また、基板32とフィン33の接合不良がなくなり、冷却器10の長寿命化が図られる。
【0036】
(8)フィンユニット31は、一体成形されている。このため、板厚t1は、基板32と同一の板厚t1を有する基板の一面にフィン33を形成した一対のフィンユニット形成部材においてフィンが形成されていない面を接合して形成されたフィンユニットと比べて、薄くなっている。したがって、フィン33の延設方向への長さを長くすることができ、パワーモジュールPに対する冷却効率が向上される。また、板厚が薄くなるため、冷却器10全体を薄くすることができる。
【0037】
(9)フィン33は、互い違いに形成されている。このため、同一形状のフィン33を同一領域に整列配置する場合と比べて、同一領域内に多くのフィン33を配置することができる。したがって、熱媒体とフィン33との接触面積が増加し、パワーモジュールPに対する冷却効率が向上される。
【0038】
(10)同一領域に、ストレートフィンを形成する場合に比べて、各フィン33の延設方向への長さは短い。このため、ロウ付け時に冷却器10を加熱・冷却した際のフィン33の膨張・収縮は、ストレートフィンに比べて少ない。したがって、ロウ付け時におけるフィン33の変形量が少なく、フィン33の変形に伴い第1面25及び第2面26の変形が抑止される。このため、第1面25及び第2面26に凹凸が形成されることが抑止され、基体20とパワーモジュールPの接合信頼性が向上される。
【0039】
(11)基板32に形成されるフィン33の先端面の全面が基体20の内面に接合されている。このため、冷却器10のロウ付け時に、基体20を押圧するときに、フィン33にかかる押圧力が分散される。このため、フィン33が破損しにくい。
【0040】
(12)フィン33を互い違いに形成することにより、内部領域Sを流通する熱媒体の乱流が発生しやすく、パワーモジュールPに対する冷却効率が向上されている。
(13)フィンユニット31は、鍛造によって形成されている。したがって、基板32の両面にフィン33を容易に形成することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態について図4及び図5にしたがって説明する。以下に説明する実施形態において、すでに説明した実施形態と同一構成については同一符号を付すなどしてその重複する説明を省略又は簡略する。
【0042】
図4に示すように、本実施形態の冷却器40は、第1の実施形態と同様に、基体20の内部領域Sに、フィンユニット51を配設することにより構成されている。
図5に示すように、フィンユニット51は、基部52の一面にフィン33が形成された第1フィンユニット形成部材53のフィン33が形成されていない面と、第1フィンユニット形成部材53と同一構成の第2フィンユニット形成部材54のフィン33が形成されていない面を接合することで形成されている。そして、本実施形態では、第1フィンユニット形成部材53の基部52と、第2フィンユニット形成部材54の基部52によって基板55が形成されている。フィン33は、基部52の一面に一体成形されている。そして、基板55の両面は、基部52においてフィン33が形成された面となることから、フィン33は基板55の両面に一体成形されている。
【0043】
図4に示すように、本実施形態の基板55の板厚t2は、基部52の厚みを第1の実施形態における基板32の厚みと同一とすると、t1の2倍となっている。すなわち、基体20の内部領域Sが第1実施形態の基体20の内部領域Sと同一寸法とすると、各フィン33の延設方向への長さは、t1/2短くなっている。
【0044】
したがって、上記実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(6),(9)〜(13)と同様の効果を得ることができる。
なお、実施形態は以下のように変更してもよい。
【0045】
○ 各実施形態において、フィン33の形状は三角柱状のフィン33や、四角柱状のフィン33など、多角柱状のフィン33としてもよい。
○ 各実施形態において、フィン33の数を増やしてもよいし、減らしてもよい。
【0046】
○ 各実施形態において、第1面25側に形成されるフィン33の数と、第2面26側に形成されるフィン33の数を異なる数にしてもよい。
○ 各実施形態において、発熱体として、コンデンサ、トランジスタなどを採用してもよい。
【0047】
○ 各実施形態において、基板32とフィン33は一体成形されていなくてもよい。例えば、基板32の両面にフィン33をロウ付けすることで、基板32の両面にフィン33を形成してもよい。同様に、基部52とフィン33は一体成形されていなくてもよい。例えば、基部52の一面にフィン33をロウ付けしてもよい。
【0048】
○ 各実施形態において、単数のフィンユニット31を内部領域Sに配設してもよい。
○ 各実施形態において、基板32,55に形成されるフィン33は、一定間隔おきに配置されていてもよい。
【0049】
○ 第1の実施形態において、冷間鍛造、溶湯鍛造によって基板32とフィン33を一体成形してもよい。
○ 各実施形態において、第1面25又は第2面26のいずれかにパワーモジュールPを接合してもよい。
【0050】
○ 第2の実施形態において、第1フィンユニット形成部材53と第2フィンユニット形成部材54を異なる構成としてもよい。第1フィンユニット形成部材53と第2フィンユニット形成部材54の組み合わせを変更することで、第1面25に対する冷却効率と、第2面26に対する冷却効率を容易に変更することができる。例えば、第1面25に接合されるパワーモジュールPの発熱量が、第2面26に接合されるパワーモジュールPの発熱量よりも多い場合には、第1フィンユニット形成部材53の基部52に形成されるフィン33の量を、第2フィンユニット形成部材54の基部52に形成されるフィン33の量よりも多くすればよい。
【0051】
○ 各実施形態において、フィン33は、熱媒体の流通方向と直交する方向への断面積が基端から先端まで同一となるように形成されていてもよい。
○ 各実施形態において、位置決め部として機能する凸部25aは、第2面26に形成されていてもよい。また、第1面25及び第2面26の両面に形成されていてもよい。
【0052】
○ 各実施形態において、隣り合うフィン33同士の最短離間距離は、フィン33の直径の1/6倍から2倍の範囲内であれば、長くしてもよいし短くしてもよい。
○ 各実施形態において、全てのフィン33のうち、一部のフィン33同士のフィン間ピッチが狭ピッチとなっていなくてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10,40…冷却器、20…基体、25…第1面、26…第2面、31,51…フィンユニット、32,55…基板、33…フィン、52…基部、53…第1フィンユニット形成部材、54…第2フィンユニット形成部材。
図1
図2
図3
図4
図5