(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る端子台短絡治具の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。ここで説明する下記の実施形態は、警報信号線等に用いられる端子台短絡治具の一例をとりあげて説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る端子台短絡治具の第1の実施形態の構成を示す斜視図である。また、
図2は
図1に示す端子挿入金具の拡大斜視図であり、
図3は
図1のIII−III’線矢視拡大横断面図である。
【0012】
端子台短絡治具1aは、例えば、
図1に示す複数の端子31〜35、41〜45を有する端子台30の任意の端子間を短絡するための短絡治具である。端子台30において、端子31は、例えば端子ネジ311および挟み板312を有する。その他の端子32〜35、41〜45についても同様とする。端子台短絡治具1aは、例えばこの複数の端子31〜35などの端子間を短絡するために用いられる。
【0013】
端子台短絡治具1aは、
図1に示すように、短絡板20と、複数の端子挿入金具10と、複数の止具50(ネジ51およびナット61)とを備えている。
【0014】
短絡板20は電気的に導通可能な板状に形成される。短絡板20には、当該板状の中央に長手方向に沿って切欠21が設けられている。短絡板20において、切欠21を挟んで長手方向に互いに平行に延びる2つの板状部22が少なくとも一端が連結されるように形成される。その連結された一端は、連結部23である。なお、長手方向に平行に延びる2つの板状部22の両端に、連結部23が設けられてもよい。
【0015】
端子挿入金具10には、
図2に示すように、一端に端子台30の任意の端子にネジ止め可能な挟持部13、および、他端に短絡板20にネジ止め可能である貫通孔11が設けられた平端子部12が形成されている。平端子部12と挟持部13とは、金具連結部15により接続されている。平端子部12、挟持部13および金具連結部15は、電気的に導通可能である。
【0016】
端子挿入金具10の挟持部13は、端子台30に取付けられる端子31〜35の接触面の一側と接触可能な部位を有する。挟持部13は、端子台30に嵌挿可能なように、端子31〜35のネジ止め前の隙間よりも薄い肉厚で、かつ、例えばU字形状14に切欠されて形成されている。なお、
図1では、端子台30の端子31〜35側を短絡配線する場合を示す。
【0017】
端子台30の任意の端子31〜35の挟み板312に端子挿入金具10の挟持部13を挟み合わせて、端子挿入金具10の一端を端子ネジ311によりネジ止めする。これにより、端子挿入金具10の一端とそれを挟持している端子台30の任意の端子31〜35とが接触を維持して固定される。
【0018】
端子挿入金具10の他端には、前述したように、短絡板20にネジ止め可能である貫通孔11が平端子部12に設けられている。
【0019】
短絡板20に対する平端子部12の固定方法は、
図3に示すように、ネジ51により貫通孔11および短絡板20の切欠21を貫通して、短絡板20を貫通した側の面でナット61により止具50をネジ止めするものである。
【0020】
止具50は、
図3に示すように、端子挿入金具10の貫通孔11および短絡板20の切欠21を貫通してネジ止め可能なように形成されている。止具50におけるネジ51の直径は、切欠21の空隙幅よりも小さい。
【0021】
短絡板20は、ネジ51およびナット61による止具50により挟持される。これにより、端子挿入金具10の他端と短絡板20とが接触を維持して固定される。止具50は、ナット61によりネジ止めされるまでは切欠21の長手方向の位置に微調整可能である。
【0022】
以上のように、端子台30の任意の端子31〜35に端子挿入金具10の挟持部13を合わせて、端子挿入金具10の一端をネジ止めし、端子挿入金具10の貫通孔11および短絡板20の切欠21を貫通して端子挿入金具10の他端を短絡板20に接触させてネジ止めする。
【0023】
以上のような端子台短絡治具1aの取り付けにより、短絡板20とそれに固定されている端子挿入金具10とが導通可能となる。また、切欠21の長手方向の任意の位置に端子挿入金具10を止めることができるため、端子台30の端子31〜35における任意の端子間を短絡することができる。
【0024】
また、端子台短絡治具1aの端子挿入金具10により、端子台30の短絡が必要な端子に容易に接続でき、短絡板20を介して端子挿入金具10に接続された端子を一括して短絡することができる。
【0025】
端子台短絡治具1aを用いることにより、端子台30の端子への取り付けピッチを任意にすることができるため、多数の種類の端子台30への適用を可能とし、別ピッチの短絡治具を用意することが不要となる。
【0026】
以上のように、第1の実施形態によれば、端子台の端子間の任意のピッチに応じて短絡配線を取り付けることができる。
【0027】
[第2の実施形態]
図4は、本発明に係る端子台短絡治具の第2の実施形態の構成を示す斜視図である。
【0028】
第1の実施形態の端子台短絡治具では、1つの端子台へ取り付ける形態について説明したが、本実施形態では、複数の端子台へ連結して取り付ける形態について説明する。
【0029】
端子台短絡治具1bは、例えば、
図4に示す端子台30Aおよび端子台30Bの端子台における短絡配線を容易に連結することが可能な短絡治具である。端子台短絡治具1bは、
図4に示すように、短絡板20A、短絡板20B、短絡板20C、端子挿入金具10、止具50および止具板52を備えている。
【0030】
本実施形態において、短絡板20(例えば
図1)は、長手方向の任意の位置で垂直に切断可能で、かつ、複数の端子台30Aおよび端子台30Bの各々に取り付けられた複数の短絡板20Aおよび20Bを接続する場合に、端子台30Aおよび端子台30Bの間隔に合わせた長さに切断された短絡板20C(短絡板20Aおよび20B以外)を、短絡板20Aおよび20Bのための渡り配線とする渡配線用短絡板(20C)として用いることが可能である。以下に、本実施形態の一例について説明する。
【0031】
短絡板20(
図1)の長手方向の長さは、予め短絡対象となる端子台30(例えば
図1)の幅(端子の並び方向の対する長さ)に対応した所定の長さで製作される。短絡板20の製作は、例えば金属板のプレス加工などで容易に製作可能である。
【0032】
また、製作された短絡板20は、長手方向の任意の位置で、長手方向に対して垂直方向に容易に切断可能である。
【0033】
本実施形態の各短絡板20A、20B、20Cは、長さは相違するものの、その構造は、第1の実施形態の短絡板20と同様である。
【0034】
例えば、端子台30A(端子31A〜35A、41A〜45A)には、短絡が必要な端子に端子挿入金具10が挟持される。さらに、端子台30Aには、短絡板20Aが取り付けられている。
【0035】
また、端子台30B(端子31Bおよび32B、41Bおよび42B)にも、短絡が必要な端子に端子挿入金具10が挟持される。さらに、端子台30Bには、短絡板20Bが取り付けられている。
【0036】
本実施形態では、短絡板間を接続する二つの短絡板20Aおよび20Bに対して、渡配線用短絡板20Cの切欠と二つの短絡板20Aおよび20Bのうちの渡り配線の一方側となる一つの短絡板20Aの切欠21Aとを合わせて、一つの止具50でネジ止めする。また、渡配線用短絡板20Cの切欠21Cと二つの短絡板短絡板20Aおよび20Bのうちの渡り配線の他方側となる他の短絡板20Bの切欠21Bとを合わせて、他の止具50でネジ止めする。
【0037】
例えば、現場の短絡作業において、設置された二つの端子台30Aおよび30Bに渡り配線を行う必要となる場合がある。このような場合においても、作業者が現場対応にて、所定の長さで製作された短絡板20Aを、設置される二つの端子台30Aおよび30Bの間隔よりも長くなるような寸法とし、その寸法に合わせて切断して用いることができる。この切断により、例えば切断された短絡板(以下、渡配線用短絡板と称す)20Cが得られたとする。
【0038】
渡配線用短絡板20Cを用いて端子台30Aに取り付けられている短絡板20Aと端子台30Bに取り付けられている短絡板20Bとを連結する場合に、渡り配線として以下のような作業となる。
【0039】
渡配線用短絡板20Cは、止具50および貫通孔が設けられた平板からなる止具板52により、少なくとも以下の2箇所がネジ止めされる。
【0040】
渡配線用短絡板20Cの切欠21Cと複数の短絡板20Aおよび20Bのうちの渡り配線の一方側の切欠21Aとを重なるように、板状部22Cの平面と板状部22Aの平面とを合わせてネジ止めする。また、渡配線用短絡板20Cの切欠21Cと複数の短絡板20Aおよび20Bのうちの渡り配線の他方側の切欠21Bとを重なるように、板状部22Cの一方の平面と板状部22Bの他方の平面とを合わせてネジ止めする。
【0041】
これにより、短絡板20Aおよび20Bが、渡り配線として用いられる渡配線用短絡板20Cにより、電気的に導通可能となる。
【0042】
以上説明したように、短絡板の長さの種類を多く揃えずに、製作された短絡板を渡り配線用に必要な長さに切断すればよいため、少ない種類の短絡板であっても複数の端子台における短絡配線を連結するために用いることができる。
【0043】
第2の実施形態によれば、端子台の端子間のピッチに応じて短絡配線を任意の位置に取り付けることができる。さらに、複数の端子台における短絡配線を容易に連結することができる。
【0044】
[第3の実施形態]
図5は、本発明に係る端子台短絡治具の第3の実施形態の構成を示す斜視図である。また、
図6は
図5に示す短絡板の側面図、
図7は
図5に示す短絡板の前方図、
図8は
図5に示す短絡板の平面図である。
図9は、
図5に示す端子台短絡治具の端子台への取り付けを示す平面図である。以下、第3の実施形態の構成について、
図5ないし
図9および他の図も参照しながら説明する。
【0045】
端子台短絡治具1cは、例えば、
図9に示す複数の端子31〜35を有する端子台30の任意の端子間を短絡するための短絡治具である。端子台短絡治具1cは、
図5に示すように、短絡板70と、複数の端子挿入金具80とを備えている。
【0046】
図5の短絡板70は、
図6の側面図(
図5のX方向からみた図)、
図7の前方図(
図5のY方向からみた図)、
図8の平面図(
図5のZ方向からみた図)に示す形状である。
【0047】
短絡板70は、
図5ないし
図8に示すように、平面に沿って対向する板状部71と板状部72とが所定の間隔を設けて連結部74により長手方向に連結され、形成されている。短絡板70は、電気的に導通可能である。また、短絡板70には、当該板状部71の中央付近に長手方向に沿って溝部73が設けられている。溝部73には、短絡板70の圧着前に、端子挿入金具80の突起部81をスライド可能に移動させるための溝が形成されている。
【0048】
図5に示すように、端子挿入金具80において、一端には端子台30の任意の端子にネジ止め可能な挟持部83が形成され、他端には短絡板70の圧着により挟持されるように平端子部82および突起部81が形成されている。平端子部82と挟持部83とは、金具連結部85により接続されている。突起部81、平端子部82、挟持部83および金具連結部85は、電気的に導通可能である。
【0049】
突起部81は、平端子部82の片面側の中央に山型に突起するように形成される。突起部81の高さは、溝部73の溝の深さよりも高い。また、突起部81の幅は、溝部73の幅と同程度である。なお、突起部81は、
図5に示すように半球状に形成されているが、溝部73に沿って直線的に延びる畦状(図示省略)でもよい。
【0050】
平端子部82は、圧着前の短絡板70における板状部71と板状部72との所定の間隔に挿入可能な肉厚である。短絡板70の圧着後に、平端子部82は板状部71と板状部72m(
図13)とに挟持される部分である。
【0051】
挟持部83は、端子台30に取付けられる端子31〜35の接触面の一側と接触可能な部位を有する。挟持部83は、端子台30の挟み板312に嵌挿可能なように、薄い肉厚で、例えばU字形状84に切欠されて形成されている。
【0052】
図10は、
図5に示す短絡板70への端子挿入金具80の取り付けを示す斜視図である。
図11は、
図10のXI−XI’線矢視拡大横断面図である。
【0053】
図10および
図11に示すように、端子挿入金具80の突起部81を短絡板70の溝部73に合わせ、平端子部82を横方向(
図5に示すX方向)から長手方向に沿ってスライドするように板状部71と板状部72との間に挿入する。
【0054】
すべての挿入した端子挿入金具80を、
図9に示すように、短絡が必要な端子台30の端子位置まで溝部73に沿って移動させる。
【0055】
端子台30の任意の端子31〜35に、端子挿入金具80のU字形状84に合わせて挟持部83を差し込む。端子31〜35の挟み板312に挟持部83を挟み合わせて、端子挿入金具80の一端を端子ネジ311によりネジ止めする。これにより、端子挿入金具80の一端とそれを挟持している端子台30の端子とが電気的に導通可能な接触を維持して固定される。
【0056】
図12は、
図10に示す短絡板70の圧着方法を示す図である。
図13は、
図11に示す短絡板70の圧着後の拡大横断面図である。
【0057】
図12に示す圧着工具2は、主として、
図11に示す短絡板70(圧着前)を圧着するためのものである。圧着工具2において、圧着部に2つの山状の突起を有する山状部分201と平らな形状を有する平型部分202とが設けられている。山状部分201と平型部分202との間に、圧着対象となる端子挿入金具80の平端子部82を挟む位置に合わせて短絡板70の一部が挟まれ、押圧によって板状部72(
図11)の一部が塑性変形して板状部72m(
図13)のようになる。
【0058】
板状部72が、
図13に示すように、例えば圧着工具2などにより板状部72の平面と垂直な方向(
図5に示すZ方向)に塑性変形可能(板状部72m)となっている。圧着後、板状部71および板状部72mにより、端子挿入金具80の突起部81および平端子部82が挟持される。
【0059】
この圧着により挟持された状態において、平端子部82と、板状部71および板状部72mとが電気的に導通可能なように接触を維持している。これにより、短絡板70と端子挿入金具80の他端とが導通可能となる。
【0060】
以上説明したように、端子台短絡治具1cの端子挿入金具80により、端子台30の短絡が必要な端子に容易に接続でき、短絡板70を介して端子挿入金具80に接続された端子を一括して短絡することができる。
【0061】
以上のように、端子挿入金具80を短絡板70の任意の位置に圧着することができるため、端子台30の端子間のピッチに応じて短絡配線を任意の位置に取り付けることができる。
【0062】
第3の実施形態によれば、端子台の端子間の任意のピッチに応じて短絡配線を取り付けることができる。
【0063】
[第4の実施形態]
図14は、本発明に係る端子台短絡治具の第4の実施形態の構成を示す斜視図である。
【0064】
前述の第3の実施形態では、1つの端子台30へ取り付ける実施形態について述べたが、端子台間を跨ぐ短絡配線の場合について、以下に説明する。
【0065】
図14に示すように、端子台30dAと端子台30dBを跨ぐ短絡配線となった場合、同一の端子台短絡治具1dを用いて、複数の端子台30dAおよび端子台30dBに短絡配線を施すことができる。
【0066】
端子台短絡治具1dにおいて、複数の端子台30dAおよび端子台30dBを跨ぐ短絡配線も可能なように、短絡板70dの長手方向の長さは、例えば予め十分な長さで製作される。短絡板70dの製作は、金属板のプレス加工などで容易に製作可能である。
【0067】
また、製作された短絡板70dは、長手方向の任意の位置で、長手方向に対して垂直方向に切断可能である。このため、短絡板70dの長さの種類を多く揃えずに、複数の端子台30dAおよび端子台30dBを跨ぐ短絡配線も対応が可能である。
【0068】
例えば、現場の短絡作業において、設置された二つの端子台30dAおよび端子台30dBに渡り配線を行う必要となる場合がある。このような場合に、作業者が現場対応にて、所定の長さで製作された短絡板70dを、設置されている二つの端子台30dAおよび端子台30dBの合わせた幅に切断して用いることができる。
【0069】
以上説明したように、短絡板70dの長さの種類を多く揃えずに、製作された短絡板70dを必要な長さに切断すればよいため、少ない種類の短絡板70dであっても複数の端子台30dAおよび端子台30dBなどにおける短絡配線を施すことができる。
【0070】
第4の実施形態によれば、端子台の端子間のピッチに応じて短絡配線を任意の位置に取り付けることができる。さらに、複数の端子台における短絡配線を容易に施すことができる。
【0071】
[第5の実施形態]
図15は、本発明に係る端子台短絡治具の第5の実施形態の構成を示す斜視図である。また、
図16は、
図15に示す端子挿入金具の拡大斜視図である。
【0072】
第4の実施形態では端子台短絡治具1dを1系統の短絡配線で使用する形態について述べたが、本実施形態では端子台短絡治具1eを2系統の短絡配線で使用する形態について説明する。
【0073】
端子台短絡治具1eは、
図15に示すように、短絡板70eおよび70fと、複数の端子挿入金具90とを備えている。たとえば、短絡板70e(70f)は、前述の短絡板20、20A、20B、70、70dと同様な構造である。なお、図示省略するが、短絡板70eと短絡板70fとの間に、電気的絶縁性を有する樹脂などの絶縁シートを貼付している。
【0074】
例えば、短絡板70fの短絡配線を短絡板70eの短絡配線に基づいた一の系統と分けて他の系統として接続する場合、
図15に示すように、短絡板70eをその溝部73eが上側(例えば重力方向と反対方向とする)に、短絡板70fをその溝部73fが下側(例えば重力方向)になるよう、上下方向に並べて配置することにより2系統の短絡配線を施すことができる。
【0075】
図15に示すように、板状部71eに平行にかつその上方に、板状部72eが配置されていて、板状部71eと板状部72eの間は、連結部74eにより連結している。同様に、板状部71fに平行にかつその上方に、板状部72fが配置されていて、板状部71fと板状部72fの間は、連結部74fにより連結している。
【0076】
図16に示すように、端子挿入金具90において、一端には端子台30eの任意の端子にネジ止め可能な挟持部93が形成されている。挟持部93は、端子台30eに取付けられる端子31e〜34eの接触面の一側と接触可能な部位を有する。挟持部93は、端子台30eの任意の端子に嵌挿可能なように、薄い肉厚で、例えばU字形状94に切欠されて形成されている。
【0077】
端子挿入金具90において、他端には短絡板70e(70f)の圧着により挟持されるように平端子部92および突起部91が形成されている。
【0078】
平端子部92は、圧着前の短絡板70e(70f)における板状部71e(71f)と板状部72e(72f)との所定の間隔に挿入可能な肉厚である。短絡板70eの圧着後に、平端子部92は板状部71eと板状部72eとに挟持される部分である。
【0079】
平端子部92と挟持部93とは、金具連結部95により接続されている。金具連結部95は、直角の角度でZ型に曲げられて形成されている。これにより、短絡板70eと短絡板70fとが、
図15に示すように、上下方向に並べて配置されても、端子台30eのそれぞれの必要な端子に、短絡板70eおよび短絡板70fに圧着された端子挿入金具90を取り付けることができる。
【0080】
以上のような突起部91、平端子部92、挟持部93および金具連結部95は、電気的に導通可能である。
【0081】
以下に、
図15に示す短絡板70fの短絡配線と短絡板70eの短絡配線との作業方法の一例を説明する。
【0082】
はじめに、端子挿入金具90の突起部91を短絡板70eの溝部73eに合わせ、板状部71eと板状部72eとの間に平端子部92を横方向から長手方向に沿ってスライドするように挿入する。すべての挿入した端子挿入金具90を、
図15に示すように、短絡が必要な端子台30eの端子位置まで溝部73eに沿って移動させる。端子台30eの短絡が必要な端子に仮止めし、短絡板70eの必要な箇所を圧着する。圧着後、仮止めを外し、短絡板70eを取り外す。
【0083】
次に、端子挿入金具90の突起部91を短絡板70fの溝部73fに合わせ、板状部71fと板状部72fとの間に平端子部92を横方向から長手方向に沿ってスライドするように挿入する。すべての挿入した端子挿入金具90を、
図15に示すように、短絡が必要な端子台30eの端子位置まで溝部73fに沿って移動させる。端子台30eの短絡が必要な端子にネジ止めし、短絡板70fの必要な箇所を圧着する。
【0084】
次に、先ほど、取り外した短絡板70eを端子台30eにネジ止めする。この際に、短絡板70eと短絡板70fとの間に、電気的絶縁性を有する樹脂などの絶縁シートを貼付する。これにより、短絡板70eと短絡板70fとを絶縁させて、1つの端子台30eに2系統の短絡配線を施すことができる。
【0085】
第5の実施形態によれば、端子台の端子間のピッチに応じて短絡配線を任意の位置に取り付けることができる。さらに、一つの端子台に2系統の短絡配線を容易に施すことができる。
【0086】
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。