(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流体が流れる通路内に配設されかつ、当該通路を複数のチャンネルに区画する側壁が、前記流体の流れ方向に直交する並び方向に所定ピッチで配置されて構成されたコルゲートフィンと、
前記コルゲートフィンによって区画された複数の前記チャンネルのそれぞれに挿入されかつ、前記流体の流れ方向に延びるように構成された触媒担持体と、を備え、
前記コルゲートフィンは、前記触媒担持体が挿入配置される所定の触媒挿入領域を構成する第1のコルゲートフィンと、当該第1のコルゲートフィンに突き合わせて配置されかつ、前記触媒挿入領域に隣接する触媒非挿入領域を構成する第2のコルゲートフィンと、を含んでおり、
前記第1のコルゲートフィン側から第2のコルゲートフィン側を、前記チャンネルに沿って見たときに、前記第1のコルゲートフィンと前記第2のコルゲートフィンとの突き合わせ端面において、前記第1のコルゲートフィンの隣り合う側壁同士の間に、前記第2のコルゲートフィンの側壁の少なくとも一部が位置するように構成されている触媒反応器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3に記載されているような触媒反応器は、触媒担持体が性能低下したときに交換を可能にするため、各チャンネル内に挿入した触媒担持体は固定をすることができない。そのため、本願発明者らの検討によれば、触媒反応器を輸送している最中に、触媒担持体がチャンネル内で流体の流れ方向に動いて位置がずれたり、その使用中に、チャンネル内を流れる流体力によって動いたり、例えば船上等の使用環境においては、触媒反応器が動くことに伴い触媒担持体の位置がずれたりする場合がある。
【0007】
触媒反応器において触媒担持体の位置がずれてしまうと、意図しない箇所において触媒反応が起こってしまったり、また触媒反応器が、チューブプレートを挟んで隣り合う通路内のそれぞれに触媒担持体を配置するような構成であれば、そのチューブプレートを挟んで隣り合う通路同士において触媒担持体の位置が相対的にずれてしまうことで、触媒反応が低下したりする虞がある。
【0008】
尚、特許文献1や特許文献2に記載されている技術は、熱交換器の熱交換効率に鑑みてフィン間の流れを制御するためにフィンの配置を工夫するものであり、触媒反応器における触媒坦治担持体の配置とは無関係である。
【0009】
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コルゲートフィンによって区画された複数のチャンネルのそれぞれに、触媒担持体を挿入して構成された触媒反応器において、触媒担持体がチャンネル内で移動してしまうことを防止して、触媒反応器の性能低下を回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者らは、前記の課題を解決すべく、様々な構造についての検討を行った。例えば触媒反応器のコア内に設けられるディストリビュータフィンは、概略三角形状のコルゲートフィンによって構成され、このディストリビュータフィンと、触媒担持体が挿入されるコルゲートフィンとの境界は、流体の流れ方向に対して斜めに設けられる。そこで、この斜めになった境界に、触媒担持体の端面が当接するように、各チャンネル内に触媒担持体を挿入することが考えられる。こうすることで、触媒担持体の位置は、斜めに設けられたディストリビュータフィンとの境界によって規制されるようになる。ところがこのような構成では、ディストリビュータフィンにおける各チャンネルの開口を触媒担持体の端部が塞いでしまう場合が起こり得ることに、本願発明者らは気づいた。また、コルゲートフィンとディストリビュータフィンとの斜めの境界において、触媒担持体の位置決めを行うときには、各チャンネルに挿入する触媒担持体の長さが、複数のチャンネル間で異なることにもなり、その結果、コアを通過する流体に偏流が生じ得ることが判った。触媒反応器における偏流は、性能の低下を招く。
【0011】
そこで、本願発明者らは、コルゲートフィンとディストリビュータフィンとの境界で触媒担持体の位置決めを行うのではなく、コルゲートフィンを、触媒担持体が挿入配置される所定の触媒挿入領域を構成する第1のコルゲートフィンと、第1のコルゲートフィンに突き合わせて配置されかつ、触媒挿入領域に隣接する触媒非挿入領域を構成する第2のコルゲートフィンとを含むようにし、その第1のコルゲートフィンと第2のコルゲートフィンとの配置構成を工夫することにより、第1のコルゲートフィンと第2のコルゲートフィンとの突き合せ端面において、第1のコルゲートフィンによって区画される各チャンネル内に挿入した触媒担持体の位置決めを行うようにした。
【0012】
具体的にここに開示する技術は、触媒反応器に係り、この触媒反応器は、流体が流れる通路内に配設されかつ、当該通路を複数のチャンネルに区画する側壁が、前記流体の流れ方向に直交する並び方向に所定ピッチで配置されて構成されたコルゲートフィンと、前記コルゲートフィンによって区画された複数の前記チャンネルのそれぞれに挿入されかつ、前記流体の流れ方向に延びるように構成された触媒担持体と、を備える。
【0013】
そして、前記コルゲートフィンは、前記触媒担持体が挿入配置される所定の触媒挿入領域を構成する第1のコルゲートフィンと、当該第1のコルゲートフィンに突き合わせて配置されかつ、前記触媒挿入領域に隣接する触媒非挿入領域を構成する第2のコルゲートフィンと、を含んでおり、前記第1のコルゲートフィン側から第2のコルゲートフィン側を、前記チャンネルに沿って見たときに、前記第1のコルゲートフィンと前記第2のコルゲートフィンとの突き合わせ端面において、前記第1のコルゲートフィンの隣り合う側壁同士の間に、前記第2のコルゲートフィンの側壁の少なくとも一部が位置するように構成されている。
【0014】
この構成によると、触媒担持体は、第1のコルゲートフィンによって区画される複数のチャンネルのそれぞれに挿入され、チャンネル内を流体が流れる際に触媒反応が行われる。そうして、第1のコルゲートフィンと、これに突き合わせて配置する第2のコルゲートフィンとは、第1のコルゲートフィンの隣り合う側壁同士の間に第2のコルゲートフィンの側壁の少なくとも一部が位置するように構成されている。このことを言い換えると、第1のコルゲートフィンによって区画されかつ、触媒担持体が挿入された各チャンネルの開口に対して、第2のコルゲートフィンの側壁の少なくとも一部が相対して位置することになる。そのため、触媒担持体が流体の流れ方向に移動をしようとしても、触媒担持体の端面と第2のコルゲートフィンの側壁とが干渉し合う。その結果、触媒担持体が、各チャンネルの開口を通じて移動をしてしまうことが回避される。触媒担持体は、所定の触媒挿入領域に確実に位置付けられ、そこから移動することが規制されるから、触媒反応が良好になる。
【0015】
また、この構成では、第1のコルゲートフィンと、これに突き合わした第2のコルゲートフィンとの端面で、触媒担持体の配置位置を規制するから、各チャンネル内に挿入する触媒担持体の長さを互いに同じ長さに設定することが可能になる。このことは、複数のチャンネル間で圧力損失に差が生じることを抑制して、偏流の発生を抑制する。
【0016】
こうして、前記の触媒反応器は、触媒反応を良好にしつつ、偏流の発生を抑制することで、性能低下が回避される。
【0017】
尚、前記の構成は、第1のコルゲートフィンの端面と、第2のコルゲートフィンとの端面同士が突き合わされていれば触媒担持体の配置位置を規制することができ、第1のコルゲートフィンの全体と、第2のコルゲートフィンの全体とを正対するように配置する必要はない。例えば第2のコルゲートフィンの形状如何によっては、第1のコルゲートフィンに対し、斜め方向に延びるよう第2のコルゲートフィンを配置することも可能である。
【0018】
ここで、触媒反応器は、チューブプレートを挟んだ2つの通路を設け、その各通路に配設したコルゲートフィンにより区画される複数のチャンネルのそれぞれに、触媒担持体を挿入した構成としてもよい。このような構成において、第1のコルゲートフィンと第2のコルゲートフィンとの突き合わせ端面において触媒担持体の位置決めを行うことは、チューブプレートを挟んで隣り合う通路間において、触媒担持体の相対的な位置ずれの防止が可能になるから、触媒反応の低下を抑制して、触媒反応器の性能が低下することを回避し得る。
【0019】
前記第2のコルゲートフィンは、前記第1のコルゲートフィンの側壁のピッチよりも小さいピッチに構成されており、前記第2のコルゲートフィンの各側壁は、前記第1のコルゲートフィンと前記第2のコルゲートフィンとの突き合わせ端面において、前記第1のコルゲートフィンの側壁に対し、前記並び方向にずれて配置されている、としてもよい。
【0020】
こうすることで、第2のコルゲートフィンのピッチが、第1のコルゲートフィンのピッチよりも小さいため、第1のコルゲートフィンと第2のコルゲートフィンとを突き合わせて配置したときには、第1のコルゲートフィンの側壁同士の間に、第2のコルゲートフィンの側壁が位置するようになる。その結果、第1のコルゲートフィンの各チャンネルに挿入された触媒担持体は、第2のコルゲートフィンの側壁と干渉するようになる。
【0021】
前記第2のコルゲートフィンは、前記第1のコルゲートフィンの側壁のピッチと同じピッチに構成されており、前記第2のコルゲートフィンは、その各側壁が、前記第1のコルゲートフィンと前記第2のコルゲートフィンとの突き合わせ端面において、前記第1のコルゲートフィンの側壁に対し前記並び方向にずれるように、前記第1のコルゲートフィンに対し位相をずらして配置されている、としてもよい。
【0022】
こうすることで、第1のコルゲートフィンと同ピッチの第2のコルゲートフィンは、第1のコルゲートフィンに対して位相をずらして配置しているため、第1のコルゲートフィンの側壁同士の間に、第2のコルゲートフィンの側壁が位置するようになる。その結果、第1のコルゲートフィンの各チャンネルに挿入された触媒担持体は、第2のコルゲートフィンの側壁と干渉するようになる。
【0023】
前記第1のコルゲートフィン及び第2のコルゲートフィンは共に、各チャンネルの横断面が台形又は逆台形となるように、各側壁が前記並び方向に対して傾斜しており、前記第2のコルゲートフィンは、前記第1のコルゲートフィンに対して表裏が逆向きになるように配置されている、としてもよい。
【0024】
こうすることで、第1のコルゲートフィンの傾斜した側壁と、第2のコルゲートフィンの逆向きに傾斜した側壁とが、第1のコルゲートフィンと第2のコルゲートフィンとの突合せ端面において、交差するように配置されるから、第1のコルゲートフィンの側壁同士の間に、第2のコルゲートフィンの側壁の一部が位置するようになる。その結果、第1のコルゲートフィンの各チャンネルに挿入された触媒担持体は、第2のコルゲートフィンの側壁と干渉するようになる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、前記の触媒反応器によると、第1のコルゲートフィンの隣り合う側壁同士の間に第2のコルゲートフィンの側壁の少なくとも一部が位置するように、第1のコルゲートフィンと第2のコルゲートフィンとを突き合わせると共に、その第1のコルゲートフィンによって区画される各チャンネルに触媒担持体を挿入することによって、触媒担持体が動いてしまうことを回避して触媒反応を良好にしつつ、各チャンネルに挿入される触媒担持体の長さを等しくすることが可能になって、複数のチャンネル間で圧力損失差が発生することが抑制されるから、偏流の発生と、触媒反応器の性能低下とが抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、触媒反応器の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は例示である。
図1は、実施形態に係る触媒反応器1の構成を概略的に示しており、
図2は、
図1のII−II断面の一部を示している。尚、説明の便宜上、
図1における紙面上下方向をX方向、左右方向をZ方向、紙面に直交する方向をY方向と呼ぶと共に、各図において、紙面における上側を上、下側を下と呼ぶ場合がある。但し、以下の説明における「上」や「下」が、実際の触媒反応器における上や下に対応しないこともある。
【0028】
この触媒反応器1は、基本的にはプレートフィン型の熱交換器と同じ構造のコア2を有している。コア2は、
図2にその一部を示すように、第1流体が流れる複数の第1通路21と第2流体が流れる複数の第2通路22とを、チューブプレート23を介在しつつ、Y方向に交互に積層することで構成されている(尚、
図2においては、一つの第1通路21と、一つの第2通路22とだけを図示している)。
【0029】
第1流体は、
図1に実線の矢印で示すように、コア2の上端面から第1通路21内に流入してコア2内を下向きに流れた後、コア2の下端部における側面からZ方向に流出するように構成されている。第2流体は、
図1に白抜きの矢印で示すように、コア2の下端面から流入してコア2内を上向きに流れた後、コア2の上端部における側面からZ方向に流出するように構成されている。このように、コア2は、第1流体と第2流体とがX方向に対向して流れる対向流型に構成されている。但し、コア2の構成はこれに限らず、第1流体と第2流体との流れ方向が互いに並行に設定された並行流型としてもよいし、第1流体と第2流体との流れ方向が互いに直交する直交流型としてもよい。
【0030】
コア2における各第1通路21内には、
図2に示すように、コルゲートフィン211が配設されている。このコルゲートフィン211によって、各第1通路21は、Z方向に並ぶと共に、それぞれX方向に延びる複数のチャンネルに区画されている。また、各第2通路22内にも、コルゲートフィン221が配設されており、このコルゲートフィン221によって各第2通路22もまた、Z方向に並ぶと共に、それぞれX方向に延びる複数のチャンネルに区画されている。第1通路21及び第2通路22内に配置されるコルゲートフィン211、221は、チューブプレート23に当接する上壁2111、2211及び下壁2112、2212と、上壁2111、2211及び下壁2112、2212を互いに連結するように、Y方向に真っ直ぐに延びる側壁2113、2213とを有して構成されている。第1通路21及び第2通路22において、上壁2111、2211又は下壁2112、2212、2つの側壁2113、2213、及びチューブプレート23によって区画される各チャンネルは、ほぼ長方形状の横断面形状を有している。尚、チャンネルの横断面形状は、この形状に限定されるものではない。
【0031】
各第1通路21内にはまた、
図1に概念的に示すように、コア2の下端部に対応する流出側に、三角形状に切り出されたディストリビュータフィン212が配設されている。ディストリビュータフィン212は、第1通路21内の流れ方向を、X方向の下向きからZ方向の水平向き(
図1の紙面左向き)へと変更する。また、各第2通路22内にも、コア2の上端部に対応する流出側に、三角形状のディストリビュータフィン222が配設されており、これによって、第2通路22内の流れ方向が、X方向の上向きから、Z方向の水平向き(
図1の紙面右向き)へと変更されている。こうしてコア2の上端面が第1流体の流入面31になると共に、コア2の下部における側面が第1流体の流出面32になる。一方、コア2の下端面が第2流体の流入面33になると共に、コア2の上部における側面が第2流体の流出面34になる。
【0032】
コア2に対し、第1流体の流入面31には、第1流体を各第1通路21の各チャンネルに分配して流入させるための、流入ヘッダータンク41が取り付けられている。流入ヘッダータンク41には、第1流体が流入する流入ノズル411が取り付けられている。一方、コア2における、第1流体の流出面32には、各第1通路21の各チャンネルを通過した第1流体を集合させて流出させるための、流出ヘッダータンク42が取り付けられている。流出ヘッダータンク42には、第1流体が流出する流出ノズル421が取り付けられている。また、第2流体の流入面33には流入ヘッダータンク43が取り付けられると共に、第2流体の流出面34には流出ヘッダータンク44が取り付けられる。第2流体の流入ヘッダータンク43及び流出ヘッダータンク44は、第1流体の流入ヘッダータンク41及び流出ヘッダータンク42と同じ構成であり、それぞれ、流入ノズル431及び流出ノズル441が取り付けられている。
【0033】
第1通路21内の第1のコルゲートフィン211は、その上端及び下端がそれぞれ、流体の流れ方向(つまり、X方向)に直交するように構成されている。この第1のコルゲートフィン211と、ディストリビュータフィン212との間には、第2のコルゲートフィン213が配設されている。
【0034】
第2のコルゲートフィン213は、ディストリビュータフィン212と同様に、三角形状に切り出されたフィンであると共に、第1のコルゲートフィン211と同様に、第1通路21を、Z方向に並ぶ複数のチャンネルに区画するように構成されている。以下において第2のコルゲートフィン213を、三角フィン213と呼ぶ。この三角フィン213を第1のコルゲートフィン211に対して突き合わせて配置することにより、第1通路21内の各チャンネルがX方向に連続する。三角フィン213はまた、
図2に示すように、上壁2131、下壁2132及び側壁2133を有して構成される一方で、第1のコルゲートフィン211のピッチ(ここでのピッチは、側壁2113、2113間の距離に相当する)よりも小さいピッチに設定されている。具体的に図例では、三角フィン213のピッチは、第1のコルゲートフィン211のピッチの1/4に設定されている。このことにより、
図2に示すように、第1のコルゲートフィン211側から三角フィン213側を、チャンネルに沿って見たときに、第1のコルゲートフィン211と三角フィン213との突き合わせ端面において、第1のコルゲートフィン211の隣り合う側壁2113、2113同士の間に、第2のコルゲートフィンの側壁2133が、図例では3つ位置するようになる。
【0035】
また、第2通路22内の第1のコルゲートフィン221も、その上端及び下端がそれぞれ、流体の流れ方向(つまり、X方向)に直交するように構成されていると共に、第1のコルゲートフィン221、ディストリビュータフィン222との間には、三角形状に切り出された三角フィン223が配設されている(
図1も参照)。
【0036】
三角フィン223は、
図2に仮想的に示すように、第1のコルゲートフィン221と同様に、第2通路22を、Z方向に並ぶ複数のチャンネルに区画するように、上壁2231、下壁2232、及び側壁2233を含んで構成されている。また、三角フィン223のピッチは、第1のコルゲートフィン221のピッチの1/4に設定されている。これにより、三角フィン223を第1のコルゲートフィン221に対して突き合わせて配置することにより、第2通路22内の各チャンネルがX方向に連続すると共に、第1のコルゲートフィン221側から三角フィン223側を、チャンネルに沿って見たときに、第1のコルゲートフィン221と三角フィン223との突き合わせ端面において、第1のコルゲートフィン221の隣り合う側壁2213、2213同士の間に、三角フィン223の側壁2233が、3つ位置するようになる。
【0037】
そうして、この触媒反応器1においては、第1通路21内の各チャンネル内に、触媒担持体215が挿入されている。触媒担持体215は、
図1、2に概念的に示すように、X方向に延びると共に、チャンネルの横断面形状に対応する横断面を有する角棒状であり、第1のコルゲートフィン211の一端から他端までの全域に亘って延びている(
図1の「第1通路の触媒挿入領域」参照。尚、
図1においては、理解容易のために、一つの触媒担持体215のみを図示している。)。また、第2通路22内でも同様に、各チャンネル内に、X方向に延びる角棒状の触媒担持体225が挿入されている(
図2参照)。第2通路22内においても、触媒担持体225は、第1のコルゲートフィン221の一端から他端までの全域に亘って延びており(
図1の「第2通路の触媒挿入領域」参照)、第1通路21の触媒挿入領域と第2通路22の触媒挿入領域とが重複する領域で、2つの触媒反応の相互作用が期待できる。
【0038】
コア2は、チューブプレート23とコルゲートフィン211、212、213、221、222、223を所定の順番で積層して、ろう付けすることによって作成可能である。ヘッダータンク41、42、43、44はそれぞれ、コア2に対し溶接により取り付けられる。第1通路21内の触媒担持体215は、ヘッダータンク41を取り付ける前の、コア2の上端面である第1流体の流入面31が露出した状態で、当該流入面31に開口するチャンネルの一つ一つに挿入される。触媒担持体215は、第1のコルゲートフィン211と三角フィン213との突き合わせ端面において、前述の通り、三角フィン213の側壁2133が、第1のコルゲートフィン211の側壁2113、2113同士の間に位置しているため、挿入された触媒担持体215の端面と干渉するようになり、触媒担持体215の位置決めが行われる(
図2も参照)。同様に、第2通路22内の触媒担持体225は、ヘッダータンク43を取り付ける前の、コア2の下端面である第2流体の流入面33が露出した状態で、当該流入面33に開口するチャンネルの一つ一つに挿入される。この触媒担持体225も、第1のコルゲートフィン221と三角フィン223との突き合わせ端面において、三角フィン223の側壁2233と干渉することで、触媒担持体225の位置決めが行われる。
【0039】
こうして、この構成の触媒反応器1においては、第1通路21及び第2通路22のそれぞれにおいて、チャンネル内に配置した触媒担持体215、225の位置が規制されるため、例えば輸送中や使用中に、触媒担持体215、225がチャンネル内で移動してしまうことが防止される。しかも、各触媒担持体215、225はチャンネル内で固定しないため、コア2に取り付けたヘッダータンク41、43を取り外して、コア2の流入面31及び流入面33を露出することによって、交換を容易に行うことが可能である。
【0040】
また、触媒担持体215、225の位置決めを、第1のコルゲートフィン211、221と、三角フィン213、223との突き合わせ端面において行うため、各チャンネルに挿入される触媒担持体215、225の長さを同じにすることが可能である。このことは、複数のチャンネル間で圧力損失差が発生することを抑制し、偏流の発生が抑制される。
【0041】
こうして、チャンネル内での触媒担持体215、225の移動を防止して触媒反応を良好にしつつ、偏流の発生を抑制することによって、触媒反応器1の性能低下を回避することができる。
【0042】
尚、触媒反応器1の用途によっては、第2通路22には触媒担持体を挿入しない構成もあり得る。その場合、第2通路22の三角フィン223は、第1のコルゲートフィン221と同じピッチのコルゲートフィンを用いるようにしてもよい。また、同じピッチのコルゲートフィンを用いる場合は、第1のコルゲートフィン221と三角フィン223とを一体化してもよい。
【0043】
また、三角フィン213、223のピッチは、第1のコルゲートフィン211、221のピッチよりも小さければよく、三角フィン213、223のピッチを、第1のコルゲートフィン211、221のピッチの、例えば1/2や1/3に設定してもよい。
【0044】
(変形例1)
図3は、第2のコルゲートフィン(つまり、三角フィン)についての変形例を示している。この変形例では、上壁2161、2261、下壁2162、2262及び側壁2163、2263を有しかつ、それぞれ第1通路21及び第2通路22内に配置される第2のコルゲートフィン216、226が、第1のコルゲートフィン211、221と同じピッチに設定されている一方で、第2のコルゲートフィン216、226は、第1のコルゲートフィン211、221に対して位相をずらして配置されている。ここで「位相をずらして配置」とは、突き合わせて配設された第1のコルゲートフィン211、221の側壁2113、2213の位置と、第2のコルゲートフィン216、226の側壁2163、2263の位置とが、Z方向にずれるように配置することを意味する。図例では、第1のコルゲートフィン211、221と第2のコルゲートフィン216、226との突き合わせ端面において、第2のコルゲートフィン216、226の側壁2163、2263が、第1のコルゲートフィン211、221の側壁2113、2213同士の中央に位置するよう、第2のコルゲートフィン216、226を配設している。但し、ずれ量はこれに限らない。このことにより、各チャンネル内に挿入した触媒担持体215、225の端面が、第2のコルゲートフィン216、226の側壁2113、2213に当接するようになり、触媒担持体215、225の位置決めが可能になる。この変形例1では、第1のコルゲートフィン211、221と第2のコルゲートフィン216、226とを同じコルゲートフィンによって構成することが可能になるという利点がある。
【0045】
(変形例2)
図4は、第1及び第2コルゲートフィンの変形例を示している。この例では、第1通路21及び第2通路22内に配置される第1のコルゲートフィン217、227及び第2のコルゲートフィン(つまり、三角フィン)218、228はそれぞれ、その側壁2173,2273、2183,2283がY方向に対して傾斜するように構成されており、上壁2171、2271、2181、2281、下壁2172、2272、2182、2282、及び側壁2173,2273、2183,2283と、チューブプレート23とによって区画される各チャンネルの横断面は台形又は逆台形となるように構成されている。
【0046】
そうして、この変形例2では、第1のコルゲートフィン217、227に対し、三角フィン218、228を、表裏を逆にして配置している。これは、変形例1と同様に、第2のコルゲートフィン218、228を、第1のコルゲートフィン217、227に対し位相をずらすことと等価である。このことにより、
図4から明らかなように、第1のコルゲートフィン217、227と第2のコルゲートフィン218、228との突き合わせ端面において、第1のコルゲートフィン217、227の側壁2173、2273と第2のコルゲートフィン218、228の側壁2183、2283とが交差するようになり、第2のコルゲートフィン218、228の側壁2183、2283の一部が、第1のコルゲートフィン217、227の側壁2173、2273同士の間に位置するようになる。こうして、この変形例においても、各チャンネルに挿入した触媒担持体219、229の位置決めが可能になる。尚、図例では、触媒担持体219、229の横断面形状を、チャンネル形状に対応するように台形状としているが、変形例4における触媒担持体219、229の横断面形状は、これに限定されるものではない。この変形例でも、第1のコルゲートフィン217、227と第2のコルゲートフィン218、228とを同じコルゲートフィンによって構成することが可能である。
【0047】
(変形例3)
変形例3は、コルゲートフィンの配置に関する変形例であり、
図5に示すように、第1通路21における第1のコルゲートフィン211の長さを、
図1の例よりも短くした上で、第1のコルゲートフィン211と、三角形状の三角フィン213との間に、さらに別のコルゲートフィン214を配置し、第1のコルゲートフィン211とコルゲートフィン214との突き合わせ端面を、触媒担持体215、225の位置決めに設定している。つまり、変形例3では、このコルゲートフィン214が、第2のコルゲートフィンに対応する。図例では、第2のコルゲートフィン214を、第1のコルゲートフィン211よりもピッチの小さいフィンによって構成している。但し、こうした第2のコルゲートフィンについては、前述した変形例1の構成や、変形例2の構成を適用することも可能である。尚、図示は省略するが、第2通路22についても、第1通路21と同様の構成を採用すればよい。
【0048】
また、この変形例においては、三角フィン213と第2のコルゲートフィン214とを別体にしなくても、三角フィン213と第2のコルゲートフィン214とを一体にして、全体として台形状のコルゲートフィンを、第1のコルゲートフィン211とディストリビュータフィン212との間に配置してもよい。
【0049】
尚、前述した
図1、2に示す実施形態、
図3に示す変形例1、
図4に示す変形例2及び、
図5に示す変形例3は、可能な範囲で組み合わせてもよい。
【0050】
また、前述した触媒反応器の構成は一例であり、この構成に限定されるものではない。