特許第6013287号(P6013287)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013287
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20161011BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20161011BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   B41J29/38 Z
   G06F3/12 338
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-136750(P2013-136750)
(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公開番号】特開2015-12468(P2015-12468A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2015年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】本多 透
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−134125(JP,A)
【文献】 特開2007−249946(JP,A)
【文献】 特開2005−193408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J29/38
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書データの取得場所と印刷周期と印刷予定時刻と印刷を許可された印刷許可ユーザーのユーザー情報とが関連付けられた定期ジョブ設定情報と、該定期ジョブ設定情報に基づいて作成される定期ジョブとを記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された前記定期ジョブ設定情報に従って、前記印刷許可ユーザーが前記文書データに基づいて印刷可能な定期ジョブを、前記印刷周期で前記印刷予定時刻までに自動的に作成して前記記憶手段に記憶させる制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記定期ジョブの中で、ログインした前記ユーザーが前記印刷許可ユーザーである前記定期ジョブを実行する実行手段とを備え
前記ユーザー情報には、前記印刷許可ユーザーのメールアドレス情報が含まれ、前記定期ジョブ設定情報には、前記印刷周期と前記印刷予定時刻とから算出された印刷予定日時をメールで通知するか否かを設定可能な項目が設けられ、
前記制御手段は、前記定期ジョブ設定情報で前記印刷予定日時をメールで通知することが設定されている場合、前記印刷予定日時を前記印刷許可ユーザーのメールアドレスにメールで通知する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
文書データの取得場所と印刷周期と印刷予定時刻と印刷を許可された印刷許可ユーザーのユーザー情報とが関連付けられた定期ジョブ設定情報と、該定期ジョブ設定情報に基づいて作成される定期ジョブとを記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された前記定期ジョブ設定情報に従って、前記印刷許可ユーザーが前記文書データに基づいて印刷可能な定期ジョブを、前記印刷周期で前記印刷予定時刻までに自動的に作成して前記記憶手段に記憶させる制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記定期ジョブの中で、ログインした前記ユーザーが前記印刷許可ユーザーである前記定期ジョブを実行する実行手段とを備え
前記定期ジョブ設定情報には、前記制御手段が作成する前記定期ジョブについて、前記文書データの取得場所に基づいて文書データを取得して、この文書データを付加した文書付き定期ジョブを作成するか、前記文書データの取得場所を付加した文書場所付き定期ジョブを作成するかを設定可能な項目が設けられ、
前記制御手段は、前記文書付き定期ジョブを実行する場合、前記定期ジョブに付加された文書データに基づいて印刷を行い、前記文書場所付き定期ジョブを実行する場合、付加された前記文書データの取得場所に基づいて文書データを取得して、この文書データに基づいて印刷を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記ユーザー情報には、前記印刷許可ユーザーのメールアドレス情報が含まれ、前記定期ジョブ設定情報には、前記印刷周期と前記印刷予定時刻とから算出された印刷予定日時をメールで通知するか否かを設定可能な項目が設けられ、
前記制御手段は、前記定期ジョブ設定情報で前記印刷予定日時をメールで通知することが設定されている場合、前記印刷予定日時を前記印刷許可ユーザーのメールアドレスにメールで通知する
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段から通知される前記メールには、前記定期ジョブ設定情報の設定内容を変更可能な変更項目が設けられ、
前記変更項目を介して前記定期ジョブ設定情報の設定内容が変更されたメールが返信されたときに、返信されたメールの変更項目に対応して、前記記憶手段に記憶された前記定期ジョブ設定情報の設定内容を変更する定期ジョブ設定変更手段を備えた
ことを特徴とする請求項1又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記文書付き定期ジョブには、文書保存期間が設けられ、
前記制御手段は、現在時刻が、前記印刷周期と前記印刷予定時刻とから算出された印刷予定日時+前記文書保存期間を経過した前記文書付き定期ジョブを前記記憶手段から削除して、削除した前記文書付き定期ジョブに対応する前記文書場所付き定期ジョブを作成して前記記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
作成された前記定期ジョブには、予め設定されたジョブ保存期間が設けられ、
前記制御手段は、現在時刻が、前記印刷周期と前記印刷予定時刻とから算出された印刷予定日時+前記ジョブ保存期間を経過した定期ジョブを前記記憶手段から削除する
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指定された文書を定期的に印刷する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売業等では、仕入状況を管理するため、毎週末になると定期的に仕入状況が記載された仕入状況書を印刷することがある。このような定期的に所定の書類を印刷するニーズに対応して、予め決められたデータを印刷するジョブを定期的に自動で作成する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
例えば、特許文献1の技術では、指定されたURL(Uniform Resource Locator)に対応する文書データを決められた時刻に定期的に印刷している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−260797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、ユーザーが画像形成装置の前にいないときであっても、決められた時刻になると自動的に文書が印刷されるため、セキュリティー上問題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、文書データの取得場所と印刷周期と印刷予定時刻と印刷を許可された印刷許可ユーザーのユーザー情報とが関連付けられた定期ジョブ設定情報と、該定期ジョブ設定情報に基づいて作成される定期ジョブとを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された前記定期ジョブ設定情報に従って、前記印刷許可ユーザーが前記文書データに基づいて印刷可能な定期ジョブを、前記印刷周期で前記印刷予定時刻までに自動的に作成して前記記憶手段に記憶させる制御手段と、前記記憶手段に記憶された前記定期ジョブの中で、ログインした前記ユーザーが前記印刷許可ユーザーである前記定期ジョブを実行する実行手段とを備え、前記ユーザー情報には、前記印刷許可ユーザーのメールアドレス情報が含まれ、前記定期ジョブ設定情報には、前記印刷周期と前記印刷予定時刻とから算出された印刷予定日時をメールで通知するか否かを設定可能な項目が設けられ、前記制御手段は、前記定期ジョブ設定情報で前記印刷予定日時をメールで通知することが設定されている場合、前記印刷予定日時を前記印刷許可ユーザーのメールアドレスにメールで通知することを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、文書データの取得場所と印刷周期と印刷予定時刻と印刷を許可された印刷許可ユーザーのユーザー情報とが関連付けられた定期ジョブ設定情報と、該定期ジョブ設定情報に基づいて作成される定期ジョブとを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された前記定期ジョブ設定情報に従って、前記印刷許可ユーザーが前記文書データに基づいて印刷可能な定期ジョブを、前記印刷周期で前記印刷予定時刻までに自動的に作成して前記記憶手段に記憶させる制御手段と、前記記憶手段に記憶された前記定期ジョブの中で、ログインした前記ユーザーが前記印刷許可ユーザーである前記定期ジョブを実行する実行手段とを備え、前記定期ジョブ設定情報には、前記制御手段が作成する前記定期ジョブについて、前記文書データの取得場所に基づいて文書データを取得して、この文書データを付加した文書付き定期ジョブを作成するか、前記文書データの取得場所を付加した文書場所付き定期ジョブを作成するかを設定可能な項目が設けられ、前記制御手段は、前記文書付き定期ジョブを実行する場合、前記定期ジョブに付加された文書データに基づいて印刷を行い、前記文書場所付き定期ジョブを実行する場合、付加された前記文書データの取得場所に基づいて文書データを取得して、この文書データに基づいて印刷を行うことを特徴とする。
また、作成された前記定期ジョブには、予め設定されたジョブ保存期間が設けられ、前記制御手段は、現在時刻が、前記印刷周期と前記印刷予定時刻とから算出された印刷予定日時+前記ジョブ保存期間を経過した定期ジョブを前記記憶手段から削除してもよい。
また、前記ユーザー情報には、前記印刷許可ユーザーのメールアドレス情報が含まれ、前記定期ジョブ設定情報には、前記印刷周期と前記印刷予定時刻とから算出された印刷予定日時をメールで通知するか否かを設定可能な項目が設けられ、前記制御手段は、前記定期ジョブ設定情報で前記印刷予定日時をメールで通知することが設定されている場合、前記印刷予定日時を前記印刷許可ユーザーのメールアドレスにメールで通知してもよい。
また、前記制御手段から通知される前記メールには、前記定期ジョブ設定情報の設定内容を変更可能な変更項目が設けられ、前記変更項目を介して前記定期ジョブ設定情報の設定内容が変更されたメールが返信されたときに、返信されたメールの変更項目に対応して、前記記憶手段に記憶された前記定期ジョブ設定情報の設定内容を変更する定期ジョブ設定変更手段を備えてもよい
また、前記文書付き定期ジョブには、文書保存期間が設けられ、前記制御手段は、現在時刻が、前記印刷周期と前記印刷予定時刻とから算出された印刷予定日時+前記文書保存期間を経過した前記文書付き定期ジョブを前記記憶手段から削除して、削除した前記文書付き定期ジョブに対応する前記文書場所付き定期ジョブを作成して前記記憶手段に記憶させてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、指定された文書を定期的に印刷する場合におけるセキュリティーを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る実施形態の画像形成システムのシステム構成図である。
図2図1に示す画像形成装置のブロック図である。
図3図2に示す設定情報記憶部に記憶された定期ジョブ設定情報の一例を示す図である。
図4図2に示すジョブ記憶部に記憶された定期ジョブの一例を示す図である。
図5図2に示す定期ジョブ実行処理部の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同様の機能を示す構成には、同一の符号を付してある。
【0011】
図1に示すように、画像形成装置10は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク20を介して、サーバー30と文書記憶部40とインターネット50とに接続されている。サーバー30とHDD(ハードディスク)等である文書記憶部40とには、画像形成装置10がアクセス可能な文書データが記憶されている。また、画像形成装置10は、インターネット50上のWebページにアクセス可能である。なお、本実施形態において、文書データは、イメージデータ、テキストデータ、図形データ、又はこれらの組み合わせ等からなる文書情報を総称するものである。
【0012】
画像形成装置10は、図2に示すように、記憶部11とメール処理部12と通信部13と制御部14と操作部15と原稿読取部16と画像処理部17と印刷部18とを備えている。
【0013】
操作部15は、液晶表示パネルの表面に透明の感圧センサーが設けられた表示手段及び入力手段として機能するタッチパネル、印刷枚数等の数値を入力するためのテンキー、設定情報を初期化させる指示を入力するためのリセットキー、複写動作を停止させたり、入力された数値を消去させたりするためのストップキー、印刷動作を開始させる出力指示を入力するためのスタートキー等の各種操作キーを備えたユーザーインターフェースである。また、操作部15は、ユーザーによるログイン情報の入力を受け付けてもよい。
【0014】
原稿読取部16は、図示しない原稿給紙装置により給紙されてきた原稿や、ユーザーによってプラテンガラスに載置された原稿に対して光を照射し、その反射光等を受光して原稿画像を読み取って文書データを出力するスキャナーである。
【0015】
画像処理部17は、文書データに対して所定の画像処理を行う手段である。画像処理部17では、例えば、拡大縮小処理や、濃度調整、階調調整等の画像改善処理が行われる。
【0016】
印刷部18は、文書データを文書画像として印刷する印刷手段である。印刷部18は、例えば、記憶部11から読み出した文書データに基づき感光体ドラムの表面に潜像を形成し、トナーによってその潜像をトナー像とする画像形成を行い、図示しない給紙部から搬送されてきた記録紙に感光体ドラムのトナー像を転写させ、そのトナー像を記録紙に定着させて排紙する。
【0017】
メール処理部12は、メールの作成や、通信部13を介してメールの送受信を行う機能を有する。
【0018】
通信部13は、LAN等のネットワーク20を介して、サーバー30や文書記憶部40、インターネット50との間で各種データを送受信する機能を有する。
【0019】
記憶部11は、半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、原稿読取部16によって読み取られた文書データや、通信部13を介して受信された文書データが蓄積される記憶手段である。記憶部11は、後述する定期ジョブ設定情報を記憶する設定情報記憶部111とジョブを記憶するジョブ記憶部112とを備えている。
【0020】
制御部14は、記憶部11、メール処理部12、通信部13、制御部14、操作部15、原稿読取部16、画像処理部17及び印刷部18にそれぞれ接続され、操作部15から入力された所定の指示情報に応じて画像形成装置10全体の動作制御を実行する。制御部14は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには画像形成装置10の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部14は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作部15から入力された所定の指示情報に応じて装置全体の制御を行う。なお、制御プログラムは、不図示のネットワーク又は不図示のコンピューター読取可能な記録媒体を介してROMに記憶されてもよい。また、制御部14は、定期ジョブ設定処理部141と定期ジョブ管理部142と定期ジョブ設定変更部143と定期ジョブ実行処理部144として機能する。
【0021】
定期ジョブ設定処理部141は、操作部15を介して、ユーザーが入力する定期ジョブ設定情報を取得して設定情報記憶部111に記憶させ、定期ジョブを自動的に作成するための設定を行う。この設定情報記憶部111に記憶された定期ジョブ設定情報に基づいて、定期ジョブが自動的に作成される。定期ジョブは、定期ジョブ設定情報に基づいて、予め指定されたユーザーが予め指定された文書を予め指定された印刷周期で予め指定された時刻に印刷できるように、定期ジョブ管理部142によって自動的に作成され、ジョブ記憶部112に記憶されるジョブである。
【0022】
図3は、設定情報記憶部111に記憶された定期ジョブ設定情報を示す一例である。定期ジョブ設定情報は、定期ジョブ設定ID111aと文書場所111bと印刷設定111cと印刷周期111dと印刷予定時刻111eとユーザー情報111fとジョブ保存期間111gとメール通知設定111hと文書取得設定111iとが関連付けられて記憶される。以下、定期ジョブ設定情報の各項目について説明する。
【0023】
定期ジョブ設定ID111aは、定期ジョブ設定処理部141が定期ジョブ設定情報毎に一意に割り当てる識別IDである。
【0024】
文書場所111bは、定期的に印刷する文書データの取得場所を示す情報であり、サーバー30や文書記憶部40上に記憶された文書データを指定するパス名や、インターネット50上の文書データを指定するURL等である。ユーザーは、操作部15を介して、サーバー30や文書記憶部40、インターネット50上の文書データの文書場所を指定することができる。定期ジョブ設定処理部141は、操作部15を介して文書場所が入力されると、指定されたパス名又はURLにアクセスして、アクセス可能であれば指定されたパス名又はURLを文書場所111bとして記憶させ、アクセス不可能であれば、操作部15を介してエラーメッセージを通知し、再度ユーザーに入力を促す。なお、文書場所111bとして、画像形成装置10の例えば記憶部11に記憶された文書データが指定されてもよい。
【0025】
印刷設定111cは、印刷する際の印刷部数や濃度、集約等の印刷情報である。
【0026】
印刷周期111dは、印刷する印刷周期を示す情報である。例えば、印刷周期111dとして、「今回のみ」、「毎日」、「曜日指定」、「毎週」、「毎月」、「毎年」等を指定することができる。
【0027】
印刷予定時刻111eは、印刷する予定時間である。
【0028】
ユーザー情報111fは、文書データを印刷可能なユーザー(以下、「印刷許可ユーザー」と呼ぶ)のアカウント情報を示す。印刷許可ユーザー以外は、この定期ジョブの文書データによる印刷を行うことができなくなる。ユーザー情報111fには、印刷許可ユーザーを複数人指定することができる。また、ユーザー情報111fには、印刷許可ユーザーのメールアドレスが含まれる。
【0029】
ジョブ保存期間111gは、印刷周期111d及び印刷予定時刻111eから算出される印刷予定日時を過ぎても実行されずにジョブ記憶部112に残っている定期ジョブの保存期間を示す。印刷予定日時を過ぎても実行されずにジョブ記憶部112に残っている定期ジョブは、ジョブ保存期間111g経過後に定期ジョブ管理部142により自動的にジョブ記憶部112から削除される。
【0030】
メール通知設定111hは、印刷周期111d及び印刷予定時刻111eから算出される印刷予定日時を印刷許可ユーザーにメールで通知するか否かを設定する項目である。メール通知が無しに設定された場合、メール通知は行われない。メール通知が有りに設定されると、メールを送信する際のメール送信日時(例えば、毎週月曜08:30等)を設定することができ、設定されたメール送信日時になると、ユーザー情報111fに含まれる印刷許可ユーザーのメールアドレスにメールが送信される。なお、メール送信日時としては、印刷予定日時よりあとの時間が指定されてもよい。
【0031】
文書取得設定111iは、定期ジョブを作成する際に、事前にネットワーク20を介して、サーバー30、文書記憶部40又はインターネット50から文書場所111bに対応する文書データを取得して、文書データを付加した定期ジョブを作成するか否かを設定する項目である。
【0032】
文書取得設定111iが有りの場合、文書データを付加した定期ジョブ(文書付き定期ジョブ)が作成され、文書取得設定111iが無しの場合、文書データの代わりに文書場所111bが付加された定期ジョブ(文書場所付き定期ジョブ)が作成される。文書取得設定111iが無しの場合、印刷許可ユーザーが画像形成装置10にログインした際に、文書場所111bに対応する文書データがネットワーク20を介して、サーバー30、文書記憶部40又はインターネット50から取得され、この文書データにより印刷が行われる。一方、文書付き定期ジョブの場合、印刷許可ユーザーが画像形成装置10にログインした際に、定期ジョブに付加された文書データにより印刷が行われる。
【0033】
そのため、文書場所付き定期ジョブでは、文書データを取得する時間が掛かるが最新の文書データを印刷でき、文書付き定期ジョブでは、文書データを取得する時間が掛からないため、印刷許可ユーザーが画像形成装置10前に居る時間を短縮できるが最新の文書データを印刷することができない。そのため、文書取得設定111iの有無は、印刷する文書データの更新頻度や文書データのサイズ等に応じてユーザーが設定すればよい。
【0034】
なお、文書付き定期ジョブは、後述する印刷予定日時112d経過後に予め決められた所定時間(文書データ保存期間)が経過すると、ジョブ記憶部112から削除されてメモリーが解放される。そして、文書データの代わりに文書場所が付加された文書場所付き定期ジョブが作成され、ジョブ記憶部112に記憶される。文書データ保存期間は、ジョブ保存期間111gよりも短く設定された期間であり、ユーザーにより設定されてもよいし、予め設定された期間であってもよい。
【0035】
図2に戻り、定期ジョブ管理部142は、(1)定期ジョブの作成処理と、(2)印刷予定日時のメール通知処理と、(3)定期ジョブの削除処理とを行う。つまり、定期ジョブ管理部142は、定期ジョブのスケジューリングを行う。
【0036】
(1)定期ジョブの作成処理
定期ジョブ管理部142は、設定情報記憶部111に記憶された定期ジョブ設定情報に基づいて、自動的に定期ジョブを作成する。具体的には、定期ジョブ管理部142は、定期ジョブ設定情報に基づいて、設定されたユーザー情報111fの印刷許可ユーザーが、設定された文書場所111bに対応する文書データに基づいて印刷可能な定期ジョブを、設定された印刷周期111dで、設定された印刷予定時刻111eまでに自動的に作成して、ジョブ記憶部112に記憶させる。定期ジョブは、定期ジョブ設定情報で設定された印刷周期111dの印刷予定時刻111eまでにジョブ記憶部112に記憶されていればよく、例えば夜間等にバッチ処理で一括して作成されてもよいし、所定時間毎に作成されてもよい。
【0037】
図4は、ジョブ記憶部112に記憶された定期ジョブを示す図である。定期ジョブは、ジョブID112aと文書情報112bと印刷設定112cと印刷予定日時112dとユーザー情報112eとジョブ保存期間112fとが関連付けられて記憶される。
【0038】
ジョブID112aは、ジョブ記憶部112に記憶されたジョブを識別するIDである。
文書情報112bには、文書付き定期ジョブの場合、文書場所111bに対応する文書データが記憶され、文書場所付き定期ジョブの場合、文書場所111bが記憶されている。
印刷設定112c、ユーザー情報112e、ジョブ保存期間112fのそれぞれは、定期ジョブ設定情報で設定された印刷設定111c、ユーザー情報111f、ジョブ保存期間111gに対応する。
また、印刷予定日時112dは、定期ジョブ設定情報で設定された印刷周期111d及び印刷予定時刻111eから算出される。
【0039】
(2)定期ジョブの削除処理
定期ジョブ管理部142は、ジョブ保存期間112fが経過した定期ジョブと文書保存期間が経過した定期ジョブ(文書付き定期ジョブ)とを削除する。
【0040】
具体的には、定期ジョブ管理部142は、定期的にジョブ記憶部112を参照して、各定期ジョブについて、現在時刻が印刷予定日時112d+ジョブ保存期間112fを経過した定期ジョブであるか判定し、現在時刻が印刷予定日時112d+ジョブ保存期間112fを経過している定期ジョブを削除する。また、定期ジョブ管理部142は、定期的にジョブ記憶部112を参照して、各定期ジョブが文書付き定期ジョブであるか判定し、文書付き定期ジョブである場合に、現在時刻が印刷予定日時112d+文書保存期間を経過した定期ジョブであるか判定し、現在時刻が印刷予定日時112d+文書保存期間を経過している文書付き定期ジョブを削除する。これにより、印刷予定日時112dを経過しても実行されずにジョブ記憶部112に残っている文書付き定期ジョブについて、ジョブ保存期間112fよりも前に削除して、文書データが占めていたメモリーを解放することができる。定期ジョブ管理部142は、文書付き定期ジョブを削除した場合、文書データの代わりに文書場所を付加した定期ジョブ(文書場所付き定期ジョブ)を作成して、ジョブ記憶部112に記憶させる。つまり、文書保存期間経過後は、ジョブ保存期間112fまで文書付き定期ジョブの代わりに文書場所付き定期ジョブが記憶される。
【0041】
(2)印刷予定日時のメール通知処理
定期ジョブ管理部142は、設定情報記憶部111を参照して、メール通知設定111hが有りに設定された定期ジョブ設定情報について、印刷周期111dと印刷予定時刻111eとから印刷予定日時を算出し、メール処理部12を介して定期ジョブの印刷予定日時を通知するメールを作成する。定期ジョブ管理部142は、定期ジョブ設定情報で設定されたメール送信日時になると、通信部13、ネットワーク20を介して、設定された印刷許可ユーザーのメールアドレス宛にメールを送信する。
【0042】
送信されたメールには、例えば、定期ジョブの作成を停止したり、定期ジョブの印刷周期111dや印刷予定時刻111eを変更したり等、この定期ジョブ設定情報の設定を変更可能な設定変更項目が設けられている。印刷許可ユーザーは、この印刷予定日時を通知するメールにおける設定変更項目の内容を所望の設定に変更して、メールを返信することで、設定情報記憶部111に記憶された定期ジョブ設定情報の設定を変更することができる。
【0043】
印刷許可ユーザーによりメールが返信されると、返信されたメールは、通信部13を介して定期ジョブ設定変更部143で受信される。
定期ジョブ設定変更部143は、返信されたメールを受信すると、返信メールにおける設定変更項目に設定された内容に対応するように、設定情報記憶部111に記憶された定期ジョブ設定情報を変更する。
【0044】
定期ジョブ実行処理部144は、不図示のログイン処理部を介して、ユーザーが画像形成装置10にログインしたことを検出すると、ジョブ記憶部112を参照して、ログインユーザーが印刷許可ユーザーとなっている定期ジョブを実行する。
【0045】
具体的には、図5に示すように、まず、定期ジョブ実行処理部144は、ユーザーがログインしたか判定し(ステップS101)、ユーザーがログインするまで待機している(ステップS101でNo)。ユーザーがログインすると(ステップS101でYes)、定期ジョブ実行処理部144は、ジョブ記憶部112を参照して、定期ジョブがあるか判定し(ステップS102)、定期ジョブがなければ(ステップS102でNo)、本処理を終了する。この後、ログインユーザーにより、コピー等の処理が行われる。
【0046】
ジョブ記憶部112に定期ジョブがある場合(ステップS102でYes)、定期ジョブ実行処理部144は、変数iに定期ジョブ数をセットして(ステップS103)、ログインユーザーが、i番目の定期ジョブである定期ジョブiの印刷許可ユーザーであるか判定する(ステップS104)。
【0047】
ログインユーザーが印刷許可ユーザーである場合(ステップS104でYes)、定期ジョブ実行処理部144は、現在時刻が定期ジョブiの印刷予定日時112dを経過したか判定する(ステップS105)。現在時刻が定期ジョブiの印刷予定日時112dを経過していなければ(ステップS105でNo)、定期ジョブ実行処理部144は、操作部15を介して、今印刷するかどうかをログインユーザーに選択させる(ステップS106)。
【0048】
今印刷する旨が選択された場合(ステップS106でYes)と、現在時刻が定期ジョブiの印刷予定日時112dを経過している(ステップS105でYes)場合とには、定期ジョブ実行処理部144は、文書データが付加された定期ジョブであるか判定する(ステップS107)。ここで、ジョブ記憶部112には、定期ジョブ設定情報の文書取得設定111iが有りに設定されている場合、文書データが付加された定期ジョブが作成され、文書取得設定111iが無しに設定されている場合、文書情報112bが付加された定期ジョブが作成されている。文書データが付加された定期ジョブでない場合(ステップS107でNo)、すなわち、文書情報112bが付加された定期ジョブである場合、定期ジョブ実行処理部144は、通信部13及びネットワーク20を介して、サーバー30、文書記憶部40又はインターネット50から文書情報112bに対応する文書データを受信する(ステップS108)。
【0049】
そして、定期ジョブ実行処理部144は、定期ジョブiの文書データを取得すると(ステップS108及びステップS107でYes)、画像処理部17及び印刷部18を介して、定期ジョブiの印刷設定112cに従って文書データの印刷処理を行う(ステップS109)。これにより、この定期ジョブiは実行完了されてジョブ記憶部112から消える。
【0050】
そして、定期ジョブ実行処理部144は、iをデクリメントし(ステップS110)、i=0か判定する(ステップS111)。i=0でなければ(ステップS111でNo)、すなわち、全ての定期ジョブのチェックが終了していなければ、次の定期ジョブについて上述の処理が繰り返される(ステップS104〜ステップS111)。なお、ログインユーザーが印刷許可ユーザーでない場合(ステップS104でNo)や、印刷予定日時112d前の定期ジョブについて、今印刷しない旨が選択された場合(ステップS106でNo)も、同様にiがデクリメントされ(ステップS110)、i=0か判定される(ステップS111)。つまり、この場合、定期ジョブはジョブ記憶部112に保存されたままとなる。
【0051】
そして、i=0になると(ステップS111でYes)、すなわち全ての定期ジョブのチェックが終了すると、本処理が終了する。
【0052】
以上により、本実施形態では、ユーザーが画像形成装置10にログインした際に、ジョブ記憶部112に定期ジョブがあるか確認し、その定期ジョブについて、ログインユーザーが印刷許可ユーザーであるときに、現在時刻が印刷予定日時112dを経過していれば印刷を行うので、印刷許可ユーザーが画像形成装置10の前にいないときに自動的に文書が印刷されることがなく、文書の機密性を確保することができる。また、このときに、現在時刻が印刷予定日時112dを経過していなければ、印刷許可ユーザーに今すぐ印刷を行うか確認するので、ユーザーの利便性を高めることができる。
【0053】
また、本実施形態では、印刷許可ユーザーに印刷予定日時112dを知らせるメールを通知するので、印刷周期111dが長く設定された文書の印刷忘れを防止することができる。また、印刷許可ユーザーが印刷予定日時112dを過ぎても画像形成装置10にログインせず、定期ジョブによる印刷が行われない場合、ジョブ保存期間112fを経過した定期ジョブはジョブ記憶部112から削除されるので、セキュリティーを高めることができる。
【0054】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々様々に変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0055】
10 画像形成装置
20 ネットワーク
30 サーバー
40 文書記憶部
50 インターネット
11 記憶部
12 メール処理部
13 通信部
14 制御部
15 操作部
16 原稿読取部
17 画像処理部
18 印刷部
111 設定情報記憶部
112 ジョブ記憶部
141 定期ジョブ設定処理部
142 定期ジョブ管理部
143 定期ジョブ設定変更部
144 定期ジョブ実行処理部(実行手段)
図1
図2
図3
図4
図5