(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013047
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】生体情報収集装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1455 20060101AFI20161011BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
A61B5/14 322
A61B5/08
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-146074(P2012-146074)
(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公開番号】特開2014-8160(P2014-8160A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】藤原 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】今井 浩二
【審査官】
松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−539576(JP,A)
【文献】
特開2009−136423(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0165462(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0143079(US,A1)
【文献】
特許第3737121(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/1455
A61B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報収集装置であって、
経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)に関連する情報であるSpO2データを検出するSpO2センサと、
鼻腔管が被検者の鼻孔内に挿入された状態で鼻呼吸及び気道音の少なくともいずれかを測定するためのカニューレと、
前記SpO2センサと前記カニューレとに接続され、前記SpO2センサから供給されたSpO2データ及び前記カニューレから供給された測定データを記録及び/又は外部装置に出力する本体部と、
を有し、
前記SpO2センサと前記カニューレと前記本体部とが被検者の頭部に装着され、
前記本体部は、被検者の額及び鼻を覆うマスク型形状の筐体を有し、
前記筐体の被検者の額に対応する位置に前記SpO2センサが設けられ、
前記筐体の被検者の鼻に対応する位置に前記カニューレが設けられる
ことを特徴とする生体情報収集装置。
【請求項2】
前記SpO2センサは、被検者の額に装着される反射型SpO2センサであることを特徴とする請求項1に記載の生体情報収集装置。
【請求項3】
前記反射型SpO2センサは、前記本体部に内蔵され、前記本体部と共に被検者の額に装着されることを特徴とする請求項2に記載の生体情報収集装置。
【請求項4】
前記本体部は被検者の頭頂部に装着されることを特徴とする請求項2に記載の生体情報収集装置。
【請求項5】
被検者の鼻及び口に近接する位置に取り付けられ、被検者の呼気によるサーミスタの電気抵抗の変化を検出することで被検者の呼吸量を計測するためのエアフローサーミスタセンサを更に有することを特徴とする請求項1に記載の生体情報収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体情報収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome: SAS)の検査として、睡眠ポリグラフィ(PolySomnoGraphy: PSG)が知られている(例えば特許文献1参照)。睡眠ポリグラフィは通常、病院内において、多数の電極類を装着して終夜にかけて行われる。そこでは、呼吸(air flow)、いびきをはじめ、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO
2)、努力呼吸、脈拍数、心電図(ECG)、体位・体動など多岐にわたる項目が測定されうる。
【0003】
一般には、このような病院での精密検査の前に、簡易型PSG装置によるスクリーニング検査が行われる。簡易型PSG装置によるスクリーニング検査は、測定項目を、呼吸、いびき、SpO2といった代表的なものに絞って行うため、装置構成が大掛かりにならず在宅で行うことができるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平11−504840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、簡易型PSG装置といえども、従来、被検者の顔面には、呼吸やいびきを測定するためのカニューレが装着され、また、被検者の指先には、SpO
2を測定するためのSpO
2センサが装着され、これらはそれぞれ、検査装置本体へと配線される。
【0006】
このような配線は、被検者の身体に接触し睡眠を妨げる可能性がある。また、配線が被検者の身体に引っかかりセンサ類が外れるおそれもある。
【0007】
そこで、本発明は、被検者に接触する可能性のある配線を極力なくした構成の生体情報収集装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、生体情報収集装置であって、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO
2)に関連する情報であるSpO
2データを検出するSpO
2センサと、
鼻腔管が被検者の鼻孔内に挿入された状態で鼻呼吸及び気道音の少なくともいずれかを測定するためのカニューレと、前記SpO2センサと前記カニューレとに接続され、前記SpO
2センサから供給されたSpO
2データ
及び前記カニューレから供給された測定データを記録及び/又は外部装置に出力する本体部とを有し、前記SpO
2センサと
前記カニューレと前記本体部とが被検者の頭部に装着され
、前記本体部は、被検者の額及び鼻を覆うマスク型形状の筐体を有し、前記筐体の被検者の額に対応する位置に前記SpO2センサが設けられ、前記筐体の被検者の鼻に対応する位置に前記カニューレが設けられることを特徴とする生体情報収集装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被検者に接触する可能性のある配線を極力なくした構成の生体情報収集装置が提供される。これにより、配線が被検者の睡眠を妨げる可能性を低減することができる。また、配線が被検者の身体に引っかかりセンサ類が外れる可能性も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態における生体情報収集装置の外観斜視図。
【
図2】第1の実施形態における生体情報収集装置の第1の装着例を示す図。
【
図3】第1の実施形態における生体情報収集装置の第2の装着例を示す図。
【
図4】第2の実施形態における生体情報収集装置の装着例を示す図。
【
図5】第3の実施形態における生体情報収集装置の装着例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決のために必須のものであるとは限らない。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における生体情報収集装置としての簡易型PSG装置の一例を示す外観斜視図である。
図1において、(a)は装置の表面の外観を表し、(b)はA矢視図(要部)であって、装置の裏面の外観を表している。
【0013】
PSG装置の本体部1は、CPU、RAM、ROM等を内蔵し、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することで睡眠ポリグラフィとしての機能を実現する。本体部1は、そこに接続された各種センサを介して、例えば最大24時間分の呼吸データ、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO
2)に関連するSpO
2データ等を収集し、不図示のメモリカードに記録、及び/又は、外部装置に出力する。例えば、本体部1と外部のコンピュータ装置とを有線又は無線で通信可能に接続し、本体部1は収集したSpO
2データをそのコンピュータ装置に転送することができる。なお、本体部1は、上記以外のデータ、例えば、脈拍数、体位、心電図等のデータをも収集、記録、送信可能に構成されていてもよい。なお、この本体部1の具体的な構成及びその処理内容は本発明と直接関係がないので、これ以上の説明は省略する。
【0014】
従来、PSG装置本体は、被検者の枕元あるいはベッドサイドに設置されていたり、被検者の腕や胸部に装着されていたりした。これに対し、本実施形態のPSG装置の本体部1は、被検者の頭部、例えば額に装着される点に特徴がある。本体部1の左右端部には伸縮性のヘッドバンド2が取り付けられており、本体部1の額への装着は、このヘッドバンド2を被検者の頭部に巻きつけることで行われる。
【0015】
なお、装着時のフィットが得られるよう、本体部1の被検者の額と接する面は、
図1に示されるように、頭部の形状に沿うように湾曲して形成されているとよい。さらに、
図1の(b)に示されるように、本体部1の被検者の額と接する面には、ゴムあるいはスポンジ製の緩衝材3が貼付されているとよい。
【0016】
本実施形態では、SpO
2データを検出するSpO
2センサ4が本体部1に内蔵されており、
図1の(b)に示されるように、そのセンサ面が本体部1の被検者の額と接する面を向くように取り付けられる。ここで、SpO
2センサ4は、被検者の額に対する反射型SpO
2センサである。
【0017】
また、本体部1の下部には、カニューレコネクタ5を介して、カニューレ6が接続される。カニューレ6は、鼻腔管6aが被検者の鼻孔内に挿入された状態で鼻呼吸及び気道音の少なくともいずれかを測定するための圧力センサを含む。
【0018】
図2に、本実施形態におけるPSG装置の第1の装着例を示す。同図に示すように、本体部1は、ヘッドバンド2を被検者の頭部に巻きつけることによって、被検者の額と当接するように装着される。この状態において、SpO
2センサ4は被検者の額と対向することになる。
【0019】
カニューレ6の鼻腔管6aは、被検者の鼻孔内に挿入される。このとき、鼻腔管6aが被検者の鼻孔から脱落しないよう、サージカルテープ等で固定してもよい。
【0020】
上記実施形態においては、従来、被検者の指先に装着していた透過型SpO
2センサの代わりに、被検者の額に対する反射型SpO
2センサ4が使用される。そして、この反射型SpO
2センサ4は、本体部1に内蔵され、本体部1と共に被検者の額に装着される。これにより、従来、被検者の指先に装着していたSpO
2センサと本体部との間の配線をなくすことができ、そのような配線によって被検者の睡眠を妨げる可能性がなくなる。また、そのような配線が被検者の身体に引っかかりSpO
2センサが外れることもなくなる。
【0021】
図3に、本実施形態におけるPSG装置の第2の装着例を示す。ここでは、
図2に示した第1の装着例に対して、さらに、被検者の鼻及び口に近接する位置にエアフローサーミスタセンサ7が装着されている。エアフローサーミスタセンサ7は、被検者の呼気によるサーミスタの電気抵抗の変化を検出することで被検者の呼吸量を計測するためのセンサである。エアフローサーミスタセンサ7の被検者の鼻及び口に近接する位置への装着は、エアフローサーミスタセンサ7の両端部に取り付けられた伸縮性のマウスバンド8を被検者の頬に巻きつけることで行われる。このとき、カニューレ6を共にマウスバンド8で固定するようにしてもよい。
【0022】
エアフローサーミスタセンサ7をカニューレ6と共に使用することで、無呼吸区間の判定精度を高めることが可能である。
【0023】
<第2の実施形態>
上述の第1の実施形態では、反射型SpO
2センサ4が、本体部1に内蔵され、本体部1と共に被検者の額に装着される構成を示した。これに対し、以下に説明する第2の実施形態では、反射型SpO
2センサ4が本体部1から分離した構成を示す。
【0024】
図4に、第2の実施形態におけるPSG装置の装着例を示す。
【0025】
図4に示すように、反射型SpO
2センサ4と本体部1とは配線4aを介して接続される。反射型SpO
2センサ4は被検者の額に当接した状態でヘッドバンド9を使用して固定される。本体部1は、固定具10を用いて被検者の頭頂部に装着される。固定具10は、ヘルメットのストラップの如く顎の位置で締め付けるものでもよいし、頭部全体を覆うメッシュタイプの帽子でもよい。
【0026】
このような態様においては、SpO
2センサと本体部との間の配線はわずかな距離で済むから、そのような配線によって被検者の睡眠を妨げる可能性は低い。また、本体部1は頭頂部で保持されるので、被検者の寝返り等の自然な体位変動を妨げにくいという利点がある。
【0027】
<第3の実施形態>
図5に、第3の実施形態におけるPSG装置の例を示す。本実施形態では、本体部1の筐体は、被検者の額及び鼻を覆うマスク型形状に形成されている。そして、その筐体の被検者の額に対応する位置に反射型SpO
2センサ4が取り付けられる。さらに、その筐体の被検者の鼻に対応する位置にカニューレ6が設けられる。
【0028】
このようなマスク型形状の筐体により、本体部、SpO
2センサ、及びカニューレの一体構成が実現される。
【0029】
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明はここに開示した実施形態に限定されるものではなく、さまざまな変形が可能である。例えば、頭部に取り付けるSpO
2センサとしては、額に当接する反射型SpO
2センサだけではなく、耳たぶに装着する透過型SpO
2センサを用いることも考えられる。