特許第6013099号(P6013099)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013099
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   A47J27/00 103P
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-204306(P2012-204306)
(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-57714(P2014-57714A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【弁理士】
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(72)【発明者】
【氏名】村井 隆男
(72)【発明者】
【氏名】東 幸靖
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−195259(JP,A)
【文献】 特開平02−007909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収容する本体と、
この本体に蓋をする蓋体と、
ダンパアッセンブリと
を備え、
上記ダンパアッセンブリは、
上記本体に取り付けられる取付部と、アーム部と、反力部とを有する取付ブラケットと、
上記アーム部に回転可能に支持されると共に、上記蓋体に固定された回転軸と、
この回転軸に取り付けられて、上記蓋体を開方向に付勢する付勢部材と、
上記回転軸に取り付けられると共に、上記反力部から反力を受けて、上記蓋体の開方向の動きに制動を掛けるように上記回転軸の回転に制動を掛けるダンパと
を有することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
上記取付ブラケットの取付部は、上記ダンパおよび回転軸を内側に向けて、上記本体に固定されていることを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱調理器としては、特開2009−195259号公報(特許文献1)に記載されているものがある。この加熱調理器は、本体と、この本体に蓋をする蓋体と、上記本体に回転可能に支持されると共に、上記蓋体に固定されたヒンジピンと、このヒンジピンに取り付けられて、蓋体を開方向に付勢するスプリングと、上記ヒンジピンに取り付けられると共に、上記本体から反力を受けるダンパとを備えている。そして、上記蓋体が開方向に動くとき、上記ダンパが本体から反力を受けて、ヒンジピンの回転に制動を掛けることで蓋体の開方向の動きに制動を掛けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−195259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の加熱調理器では、上記蓋体を本体に取り付けるとき、上記ダンパが本体の所定の位置に当接するように位置調整をして、ダンパが本体から反力を受けるようにする必要があった。このため、上記蓋体を本体に取り付けるのが困難で、時間を要するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、蓋体を本体に取り付けるとき、ダンパの位置調整が不要で、蓋体を本体に簡単かつ短時間で取り付けることができる加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の加熱調理器は、
被調理物を収容する本体と、
この本体に蓋をする蓋体と、
ダンパアッセンブリと
を備え、
上記ダンパアッセンブリは、
上記本体に取り付けられる取付部と、アーム部と、反力部とを有する取付ブラケットと、
上記アーム部に回転可能に支持されると共に、上記蓋体に固定された回転軸と、
この回転軸に取り付けられて、上記蓋体を開方向に付勢する付勢部材と、
上記回転軸に取り付けられると共に、上記反力部から反力を受けて、上記蓋体の開方向の動きに制動を掛けるように上記回転軸の回転に制動を掛けるダンパと
を有することを特徴としている。
【0007】
上記構成の加熱調理器によれば、上記ダンパは、上記ダンパアッセンブリの回転軸に取り付けられると共に、上記ダンパアッセンブリの取付ブラケットの反力部から反力を受けて、上記回転軸の回転に制動を掛ける。したがって、上記蓋体を上記本体に取り付けるとき、上記ダンパが取り付けられたダンパアッセンブリを本体に取り付けるだけでよく、ダンパの位置調整が不要で、蓋体を本体に簡単かつ短時間で取り付けることができる。
【0008】
一実施形態の加熱調理器では、
上記取付ブラケットの取付部は、上記ダンパおよび回転軸を内側に向けて、上記本体に固定されている。
【0009】
上記実施形態によれば、上記蓋体を上記本体に取り付けるとき、上記取付ブラケットの取付部を、上記ダンパおよび回転軸を内側に向けて、上記本体に対して固定する。したがって、上記取付ブラケットの取付部を本体に対して外側からねじ止め等によって固定しやすいので、蓋体を本体に、より簡単かつ短時間で取り付けることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の加熱調理器によれば、蓋体を本体に取り付けるとき、ダンパの位置調整が不要で、蓋体を本体に簡単かつ短時間で取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態の加熱調理器の概略斜視図である。
図2】上記加熱調理器の蓋体を開いた状態の概略斜視図である。
図3】上記蓋体の取付状態を示す概略斜視図である。
図4】上記加熱調理器のダンパアッセンブリの分解斜視図である。
図5】上記蓋体に上記ダンパアッセンブリが取り付けられた状態を示す平面図である。
図6図5のA−A線から見たダンパの概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の加熱調理器を図示の実施形態により詳細に説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の加熱調理器は、被調理物を収容する本体1と、この本体1に蓋をする蓋体2とを備えている。
【0014】
上記本体1の前面には、蓋体2を開けるための開ボタン5を設けている。
【0015】
図2は、上記蓋体2を開いた状態の加熱調理器の概略斜視図である。
【0016】
図2に示すように、上記蓋体2は、本体1の上面の後部に設けられた凸部15に回転可能に取り付けられている。
【0017】
図3は、上記蓋体2を閉じた状態の加熱調理器を後方から見た概略斜視図である。図3では、上記蓋体2の本体1に対する取付状態が見えるように本体1の凸部15を覆うカバーの一部を取り外している。
【0018】
図3に示すように、上記加熱調理器は、上記本体1と蓋体2との間に設けられたダンパアッセンブリ3を備えている。
【0019】
上記ダンパアッセンブリ3は、上記本体1に4本のビス19,19,19,19で取り付けられた取付ブラケット10と、両端部が上記蓋体2に固定された回転軸の一例としてのヒンジピン20と、このヒンジピン20に取り付けられて、蓋体2を開方向に付勢する付勢部材の一例としての2つのねじりバネ30,30と、上記ヒンジピン20に取り付けられると共に、上記取付ブラケット10に当接しているダンパ40とを有している。
【0020】
図4の分解斜視図に示すように、上記取付ブラケット10は、金属製の板状部材から一体に成形されている。上記取付ブラケット10は、上記本体1に取り付けられる取付部11と、この取付部に対して略直交する方向に延びるアーム部12,12と、中央部に位置して上記ダンパ40が当接する反力部13とを有している。上記アーム部12,12には、それぞれ略円形の貫通穴12a,12aが対向して設けられている。
【0021】
上記ダンパ40は、粘性流体が密封された円筒部41と、この円筒部41内に回転可能に配置された回転部42と、上記円筒部41を支持すると共に、上記取付ブラケット10の反力部13に当接する支持部43,44とを有している。上記回転部42の中央部には、断面略D字状の貫通穴42aが設けられている。
【0022】
上記ヒンジピン20は、金属製の棒状部材であって、断面略D字状に成形されている。上記ヒンジピン20は、上記取付ブラケット10のアーム部12,12の貫通穴12a,12a、上記ねじりバネ30,30および上記ダンパ40の貫通穴42aに挿通されている。上記ヒンジピン20は、アーム部12,12に回転自在に支持される一方、上記ダンパ40の回転部42の貫通穴42aに係合して、回転部42と一体に回るようになっている。
【0023】
図5は、蓋体2に上記ダンパアッセンブリ3のヒンジピン20を固定して、蓋体2とダンパアッセンブリ3とを内側から外側へ向かって見た図である。
【0024】
図5に示すように、上記ねじりバネ30,30は、それぞれ一端部が上記蓋体2に支持されると共に他端部が上記取付ブラケット10の取付部11に支持され、蓋体2を常に開方向に付勢するようになっている。
【0025】
図6の断面図に示すように、上記ダンパ40の支持部43,44は、上記取付ブラケット10の反力部13にそれぞれ当接して、この反力部13から反力を受けるようになっている。そして、上記蓋体2が開方向に動いてヒンジピン20および回転部42が回転するとき、上記ダンパ40は、円筒部41内に密封された粘性流体の流体摩擦抵抗によって、回転部42およびヒンジピン20の回転に制動を掛けて、蓋体2の開方向の動きに制動を掛けるようになっている。
【0026】
上記構成の加熱調理器では、まず、ダンパアッセンブリ3のヒンジピン20を蓋体2に固定した後、ダンパアッセンブリ3を本体1に固定するだけで、ダンパ40の位置調整をする必要なく簡単に固定できる。このように、上記蓋体2を本体1に取り付けるとき、ダンパアッセンブリ3を本体1に固定するだけでよく、ダンパ40が正しい位置に取り付けられるように位置調整をする必要がなく、蓋体2を本体1に簡単かつ短時間で取り付けることができる。
【0027】
また、図3に示すように、上記蓋体2を上記本体1に取り付けるとき、上記取付ブラケット10の取付部11を、上記ダンパ40およびヒンジピン20を内側に向けて、上記本体1に対して固定する。したがって、上記取付ブラケット10の取付部11を本体1に対して外側からビス19,19,19,19によって固定しやすいので、蓋体2を本体1に対して、より簡単かつ短時間で取り付けることができる。
【0028】
なお、上記実施形態では、上記ダンパ40は、円筒部41内に密封された粘性流体の流体摩擦抵抗によって、回転部42の回転に制動を掛けていたが、この発明では、磁気を用いて回転部の回転に制動を掛けるダンパ等を用いてもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、2つの上記ねじりバネ30,30が、蓋体2を開方向に付勢していたが、この発明では、板バネ等を用いてもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、2つの上記ねじりバネ30,30がヒンジピン20に取り付けられていたが、この発明では、ねじりバネの数は2つでなくても、例えば1つにしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 本体
2 蓋体
3 ダンパアッセンブリ
10 取付ブラケット
11 取付部
12 アーム部
13 反力部
20 ヒンジピン
30 ねじりバネ
40 ダンパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6