特許第6013039号(P6013039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社の特許一覧

特許6013039固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器
<>
  • 特許6013039-固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器 図000002
  • 特許6013039-固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器 図000003
  • 特許6013039-固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器 図000004
  • 特許6013039-固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器 図000005
  • 特許6013039-固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器 図000006
  • 特許6013039-固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器 図000007
  • 特許6013039-固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器 図000008
  • 特許6013039-固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器 図000009
  • 特許6013039-固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器 図000010
  • 特許6013039-固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013039
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/347 20110101AFI20161011BHJP
   H04N 9/07 20060101ALI20161011BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   H04N5/335 470
   H04N9/07 A
   H01L27/14 A
   H01L27/14 E
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-141670(P2012-141670)
(22)【出願日】2012年6月25日
(65)【公開番号】特開2014-7549(P2014-7549A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2015年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(72)【発明者】
【氏名】市川 達也
(72)【発明者】
【氏名】若林 準人
(72)【発明者】
【氏名】紅林 久
【審査官】 鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−329554(JP,A)
【文献】 特開2007−235591(JP,A)
【文献】 特開2009−295937(JP,A)
【文献】 特開2006−165037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/347
H04N 9/07
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板深さ方向に色分離を行う画素が2次元アレイ状に複数配列されており、
複数の前記画素の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号の加算領域と、第2の色成分の画素信号の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定して加算する画素加算部を備え
前記画素加算部は、前記第2の色成分の画素信号を加算領域内で単純加算すると、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心の間隔を基準として前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれた位置とならない場合、加算領域内の前記第2の色成分の画素信号の重みを変更し、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれるように前記加算領域の複数の画素の画素信号を加算する
固体撮像装置。
【請求項2】
前記画素加算部は、水平方向に3画素の前記第2の色成分の画素信号の加算処理を行う場合、3画素の各画素信号の重みを1:1:2として、前記第2の色成分の重心が、前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれるように、前記加算領域の複数の画素の画素信号を加算する
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記第1の色成分は、赤色または青色であり、前記第2の色成分は、緑色である
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記画素は、前記第1の色成分と前記第2の色成分の色分離を行う複数の光電変換領域を半導体基板内に有する
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記画素は、前記第1の色成分と前記第2の色成分の色分離を行う複数の光電変換膜を半導体基板上に有する
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記画素は、前記第1の色成分の色分離を行う光電変換膜を半導体基板上に有し、前記第2の色成分の色分離を行う光電変換領域を前記半導体基板内に有する
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
基板深さ方向に色分離を行う画素が2次元アレイ状に複数配列されている固体撮像装置が、
複数の前記画素の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号の加算領域と、第2の色成分の画素信号の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定して加算し、
前記第2の色成分の画素信号を加算領域内で単純加算すると、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心の間隔を基準として前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれた位置とならない場合、加算領域内の前記第2の色成分の画素信号の重みを変更し、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれるように前記加算領域の複数の画素の画素信号を加算する
固体撮像装置の制御方法。
【請求項8】
基板深さ方向に色分離を行う画素が2次元アレイ状に複数配列されており、
複数の前記画素の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号の加算領域と、第2の色成分の画素信号の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定して加算する画素加算部を備え
前記画素加算部は、前記第2の色成分の画素信号を加算領域内で単純加算すると、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心の間隔を基準として前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれた位置とならない場合、加算領域内の前記第2の色成分の画素信号の重みを変更し、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれるように前記加算領域の複数の画素の画素信号を加算する
固体撮像装置
を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器に関し、特に、基板深さ方向で色分離を行う固体撮像装置において、出力解像度を向上させることができるようにする固体撮像装置およびその制御方法、並びに、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置では、ベイヤー配列などのように、画素ごとに一色の色フィルタを配置し、隣接する複数画素全体で複数色(一般にはR,G,B)を読み出すものがある。また、近年では、各画素の基板深さ方向に複数色の光電変換部を配置し、一画素で複数色を読み出し可能なものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。深さ方向で色分離を行う固体撮像装置によれば、一画素あたり複数色を読み出すことができるので、光を効率的に利用でき、画素特性の向上が見込まれる。また、色情報を豊富に利用できることから、色処理後の画質向上が見込まれる。
【0003】
基板深さ方向で色分離を行う固体撮像装置において、出力解像度の向上を目的として、第1の層の受光部の画素配列に対して、他の一つ以上の層の受光部の画素配列をずらして配置させた構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2009−516914号公報
【特許文献2】特開2009−54806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2の手法では、マイクロレンズの形状を画素ピッチの半分にする必要があり、通常のように、一画素に一つのマイクロレンズを配置した場合と比較して、光を効率的に扱えず、感度の低下が懸念される。
【0006】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、基板深さ方向で色分離を行う固体撮像装置において、出力解像度を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の第1の側面の固体撮像装置は、基板深さ方向に色分離を行う画素が2次元アレイ状に複数配列されており、複数の前記画素の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号の加算領域と、第2の色成分の画素信号の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定して加算する画素加算部を備え、前記画素加算部は、前記第2の色成分の画素信号を加算領域内で単純加算すると、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心の間隔を基準として前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれた位置とならない場合、加算領域内の前記第2の色成分の画素信号の重みを変更し、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれるように前記加算領域の複数の画素の画素信号を加算する
【0008】
本技術の第2の側面の固体撮像装置の制御方法は、基板深さ方向に色分離を行う画素が2次元アレイ状に複数配列されている固体撮像装置が、複数の前記画素の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号の加算領域と、第2の色成分の画素信号の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定して加算し、前記第2の色成分の画素信号を加算領域内で単純加算すると、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心の間隔を基準として前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれた位置とならない場合、加算領域内の前記第2の色成分の画素信号の重みを変更し、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれるように前記加算領域の複数の画素の画素信号を加算する
【0009】
本技術の第3の側面の電子機器は、基板深さ方向に色分離を行う画素が2次元アレイ状に複数配列されており、複数の前記画素の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号の加算領域と、第2の色成分の画素信号の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定して加算する画素加算部を備え、前記画素加算部は、前記第2の色成分の画素信号を加算領域内で単純加算すると、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心の間隔を基準として前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれた位置とならない場合、加算領域内の前記第2の色成分の画素信号の重みを変更し、前記第2の色成分の重心が前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれるように前記加算領域の複数の画素の画素信号を加算する固体撮像装置を備える。
【0010】
本技術の第1乃至第3の側面においては、基板深さ方向に色分離を行う画素が2次元アレイ状に複数配列されている固体撮像装置において、複数の前記画素の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号の加算領域と、第2の色成分の画素信号の加算領域が、一定間隔ずらした領域に設定されて加算される。第2の色成分の画素信号を加算領域内で単純加算すると、第2の色成分の重心が第1の色成分の重心の間隔を基準として第1の色成分の重心から1/2間隔ずれた位置とならない場合、加算領域内の第2の色成分の画素信号の重みが変更され、第2の色成分の重心が第1の色成分の重心から1/2間隔ずれるように加算領域の複数の画素の画素信号が加算される。
【発明の効果】
【0011】
本技術の第1乃至第3の側面によれば、基板深さ方向で色分離を行う固体撮像装置において、出力解像度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本技術が適用された固体撮像装置の概略構成を示す図である。
図2】画素の光電変換部の構造について説明する図である。
図3】画素の回路構成の例を示す図である。
図4】出力モードが全画素出力モードである場合の各画素の出力信号を説明する図である。
図5】一般的な加算制御処理を説明する図である。
図6図1の固体撮像装置の加算制御処理を説明する図である。
図7】全画素出力モード時の画素の動作を示すタイミングチャートを示す図である。
図8】間引きモード時の画素の動作を示すタイミングチャートを示す図である。
図9】画素加算出力処理を説明するフローチャートである。
図10】本技術を適用した電子機器としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[固体撮像装置の概略構成例]
図1は、本技術が適用された固体撮像装置の概略構成を示している。図1の固体撮像装置1は、裏面照射型のMOS型固体撮像装置である。
【0014】
図1の固体撮像装置1は、半導体としてシリコン(Si)を用いた半導体基板12に、画素2が規則的に2次元アレイ状に配列された画素領域3と、その周辺の周辺回路部とを有して構成される。周辺回路部には、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、水平駆動回路6、出力回路7、制御回路8などが含まれる。
【0015】
画素2は、基板深さ方向に積層された複数の光電変換部と、複数の画素トランジスタ(いわゆるMOSトランジスタ)を有して成る。複数の画素トランジスタは、図3を参照して後述するように、例えば、転送トランジスタ、選択トランジスタ、リセットトランジスタ及び増幅トランジスタの4つのトランジスタで構成される。
【0016】
また、画素2は、共有画素構造とすることもできる。この画素共有構造は、複数のフォトダイオードと、複数の転送トランジスタと、共有する1つのフローティングディフージョン(浮遊拡散領域)と、共有する1つずつの他の画素トランジスタとから構成される。すなわち、共有画素では、複数の単位画素を構成するフォトダイオード及び転送トランジスタが、他の1つずつの画素トランジスタを共有して構成される。
【0017】
制御回路8は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また固体撮像装置1の内部情報などのデータを出力する。すなわち、制御回路8では、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路8は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6等に入力する。
【0018】
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成され、画素駆動配線10を選択し、選択された画素駆動配線10に画素を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素を駆動する。すなわち、垂直駆動回路4は、画素領域3の各画素2を行単位で順次垂直方向に選択走査し、垂直信号線9を通して各画素2の光電変換部において受光量に応じて生成された信号電荷に基づく画素信号をカラム信号処理回路5に供給する。
【0019】
カラム信号処理回路5は、画素2の列ごとに配置されており、1行分の画素2から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。例えば、カラム信号処理回路5は、画素2固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)や、信号増幅、AD変換等の信号処理を行う。
【0020】
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から画素信号を水平信号線11に出力させる。
【0021】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線11を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。出力回路7は、例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。入出力端子13は、外部と信号のやりとりをする。
【0022】
[光電変換部の構造]
図2を参照して、画素2の光電変換部の構造について説明する。
【0023】
画素2は、複数の光電変換部を、基板深さ方向に積層した構造を有している。
【0024】
図2に示されるように、画素2の光入射面である半導体基板12(図2では不図示)の裏面側に、オンチップレンズ21が形成される。したがって、図1の固体撮像装置1では、画素毎に一つのオンチップレンズ21(マイクロレンズ)が配置されている。
【0025】
そして、画素2では、オンチップレンズ21側から基板深さ方向に、第1の色の光を光電変換する第1の光電変換部31、第2の色の光を光電変換する第2の光電変換部32、及び、第3の色の光を光電変換する第3の光電変換部33が形成されている。本実施の形態では、第1の色は緑色(G)であり、第2の色は赤(R)であり、第3の色は青(B)である。
【0026】
本実施の形態において、第1の光電変換部31乃至第3の光電変換部33のそれぞれは、半導体基板12内にp型半導体領域とn型半導体領域を形成してフォトダイオードを形成して実現する方法、半導体基板12上に光電変換膜を形成して実現する方法のいずれを採用してもよい。第1の光電変換部31乃至第3の光電変換部33を、全てフォトダイオードまたは光電変換膜により形成してもよいし、フォトダイオードと光電変換膜の組み合わせにより形成してもよい。
【0027】
第1の光電変換部31乃至第3の光電変換部33を、半導体基板中に3層のフォトダイオードを形成して実現する方法は、例えば、上述した特許文献1(特表2009−516914号公報)などに開示されている。
【0028】
第1の光電変換部31乃至第3の光電変換部33を、半導体基板上に3層の光電変換膜を形成して実現する方法は、例えば、特開2011−146635号公報などに開示されている。
【0029】
第1の光電変換部31乃至第3の光電変換部33を、半導体基板上に形成した光電変換膜と、半導体基板中に形成したフォトダイオードの組み合わせにより実現する方法は、例えば、特開2011−29337号公報などに開示されている。
【0030】
[画素2の回路構成]
図3は、画素2の回路構成の例を示している。
【0031】
画素2は、第1の光電変換部31乃至第3の光電変換部33、転送トランジスタTr1乃至Tr3、浮遊拡散領域FD、リセットトランジスタTr4、増幅トランジスタTr5、および、選択トランジスタTr6を有している。
【0032】
転送トランジスタTr1は、そのゲート電極に供給されるTRG(G)信号によって転送トランジスタTr1がオンされることにより、第1の光電変換部31に蓄積された、緑色の光の受光量に対応する電荷を浮遊拡散領域FDに転送する。同様に、転送トランジスタTr2は、TRG(R)信号によって転送トランジスタTr2がオンされることにより、第2の光電変換部32に蓄積された、赤色の光の受光量に対応する電荷を浮遊拡散領域FDに転送する。転送トランジスタTr3は、TRG(B)信号によって転送トランジスタTr3がオンされることにより、第3の光電変換部33に蓄積された、青色の光の受光量に対応する電荷を浮遊拡散領域FDに転送する。
【0033】
リセットトランジスタTr4は、そのゲート電極に供給されるRST信号によってリセットトランジスタTr4がオンされることにより、浮遊拡散領域FDをリセットする(浮遊拡散領域FDから電荷を排出する)。
【0034】
増幅トランジスタTr5は、浮遊拡散領域FDの画素信号を増幅して選択トランジスタTr6に出力する。選択トランジスタTr6は、そのゲート電極に供給されるSEL信号によって選択トランジスタTr6がオンされているとき、増幅トランジスタTr5からの画素信号を、カラム信号処理回路5に出力する。
【0035】
以上のように構成される固体撮像装置1は、出力モードとして、画素領域3の全画素2が画素単位で画素信号を出力する全画素出力モードと、画素領域3全体の画素数よりも少ない解像度で、高フレームレートで画素信号を出力する間引きモードを有している。全画素出力モードは、例えば、静止画として撮像する場合など、解像度を重視する場合に用いられ、間引きモードは、例えば、動画撮影をする場合など、フレームレートを重視する場合に用いられる。
【0036】
[全画素出力モードの説明]
図4は、出力モードが全画素出力モードである場合の、各画素2の出力信号を説明する図である。
【0037】
図4では、画素領域3(図1)に含まれる全画素のうち、水平垂直方向それぞれに8画素(8×8)の計64画素が示されている。
【0038】
図4において、各画素2内に示される「G/R/B」は、各画素2から、第1の光電変換部31で光電変換された緑色の画素信号であるG信号、第2の光電変換部32で光電変換された赤色の画素信号であるR信号、および、第3の光電変換部33で光電変換された青色の画素信号であるB信号が、出力されることを示している。
【0039】
したがって、出力モードが全画素出力モードである場合、固体撮像装置1は、各画素2からR,G,Bの3色の画素信号(R信号、G信号、およびB信号)を出力する。
【0040】
[間引きモードの説明]
次に、図5及び図6を参照して、出力モードが間引きモードである場合の、各画素の出力信号について説明する。
【0041】
出力モードが間引きモードである場合、固体撮像装置1は、隣接する複数画素の画素信号を加算して、その加算結果を一画素の画素信号として出力する。
【0042】
図5は、隣接する4画素の画素信号を加算して、その加算結果を一画素の画素信号として出力する場合の一般的な加算処理の例を示している。
【0043】
図5Aは、各画素2の加算対象画素を、R,G,Bの色成分ごとに示したものであり、図5Aにおいて円で囲まれている2×2の4画素が、一画素の画素信号として出力される加算領域を示している。
【0044】
また、図5Aにおいて円の中心の黒丸は、2×2の4画素を加算して一画素の画素信号として出力する場合の各色成分の画素信号(以下、色信号ともいう。)の出力位置を示している。各色信号の出力位置は、加算領域内の複数画素の色信号の重心に対応する。
【0045】
図5Bは、各色信号の出力位置の位置関係を示した図である。
【0046】
図5Bに示されるように、一般的な加算処理では、R,G,Bの各色成分において同一の領域を加算領域とし、R,G,Bの各色成分で同一の位置(画素)から、各色信号が出力される。
【0047】
これに対して、図6は、出力モードが間引きモードである場合の固体撮像装置1による加算処理の例を示している。
【0048】
図6Aは、図5Aと同様に、固体撮像装置1の加算処理における加算領域をR,G,Bの色成分ごとに示しており、図6Bは、図5Bと同様に、各色信号の出力位置を示している。
【0049】
固体撮像装置1は、図6Aに示されるように、Gの色成分の加算領域と、R,Bの各色成分の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定する。これにより、図6Bに示されるように、Gの色信号の出力位置は、R,Bの色信号の出力位置よりも、一定間隔ずれた位置となる。Gの色信号の出力位置と、R,Bの色信号の出力位置のずれ量は、RまたはBの色信号の出力位置の間隔を基準とすると、1/2間隔となっている。
【0050】
このように加算領域を設定して得られたR,G,Bの色信号を輝度信号に変換した場合、輝度信号は、R,G,Bの色信号の出力位置ごとに得られる。したがって、G信号の出力位置を、R信号およびB信号の出力位置に対して、1/2間隔ずつずらすように加算して出力することで、出力イメージにおける空間サンプリング間隔が密になるので、図5で示した一般的な加算処理の場合よりも、出力解像度を向上させることができる。
【0051】
[全画素出力モード時の回路動作]
次に、各出力モードにおける画素2の駆動制御について説明する。
【0052】
図7は、出力モードが全画素出力モードである場合の、画素2の動作を示すタイミングチャートを示している。
【0053】
画素信号を読み出す対象の画素2において、G信号を読み出すG信号読み出し期間T、R信号を読み出すR信号読み出し期間T、B信号を読み出すB信号読み出し期間Tが、順に設定される。
【0054】
G信号読み出し期間Tでは、その期間中、選択トランジスタTr6の制御信号であるSEL信号がHiに設定され、選択トランジスタTr6がオンとされる。そして、G信号読み出し期間Tのはじめに、リセットトランジスタTr4の制御信号であるRST信号が、Δt期間、Hiとされることにより、リセットトランジスタTr4がオンとされ、浮遊拡散領域FDがリセットされる。
【0055】
リセットトランジスタTr4をオフにした後、転送トランジスタTr1の制御信号であるTRG(G)信号がΔt期間、Hiとされることにより、転送トランジスタTr1がオンとなる。転送トランジスタTr1のオンにより、第1の光電変換部31に蓄積された、緑色(G)の光の受光量に対応する電荷(G信号)が浮遊拡散領域FDに転送される。浮遊拡散領域FDに転送されたG信号は、増幅トランジスタTr5で増幅された後、選択トランジスタTr6を介して、カラム信号処理回路5に出力される。
【0056】
そして、転送トランジスタTr1がオフされた所定期間後、RST信号とTRG(G)信号が、再度、Hiとされることにより、第1の光電変換部31の電荷がリセットされる。
【0057】
以上までの動作が、G信号読み出し期間Tの間に実行される。
【0058】
G信号読み出し期間Tの後のR信号読み出し期間T、および、B信号読み出し期間Tにおいても、上述したG信号読み出し期間Tの転送トランジスタTr1に代えて、R信号読み出し期間Tでは転送トランジスタTr2、B信号読み出し期間Tでは転送トランジスタTr3が制御される点を除いて、G信号読み出し期間Tと同様の動作が実行される。
【0059】
[間引きモード時の回路動作]
次に、図8を参照して、出力モードが間引きモードで、隣接する4画素の画素信号を加算して出力する場合の、画素2の動作について説明する。
【0060】
図8は、図6Aで円で囲んで示した加算領域に対応した所定の2行の画素2についての動作を示すタイミングチャートを示している。
【0061】
固体撮像装置1が、隣接する4画素の画素信号を加算して出力する場合、垂直駆動回路4は、加算領域に対応した2行単位で、読み出し制御する。ここで、画素領域3の、加算領域に対応した2行単位の上側の行をm行、下側の行をn行とする。
【0062】
垂直駆動回路4は、G信号読み出し期間T1m、G信号読み出し期間T1n、R信号読み出し期間T2m、R信号読み出し期間T2n、B信号読み出し期間T3m、B信号読み出し期間T3nを、順に設定する。
【0063】
初めに、G信号読み出し期間T1mにおいて、垂直駆動回路4は、図7で説明したG信号読み出し期間Tと同様の制御で、2行単位の上側のm行の画素2のG信号を読み出す。次に、G信号読み出し期間T1nにおいて、垂直駆動回路4は、図7で説明したG信号読み出し期間Tと同様の制御で、2行単位の下側のn行のG信号を読み出す。
【0064】
以下同様に、垂直駆動回路4は、R信号読み出し期間T2mで、2行単位の上側のm行のR信号を読み出し、R信号読み出し期間T2nで、2行単位の下側のn行のR信号を読み出す。次に、垂直駆動回路4は、B信号読み出し期間T3mで、2行単位の上側のm行のB信号を読み出し、B信号読み出し期間T3nで、2行単位の下側のn行のB信号を読み出す。
【0065】
なお、図6Aを参照してわかるように、G信号のm行と、R信号およびB信号のm行は異なる行であり、G信号のn行と、R信号およびB信号のm行が同一の行となる。
【0066】
以上のように画素2を駆動制御することで、画素2の列ごとに配置された各カラム信号処理回路5に、R,G,Bの各色成分について、m行とn行の2行の画素信号が供給される。
【0067】
なお、図7および図8では、R,G,Bの各色信号を、G信号、R信号、B信号の順に読み出す例について説明したが、色信号を読み出す順番は、上記の例に限定されず、任意の順番に設定することができる。
【0068】
[画素加算出力処理の説明]
次に、図9のフローチャートを参照して、各カラム信号処理回路5に供給された所定の2行の色信号を用いて、2×2の4画素の色信号を加算して一画素の色信号として出力する画素加算出力処理について説明する。
【0069】
初めに、ステップS1において、各列のカラム信号処理回路5それぞれは、m行とn行の2行の色信号を加算する。これにより、垂直方向の2画素の色信号を加算した垂直画素加算信号が得られる。
【0070】
そして、ステップS2において、各カラム信号処理回路5が、垂直方向の2画素の色信号を加算した垂直画素加算信号を、列の並び順に、出力回路7に出力する。
【0071】
ステップS3において、出力回路7は、各列のカラム信号処理回路5から順次供給される垂直画素加算信号を、隣接する2列単位で加算する。これにより、水平方向の色信号についても2画素単位で加算した水平垂直画素加算信号、すなわち、図6Aにおいて円で囲んだ2×2の4画素単位の色信号が得られる。そして、出力回路7は、加算結果である水平垂直画素加算信号を、加算した順に、出力する。
【0072】
ステップS1乃至S3の処理が、R,G,Bの各色信号について所定の順番で、あるいは、並行して実行される。
【0073】
なお、上述した例では、垂直方向の2画素の加算についてはカラム信号処理回路5で行い、水平方向の2画素の加算については出力回路7で行うようにしたが、垂直方向および水平方向の色信号の加算処理は、どこで行ってもよい。例えば、隣接するカラム信号処理回路5で水平方向の加算を行ってから、出力回路7に水平垂直画素加算信号を出力してもよいし、出力回路7が、垂直方向および水平方向の両方の画素加算処理を行ってもよい。またあるいは、垂直方向および水平方向の画素加算を行うブロックを別途設けるなどしてもよい。
【0074】
上述した実施の形態では、2×2の4画素の画素信号(色信号)を加算して、その加算結果を一画素の画素信号(色信号)として出力する例について説明したが、3×3の9画素、4×4の16画素など、水平垂直方向の加算画素数は、任意に設定(変更)することができる。
【0075】
また、上述した実施の形態では、G信号の出力位置を、R信号およびB信号の出力位置に対して、1/2間隔ずつずらすようにしたが、ずらし量は、1/2に限定されず、予め決定した所定の量とすることができる。換言すれば、G信号の出力位置と、R信号およびB信号の出力位置は、一定間隔ずれていればよい。
【0076】
例えば、3×3の9画素を加算して出力する場合、単純に加算すると、R信号およびB信号の出力位置に対して、G信号の出力位置が、1/3間隔ずつずらした位置として出力される。そのように1/3間隔ずつずらした位置で出力してもよいし、例えば、水平方向(横方向)の3画素の加算処理において、左画素、中央画素、右画素の色信号の重み(比率)を、左画素:中央画素:右画素=1:1:2として、1/2間隔ずつずらすように変換して出力することもできる。
【0077】
また、上述した実施の形態では、3色の色信号のうち、出力位置をずらす色信号をG信号としたが、G信号以外の色信号をずらすようにしてもよい。色分離の対象の色は、R,G,Bの3色としたが、2色または4色以上でもよいし、例えば、マゼンタ(Mg)、シアン(Cy)、イエロー(Ye)など、R,G,B以外の色でもよい。
【0078】
以上をまとめると、本技術を採用した間引きモードにおける画素加算出力処理では、基板深さ方向に色分離を行う画素構造の画素2が規則的に2次元アレイ状に配列された固体撮像装置1において、複数の画素2の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号(色信号)の加算領域と、第2の色成分の画素信号(色信号)の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定して加算するものであればよい。
【0079】
[電子機器への適用例]
上述した固体撮像装置1は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0080】
図10は、本技術を適用した電子機器としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0081】
図10に示される撮像装置51は、光学系52、シャッタ装置53、固体撮像装置54、制御回路55、信号処理回路56、モニタ57、およびメモリ58を備えて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
【0082】
光学系52は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を固体撮像装置54に導き、固体撮像装置54の受光面に結像させる。
【0083】
シャッタ装置53は、光学系52および固体撮像装置54の間に配置され、制御回路55の制御に従って、固体撮像装置54への光照射期間および遮光期間を制御する。
【0084】
固体撮像装置54は、上述した固体撮像装置1により構成される。固体撮像装置54は、光学系52およびシャッタ装置53を介して受光面に結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。固体撮像装置54に蓄積された信号電荷は、制御回路55から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。固体撮像装置54は、それ単体でワンチップとして構成されてもよいし、光学系52ないし信号処理回路56などと一緒にパッケージングされたカメラモジュールの一部として構成されてもよい。
【0085】
制御回路55は、固体撮像装置54の転送動作、および、シャッタ装置53のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、固体撮像装置54およびシャッタ装置53を駆動する。
【0086】
信号処理回路56は、固体撮像装置54から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路56が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ57に供給されて表示されたり、メモリ58に供給されて記憶(記録)されたりする。
【0087】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0088】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
基板深さ方向に色分離を行う画素が2次元アレイ状に複数配列されており、
複数の前記画素の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号の加算領域と、第2の色成分の画素信号の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定して加算する画素加算部を備える
固体撮像装置。
(2)
前記画素加算部は、前記第1の色成分の重心の間隔を基準として、前記第2の色成分の重心が、前記第1の色成分の重心から1/2間隔ずれるように、前記加算領域の複数の画素の画素信号を加算する
前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記第1の色成分は、赤色または青色であり、前記第2の色成分は、緑色である
前記(1)または(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記画素は、前記第1の色成分と前記第2の色成分の色分離を行う複数の光電変換領域を半導体基板内に有する
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(5)
前記画素は、前記第1の色成分と前記第2の色成分の色分離を行う複数の光電変換膜を半導体基板上に有する
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(6)
前記画素は、前記第1の色成分の色分離を行う光電変換膜を半導体基板上に有し、前記第2の色成分の色分離を行う光電変換領域を前記半導体基板内に有する
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(7)
基板深さ方向に色分離を行う画素が2次元アレイ状に複数配列されている固体撮像装置が、
複数の前記画素の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号の加算領域と、第2の色成分の画素信号の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定して加算する
固体撮像装置の制御方法。
(8)
基板深さ方向に色分離を行う画素が2次元アレイ状に複数配列されており、
複数の前記画素の画素信号を加算して出力する場合に、第1の色成分の画素信号の加算領域と、第2の色成分の画素信号の加算領域とを、一定間隔ずらした領域に設定して加算する画素加算部を備える固体撮像装置
を備える電子機器。
【符号の説明】
【0089】
1 固体撮像装置, 2 画素, 3 画素領域, 4 垂直駆動回路, 5 カラム信号処理回路, 6 水平駆動回路, 7 出力回路, 51 撮像装置, 54 固体撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10