(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る濃縮装置について、この濃縮装置を備えた汚泥脱水システムとの関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
1.汚泥脱水システムの全体構成の説明
図1は、本発明の一実施形態に係る濃縮装置12を備えた汚泥脱水システム10の全体構成を示す側面図であり、
図2は、
図1に示す濃縮装置12の平面図である。
図1に示す汚泥脱水システム10は、上段の濃縮装置12で汚泥(例えば、下水汚泥)を重力ろ過した後、下段の脱水装置14で加圧脱水することにより脱水ケーキとして排出する汚泥処理設備である。濃縮装置12は、このように脱水装置14と組み合わされたシステム以外にも適用可能であり、濃縮装置12を単独で使用しても勿論よい。
【0020】
汚泥脱水システム10は、無端軌道で走行するろ布ベルト(ろ過体)16の上面16aで汚泥を重力ろ過(重力濃縮)するろ過部18を備えた濃縮装置12と、濃縮装置12で濃縮された汚泥を一対のろ布ベルト20,22間で挟持しながら搬送し、加圧脱水する脱水装置14と、システム全体を統括的に制御する制御装置(制御部)15とを備える。濃縮装置12の直前には、当該汚泥脱水システム10の前段設備から搬送され、高分子凝集剤(第1の薬剤)F1を汚泥中に混合するための凝集混和槽24が設けられている。高分子凝集剤F1としては、一般に公知のものを用いればよく、例えば、アニオン性高分子凝集剤やカチオン性高分子凝集剤が挙げられる。
【0021】
2.濃縮装置の説明
先ず、濃縮装置12について説明する。
【0022】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る濃縮装置12は、凝集混和槽24からろ布ベルト16の上面16aに投入された汚泥を重力ろ過するろ過部18と、ろ過部18で重力ろ過された汚泥を1次脱水ローラ26によって加圧脱水して下段の脱水装置14へと排出する加圧部28とを備える。ろ過部18の途中には、ろ布ベルト16による搬送方向と交差(
図2では直交)する方向に汚泥を移動させる移動機構30が設けられている。
【0023】
ろ過部18は、複数のローラ19a,19b,19c,19d,19eに巻き掛けられ、一方向に周回駆動される無端状のろ布ベルト16の上面(外周面)16aで構成され、ローラ19a,19e間に張られたろ布ベルト16の上面16aに汚泥が載置されることで、該汚泥に含まれる水分を重力によってろ過分離する手段である。
【0024】
ろ布ベルト16は、例えば、通水性を持った長尺帯状のろ布や、微細な孔部が網目状に複数形成された長尺帯状の金属スクリーン等によって構成され、十分な張力で各ローラ19a〜19eに巻き掛けられている。ろ布ベルト16は、制御装置15によって駆動制御される上駆動部29に備えられた図示しないモータ等の駆動源によって所定の駆動ローラ(例えば、ローラ19a)が回転駆動されることにより、
図1中に示す矢印の方向(
図1では反時計方向)に走行可能である。すなわち、
図1及び
図2において、右側(上流側)から左側(下流側)に向かう方向が濃縮装置12での汚泥の搬送方向となる。
【0025】
従って、ろ過部18の上流位置に凝集混和槽24の出口ポート24aから投入・載置された汚泥は、ろ布ベルト16によって下流側へと搬送されつつ、水分のみが重力によってろ布ベルト16を透過してろ過脱水され、ろ過された水分(分離液、ろ液)は、ろ液受皿32a,32bによって回収される(
図1参照)。
【0026】
ろ過部18を構成するろ布ベルト16の上面16aには、複数本(
図2では、移動機構30の前後に合計12本の構成を例示)の棒体34が立設されている。棒体34は、ろ布ベルト16上を搬送される汚泥に当接して分散させ、その水切りを促進するための障害物であり、その設置位置や本数、形状等は、適宜変更可能である。なお、スクリュー40a,40bの上流側に設置されている棒体34については、その一部を1次脱水ローラ26と同様なローラ(図示せず)に置き換えてもよい。その場合、該ローラとろ布ベルト16の間には若干の隙間を設けるとよく、該ローラは脱水用としてでなく簡易的な水切り用として用いられる。該ローラは複数あっても構わない。
【0027】
ろ過部18における移動機構30の上流側には、搬送される汚泥に対して鉄系の無機凝集剤(第2の薬剤)F2を添加する第2薬注装置(薬注装置、薬剤添加装置)36が設けられている。第2薬注装置36は、無機凝集剤F2を貯留する薬品タンク36aと、薬品タンク36aの出口から2方弁36bで分岐した第1ライン36c及び第2ライン36dとを備える。無機凝集剤F2としては、一般に公知のものを用いればよく、例えば、鉄系やアルミ系のものが挙げられる。
【0028】
図2に示すように、本実施形態では、第1ライン36aをさらに並列に2本に分岐させ、これら2本の第1ライン36c,36cを移動機構30の上流位置でろ布ベルト16の幅方向に渡って延在させ、ろ布ベルト16の両側部近傍にそれぞれ添加ノズル36eを設けている。
図1中に1点鎖線で示すように、第2ライン36dは、凝集混和槽24へと投入される汚泥に無機凝集剤F2を添加可能に配設されており、図示はしないが第1ライン36cの添加ノズル36eと同様な構成でよい。本実施形態の通常の運転状態では、制御装置15の制御下に、2方弁36bは第1ライン36c側に切換制御されている。
【0029】
一方、上記した高分子凝集剤F1は、本実施形態の通常の運転状態では、第1薬注装置(薬剤添加装置)38によって凝集混和槽24に投入される直前の汚泥に添加される。第1薬注装置38は、高分子凝集剤F1を貯留する薬品タンク38aと、薬品タンク38aの出口から2方弁38bで分岐した第1ライン38c及び第2ライン38dとを備える。
【0030】
図1に示すように、第1ライン38cは、凝集混和槽24へと投入される汚泥に対し、第2薬注装置36の第2ライン36dの下流位置で高分子凝集剤F1を添加可能に配設されている。
図2中に1点鎖線で示すように、第2ライン38dは、第2薬注装置36の第1ライン36dの上流位置でろ布ベルト16の幅方向に渡って延在し、ろ布ベルト16の両側部近傍にそれぞれ添加ノズル38eが設けられている。本実施形態の通常の運転状態では、制御装置15の制御下に、2方弁38bは第1ライン38c側に切換制御されている。
【0031】
通常の運転時、第1薬注装置38からの高分子凝集剤F1が添加された汚泥が導入される凝集混和槽24は、汚泥が貯留されるタンク24bと、タンク24b内の汚泥をモータ24cを駆動源として攪拌する攪拌羽根24dとを備える。攪拌羽根24dによってタンク24b内で高分子凝集剤F1が十分に混合された汚泥は、出口ポート24aからろ布ベルト16の上面16aに投入される。
【0032】
次に、このようなろ過部18の途中に設けられる移動機構30は、ろ布ベルト16上を搬送される汚泥を交差方向に移動させつつ、その幅方向寸法を縮小すると同時に汚泥高さを高くすることで圧密し、第2薬注装置36によって添加された無機凝集剤F2を十分に混練する。これにより、濃縮装置12及び脱水装置14での汚泥のろ過効率を向上させ、汚泥濃度を高めることを可能とする。
【0033】
移動機構(スクリューコンベア)30は、ろ布ベルト16の上面16aの上流側全面に向かって開口して汚泥を受け入れ可能となっており、ろ布ベルト16による搬送方向と交差(
図2では直交)する方向に汚泥を移動させる一対のスクリュー40a,40bと、スクリュー40a,40bの下流側に近接配置され、ろ布ベルト16の幅方向両端側にそれぞれ起立配置された一対の案内板42a,42bとを備える。移動機構30では、案内板42a,42b間の隙間(各スクリュー40a,40b間の隙間と略同一)が、当該移動機構30から下流側へと汚泥を排出するための通路(汚泥通路43)となっている。
【0034】
スクリュー40a,40bは、ろ布ベルト16による汚泥の搬送方向と直交する方向に延び、該ろ布ベルト16を幅方向に渡るスクリュー軸44と、スクリュー軸44の中央付近を除く両側方の外周面に、それぞれらせん状に設けられたスクリュー羽根41a,41bとを有する。
【0035】
スクリュー軸44は、制御装置15によって駆動制御されるスクリュー駆動部31に備えられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動され、制御装置15の制御下にろ布ベルト16の走行速度に対応した回転速度(回転数)に設定・制御される。このように、制御装置15の制御下に、ろ布ベルト16の走行動作とスクリュー軸44の回転速度とを同期制御することで、ろ布ベルト16による汚泥の搬送量や搬送速度と、スクリュー軸44の回転速度、つまりスクリュー40a,40bによる汚泥の移動速度や掻き取り速度との関係を容易に設定・制御することができる。
【0036】
各スクリュー40a,40bを構成するスクリュー羽根41a,41bは、ろ布ベルト16の幅方向両側方に寄った位置でスクリュー軸44の外周面にそれぞれ設けられ、互いの先端同士が案内板42a,42b間の隙間と同程度の隙間を介して対向している。各スクリュー羽根41a,41bのらせんの方向は、ろ布ベルト16の中心線で対照形状(逆向き)となっており、各スクリュー40a,40bによる汚泥の移動方向は、それぞれ反対方向に設定されている。このため、各スクリュー40a,40bは、互いにろ布ベルト16の幅方向で外側から内側(中央)に向かって汚泥を移動させ、その先端同士が前記隙間を介して離間した中央部では、両外側から移動された汚泥同士が互いに押し合って圧密され、無機凝集剤F2が汚泥中で十分に混練される。各スクリュー40a,40bは、共通のスクリュー軸44を用いた構成ではなく、それぞれ個別のスクリュー軸を用いた構成としてもよい。
【0037】
本実施形態の場合、スクリュー軸44の中央部、つまり各スクリュー40a,40b間で露出したスクリュー軸44の外周面に、ろ布ベルト16の幅方向中央側を搬送されてきた汚泥と、一対のスクリュー40a,40bによって中央に圧密された汚泥とを下流側へと円滑に排出するためのパドル45が複数枚設けられている。パドル45は、例えば、スクリュー軸44の外周面に周方向に沿って数枚一組で設けられた羽根車である。
【0038】
案内板42a,42bは、スクリュー40a,40bの下流側であって該スクリュー40a,40bと近接する位置で起立した壁部46と、壁部46の下端をろ布ベルト16による汚泥の搬送方向で上流側へと湾曲させて突出させることでスクリュー40a,40bの下方略半分を覆う底部47とを有する。各案内板42a,42bの中央側の端部には、ろ布ベルト16による汚泥の搬送方向に沿って下流側へと延びた一対の通路板48a,48bがそれぞれ設けられている。各案内板42a,42b間の隙間は、各スクリュー40a,40bによる汚泥の移動方向で前方側に位置しており、この隙間が下流側へと汚泥を排出するための汚泥通路43を形成している。
【0039】
壁部46は、スクリュー40a,40bの高さと同程度の高さに設定される板状部材であり、その高さは適宜変更可能である。底部47は、
図1に示すように、壁部46の下端から搬送方向で上流側に向かって、スクリュー40a,40bの略中心となる位置まで突出形成される板状部材であり、その長さや起立角度等は適宜変更可能である。案内板42a,42bを構成する壁部46や底部47には、微細な孔部を多数形成したスクリーン等を用いてもよい。
【0040】
各通路板48a,48bは、スクリュー羽根41a,41b間や案内板42a,42b間に形成される隙間と同幅の隙間を挟んで互いに対面するように起立設置されている。通路板48a,48bは、スクリュー40a,40bによってろ布ベルト16の中央付近に圧密された汚泥を、下流側への円滑に排出するための通路を形成する壁部材であり、壁部46と同程度の高さに設定される。なお、実際上、スクリュー40a,40bによって中央に圧密された汚泥は、ろ布ベルト16の走行により、一対の案内板42a,42b(壁部46)間に形成された汚泥通路43から下流側へと搬送されるため、通路板48a,48bは省略することもできるが、通路板48a,48bを設けると、中央に圧密され、高さを増した汚泥を下流側へとより円滑に搬送することができる。
【0041】
このような移動機構30の少し手前の上流側、例えば、移動機構30と、移動機構30の直前の棒体34との間となる位置には、ろ過部18を構成するろ布ベルト16上を搬送され、移動機構30に巻き込まれる前の汚泥の厚み(高さ)を測定するための測定器37が設置されている。
【0042】
測定器37は、例えば、ろ布ベルト16の両側部にそれぞれ設けられた発光部37a及び受光部37bからなる光センサである。これら発行部37a及び受光部37bが高さ方向に複数段(
図1では3段)設けられることにより、測定器37は、ろ布ベルト16上を搬送される汚泥の厚みを、例えば3段階で検出可能である。この測定器37の測定結果により、制御装置15は、ろ布ベルト16による汚泥の搬送量、つまり移動機構30への汚泥の投入量を演算・推測することができる。測定器37としては、ろ布ベルト16上を搬送される汚泥を上方からリニアに測定する距離センサ等を用いてもよい。
【0043】
加圧部28は、濃縮装置12の下方に配置された脱水装置14の前段脱水部(1次脱水部)を構成するものであり、ろ布ベルト16に対してその外周面が圧接配置される1次脱水ローラ26を備える。
【0044】
ろ過部18でろ過濃縮されると共に、移動機構30で無機凝集剤F2が十分に混練され、圧密によって高さを増した汚泥は、加圧部28で1次脱水ローラ26とろ布ベルト16との間で加圧脱水された後、加圧部28の出口(濃縮装置12の出口)から排出・落下され、次工程の脱水装置14に投入される。加圧部28は、移動機構30で圧密されて中央に集合させられた汚泥を潰し、ろ布ベルト16の幅方向に再び拡大させた状態で脱水装置14に送り出すことで、該脱水装置14に投入される汚泥の脱水面積を拡大させ、ここでの脱水効率を向上させる機能も有する。
【0045】
図1に示すように、加圧部28と、その下方の脱水装置14との間には、傾斜板49が配設されている。傾斜板49は、濃縮装置12から排出・落下した汚泥を、脱水装置14の投入位置となるろ布ベルト22上へと円滑に導くためのガイドである。
【0046】
3.脱水装置の説明
次に、脱水装置14について説明する。
【0047】
図1に示すように、脱水装置14は、濃縮装置12の出口から傾斜板49を介して投入された汚泥を一対のろ布ベルト20,22間で搬送しながら加圧脱水する脱水部50と、脱水部50で脱水された汚泥をさらに加圧し圧搾する圧搾部52とを備え、一般的なベルトプレス型脱水機と略同様な構成である。
【0048】
下側のろ布ベルト20は、例えば、通水性を持った長尺帯状のろ布や、微細な孔部が網目状に複数形成された長尺帯状の金属スクリーン等によって構成される。ろ布ベルト20は、十分な張力で複数のローラ21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,21i,21j,21k,21l,21m,21n間に巻き掛けられている。ろ布ベルト20は、制御装置15によって駆動制御される下駆動部33に備えられた図示しないモータ等の駆動源によって所定の駆動ローラ(例えば、ローラ21a)が回転駆動されることにより、
図1中に示す矢印の方向(
図1では時計方向)に走行可能である。
【0049】
略同様に、上側のろ布ベルト22についても、例えば、通水性を持った長尺帯状のろ布や、微細な孔部が網目状に複数形成された長尺帯状の金属スクリーン等によって構成される。ろ布ベルト22は、十分な張力で複数のローラ21o,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,21i,21j,21p,21q間に巻き掛けられている。ろ布ベルト22は、制御装置15によって駆動制御される下駆動部33に備えられた図示しないモータ等の駆動源によって所定の駆動ローラ(例えば、ローラ21o)が回転駆動されることにより、
図1中に示す矢印の方向(
図1では反時計方向)に走行可能である。
【0050】
ローラ21b〜21i間での下のろ布ベルト20と上のろ布ベルト22との外周面(表面)同士を上下に蛇行させながら当接(又は近接)配置した部分が、脱水部50を構成しており、この間で汚泥は十分に加圧脱水される。また、ローラ21j,21p間での下のろ布ベルト20と上のろ布ベルト22との外周面(表面)同士を当接(又は近接)配置した部分が、圧搾部52を構成しており、圧搾ローラとなるローラ21j,21p間で汚泥はさらに加圧されて圧搾され、所望の水分率の脱水ケーキとなって外部に排出される。
【0051】
脱水装置14の入口付近には、濃縮装置12の出口からろ布ベルト20上へと落下・投入された汚泥の高さをある程度均一化させ、ろ布ベルト20,22間に形成された脱水部50の入口50aへと円滑に導入するための均し板51が設けられている。均し板51は、濃縮装置12からろ布ベルト20上への汚泥の落下位置のやや下流側上方に配置され、入口50aに向かって次第に下方に傾斜したプレート部材であり、汚泥を下方に押さえつける方向に付勢された板ばね部材で形成してもよい。
【0052】
脱水装置14の出口には、ローラ21jの外周面を走行するろ布ベルト20に近接するように、後端下がりの傾斜姿勢で排出トレイ54が設置されている。脱水ケーキは排出トレイ54上を滑りながら排出される。排出トレイ54の上方には、ローラ21pの外周面を走行するろ布ベルト22に近接するように、後端上がりの傾斜姿勢でスクレバ(掻き取り板)56が設置されている。ローラ21j,21p間から排出トレイ54へと排出されず、上のろ布ベルト22に付着したままの汚泥は、スクレバ56によって掻き取られて排出トレイ54へと排出される。なお、下のろ布ベルト20に付着したままの汚泥は、排出トレイ54によって掻き取られ、そのまま排出トレイ54上を滑り落ちる。
【0053】
このような脱水装置14では、濃縮装置12からろ布ベルト20上に投入された汚泥は、入口50aから脱水部50を構成するろ布ベルト20,22間に引き込まれて挟持・加圧された状態で下流側へと搬送される。この間、水分のみが両ろ布ベルト20,22による加圧力によってろ布ベルト20を透過してろ過脱水され、さらに圧搾部52で圧搾された後、脱水ケーキとして排出トレイ54上に排出される。これら脱水部50及び圧搾部52でろ過された水分は、ろ布ベルト20を透過して落下し、ろ液受皿58によって回収される。
【0054】
図1に示すように、本実施形態に係る汚泥脱水システム10では、従来より一般的に用いられているシステムと異なり、濃縮装置12のろ布ベルト16と脱水装置14のろ布ベルト20,22とを兼用とせず、それぞれを独立した無端軌道で走行させる構成としている。このため、制御装置15の制御下に上駆動部29及び下駆動部34を適宜駆動制御することにより、前段の濃縮装置12のろ布ベルト16の走行速度と、後段の脱水装置14のろ布ベルト20,22の走行速度とを異なる速度に容易に制御することができる。この場合、濃縮装置12のろ布ベルト16の走行速度よりも、脱水装置14のろ布ベルト20,22の走行速度を遅く設定制御することが好ましい。すなわち、当該汚泥脱水システム10では、濃縮装置12に移動機構30を搭載しているため、従来の濃縮装置に比べて脱水率が大幅に高まっており、その結果、脱水装置14に投入される汚泥の量(ケーキ量)を大幅に減少させることができ、脱水装置14でのろ布ベルト20,22の走行速度を遅くしても、投入される汚泥全量を十分に脱水処理することが可能となっている。そして、脱水装置14でのろ布ベルト20,22の走行速度を遅くすることにより、その脱水時にろ布ベルト20,22間を通る時間を長くすることができ、脱水装置14をコンパクトな構成としつつも、高い脱水性能を得ることができる。
【0055】
4.制御装置及びその制御系統の説明
次に、制御装置15及び該制御装置15による制御系統について説明する。
【0056】
図3は、
図1に示す汚泥脱水システム10の制御装置12及びその制御系統の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置15は、駆動制御部60と、スクリュー制御部62と、測定器制御部64と、薬注装置制御部66とを備え、記憶部68に記憶された所定の制御プログラムに基づき、濃縮装置12及び脱水装置14の運転を制御しつつ脱水汚泥システム10の全体的な制御を行うコントローラである。
【0057】
図1〜
図3に示すように、駆動制御部60は、上駆動部29及び下駆動部33の運転を制御する。駆動制御部60には、上駆動部29及び下駆動部33を介してろ布ベルト16,20,22の走行速度等の情報がフィードバックされる。駆動制御部60は、このフィードバックされた情報と、スクリュー制御部62や測定器制御部64からのスクリュー回転速度や汚泥厚み(汚泥高さ)等の情報とに基づき、ろ布ベルト16,20,22の走行制御を行う。
【0058】
スクリュー制御部62は、スクリュー駆動部31の運転を制御する。スクリュー制御部62には、スクリュー駆動部31を介して移動機構30を構成するスクリュー40a,40b(スクリュー軸44)の回転速度等の情報がフィードバックされる。スクリュー制御部62は、このフィードバックされた情報と、駆動制御部60や測定器制御部64からのろ布ベルト16の走行速度や汚泥厚み等の情報とに基づき、スクリュー40a,40bの回転制御を行う。
【0059】
測定器制御部64には、測定器37による検出結果が送られる。これにより、制御装置15は、測定器37によって検出される汚泥の厚み情報と、記憶部68に予め記憶された汚泥の厚み情報から想定される汚泥の搬送量とに基づき、スクリュー40a,40bの最適な回転速度を演算・取得し、この回転速度をスクリュー制御部62に送信することができる。
【0060】
薬注装置制御部66は、第1薬注装置38及び第2薬注装置36の運転を制御する。薬注装置制御部66は、駆動制御部60から送られるろ布ベルト16の走行速度等の情報や、測定器制御部64から送られる汚泥の厚み等の情報に基づき、汚泥への第1薬注装置38及び第2薬注装置36からの高分子凝集剤F1及び無機凝集剤F2の添加量を制御し、さらに、制御装置15への入力設定に基づき、2方弁36b,38bを切換制御する。
【0061】
5.汚泥脱水システムの動作・制御方法及び作用効果の説明
次に、以上のように構成される汚泥脱水システム10の動作・制御方法及び作用効果について説明する。
【0062】
先ず、当該汚泥脱水システム10で濃縮・脱水する処理対象物である汚泥は、制御装置15を構成する薬注装置制御部66の制御下に、第1薬注装置38の第1ライン38cによって所定の高分子凝集剤F1が添加された状態で凝集混和槽24に導入される。凝集混和槽24のタンク24b内に導入された汚泥は、攪拌羽根24dによって十分に攪拌・混合されてフロック化し、出口ポート24aからろ布ベルト16の上面16aの上流側、つまり濃縮装置12の入口へと投入される。
【0063】
濃縮装置12に投入された汚泥は、走行するろ布ベルト16によってろ過部18を搬送され、途中で棒体34による水切り促進作用を受けながら重力ろ過(重力脱水)される。この間、
図2及び
図4(A)に示すように、ろ布ベルト16の幅方向で両側方を搬送される汚泥に対し、薬注装置制御部66の制御下に、第2薬注装置36の添加ノズル36eから所定の無機凝集剤F2が滴下されつつ、該汚泥は移動機構30に到達する。
【0064】
図4(A)に示すように、移動機構30では、ろ布ベルト16の幅方向で両側方を搬送され、無機凝集剤F2が搬送方向に連続する帯状に添加された汚泥は、各スクリュー40a,40bの回転に巻き込まれると、案内板42a,42bによって案内されつつ、中央部に向かって押し込まれながら移動する。この際、回転するスクリュー羽根41a,41bによって一定間隔で切断されつつ移動される小さな汚泥の各塊には、それぞれ無機凝集剤F2が付着している。
【0065】
無機凝集剤F2を伴いながらスクリュー40a,40bで移動された汚泥は、ろ布ベルト16の中央部(中心部)を搬送されてきた汚泥と混合される。同時に、各スクリュー40a,40bによる押出力によってろ布ベルト16の中央部で汚泥同士が押し潰され合って圧密される。これにより、汚泥は、その幅方向寸法が縮小して高さ(嵩)が増加した状態で、パドル45の回転力も付与されながら汚泥通路43を通って通路板48a,48b間から下流側へと排出され、この間にも、ろ布ベルト16による重力ろ過が継続されて所望の濃縮濃度まで濃縮される。なお、スクリュー40a,40bの前後位置においてもろ布ベルト16が走行しているため、パドル45を省略した構成としても、スクリュー40a,40bによって圧密された汚泥を、案内板42a,42b間の開口部である汚泥通路43から下流側へと円滑に排出することは勿論可能である。
【0066】
このような濃縮装置12による濃縮過程において、例えば、
図1及び
図2に示すように、ろ過部18の入口側にろ布ベルト16の幅方向で幅W1に広がって高さh1で投入された汚泥は、移動機構30から排出される際には、幅W1より狭い幅W2に縮小されるため、その平面視での表面積の低下分だけ高さ方向寸法が増して高さh2となり、十分に圧密された状態となっている。このため、汚泥の濃縮濃度は、一般的な濃縮装置で通常の重力ろ過のみを受けた場合に比べて大幅に高まる。また、移動機構30より下流側では汚泥高さが増しているため、その自重によって重力ろ過の効率が一層向上し、しかも無機凝集剤F2がスクリュー40a,40bによって十分に混練されている。従って、移動機構30までの時点で十分に脱水され濃縮された汚泥であっても、さらに重力ろ過による濃縮を促進することができる。さらに、スクリュー40a,40bで汚泥を中央部へと移動させる際に、案内板42a,42bとスクリュー羽根41a,41bの回転力とによって汚泥が移動しながら圧搾されるため、汚泥の濃縮がさらに高まることになる。この際、スクリュー40a,40bによって圧搾された汚泥の水分は、壁部46から底部47を伝って流れ、ろ布ベルト16によってろ過される。
【0067】
移動機構30によって圧密された汚泥は、その下流側の棒体34による水切り促進作用を受けつつ、さらに下流側へと搬送されて加圧部28に導入される。加圧部28に導入された汚泥は、1次脱水ローラ26とろ布ベルト16との間で挟持加圧されることで幅W2から幅W3へと広がり、高さh2より低い高さh3となりながら加圧脱水されて排出・落下し、傾斜板49上を滑って脱水装置14に投入される。このように、移動機構30で一旦圧密された汚泥を再び加圧部28で扁平に広げることにより、後工程である脱水装置14での汚泥の脱水面積を拡大し、その脱水効率を向上させることができる。
【0068】
脱水装置14の入口側に落下・投入された汚泥は、走行するろ布ベルト22で搬送されつつ均し板51で均された後、先ず、入口50aから脱水部50へと導入される。脱水部50において、汚泥は、蛇行する上下一対のろ布ベルト20,22間で挟持・加圧されて効率よく脱水されながら搬送され、次に圧搾部52に導入される。圧搾部52において、汚泥は、一対のろ布ベルト20,22間に挟持されつつ、圧搾ローラとなるローラ21j,21p間で強く加圧されて圧搾されて所望の水分率の脱水ケーキとなり、排出トレイ54からシステム外部へと排出される。
【0069】
以上のような汚泥脱水システム10の運転時、濃縮装置12では、制御装置15の制御下に、ろ布ベルト16による汚泥の搬送量に応じてスクリュー40a,40bの回転速度を制御し、これにより、スクリュー羽根41a,41bで削り取る汚泥量(ケーキ量、ケーキ厚み)を最適な量で一定化させ、スクリュー40a,40bでの無機凝集剤F2の混合度合い(均一性)を維持する制御が行われる。
【0070】
例えば、本実施形態の場合、制御装置15の記憶部68には、単位時間当たり或いはスクリュー1回転当たりにろ布ベルト16によってスクリュー40a(40b)に投入されるべき標準的な汚泥量(基準汚泥量)と、この基準汚泥量に対応するスクリュー40a(40b)の標準的な回転速度(基準回転速度)とが予め設定記憶されている。そして、濃縮装置12では、ろ布ベルト16による汚泥の搬送量が基準汚泥量よりも大きくなった場合に、スクリュー40a(40b)の回転速度を速くする。また、ろ布ベルト16による汚泥の搬送量が基準汚泥量よりも小さくなった場合には、スクリュー40a(40b)の回転速度を遅くすることも有効である。そうすると、
図4(A)に示すように、スクリュー40a(40b)への汚泥の巻き込み不良が生じることを防止でき、しかもスクリュー40a(40b)による汚泥の削り取り量が最適量(少量)で均一化されるため、該スクリュー40a(40b)で汚泥及び無機凝集剤F2を均一に且つ十分に混合することができる。
【0071】
なお、ろ布ベルト16による汚泥の搬送量が基準汚泥量よりも小さくなった場合にスクリュー40a(40b)の回転速度を遅くしなくても、スクリュー40a(40b)への汚泥の巻き込み不良が生じることはなく、また、スクリュー40a(40b)による汚泥の削り取り量も少量で均一化されるため、実用上特に問題を生じることはない。但し、汚泥の搬送量が基準汚泥量よりも小さくなった場合にスクリュー40a(40b)の回転速度を遅くする制御を行うと、スクリュー40a(40b)での汚泥の削り取り量を常に一定に保つことができ、濃縮装置12での濃縮濃度を安定化させることができる。
【0072】
一方、汚泥の搬送量に基づくスクリュー40a(40b)の回転速度制御を行ず、例えば、ろ布ベルト16による汚泥の搬送量が基準汚泥量よりも大きくなった場合にスクリュー40a(40b)の回転速度を基準回転速度のままとしておくものとする。そうすると、
図4(B)に示すように、スクリュー40a(40b)による汚泥の削り取り量が多量となって不均一なものとなるため、該スクリュー40a(40b)で汚泥及び無機凝集剤F2を均一に且つ十分に混合することが難しくなる可能性がある。しかも、スクリュー40a(40b)での汚泥の削り取り量が搬送量に追いつかなくなり、汚泥の巻き込み不良を生じる可能性もある。
【0073】
ここで、本実施形態では、ろ布ベルト16による汚泥の搬送量の検出方法として、2種類の検出方法が例示される。
【0074】
第1の検出方法としては、駆動制御部60及び上駆動部29によって検出されるろ布ベルト16の走行速度を利用する。すなわち、ろ布ベルト16の走行速度が標準的な走行速度(基準速度)より速い場合には汚泥の搬送量が多く、ろ布ベルト16の走行速度が基準速度より遅い場合には、汚泥の搬送量が少ないものと推測できる。この検出方法を適用した場合、制御装置15では、駆動制御部60及びスクリュー制御部62の制御下に、ろ布ベルト16の走行速度に応じてスクリュー40a(40b)の回転速度を制御する。具体的には、ろ布ベルト16の走行速度が基準速度より速い場合には、スクリュー40a(40b)の回転速度を該基準速度に対応して設定された基準回転速度より速くする。なお、必要に応じて、ろ布ベルト16の走行速度が基準速度より遅い場合にはスクリュー40a(40b)の回転速度を基準回転速度より遅くしてもよい。
【0075】
換言すれば、例えば、ろ布ベルト16の走行速度を基準速度より遅くし、スクリュー40a(40b)の回転速度を基準回転速度より速くしておけば、
図4(A)に示すように、スクリュー40a(40b)による汚泥の削り取り量を容易に最適量で均一化させることができる。さらに換言すれば、制御装置15について、ろ布ベルト16の走行速度を設定すると、この走行速度に応じて、汚泥を最適量で削り取ることができる回転速度でスクリュー40a(40b)が自動的に運転されるような運転パラメータを記憶部68に記憶しておいてもよく、この制御は、ろ布ベルト16とスクリュー軸44との間を図示しないギア機構等で連係させる構成とすることでも達成できる。この場合、例えば、ろ布ベルト16からスクリュー40a(40b)に供給される基準汚泥量を100とすると、スクリュー40a(40b)が100以上の汚泥量を移動可能な速度で回転制御されるとよい。
【0076】
第2の検出方法としては、測定器37及び測定器制御部64によって検出されるろ布ベルト16上での汚泥の厚みを利用する。すなわち、測定器37の検出結果により、スクリュー40a(40b)に投入される汚泥の厚みが標準的な厚み(基準厚み)より高い場合には汚泥の搬送量が多く、汚泥の厚みが基準厚みより低い場合には汚泥の搬送量が少ないものと推測できる。この検出方法を適用した場合、制御装置15では、測定器制御部64及びスクリュー制御部62の制御下に、ろ布ベルト16上で搬送される汚泥の厚みに応じてスクリュー40a(40b)の回転速度を制御する。具体的には、汚泥の厚みが基準厚みより高い(厚い)場合には、スクリュー40a(40b)の回転速度を該基準厚みに対応して設定された基準回転速度より速くする。なお、汚泥の厚みが基準厚みより低い(薄い)場合にはスクリュー40a(40b)の回転速度を基準回転速度より遅くしてもよい。
【0077】
換言すれば、例えば、ろ布ベルト16への汚泥投入量を抑え、ろ布ベルト16上で搬送される汚泥の厚みを基準厚みより低くし、スクリュー40a(40b)の回転速度を基準回転速度より速くしておけば、
図4(A)に示すように、スクリュー40a(40b)による汚泥の削り取り量を容易に最適量で均一化させることができる。
【0078】
なお、スクリュー40a(40b)の回転速度は、汚泥の搬送量の基準汚泥量からの増減幅と、この増減幅に対応するように予め記憶部68に設定記憶されたテーブルデータや数式等に基づき、例えば、スクリュー制御部62で演算し、適宜設定変更すればよい。また、基準汚泥量、基準回転速度、基準速度、基準厚みは、本発明を適用する実際の装置・システムの仕様や、処理対象となる汚泥の性状等に応じて、実験結果等に基づく最適なパラメータとして適宜設定すればよい。
【0079】
以上のように、本実施形態に係る濃縮装置12は、ろ過体であるろ布ベルト16による汚泥の搬送方向と交差する方向に延び、その回転によって汚泥をろ布ベルト16による搬送方向と交差する方向に移動させるスクリュー40a(40b)と、ろ布ベルト16による汚泥の搬送量に応じてスクリュー40a(40b)の回転速度を制御する制御装置15とを備える。
【0080】
従って、濃縮装置12では、汚泥の搬送量に応じてスクリュー40a(40b)の回転速度を制御することにより、スクリュー40a(40b)での汚泥の巻き込み不良等を防止することができる。しかも、スクリュー40a(40b)による汚泥の削り取り量を最適量で均一化させ、ろ布ベルト16上を搬送される汚泥をスクリュー40a(40b)によって円滑に移動させて混練することができるため、濃縮装置12での汚泥の濃縮濃度を高め、さらに汚泥脱水システム10での汚泥の脱水性能を向上させることができる。
【0081】
この場合、濃縮装置12では、ろ布ベルト16上を搬送される汚泥に対して、スクリュー40a(40b)より上流側で無機凝集剤F2を添加する第2薬注装置36を備える。このため、上記のように、汚泥の搬送量に応じてスクリュー40a(40b)の回転速度を制御することにより、スクリュー40a(40b)による汚泥の削り取り量を最適量で均一化させると共に、無機凝集剤F2を均一に混練することができ、汚泥の濃縮濃度を一層高めることができる。特に、汚泥中への適正添加量が少量に設定される鉄系の無機凝集剤F2を用いた場合であっても、該少量の無機凝集剤F2を容易に且つ十分に汚泥中に混ぜ込むことができる。
【0082】
濃縮装置12では、ろ布ベルト16による汚泥の搬送方向でスクリュー40a(40b)の下流側であって該スクリュー40a(40b)と近接する位置に、スクリュー40a(40b)による汚泥の移動を案内する案内板42a,42bを起立させている。従って、案内板42a,42bでせき止めながら汚泥をスクリュー40a,40bによって移動させることができるため、汚泥を一層均一に混練することができ、さらに、汚泥を圧搾することで、その濃縮濃度を一層高めることができる。
【0083】
案内板42a,42bは、スクリュー40a,40bによる汚泥の移動方向で前方側、つまり
図2では、各スクリュー40a,40bからろ布ベルト16の中央に向かう側に、該スクリュースクリュー40a,40bによって移動された汚泥を下流側へと通過させる開口となる汚泥通路43を有する。そして、移動機構30は、無機凝集剤F2が添加された汚泥をスクリュースクリュー40a,40bで移動させて汚泥通路43から下流側へと排出することにより、ろ布ベルト16上での汚泥の幅方向寸法を縮小させると同時に無機凝集剤F2を汚泥に混練する構成となっている。従って、移動機構30により、汚泥の高さを増加させながら無機凝集剤F2を混練し、下流側へと汚泥通路43から円滑に排出することができるため、汚泥の濃縮濃度をより一層高めながら、移動機構30がろ布ベルト16での汚泥の円滑な搬送を阻害することを防止できる。また、移動機構30による移動中にもろ布ベルト16での搬送力を受ける汚泥が、移動機構30で移動されることなく下流側へと流出することを案内板42a,42bによって防止できる。
【0084】
また、上記のような濃縮装置12を備える汚泥脱水システム10では、濃縮装置12から排出される汚泥を加圧脱水する脱水装置14を備え、濃縮装置12には、第1の薬剤(例えば、高分子凝集剤F1)が添加された汚泥を重力ろ過するろ過部18と、ろ過部18を搬送される汚泥に第2の薬剤(例えば、無機凝集剤F2)を添加する第2薬注装置36と、第2の薬剤が添加された汚泥をろ布ベルト16による搬送方向と交差する方向に移動させる移動機構30とを設けている。
【0085】
従って、汚泥脱水システム10では、濃縮装置12において、第1の薬剤が添加され、ろ過部18で重力ろ過されることである程度濃縮された汚泥に第2の薬剤を添加した後、移動機構30でろ布ベルト16の搬送方向と交差する方向に汚泥を移動させることにより、この移動時に汚泥を第2の薬剤と十分に混練し、さらに圧密することができ、濃縮装置12での汚泥の濃縮・脱水率を向上させ、濃縮濃度を高めることができる。さらに、第1の薬剤を添加して濃縮した後に、第2の薬剤を添加する第2薬注装置36と、この第2の薬剤を混練する移動機構30とを濃縮装置12に設け、その後段に汚泥を加圧脱水する脱水装置14を設けたことにより、高分子凝集剤F1や無機凝集剤F2の使用量を少なくしながらも、コンパクトな構成で汚泥の含水率を大幅に低下させ、汚泥の濃縮濃度をさらに高めることが可能となっている。この際、汚泥脱水システム10では、前段の濃縮装置12のろ布ベルト16の走行速度よりも、後段の脱水装置14のろ布ベルト20,22の走行速度を遅く設定制御し、脱水装置14での汚泥の脱水性能を向上させることができる。
【0086】
また、濃縮装置12は、移動機構30の下流側に配置され、移動機構30で幅方向寸法が縮小されて汚泥通路43より送出される汚泥を加圧脱水すると同時に汚泥の幅方向寸法を拡大させた後、脱水装置14へと排出する加圧部28を有する。これにより、2つの薬剤を添加され、移動機構30で圧密された汚泥を加圧部28で再び扁平に広げてから脱水装置14に送出することができるため、脱水装置14に導入される汚泥の脱水面積が拡大され、そこでの脱水効率が一層向上する。
【0087】
上記した濃縮装置12では、スクリュー40a,40bを備えた移動機構30をろ布ベルト16による汚泥の搬送方向で1セットのみ設置した構成を例示したが、例えば、
図5に示すように、移動機構30の下流側に別の移動機構30aを追加した濃縮装置12aとして構成してもよい。
【0088】
移動機構(スクリューコンベア)30aは、移動機構30と同様な構成であり、ろ布ベルト16による搬送方向と交差(本実施形態では直交)する方向に汚泥を移動させる一対のスクリュー40a,40bと、スクリュー40a,40bの下流側に近接配置され、ろ布ベルト16の幅方向両端側にそれぞれ起立配置された一対の案内板42a,42bと、通路板48a,48bとを備える。ろ布ベルト16による汚泥の搬送方向で上流側に設置された移動機構30と下流側に設置された移動機構30aとの間には、棒体34を適宜設置しておくことにより、上流側の移動機構30で一旦圧密された汚泥を幅方向に分散させた状態で下流側の移動機構30aに導入することができ、さらなる圧密と脱水とが可能となる。移動機構30,30a間の棒体34を図示しないローラに置き換えても勿論よい。
【0089】
移動機構30aを構成するスクリュー40a,40bのスクリュー軸44についても、移動機構30のものと同様、スクリュー駆動部31に備えられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動され、制御装置15の制御下に所定の回転速度(回転数)に設定・制御される。
【0090】
このような濃縮装置12aでは、移動機構30aのスクリュー40a,40bは、ろ布ベルト16による汚泥の搬送方向で上流側に設置された移動機構30のスクリュー40a,40bと異なる回転速度、好ましくは、上流側の移動機構30のものより遅い回転速度で回転駆動される。すなわち、ろ布ベルト16で搬送される汚泥は、上流側の移動機構30より下流側の移動機構30aで濃度が高く、つまり含水率が低くなり、このためボリュームが少なくなっている。そこで、下流側の移動機構30aではスクリュー40a,40bを上流側のものよりもゆっくりと回すことで回転中の脱水効果を向上させることができ、しかも移動機構30aで汚泥の移動が滞ることもない。
【0091】
なお、
図5では、移動機構30の下流側に移動機構30aを設けた構成を例示したが、移動機構30aは移動機構30の上流側に設けてもよく、この場合には、例えば、上流側の添加ノズル36eの下流側の添加ノズル36eとの間に移動機構30aを設置し、無機凝集剤F2を各移動機構30,30aでそれぞれ十分に混練できるようにしてもよい。また、
図5では、汚泥の搬送方向でスクリュー40a,40bを移動機構30,30aの2セット設けた構成を例示したが、スクリュー40a,40bは汚泥の搬送方向で3セット以上設置してもよく、この場合、例えば、少なくとも任意の2セットについて上流側のスクリュー40a,40bと下流側のスクリュー40a,40bの回転速度が異なるように設定するとよく、より好ましくは、複数のスクリュー40a,40bのうち、最も上流側のスクリュー40a,40bの回転速度よりも最も下流側のスクリュー40a,40bの回転速度を遅くするとよく、さらには、上流側から下流側に向かってスクリュー40a,40bの回転速度を段階的に遅くするようにしてもよい。
【0092】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0093】
例えば、
図2では、移動機構30を構成するスクリュー40a,40b及び案内板42a,42bをろ布ベルト16による汚泥の搬送方向に直交する方向に設置した構成を例示したが、これらスクリュー40a,40b及び案内板42a,42bは汚泥の搬送方向に対して傾斜させた姿勢としてもよい。また、移動機構30は、ろ布ベルト16の幅方向に渡った1本のスクリューによって構成しても勿論よい。