【実施例】
【0134】
[化合物例]
上記化合物いくつかを以下のように合成した。
【0135】
例1.化合物1の合成
【化32】
【0136】
3−ニトロジベンゾフランの合成
ジベンゾフラン(30g, 178 mmol)を276mLのトリフルオロ酢酸(TFA)に溶かし、氷水浴中で冷やした。発煙硝酸15g(約17 mL)を3mLの水で希釈し、次に25mLのTFA中に溶かし、ジベンゾフランの溶液に滴下により添加した。反応がほとんど直ぐに起こり、粘稠な明るい緑色の沈殿物が生じた。添加の終わりに、フラスコをさらに20分間撹拌し、次に氷の上に注いだ。明るい緑色の沈殿物を濾過してとり、2MのNaOHで洗い、乾燥させ、沸騰エタノールから再結晶して、30g(76%)の生成物を得た。
【0137】
【化33】
【0138】
3−アミノジベンゾフランの合成
3−ニトロベンゾフラン(30 g, 141 mmol)を500mLの酢酸エチル中で撹拌し、3gの10%Pd/Cをそのスラリーに添加した。反応混合物を30分間、50psiのH
2圧力で水素化した。反応混合物を小さなセライトパッドを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出液として9:1のDCM/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムを行った。最終的に単離された量は14.5g(56%収率)だった。
【0139】
【化34】
【0140】
2,4−ジブロモ−3−アミノジベンゾフランの合成
ジベンゾフラン−3−アミン(5.9 g, 32.2 mmol)を無水DMF(25 mL)に溶かし、室温にて、DMF(25 mL)中のN−ブロモコハク酸アミド(NBS)の溶液を滴下して添加した。この反応混合物を1時間撹拌し、沈殿物が生じ、これを濾過し、水で数回洗った。その沈殿物を塩化メチレンに溶かし、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離液としてヘキサン及び酢酸エチルを用いる短いシリカカラムによって精製して、10.0g(94%収率)の表題化合物を得た。
【0141】
【化35】
【0142】
2,4−ビス(イソプロペニル)ジベンゾ[b,d]フラン−3−アミンの合成
250mLのトルエン及び25mLのH
2O中の2,4−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−3−アミン(14.5 g, 42.5 mmol)、ベンズアルデヒド(4.96 g, 46.8 mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(1−プロペン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(21.44 g, 128 mmol)、及びリン酸カリウム(45.1 g, 213 mmol)の混合物に、20分間、N
2をバブリングした。ジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.698 g, 1.701 mmol)及びPd
2(dba)
3(0.389 g, 0.425 mmol)を次に添加し、その混合物をN
2下で14時間加熱還流させた。GC−MSは反応が終了したことを示した。室温に冷やした後、トルエン層をデカンテーションした。水層をトルエンで洗い、有機層を一緒にした。60mLの濃塩酸を添加した。その混合物を室温で1時間撹拌した。沈殿物を濾過によって集めた。その固体をジクロロメタンに溶かし、NaOHで中和し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒蒸発後、残留物を、溶媒として5〜10%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製した。6.6g(59%収率)の生成物が精製後に得られた。
【0143】
【化36】
【0144】
2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−3−アミンの合成
2,4−ビス(イソプロペニル)ジベンゾ[b,c]フラン−3−アミン(6.6 g, 25 mmol)をエタノール(150 mL)に溶かし、それに10%Pd/C(1.5 g)及び5%Pt/C(1.5 g)を添加し、50psiのH
2にて夜通し水素化した。GCは、オレフィンのアルカンへの完全な転化を示した。その反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、メチレンクロライドで洗った。濾液を濃縮して6g(90%収率)の所望の生成物を得た。
【0145】
【化37】
【0146】
1−(2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−3−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールの合成
N−(2−クロロエチル)ベンズアミド(4.12 g, 22.44 mmol)及び五塩化リン(7.01 g, 33.7 mmol)をm−キシレン中、窒素下で2時間還流させた。その反応混合物を室温まで冷やした。次にその反応物に2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−3−アミン(6 g, 22.44 mmol)を添加した。その反応物を16時間還流させた。室温まで冷やした後、沈殿物を濾過によって集め、トルエン及びヘキサンで充分に洗った。水酸化ナトリウム溶液をその固体に添加し、次に酢酸エチルを添加した。有機層を分離し、MgSO
4上で乾燥させた。溶媒を蒸発させた。7.4g(83%収率)の生成物を得た。
【0147】
【化38】
【0148】
1−(2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−3−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾールの合成
1−(2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−3−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(7.4 g, 18.66 mmol)を200mLのアセトニトリル及び100mLのジクロロメタン中に溶かした。過マンガン酸カリウム(5.90 g, 37.3 mmol)及びクレーK10(Clay K10)(12 g, 30.7 mmol)を乳鉢中で粉砕した。その固体を次に先の溶液に注意深く添加した。数分後に熱が発生した。反応物をTLCで監視した。反応物を1.5時間後にメタノールで失活させた。反応混合物を、セライトを通して濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物をカラムで精製した。5.3g(72%収率)の純粋な生成物が得られた。
【0149】
【化39】
【0150】
化合物1の合成
1−(2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−3−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾール(1.3 g, 3.30 mmol)及びトリス(アセチルアセトナート)イリジウム(III)(0.323 g, 0.659 mmol)をシュレンクチューブに入れた。1mLのトリデカンを添加した。その反応フラスコを排気し、窒素で戻した。この過程を3回繰り返した。反応物を68時間、窒素下で255度に加熱した。反応完了後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、セライト上にコーティングした。生成物は溶媒として2:3のジクロロメタン及びヘキサンを用いるカラムによって精製した。1.4g(56%収率)の生成物をカラムの後で得た。
【0151】
例2.化合物2の合成
【化40】
【0152】
2−ニトロジベンゾフランの合成
1Lの丸底フラスコに、1−ニトロ−4−フェノキシベンゼン(50 g, 232 mmol)、炭酸カリウム(3.21 g, 23.23 mmol)、酢酸パラジウム(2.61 g, 11.62 mmol)、及び280mLのピバリン酸を添加した。この混合物を空気中で120℃に加熱した。3日後、反応混合物を氷浴中で冷やした。125mLの50%水酸化ナトリウム溶液を時間をかけて分割してゆっくり添加した。その黒いエマルションを多量の水及び酢酸エチルで希釈し、セライトを通して濾過した。有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過した。溶媒を蒸発させ、セライト上に予め吸着させた。そのセライト混合物を、シリカゲルの詰め物によって、ヘキサン中10%〜50%のジクロロメタンで溶出させて精製した。36.4g(63%収率)の所望の生成物が得られた。
【0153】
【化41】
【0154】
2−アミノジベンゾフランの合成
Parr水素化瓶に、10%Pd/C(0.77 g, 0.724 mmol)を添加し、その瓶を窒素でパージした。次に、180mLの酢酸エチル中の2−ニトロジベンゾ[b,d]フラン(15 g, 44.3 mmol)を添加し、その溶液によって水素がそれ以上吸収されなくなるまでParr水素化器でその溶液を水素化した。触媒を、セライトを通して濾別し、酢酸エチルで洗った。濾液を蒸発させ、セライト上に予め吸着させた。そのセライト混合物を、ジクロロメタンで溶出させるVarian400gカラムを用いて精製した。10.9gの生成物が得られた。
【0155】
【化42】
【0156】
2−アミノ−1,3−ジブロモベンゾフランの合成
3つ口丸底フラスコ中で、ジベンゾ[b,d]フラン−2−アミン(20.8 g, 114 mmol)を160mLの無水DMFに溶かし、0℃に冷やした。200mLのDMF中のN−ブロモコハク酸イミド(NBS)(44.5 g, 250 mmol)の溶液を1時間かけて滴下して添加し、その溶液を1時間撹拌した。その溶液をシリカゲルを通して濾過し、ジクロロメタンを添加した。有機層を10%LiCl溶液で繰り返し洗ってDMFを除去した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、紫色の残留物になるまで蒸発させた。19.24g(50%収率)の生成物を得た。
【0157】
【化43】
【0158】
1,3−ジ(1−プロペン−2−イル)ジベンゾ[b,d]フラン−2−アミンの合成
三ツ口500mL丸底フラスコ中で、1,3−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−2−アミン(19.24 g, 56.4 mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(1−プロペン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(30 g, 179 mmol)、ジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(1.85 g, 4.51 mmol)、ベンズアルデヒド(5.7 mL, 56.4 mmol)、リン酸カリウム一水和物(52 g, 226 mmol)、トルエン(400 mL)、及び水(40 mL)を混ぜた。窒素をその混合物中に15分間直接バブリングし、次にPd
2(dba)
3(1.03 g, 1.13 mmol)を添加した。その混合物を夜通し加熱し還流させた。室温まで冷やした後、有機層を分離した。40mLの濃HClをその有機層に添加した。その混合物を1時間激しく撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液を添加して、その混合物を塩基性にした。有機層を分離し、1:1のジクロロメタン/ヘキサンで溶出させてシリカゲルの詰め物により精製し、19.1gの茶色いオイルを得た。
【0159】
【化44】
【0160】
1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−2−アミンの合成
500mLのParr水素化瓶に、1,2−ジ(1−プロペン−2−イル)ジベンゾ[b,d]フラン−2−アミン(19.1 g, 72.5 mmol)、10%パラジウムカーボン(5.7 g, 5.36 mmol)、5%白金カーボン(5.7 g, 1.46 mmol)、エタノール(180 mL)、及び酢酸(20 mL)を添加した。その混合物をParr水素化器で夜通し水素化した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、ジクロロメタンで洗った。濾液を茶色のオイルになるまで蒸発させた。そのオイルをジクロロメタンに溶かし、10%水酸化ナトリウムで洗い、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、茶色いオイルになるまで蒸発させた。そのオイルを、10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出させる200gVarianカラムを用いて精製した。6.55g(34%収率)の生成物を得た。
【0161】
【化45】
【0162】
1−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−2−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールの合成
250mLの丸底フラスコに、N−(2−クロロエチル)ベンズアミド(4.09 g, 22.27 mmol)及び90 mLのm−キシレンを添加した。次に、五塩化リン(6.96 g, 33.4 mmol)を注意深く添加した。反応混合物を窒素下で2時間加熱し還流させた。反応混合物を室温まで冷やし、30mLのm−キシレン中の1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−2−アミン(6.55 g, 24.50 mmol)を添加した。その反応混合物を窒素下で夜通し還流させた。反応混合物を氷浴中で冷やした。白色固体を濾過によって集めた。その固体をヘキサンで洗い、酢酸エチルに溶かし、10%水酸化ナトリウム溶液で2回洗った。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、白色固体になるまで蒸発させ、これを真空下で乾燥させた。4.78g(54%収率)の生成物を得た。
【0163】
【化46】
【0164】
1−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−2−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾールの合成
70mLのアセトニトリル及び70mLのジクロロメタン中の1−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−2−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(4.78 g, 12.05 mmol)を1Lの丸底フラスコに入れた。過マンガン酸カリウム(3.81 g, 24.11 mmol)を乳鉢及び乳棒で細かくした。モンモリロナイトKを添加し、その過マンガン酸カリウムとともに細かく粉砕した。この混合物を先の溶液に0.5時間かけて分割して添加した。反応を、最初の添加後1時間行った。100mLのメタノールを添加し、1時間撹拌した。セライトを通して固体を濾過した。その物質を、20%酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出させる200gVarianカラムを使用して精製した。2.1g(44%収率)の生成物をカラム後に得た。
【0165】
【化47】
【0166】
化合物2の合成
1−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−2−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾール(2.1 g, 5.32 mmol)及びトリス(アセチルアセトナート)イリジウム(III)(0.521 g, 1.065 mmol)をシュレンクチューブに入れた。1mLのトリデカンを添加した。反応フラスコを脱気し、窒素で戻した。この過程を3回繰り返した。反応物を窒素下で70時間、255度に加熱した。反応完了後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、セライト上にコーティングした。その生成物を2:3のジクロロメタン及びヘキサンを用いてカラムにかけた。1.0g(68%収率)の生成物をカラムの後で得た。
【0167】
例3.化合物3の合成
【化48】
【0168】
1−ニトロベンゾ[b,d]フランの合成
火炎で乾燥させた三ツ口フラスコ中で、CuI(10.3 g, 54.3 mmol)、
tBuOK(6.7 g, 60 mmol)を120mLのジメトキシエタン中で1時間撹拌した。その撹拌した溶液に280mLのピリジンを添加し、溶液が紫色に変わった。別のフラスコ中で、60mLのジメトキシエタンに2−ヨードフェノール(24.1 g, 109 mmol)及び
tBuOK(12.9 g, 115 mmol)を溶かし、先の反応フラスコに移した。固体の2,4−ジニトロジベンゾフラン(16 g, 95 mmol)を次にその反応フラスコに直ちに添加し、10分間撹拌した。反応混合物を次に2.5時間還流させた。完了後、反応混合物を冷やし、8MのH
2SO
4で注意深く失活させた。暗色溶液を、セライトを通して濾過し、その濾液を酢酸エチルと水の間で分配した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。一緒にした有機層を亜硫酸ナトリウム溶液、次にNa
2CO
3溶液で洗い、無水Na
2SO
4上で乾燥させた。有機溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、20%DCM/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。減圧下で有機溶媒を蒸発させて、目的化合物(13 g, 64%収率)を黄色固体として単離した。
【0169】
【化49】
【0170】
ジベンゾ[b,d]フラン−1−アミンの合成
1−ニトロジベンゾ[b,d]フラン(7.3 g, 34.2 mmol)及び730mgの10%Pd/Cを150mLの酢酸エチルに添加し、反応混合物を50psiで水素化した。反応混合物を次に濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、90%DCM/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。目的化合物(5.1 g, 82%収率)を灰白色固体として単離した。
【0171】
【化50】
【0172】
2,4−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−1−アミンの合成
ジベンゾ[b,d]フラン−1−アミン(5.1 g, 28 mmol)を120mLのDCMに溶かし、氷浴中で冷やした。撹拌したその溶液に、N−ブロモコハク酸イミド(10.9 g, 59 mmol)を少量ずつ添加した。完全に反応した後、未精製物を食塩水及びDCMに分配した。有機層をNa
2CO
3溶液、次に水で洗い、無水Na
2SO
4上で乾燥させた。粗生成物を次の反応に用いた。
【0173】
【化51】
【0174】
2,4−ジ(1−プロペン−2−イル)ジベンゾ[b,d]フラン−1−アミンの合成
170mLのトルエン及び水の9:1混合物に、2,4−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−1−アミン(6.5 g, 18.5 mmol)、イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(15.5 g, 92 mmol)、リン酸カリウム一水和物(17 g, 74 mmol)、ジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシビフェニル−3−イル)ホスフィン(0.6 g, 1.5 mmol)、ベンズアルデヒド(2 g, 18.5 mmol)を添加した。30分間窒素をバブリングさせて反応混合物を脱ガスし、Pd
2dba
3(0.34 g, 0.4 mmol)をこの時点で添加した。反応混合物をさらに10分間脱ガスし、次に3時間還流させた。粗反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、食塩水と酢酸エチルの間で分配した。酢酸エチル層を1N HCl、次に飽和Na
2CO
3溶液で洗い、最後に無水Na
2SO
4上で乾燥させた。粗生成物を40%DCM/ヘキサンを用いてシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。目的化合物(4.8 g, 99%収率)が明るい赤色オイルとして単離された。
【0175】
【化52】
【0176】
2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−1−アミンの合成
2,4−ジ(1−プロペン−2−イル)ジベンゾ[b,d]フラン−1−アミン(4.8 g
, 18.2 mmol)並びに5%Pt/C(0.48 g)及び10%Pd/C(0.48 g)を、エタノール(90 mL)及び酢酸(10 mL)の混合物に添加した。反応混合物を50psiにて夜通し水素化した。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、ほとんどの有機溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を酢酸エチルに溶かし、1N NaOHと酢酸エチルの間で分配し、酢酸を取り除いた。有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で蒸発させ、40%DCM/ヘキサンを用いるシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。目的化合物(3.3 g, 68 %)が白色結晶として単離された。
【0177】
【化53】
【0178】
1−(2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールの合成
N−(2−クロロエチル)ベンズアミド(2.1 g, 11.2 mmol)、PCl
5(3.5 g, 16.8 mmol)を、m−キシレン(100 mL)に溶かし、2時間還流させた。反応フラスコを室温まで冷やした後、2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,c]フラン−1−アミン(3.3 g, 12.3 mmol)をそこに添加し、反応混合物を夜通し還流させた。冷やした反応混合物から、白色沈殿物を濾別した。沈殿物を酢酸エチルに溶かし、酢酸エチルとNa
2CO
3水溶液との間で分配した。有機層を抽出し、減圧下で乾燥させた。目的化合物(4 g, 90%収率)はさらに精製することなく次の工程で用いた。
【0179】
【化54】
【0180】
1−(2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾールの合成
1−(2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(4.7 g, 12 mmol)を100mLのアセトニトリルに溶かした。その撹拌した溶液に、KMnO
4(3.8 g, 24 mmol)及び4gのモンモリロナイトK10クレーの微細な混合物を少量ずつ添加し、反応混合物を2時間撹拌した。最後に、反応をMeOHで失活させ、セライトパッドを通して濾過した。粗生成物を80%DMC/ヘキサンから80%DCM/酢酸エチルを用いてシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。3gの明るい黄色オイルを単離した。このオイルを、逆相クロマトグラフィーによってさらに精製した。目的化合物(1.3 g, 28%収率)を白色固体として単離した。
【0181】
【化55】
【0182】
化合物3の合成
1−(2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾール(1.2 g, 3 mmol)、Ir(acac)
3、及び100μLのトリデカンをシュレンクチューブに入れ、窒素でパージした。反応混合物を250℃に40時間加熱した。冷却した反応混合物を、1:1のDCM/ヘキサンを用いてシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた。昇華後、目的化合物(0.12 g, 14%収率)を黄色結晶として得た。
【0183】
化合物4の合成
【化56】
【0184】
N−(2−フェノキシフェニル)アセトアミドの合成
2−フェノキシアニリン(100 g, 540 mmol)、トリエチルアミン(0.090 L, 648 mmol)、及び1Lのジクロロメタンの混合物を、氷浴で0℃に冷やした。アセチルクロライド(0.04 L, 567 mL)を滴下して添加した。添加が完了した後、反応物を室温で2時間撹拌した。その混合物を濃縮し、ジクロロメタンで希釈した。有機層を水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラム(ヘキサン中20%EtOAc)によって精製して、赤茶色の油性固体のN−(2−フェノキシフェニル)アセトアミド(120 g, 98%収率)を得た。
【0185】
【化57】
【0186】
N−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミドの合成
N−(2−フェノキシフェニル)アセトアミド(120 g, 528 mmol)、炭酸カリウム(7.30 g, 52.8 mmol)、酢酸パラジウム(11.85 g, 52.8 mmol)、及びピバリン酸(539 g, 5280 mmol)の混合物を調製し、空気下で2日間105℃(内温)に加熱した。GC−MSは60%の生成物を示した。その反応物を115℃(内温)でさらに一晩撹拌した。反応物を次に室温に冷やし、飽和炭酸ナトリウム溶液で中和し、これを次にEtOAcで3回抽出した。抽出液を濃縮して粗生成物のN−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミド(90 g, 76%収率)を茶色の固体として得た。
【0187】
【化58】
【0188】
ジベンゾ[b,d]フラン−4−アミンの合成
N−(ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミド(90 g, 400 mmol)を、濃HCl(240 mL)及びメタノール(240 mL)の混合物中に懸濁させた。この反応物を2時間還流させ、次に室温まで冷やした。飽和炭酸ナトリウムを用いてその溶液を中和した。残留物を濾過によって集め、DCMに再溶解した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、その溶液を濃縮して、ジベンゾ[b,d]フラン−4−アミン(67 g, 92%収率)を茶色い固体として得た。
【0189】
【化59】
【0190】
1,3−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−4−アミンの合成
ジベンゾ[b,d]フラン−4−アミン(33.4 g, 182 mmol)をDMF(300 mL)に溶かし、氷浴で0℃に冷やした。1−ブロモピロリジン−2,5−ジオン(68.1 g, 383 mmol)をDMF(300 mL)に溶かし、その反応溶液に滴下して添加した。添加後、反応物を室温で夜通し撹拌した。次に、反応混合物をEtOAcで希釈し、10%LiCl溶液で3回、飽和炭酸水素ナトリウムで2回洗った。その有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(ヘキサン中15%未満のEtOAc)を使用して精製して、赤茶色固体の1,3−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−4−アミン(76 g, 122%収率、いくらかコハク酸イミドを含む)を得た。
【0191】
【化60】
【0192】
N−(1,3−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミドの合成
2Lの丸底フラスコ中、ジクロロメタン(800 mL)及びピリジン(180 mL, 2229 mmol)中の1,3−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−4−アミン(76 g, 223 mmol)を氷浴で冷やした。撹拌しながら、アセチルクロライド(31.7 mL, 446 mmol)を滴下して添加した。次に氷浴を取り除いた。反応物を室温で1時間撹拌した。残留物を濾過によって集め、水及びジクロロメタンで洗ってN−(1,3−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミド(60 g, 70.3%収率)を茶色固体として得た。
【0193】
【化61】
【0194】
N−(1,3−ジ(1−プロペン−2−イル)ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミドの合成
N−(1,3−ジブロモジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミド(55 g, 144 mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(1−プロペン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(72.4 g, 431 mmol)及び三塩基性リン酸カリウム(132 g, 574 mmol)をトルエン(800 mL)及び水(80 mL)中で混合した。この混合物を20分間窒素でバブリングした。次にPd
2(dba)
3(2.63 g, 2.87 mmol)及びジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(4.72 g, 11.49 mmol)をその反応混合物に添加した。さらに20分間、窒素でバブリングした後、反応物を窒素下で夜通し還流させた。室温まで冷やした後、有機層を水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲルカラム(ヘキサン中30%から50%EtOAc)の後、N−(1,3−ジ(1−プロペン−2−イル)ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミド(32.5 g, 74.1%収率)を茶色固体として得た。
【0195】
【化62】
【0196】
N−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミドの合成
500mLの水素化容器中で、エタノール(200 mL)に、N−(1,3−ジ(1−プロペン−2−イル)ジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミド(22.6 g, 74.0 mmol)、Pd/C,10%(3 g, 74 mmol)、及びPt/C,5%(3 g, 74.0 mmol)を添加した。2日間の反応後、その溶液をセライトの詰め物を通して濾過し、ジクロロメタンで洗った。濾液を濃縮して粗製N−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミド(18.8 g, 82%収率)を白色固体として得た。
【0197】
【化63】
【0198】
1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−アミンの合成
N−(1,3−ジイソプロプルジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)アセトアミド(15 g, 48 mmol)を濃HCl(125 mL)及びMeOH(125 mL)の混合物中に懸濁させた。この混合物を2時間還流させ、次に室温に冷やした。飽和炭酸ナトリウムを用いてその溶液を中和した。残留物を濾過によって集め、DCMに再溶解させた。硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、その溶液を濃縮して1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−アミン(10.5 g, 81%収率)を茶色固体として得た。
【0199】
【化64】
【0200】
1−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールの合成
N−(2−クロロエチル)ベンズアミド(6.3 g, 34 mmol)及びPCl
5(7.9 g, 38 mmol)をキシレン(75 mL)に懸濁させ、2時間還流させた。次に、1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−アミン(10 g, 38 mmol)を添加した。その混合物を夜通し還流させた。氷浴で冷却した後、沈殿物は全く観察されなかった。その混合物を濃縮し、残留物を少量のトルエン及びヘキサンで洗った。未精製の1−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(7.5 g, 19 mmol, 54.8%収率)をさらに精製することなく次に工程に用いた。
【0201】
【化65】
【0202】
1−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾールの合成
過マンガン酸カリウム(5.58 g, 35.3 mmol)及びモンモリロナイトK−10クレー(10 g)を混合し、細かく粉砕した。この混合物を、ジクロロメタン(50 mL)、アセトニトリル(150 mL)、及び1−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(7 g, 17.6 mmol)の、氷浴で冷やした混合溶液に、ゆっくり(約15分)添加した。次に、その反応物をさらに1時間撹拌し、20mLのエタノールを添加することによって失活させた。セライトの詰め物を通して濾過した。粗生成物を、シリカゲルカラム(ヘキサン中30%までのEtOAc)及びヘキサンからの再結晶によって精製した。1−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾール(2.6 g, 6.57 mmol, 37.2%収率)を白色固体として得た(99.8%HPLC)。
【0203】
【化66】
【0204】
化合物4の合成
Ir(acac)
3(0.620 g, 1.267 mmol)、1−(1,3−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]フラン−4−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾール(2.5 g, 6.34 mmol)及びトリデカン(1 mL)を、シュレンクチューブ中で混ぜた。注意深く真空にして窒素で戻すことを4回繰り返した後、反応物を250℃の砂浴中で3日間加熱した。粗生成物を、ヘキサン中80%までのジクロロメタンを用いるシリカカラムによって精製して、生成物(700 mg, 40.2%収率)を黄色固体として得た。
【0205】
化合物5の合成
【化67】
【0206】
2,4−ビス(2−メチル−1−プロペニル)ジベンゾ[b,d]フラン−3−アミンの合成
脱ガスしたトルエン(40 mL)に、2,4−ジブロモジベンゾフラン−3−アミン(1.5 g, 4.4 mmol)、ベンズアルデヒド(0.47 g, 4.4 mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(3.2 g, 17.6 mmol)、リン酸カリウム(6.08 g, 26 mmol)、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニル(0.28 g, 0.704 mmol)、Pd
2(dba)
3(0.161 g, 0.176 mmol)、及び水(6 mL)を順に添加した。この溶液を窒素雰囲気下で夜通し還流させ、次に室温まで冷やした。反応物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水相から分離した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、溶離液として酢酸エチル及びヘキサンを用い、シリカゲルを使用してクロマトグラフィーにかけた。溶媒を除去して1.05g(82%収率)の標題化合物を得た。
【0207】
【化68】
【0208】
2,4−ジイソブチルジベンゾ[b,d]フラン−3−アミンの合成
2,4−ビス(2−メチル−1−プロペニル)ジベンゾ[b,d]フラン−3−アミン(5.45 g, 18.7 mmol)をエタノール(150 mL)に溶かし、そこへ10%Pd/C(1.5 g)及び5%Pt/C(1.5 g)を添加し、夜通し、50psiのH
2で水素化した。GCはオレフィンのアルカンへの完全な転化を示した。その反応混合物をセライトの詰め物を通して濾過し、塩化メチレンで洗った。濾液を濃縮して5.3g(96%収率)の所望の生成物を得た。
【0209】
【化69】
【0210】
1−(2,4−ジイソブチルジベンゾ[b,d]フラン−3−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールの合成
N−(2−クロロエチル)ベンズアミド(3.1 g, 16.88 mmol)を窒素下で40mLの無水m−キシレンに溶かした。五塩化リン(5.27 g, 25.3 mmol)を次に注意深く添加し、その混合物を窒素下で2時間加熱還流させた。その溶液を室温まで冷やし、2,4−ジイソブチルジベンゾ[b,d]フラン−3−アミン(5.49 g, 18.57 mmol)を添加した。その反応混合物を20時間加熱還流させた。冷却後、沈殿物を濾過し、その固体のイミダゾリン生成物を集め、トルエン、次にヘキサンで洗った。得られた粗生成物を塩化メチレンに溶かし、50%NaOHで2回洗った。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して標題生成物を得た(5.5 g, 77%)。
【0211】
【化70】
【0212】
1−(2,4−ジイソブチルジベンゾ[b,d]フラン−3−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾールの合成
過マンガン酸カリウム(4.09 g, 25.9 mmol)及びK−10(8.1 g)を、細かく均一な粉末が得られるまで乳鉢中で一緒に細かくした。このKMnO
4−K−10粉末を少しづつ、CH
3CN(100 mL)中の1−(2,4−ジイソブチルジベンゾ[b,d]フラン−3−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(5.5 g, 12.9 mmol)の溶液に添加し、その混合物を室温で2時間撹拌した。エタノール(5 mL)を添加し、過剰な酸化剤を還元した。さらに30分間撹拌した後、その混合物をセライトの短いパッドを通して濾過し、その固体をCH
3CN(50 mL)で洗った。濾液を蒸発させ、得られた粗製物質をSiO
2上でのクロマトグラフィーによって精製して、所望のイミダゾールを得た(2.76 g, 50%)。
【0213】
【化71】
【0214】
化合物5の合成
1−(2,4−ジイソブチルジベンゾ[b,d]フラン−3−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾール(1.97 g, 4.67 mmol)、トリデカン(0.1 mL)、及びIr(acac)
3(0.44 g, 0.899 mmol)をシュレンクチューブに入れた。そのチューブを脱気し、窒素で再び満たした。この過程を3回繰り返した。反応物を40分間250℃まで加熱した。室温まで冷やした後、反応物をジクロロメタンで希釈し、溶離液として1:1のヘキサン及びジクロロメタンを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。0.7g(54%収率)の生成物を得た。
【0215】
例6.化合物13の合成
【化72】
【0216】
ジベンゾチオフェン−9−オキシドの合成
200mLのクロロホルム中の3−クロロ過安息香酸(22.38 g, 100 mmol)(mcpba)の溶液を、200mLのクロロホルム中のジベンゾ[b,d]チオフェン(18.4 g, 100 mmol)に、−30℃〜−35℃にて滴下して添加した。−30℃で1時間撹拌した後、反応混合物を室温まで温め、室温で1時間撹拌した。この混合物をセライトパッドを通して濾過し、残留物をNa
2CO
3水溶液を用いて中和した。反応混合物からの有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、溶離液として1:1のDCM/ヘキサンを用いるシリカゲルカラムを行った。固体生成物をエタノールからさらに再結晶して、白色のジベンゾチオフェン−9−オキシドを得た(14.6 g, 73%)。
【0217】
【化73】
【0218】
3−ニトロジベンゾチオフェン−9−オキシドの合成
ジベンゾチオフェン−9−オキシド(15 g, 74.9 mmol)を33mLの酢酸及び33mLの硫酸に溶かし、氷浴中で0℃に冷やした。36mLの発煙硝酸を15分間かけて滴下して添加した。反応混合物を30分間0℃で激しく撹拌した。次に、氷で冷やした水を添加し、黄色沈殿物が形成され、これを濾過し、多量の水で洗った。この沈殿物を塩化メチレンに溶かし、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。最後に、黄色固体をエタノールから再結晶して、3−ニトロジベンゾチオフェン−9−オキシド(11 g, 60%)を得た。
【0219】
【化74】
【0220】
3−アミノジベンゾチオフェンの合成
3−ニトロジベンゾチオフェン−9−オキシド(11 g, 44.9 mmol)を200mLの酢酸エチル中でスラリー化し、そのフラスコに5gの10%Pd/Cを添加した。反応混合物を45分間、50psiのH
2圧で水素化した。反応混合物を小さなセライトパッドを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶離液としてDCM/ヘキサンを用いるシリカゲルカラムを行い、所望する化合物を製造した(6.8 g, 76%)。
【0221】
【化75】
【0222】
2,4−ジブロモ−3−アミノジベンゾチオフェンの合成
3−アミノジベンゾチオフェン(6.8 g, 34.1 mmol)を無水DMF(25 mL)に溶かし、0℃に冷やした。DMF(30 mL)中のN−ブロモコハク酸イミド(NBS)の溶液を、反応フラスコにゆっくりと管を通して入れた。その反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次に水をその反応混合物に添加し、沈殿物が生じ、これを濾過し、水で数回洗った。その沈殿物を塩化メチレンに溶かし、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、溶離液としてヘキサン及び酢酸エチルを用いる短いシリカカラムで精製して、標題化合物を得た(12 g, 94%)。
【0223】
【化76】
【0224】
2,4−ジ(1−プロペン−2−イル)ジベンゾ[b,d]チオフェン−3−アミンの合成
脱ガスしたトルエン(200 mL)に、2,4−ジブロモジベンゾ[b,d]チオフェン−3−アミン(12.15 g, 34.0 mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(1−プロペン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(17.15 g, 102 mmol)、ベンズアルデヒド(3.61 g, 34.0 mmol)、リン酸カリウム(23.51 g, 102 mmol)、ジシクロへキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(1.676 g, 4.08 mmol)、及びPd
2(dba)
3(0.935 g, 1.021 mmol)、及び水(20 mL)を順に添加した。この溶液を窒素雰囲気下で夜通し還流させ、次に室温まで冷やした。反応物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水相から分けた。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。生成物を溶離液として酢酸エチル及びヘキサンを用い、シリカゲルを使用してクロマトグラフィーにかけた。溶媒を除去して標題化合物を得た(9.0 g, 95%)。
【0225】
【化77】
【0226】
2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]チオフェン−3−アミンの合成
2,4−ジ(1−プロペン−2−イル)ジベンゾ[b,d]チオフェン−3−アミン(9 g, 32.2 mmol)をエタノール(150 mL)に溶かし、9mLの酢酸を添加した。このフラスコに、10%Pd/C(9.0 g)及び5%Pt/C(9.0 g)を添加し、夜通し40psiのH
2にて水素化した。GCはオレフィンのアルカンへの完全転化を示した。その反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、塩化メチレンで洗った。濾液を濃縮して、7.5g(82%)の所望の生成物を製造した。
【0227】
【化78】
【0228】
1−(2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]チオフェン−3−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールの合成
N−(2−クロロエチル)ベンズアミド(4.3 g, 23.42 mmol)を窒素下で50mLの無水m−キシレンに溶かした。五塩化リン(7.31 g, 35.1 mmol)を次に注意深く添加し、混合物を窒素下で2時間加熱し還流させた。その溶液を室温まで冷やし、2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]チオフェン−3−アミン(7.30 g, 25.8 mmol)を添加した。その反応混合物を20時間加熱し還流させた。冷やした後、沈殿物を濾過し、その固体のイミダゾリン生成物を集め、トルエン、次にヘキサンで洗った。得られた粗生成物を塩化メチレンに溶かし、50%NaOHで2回洗った。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して標題化合物を得た(4.8 g, 50%)。
【0229】
【化79】
【0230】
1−(2,4−ジイソプロピルジベンゾ[b,d]チオフェン−3−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾールの合成
過マンガン酸カリウム(3.6 g, 23.27 mmol)及びK−10モンモリロナイト(7.2 g)を、細かく均一な粉末が得られるまで乳鉢中で一緒に細かくした。このKMnO
4−K−10粉末を少しづつ、CH
3CN(40 mL)中の1−(2,4−ジイソブチルジベンゾ[b,d]チオフェン−3−イル)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(4.8 g, 11.63 mmol)の溶液に添加し、その混合物を室温で2時間撹拌した。5mLのエタノールを添加して、過剰な酸化剤を還元した。さらに30分間撹拌した後、その混合物をセライトの短いパッドを通して濾過し、その固体を塩化メチレン(50 mL)で洗った。濾液を蒸発させ、得られた粗製物質をSiO
2上でのクロマトグラフィーによって精製して、所望のイミダゾールを得た(1.2 g, 25%)。
【0231】
【化80】
【0232】
化合物13の合成
1−(2,4−ジイソブチルジベンゾ[b,d]チオフェン−3−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾール(0.783 g, 1.907 mmol)及びトリス(アセチルアセトナート)イリジウム(III)(0.187 g, 0.381 mmol)をシュレンクチューブに入れた。0.2mLのトリデカンを添加した。その反応フラスコを排気し、窒素で戻した。この過程を3回繰り返した。その反応物を70時間、225度まで加熱した。終了後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、セライト上にコーティングした。生成物を、溶媒として2:3のジクロロメタン及びヘキサンを用いるカラムによって精製した。0.3g(55.4%収率)の生成物を精製後に得た。
【0233】
[デバイス例]
全てのデバイス例は、高真空(<10
−7Torr)熱蒸着によって作製した。アノード電極は、800Åのインジウム錫オキシド(ITO)である。カソードは、10ÅのLiFとそれに続く1000ÅのAlからなる。全てのデバイスは、作製後直ちに窒素グローブボックス(<1ppmのH
2O及びO
2)中でエポキシ樹脂を用いてシールしたガラス蓋で密封し、吸湿剤をそのパッケージ内に組み込んだ。
【0234】
デバイスの有機積層部はITO表面から順に、正孔注入層(HIL)として100ÅのE2、正孔輸送層(HTL)として300Åの4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、発光層(EML)として15%又は9%の発光ドーパント、例えば、化合物1及び13でドープした300ÅのH1、阻止層(BL)として50ÅのH1、そして電子輸送層(ETL)として400ÅのAlq
3(トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)、からなっていた。
【0235】
E1を発光ドーパントとして用いたことを除いて、比較デバイス例1をデバイス例1〜3と同様にして作製した。
【0236】
ここで用いるとおり、下記の化合物は下記の構造を有する。
【化81】
【0237】
OLEDの発光層のための特定の発光ドーパントを提供する。これらの化合物は、特に良好な特性を有するデバイスをもたらしうる。デバイス構造を表2に示し、対応するデバイスデータを表3に示す。
【0238】
【表24】
【0239】
【表25】
【0240】
デバイス例1〜3から、青色リン光OLED中の発光ドーパントとしての本発明の化合物は長いデバイス寿命を与えることがわかる。特に、本発明の化合物の寿命であるLT
80%(初期輝度L
0が、室温で2000cd/m
2の初期の明るさから、一定の電流密度において、その値の80%に低下するのに要する時間として定義される)は、E1と比較してかなり高い。具体的には、E1の155時間と比較して、化合物1及び13はそれぞれ320時間及び264時間の寿命を有する。
【0241】
化合物1、2、3、4、13、及びAの遷移寿命を表4に示す。ジベンゾフラン(すなわち、XがOである)及びジベンゾチオフェン(すなわち、XがSである)置換基をもつ化合物は、より短い遷移寿命を有することがわかった。特に、化合物1〜4及び13の77KでのPL遷移寿命は、これまでに報告された化合物について測定された寿命よりも短い。具体的には、化合物1〜4及び13は、3.2μsの寿命をもつE1と比較して、2.6μs未満の寿命を有していた(表4を参照されたい)。この短くなった遷移寿命は、これらの化合物の重要な光物性でありえ、なぜなら、より短い励起状態の寿命をもつ化合物は、より高い放射の割合を有するからである。理論に縛られないが、これらの化合物はデバイス中でより安定であることができ、なぜなら、その分子はその励起寿命において、より短い時間しか費やさないからである。したがって、光反応又は消光が起こりうることについての可能性が低い。そのため、これらの化合物は向上した寿命をもつデバイスをもたらしうる。
【0242】
【表26】
【0243】
本明細書に記載した様々な態様は例示の目的であり、本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解される。例えば、本明細書に記載した多くの物質及び構造は、本発明の精神から離れることなく、その他の物質及び構造で置き換えることができる。特許請求の範囲に記載した本発明は、したがって、本明細書に記載した具体的な例及び好ましい態様からの変形を含むことができ、それは当業者には明らかである。本発明が何故機能するのかについての様々な理論は限定することを意図していないことが理解される。