(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
〔画像形成システムXの全体の構成〕
図1により、本発明の実施形態に係る画像形成システムXの全体の構成について説明する。
画像形成ステムXは、周辺機器としての画像形成装置1−1〜1−nと、端末2−1〜2−nとが、ネットワーク5で接続されている。
以下、画像形成装置1−1〜1−nのいずれかについて説明するときは「画像形成装置1」といい、端末2−1〜2−nのいずれかについて説明するときは「端末2」という。また、以下、画像形成装置1−1〜1−nのうち、動作の主体となる装置については「自装置」といい、それ以外の装置を「他装置」という。
【0012】
画像形成装置1は、MFP等の画像形成装置である。本実施形態において、画像形成装置1は、複数備えられている。
端末2は、PC/AT互換機等のPCやスマートフォンや携帯電話やタブレット端末等である。端末2についても、複数備えられていてもよい。
ネットワーク5は、LAN、無線LAN、WAN、携帯電話網、PHS網等のネットワークである。
【0013】
(画像形成装置1の全体の構成)
図2によると、画像形成装置1は、画像処理部11、原稿読取部12、原稿給送部13、搬送部14、ネットワーク送受信部15、操作パネル部16、画像形成部17(画像形成手段)、タイマー部18(時間取得手段)、及び記憶部19等が、制御部10に接続されている。各部は、制御部10によって動作制御される。
【0014】
制御部10は、GPP(General Purpose Processor)、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等の情報処理手段である。
制御部10は、記憶部19のROMやHDDに記憶されている制御プログラムを読み出して、この制御プログラムをRAMに展開させて実行することで、後述する機能ブロックの各手段として動作させられる。また、制御部10は、図示しない外部の端末や操作パネル部16から入力された指示情報に応じて、装置全体を制御する。
制御部10は、省電力状態であっても、記憶部19の各種情報を読み出して、制御演算動作を行うことができる。この場合、制御部10は、クロック等が稼働状態より引き下げられて低消費電力で動作してもよい。
【0015】
画像処理部11は、DSP(Digital Signal Processor)やGPU(Graphics Processing Unit)等の制御演算手段である。画像処理部11は、画像データに対して画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小、濃度調整、階調調整、画像改善等の各種画像処理を行う。
画像処理部11は、原稿読取部12で読み取られた画像を、記憶部19に印刷データ300として記憶する。この際、画像処理部11は、印刷データ300をPDFやTIFF等のフォーマットのファイル単位に変換することも可能である。
【0016】
原稿読取部12は、セットされた原稿を読み取る(スキャン)手段である。
原稿給送部13は、原稿読取部12で読み取られる原稿を搬送する手段である。
画像形成部17は、ユーザーの出力指示により、記憶部19に記憶され、原稿読取部12で読み取られ、又は外部の端末から取得されたデータから記録紙への画像形成を行わせる手段である。画像形成部17は、省電力状態の場合、電力供給をされなくてもよい。
搬送部14は、記録紙を搬送し、画像形成部17で画像形成させ、排紙する。
【0017】
ネットワーク送受信部15は、LAN、無線LAN、WAN、携帯電話網等の外部ネットワークに接続するためのLANボードや無線送受信機等を含むネットワーク接続手段である。
ネットワーク送受信部15は、稼働状態及び省電力状態で、データ通信用の回線ではデータを送受信し、音声電話回線では音声信号を送受信する。
【0018】
操作パネル部16は、LCD等の表示部と、テンキー、スタート、キャンセル、複写やFAX送信やスキャナー等の動作モードの切り換えのボタンと、選択された文書の印刷や送信や記憶等に関するジョブの実行に係る指示を行うためのボタンやタッチパネル等の入力部とを備えている。
操作パネル部16は、ユーザーによる画像形成装置1の各種ジョブの指示を取得する。また、操作パネル部16から取得したユーザーの指示により、各ユーザーの情報を入力、変更することも可能である。
【0019】
タイマー部18は、リアルタイムクロック、GPS(Global Positioning System)受信機、NTPクライアント等の時刻取得手段である。
タイマー部18は、誤差の少ない実時間の時刻情報を取得することができる。また、タイマー部18がGPS受信機を備えている場合は、画像形成装置1の位置情報も取得することが可能である。
タイマー部18は、省電力状態と稼働状態への移行に係る時刻等をタイマーとして設定可能である。
【0020】
記憶部19は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)等の記録媒体を用いた記憶手段である。
記憶部19は、省電力状態であっても記憶内容が保持され、読み込み、書き込みが可能である。
記憶部19のROMやHDDには、画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。これに加えて、記憶部19は、ユーザーのアカウント設定も記憶している。また、記憶部19には、ユーザー毎の記憶フォルダーの領域が含まれていてもよい。
【0021】
なお、画像形成装置1において、制御部10及び画像処理部11は、GPU内蔵CPU等やチップ・オン・モジュールパッケージのように、一体的に形成されていてもよい。
また、制御部10及び画像処理部11は、RAMやROMやフラッシュメモリー等を内蔵していてもよい。
また、画像形成装置1は、ファクシミリの送受信を行うFAX送受信部を備えていてもよい。
【0022】
(端末2の全体の構成)
次に、
図3によると、端末2は、制御部20、I/O部21、入力部22、表示部23、ネットワーク送受信部25、記憶部29を備えている。各部は、制御部20によって動作制御される。
【0023】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等である演算・制御能力を備えた制御手段である。制御部20は、記憶部29に記憶された各プログラムを、ハードウェア資源を用いて実行する。
【0024】
I/O部21は、各種周辺機器(ペリフェラル)に接続するための、DVI、アナログRGB、HDMI(登録商標)、USB、IEEE1394、シリアル、パラレル、赤外線、無線等のインターフェイスを提供する構成部位である。I/O部21は、入力部22及び表示部23と接続される。
【0025】
入力部22は、各種設定やユーザー認証等の情報を入力するためのキーボードやマウスやタッチパネルやタッチパッド等の入力手段である。
【0026】
表示部23は、LCDディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示手段である。表示部23は、OS(Operating System)の各種設定画面、アプリケーション・ソフトウェアの描画画面等を表示可能である。
【0027】
ネットワーク送受信部25は、ネットワーク5に接続するための、例えば1000BASE−T/100BASE−TX等の規格のLANインターフェイスや無線LANインターフェイスや携帯電波送受信デバイス等である。端末2は、ネットワーク送受信部25を介して、各種データやログイン時のユーザーIDやパスワード等を送受信可能である。
なお、ネットワーク送受信部25は、外部のハブやルータ等に接続され、ネットワーク5に接続されていてもよい。
【0028】
記憶部29は、RAM(Random Access Memory)等の主記憶手段、SSD(Solid State Drive)等のフラッシュメモリーディスク、HDD(Hard Disk Drive)、磁気テープ装置、光ディスク装置等の補助記憶手段を含む記憶手段である。記憶部29は、端末2を文書の閲覧用の端末として機能させるための各種プログラムとデータとを記憶している。これらのプログラムやデータの詳細については後述する。
また、記憶部29は、GUI(Graphical User Interface)を備えたOS(Operating System)、ワードプロセッサー、表計算ソフトウェア、描画ソフトウェア、WWWブラウザー、電子メーラ等のアプリケーション・ソフトウェア、その他のプログラムやデータ等も記憶している。これらのプログラムやデータは、制御部20が読み出して実行したり、書き込んだりすることが可能である。
【0029】
〔画像形成システムXのシステム構成〕
図4を参照して、画像形成装置1及び端末2とを含む画像形成システムXのシステム構成について説明する。
画像形成装置1は、印刷データ取得部100(印刷データ取得手段)、他装置検索部110(他装置検索手段)、他装置送信部120(他装置送信手段)、稼働情報送受信部130(稼働情報送信手段、稼働情報受信手段)、他装置送信保留通知部140(他装置送信通知送信手段、一時保留通知送信手段)、及び印刷データ出力部150(印刷データ出力手段)を備えている。
画像形成装置1の記憶部19は、印刷データ300、稼働情報310、及び送信保留状況通知情報320を記憶する。また、記憶部19は、被処理データ一時記憶手段として機能する。
端末2は、印刷データ送信部210(印刷データ送信手段)及び他装置送信保留通知受信部220(他装置送信通知受信手段、一時保留通知受信手段)を備えている。
端末2の記憶部29は、印刷データ300、及び送信保留状況通知情報320を記憶する。
【0030】
印刷データ取得部100は、原稿読取部12、端末2、FAX送受信部、又は図示しない外部の記録媒体等から印刷データ300を取得し、記憶部19に記憶する。印刷データ取得部100は、省電力状態であっても、印刷データ300を記憶部19に記憶可能である。
また、印刷データ取得部100は、取得された印刷データ300を、特定期間記憶させるように設定可能である。なお、特定期間は、例えば、数秒〜数日のような期間を、管理者のユーザーが操作パネル部16等から設定可能である。
【0031】
他装置検索部110は、端末2から印刷データ300を取得した際に省電力状態であった場合、稼働状態の他の画像形成装置を検索する。他装置検索部110は、自装置又は他装置の稼働情報310の状態位置機能情報311を参照して、稼働状態になった他の画像形成装置を検索することができる。
【0032】
他装置送信部120は、
他装置検索部110により稼働状態の他の画像形成装置が検索された場合、他の画像形成装置に印刷データ300を送信する。
また、他装置送信部120は、特定期間以内に稼働状態になった他の画像形成装置からの稼働状態への復帰の通知を受信した場合、印刷データ300一時記憶部に記憶された印刷データ300について、当該稼働状態になった他の画像形成装置に送信する。
また、他装置送信部120は、印刷データ300に含まれる、他装置送信許可情報301を参照し、他装置送信許可情報301により送信が許可される場合にのみ印刷データ300を送信する。
【0033】
稼働情報送受信部130は、自装置の他装置検索部110により稼働状態の他装置の検索の問い合わせをした際に、応答した稼働状態の他装置から、稼働状態情報を取得し、記憶部19に記憶する。
また、稼働情報送受信部130は、自装置が省電力状態から稼働状態へ復帰したことを検知して、自装置の稼働状態情報を更新する。また、稼働情報送受信部130は、他装置により自装置が省電力状態か稼働状態かの問い合わせを受けた場合、印刷データ300に含まれる他装置送信許可情報301を受信して、自装置の稼働状態情報と比較する。稼働情報送受信部130は、自装置で当該印刷データ300を出力可能な場合、自装置の稼働情報310を当該他装置へ送信する。
【0034】
他装置送信保留通知部140は、他装置送信部120により印刷データ300が他装置に送信されたことを送信保留状況通知情報320に書き込んで、端末2に通知する。
また、他装置送信保留通知部140は、他装置検索部110により印刷データ300を送信可能な他装置が検索されなかった場合、印刷データ300を特定期間、記憶部19に記憶したことを送信保留状況通知情報320に書き込んで、端末2に通知する。
【0035】
印刷データ出力部150は、他装置又は端末2から印刷データ300を取得した場合、自装置が稼働状態であれば、画像形成部17から出力させる。
また、印刷データ出力部150は、自装置の記憶部19に印刷データ300が一時記憶され、ユーザーからの出力の指示があった場合、又は特定期間以内に自装置が稼働状態にならなかった場合等には、自装置を稼働状態に移行させ、一時記憶された印刷データ300を画像形成部17から画像形成させて削除する。
【0036】
印刷データ送信部210は、アプリケーション・ソフトウェアで作成され、記憶部29に一時的に記憶された文書データ等を、印刷データ300として画像形成装置1に送信する。
【0037】
他装置送信保留通知受信部220は、印刷データ300を送信した画像形成装置1からの送信保留状況通知情報320を、記憶部29に記憶する。
【0038】
印刷データ300は、印刷データ取得部100により取得された画像及び/又は文書の被処理データである。印刷データ300の画像データ及び/又は文書のデータは、原稿読取部12等で読み取られたビットマップ等の画像データ、端末2や外部の記録媒体等から取得されたPDL(Page Description Language)の文書のデータ、PDF(Portable Document Format)等の文書のデータ、jpgやGIFやTIFF等のフォーマットの画像データ等であってもよい。また、印刷データ300は、PDLデータ等が描画され圧縮等された一時記憶用のストアデータであってもよい。また、印刷データ300は、作成元の機器や手段の種類、IPアドレス、ユーザー名等のデータを含んでいてもよい。
印刷データ300は、他装置送信許可情報301を含んでいる。
【0039】
他装置送信許可情報301は、他装置への送信を許可するか否を示す情報である。他装置送信許可情報301は、自装置のどの距離等までの他装置への印刷データ300の送信を許可するか(すなわち、自装置の近傍とする距離の範囲等)の情報、及び印刷データ300がカラー印刷や特定の解像度であるか、特定の記録紙サイズであるか、又は後処理を必要とするか等の印刷許可機能情報を含んでいる。他装置送信許可情報301は、自装置の近傍の距離として、IPアドレスによる同一のネットワーク内、GPS等による位置情報、設置位置、フロア等の位置、識別名やグループ名等を含む位置の情報に基づいて設定可能である。
【0040】
稼働情報310は、自装置又は他装置の各種状態や設定や能力についての通知用の情報である。稼働情報310は、稼働情報送受信部130により送受信される。
稼働情報310は、状態位置機能情報311を含んでいる。
【0041】
状態位置機能情報311は、状態情報、位置情報、及び機能情報を含んでいる。状態情報は、自装置又は他装置が省電力状態又は稼働状態であるか否か示す情報である。位置情報は、自装置又は他装置のIPアドレスや設置位置やフロア等の位置や識別名やグループ名等を示す情報である。機能情報は、自装置又は他装置のカラーや白黒印刷や解像度や記録紙サイズや後処理部の有無等の機能を示す情報である。
【0042】
送信保留状況通知情報320は、他装置送信通知、印刷保留通知、出力完了通知等の通知用の情報である。他装置送信通知は、他装置へ印刷データ300が送信された状態を示す。印刷保留通知は、印刷が保留され印刷データ300が記憶部19に記憶された状態を示す。出力完了通知は、他装置又は自装置での印刷等の出力が完了した状態を示す。
また、送信保留状況通知情報320には、印刷データ300を送信したり出力したりした他装置のIPアドレスや識別名等の情報が含まれていてもよい。
【0043】
ここで、画像形成装置1の制御部10は、記憶部19に記憶された制御プログラムを実行することで、印刷データ取得部100、他装置検索部110、他装置送信部120、稼働情報送受信部130、他装置送信保留通知部140、及び印刷データ出力部150として機能させられる。また、端末2の制御部20は、記憶部29に記憶された制御プログラムを実行することで、印刷データ送信部210及び他装置送信保留通知受信部220として機能させられる。
また、画像形成装置1及び端末2の各部は、本発明の画像形成方法を実行するハードウェア資源となる。
【0044】
〔画像形成装置1による他装置送信又は保留処理及び他装置受信印刷処理〕
次に、
図5〜
図8を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置1による他装置送信又は保留処理及び他装置受信印刷処理の説明を行う。
本実施形態の他装置受信印刷処理では、省電力状態の画像形成装置1(以下では、画像形成装置1−1となる場合の例を示す。)が印刷データ300の出力要求を受け付けた場合、近傍の稼働状態の画像形成装置1(以下では、画像形成装置1−2となる場合の例を示す。)があれば、当該稼働状態の画像形成装置1−2から出力する。また、画像形成装置1−1は、自装置及び近傍の他装置がいずれも稼働状態でなければ、印刷データ300を一時的に記憶部19に保持する。
また、本実施形態の他装置受信印刷処理では、稼働状態の画像形成装置1(以下では、画像形成装置1−2となる場合の例を示す。)が、近傍の省電力状態の画像形成装置1(以下では、画像形成装置1−1となる場合の例を示す。)から印刷データ300を取得して出力する。
本実施形態の画像形成装置1による他装置受信印刷処理及び他装置受信印刷処理は、画像形成装置1−1又は画像形成装置1−2の制御部10が、記憶部19に記憶されたプログラムを、各部と協働し、ハードウェア資源を用いて実行する。
以下で、
図5のフローチャートを参照して、画像形成装置1−1による他装置受信印刷処理の詳細をステップ毎に説明する。
【0045】
(ステップS101)
まず、制御部10が、印刷データ取得部100として、印刷データ取得処理を行う。
制御部10は、端末2から送信された印刷データ300を取得して、記憶部19に記憶する。
図7及び
図8の例では、画像形成装置1−1が端末2−1から送信された印刷データ300を取得する。
【0046】
(ステップS102)
次に、制御部10が、他装置検索部110として、自装置は稼働状態であるか否かを判断する。制御部10は、画像形成装置1−1が稼働状態である場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS105に進める。
Noの場合、制御部10は、処理をステップS103に進める。
【0047】
(ステップS103)
自装置が稼働状態でなかった場合、制御部10は、他装置検索部110として、他装置送信が許可されているか否かを判断する。制御部10は、印刷データ300の他装置送信許可情報301において、他装置への印刷データ300の送信(以下、「他装置送信という。」)が許可されている場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS106に進める。
Noの場合、制御部10は、処理をステップS104に進める。
【0048】
(ステップS104)
他装置送信が許可されていなかった場合、制御部10が、印刷データ出力部150として、省電力状態復帰処理を行う。
制御部10は、画像形成部17等に電源を供給し、記録紙への記録が可能な稼働状態に移行させる。
【0049】
(ステップS105)
ここで、制御部10が、印刷データ出力部150として、画像形成処理を行う。
制御部10は、記憶部19から印刷データ300を読み出して、画像形成部により記録紙に画像形成等させて出力させる。
その後、制御部10は、他装置送信又は保留処理を終了する。
【0050】
(ステップS106)
他装置送信が許可されていた場合、制御部10が、他装置検索部110として、稼働中他装置検索処理を行う。
制御部10は、ブロードキャスト等により問い合わせを行い、稼働中の他装置を検索する。制御部10は、この問い合わせの際に、印刷データ300の他装置送信許可情報301を送信してもよい。
この問い合わせを受けた稼働中の他装置は、稼働情報310を送信して応答する。
図7の例では、画像形成装置1−1が、画像形成装置1−2(稼動状態)、画像形成装置1−3(省電力状態)、画像形成装置1−4(省電力状態)に問い合わせを行っている。これに対して、稼働状態の画像形成装置1−2が、稼働情報310を送信して応答している。この場合、稼動情報310に含まれる状態位置機能情報311の状態情報は稼働中を示すものとなる。
図8の例では、画像形成装置1−1が、画像形成装置1−2(省電力状態)、画像形成装置1−3(省電力状態)、画像形成装置1−4(省電力状態)に問い合わせを行っている。これに対して、画像形成装置1−2、1−3、1−4は、いずれも、応答していない。
なお、省電力状態によっては、ネットワーク通信に関わる機能は稼動しており、問い合わせに対して応答できる場合がある。そのような場合、問い合わせを受けた省電力状態の他装置は、稼動情報310を送信して応答してもよい。このとき、稼動情報310に含まれる状態位置機能情報311の状態情報は省電力状態を示すものとなる。
【0051】
(ステップS107)
次に、制御部10が、他装置検索部110として、稼働情報310を受信したか否かを判断する。制御部10は、稼働中の他装置から稼働情報310を受信した場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
図7の例では、画像形成装置1−1は、画像形成装置1−2から稼働情報310を受信した場合にYesと判断する。
図8の例では、画像形成装置1−1は、稼動情報310を受信しないのでNoと判断する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS108に進める。
Noの場合、制御部10は、処理をステップS112に進める。
【0052】
(ステップS108)
稼働中の他装置から稼働情報310を受信した場合、制御部10が、他装置送信部120として、稼働情報解釈処理を行う。
制御部10は、受信した稼働情報310に含まれる状態位置機能情報311を読み出してパージング等により解釈する。
【0053】
(ステップS109)
次に、制御部10が、他装置送信部120として、当該他装置で印刷データ300が印刷可能か否かを判断する。すなわち、制御部10は、解釈した状態位置機能情報311が、印刷データ300の他装置送信許可情報301の印刷の条件と一致するか否かを判断する。具体的には、制御部10は、状態位置機能情報311に含まれる自装置の位置情報と他装置の位置情報との距離等を、他装置送信許可情報301に含まれる自装置の近傍とする距離等と照合して、自装置の近傍にある他装置を特定する。さらに、制御部10は、状態位置機能情報311に含まれる他装置の状態情報に基づいて、自装置の近傍にある他装置が稼動中であるか否かを判断する。自装置の近傍にある他装置が稼働中であれば、制御部10は、状態位置機能情報311に含まれる他装置の機能情報を、他装置送信許可情報301に含まれる印刷許可機能情報と照合して、自装置の近傍にある他装置で印刷データ300が印刷可能か否かを判断する。制御部10は、解釈した状態位置機能情報311が、印刷データ300の他装置送信許可情報301の印刷の条件と一致して、当該他装置で印刷データ300を印刷可能な場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
なお、稼働中の他装置のみが稼動情報310を自装置へ送信することになっている場合は、他装置が稼働中であるか否可の判断を省略することができる。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS110に進める。
Noの場合、制御部10は、処理をステップS112に進める。
【0054】
(ステップS110)
印刷データ300を他装置に送信可能の場合、制御部10が、他装置送信部120として、印刷データ他装置送信処理を行う。
制御部10は、記憶部19に記憶された印刷データ300を、ステップS109で印刷可能と判断された他装置に送信して出力させる。制御部10は、印刷データ300の送信後に、自装置の記憶部19から当該印刷データ300を削除してもよい。
図7の例では、画像形成装置1−1が、印刷データ300を画像形成装置1−2に送信して、出力させる。
【0055】
(ステップS111)
次に、制御部10が、他装置送信保留通知部140として、他装置送信通知処理を行う。
制御部10は、送信保留状況通知情報320に、他装置送信通知の情報を書き込み、端末2へ送信する。
図7および
図8の例では、画像形成装置1−1が送信保留状況通知情報320を端末2−1へ送信する。
また、制御部10は、画像形成装置1−2から出力完了通知の情報が書き込まれた送信保留状況通知情報320を取得した場合、これを端末2に送信してもよい。
その後、制御部10は本発明の実施形態に係る他装置送信又は保留処理を終了する。
【0056】
(ステップS112)
稼働中の他装置から稼働情報310を受信できなかった又は受信できたものの印刷が不可能な他装置であった場合、制御部10が、印刷データ取得部100として、印刷データ記憶処理を行う。
制御部10は、記憶部19に記憶された印刷データ300を、特定期間記憶するよう設定する。制御部10は、この際、印刷データ300を記憶される形式に圧縮や変換等してもよい。
図8の例では、画像形成装置1−1が印刷データ300を一時記憶する。
【0057】
(ステップS113)
次に、制御部10が、他装置送信保留通知部140として印刷保留通知処理を行う。
制御部10は、送信保留状況通知情報320に、印刷保留通知の情報を書き込み、端末2へ送信する。
図8の例では、画像形成装置1−1が、印刷保留通知を行う。
以上により、本発明の実施形態に係る他装置送信又は保留処理を終了する。
【0058】
次に、
図6のフローチャートを参照して、画像形成装置1−2による他装置受信印刷処理の詳細をステップ毎に説明する。
【0059】
(ステップS201)
まず、制御部10は、稼働情報送受信部130として、稼働中他装置検索受信処理を行う。
制御部10は、
図5のステップS106の稼働中他装置検索のブロードキャスト等による問い合わせを受信する。
【0060】
(ステップS202)
次に、制御部10が、稼働情報送受信部130として、自装置が稼働中であるか否かを判断する。
Yes、すなわち稼働中の場合、制御部10は、処理をステップS203に進める。
No、すなわち省電力状態である場合、制御部10は、他装置受信印刷処理を終了する。
【0061】
(ステップS203)
自装置が稼働中の場合、制御部10が、稼働情報送受信部130として、稼働情報送信処理を行う。
制御部10は、検索の問い合わせに対して、稼働情報310を送信して応答する。
【0062】
(ステップS204)
次に、制御部10が、稼働情報送受信部130として、他装置から印刷データ300の送信があったか否かを判断する。制御部10は、
図5のステップS110の印刷データ他装置送信処理により、画像形成装置1−1から印刷データ300が送信されてきた場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS205に進める。
Noの場合、制御部10は、他装置受信印刷処理を終了する。
【0063】
(ステップS205)
他装置から印刷データ300の送信があった場合、制御部10が、印刷データ取得部100として、印刷データ受信処理を行う。
制御部10は、他装置から印刷データ300を取得して、記憶部19に一旦、記憶する。
図7の例では、画像形成装置1−2は、画像形成装置1−1から送信された印刷データ300を取得する。
【0064】
(ステップS206)
次に、制御部10が、印刷データ出力部150として、画像形成処理を行う。
制御部10は、一旦、記憶部19に記憶された印刷データ300を、画像形成部17により記録紙に画像形成させる。制御部10は、その後、当該印刷データ300を記憶部19から削除してもよい。
【0065】
(ステップS207)
次に、制御部10が、他装置送信保留通知部140として、出力完了通知処理を行う。
制御部10は、送信保留状況通知情報320に、出力完了通知の情報を書き込み、端末2へ送信する。
なお、制御部10は、一旦、出力完了通知を画像形成装置1−1に送信してもよい。この場合、画像形成装置1−1の制御部10が、他装置送信保留通知部140として、出力完了通知を更に端末2へ送信する。
以上により、本発明の実施形態に係る他装置受信印刷処理を終了する。
【0066】
〔画像形成装置1による稼働復帰他装置送信出力処理及び他装置稼働復帰印刷処理〕
次に、
図9〜
図11を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置1による稼働復帰他装置送信出力処理及び他装置稼働復帰印刷処理について説明する。
本実施形態の稼働復帰他装置送信出力処理では、一旦、印刷データ300を記憶部19に一時記憶した(
図5のステップS112)、省電力状態のままの画像形成装置1(以下では、画像形成装置1−1となる場合の例を示す。)が、他装置が稼働状態へ復帰するのを待つ。
画像形成装置1−1は、省電力状態から復帰した他装置(以下では、画像形成装置1−2となる場合の例を示す。)から稼働情報310を取得し、可能であれば、画像形成装置1−2で印刷データ300を出力させる。また、画像形成装置1−1は、ユーザーの指示があった又は特定期間が経過した場合は、自装置を稼働状態に復帰させ、一時記憶した印刷データ300を出力する。
本実施形態の他装置稼働復帰印刷処理は、省電力状態から稼働状態へ復帰した画像形成装置1(以下では、画像形成装置1−2となる場合の例を示す。)が、近傍の画像形成装置1−1から印刷データ300を取得して出力する。
本実施形態の稼働復帰他装置送信出力処理及び他装置稼働復帰印刷処理は、制御部10が、記憶部19に記憶されたプログラムを、各部と協働し、ハードウェア資源を用いて実行する。
以下で、
図9のフローチャートを参照して、稼働復帰他装置送信出力処理の詳細をステップ毎に説明する。
【0067】
(ステップS121)
まず、制御部10が、他装置送信部120として、自装置に一時記憶された印刷データ300があるか否かを判断する。制御部10は、画像形成装置1−1の記憶部19に、端末2から取得して一時記憶された印刷データ300がある場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS122に進める。
Noの場合、制御部10は、稼働復帰他装置送信出力処理を終了する。
【0068】
(ステップS122)
自装置に一時記憶された印刷データ300がある場合、制御部10が、他装置送信部120として、稼働復帰他装置待機処理を行う。
制御部10は、自装置の近傍の省電力状態の他装置が稼働状態に復帰した際に送信されるブロードキャスト等の稼働復帰信号を取得するまで待つ。
【0069】
(ステップS123)
次に、制御部10が、他装置送信部120として、稼働状態に復帰した他装置から稼働復帰信号を受信したか否かを判断する。制御部10は、他装置から稼働復帰信号を受信した場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS124に進める。
Noの場合、制御部10は、処理をステップS128に進める。
【0070】
(ステップS124)
稼働復帰信号を受信した場合、制御部10が、他装置送信部120として、稼働情報310取得解釈処理を行う。
制御部10は、稼働情報310を送信した他装置に稼働情報310の送信を要求し、これを取得する。制御部10は、取得した稼働情報310の状態位置機能情報311を解釈する。この処理は、
図5のステップS108と同様に行う。
【0071】
(ステップS125)
次に、制御部10が、他装置送信部120として、稼働情報310を受信した他装置で印刷データ300が印刷可能か否かを判断する。制御部10は、
図5のステップS109と同様に、解釈した状態位置機能情報311が、自装置の記憶部19に一時記憶された印刷データ300の他装置送信許可情報301の印刷の条件と一致するか否かを判断する。制御部10は、解釈した状態位置機能情報311が、自装置の記憶部19に一時記憶された印刷データ300の他装置送信許可情報301の印刷の条件と一致して、当該他装置で印刷データ300を印刷可能な場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS126に進める。
Noの場合、制御部10は、稼働復帰他装置送信出力処理を終了する。
【0072】
(ステップS126)
他装置で印刷データ300が印刷可能の場合、制御部10が、他装置送信部120として、印刷データ他装置送信処理を行う。
制御部10は、印刷データ300を稼働情報310を受信した他装置に送信する。この処理は、
図5のステップS110と同様に行う。
図11の例では、印刷データ300を一時記憶していた画像形成装置1−1は、稼働状態に復帰した画像形成装置1−2に印刷データ300を送信している。
【0073】
(ステップS127)
次に、制御部10が、他装置送信保留通知部140として、他装置送信通知処理を行う。この処理も、
図5のステップS111と同様に行う。
その後、制御部10は、稼働復帰他装置送信出力処理を終了する。
【0074】
(ステップS128)
他装置で印刷データ300が印刷可能でなかった場合、制御部10が、印刷データ出力部150として、印刷指示があるか又は特定時間経過したかについて判断する。制御部10は、操作パネル部16や端末2等でユーザーにより印刷指示をされたか、又は印刷データ300が記憶されてから特定時間経過した場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS129に進める。
Noの場合、制御部10は、稼働復帰他装置送信出力処理を終了する。
【0075】
(ステップS129)
印刷指示があるか又は特定時間経過した場合、制御部10が、印刷データ出力部150として、画像形成処理を行う。
この処理は、
図5のステップS105と同様に行う。
【0076】
(ステップS130)
次に、制御部10が、印刷データ出力部150として、一時記憶印刷データ削除処理を行う。
制御部10は、記憶部19に一時的に記憶されていた印刷データ300を削除する。
【0077】
(ステップS131)
次に、制御部10が、他装置送信保留通知部140として出力完了通知処理を行う。
制御部10は、送信保留状況通知情報320に、出力完了通知の情報を書き込み、端末2へ送信する。
以上により、本発明の実施形態に係る稼働復帰他装置送信出力処理を終了する。
【0078】
次に、
図10のフローチャートを参照して、画像形成装置1−2による他装置稼働復帰印刷処理の詳細をステップ毎に説明する。
【0079】
(ステップS220)
まず、制御部10が、稼働情報送受信部130として稼働状態移行検知処理を行う。
画像形成装置1−2は、省電力状態であった場合、タイマー部18のタイマーに設定された時刻になった場合、操作パネル部16のボタン等や副電源ボタン(図示せず)が押下された場合、人感センサー(図示せず)による検知があった場合、他の印刷データ300の取得の場合等に、稼働状態に復帰する。
制御部10は、復帰後、稼働状態になったことを検知する。
【0080】
(ステップS221)
制御部10が、稼働情報送受信部130として、稼働状態へ復帰したか否かを判断する。制御部10は、稼働状態の復帰を検知した場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS222に進める。
Noの場合、制御部10は、他装置稼働復帰印刷処理を終了する。
【0081】
(ステップS222)
稼働状態へ復帰した場合、制御部10が、稼働情報送受信部130として、稼働復帰信号稼働情報送信処理を行う。
制御部10は、ブロードキャスト等による稼働復帰信号を送信する。
また、制御部10は、そのブロードキャスト等に応答があった場合、応答した他装置に稼働情報310を送信する。
図11の例では、省電力状態から稼働状態に復帰した画像形成装置1−2が、印刷データ300を一時記憶している画像形成装置1−1へ稼働情報310を送信している。
【0082】
(ステップS222)
次に、制御部10が、稼働情報送受信部130として、他装置から印刷データ300の送信があったか否かを判断する。制御部10は、
図9のステップS126の印刷データ他装置送信処理により、画像形成装置1−1から印刷データ300が送信されてきた場合に、Yesと判断する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判断する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS224に進める。
Noの場合、制御部10は、他装置稼働復帰印刷処理を終了する。
【0083】
(ステップS224〜ステップS226)
次に、制御部20が、他装置から印刷データ300を取得して、出力する。この処理は、ステップS224は、
図6のステップS205と、ステップS225はステップS206と、ステップS226はステップS207と同様に行う。
以上により、本発明の実施形態に係る他装置稼働復帰印刷処理を終了する。
【0084】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来、特許文献1の技術では、PC等に、他の画像形成装置を登録しておく必要があり、手間が掛かっていた。
これに対して、本発明の実施形態に係る画像形成装置1は、ネットワーク5を介して端末2に接続可能であり、端末2から印刷データ300を取得した際に省電力状態であった場合、稼働状態の他の画像形成装置を検索する他装置検索部110と、
他装置検索部110により稼働状態の他の画像形成装置が検索された場合、他の画像形成装置に印刷データ300を送信する他装置送信部120と、他装置送信部120により印刷データ300が他装置に送信されたことを端末2に通知する他装置送信保留通知部140とを備えることを特徴とする。
このように構成することで、ユーザーが印刷を他で行わせるための複数の画像形成装置1を端末2に登録しておく必要がなくなり、ユーザーの手間が少なくなり、設定コスト等を削減可能となる。また、複数の画像形成装置1の構成を変更したり増設等した際にも、いちいち端末2に出力先として追加する必要がなくなり、手間を減らせる。
また、印刷データ300の転送先の他装置は稼働状態であるため、わざわざ他装置を稼働状態へ復帰等させる必要がなく、確実な低消費電力化が可能となる。
【0085】
また、本発明の実施形態に係る画像形成装置1は、
他装置検索部110により稼働状態の他の画像形成装置が検索されなかった場合、印刷データ300を特定時間、記憶する記憶部19を備え、他装置送信部120は、特定期間以内に稼働状態になった他の画像形成装置からの稼働状態への復帰の通知を受信した場合、印刷データ300一時記憶部に記憶された印刷データ300について、当該稼働状態になった他の画像形成装置に送信することを特徴とする。
このように構成することで、他装置へ印刷データ300を転送することが可能な確率が高まって、より消費電力の低減が可能となる。
また、特定時間記憶しても稼働状態に復帰した他装置が存在しなかった場合には、自装置を稼働状態に復帰させて印刷することで、印刷データ300を確実に印刷させることができる。
【0086】
また、本発明の実施形態に係る画像形成装置1は、他装置送信部120は、印刷データ300に含まれる、他装置への送信を許可するか否を示す他装置送信許可情報301を参照し、他装置送信許可情報301により送信が許可される場合にのみ印刷データ300を送信することを特徴とする。
このように構成することで、他装置へ転送させたくない機密性等が高い印刷データ300については、確実に自装置で印刷可能となる。よって、セキュリティを高めることも可能となる。
【0087】
なお、本発明の実施形態においては、印刷データ300を一時記憶した画像形成装置1において、ブロードキャスト等に応答した他装置が印刷可能であるか否か判断したがこれに限られない。
たとえば、稼働中の他装置の制御部10が、稼働情報送受信部130により、ブロードキャスト等を送信した画像形成装置から他装置送信許可情報301を受信して、印刷可能であるか判断し、印刷可能な場合にのみ稼働情報310を送信する等の構成でもよい。
このように構成することで、自装置の処理負担やネットワーク負荷を軽減することができ、コストを削減することができる。
【0088】
また、上述の実施形態においては、自装置と他装置とがほぼ同一の構成である例について示したがこれに限られない。上述の各応答が可能で、転送された印刷データ300を受信可能な画像形成装置を、他装置として用いることが可能である。この場合、当該他装置で印刷可能な形式に印刷データ300を変換して送信してもよい。
【0089】
また、本発明は、画像形成装置以外の情報処理装置にも適用できる。つまり、ネットワークスキャナー、スキャナーをUSB等で別途接続したサーバー等を用いる構成であってもよい。
【0090】
また、上記実施形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
たとえば、本発明の周辺機器として、画像形成装置の他、ネットワークを介して接続される端末からの要求に応じて動作したり、特定のサービスを提供したりする周辺機器を採用してもよい。
また、
図5のステップS109、
図9のステップS125において、印刷可能と判断された他装置が複数ある場合、制御部10は、特定の優先順位(より近傍の他装置を優先する等)に基づいて、いずれかの他装置を特定してもよい。
また、他装置送信許可情報301は、自装置の近傍とする距離の範囲等として、距離の範囲の他、方向の範囲、障害物(壁、ドア等)の有無を含むことができる。