特許第6013246号(P6013246)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013246
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】ガラス溶解炉
(51)【国際特許分類】
   C03B 5/183 20060101AFI20161011BHJP
   C03B 5/235 20060101ALI20161011BHJP
   F23D 14/22 20060101ALI20161011BHJP
   F23D 14/84 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   C03B5/183
   C03B5/235
   F23D14/22 D
   F23D14/84 C
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-64853(P2013-64853)
(22)【出願日】2013年3月26日
(65)【公開番号】特開2014-189429(P2014-189429A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120352
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100128901
【弁理士】
【氏名又は名称】東 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】平野 誠
(72)【発明者】
【氏名】井上 智博
(72)【発明者】
【氏名】河井 亮太
【審査官】 吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−532321(JP,A)
【文献】 特開平06−056433(JP,A)
【文献】 特開平02−080328(JP,A)
【文献】 特開平09−124323(JP,A)
【文献】 特開昭55−116632(JP,A)
【文献】 特開昭50−010810(JP,A)
【文献】 特開昭61−036124(JP,A)
【文献】 特表2001−515453(JP,A)
【文献】 特表2002−536277(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0144185(US,A1)
【文献】 特許第157151(JP,C2)
【文献】 特開昭47−040233(JP,A)
【文献】 実公昭48−029256(JP,Y1)
【文献】 実公昭48−030995(JP,Y1)
【文献】 実公昭50−005075(JP,Y1)
【文献】 実公昭50−042099(JP,Y2)
【文献】 実開昭51−085331(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 5/00 − 5/44
C03B 7/092
F23D 14/00 − 14/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性ガスと酸素含有ガスとを噴出して燃焼する液中燃焼バーナが、ガラス溶解槽の溶解ガラスの内部に燃焼炎を形成して燃焼する状態で前記ガラス溶解槽の壁部に装備されたガラス溶解炉であって、
前記ガラス溶解槽の内部に、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動しかつ前記溶解ガラスの下層部が溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流、及び、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動しかつ前記溶解ガラスの下層部が溶解槽前部側に向かう方向に沿って流動にする形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流が形成され、
前記液中燃焼バーナが、前記上流側循環流に沿って流動する前記溶解ガラスが前記下流側循環流に流動するのを抑制すべく、前記上流側循環流と前記下流側循環流との間に相当する箇所から前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを溶解槽前部側に噴出するように構成されているガラス溶解炉。
【請求項2】
前記液中燃焼バーナが、前記壁部としての底壁部における前記上流側循環流と前記下流側循環流との間に相当する箇所に、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを、溶解槽前部側でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出する状態で設けられている請求項1記載のガラス溶解炉。
【請求項3】
前記液中燃焼バーナが、前記壁部としての横側壁部における下方側でかつ前記上流側循環流と前記下流側循環流との間に相当する箇所に、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを、溶解槽前部側で且つ前記ガラス溶解槽の横幅方向における内方でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出する状態で設けられている請求項1記載のガラス溶解炉。
【請求項4】
前記液中燃焼バーナが、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを非混合状態で噴出するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス溶解炉。
【請求項5】
前記液中燃焼バーナが、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを混合状態で噴出するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス溶解炉。
【請求項6】
前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを噴出して燃焼する液中燃焼式の加熱バーナが、前記溶解ガラスの内部のうちの、前記上流側循環流が形成される部分に燃焼炎を形成する状態で、かつ、前記燃焼炎の形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進炎のうち、少なくとも2種類の形態に変更できるように構成された状態で、前記壁部に設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス溶解炉。
【請求項7】
前記加熱バーナが、
前記酸素含有ガスとしての燃焼用空気を先端側に向けて噴出する中央側空気噴出部と、
前記可燃性ガスを前記中央側空気噴出部の周囲から先端側に向けて噴出する燃料噴出部と、
前記燃焼用空気を前記燃料噴出部よりも径方向外方側箇所から径方向内方側に向けて旋回状態で噴出する外周側空気噴出部と、
前記中央側空気噴出部及び前記外周側空気噴出部から噴出された前記燃焼用空気と前記燃料噴出部から噴出された前記可燃性ガスとを先端側に向けて案内する基端側の直円筒部分の先端側に、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が連なる形態に構成された案内部と、
前記中央側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量と前記外周側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量との比を変更する噴出比調整手段とを備えて、
前記噴出比調整手段による前記比の変更により、前記燃焼炎の形態を、前記平面状炎、前記スカート状炎、前記トロイダル炎、及び、前記直進炎に変更するように構成されている請求項6に記載のガラス溶解炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性ガスと酸素含有ガスとを噴出して燃焼する液中燃焼バーナが、ガラス溶解槽の溶解ガラスの内部に燃焼炎を形成して燃焼する状態で前記ガラス溶解槽の壁部に装備されたガラス溶解炉に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるガラス溶解炉は、ガラス溶解槽の溶解ガラスの内部に燃焼炎を形成して燃焼する液中燃焼バーナを備えるものであるから、液中燃焼バーナの燃焼炎の燃焼熱を効率良く溶解ガラスに伝えながら加熱することができ、また、可燃性ガスと酸素含有ガスとの燃焼ガスが溶解ガラスの内部を流動することにより、溶解ガラスを攪拌する作用を発揮させて、溶解ガラスを良好に溶解できる利点を備えるものである。
【0003】
ちなみに、溶解ガラスの溶解のために加熱するにあたり、液中燃焼バーナのみにて、溶解ガラスを加熱するようにしてもよいが、溶解ガラスの上方の空間に向けて可燃性ガスと酸素含有ガスとを噴出して燃焼する上方バーナを備えさせて、液中燃焼バーナと上方バーナとによって、溶解ガラスを加熱するようにしてもよい。
【0004】
かかるガラス溶解炉の従来例として、ガラス溶解槽の壁部としての底壁部における前部側箇所及び後部側箇所の夫々に、液中燃焼バーナが装備されたものがあり、液中燃焼バーナは、上方に向けて細長く伸びる燃焼炎を形成するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
すなわち、特許文献1には、詳しい説明はないが、底壁部における前部側箇所及び後部側箇所の夫々に装備される液中燃焼バーナは、可燃性ガスと酸素含有ガスとを鉛直方向に沿って上方に向けて噴出して、上方に向けて細長く伸びる燃焼炎を形成するものである。
尚、特許文献1においては、液中燃焼バーナの横側脇に、酸素や空気等のガスを溶解ガラスの内部に供給する入口を設けて、液中燃焼バーナにて形成された燃焼炎が液中燃焼バーナから気泡のように離脱するのを促進する等の作用を得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2008−528424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のガラス溶解炉においては、ガラス溶解槽の底壁部における前部側箇所及び後部側箇所の夫々に、上方に向けて細長く伸びる燃焼炎を形成する液中燃焼バーナが装備されるものであるが、ガラス溶解槽の内部の溶解ガラスを十分に溶解できない虞があり、改善が望まれるものである。
【0008】
すなわち、ガラス溶解槽の内部の溶解ガラスを加熱すると、一般に、ガラス溶解槽の内部には、溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動しかつ溶解ガラスの下層部が溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流、及び、溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動しかつ溶解ガラスの下層部が溶解槽前部側に向かう方向に沿って流動にする形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流が形成されることになる。
【0009】
ガラス溶解槽の内部のうちの、上流側循環流が形成される部分は、ガラス溶解槽に投入されたガラス原料を溶解する溶解ゾーンに相当し、ガラス溶解槽の内部のうちの、下流側循環流が形成される部分は、溶解ガラスから気泡等を排出する清澄ゾーンに相当することになる。
【0010】
つまり、ガラス溶解槽の前部側に投入されたガラス原料は、溶解ゾーンにおいて、上流側循環流に沿って流動しながら溶解し、その後、清澄ゾーンに流動して、下流側循環流に沿って流動しながら清澄され、清澄後において、ネックを通して溶解槽の外部の作業槽に取り出されることになる。
【0011】
したがって、溶解ガラスを溶解ゾーンにおいて十分に溶解するには、溶解ゾーンに位置する溶解ガラス、つまり、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスが、清澄ゾーンに流動することを抑制できるようにすることが望まれるものとなるが、従来のガラス溶解炉においては、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスが清澄ゾーンの下流側循環流に流動することを抑制することについて、何ら対策が採られていないため、ガラス溶解槽の内部の溶解ガラスを十分に溶解できない虞がある。
【0012】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、液中燃焼バーナを有効利用した簡素な構成にて、ガラス溶解槽の内部の溶解ガラスを十分に溶解することができるガラス溶解炉を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のガラス溶解炉は、可燃性ガスと酸素含有ガスとを噴出して燃焼する液中燃焼バーナが、ガラス溶解槽の溶解ガラスの内部に燃焼炎を形成して燃焼する状態で前記ガラス溶解槽の壁部に装備されたものであって、その第1特徴構成は、
前記ガラス溶解槽の内部に、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動しかつ前記溶解ガラスの下層部が溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流、及び、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動しかつ前記溶解ガラスの下層部が溶解槽前部側に向かう方向に沿って流動にする形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流が形成され、
前記液中燃焼バーナが、前記上流側循環流に沿って流動する前記溶解ガラスが前記下流側循環流に流動するのを抑制すべく、前記上流側循環流と前記下流側循環流との間に相当する箇所から前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを溶解槽前部側に噴出するように構成されている点を特徴とする。
【0014】
すなわち、ガラス溶解槽の内部の溶解ガラスを加熱することにより、ガラス溶解槽の内部に、溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動しかつ溶解ガラスの下層部が溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流、及び、溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動しかつ溶解ガラスの下層部が溶解槽前部側に向かう方向に沿って流動にする形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流が形成されることになる。
【0015】
つまり、ガラス溶解槽の内部のうちの、上流側循環流が形成される部分は、ガラス溶解槽に投入されたガラス原料を溶解する溶解ゾーンに相当し、ガラス溶解槽の内部のうちの、下流側循環流が形成される部分は、溶解ガラスから気泡等を排出する清澄ゾーンに相当することになり、ガラス溶解槽の前部側に投入されたガラス原料は、溶解ゾーンにおいて、上流側循環流に沿って流動しながら溶解し、その後、清澄ゾーンに流動して、下流側循環流に沿って流動しながら清澄され、清澄後において、ネックを通して溶解槽の外部の作業槽に取り出されることになる。
【0016】
そして、本第1特徴構成によれば、液中燃焼バーナが、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスが下流側循環流に流動するのを抑制すべく、上流側循環流と下流側循環流との間に相当する箇所から可燃性ガスと酸素含有ガスとを前記溶解槽前部側に噴出するように構成されているから、溶解ゾーンにおいて、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスを十分に溶解させることができる。
【0017】
このように、溶解ガラスを加熱するための液中燃焼バーナを有効利用して、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスが下流側循環流に流動するのを抑制するものであるから、液中燃焼バーナを有効利用した簡素な構成にて、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスを十分に溶解させることができる。
【0018】
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、液中燃焼バーナを有効利用した簡素な構成にて、ガラス溶解槽の内部の溶解ガラスを十分に溶解することができるガラス溶解炉を提供する点にある。
【0019】
本発明のガラス溶解炉の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記液中燃焼バーナが、前記壁部としての底壁部における前記上流側循環流と前記下流側循環流との間に相当する箇所に、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを、溶解槽前部側でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出する状態で設けられている点を特徴とする。
【0020】
すなわち、ガラス溶解槽の底壁部における上流側循環流と下流側循環流との間に相当する箇所に、液中燃焼バーナが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを、溶解槽前部側でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出する状態で設けられているから、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスが、下流側循環流が存在する清澄ゾーンに流動することを的確に抑制でき、しかも、溶解ガラスが上流側循環流に沿って循環することを助長して、溶解ガラスの攪拌を促進することができる。
【0021】
説明を加えると、ガラス溶解槽の底壁部における上流側循環流と下流側循環流との間に相当する箇所に設けた液中燃焼バーナから、可燃性ガスと酸素含有ガスとが溶解槽前部側でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出されているため、上流側循環流における溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する下層部の溶解ガラスが、液中燃焼バーナから噴出された可燃性ガスと酸素含有ガスとの流れによって、溶解槽前部側でかつ上方側に向かう方向に向けて押し流されて、上流側循環流における溶解槽前部側に流動する上層部に至ることになる。
【0022】
このように、上流側循環流における溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する下層部の溶解ガラスが、液中燃焼バーナから噴出される可燃性ガスと酸素含有ガスとの流れによって、溶解槽前部側でかつ上方側に向かう方向に向けて押し流されることになるため、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスが、下流側循環流が存在する清澄ゾーンに流動することを抑制できるのであり、しかも、上流側循環流の下層部の溶解ガラスが上層部に向けて流れることを助長して、溶解ガラスが上流側循環流に沿って循環することを助長することができるため、溶解ガラスの攪拌を促進することができるのである。
【0023】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスが、下流側循環流が存在する清澄ゾーンに流動することを的確に抑制でき、しかも、溶解ガラスが上流側循環流に沿って循環することを助長して、溶解ガラスの攪拌を促進することができるガラス溶解炉を提供できる。
【0024】
本発明のガラス溶解炉の第3特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記液中燃焼バーナが、前記壁部としての横側壁部における下方側でかつ前記上流側循環流と前記下流側循環流との間に相当する箇所に、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを、溶解槽前部側で且つ前記ガラス溶解槽の横幅方向における内方でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出する状態で設けられている点を特徴とする。
【0025】
すなわち、ガラス溶解槽の横側壁部における下方側でかつ上流側循環流と下流側循環流との間に相当する箇所に、液中燃焼バーナが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを、溶解槽前部側で且つガラス溶解槽の横幅方向における内方でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出する状態で設けられているから、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスが、下流側循環流が存在する清澄ゾーンに流動することを的確に抑制でき、しかも、溶解ガラスの攪拌を促進することができる。
【0026】
説明を加えると、ガラス溶解槽の底壁部における横側壁部における下方側でかつ上流側循環流と下流側循環流との間に相当する箇所に設けた液中燃焼バーナから、可燃性ガスと酸素含有ガスとが溶解槽前部側で且つガラス溶解槽の横幅方向における内方でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出されているため、上流側循環流における溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する下層部の溶解ガラスが、液中燃焼バーナから噴出された可燃性ガスと酸素含有ガスとの流れによって、溶解槽前部側で且つガラス溶解槽の横幅方向における内方でかつ上方側に向かう方向に向けて押し流されながら、上流側循環流における溶解槽前部側に流動している上層部に流動することになる。
【0027】
つまり、上流側循環流における下層部の溶解ガラスは、液中燃焼バーナから噴出された可燃性ガスと酸素含有ガスとの流れによって、基本的には、溶解槽前部側で且つ上方側に向かう方向に向けて押し流されながら上層部に流動することになるが、液中燃焼バーナから噴出される可燃性ガスと酸素含有ガスとが、ガラス溶解槽の横幅方向における内方に向かう成分を備えるものであるため、上流側循環流における下層部の溶解ガラスは、ガラス溶解槽の横幅方向に沿って槽内方側に向けて流動することになる。
【0028】
このように、上流側循環流における溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する下層部の溶解ガラスが、液中燃焼バーナから噴出される可燃性ガスと酸素含有ガスとの流れによって、溶解槽前部側でかつ上方側に向かう方向に向けて押し流されることになるため、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスが、下流側循環流が存在する清澄ゾーンに流動することを抑制できるのである。
【0029】
しかも、上流側循環流の下層部の溶解ガラスが、液中燃焼バーナから噴出される可燃性ガスと酸素含有ガスとの流れによって、ガラス溶解槽の横幅方向に沿って槽内方側に向けても押し流されながら、上層部に向けて流れる状態となるため、上流側循環流に沿って流れる溶解ガラスの流れの中に、ガラス横幅方向に沿う流れを存在させて、上流側循環流に沿って流れる溶解ガラスの攪拌を促進することができるのである。
【0030】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスが、下流側循環流が存在する清澄ゾーンに流動することを的確に抑制でき、しかも、溶解ガラスの攪拌を促進することができるガラス溶解炉を提供できる。
【0031】
本発明のガラス溶解炉の第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記液中燃焼バーナが、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを非混合状態で噴出するように構成されている点を特徴とする。
【0032】
すなわち、液中燃焼バーナが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを非混合状態で噴出するように構成されているから、噴出された可燃性ガスと酸素含有ガスとは、噴出後に混合されて燃焼することになる。
【0033】
このように、可燃性ガスと酸素含有ガスとを、液中燃焼バーナから噴出した後に混合させて燃焼させるものであるから、換言すれば、いわゆる先混合方式にて燃焼させるものであるから、逆火の発生を抑制した状態で良好に燃焼させることができる。
【0034】
要するに、本発明の第5特徴構成によれば、上記第1〜第3特徴構成による作用効果に加えて、液中燃焼バーナを逆火の発生を抑制した状態で良好に燃焼させることができるガラス溶解炉を提供できる。
【0035】
本発明のガラス溶解炉の第5特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記液中燃焼バーナが、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを混合状態で噴出するように構成されている点を特徴とする。
【0036】
すなわち、液中燃焼バーナが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを混合状態で噴出するように構成されているから、噴出される可燃性ガスと酸素含有ガスとは、噴出された際には既に混合されているため、噴出されるに伴って的確に燃焼することになる。
【0037】
このように、可燃性ガスと酸素含有ガスとを、混合状態で液中燃焼バーナから噴出させて燃焼させるものであるから、換言すれば、いわゆる元混合方式にて燃焼させるものであるから、溶解ガラスの内部にて燃焼炎を形成する状態で燃焼させるものでありながらも、不測に消火することを回避した状態で良好に燃焼させることができる。
【0038】
要するに、本発明の第5特徴構成によれば、上記第1〜第4特徴構成による作用効果に加えて、液中燃焼バーナを不測に消火することを回避した状態で良好に燃焼させることができるガラス溶解炉を提供できる。
【0039】
本発明のガラス溶解炉の第6特徴構成は、上記第1〜第5特徴構成のいずれかに加えて、
前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを噴出して燃焼する液中燃焼式の加熱バーナが、前記溶解ガラスの内部のうちの、前記上流側循環流が形成される部分に燃焼炎を形成する状態で、かつ、前記燃焼炎の形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進炎のうち、少なくとも2種類の形態に変更できるように構成された状態で、前記壁部に設けられている点を特徴とする。
【0040】
すなわち、溶解ガラスの内部のうちの、上流側循環流が形成される部分に燃焼炎を形成する液中燃焼式の加熱バーナが設けられているから、溶解ゾーンにおいて、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスを、液中燃焼式の加熱バーナにて良好に加熱することができる。
【0041】
しかも、加熱バーナが、燃焼炎の形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進炎のうち、少なくとも2種類の形態に変更できるから、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量が変化しても、その変化に合わせて、加熱バーナの燃焼炎の形態を変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できることになる。
ちなみに、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、直進炎は、この記載順に、溶解ガラスに与える熱量を大きくできる傾向となる。
【0042】
説明を加えると、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の溶解性は一律ではなく、難溶解性のものや易溶解性のものがあり、易溶解性のものに較べて難溶解性の場合には、溶解ガラスに与える熱量を増大させる必要がある。
【0043】
また、溶解槽に投入するガラス原料の投入量(ガラスの生産量)の変動に合わせて、ガラス原料の投入量が多いとき(ガラスの生産量が多いとき)には、ガラス原料の投入量が少ないとき(ガラスの生産量が少ないとき)に較べて、溶解ガラスに与える熱量を増大させる必要がある。
さらに、色つきガラスを生産する場合においては、黒、緑青、透明の順に、溶解ガラスに与える熱量を増大させる必要がある。
【0044】
このように、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量が変化すると、溶解ガラスに与える熱量を調節する必要があるが、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量の変化に合わせて、加熱バーナの燃焼炎の形態を変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を適切な熱量に調節することが可能となる。
【0045】
要するに、本発明の第6特徴構成によれば、上記第1〜第5特徴構成による作用効果に加えて、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量の変化に合わせて、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できるガラス溶解炉を提供できる。
【0046】
本発明のガラス溶解炉の第7特徴構成は、上記第6徴構成に加えて、
前記加熱バーナが、
前記酸素含有ガスとしての燃焼用空気を先端側に向けて噴出する中央側空気噴出部と、
前記可燃性ガスを前記中央側空気噴出部の周囲から先端側に向けて噴出する燃料噴出部と、
前記燃焼用空気を前記燃料噴出部よりも径方向外方側箇所から径方向内方側に向けて旋回状態で噴出する外周側空気噴出部と、
前記中央側空気噴出部及び前記外周側空気噴出部から噴出された前記燃焼用空気と前記燃料噴出部から噴出された前記可燃性ガスとを先端側に向けて案内する基端側の直円筒部分の先端側に、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が連なる形態に構成された案内部と、
前記中央側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量と前記外周側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量との比を変更する噴出比調整手段とを備えて、
前記噴出比調整手段による前記比の変更により、前記燃焼炎の形態を、前記平面状炎、前記スカート状炎、前記トロイダル炎、及び、前記直進炎に変更するように構成されている点を特徴とする。
【0047】
すなわち、噴出比調整手段によって、中央側空気噴出部からの燃焼用空気の噴出量と前外周側空気噴出部からの燃焼用空気の噴出量との比を変更することにより、加熱バーナの燃焼炎の形態を、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎に変更できるから、溶解ガラスに与える熱量を十分に大きな範囲に亘って適切に調節できることになる。
【0048】
したがって、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の溶解性が大きく変動することや、溶解槽に投入するガラス原料の投入量(ガラスの生産量)が大きく変動することがあっても、その変動に合わせて、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できるのである。
また、色つきガラスを生産する場合においては、黒、緑青、透明のいずれを生産する場合においても、生産する色つきガラスに応じて、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できるのである。
【0049】
要するに、本発明の第7特徴構成によれば、上記第6特徴構成による作用効果に加えて、溶解ガラスに与える熱量を十分に大きな範囲に亘って適切に調節できるガラス溶解炉を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】ガラス溶解炉の縦断側面図
図2】ガラス溶解炉の横断平面図
図3】第1バーナの縦断側面図
図4図3におけるIV−IV線断面図
図5】第2バーナの縦断側面図
図6図5におけるVI−VI線断面図
図7】第2バーナの燃焼炎の形態を示す図
図8】別実施形態のガラス溶解炉を示す縦断側面図
図9】第2バーナの別実施形態を示す縦断側面図
図10】別実施形態の第2バーナの燃焼炎の形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(ガラス溶解炉の全体構成)
図1及び図2に示すように、ガラス溶解炉には、耐火煉瓦等を用いて構成された概ね密閉状のガラス溶解槽1が備えられ、このガラス溶解槽1の後部側には、同様に耐火煉瓦等を用いて構成された作業槽2が装備されている。
ガラス溶解槽1の前部には、ガラス原料を投入する原料投入口3が形成され、ガラス溶解槽1の後部の上方側箇所には、ガラス溶解槽1の内部の溶解ガラスを作業槽2に導く排出口4が形成されている。
【0052】
本実施形態においては、ガラス溶解槽1の中間部に、複数の第1バーナNが装備され、ガラス溶解槽1の前部に、複数の第2バーナMが装備されて、複数の第1バーナNと複数の第2バーナMとによって、ガラス溶解槽1の内部の溶解ガラス(ガラス原料)を加熱するように構成されている。
尚、第1バーナN及び第2バーナMの詳細については後述するが、これらの第1バーナN及び第2バーナMは、溶解ガラスの内部に燃焼炎Fn、Fmを形成する状態で燃焼する液中燃焼式である。
【0053】
ガラス溶解槽1の内部には、溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動しかつ溶解ガラスの下層部が溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流Ju、及び、溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動しかつ溶解ガラスの下層部が溶解槽前部側に向かう方向に沿って流動にする形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流Jdが形成されている。
【0054】
つまり、ガラス溶解槽1の内部の溶解ガラス(ガラス原料)を第1バーナN及び第2バーナMによって加熱することによって、ガラス溶解槽1の前部側部分には、ガラス原料投入側の上流側循環流Juが形成され、かつ、ガラス溶解槽1の後部側部分には、溶解ガラス取出側の下流側循環流Jdが形成されることになる。
【0055】
ガラス溶解槽1の内部のうちの、上流側循環流Juが形成される部分は、ガラス溶解槽1に投入されたガラス原料を溶解する溶解ゾーンAに相当し、ガラス溶解槽1の内部のうちの、下流側循環流Jdが形成される部分は、溶解ガラスから気泡等を排出する清澄ゾーンBに相当することになる。
【0056】
つまり、ガラス溶解槽1の前部側に投入されたガラス原料は、溶解ゾーンAにおいて、上流側循環流Juに沿って流動しながら溶解され、その後、清澄ゾーンBに流動して、下流側循環流Jdに沿って流動しながら清澄され、清澄後において、排出口4が形成されているネックCを通して作業槽2が装備された作業ゾーンDに取り出されることになる。
【0057】
(第1バーナの設置構成)
第1バーナNは、可燃性ガスとしての、LPG、メタンを主成分とする都市ガス等の燃料ガスGと、酸素含有ガスとしての燃焼用空気Eとを噴出する液中燃焼バーナであって、ガラス溶解槽1の内部に燃焼炎Fnを形成して燃焼する状態にガラス溶解槽1の壁部に装備されている。
ちなみに、第1バーナNの燃焼炎Fnは、細長く伸びる燃焼炎であり、そして、燃焼後の燃焼排ガスは、気泡状となって溶解ガラスの内部を上昇したのち溶解ガラスの上方空間に流動することになる。
【0058】
本実施形態においては、第1バーナNとして、ガラス溶解槽1の壁部としての底壁部1tに装備される第1底壁バーナNtと、ガラス溶解槽1の壁部としての横側壁部1sに装備される第1側壁バーナNsとが装備されている。
【0059】
そして、第1底壁バーナNt及び第1側壁バーナNsが、上流側循環流Juに沿って流動する溶解ガラスが下流側循環流Jdに流動するのを抑制すべく、上流側循環流Juと下流側循環流Jdとの間に相当する箇所から燃料ガスGと燃焼用空気Eとを溶解槽前部側に噴出するように構成されている。
【0060】
すなわち、第1底壁バーナNtが、ガラス溶解槽1の底壁部における上流側循環流Juと下流側循環流Jdとの間に相当する箇所に、燃料ガスGと燃焼用空気Eとを、溶解槽前部側でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出する状態で設けられている。
【0061】
また、第1側壁バーナNsが、ガラス溶解槽1の横側壁部における下方側でかつ上流側循環流Juと下流側循環流Jdとの間に相当する箇所に、燃料ガスGと燃焼用空気Eとを、溶解槽前部側で且つガラス溶解槽の横幅方向における内方でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出する状態で設けられている。
ちなみに、本実施形態においては、ガラス溶解槽1の底壁部1tから溶解ガラスの深さの3分の1に相当する高さに、第1側壁バーナNsが装備されている。
【0062】
つまり、第1底壁バーナNt及び第1側壁バーナNsから噴出される燃料ガスと燃焼用空気とが、上流側循環流Juの下層部に沿って流動する溶解ガラスを溶解槽前部側で且つ上方側に押圧流動させることになるため、上流側循環流Juに沿って流動する溶解ガラスが下流側循環流Jdの存在する清澄ゾーンBに流動することが抑制されることになり、溶解ゾーンAにおいて溶解ガラスが十分に溶解されるようになっている。
【0063】
(第1バーナの具体構成)
第1底壁バーナNt及び第1側壁バーナNsは、同様に構成されるものであり、以下、第1底壁バーナNtを代表にして、その具体構成を説明する。
【0064】
図3及び図4に示すように、第1底壁バーナNtは、内部筒5と外部筒6とを二重管状に備える状態に構成され、さらに、外部筒6の外側には、冷却ジャケットK1を形成するための筒体7が配備されており、筒体7を含めると三重管状に構成されている。
【0065】
内部筒5には、燃料ガスGが供給され、内部筒5の先端部には、燃料噴出口8が形成されている。
内部筒5と外部筒6とに囲まれた空間に、燃焼用空気Eが供給され、内部筒5の先端部と外部筒6との間には、複数個の空気噴出口9が周方向に並ぶ状態で形成されたリング状板10が配設されている。
【0066】
外部筒6における内部筒5の先端部よりも前方側に突出する前方突出部分6Aが、前方側ほど小径となる状態に形成されて、燃料ガスGと燃焼用空気Eとの混合を促進するように構成されている。
【0067】
すなわち、第1底壁バーナNtは、前方突出部分6Aの内部にて形成される混合空間に向けて、燃料ガスGと燃焼用空気Eとを非混合状態で噴出するように構成されている。
そして、噴出された燃料ガスGと燃焼用空気Eとは、混合空間にて混合されたのち、前方側に流動して燃焼するように構成されている。
【0068】
ちなみに、冷却ジャケットK1は、外部筒6と筒体7との間の空間を通して冷却水Wを通流させて、外部筒6や内部筒5を冷却するように構成されている。
【0069】
尚、詳述はしないが、燃料噴出口8からの燃料ガスGの噴出量及び燃焼用空気Eの噴出量が変更調節自在に構成されて、第1底壁バーナNtの燃焼量が、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量に合わせて変更されることになる。
【0070】
(第2バーナの設置構成)
第2バーナMは、可燃性ガスとしての、LPG、メタンを主成分とする都市ガス等の燃料ガスGと、酸素含有ガスとしての燃焼用空気Eとを噴出する液中燃焼式の加熱バーナであって、ガラス溶解槽1の内部に燃焼炎Fmを形成して燃焼する状態にガラス溶解槽1の壁部に装備されている。
【0071】
また、この第2バーナMは、燃焼炎Fmの形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進炎からなる4種類の形態に変更できるように構成されている(図7参照)。
ちなみに、燃焼後の燃焼排ガスは、気泡状となって溶解ガラスの内部を上昇したのち溶解ガラスの上方空間に流動することになる。
【0072】
本実施形態においては、第2バーナMとして、ガラス溶解槽1の壁部としての底壁部1tに装備される第2底壁バーナMtと、ガラス溶解槽1の壁部としての横側壁部1sに装備される第2側壁バーナMsとが装備されている。
【0073】
そして、第2底壁バーナMtと第2側壁バーナMsとが、溶解ガラスの内部のうちの、上流側循環流Juが形成される部分に燃焼炎Fmを形成する状態で燃焼するように構成されている。
すなわち、第2底壁バーナMt及び第2側壁バーナMsは、溶解ゾーンAの溶解ガラスを加熱することになり、また、第2底壁バーナMt及び第2側壁バーナMsは、燃焼炎Fmの形態を、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎からなる4種類の形態に変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を十分に大きな範囲に亘って適切に調節できることになる。
つまり、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、直進炎は、この記載順に、溶解ガラスに与える熱量を大きくできる傾向となる。
【0074】
したがって、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の溶解性が大きく変動することや、溶解槽に投入するガラス原料の投入量(ガラスの生産量)が大きく変動することがあっても、その変動に合わせて、燃焼炎Fmの形態を変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できる。
また、色つきガラスを生産する場合においては、黒、緑青、透明のいずれを生産する場合においても、生産する色つきガラスに合わせて、燃焼炎Fmの形態を変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できる。
【0075】
(第2バーナの具体構成)
第2底壁バーナMt及び第2側壁バーナMsは、同様に構成されるものであり、以下、第2底壁バーナMtを代表にして、その具体構成を説明する。
【0076】
図5及び図6に示すように、第2底壁バーナMtは、ガラス溶解槽1の底壁部1tに形成した装着孔12に嵌め込んだ状態に設置されるバーナタイル13と、そのバーナタイル13に組み付けられるバーナ本体部14とから構成されている。
バーナタイル13は、円筒状に形成されかつその先端部が朝顔状の案内面Qを形成するように構成されている。
また、バーナ本体部14は、バーナタイル13の外部に位置する基端側部分14Aと、バーナタイル13に嵌合される先端側部分14Bとを備えている。
【0077】
バーナ本体部14の基端側部分14Aの内部には、中央部の空気供給筒15、その空気供給筒15の周囲を覆う状態で配置される燃料供給筒16、及び、その燃料供給筒16の周囲を覆う状態で配置される旋回空気噴出筒17が設けられ、また、旋回空気噴出筒17の外周側箇所に空気チャンバ18が形成されている。
【0078】
そして、送風ブロアUから供給される燃焼用空気Eの一部を基端側部分14Aの底部に形成した第1空気供給口19Aから空気供給筒15の基端部に導いて、空気供給筒15の先端部から前方側に噴出されるように構成され、また、送風ブロアUから供給される燃焼用空気Eの残部を基端側部分14Aの側部に形成した第2空気供給口19Bから空気チャンバ18に導いて、旋回空気噴出筒17に形成した複数の旋回用空気噴出孔20を通して、旋回空気噴出筒17と燃料供給筒16との間の空間に旋回状態で噴出されるように構成されている。
【0079】
ちなみに、複数の旋回用空気噴出孔20は、その長手方向が旋回空気噴出筒17の接線に沿う方向に形成される状態で、周方向に間隔を隔てて設けられものであって、空気チャンバ18から供給される燃焼用空気Eを、旋回空気噴出筒17の接線に沿う方向に噴出することにより、旋回空気噴出筒17と燃料供給筒16との間の空間の内部に、燃焼用空気Eの旋回流を形成することになる。
【0080】
また、基端側部分14Aに形成した燃料供給口21から供給される燃料ガスGが、空気供給筒15と燃料供給筒16との間の空間に導かれたのち、燃料供給筒16の先端部に形成した燃料噴出口22から噴出されるように構成されている。
【0081】
また、バーナ本体部14の先端側部分14Bは、旋回空気噴出筒17に連なる状態の案内筒23と、その案内筒23の外周部に冷却ジャケットK2を形成するための外側筒体24とを備える二重管状に構成されて、バーナタイル13に嵌合されている。
【0082】
そして、案内筒23の内部が、空気供給筒15から噴出される燃焼用空気Eや旋回空気噴出筒17から旋回状態で供給される燃焼用空気Eと、燃料供給筒16の先端部の燃料噴出口22から噴出される燃料ガスGとを混合する混合空間として機能することになる。
【0083】
ちなみに、冷却ジャケットK2は、案内筒23と外側筒体24との間の空間を通して冷却水Wを通流させて、案内筒23や外側筒体24等を冷却するように構成されている。
【0084】
したがって、第2底壁バーナMtは、空気供給筒15から噴出される燃焼用空気Eや旋回空気噴出筒17から旋回状態で供給される燃焼用空気Eと、燃料供給筒16の先端部の燃料噴出口22から噴出される燃料ガスGとを、案内筒23の内部の混合空間にて混合して、混合空間にて混合した混合ガスをバーナタイル13の先端部の朝顔状の案内面Qに沿って案内しながら、燃焼炎Fmを形成する状態で燃焼するように構成されている。
【0085】
すなわち、第2底壁バーナMtは、案内筒23の内部の混合空間に向けて、燃料ガスGと燃焼用空気Eとを非混合状態で噴出して、案内筒23の内部にて燃料ガスGと燃焼用空気Eとを混合して燃焼するように構成されている。
【0086】
また、送風ブロアUと第1空気供給口19Aとを接続する第1流路R1には、第1オリフィス26A及び空気通流量を調整する調整ダンパ27が設けられ、送風ブロアUと第2空気供給口19Bとを接続する第2流路R2には、第2オリフィス26Bが設けられており、調整ダンパ27の開度調節により、第1空気供給口19Aに供給する燃焼用空気Eの供給量と第2空気供給口19Bに供給する燃焼用空気Eの供給量との比が変更されるように構成されている。
【0087】
したがって、第2底壁バーナMtは、調整ダンパ27の開度調節により、第1空気供給口19Aに供給する燃焼用空気Eの供給量と第2空気供給口19Bに供給する燃焼用空気Eの供給量との比を変更して、燃焼炎Fmの形態を、平面状炎(図7(A)参照)、スカート状炎(図7(B)参照)、トロイダル炎(図7(C)参照)、及び、直進炎(図7(D)参照)からなる4種類の形態に変更できるように構成されている。
尚、平面状炎は、バーナタイル13及び底壁部1tに燃焼炎Fmが付着する状態となり、スカート状炎は、燃焼炎Fmがバーナタイル13及び底壁部1tから離れる状態となる点が相違する。
【0088】
ちなみに、本実施形態においては、燃焼用空気を先端側に向けて噴出する中央側空気噴出部が、空気供給筒15にて構成され、可燃性ガスを中央側空気噴出部の周囲から先端側に向けて噴出する燃料噴出部が、燃料噴出口22にて構成され、燃焼用空気を燃料噴出部よりも径方向外方側箇所から径方向内方側に向けて旋回状態で噴出する外周側空気噴出部が、旋回用空気噴出孔20にて構成されることになる。
【0089】
また、本実施形態においては、中央側空気噴出部及び外周側空気噴出部から噴出された燃焼用空気と燃料噴出部から噴出された可燃性ガスとを先端側に向けて案内する基端側の直円筒部分の先端側に、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が連なる形態に構成される案内部Vが、案内筒23とバーナタイル13とから構成されることになる。
つまり、基端側の直円筒状部分が、案内筒23にて構成され、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が、バーナタイル13の案内面Qにて構成されている。
【0090】
また、本実施形態においては、中央側空気噴出部としての空気供給筒15からの燃焼用空気Eの噴出量と外周側空気噴出部としての旋回用空気噴出孔20からの燃焼用空気Eの噴出量との比を変更する噴出比調整手段Tが、調整ダンパ27を主要部として構成されることになる。
そして、噴出比調整手段Tによる上記比の変更により、上述の如く、燃焼炎Fmの形態が、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎に変更されることになる。
【0091】
尚、旋回用空気噴出孔20から燃焼用空気Eの90〜100%を噴出しかつ空気供給筒15から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態が平面状炎になり、旋回用空気噴出孔20から燃焼用空気Eの50〜90%を噴出しかつ空気供給筒15から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態がスカート状炎になり、旋回用空気噴出孔20から燃焼用空気Eの40〜50%を噴出しかつ空気供給筒15から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態がトロイダル炎になり、さらに、旋回用空気噴出孔20から燃焼用空気Eの0〜40%を噴出しかつ空気供給筒15から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態が直進炎になる。
【0092】
また、詳述はしないが、燃料噴出口22からの燃料ガスGの噴出量及び燃焼用空気Eの噴出量を変更調節できるように構成されて、燃焼炎Fmの形態を変更することに加えて、燃焼量も変更されることになる。
【0093】
以上の通り、本実施形態のガラス溶解炉は、燃焼炎Fmの形態を平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎に変更できる第2バーナMにて、溶解ゾーンAの溶解ガラスを加熱するものであるから、ガラス溶解槽1に投入されるガラス原料の種類や投入量に合わせて燃焼炎Fmの形態を変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節しながら、溶解ゾーンAの溶解ガラスを良好に加熱することができる。
【0094】
しかも、第1バーナNが、上流側循環流Juに沿って流動する溶解ガラスが下流側循環流Jdに流動するのを抑制すべく、上流側循環流Juと下流側循環流Jdとの間に相当する箇所から燃料ガスと燃焼用空気とを溶解槽前部側に噴出するものであるから、溶解ゾーンAにおいて上流側循環流Juに沿って流動する溶解ガラスが、下流側循環流Jdが存在する清澄ゾーンBに流動することを抑制することによって、溶解ガラスを十分に溶解(溶融)することができるものである。
【0095】
また、清澄ゾーンBには、第1バーナNや第2バーナMを設置しないようにすることにより、溶解ガラスの内部に気泡が発生しないようにして、溶解ガラスの清澄化を良好に行えるように構成されている。
【0096】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(イ)上記実施形態においては、液中燃焼バーナとしての第1バーナN、及び、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMにて、ガラス溶解槽1の内部の溶解ガラスを加熱するように構成したが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを溶解ガラスの上方空間に噴出して燃焼する上方バーナを設ける形態で実施してもよい。
【0097】
(ロ)上記実施形態においては、上流側循環流Juに沿って流動する溶解ガラスを加熱する液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMを装備したが、この第2バーナMの設置を省略する形態で実施してもよい。
【0098】
(ハ)上記実施形態においては、液中燃焼バーナとしての第1バーナNとして、ガラス溶解槽1の底壁部1tに装備する第1底壁バーナNtと、ガラス溶解槽1の横側壁部1sに装備する第1側壁バーナNsとを設置する場合を例示したが、例えば、第1底壁バーナNtのみを設置する形態や、第1側壁バーナNsのみを設置する形態にする等、必ずしも、第1底壁バーナNtと第1側壁バーナNsとを設置する必要はない。
【0099】
(ニ)上記実施形態においては、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMとして、ガラス溶解槽1の底壁部1tに装備する第2底壁バーナMtと、ガラス溶解槽1の横側壁部1sに装備する第2側壁バーナMsとを設置する場合を例示したが、例えば、第2底壁バーナMtのみを設置する形態や、第2側壁バーナMsのみを設置する形態にする等、必ずしも、第2底壁バーナMtと第2側壁バーナMsとを設置する必要はない。
【0100】
(ホ)上記実施形態においては、液中燃焼バーナとしての第1バーナN、及び、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを非混合状態で噴出するように構成される場合を例示したが、第1バーナN及び第2バーナMが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを混合状態で噴出するように構成される形態で実施してもよい。
【0101】
ちなみに、可燃性ガスと酸素含有ガスとを混合状態で噴出する構成としては、例えば、酸素含有ガスとして燃焼用空気を供給する送風機を設ける場合において、その送風機の空気吸気路に、可燃性ガスを噴出させるようにする形態を採用することができる。
【0102】
そして、液中燃焼バーナとしての第1バーナNにおいては、実施形態述べた構成において、燃焼用空気Eに代えて混合ガスを供給することになり、この場合には、燃料供給は省略することになる。
また、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMにおいては、実施形態で述べた構成において、空気供給口19に、燃焼用空気Eに代えて混合ガスを供給することになる。尚、この場合には、燃料供給口21への燃料供給は省略することになる。
【0103】
(へ)上記実施形態においては、ガラス溶解槽1として、槽後部の上方側箇所に排出口4が形成される形態のものを例示したが、図8に示すように、例えば、槽後部の下方側箇所に排出口4が形成される形態のガラス溶解槽1等、種々の形態のガラス溶解槽1に対して本願発明は適用できるものである。
【0104】
ちなみに、図8のガラス溶解槽1には、底壁部1tにおける上流側循環流Juと下流側循環流Jdとの間に相当する箇所に、堰25が形成されている。
尚、図7においては、第1バーナNとして、第1底壁バーナNtが装備され、第2バーナMとして、第2底壁バーナMtが装備される場合を例示するものである。
【0105】
(へ)上記実施形態においては、酸素含有ガスとして、燃焼用空気Eを例示したが、酸素含有ガスとしては、純酸素ガスを用いることができる。
【0106】
(ト)上記実施形態においては、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMが、燃焼炎Fmの形態を、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎に変更できる場合を例示したが、本発明は、燃焼炎Fmの形態を、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎のうち、少なくとも2種類の形態に変更する形態で実施すればよい。
【0107】
例えば、図9及び図10に示すように、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMを、燃焼炎Fmの形態を、スカート状炎と直進炎とに変更できるように構成してもよい。
すなわち、第2バーナMが、燃焼用空気噴出用内部筒30、燃料ガス噴出用中間筒31、及び、燃焼用空気噴出用外部筒32を備える三重管状に構成され、さらに、燃焼用空気噴出用外部筒32の外側には、冷却ジャケット形成用の冷却用筒体33が配備されて、冷却用筒体33を含めると四重管状に構成されている。
【0108】
燃焼用空気噴出用内部筒30と燃料ガス噴出用中間筒31とに囲まれた燃料通流空間の先端部に、バーナ前方側でかつ径方向外方側に向かう状態の複数個の燃料噴出孔34が周方向に並ぶ状態で形成され、燃料通流空間に、燃料ガスGが供給されている。
【0109】
燃焼用空気噴出用内部筒30の先端部にて、燃料ガスGをバーナ前方側に噴出する一次側空気噴出口35が形成され、また、燃料ガス噴出用中間筒31と燃焼用空気噴出用外部筒32とに囲まれた燃焼用空気通流空間の先端部に、バーナ前方側でかつ径方向外方側に向かう状態の複数個の二次側空気噴出孔36が周方向に並ぶ状態で形成されている。
【0110】
そして、上記実施形態で説明した噴出比調整手段Tが、この別実施形態の第2バーナMに対して装備されることになる。
つまり、送風ブロアUと燃焼用空気噴出用内部筒30に対する一次側入口部37Aとを接続する第1流路R1には、第1オリフィス26A及び空気通流量を調整する調整ダンパ27が設けられ、送風ブロアUと燃焼用空気通流空間に対する二次側入口部37Bとを接続する第2流路R2には、第2オリフィス26Bが設けられており、調整ダンパ27の開度調節により、一次側入口部37Aに供給する燃焼用空気Eの供給量と二次側入口部37Bに供給する燃焼用空気Eの供給量との比が変更されるように構成されている。
【0111】
そして、噴出比調整手段Tによる上記比の変更により、上述の如く、燃焼炎Fmの形態が、スカート状炎(図10(A)参照)、及び、直進炎(図10(B)参照)に変更されることになる。
尚、二次側空気噴出孔36から燃焼用空気Eの50〜90%を噴出しかつ一次側空気噴出口35から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態がスカート状炎になり、二次側空気噴出孔36から燃焼用空気Eの0〜40%を噴出しかつ一次側空気噴出口35から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態が直進炎になる。
【0112】
また、詳述はしないが、燃料噴出孔34からの燃料ガスGの噴出量及び燃焼用空気Eの噴出量を変更調節できるように構成されて、燃焼炎Fmの形態を変更することに加えて、燃焼量も変更されることになる。
ちなみに、この別実施形態の第2バーナMにおいては、上述の如く、酸素含有ガスとして燃焼用空気Eを用いる場合を例示したが、酸素含有ガスとして、純酸素ガスを用いる形態で実施してもよい。
【0113】
(チ)上記実施形態及び別の実施形態においては、噴出比調整手段Tが、第1流路R1に装備した調整ダンパ27を主要部として構成される場合を例示したが、例えば、第1流路R1及び第2流路R2の夫々に、流量調整用ダンパを装備する等、 噴出比調整手段Tの具体構成は各種変更できるものである。
【符号の説明】
【0114】
1 ガラス溶解槽
1s 横側壁部
1t 底壁部
15 中央側空気噴出部
20 外周側空気噴出部
22 燃料噴出部
E 酸素含有ガス
G 可燃性ガス
Fn 燃焼炎
Fm 燃焼炎
N 液中燃焼バーナ
M 加熱バーナ
Jd 下流側循環流
Ju 上流側循環流
T 噴出比調整手段
V 案内部
図1
図2
図3
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図5
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図8
図9
図10