【実施例】
【0029】
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、触媒担体における酸性OH基の吸光度、塩基性OH基の吸光度、細孔容積および平均細孔径については、以下のようにして測定した。
【0030】
[細孔容積および平均細孔径]
水銀圧入法(水銀の接触角:150度、表面張力:480dyn/cm)によって測定した。細孔容積は細孔直径40Å以上の細孔の容積とし、平均細孔径は細孔容積の50%に相当する細孔直径とした。
【0031】
[酸性OH基の吸光度、塩基性OH基の吸光度]
透過型フーリエ変換赤外分光計(日本分光(株)製:FT-IR/6100)にて、以下のようにして酸性OH基の極大ピーク波数、その波数における吸光度、塩基性OH基の極大ピーク波数、その波数における吸光度を測定した。
(測定法)
試料20mgを成型容器(内径20mmφ)に充填して4ton/cm
2(39227N/cm
2)で加圧圧縮し、薄い円盤状に成型した。この成型体を、真空度が1.0×10
−3Pa以下の条件下、500℃で2時間保持した後、室温に冷却して吸光度を測定した。
具体的には、TGS検出器にて、分解能4cm
―1、積算回数を200回とし、波数範囲3000〜4000cm
―1でベースライン補正し、その後、比表面積で補正した。吸光度は、単位表面積当りおよび単位質量当りに換算した。
単位表面積当たりの吸光度(m
―2)=吸光度/成型体質量/比表面積
単位質量当たりの吸光度(g
−1)=吸光度/成型体質量
なお、以下の実施例・比較例いずれにおいても酸性OH基に起因する吸収スペクトルの極大ピーク位置の波数は3670〜3695cm
−1の範囲にあり、塩基性OH基に起因する吸収スペクトルの極大ピーク位置の波数は3760〜3780cm
−1の範囲にあった。
【0032】
[実施例1]
〔水素化処理触媒用担体(1)の調製〕(第1の製造方法)
(工程(a))
100Lスチームジャケット付きタンクに、濃度がAl
2O
3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液8.78kgを入れ、イオン交換水で希釈して29.83kgとした。次に、この溶液に濃度26質量%のグルコン酸ナトリウム水溶液109.6gを加え、撹拌しながら60℃に加温して濃度がAl
2O
3換算で5質量%アルミン酸ナトリウム水溶液を調製した。
別途、濃度がAl
2O
3換算で7質量%の硫酸アルミニウム水溶液13.13kgをイオン交換水23.64kgで希釈した硫酸アルミニウム水溶液と、TiO
2濃度換算で33質量%の硫酸チタン272.7gを1.53kgのイオン交換水に溶解したTiO
2換算で5質量%の硫酸チタン水溶液1.80kgとを混合し、60℃に加温した硫酸アルミニウム・硫酸チタン混合水溶液を調製した。
次に、前記濃度5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液を撹拌しながら、これに硫酸アルミニウム・硫酸チタン混合水溶液を一定速度、10分間で添加して、Al
2O
3・TiO
2としての濃度が3.8質量%のアルミナ・チタニア複合酸化物水和物スラリーを調製した。このとき、スラリーのpHは7.2であった。
【0033】
(工程(b))
アルミナ・チタニア複合酸化物水和物スラリーを、撹拌しながら60℃で60分間熟成した。
(工程(c))
熟成したアルミナ・チタニア複合酸化物水和物スラリーを脱水した後、濃度0.3質量%のアンモニア水溶液1.5Lで洗浄した。
(工程(d))
洗浄したケーキ状スラリーに、濃度がAl
2O
3換算で10質量%になるようにイオン交換水で希釈してスラリー化した後、濃度15質量%のアンモニア水を添加してpH10.5に調製し、撹拌しながら95℃で10時間熟成した。
(工程(e))
熟成したスラリーをスチームジャケット付き双腕式ニーダーで練りながら加温し、固形分の濃度が33質量%となるまで濃縮した。
(工程(f)および工程(i))
加熱を停止し、ホウ酸107.1gを添加して更に30分間捏和した。
(工程(g))
得られた捏和物をスクリュウ式押出機で径が1.8mmの円柱状に成型した。
(工程(h))
成型物を110℃で12時間乾燥した後、長さが3mmになるようにカッティングし、550℃で3時間焼成してチタニア−ボリア−アルミナからなる水素化処理触媒用担体(1)を調製した。
【0034】
上述の工程により得られた水素化処理触媒用担体(1)について、チタニア(TiO
2)、ボリア(B
2O
3)およびアルミナ(Al
2O
3)の各含有量を分析した。また、細孔容積、平均細孔径を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0035】
〔水素化処理触媒(1)の調製〕
1Lビーカーにイオン交換水450gを入れ、三酸化モリブデン355.6g、炭酸コバルト135.8gを加え、ついで、リン酸72.9g、クエン酸133.3gを加え、95℃で3時間撹拌して溶解させ含浸液(1)を調製した。
水素化処理触媒用担体(1)500gをビーカーに採り、この担体の全細孔容積(担体重量x細孔容積x係数)に相当する含浸液604.3gを徐々に滴下して吸収させた後、120℃で2時間乾燥して水素化処理触媒(1)を調製した。
得られた水素化処理触媒(1)について、組成分析を行い、担体100質量部あたりの金属酸化物としての含有量を測定した。
【0036】
また、以下の方法で一酸化窒素(NO)吸着量を測定した。結果を表1に示す。
〔一酸化窒素(NO)吸着量(測定法)〕
水素化処理触媒(1)を60メッシュ以下に粉砕し、約0.2gを石英製の測定セルに封入し、全自動触媒ガス吸着量装置(大倉理研(株)製:機種R6015)に充填した後、5体積%硫化水素/95体積%水素気流中、320℃で1時間硫化処理を行なった。
その後、ヘリウム気流中NOガス(NO濃度10体積%)をパルスで導入し、触媒1gあたりに吸着するNOガス量を測定した。
NO分子は、触媒上の活性金属の反応活性点に吸着するため、この吸着量により活性金属の分散性を評価することができる。
【0037】
また、以下の条件で触媒性能を評価した。結果を表1に示す。
〔触媒性能評価〕
まず、以下の条件で硫化処理を行った。
固定床流通式反応装置に水素化処理触媒(1)50ccを充填した。次に、下記原料油(直留軽油)に硫化剤としてジメチルジスルフィドを濃度が1.0質量%となるように加えた炭化水素油を用い、20℃/hrで300℃まで昇温し、300℃で20時間保持して硫化処理を行った。
LHSV :1.0hr
−1
H
2/Oil :250Nm
3/kL
PpH
2(水素分圧):4.5MPa
次に、直留軽油の水素化処理を行い、脱硫活性を測定した。反応は、固定床流通式反応装置を用いて、次の反応条件で行った。
LHSV :1.0hr
−1
H
2/Oil :250Nm
3/kL
PpH
2(水素分圧):4.5MPa
また、使用した原料油(直留軽油)の性状を以下に示す。
密度(15℃):0.8468g/cm
3
硫黄分 :1.13質量%
窒素分 :83質量ppm
反応温度を300〜360℃の範囲で10℃間隔で変更し、各温度での生成油中の硫黄分濃度を分析し、生成油中の硫黄分が8質量ppmとなる温度を測定した。結果を表1に示す。
【0038】
[実施例2]
〔水素化処理触媒用担体(2)の調製〕(第1の製造方法)
実施例1の(工程(a))において、濃度がTiO
2換算で5質量%の硫酸チタン水溶液872.4gを用い、(工程(f)および工程(i))でホウ酸51.9gを添加した以外は実施例1と同様にして水素化処理触媒用担体(2)を調製した。
得られた水素化処理触媒用担体(2)について、組成分析を行うとともに、細孔容積、平均細孔径、酸性OH基の吸光度および塩基性OH基の吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0039】
〔水素化処理触媒(2)の調製〕
実施例1において、水素化処理触媒用担体(2)を用いた以外は同様にして水素化処理触媒(2)を調製した。
得られた水素化処理触媒(2)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0040】
[実施例3]
〔水素化処理触媒用担体(3)の調製〕(第1の製造方法)
実施例1の(工程(a))において、濃度がTiO
2換算で5質量%の硫酸チタン水溶液5.24kgを用い、(工程(f)および工程(i))でホウ酸231.3gを添加した以外は実施例1と同様にして水素化処理触媒用担体(3)を調製した。
得られた水素化処理触媒用担体(3)について、組成分析を行うとともに、細孔容積、平均細孔径、酸性OH基の吸光度および塩基性OH基の吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0041】
〔水素化処理触媒(3)の調製〕
実施例1において、水素化処理触媒用担体(3)を用いた以外は同様にして水素化処理触媒(3)を調製した。
得られた水素化処理触媒(3)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0042】
[実施例4]
〔水素化処理触媒用担体(4)の調製〕(第1の製造方法)
実施例1の工程(a)において、TiO
2換算で5質量%の硫酸チタン水溶液1.80kgの代わりにSiO
2換算で濃度5質量%の珪酸ナトリウム水溶液1.80gを用い、攪拌しながらAl
2O
3換算で濃度5質量%アルミン酸ナトリウム水溶液に加え、60℃に加温する以外は実施例1と同様にして水素化処理触媒用担体(4)を調製した。
得られた水素化処理触媒用担体(4)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】
〔水素化処理触媒(4)の調製〕
実施例1において、水素化処理触媒用担体(4)を用いた以外は同様にして水素化処理触媒(4)を調製した。
得られた水素化処理触媒(4)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】
[実施例5]
〔水素化処理触媒用担体(5)の調製〕(第1の製造方法)
実施例1の(工程(f)および工程(i))において、ホウ酸107.1gの代わりにP
2O
5換算で61質量%のリン酸1アンモニウム98.4gを用いた以外は実施例1と同様にして水素化処理触媒用担体(5)を調製した。
得られた水素化処理触媒用担体(5)について、組成分析を行うとともに、細孔容積、平均細孔径、酸性OH基の吸光度および塩基性OH基の吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0045】
〔水素化処理触媒(5)の調製〕
実施例1において、水素化処理触媒用担体(5)を用いた以外は同様にして水素化処理触媒(5)を調製した。
得られた水素化処理触媒(5)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
[実施例6]
〔水素化処理触媒用担体(6)の調製〕(第1の製造方法)
実施例5の(工程(f)および工程(i))において、B
2O
3換算で56質量%のホウ酸107.1gの代わりに、(工程(d)および工程(i))において、洗浄したケーキ状スラリーにP
2O
5濃度として61%濃度のリン酸98.4gを加えた以外は実施例1と同様にして水素化処理触媒用担体(6)を調製した。
得られた水素化処理触媒用担体(6)について、組成分析を行うとともに、細孔容積、平均細孔径、酸性OH基の吸光度および塩基性OH基の吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0047】
〔水素化処理触媒(6)の調製〕
実施例1において、水素化処理触媒用担体(6)を用いた以外は同様にして水素化処理触媒(6)を調製した。
得られた水素化処理触媒(6)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0048】
[実施例7]
〔水素化処理触媒用担体(7)の調製〕(第2の製造方法)
(工程(j))
100Lスチームジャケット付きタンクに、濃度がAl
2O
3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液8.78kgを入れ、イオン交換水で希釈して29.83kgとした。ついで、この溶液に濃度26質量%のグルコン酸ナトリウム水溶液109.6gを加え、撹拌しながら60℃に加温して濃度がAl
2O
3換算で5質量%アルミン酸ナトリウム水溶液を調製した。
別途、濃度がAl
2O
3換算で7質量%の硫酸アルミニウム水溶液13.13kgをイオン交換水23.64kgで希釈した硫酸アルミニウム水溶液と、濃度がP
2O
5換算で61質量%のリン酸147.5gとを混合し、60℃に加温した硫酸アルミニウム・リン酸混合水溶液を調製した。
次に、前記した濃度5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液を撹拌しながら、これに硫酸アルミニウム・リン酸混合水溶液を一定速度、10分間で添加して、Al
2O
3・P
2O
5としての濃度が3.8質量%のアルミナ・リン複合酸化物水和物スラリーを調製した。このとき、スラリーのpHは7.2であった。
【0049】
(工程(k))
アルミナ・リン複合酸化物水和物スラリーを、撹拌しながら60℃で60分間熟成した。
(工程(l))
熟成したアルミナ・リン複合酸化物水和物スラリーを脱水した後、濃度0.3質量%のアンモニア水溶液1.5Lで洗浄した。
(工程(m))
洗浄したケーキ状スラリーに濃度がAl
2O
3換算で10質量%になるようにイオン交換水で希釈してスラリー化した後、濃度15質量%のアンモニア水を添加してpH10.5に調製し、撹拌しながら95℃で10時間熟成した。
(工程(n))
熟成したスラリーをスチームジャケット付き双腕式ニーダーで練りながら加温し、固形分の濃度が33質量%となるまで濃縮した。
(工程(o)および工程(r))
加熱を停止し、TiO
2換算で2質量%のペルオキソチタン酸溶液3.0kgを添加して更に30分間捏和した。
(工程(p))
得られた捏和物をスクリュウ式押出機で径が1.8mm、長さ3mmの円柱状に成型した。
(工程(q))
成型物を110℃で12時間乾燥した後、550℃で3時間焼成してチタニア−リン酸化物−アルミナからなる水素化処理触媒用担体(7)を調製した。
【0050】
上述の工程により得られた水素化処理触媒用担体(7)について、組成分析を行うとともに、細孔容積、平均細孔径、酸性OH基の吸光度および塩基性OH基の吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
〔水素化処理触媒(7)の調製〕
実施例1において、水素化処理触媒用担体(7)を用いた以外は同様にして水素化処理触媒(7)を調製した。
得られた水素化処理触媒(7)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0052】
[実施例8]
実施例1の水素化処理触媒用担体(1)を用い、以下のように水素化処理触媒を調製した。
〔水素化処理触媒(8)の調製〕
1Lビーカーにイオン交換水500gを入れ、三酸化モリブデン295.8g、炭酸コバルト117.4gを加え、ついで、リン酸69.3g、クエン酸105.6gを加え、95℃で3時間撹拌して溶解させ含浸液(2)を調製した。
次に、含浸液(2)を用いた以外は実施例1と同様にして水素化処理触媒(8)を調製した。
得られた水素化処理触媒(8)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0053】
[実施例9]
実施例1の水素化処理触媒用担体(1)を用い、以下のように水素化処理触媒を調製した。
〔水素化処理触媒(9)の調製〕
1Lビーカーにイオン交換水400gを入れ、三酸化モリブデン448.0g、炭酸コバルト 173.3gを加え、ついで、リン酸91.8g、クエン酸156.0gを加え、95℃で3時間撹拌して溶解して含浸液(3)を調製した。
次に、含浸液(3)を用いた以外は実施例1と同様にして水素化処理触媒(9)を調製した。
得られた水素化処理触媒(9)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0054】
[比較例1]
〔水素化処理触媒用担体(R1)の調製〕
実施例1の(工程(f)および工程(i))でホウ酸を使用しなかった以外は実施例1と同様にして水素化処理触媒用担体(R1)を調製した。
得られた水素化処理触媒用担体(R1)について、組成分析を行うとともに、細孔容積、平均細孔径、酸性OH基の吸光度および塩基性OH基の吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0055】
〔水素化処理触媒(R1)の調製〕
実施例1において、水素化処理触媒用担体(R1)を用いた以外は同様にして水素化処理触媒(R1)を調製した。
得られた水素化処理触媒(R1)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0056】
[比較例2]
〔水素化処理触媒用担体(R2)の調製〕
実施例1の(工程(a))で濃度がTiO
2換算で5質量%の硫酸チタン水溶液1.90kgを用い、(工程(f)および工程(i))でホウ酸395.8gを添加した以外は実施例1と同様にして水素化処理触媒用担体(R2)を調製した。
得られた水素化処理触媒用担体(R2)について、組成分析を行うとともに、細孔容積、平均細孔径、酸性OH基の吸光度および塩基性OH基の吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0057】
〔水素化処理触媒(R2)の調製〕
実施例1において、水素化処理触媒用担体(R2)を用いた以外は同様にして水素化処理触媒(R2)を調製した。
得られた水素化処理触媒(R2)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0058】
[比較例3]
〔水素化処理触媒用担体(R3)の調製〕
実施例1の(工程(a))で、濃度がTiO
2換算で5質量%の硫酸チタン水溶液10.96kgを用い、(工程(f)および工程(i))でホウ酸456.7gを添加した以外は実施例1と同様にして水素化処理触媒用担体(R3)を調製した。
得られた水素化処理触媒用担体(R3)について、組成分析を行うとともに、細孔容積、平均細孔径、酸性OH基の吸光度および塩基性OH基の吸光度を測定した。結果を表1に示す。
〔水素化処理触媒(R3)の調製〕
実施例1において、水素化処理触媒用担体(R3)を用いた以外は同様にして水素化処理触媒(R3)を調製した。
得られた水素化処理触媒(R3)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0059】
[比較例4]
〔水素化処理触媒用担体(R4)の調製〕
比較例3の(工程(a))で、濃度がTiO
2換算で5質量%の硫酸チタン水溶液10.96kgを用いることなく、(工程(f)および工程(i))でホウ酸383.1gを添加した以外は比較例3と同様にして水素化処理触媒用担体(R4)を調製した。
得られた水素化処理触媒用担体(R4)について、組成分析を行うとともに、細孔容積、平均細孔径、酸性OH基の吸光度および塩基性OH基の吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0060】
〔水素化処理触媒(R4)の調製〕
実施例1において、水素化処理触媒用担体(R4)を用いた以外は同様にして水素化処理触媒(R4)を調製した。
得られた水素化処理触媒(R4)について、組成分析を行うとともに、一酸化窒素(NO)吸着量の測定と性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
[評価結果]
表1の実施例1〜9からわかるように、本発明に係る水素化処理触媒用担体を用いた水素化処理触媒は、触媒担体表面における酸性OH基および塩基性OH基に起因する吸光度が所定の範囲にあるので脱硫活性(水素化活性)に優れている。一方、前記した吸光度が所定の範囲から外れている比較例1〜4では脱硫活性が劣る。