(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、農作業機に設けた管理端末機に、作業者名が入ったIDカードを挿入したり、作業者名を直接入力することより、農作業機と作業者とを紐付けすることができる。しかしながら、作業者と農作業機とを紐付けするために、わざわざ作業者名の入った専用のIDカードを用意したり、作業者名を管理端末に入力する必要があり、作業者と農作業機との紐付けが面倒であるのが実情である。
【0005】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、作業者が所持する携帯端末を用いることにより、簡単に作業者と農業機械との紐付けを行うことができる農業機械の管理システム
及び農業機械の携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、
本発明に係る農業機械の管理システムは、
農業機械に設けられ且つ、前記農業機械の農作業時における農作業データを収集するデータ収集装置と、農業機械に設けられ且つ、前記農作業を行う農業機械を特定する機械特定情報
及び前記農作業データを外部に送信
可能な第1データ通信部と、前記第1データ通信部から送信された前記機械特定情報
及び前記農作業データを受信
可能な第2データ通信部と、作業者に関する作業者情報を記憶する記憶部と
、測位衛星から送信された信号に基づいて位置を検出可能な携帯位置算出部と、前記第2データ通信部が受信した機械特定情報を複数表示可能な表示部と、前記表示部で表示された複数の機械特定情報の中で選択された機械特定情報と前記記憶部に記憶された前記作業者情報とを関連付ける第1関連付け部
とを有する携帯端末
と、を備え、
前記第2データ通信部は、前記第1関連付け部によって前記機械特定情報と前記作業者情報とが関連付けられた後に、前記第1データ通信部から送信された前記農作業データを受信し、前記記憶部は、受信した前記農作業データと携帯位置算出部で検出した位置とを、前記関連付けられた作業者情報に対応付けて記憶する。
【0007】
また、農業機械の管理システムは、農業機械に設けられ且つ、前記農業機械の農作業時における農作業データを収集するデータ収集装置と、農業機械に設けられ且つ、測位衛星からの信号に基づいて農業機械位置を算出する農業機械位置算出部と、
農業機械に設けられ且つ、前記農業機械位置算出部で算出された農業機械位置
、農業機械を特定する機械特定情報及び
データ収集装置で収集した農作業データを外部に送信する第1データ通信部と、
前記第1データ通信部に接続可能な携帯端末と、を備え、前記携帯端末は、前記第1データ通信部から送信された農業機械位置
、機械特定情報及び
農作業データを受信する第2データ通信部と、測位衛星からの信号に基づいて携帯位置を算出する携帯位置算出部と、作業者に関する作業者情報を記憶する記憶部と、
前記農業機械に設けられた第1データ通信部に接続することで前記第2データ通信部が
取得した農業機械位置と前記携帯位置算出部で算出した携帯位置と
が一致しているか否かを照合し、照合が成立した農業機械位置に対応する農業機械の機械特定情報と、前記記憶部に記憶された作業者情報とを関連付け、
関連付けられた作業者情報に前記機械特定情報に対応する農作業データを対応付ける第2関連付け部と、を有している。
【0008】
また、携帯端末は、農業機械の農作業時における農作業データ及び前記農業機械を特定する機械特定情報を
受信可能な第2データ通信部と、測位衛星からの信号に基づいて携帯位置を算出
可能な携帯位置算出部と、作業者に関する作業者情報を記憶する記憶部と、前記第2データ通信部が受信した機械特定情報を複数表示可能な表示部と、前記表示部で表示された複数の機械特定情報の中で選択された機械特定情報と前記記憶部に記憶された前記作業者情報とを関連付ける第1関連付け部と、を備え、
前記第2データ通信部は、前記第1関連付け部によって前記機械特定情報と前記作業者情報とが関連付けられた後に、前記農業機械に設けられた第1データ通信部から送信された前記農作業データを受信し、前記記憶部は、受信した前記農作業データと携帯位置算出部で検出した位置とを、前記関連付けられた作業者情報に対応付けて記憶する。
【0009】
また、農業機械の管理システムは、農業機械に設けられ且つ、前記農業機械の農作業時における農作業データを収集するデータ収集装置と、農業機械に設けられ且つ、測位衛星からの信号に基づいて農業機械位置を算出する農業機械位置算出部と、農業機械に設けられ且つ、前記農業機械位置算出部で算出された農業機械位置、農業機械を特定する機械特定情報及びデータ収集装置で収集した農作業データを外部に送信する第1データ通信部と、前記第1データ通信部から送信された農業機械位置
、機械特定情報及び
農作業データを受信する第2データ通信部と、作業者に関する作業者情報を記憶する記憶部と、測位衛星から送信された信号に基づいて携帯位置を検出可能な携帯位置算出部と、
を有する携帯端末と、前記携帯端末と通信可能であり、且つ、前記機械特定情報と前記作業者情報とを関連付け可能な第2関連付け部を有するデータ管理装置と、を備え、前記第2データ通信部は、
前記農業機械位置
、前記機械特定情報
、前記作業者情報
、前記携帯位置
及び農作業データを前記データ管理装置に送信し、
前記第2関連付け部は、前記データ管理装置が取得した農業機械位置と前記携帯位置と
が一致しているか否かを照合し、照合が成立した農業機械位置に対応する農業機械の機械特定情報と、前記作業者情報とを関連付け、
関連付けられた作業者情報に前記機械特定情報に対応する農作業データを対応付ける。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、農業機械を操作するオペレータ(作業者)が所持する携帯端末と農業機械とを通信させ、通信範囲内にある農業機械に対応する農業機械情報を携帯端末に表示し、表示した機械特定情報を選択可能とすることにより、簡単に、農業機械を操作するオペレータと農業機械とを紐付けることができる。
また、農業機械の位置を示す機械位置と、農業機械を操作するオペレータが所持する携帯端末の携帯位置とを用いることにより、簡単に、農業機械を操作するオペレータと農業機械とを紐付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照しながら、本発明の各実施形態による作業機のデータ通信システムを説明する。なお、以下に説明する各実施形態及び図面において、作業機のデータ通信システムにおける同一の構成部材には、同一の符号及び同一の名称を付すこととする。従って、同一の符号及び同一の名称が付された構成部材については、同じ説明を繰り返さない。
[第1実施形態]
図1は、農業機械の管理システムの概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、農業機械の管理システム1は、トラクタ、コンバイン、田植機等の作業機(農業機械)2を管理するものである。この農業機械の管理システムは、例えば、複数台の農業機械に対して、農業機械を操作できる複数のオペレータが居るとき、どのオペレータがどの農業機械を操作したかを容易に把握することができる。
以下、農業機械2の1つであるトラクタを例にとり説明する。
【0016】
図8に示すように、トラクタ2は、前後に車輪を有する走行車両(走行車体)10に、エンジン11、変速装置12等が搭載されて構成されている。この走行車両10の後部には、3点リンク機構13などが昇降可能に設けられている。この3点リンク機構13には、耕耘装置、肥料散布装置、農薬散布装置、播種散布装置、収穫装置などの作業装置14が着脱自在となっている。
【0017】
図1に示すように、トラクタ2には、当該トラクタ2の様々な制御を行う制御装置5が搭載されている。また、トラクタ2で農作業したときの農作業のデータが取得できるように、このトラクタ2には、農作業に関する様々な農作業データを取得するデータ収集装置3が備えられている。
制御装置5と、データ収集装置3とは、車両通信ネットワーク(例えば、Controller Area Network、FlexRayなど)によって接続されていて、互いに信号(データ)の送受信が行えるようになっている。制御装置5は、例えば、エンジン11を制御したり、操作具の操作に基づいて3点リンク機構13などの昇降を制御したり、変速装置の変速制御、作業装置14の動作を制御するものであり、これらの制御によってトラクタ2は作動するようになっている。なお、制御装置5の制御は、上述したものに限定されない。
【0018】
データ収集装置3は、トラクタ2が作動したときの様々な農作業データを収集するもので、収集したデータを記憶するデータ記憶部4を備えている。例えば、作業装置14が耕耘装置であって、車両通信ネットワーク、或いは、各種センサが、ロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深などを検出すると、データ収集装置3は、これらデータ(ロータリーの回転数、ロータリーの負荷、エンジン回転数、車速、耕深)を取得し、データ記憶部4に記憶する。
【0019】
また、作業装置14が肥料散布装置、農薬散布装置、播種散布装置である場合は、データ収集装置3は、車速、エンジン回転数、散布量(肥料散布量、農薬散布量、播種散布量)などの農作業データを取得して、これらのデータをデータ記憶部4に記憶する。例えば、データ記憶部4は、農作業データとして、車速(0km/h,0km/h,2.5km/h・・・1.64km/h)、エンジン回転数(776rpm,780rpm・・・792rpm)、肥料散布量(0.01kg,0.01kg,・・・0.41kg)などの農作業データを記憶する。
【0020】
さて、このようにデータ収集装置3で収集された農作業データは、農作業の日報作成、農作業の作業計画など様々な用途に用いることができる。従来より、農作業データを収集して、これらを日報作成等に用いるシステムは開発されているものの、どのトラクタに乗ってどのオペレータ(運転者或いは作業者)がどのような作業を行ったかというトラクタ(農業機械側)と、オペレータとの紐付けを正しく行うことは非常に難しいものがあった。
【0021】
例えば、農作業を行うにあたって、複数人のオペレータ(作業者)で1つの農作業を協力して行う場合は、1台のトラクタを複数人のオペレータでそれぞれ任意に操作することがある。また、1日のうちで、1台のトラクタ2を複数の圃場に亘って使用することがあり、この場合も、圃場毎に使用するオペレータが異なることがある。いずれの場合でも、乗車したオペレータとトラクタとを適正に管理しなければ、どのオペレータがどのトラクタを操作したかを把握することは難しい。この実施形態では、携帯端末6を用いて、トラクタ(農業機械)と、オペレータとの紐付け(関連付け)を行うこととしている。
【0022】
次に、農業機械の管理システム1、携帯端末6について詳しく説明する。
図1に示すように、トラクタ(農業機械側)には、1台1台のトラクタを特定(識別)するための機械特定情報が設定されている。機械特定情報は、トラクタ1を識別するためのユニークなものであって、英数字等で構成されている。この機械特定情報は、トラクタ1を制御する制御装置5、或いは、データ収集装置3に格納されていて、携帯端末6に送
信できるようになっている。
【0023】
具体的には、データ収集装置3は、機械特定情報を携帯端末6へと送信する第1データ通信部20を備えている。この第1データ通信部20は、Wi-Fi(登録商標)等の近距離の無線通信を行うもので、少なくとも機械特定情報を外部に向けて送信するものである。
携帯端末6は、例えば、比較的演算能力の高いスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレットPC等の携帯型コンピュータで構成されている。この携帯端末6は、第2データ通信部21と、携帯位置算出部22と、記憶部23と、表示部24と、第1関連付け部25とを備えている。
【0024】
第2データ通信部21は、第1データ通信部20と同様に、Wi-Fi(登録商標)等の近距離の無線通信を行うものとされ、少なくとも機械特定情報を受信する。
携帯位置算出部22は、例えば、衛星測位システムの1つであるGPSよって携帯位置(携帯端末6の位置)を検出するもので、測位衛星(GPS衛星)から送信された信号(GPS衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、受信した信号に基づいて携帯位置(例えば、緯度、経度)を検出する。
【0025】
記憶部23は、携帯端末6に関する情報など様々な情報を記憶するもので、当該携帯端末6を所持する作業者に関する情報(作業者情報)を記憶している。 作業者情報とは、携帯端末6の作業者を特定するための情報であって、例えば、作業者が携帯端末6に設定したメールアドレス、ユーザID、氏名などである。携帯端末6がスマートフォンである場合には、携帯電話番号などが作業者情報として記憶部23に記憶されている。
【0026】
表示部24は、様々な情報を表示するものでタッチパネルで構成され、表示部24の画面上をタッチすることにより入力インターフェースとしても使用できるものである。第2データ通信部21が機械特定情報を受信したとき、表示部24には複数の機械特定情報が表示されるようになっている。
第1関連付け部25は、表示部24で表示された機械特定情報が選択されると、選択された機械特定情報と、記憶部23に記憶された作業者情報とを関連付けるものである。第1関連付け部25は、携帯端末6に格納された作業管理を行う作業管理アプリ等から構成されている。
【0027】
図2、3を用いて、機械特定情報と作業者情報とを関連付けについて詳しく説明する。
図2は、オペレータが所持する携帯端末6と、トラクタ(第1データ通信部20)との位置関係を示したものである。
図3は、第2データ通信部21が機械特定情報を受信した際に表示部24に表示された複数の機械特定情報を示したものである。
図2に示すように、農作業を行う場合、作業者はトラクタ2を農作業を行う場所(圃場)に移動する。圃場への移動は、トラクタ2等をトラックに搭載して移動させても、トラクタ2の自走させて移動させてもよい。
【0028】
ここで、トラクタ2のエンジンが停止している(イグニッションオフ)の状態であっても、トラクタ2の第2データ通信部21は、トラクタ2に搭載した電源(バッテリー)によって駆動しており、当該トラクタ2のデータ収集装置3に記憶されている機械特定情報を含むビーコンを外部に定期的に出力する。なお、電源の消耗を抑制するために、トラクタ2のエンジンの始動後に、第2データ通信部21が起動させ、当該第2データ通信部21によって機械特定情報を含むビーコンを出力してもよい。
【0029】
このように、第2データ通信部21から機械特定情報を出力している状態において、オペレータが所持する携帯端末6の作業管理アプリを起動させると、
図3に示すように、表示部24は、第2データ通信部21で受信できた全ての機械特定情報を一覧表で表示する。
例えば、
図2に示すように、オペレータが所持する携帯端末6の周りに、複数(例えば、3台)のトラクタ2a〜2cあったとする。そのうち、第1のトラクタ2a(第1トラクタ2a)の第1データ通信部20と、オペレータが所持する携帯端末6の第2データ通信部21とが通信ができ、さらに、第2のトラクタ2b(第2トラクタ2b)の第1データ通信部20と、携帯端末6の第2データ通信部21とが通信できた場合、表示部24に
は、
図3に示すように、第1トラクタ2aに対応する機械特定情報である「M135008125a」と、第2トラクタ2bに対応する機械特定情報である「M115041255a」とが表示される。携帯端末6が通信できるエリアに無い第3トラクタ2cに対応する機械特定情報は、表示部24に表示されない。
【0030】
そして、複数の機械特定情報を表示部24に表示している状態で、オペレータが乗車(操作)するトラクタ2の機械特定情報を表示部24上でタップし、機械特定情報を選択すると、第1関連付け部25は、携帯端末6の記憶部23に記憶された作業者情報と、タップにより選択された機械特定情報とを関連付け、選択された機械特定情報と作業者情報とを、携帯端末6に記憶する。例えば、
図3に示すように、表示部24に表示された「M135008125a」と「M115041255a」とのうち、「M115041255a」が選択されると、この「M115041255a」と、予め記憶部23に記憶された作業者情報(090-XXXX-5X44)とが関連付けられる。ここで、機械特定情報と作業者情報とが関連付けられたときの時刻、或いは、携帯位置算出部22で計算された携帯位置を、関連付けた機械特定情報及び作業者情報と共に携帯端末6に記憶する。
【0031】
機械特定情報と作業者情報とが関連付けられると、第1データ通信部20は、データ収集装置3で取得した農作業データを携帯端末6(第2データ通信部21)に向けて送信する。携帯端末6は、リアルタイムで農作業データを取得しているときは、例えば、携帯位置算出部22で計算された携帯位置と、第2データ通信部21で受信した農作業データとを関連付けて携帯端末6に記憶する。オペレータは、トラクタ2に乗車して作業を行うため、上述したように携帯位置と、第2データ通信部21で受信した農作業データとを関連付けることより、携帯位置をトラクタ2の位置と見なすことができ、携帯端末6の携帯位置算出部22を用いて、トラクタ2の位置と、農作業データとを合わせることができる。なお、携帯位置と農作業データとをタイミングを合わせて(時刻を合わせる)、それぞれ別々に携帯端末6に記憶させておき、農作業終了後に、携帯端末6を用いて携帯位置と農作業データとを関連付けしてもよい。
【0032】
以上によれば、農業機械(トラクタ)側から送信された機械特定情報を受信し、受信した機械特定情報を携帯端末6の表示部24に複数表示し、複数の機械特定情報の中で選択された機械特定情報と携帯端末6の作業者情報とを関連付けるようにしているため、携帯端末6を所持するオペレータと、農業機械とを確実に関連付けすることができ、オペレータがどの農業機械を操作したかを確実に把握することができる。
【0033】
図4は、複数のオペレータU1、U2と、複数台のトラクタA、Bと、農作業と関係を概念的に示したものである。
本発明によれば、オペレータがトラクタに乗車して農作業を行う度に、オペレータとトラクタとの紐付けを行うことができるため、例えば、
図4に示すように、オペレータU1については、6時〜14時までトラクタAで農作業を行い、15時〜20時までは別のトラクタBで農作業を行ったというように、一人のオペレータが複数台のトラクタを使用したとしても、当該オペレータと各トラクタとの関係を簡単に把握することができる。
【0034】
また、
図4に示すように、オペレータU2は、8時〜13時までは、オペレータU1が使用していないトラクタBを農作業を行い、15時〜20時までは、オペレータU1が6時〜14時までの間使用していたトラクタAを用いて農作業を行うというように、複数のオペレータと複数台のトラクタとの関係についても簡単に把握することができる。特に営農農家では、複数人のオペレータと、複数台のトラクタとで、同一日に農作業を行うことがあるが、本発明では、このような場合であっても、携帯端末6によって、確実にオペレータとトラクタとの関係が紐付けされるため、農作業終了後の管理(農作業データと、トラクタと、オペレータとのそれぞれ関係を整理して日報にするなど)が非常に行い易い。
【0035】
なお、携帯端末6によって関連付けられたトラクタ1と当該携帯端末(オペレータ)6と農作業データとは、携帯端末6に記憶して、当該携帯端末6の作業管理アプリによって整理してもよいし、外部のコンピュータ(管理サーバ、パーソナルコンピュータ)に送信して、コンピュータ上で整理してもよい。携帯端末6で整理する場合には、オペレータが所持している携帯端末6を用いて農作業終了後に作業日報を作成することができる。或い
は、コンピュータで整理する場合には、複数のオペレータからのデータを当該コンピュータに入れることにより、コンピュータ上で各オペレータの作業日報を作成したり、今後の作業計画をたてることができる。
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、複数の機械特定情報を表示部24に自動的に表示させることによって農業機械と携帯端末6とを関連付けていたが、第2実施形態では、携帯端末6の位置を示す携帯位置と、農業機械の位置を示す農業機械位置とを用いて、農業機械と携帯端末6とを関連付けるものである。第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0036】
図5に示すように、農業機械(トラクタ)2は、制御装置5及びデータ収集装置3の他に、位置検出装置(農業機械位置算出部)28が搭載されている。
この農業機械位置算出部28は、携帯位置算出部22と同様に、例えば、衛星測位システムの1つであるGPSよって農業機械位置(トラクタの位置)を検出するもので、GPS衛星から送信されたGPS衛星の位置、送信時刻、補正情報等を受信し、受信した信号に基づいて農業機械位置である緯度や経度を検出するものである。なお、位置検出装置を単独の装置として構成してもよいし、制御装置やデータ収集装置3に一体的に組み込んでもよい。
【0037】
また、データ収集装置3の第1データ通信部20は、農業機械位置算出部28で求められた農業機械位置を、農作業データと共に外部に送信する。
携帯端末6は、第2データ通信部21、携帯位置算出部22、記憶部23の他に、第2関連付け部29を備えている。第2データ通信部21は、第1データ通信部20から送信された農業機械位置や農作業データを受信するものである。携帯位置算出部22及び記憶部23は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0038】
第2関連付け部29は、第2データ通信部21が受信した農業機械位置と携帯位置算出部22で算出した携帯位置とを照合し、照合が成立した農業機械位置に対応する農業機械の機械特定情報と、記憶部23に記憶された作業者情報とを関連付ける。第2関連付け部29は、携帯端末6に格納された作業管理を行う作業管理アプリ等から構成されている。
次に、機械特定情報と作業者情報とを関連付けについて詳しく説明する。
【0039】
携帯端末6に格納された作業管理アプリを起動すると、携帯端末6とデータ収集装置3とはペアリング(認証)を行い、携帯端末6(第2データ通信部21)とデータ収集装置3(第1データ通信部20)との間では、データ通信(データの送受信)が行えるようになる。
携帯端末6とデータ収集装置3との間でデータ通信中に、トラクタ2を動作させて農作業を行うと、データ収集装置3は、農作業データを逐次、携帯端末6に送信すると共に、農業機械位置算出部28で求めた農業機械位置及び自己の機械特定情報を携帯端末6に送信する。
【0040】
一方、携帯端末6は、データ通信中に携帯位置算出部22で算出した携帯位置を逐次記憶していくと共に、データ収集装置3から受信したデータ(農作業データ、農業機械位置、機械特定情報)を記憶する。携帯端末6は、受信した農業機械位置と機械特定情報とは関連付け(対応付け)て記憶しておく。
農作業が終了し、携帯端末6における農作業したときの農作業データ、農業機械位置、機械特定情報、携帯位置の収集が終了すると、第2関連付け部29による機械特定情報と作業者情報とを関連付けの処理を行う。この関連付けの処理は、農作業終了後や農作業中に、オペレータが、農作業データを整理するときに行う。例えば、オペレータが携帯端末6の表示部24に表示された整理のボタンをタップすると、第2関連付け部29が起動する。
【0041】
例えば、第2関連付け部29は、
図6に示すように、データ収集装置3から受信した農業機械位置の緯度及び経度と、データ通信中に記憶した携帯位置の緯度及び経度とを照らし合わせ、これらが一致している場合に、農業機械位置に関連付けられた機械特定情報と、携帯端末6の作業者情報とを関連付ける。加えて、第2関連付け部29は、機械特定情報と共に取得した農作業データ及び農業機械位置と、作業者情報とも関連付ける。
【0042】
以上によれば、トラクタ側から送信された農業機械位置及び機械特定情報を受信する一方で、携帯位置を算出しておき、農業機械位置と携帯位置とを照合によって、農業機械位置に対応する農業機械の機械特定情報と作業者情報とを関連付けているため、オペレータが乗車するトラクタを携帯端末6を用いて選択しなくても自動的に関連付けを行うことができる。
[第3実施形態]
第2実施形態では、携帯端末6によって機械特定情報と作業者情報とを関連付けていたが、第3実施形態では、携帯端末6とは異なるデータ管理装置で関連付けを行っている。上述したと異なる構成について説明する。
【0043】
データ管理装置30は、農業機械を販売する販売会社、農業機械を製造する製造会社、農業機械のメンテナンス等を行うサービス会社、或いは、農業を管理する農業管理会社等に設置された管理サーバで構成されている。このデータ管理装置30には、ネットワークを介して携帯端末6、その他のコンピュータがアクセスできるようになっている。例えば、データ管理装置30には、携帯端末6の第2データ通信部21から送信される様々なデータ(農作業データ、農業機械位置、機械特定情報、携帯位置、作業者情報)が入力できるようになっている。
【0044】
図7に示すように、データ管理装置30に第2関連付け部29が備えられている。この第2関連付け部29は、当該データ管理装置30に格納されたプログラム等から構成されている。
データ管理装置30による機械特定情報と作業者情報とを関連付けについて詳しく説明する。
【0045】
農作業を行うにあたっては、まず、携帯端末6とデータ収集装置3とのペアリング(認証)を行い、携帯端末6とデータ収集装置3との間でデータ通信(無線通信)を開始する。データ通信中を行いながらトラクタ2による農作業を行い、データ収集装置3からのデータ(農作業データ、農業機械位置、機械特定情報)と、携帯位置とを携帯端末6に記憶する。農作業終了後や農作業中に、携帯端末6が記憶しているデータ(農作業データ、農業機械位置、機械特定情報、携帯位置、作業者情報)をデータ管理装置30に送信する。
【0046】
携帯端末6からデータを受信後、データ管理装置30の第2関連付け部29を起動させ、第2関連付け部29によって携帯端末6から送信された農業機械位置の緯度及び経度と、携帯位置の緯度及び経度とを照らし合わせる。そして、農業機械位置の緯度及び経度と、携帯位置の緯度及び経度とが一致している場合、第2関連付け部29は、農業機械位置に関連付けられている農業機械位置と、作業者情報とを関連付ける。
【0047】
以上によれば、各オペレータが所持する携帯端末6からデータを一括してデータ管理装置30に送信し、これらのデータに基づいて一日の農作業がどうであったか整理する場合、一括して各オペレータと農業機械との紐付けができるため、農作業データの整理が行い易い。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。上述した実施形態では、作業機の1つであるトラクタを例にあげて説明したが、作業機はトラクタ、コンバイン、田植機等の作業機に限定されず、バックホー等の建設機械であってもよい。