(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定のレールの内側に挿入される内側本体と、該内側本体から突出した第1の突出部と、該第1の突出部に設けられた第1の接合部と、前記内側本体の側の前記第1の突出部の端部から垂直下方に突出した第2の突出部とを有する内側挿入部材と、
前記内側本体の上方に位置するレール挟持片と、該レール挟持片に連設されると共に前記第1の突出部に対応する位置かつ上方に配置された外側カバー本体と、該外側カバー本体の前記第1の接合部に対応する位置に設けられた第2の接合部と、前記外側カバー本体の前記第1の突出部の突出方向側に連設されたリング設置部とを有する外側カバー部材と、
前記リング設置部と嵌合可能に構成されたタオルリングと、
前記第1の接合部と前記第2の接合部を接合可能に構成された固定部材とを備え、
前記所定のレールを前記内側本体と前記レール挟持片で挟持して固定可能に構成された
引っ掛け具。
【背景技術】
【0002】
台所、洗面所など水回りの住環境では、流し台や洗面台に設けられた収納部分の扉の把手にタオルを引っ掛けて使用することが一般的に行われている。また、任意の位置にタオルを掛ける技術として、吸盤式の固定具を壁面に吸着させて用いる引っ掛け具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、扉の把手にタオルを掛けて使用する場合は、任意の位置にタオルを掛けることができず、把手の設けられた位置によっては使い勝手が悪かった。
【0004】
また、吸盤式の固定具は意匠性がよくなく、さらに吸着力がなくなると脱落してしまい、しっかりと固定することができないという不具合があった。
【0005】
こうしたなか、引っ掛け具を固定でき、また、着脱可能にすることで使い勝手を向上させた技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。ここで、特許文献2には、扉に専用のレールを取り付け、レールに引っ掛け具を固定する方法が記載されている。
【0006】
詳しくは、特許文献2には、
図8に示すような扉100及び引っ掛け具101が記載されている。まず、扉に前方が開放されたコの字型の形状のレール102が取付けられる。次に、引っ掛け具103と一体化した係合部104をレール102の端部から内部へスライドさせて挿入することで、レール102と係合部104が嵌合状態となる。また係合部104は左右に動かすことができ、引っ掛け具101を使用しない場合は、レール102から取り外すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、特許文献2の技術を用いる場合、レールと係合部を嵌合させるために、レール内側のクリアランスと係合部の大きさは、ぴったりと対応するように形成されている。そのため、係合部をレールに挿入する際には強く押し込む必要があり、引っ掛け具が取付けにくいという不具合が存在する。
【0009】
また、レール内側のクリアランスと係合部の大きさをぴったり対応させるために、引っ掛け具の取付けには、専用のレールを用いなければならない。つまり、取り付け可能なレールの形状が限定されることから、充分に使い勝手がよいものにはなっていない。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、引っ掛け部分を容易にしっかりと固定でき、なおかつ、充分な使い勝手を有する引っ掛け具と扉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明の引っ掛け具は、所定のレールの内側に挿入される内側本体と、該内側本体から突出した第1の突出部と、該第1の突出部に設けられた第1の接合部と、前記内側本体の側の前記第1の突出部の端部から垂直下方に突出した第2の突出部とを有する内側固定部材と、前記内側本体の上方に位置する外側挟持片と、該外側挟持片に連設されると共に前記第1の突出部に対応する位置かつ上方に配置された外側本体と、該外側本体の前記第1の接合部に対応する位置に設けられた第2の接合部と、前記外側本体の前記第1の突出部の突出方向側に連設された嵌合部とを有する外側固定部材と、前記嵌合部と嵌合可能に構成された引っ掛け部と、前記第1の接合部と前記第2の接合部を接合可能に構成された固定部材とを備える。
【0012】
ここで、所定のレールの内側に挿入される内側本体と、第1の突出部に設けられた第1の接合部と、内側本体の上方に位置する外側挟持片と、外側本体の第1の接合部に対応する位置に設けられた第2の接合部と、第1の接合部と第2の接合部を接合可能に構成された固定部材とを有することによって、所定のレールを内側固定部材と外側固定部材で挟持して固定することができる。つまり、内側固定部材と外側固定部材の間に挟める大きさのレールであれば引っ掛け具の取付けが可能となり、汎用性に優れることになる。また、引っ掛け具がレールを上下から挟持して固定することになり、引っ掛け具を安定させることができる。
【0013】
また、内側本体から突出した第1の突出部と、第1の突出部に設けられた第1の接合部と、外側本体の第1の接合部に対応する位置に設けられた第2の接合部と、第1の接合部と第2の接合部を接合可能に構成された固定部材とを備えることによって、第1の接合部と第2の接合部は、レールから突出した位置で一体化されることになり、取付ける作業を容易にすることができる。
【0014】
また、内側本体の側の第1の突出部の端部から垂直下方に突出した第2の突出部を有することによって、レールの下端に内側固定部材が引っかかることになる。このことは、固定後の引っ掛け具の前後方向へのぐらつきを抑え、引っ掛け具を安定させることができ、かつ、引っ掛けたタオル等が使用しやすくなる。なお、ここでいう垂直下方とは、引っ掛け具を正面から見た場合の下方向の向きを意味する。
【0015】
また、内側本体から突出した第1の突出部と、第1の突出部に対応する位置かつ上方に配置された外側本体とを有することによって、第1の突出部は外側本体に上方を覆われることになる。つまり、外部の衝撃から第1の突出部が保護され、引っ掛け具として耐久性が向上する。また、第1の突出部と繋がった内側本体もレールから外れにくくなる。
【0016】
さらに、外側本体の第1の突出部の突出方向側に連設された嵌合部と嵌合部と嵌合可能に構成された引っ掛け部とを有することによって、レールから突出した位置に引っ掛け部が配置されることになり、引っ掛けたタオル等が使用しやすくなる。
【0017】
また、嵌合部に嵌合した引っ掛け部が、第1の突起部と嵌合部の間に配置されるべく構成された場合には、引っ掛け部は嵌合部に嵌合された上、さらに第1の突出部によって抑えられることになる。即ち、より一層引っ掛け部が外れにくくなり、引っ掛けたタオル等が使用しやすくなる。
【0018】
また、固定部材にネジを用い、第1の接合部にネジを通す貫通孔を形成し、第2の接合部にネジ溝を設けた場合には、第1の接合部と第2の接合部がねじ構造にて強固に接合されることになり、より一層引っ掛け具を安定させることができる。
【0019】
また、外側固定部材は、外側本体から垂直下方に突出すると共に、第2の突出部に対応する位置に設けられた外側突出部を有する場合には、第2の突出部は外側突出部に覆われることになる。つまり、外部の衝撃から第2の突出部が保護され、引っ掛け具として耐久性が向上する。
【0020】
また、外側固定部材は、外側本体から垂直下方に突出すると共に、第2の突出部に対応する位置に設けられた外側突出部を有する場合には、レールの下端に外側固定部材が引っ掛かることになる。このことは、より一層、固定後の引っ掛け具の前後方向のぐらつきを抑え、引っ掛け具を安定させることができ、かつ、引っ掛けたタオル等が使用しやすくなる。
【0021】
また、嵌合部は仕切り部を有し、引っ掛け部は、仕切り部と嵌合可能な切れ込みが形成された場合には、仕切り部と切れ込みが嵌め合わされることで引っ掛け部が固定されることになる。このことは、使用時に引っ掛け部がずれにくくなり、引っ掛け具を安定させることができ、かつ、引っ掛けたタオル等が使用しやすくなる。
【0022】
また、内側本体は、その上面に設けられた第1の滑り止め部を有し、外側挟持片は、その下面に設けられた第2の滑り止め部を有する場合には、レールの上端を挟持固定した後に、レールの表面との間の接する部分が滑りにくくなり、引っ掛け具を安定させることができる。
【0023】
また、内側固定部材は、外側本体と接する側面に第1のガイド部が設けられた内側本体と、外側本体と接する両側面に第2のガイド部が設けられた第1の突出部を有し、外側本体は、内側本体と接する位置に第1のガイド部と接合可能に構成された第3のガイド部と、第1の突出部の側面と接する位置に第2のガイド部と接合可能に構成された第4のガイド部を有する場合には、対応するガイド部を利用して、内側固定部材と外側固定部材をスライドさせて嵌め合わせることができる。即ち、内側本体及び第1の突出部に対して、外側本体を容易に取り付けることができ、引っ掛け具の取付ける作業を容易にすることができる。
【0024】
また、上記の目的を達成するために、本発明の扉は、所定の面及び同所定の面の反対側に位置する背面を有する扉本体と、該扉本体の端面に取り付けられた第1のレール部材と、該第1のレール部材の前記背面の側端部から略垂直方向に設けられた第2のレール部材と、前記所定の面の側かつ前記第1のレール部材と略平行する方向に、前記第2のレール部材の上端から同第1のレール部材と略同じ幅及び長さに設けられた第3のレール部材と、前記所定の面の側の前記第3のレール部材の端部から前記第1のレール部材に向けて略垂直方向に、前記第2のレール部材よりも短く設けられた垂れ下がり部とを有するレールと、前記レールの内側に挿入される内側本体と、該内側本体から突出した第1の突出部と、該第1の突出部に設けられた第1の接合部と、前記第1の突出部の前記内側本体側端部から垂直下方に突出した第2の突出部とを有する内側固定部材と、前記内側本体の上方に位置する外側挟持片と、該外側挟持片に連設されると共に前記第1の突出部に対応する位置かつ上方に配置された外側本体と、該外側本体の前記第1の接合部に対応する位置に設けられた第2の接合部と、前記外側本体の前記第1の突出部の突出方向側に連設された嵌合部とを有する外側固定部材と、前記嵌合部と嵌合可能に構成されると共に、嵌合された状態で前記第1の突出部と同嵌合部の間に配置された引っ掛け部と、前記第1の接合部と前記第2の接合部を接合可能に構成された固定部材とを備える。
【0025】
ここで、扉本体の端面に取り付けられた第1のレール部材と、第1のレール部材の背面の側端部から略垂直方向に設けられた第2のレール部材と、所定の面の側かつ第1のレール部材と略平行する方向に、第2のレール部材の上端から第1のレール部材と略同じ幅及び長さに設けられた第3のレール部材と、所定の面の側の第3のレール部材の端部から第1のレール部材に向けて略垂直方向に、第2のレール部材よりも短く設けられた垂れ下がり部とを有するレールを有することによって、扉本体の端面に、前面に開口を有し、かつ、垂れ下がり部が設けられたレールが設置されることになる。つまり、レールは扉の把手として用いることができる形状となっており、扉の開閉を容易にすることができる。
【0026】
また、レールと、レールの内側に挿入される内側本体と、第1の突出部に設けられた第1の接合部と、内側本体の上方に位置する外側挟持片と、外側本体の第1の接合部に対応する位置に設けられた第2の接合部と、第1の接合部と第2の接合部を接合可能に構成された固定部材とを有することによって、内側固定部材と外側固定部材が第3のレール部材を上下から挟持して固定することができ、取付け構造を安定させることができる。
【0027】
また、内側本体から突出した第1の突出部と、第1の突出部に設けられた第1の接合部と、外側本体の第1の接合部に対応する位置に設けられた第2の接合部と、第1の接合部と第2の接合部を接合可能に構成された固定部材とを備えることによって、第1の接合部と第2の接合部は、レールから突出した位置で一体化されることになり、取付ける作業を容易にすることができる。
【0028】
また、内側本体の側の第1の突出部の端部から垂直下方に突出した第2の突出部を有することによって、第1のレール部材の下端に内側固定部材が引っ掛かることになる。このことは、固定後の内側固定部材の前後方向へのぐらつきを抑え、取付け構造を安定させることができ、かつ、引っ掛けたタオル等が使用しやすくなる。
【0029】
また、内側本体から突出した第1の突出部と、第1の突出部に対応する位置かつ上方に配置された外側本体とを有することによって、第1の突出部は外側本体に上方を覆われることになる。つまり、外部の衝撃から第1の突出部が保護され、耐久性が向上する。また、第1の突出部と繋がった内側本体もレールから外れにくくなる。
【0030】
さらに、外側本体の第1の突出部の突出方向側に連設された嵌合部と嵌合部と嵌合可能に構成された引っ掛け部とを有することによって、レールから引っ掛け部が突出した位置に配置されることになり、引っ掛けたタオル等が使用しやすくなる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る引っ掛け具と扉は、引っ掛ける部分をしっかりと固定することができ、なおかつ、充分な使い勝手を有するものとなっている。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用した引っ掛け具及び扉の一例を示す概略斜視図である。
図2は、レールの一例を示す概略側面図である。
図3は、本発明を適用した引っ掛け具の一例を示す概略側面図である。
図4は、内側固定部材の一例を示す概略斜視図である。
図5は、外側固定部材の一例を示す概略斜視図である。
図6は、外側固定部材及び引っ掛け部の一例を示す概略図である。
【0034】
ここで、
図1に示すように、本発明を適用した引っ掛け具及び扉の一例である扉1は、レール構造2と、引っ掛け具3と、扉本体4とを備える。
【0035】
まず、レール構造2は、
図2に示すように、扉本体4の上面と同じ幅及び長さに作られ、取り付けられた扉側レール5と、扉側レール5の扉本体4の背面側から垂直に設けられた背面側レール6を有する。また、背面側レール6の上端から、扉本体4の前方方向に向けて、扉側レール4と同じ幅及び長さに作られた上面レール7が設けられている。さらに、上面レール7の先端から下方に向けて垂直に、垂れ下がりレール8が設けられている。なお、垂れ下がりレール8は、背面側レール6よりも短く作られている。また、レール構造2のレールはいずれもアルミニウムで形成されている。
【0036】
ここで、扉側レール5は、必ずしも、扉本体4の上面と同じ幅及び長さに作られる必要はないが、取付け時に位置が合わせやすく、意匠性がよくなる点から、上記の様な構成にされることが好ましい。
【0037】
また、扉レール5は、必ずしも扉本体4の上面に設けられる必要はなく、設置が可能であれば、扉本体の端面のいずれの面に設けられてもよい。
【0038】
また、上面レール7の幅および長さは、引っ掛け具3が取付け可能であれば特定の大きさに限定されるものではないが、後述する引っ掛け具3をレール構造2に取り付ける場面において、取付け易くなるという点から、上記の構成にされることが好ましい。
【0039】
また、垂れ下がりレール8の長さは、引っ掛け具3が取付け可能であれば特定の長さに限定されるものではない。
【0040】
また、レール構造2のレールは、必ずしもアルミニウムで形成される必要はないが、重量が軽く扉本体4への負荷が軽減される点及び耐久性を向上させる点から、上記の構成にされることが好ましい。
【0041】
また、上記の構成から、レール構造2は両端が開放された形状になっているが、引っ掛け具3が取付け可能な形状になっていれば充分であり、必ずしも両端が開放された形状に形成される必要はない。
【0042】
次に、引っ掛け具3は、
図3に示すように、内側挿入部材9と外側カバー部材10とタオルリング11及びネジ固定部材12を有する。タオルリング11は外側カバー部材10に取り付けられる。内側挿入部材9と外側カバー部材10は、ネジ固定部材12のネジ山突起部分16を下方から差し込み、ネジ構造にて一体化されている。
【0043】
また、
図4に示すように、内側挿入部材9は、内側本体13と内側本体13から横方向に向けて突出した第1の突出部14及び第1の突出部から下方に向けて突出した第2の突出部15を有する。
【0044】
また、第1の突出部14の中央部分には、ネジ固定部材12のネジ山突起部分16が挿通可能な貫通孔17が形成されている。また、
図4に示すように、第1の突出部14の先端は、下部に厚みを有する形状に形成されている。
【0045】
また、内側本体13の上部の上面レール7と接する面には内側滑り止め18が設けられている。また、内側本体13の第1の突出部14が設けられた側の側面には内側ガイド突起19が、第1の突出部14の側面には内側ガイド溝20がそれぞれ形成されている。また、内側滑り止め18は熱可塑性ポリウレタンで形成されている。
【0046】
ここで、内側挿入部材9と外側カバー部材10を固定して一体化できれば充分であり、必ずしもネジ固定部材12で固定する必要はない。また、内側挿入部材9の下方から固定する方法に限定されるものでもない。但し、ネジ構造で強固に固定される点及び下方から固定していくことで、内側挿入部材9と外側カバー部材10の間に上面レール7を挟持固定しやすい点から、上記の構成にされることが好ましい。
【0047】
また、貫通孔17は、内側挿入部材9と外側カバー部材10を固定して一体化できる構造になっていれば充分であり、この形に限定されるものではない。
【0048】
また、必ずしも、第1の突出部14の先端は、下部に厚みを有する形状に形成される必要はない。また、同じ位置に別部材を貼りつけて、厚みを有する形状にすることもできる。厚みを有することで、タオルリング11が取付けられた際に、内側挿入部材9とタオルリング11の接する領域が大きくなり、使用時に引っ掛け具ががたつきにくくなる点から、上記の構成にされることが好ましい。
【0049】
また、内側滑り止め18は必須ではないが、引っ掛け具3をレール構造2に固定した時に、ずれにくくなるという点から、設けられることが好ましい。また、固定時に上面レール7と内側本体9の間がずれにくくなれば充分であり、内側滑り止め18の素材が熱可塑性ポリウレタンに限定されるものではない。
【0050】
また、内側ガイド突起19及び内側ガイド溝20は必須ではないが、内側挿入部材9と外側カバー部材10を嵌め合わせる作業が容易になる点から、設けられることが好ましい。
【0051】
続いて、
図5に示すように、外側カバー部材10は、外側カバー本体21とレール挟持片22とリング設置部23とネジ固定部材12のネジ山突起部分16に対応するネジ溝部24と第2の突出部15に対応する側面カバー部25を有する。また、外側カバー部材10はアルミニウムで形成されている。
【0052】
また、リング設置部23は、内側挿入部材9と外側カバー部材10を嵌め合わせた時に、内側挿入部材9の第1の突出部14と隣合う位置に配置されるように設けられている。
【0053】
また、
図6に示すように、レール挟持片22の下部の上面レール7と接する面には外側滑り止め26が設けられている。また、外側滑り止め26は熱可塑性ポリウレタンで形成されている。
【0054】
また、外側カバー本体21の内側本体13と接する部分には、内側ガイド突起19に対応する外側ガイド溝27が設けられている。また、外側カバー本体21の第1の突出部14と接する部分には、内側ガイド溝20に対応する外側ガイド突起28が設けられている。
【0055】
また、リング設置部23の中央部分には、仕切り壁29が形成されている。また、タオルリング11には切れ込み部30が形成されている。仕切り壁29と切れ込み部30の部分でタオルリング11がリング設置部23にぴったりはまる構造となっている。
【0056】
ここで、内側挿入部材9と外側カバー部材10を固定して一体化できれば充分であり、必ずしもネジ溝部24は必要ない。但し、ネジ構造で強固に固定される点から上記の構成にされることが好ましい。
【0057】
また、第2の突出部15に対応する側面カバー部25は必須ではないが、第2の突出部を外部の衝撃から保護し、引っ掛け具3の耐久性を向上させる点から、設けられることが好ましい。また、第2の突出部15が扉レール5に引っかかることで内側挿入部材9の前後方向へのぐらつきが抑えられるという効果が、側面カバー部25によっても生じるため、設けられることが好ましい。
【0058】
また、外側カバー部材10の素材はアルミニウムに限定されるものではないが、内側挿入部材9を外部の衝撃から保護し、引っ掛け具3の耐久性を向上させる点からは、上記の構成にされることが好ましい。
【0059】
また、タオルリング11がリング設置部23に取付け可能に構成されていれば充分であり、必ずしもリング設置部23は、内側挿入部材9と外側カバー部材10を嵌め合わせた時に、内側挿入部材9の第1の突出部14と隣合う位置に配置される必要はない。但し、内側挿入部材9と外側カバー部材10及びタオルリング11を一体化させた時に、タオルリング11が第1の突出部14によっても抑えられることになり、より外れにくくなる点から、上記の構成にされることが好ましい。
【0060】
また、外側滑り止め26は必須ではないが、引っ掛け具3をレール構造2に固定した時に、ずれにくくなるという点から、設けられることが好ましい。また、固定時に上面レール7とレール挟持片22の間がずれにくくなれば充分であり、外側滑り止め26の素材が熱可塑性ポリウレタンに限定されるものではない。
【0061】
また、外側ガイド溝27及び外側ガイド突起28は必須ではないが、内側挿入部材9と外側カバー部材10を嵌め合わせる作業が容易になる点から、設けられることが好ましい。
【0062】
また、リング設置部23の仕切り壁29とタオルリング11の切れ込み部30は、タオルリング11がリング設置部23に取付け可能に構成されていれば充分であり、必ずしも必要ではないが、固定後にタオルリング11が左右にずれにくくなり、タオルが使用しやすくなるという点から、上記の構成にされることが好ましい。
【0063】
以下、上記の様に構成された引っ掛け具3と扉1の取付け方法について図面を参照しながら説明する。
図6は、外側固定部材及び引っ掛け部の一例を示す概略図である。
図7は、本発明を適用した引っ掛け具及び扉の一例における引っ掛け具の取付け構造を示す概略側面図である。
【0064】
まず、
図6に示すように、仕切り壁29と切れ込み部30を合わせて、タオルリング11をリング設置部23に嵌めこむ。次に、内側挿入部材9と外側カバー部材10が、内側ガイド突起19と外側ガイド溝27及び内側ガイド溝20と外側ガイド突起28の組み合わせに沿ってスライドさせ嵌め合わせる。
【0065】
続いて、ネジ固定部材12のネジ山突起部分16を内側挿入部材9の貫通孔17及び外側カバー部材10のネジ溝部24に差し込み、回転させて固定する。なお、ネジ固定部材12を締めていくことで、内側本体12の上面とレール挟持片22の下面の間のクリアランスが狭くなっていく。上面レール7への取付けを考慮し、ネジ固定部材12は緩めに締めておく。ここまでで、内側挿入部材9と外側カバー部材10及びタオルリング11が一体化し、引っ掛け具3が出来上がる。
【0066】
次に、引っ掛け具3のレール構造2への取付けを説明する。
【0067】
図7に示すように、本発明を適用した引っ掛け具及び扉の一例においては、両端が開放されたレール構造2が用いられている。この場合、引っ掛け具3の内側本体12の上面とレール挟持片22の下面の間の空間に上面レール7を挟むようにして、レールに沿ってスライドさせて内側本体13を挿入していく。
【0068】
次に、レール上の使用したい位置に引っ掛け具3を配置し、ネジ固定部材12をしっかりと締めて固定する。ネジ固定により、
図7に示すZ方向に向けて、内側本体12の上面とレール挟持片22の下面が上面レール7を挟持固定する。これにより、引っ掛け具3の取付けが完成する。なお、位置を変えたい場合は、ネジ固定を緩めることで、引っ掛け具3を左右に移動させることができる。また、引っ掛け具を使用しない場合は、レールから取り外すこともできる。
【0069】
ここで、引っ掛け具3をレールに取り付ける別の方法の例としては、扉側レールと垂れ下がりレール8の間に形成された開口部分、つまり、レール構造2の前方方向から、引っ掛け具3を取り付ける方法がある。この場合は、内側本体12の上面とレール挟持片22の下面の間の空間が垂れ下がりレール8を挟んで通過できるだけのクリアランスが必要になるが、端部が開放されていない形状のレールに対しても引っ掛け具3の取付けが可能となる。
【0070】
また、引っ掛け具3をレールに取り付ける、さらに別の方法の例として、一体化させる前の内側挿入部材9と外側カバー部材10をバラバラにして、レールに取り付ける方法がある。レール構造2の内部に内側本体13を入れ、上面レール7を挟持して、外側カバー部材10を嵌め合わせる。その後、ネジ固定部材12で一体化させ、使用したい位置を決めてネジ固定する。一体化させて前方から取り付ける上記の方法よりも、さらに、取り付け可能なレールの形状の範囲が広がることになる。
【0071】
その他、本発明を適用した引っ掛け具及び扉の実施例の利点を挙げる。
【0072】
まず、引っ掛け具の幅をタオルリングの幅よりも小さくした場合には、引っ掛け具をレールに取り付けやすくなる。また、固定のためのネジが1本でも充分に固定でき、使用時に引っ掛け具ががたつきにくくなる。
【0073】
また、引っ掛け具の幅が小さい分、取付けに必要なレールの領域が狭くなり、残りの部分を扉の把手として使用しやすくなる。さらに、引っ掛け具が小さくなったことで、扉全体の意匠性が向上する。
【0074】
また、外側カバー部材を金属製のものにした場合には耐久性が向上する。特に、タオルを下から持ち上げて使用する際には、外側カバー部材に負荷がかかりやすくなるため、強度と耐久性を付与する点から、金属製にすることが好ましい。
【0075】
また、レールと外側カバー部材を金属製のものにした場合は、洗剤等に対して耐久性を向上させることができる。引っ掛け具及び扉が台所のシンクの下側部分などに取り付けられた際には、洗剤が付着することが想定されるが、金属製であれば、樹脂製品のようにケミカルクラック(脆性破壊)が発生することがない。
【0076】
このように、本発明を適用した引っ掛け具及び扉は、タオルを引っ掛ける部分をしっかりと固定することができ、なおかつ、充分な使い勝手を有するものとなっている。