(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013072
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】ワイヤ曲げ方法および装置
(51)【国際特許分類】
B21F 1/00 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
B21F1/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-174417(P2012-174417)
(22)【出願日】2012年8月6日
(65)【公開番号】特開2014-30850(P2014-30850A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】595126750
【氏名又は名称】株式会社大平製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100073357
【弁理士】
【氏名又は名称】犬飼 新平
(72)【発明者】
【氏名】堤野 武美
(72)【発明者】
【氏名】浦林 富男
【審査官】
塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−288932(JP,A)
【文献】
特開昭61−060218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21F 1/00
B21D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ送り方向に対し水平直角方向に移動可能となるように、シフト台をケースに設置し、
該シフト台に旋回受筒を設置し、その内側に中空の曲げ旋回軸を回動自在に装架してピン台回動部を構成し、
2本の曲げピンが立設されピン台を、前記曲げ旋回軸の上端に対し間接的に前記曲げ旋回軸の直径上で摺動自在に保持し、
前記シフト台を摺動させていずれか一方ピンを曲げ中心とし、他方ピンを曲げピンとし、前記2本の曲げピンの2本の間に送られてきたワイヤを、いずれか一方ピンを中心に、前記曲げ旋回軸を回動させて他方ピンで曲げるようにしたワイヤ曲げ方法であって、
前記ピン台の下面に上シフトラックを固定し、
該上シフトラックから間隔を存して直下で、ケースの下壁に下シフトラックを昇降自在に設置し、
前記上シフトラックと前記下シフトラックとの間で、ワイヤ送り方向に対し水平直角方向に移動可能となるように、前記シフト台を前記ケースに設置し、
前記上シフトラックに噛み合う上大歯と、該上大歯に噛み合い、かつ、前記下シフトラックに噛み合う下大歯とを、前記曲げ旋回軸の内側に回動自在に設置し、
前記上大歯及び前記下大歯のいずれかを回動させるようにしたことを特徴とするワイヤ曲げ方法。
【請求項2】
2本の曲げピンがピン台に立設され、前記曲げピンの2本の間に送られてきたワイヤを、いずれか一方ピンを中心に他方ピンで曲げるように、前記ピン台が前記ピンの中心軸線回りに回動可能なように保持されてなるワイヤ曲げ部と、
前記ピン台の下面に固定された上シフトラックと、
該上シフトラックから間隔を存して直下で、ケースの下壁に昇降自在に設置された下シフトラックと、
前記上シフトラックと前記下シフトラックの間で、ワイヤ送り方向に対し水平直角方向に移動可能とされて、前記ケースに設置されたシフト台と、
該シフト台に設置された旋回受筒の内側に、回動自在に装架された中空の曲げ旋回軸を持つピン台回動部と、
前記曲げ旋回軸の下端に同心に固定された環状受動ギヤがサーボモータで駆動されるようにした曲げ駆動部と、
前記上シフトラックに噛み合う上大歯と、該上大歯に噛み合い、かつ、前記下シフトラックに噛み合う下大歯とが、前記曲げ旋回軸の内側に回動自在に設置され、
前記上大歯及び前記下大歯のいずれかを回動させるようにしたシフト駆動部とを含むことを特徴とするワイヤ曲げ装置。
【請求項3】
前記シフト駆動部において、前記上大歯及び前記下大歯のいずれかの側面で同心に固定された中歯と、
該中歯に噛み合う昇降ラックと、
該昇降ラックを固定して前記曲げ旋回軸の外側に上下摺動自在に嵌装されたシフトスリーブと、該シフトスリーブを昇降させるようにしたスリーブ昇降部とを含む請求項2記載のワイヤ曲げ装置。
【請求項4】
前記スリーブ昇降部において、前記シフトスリーブに設けられた円周溝に摺回動自在に係合した滑り片と、該滑り片に先端がピン結合され、他端が連結軸にピン結合され、中間でレバー軸に揺動自在に支持されたレバーと、
前記連結軸に摺動自在に貫通した中間部材に、シフト駆動軸が接続された請求項3記載のワイヤ曲げ装置。
【請求項5】
前記ワイヤ曲げ部において、前記ピン台はピン孔を持つ上部と、下端にラック溝を持ち、側面スライドガイドを持つ下部とからなる請求項2〜4のいずれか1項に記載のワイヤ曲げ装置。
【請求項6】
前記ピン台回動部において、前記曲げ旋回軸は、中空円筒体と、該円筒体の上端に固定されたフランジと、該フランジの上面に結合されたスライドガイドとを含む請求項2〜5のいずれか1項に記載のワイヤ曲げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤ曲げ方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤ曲げ作業の例は、本出願人が先に出願し特許を得たものは次のようなものであった。(特許文献1)即ち、前記ワイヤの先端部分を通過案内し、前記ヘッド本体の正面に対し、直交方向に延びる棒状のマンドレルと、該マンドレルを中心に貫通させ、ヘッド本体の凹所内で、かつ、マンドレルの回りに回転可能に嵌挿された円盤状の曲げスリーブと、該曲げスリーブの外表面に突設された曲げ凸部と、前記曲げスリーブとマンドレルを一体的に進退させる手段とを持つ。また、前記マンドレルのヘッド本体の正面に露出している端面には、直径上に沿う案内溝と、該案内溝のワイヤ送り方向前方の他端において、円周方向に沿う案内面が連続して形成される。これらの案内溝に対する案内面の境界部には、ワイヤの最小屈曲半径を決めるノーズ部が形成されている。そして、ワイヤをマンドレルの案内溝から繰り出し、曲げスリーブを回動させて曲げ凸部で押し曲げるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4554781号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この装置でジグザグ状の曲げ作業は不可能であった。
即ち、マンドレルの案内溝を通過させ、マンドレル出口からL1だけ突出させてワイヤの送りを停止し、曲げスリーブを角度G1だけ回動させて、曲げ凸部でワイヤを押し曲げる。次に曲げスリーブを退避させて、ワイヤをL2だけおくり、曲げスリーブを進出させ、曲げスリーブを角度G2だけ逆転させて、曲げ凸部でワイヤを押し曲げる。このような工程を繰り返すことになるので、曲げの後半部で曲げ精度が得られない。
【0005】
本発明は上記課題を解決し、曲げ精度が優れたジグザグ状の曲げ作業が可能なワイヤ曲げ方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第
1解決手段のワイヤ曲げ方法は、 ワイヤ送り方向に対し水平直角方向に移動可能となるように、
シフト台をケースに設置し、該シフト台に旋回受筒を設置し、その内側に中空の曲げ旋回軸を回動自在に装架してピン台回動部を構成し、
2本の曲げピンが立設されピン台を、前記曲げ旋回軸の上端に対し間接的に
前記曲げ旋回軸の直径上で摺動自在に保持し、前記シフト台を摺動させていずれか一方ピンを曲げ中心とし、他方ピンを曲げピンとし、前記
2本の曲げピンの2本の間に送られてきたワイヤを、いずれか一方ピンを中心に、前記
曲げ旋回軸を回動させて他方ピンで曲げるようにした
ワイヤ曲げ方法であって、前記ピン台の下面に上シフトラックを固定し、該上シフトラックから間隔を存して直下で、ケースの下壁に下シフトラックを昇降自在に設置し、前記
上シフトラックと前記下シフトラックとの間で、ワイヤ送り方向に対し水平直角方向に移動可能と
なるように、前記シフト台を前記ケースに設置し、前記上シフトラックに噛み合う上大歯と、該上大歯に噛み合い、かつ、前記下シフトラックに噛み合う下大歯とを、前記
曲げ旋回軸の内側に回動自在に設置し、前記
上大歯及び前記下大歯のいずれかを回動させるようにしたことである。
【0008】
本発明の第
2解決手段のワイヤ曲げ装置は、
2本の曲げピンがピン台に立設され、前記曲げピンの2本の間に送られてきたワイヤを、いずれか一方ピンを中心に他方ピンで曲げるように、前記ピン台が前記ピンの中心軸線回りに回動可能なように保持されてなるワイヤ曲げ部と、前記ピン台の下面に固定された上シフトラックと、該上シフトラックから間隔を存して直下で、ケースの下壁に昇降自在に設置された下シフトラックと、前記
上シフトラックと前記下シフトラックの間で、ワイヤ送り方向に対し水平直角方向に移動可能とされて、前記ケースに設置されたシフト台と、該シフト台に設置された旋回受筒の内側に、回動自在に装架された中空の曲げ旋回軸を持つピン台回動部と、前記曲げ旋回軸の下端に同心に固定された環状受動ギヤがサーボモータで駆動されるようにした曲げ駆動部と、前記上シフトラックに噛み合う上大歯と、該上大歯に噛み合い、かつ、前記下シフトラックに噛み合う下大歯とが、前記
曲げ旋回軸の内側に回動自在に設置され、前記
上大歯及び前記下大歯のいずれかを回動させるようにしたシフト駆動部とを含むことである。
【0009】
本発明の第
3解決手段のワイヤ曲げ装置は、第
2解決手段の装置に加え、前記シフト駆動部において、前記
上大歯及び前記下大歯のいずれかの側面で同心に固定された中歯と、該中歯に噛み合う昇降ラックと、該昇降ラックを固定して前記
曲げ旋回軸の外側に上下摺動自在に嵌装されたシフトスリーブと、該シフトスリーブを昇降させるようにしたスリーブ昇降部とを含むことである。
【0010】
本発明の第
4解決手段のワイヤ曲げ装置は、第
3解決手段の装置に加え、 前記スリーブ昇降部において、前記
シフトスリーブに設けられた円周溝に摺回動自在に係合した滑り片と、該滑り片に先端がピン結合され、他端が連結軸にピン結合され、中間でレバー軸に揺動自在に支持されたレバーと、前記連結軸に摺動自在に貫通した中間部材に、シフト駆動軸が接続されたことである。
【0011】
本発明の第
5解決手段のワイヤ曲げ装置は、第
2,第
3,第
4のいずれか1の解決手段の装置に加え、 前記ワイヤ曲げ部において、前記ピン台はピン孔を持つ上部と、下端にラック溝を持ち、側面スライドガイドを持つ下部とからなることである。
【0012】
本発明の第
6解決手段のワイヤ曲げ装置は、第
2,第
3,第
4,第
5のいずれか1の解決手段の装置に加え、 前記ピン台回動部において、前記曲げ旋回軸は、中空円筒体と、該円筒体の上端に固定されたフランジと、該フランジの上面に結合されたスライドガイドとを含むことである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、曲げ精度が優れたジグザグ状の曲げ作業が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図8】ワイヤ曲げ部10を主とした分解斜視図である。
【
図9】ピン台回動部40を主とした分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施例を図に基づき説明する。
図1,2,3において、ワイヤWは右から左へ送られて、2本のピン11a,11bの間を通過して止まる。そして、これらのピンにより、
図12,13のようにワイヤWはジグザグ状に曲げられるのである。ケース1の上にテーブルTを介して案内Gが取り付けられ、それを通してワイヤは送られる。
【0016】
図4,4a,5,6で、本装置の大要は次の通りである。曲げピン11の2本がピン台12に立設され、前記ピン台が前記ピンの中心軸線回りに回動可能なようにピン台回動部40に保持されてなるワイヤ曲げ部10が構成される。
前記ピン台12の下面に固定された上シフトラック21と、該上シフトラックから間隔を存して直下で、ケース1の下壁に昇降自在に設置された下シフトラック22とを有する。
【0017】
図4a,5,10で、前記上下シフトラックの間で、ワイヤ送り方向に対し上流側に偏位して、水平直角方向に移動可能とされて、固定台2にシフト台30が懸垂される。該シフト台に設置された旋回受筒41の内側に、回動自在に装架された中空の曲げ旋回軸42を持つピン台回動部40が構成される。そして曲げ駆動部50は、前記曲げ旋回軸42の下端に同心に固定された環状受動ギヤ51が中間ギヤ52、駆動ギヤ53を介してサーボモータ54で駆動されるように
曲げ駆動部50が構成される。
【0018】
図6,9で、前記曲げ旋回軸42は軸中心線を含む面で2片に分割されたものが結合されてなり、結合面の一部に窓42dが設けられている。そして、曲げ旋回軸42の内側において、前記上シフトラック21に噛み合う上大歯61と、該上大歯に噛み合い、かつ、前記下シフトラック22に噛み合う下大歯62と、前記上大歯61の側面で同心に固定された中歯63を持ち、前記上大歯を回動させるようにしたシフト駆動部60とを備える。ここで上大歯61と、下大歯62は、平歯車の回転軸線を挟んで両側で、線対称的に平行弦部で切除した俵型を呈する。上大歯61と下大歯62は夫々,軸61a,62aで回動可能に支持される。
【0019】
図4a,5,7,10において、直方体状のケース1の内側で上半部には、断面U字状の固定台2が取り付けられる。そして、固定台の底板の下面に2本のレール2aが固定され、これらに前記シフト台30が摺動自在に支持されている。前記シフト台30は、平面視矩形の水平板部31のワイヤ送り方向の先端側に、鉛直板部32が立設されてなる。そして、水平板部の上面には前記固定台のレール2aに受けられるスライドガイド33が取り付けられている。
【0020】
図5,6,10,11で前記シフト台30には、ワイヤ曲げ部10、上下シフトラック21,22、ピン台回動部40,曲げ駆動部50,シフト駆動部60が載置されて、シフト台30と一体に移動する。前記シフト駆動部60において、前記中歯63に噛み合う中シフトラック64と、該中シフトラックを固定して前記旋回軸42の外側に上下摺動自在に嵌装されたシフトスリーブ65と、該シフトスリーブを昇降させるようにしたスリーブ昇降部66とを持つ。中歯63と中シフトラック64は窓42d内で噛み合う。
【0021】
図10,11で、前記スリーブ昇降部66において、前記スリーブ65に設けられた円周溝65aに摺回動自在に係合した滑り片66aと、該滑り片に先端がピン結合され、他端が連結軸66bにピン結合され、中間でレバー軸66c(シフト台30の鉛直板部32に支持)に揺動自在に支持されたシフトレバー66dとを持ち、前記連結軸66bに摺動自在に貫通した中間部材66eに、シフト駆動軸66fが接続されている。そして、レバー66dの先端は、旋回受筒41の両側面に設けられた窓部41aを通して滑り片66aに臨む。
【0022】
図5,6,8で前記ワイヤ曲げ部10において、前記ピン台12はピン孔12cを持つ上部12aと、下端にラック溝12eを持ち、上面に敷き板穴12d,側面に内スライドガイド12fを持つ下部12bとからなる。そして、敷き板穴12dに介在した敷き板13の上に曲げピン11が、テーパスリーブ14で位置決めされて、ピン台上部のピン孔12cに植え込まれる。そして、ピン台12の上下部はボルト15で結合される。
【0023】
図5,6,9で前記ピン台回動部40において、前記曲げ旋回軸42は、中空円筒体42aと、該円筒体の上端に固定されたフランジ42bと、該フランジの上面に円板カバー42b´を介して結合された、内スライドガイド42cとを持つ。内スライドガイド42cの側面に外スライドガイド16がネジで固定される。そして、旋回軸42は上下端で軸受を介して旋回受筒41に支持される。
【0024】
以上において、次に作動状態を説明する。
図1,5,5a,6で曲げ作業に入る前において、ワイヤWは水平に保たれて右から左へ送られ、曲げピン11,11の間を通過する。2本の曲げピンの中心軸線を水平に結ぶ直線kは、水平ワイヤ送り経路mに対し直交している。この状態を曲げサーボモータ54に設定値を入力して、原点と決める。曲げ旋回軸42の鉛直旋回中心線nは2本の曲げピンの中央を通り、ワイヤ送り経路mと直交している。この状態をシフトサーボモータ66m(
図5a)に設定値を入力して、原点と決める。
【0025】
今、
図1で下側(
図6で右側)および上側(
図6で左側)のピンを各々、右曲げピン11a、左曲げピン11bと呼ぶ。そして、右曲げピン11aを曲げ中心軸と決め、曲げ駆動部の曲げサーボモータ54と、シフトサーボモータ66m(
図5a)に設定値を与えておく。即ち、ワイヤ直径、曲げピン直径、ワイヤ送り量および曲げ回数と最初の曲げ方向を入力しておく。
【0026】
これによって、曲げ旋回軸42の旋回中心軸線nを右曲げピン11aの軸線aと一致させる。即ち、下シフトラック22を昇降シリンダ24で、下大歯62に噛み合わす。次に、シフト駆動軸66fを右(
図5)へ引くと、シフトレバー66dが右回りに回動し(
図11)、シフトスリーブ65が上昇し、昇降ラック64が一体上昇する。この結果上大歯61が左へ、下大歯62が右へ回動する。
【0027】
しかし、これらと噛み合う上シフトラック21が前記のように位置決めされ、下シフトラック22が上昇位置にあり、停止している(動きを止められている)。従って、上,下大歯61,62、旋回軸42と共に旋回受け筒41が、シフト台30と共に右(
図6)へ移動し、旋回中心軸線nが右曲げピンの中心軸線aと一致して止まる。
【0028】
このように、シフト駆動軸66fを止める構成は次のようにされる。
図5aで、シフト駆動軸66fの端部に送りネジ棒66gが接続され、これに係合したナット部材66hがケース1に対し軸受部66iに回転自在に設置される。そして、ナット部材66hに同心に固定された受動タイミングプーリ66jがタイミングベルト66kで回転されて、駆動タイミングプーリ66lがシフトサーボモータ66mで回転される。そして、シフトサーボモータに経路mから旋回中心線nの距離を設定しておく(距離零のときを原点とする)。
【0029】
次に、旋回軸42が左(
図4)に回り、左曲げピン11bがワイヤを左に曲げる(
図12)。次に旋回軸42が右(
図4)に回って元の位置に戻る。これで1回の左曲げ作業が終わる。次に、ワイヤWを送る。
【0030】
今度は左曲げピン11bを曲げ中心とする。このため、前記と逆の作業をさせて、シフト台30と共に旋回受け筒41を左(
図6)へ移動させる。以下、同様にして、旋回受け筒41をシフト台30で左右に交互に移動させてから曲げ作業を行なう。この結果、
図13のようなジグザグ状の曲げ作業ができるのである。
【0031】
本発明は前記した実施例や実施態様に限定されず、特許請求の範囲を逸脱せずに種々の変形を含む。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、ワイヤの曲げ方法および装置に利用される。
【符号の説明】
【0033】
W ワイヤ
1 ケース
2 固定台
2a レール
10 ワイヤ曲げ部
12 ピン台
12a 上部
12b 下部
12c ピン孔
12d 敷き板穴
12e ラック取付溝
12f 内スライドガイド
13 敷き板
14 テーパスリーブ
15 結合ボルト
16 外スライドガイド
21 上シフトラック
22 下シフトラック
23 ラック台
24 昇降シリンダ
30 シフト台
31 水平板部
32 鉛直板部
33 スライドガイド
40 ピン台回動部
41 旋回受け筒
41a 窓部
42 曲げ旋回軸
42a 中空円筒体
42b フランジ
42c 内スライドガイド
42d 窓
50 曲げ駆動部
51 受動ギヤ
52 中間ギヤ
53 駆動ギヤ
54 曲げサーボモータ
60 シフト駆動部
61 上大歯
62 下大歯
63 中歯
64 昇降ラック
65 シフトスリーブ
65a 円周溝
66 スリーブ昇降部
66a 滑り片
66b 連結軸
66c レバー軸
66d シフトレバー
66e 中間部材
66f シフト駆動軸
66g 送りネジ棒
66h ナット部材
66i 軸受部
66j 受動タイミングプーリ
66k タイミングベルト
66l 駆動タイミングプーリ
66m シフトサーボモータ