(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013029
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】抗癌剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20161011BHJP
A61K 31/4162 20060101ALI20161011BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20161011BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20161011BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K31/4162
A61K31/404
A61P25/00
A61P35/00
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-119973(P2012-119973)
(22)【出願日】2012年5月25日
(65)【公開番号】特開2013-245196(P2013-245196A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2015年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】313008869
【氏名又は名称】千葉県
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100101904
【弁理士】
【氏名又は名称】島村 直己
(72)【発明者】
【氏名】中川原 章
(72)【発明者】
【氏名】田村 裕
(72)【発明者】
【氏名】星野 忠次
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋子
(72)【発明者】
【氏名】菅波 晃子
【審査官】
今村 明子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0026984(US,A1)
【文献】
国際公開第2010/129567(WO,A1)
【文献】
国際公開第2007/076092(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/048259(WO,A1)
【文献】
European Journal of Medicinal Chemistry,2011年,Vol.46,p.3942-3952
【文献】
Chem. Med. Chem.,2007年,vol.2,p.627-630
【文献】
ARKIVOC,2007年,Vol.X,p.381-394
【文献】
Revue Roumaine de Chimie,2001年,Vol.46, No.10,p.1145-1153
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00− 9/72
A61K 31/00−31/80
A61K 33/00−33/44
A61K 47/00−47/48
A61P 1/00−43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】
(式中、Ar
1は、置換又は非置換の
フェニル基であり、
Ar
2は、置換又は非置換の
二環性含窒素芳香族複素環基であり、
R
1は、水素原子
、又は置換又は非置換のカルバモイルメチル基であるか、又は隣接する窒素原子及びAr
1と共同して
、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環を形成し、
nは、0又は1であり、
mは、0又は1であり、
mが0のとき、nは0である。)
で示される化合物又はその塩を含有する
神経芽腫治療薬。
【請求項2】
前記式(I)で示される化合物が下記式(Ia):
【化2】
(式中、Ar
1、Ar
2、R
1及びnは前記式(I)中の定義と同義である。)
で示される化合物である請求項1に記載の
神経芽腫治療薬。
【請求項3】
前記式(I)において、n及びmが0である請求項1に記載の神経芽腫治療薬。
【請求項4】
Ar2で表される置換又は非置換の二環性含窒素芳香族複素環基における二環性含窒素芳香族複素環基が環の構成原子として2又は3個の窒素原子を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の神経芽腫治療薬。
【請求項5】
Ar2で表される置換又は非置換の二環性含窒素芳香族複素環基における二環性含窒素芳香族複素環基がピロロ[1,2−c]ピリミジニル基、ピラゾロ[2,3−a]ピリミジニル基又はチエノ[2,3−c]ピラゾリル基である請求項4に記載の神経芽腫治療薬。
【請求項6】
前記式(I)において、Ar1は、C1−6−アルキル基、C1−6−アルコキシ基、ハロゲン原子及びニトロ基から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基であり、
Ar2は、C1−6−アルキル基、C1−6−アルコキシ−カルボニル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、メチレンジオキシフェニル基及びチエニル基から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい二環性含窒素芳香族複素環基であり、
R1は、水素原子、又はC1−6−アルキル基でモノ又はジ置換されていてもよいカルバモイルメチル基であるか、又は隣接する窒素原子及びAr1と共同して、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環を形成する請求項1に記載の神経芽腫治療薬。
【請求項7】
前記式(I)で示される化合物が次式(1):
【化3】
で示される化合物、
次式(2):
【化4】
で示される化合物、
次式(3):
【化5】
で示される化合物、又は
次式(4):
【化6】
で示される化合物である請求項1に記載の神経芽腫治療薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗癌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
神経芽腫は、小児期の脳腫瘍を除く悪性固形腫瘍の中で最も頻度の高い腫瘍である。神経芽腫は、神経堤の分化の過程の脊髄、交感神経節及び副腎から発生する。
【0003】
予後良好な(favorable)腫瘍の場合は、1歳未満の患者において、治療的介入をせずに、プログラム細胞死(programmed cell death)(PCD)が起こり腫瘍が自然に消失する(自然退縮)か、又は、良性な神経節細胞腫(ganglioneuroma)(GN)へと分化成熟する。しかし、予後不良な(unfavorable)腫瘍の場合には、強い化学療法を行っても、進行した腫瘍へ発達し、結果的に死に至ってしまう例が多い(非特許文献1及び2)。
【0004】
一方、1歳以降に発症する神経芽腫では一般に進行していることが多く、手術や化学療法、放射線療法を組み合わせた強力な治療が必要であり、特に病期(Stage)4の場合や癌遺伝子MYCNが増えている場合には、造血幹細胞移植(骨髄移植や末梢血幹細胞移植など)を用いた積極的な治療が行われている。しかし、stage4の神経芽腫の場合、造血幹細胞移植を併用した積極的な治療を行っても5年後の生存率は30%程度である。
【0005】
従って、神経芽腫に対して有効な抗癌剤の開発が望まれている。
一方、MYCNは、神経芽腫細胞の分化抑制に大きく関わっており、神経芽腫細胞株で高頻度にチロシンリン酸化を受けるドッキング分子ShcCが、腫瘍で広範に発現するShcAとは対照的に、そのSH2ドメインを介してヌードマウスの造腫瘍能や接着非依存性増殖能に対し著明な抑制効果を持つが、ShcAと同様に神経芽腫の運動能・転移能を促進する方向に働くことが報告されている(非特許文献3)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Brodeur, et al., Nat. Rev. Cancer, 2003, 3, 203-216
【非特許文献2】Westermann, et al., Cancer Lett., 2002, 184, 127-147
【非特許文献3】Troglio, et al., PNAS, 2004, 101, 15476-15481
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、神経芽腫に対して有効な抗癌剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決すべく、ShcCのSH2ドメインに対する結合能を有する候補化合物をスクリーニングした結果、芳香族基と含窒素芳香族複素環基とが特定の基を介して結合してなる化合物が神経芽腫に対して有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)下記式(I):
【化1】
(式中、Ar
1は、置換又は非置換の芳香族基であり、
Ar
2は、置換又は非置換の含窒素芳香族複素環基であり、
R
1は、水素原子、C
1−6−アルキル基、又は置換又は非置換のカルバモイルメチル基あるか、又は隣接する窒素原子及びAr
1と共同して、インドリン環又は1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環を形成し、
nは、0又は1であり、
mは、0又は1であり、
mが0とき、nは0である。)
で示される化合物又はその塩を含有する抗癌剤。
(2)前記式(I)で示される化合物が下記式(Ia):
【化2】
(式中、Ar
1、Ar
2、R
1及びnは前記式(I)中の定義と同義である。)
で示される化合物である前記(1)に記載の抗癌剤。
(3)前記式(I)において、n及びmが0である前記(1)に記載の抗癌剤。
(4)Ar
2で表される置換又は非置換の含窒素芳香族複素環基における含窒素芳香族複素環基が環の構成原子として2又は3個の窒素原子を含む二環性含窒素芳香族複素環基である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の抗癌剤。
(5)Ar
2で表される置換又は非置換の含窒素芳香族複素環基における含窒素芳香族複素環基がピロロ[1,2−c]ピリミジニル基、ピラゾロ[2,3−a]ピリミジニル基又はチエノ[2,3−c]ピラゾリル基である前記(4)に記載の抗癌剤。
(6)癌が神経芽腫である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の抗癌剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、神経芽腫に対して有効な抗癌剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】化合物1で処理したときのNB39−nu細胞の増殖曲線を示す図である。
【
図2】化合物2で処理したときのNB39−nu細胞の増殖曲線を示す図である。
【
図3】化合物3で処理したときのNB39−nu細胞の増殖曲線を示す図である。
【
図4】化合物4で処理したときのNB39−nu細胞の増殖曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、芳香族基としては、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基(1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基)、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基等の芳香族複素環基が挙げられる。
【0013】
Ar
2で表される含窒素芳香族複素環基としては、例えば、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基(1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基)、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基等の単環性含窒素芳香族複素環基;キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、ピロロ[1,2−c]ピリミジニル基、ピラゾロ[2,3−a]ピリミジニル基、チエノ[2,3−c]ピラゾリル基、プリニル基等の二環性含窒素芳香族複素環基が挙げられる。
【0014】
Ar
2で表される含窒素芳香族複素環基としては、環の構成原子として2〜4個の窒素原子を含む二環性含窒素芳香族複素環基、例えばピロロ[1,2−c]ピリミジニル基、ピラゾロ[2,3−a]ピリミジニル基、チエノ[2,3−c]ピラゾリル基、プリニル基が好ましく、環の構成原子として2又は3個の窒素原子を含む二環性含窒素芳香族複素環基、例えばピロロ[1,2−c]ピリミジニル基、ピラゾロ[2,3−a]ピリミジニル基、チエノ[2,3−c]ピラゾリル基が更に好ましい。
【0015】
前記芳香族基及び含窒素芳香族複素環基は、例えば、C
1−6−アルキル基、C
2−6−アルケニル基、C
2−6−アルキニル基、芳香族基、アシル基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン原子、C
1−6−アルコキシ基、C
1−6−アルコキシ−カルボニル基、メチレンジオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、C
1−6−アルキルアミノ基、ジC
1−6−アルキルアミノ基等から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい。
【0016】
C
1−6−アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
【0017】
前記C
1−6−アルキル基は、芳香族基、アシル基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン原子、C
1−6−アルコキシ基、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、クロロフェノキシ基)、アミノ基、C
1−6−アルキルアミノ基、ジC
1−6−アルキルアミノ基等から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい。
【0018】
C
2−6−アルケニル基としては、例えばビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が挙げられる。
【0019】
C
2−6−アルキニル基としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル(プロパルギル)基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基が挙げられる。
【0020】
アシル基としては、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基(プロパノイル基)、ブチリル基(ブタノイル基)、バレリル基(ペンタノイル基)、ヘキサノイル基等のC
1−6−脂肪族アシル基;ベンゾイル基、トルオイル基等の芳香族アシル基(アロイル基)が挙げられる。
【0021】
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
C
1−6−アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が挙げられる。
【0022】
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基が挙げられる。
アラルキルオキシ基としては、例えばベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基が挙げられる。
【0023】
前記アラルキル基及びアラルキルオキシ基は、芳香族基、アシル基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C
1−6−アルコキシ基、アミノ基、C
1−6−アルキルアミノ基、ジC
1−6−アルキルアミノ基等から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい。
R
1で表されるカルバモイルメチル基は、前記アルキル基でモノ又はジ置換されていてもよい。
【0024】
Ar
1で表される芳香族基における好ましい置換基としては、例えばC
1−6−アルキル基、C
1−6−アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基が挙げられる。
【0025】
Ar
1の好ましい具体例としては、例えばフェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、メチレンジオキシフェニル基が挙げられる。
【0026】
Ar
2で表される含窒素芳香族複素環基における好ましい置換基としては、例えばC
1−6−アルキル基、C
1−6−アルコキシ−カルボニル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、メチレンジオキシフェニル基、チエニル基が挙げられる。
【0027】
前記式(I)で示される化合物の塩としては、薬学的に許容される塩が好ましく、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、ピロ硫酸、メタリン酸等の無機酸、又はクエン酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸)等の有機酸との塩が挙げられる。また、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有する場合には、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩として用いることもできる。
【0028】
前記式(I)においてmが1である化合物、すなわち、下記式(Ia):
【化3】
(式中、Ar
1、Ar
2、R
1及びnは前記式(I)中の定義と同義である。)
で示される化合物は、特開平10−279570号公報等に記載されるような公知の方法に従って製造することができる。具体的には、以下に示すように、酸塩化物にアミンを反応させてアミド結合を形成することにより製造することができる。
Ar
1−NH−R
1 + Cl−CO−(CO)
n−Ar
2 → 化合物(Ia)
(式中の記号は、前記式(I)と同義である。)
【0029】
前記式(I)においてm及びnが0である化合物、すなわち、下記式(Ib):
Ar
1−CO−Ar
2
(式中の記号は、前記式(I)と同義である。)
で示される化合物は、G.A.Olah, “Friedel-Crafts Chemistry”, Wiley-interscience, New York (1973)、特開2004−292365号公報等に記載されるような公知の方法に従って製造することができる。具体的には、以下に示すように、塩化アルミニウム、塩化スズ等のルイス酸の存在下に、酸塩化物と芳香族化合物とを反応させるフリーデル・クラフツアシル化反応を利用することができる。
Ar
1−H + Cl−CO−Ar
2 → 化合物(Ib)
(式中の記号は、前記式(I)と同義である。)
【0030】
前記のようにして得られる生成物を精製するには、通常用いられる手法、例えばシリカゲル等を担体として用いたカラムクロマトグラフィーやメタノール、エタノール、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、水等を用いた再結晶法によればよい。カラムクロマトグラフィーの溶出溶媒としては、メタノール、エタノール、クロロホルム、アセトン、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチル、及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0031】
前記式(I)で示される化合物及びその塩としては、種々の化合物が市販されており、これらの市販品をそのまま、又は必要に応じて精製して本発明の抗癌剤の有効成分として用いることができる。
【0032】
本発明の抗癌剤は、慣用される他の抗癌剤や免疫抑制剤等を、所望する治療効果を考慮して適宜併用することができる。この場合には、必要に応じて、後述の投与量を適宜増減することができる。
【0033】
本発明の抗癌剤が適用される癌の種類は、特に限定されず、例えば悪性黒色腫、悪性リンパ腫、肺癌、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、尿管腫瘍、胆嚢癌、胆管癌、胆道癌、乳癌、肝癌(肝臓癌)、膵臓癌、睾丸腫瘍、上顎癌、舌癌、口唇癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、甲状腺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫、血管腫、白血病、真性多血症、神経芽腫、網膜芽腫、骨髄腫、膀胱腫、肉腫、骨肉腫、筋肉腫、皮膚癌、基底細胞癌、皮膚付属器癌、皮膚転移癌、皮膚黒色腫、好ましくは神経芽腫が挙げられる。
【0034】
以下、本発明の化合物(I)の投与量及び製剤化について説明する。
本発明の化合物(I)はそのまま、あるいは慣用の製剤担体と共に動物及びヒトに投与することができる。投与形態としては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、徐放性製剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤等の経口剤、注射剤、坐剤、塗布剤、貼付剤等の非経口剤が挙げられる。
【0035】
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。
【0036】
この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
【0037】
結合剤としては、例えばデンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴールが挙げられる。
【0038】
崩壊剤としては、例えばデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
【0039】
界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80が挙げられる。
【0040】
滑沢剤としては、例えばタルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0041】
流動性促進剤としては、例えば軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムが挙げられる。
【0042】
注射剤は常法に従って製造され、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、オリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を用いることができる。更に必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。また、注射剤は安定性の点から、バイアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもできる。更に、必要に応じて適宜、等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤等を加えてもよい。
【0043】
その他の非経口剤としては、外用液剤、軟膏等の塗布剤、貼付剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、常法に従って製造される。
【0044】
本発明の製剤は、剤形、投与経路等により異なるが、1日1〜数回から1〜数回/週〜月の投与が可能である。
【0045】
経口剤として所望の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で化合物(I)の重量として1〜200mgを、1日数回に分けての服用が適当である。
【0046】
非経口剤として所望の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で化合物(I)の重量として1日1〜50mgの静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当である。
【実施例】
【0047】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0048】
[実施例1]
24ウェルプレートにヒト神経芽腫細胞、NB39−nu細胞を4×10
3個播いた(10%FBS RPMI1640,37℃,5%CO
2)。翌日、各種低分子化合物をDMSOに溶解し、各化合物の濃度が0(コントロール)、0.5、1、2、5、10、30、60、100μMとなるように各ウェルに加えた。6日後、細胞数を細胞計数盤により測定し、対数グラフよりIC
50値を求めた。
【0049】
その結果、下記の化合物番号1〜4の化合物が、ヒト神経芽腫細胞に対して有意な細胞増殖抑制効果を示すことがわかった(表1)。
【0050】
【化4】
【0051】
【化5】
【0052】
【化6】
【0053】
【化7】
【0054】
【表1】
【0055】
一方、下記の化合物番号A及びBの化合物は、ヒト神経芽腫細胞に対して細胞増殖抑制効果を示さなかった。
【0056】
【化8】
【0057】
【化9】
【0058】
[実施例2]細胞増殖曲線
24ウェルプレートにヒト神経芽腫細胞、NB39−nu細胞を4×10
3個播いた(10%FBS RPMI1640,37℃,5%CO
2)。翌日、化合物番号1〜4の化合物をDMSOに溶解し、各化合物の濃度が0(コントロール)、1、10、30μMとなるように各ウェルに加えた。2,4,6日後に細胞数を測定し、細胞増殖曲線を作成した。結果を
図1〜4に示す。