特許第6013312号(P6013312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6013312-管の乾燥装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013312
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】管の乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 9/06 20060101AFI20161011BHJP
   F26B 3/04 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   F26B9/06 A
   F26B3/04
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-259773(P2013-259773)
(22)【出願日】2013年12月17日
(65)【公開番号】特開2015-117846(P2015-117846A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2015年8月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】廣畠 聰子
(72)【発明者】
【氏名】山瀬 真司
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−095482(JP,U)
【文献】 米国特許第04403424(US,A)
【文献】 特開2012−237546(JP,A)
【文献】 実開昭53−031361(JP,U)
【文献】 実開平04−082690(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 9/06
F26B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床の上方に保持された管を覆い、管の周囲に加熱空間を形成するカバーシートと、前記加熱空間に一端部を差し込まれる送風ダクトと、前記送風ダクトの他端部に接続され、送風ダクトを介して前記加熱空間に熱風を送り込む熱風供給機とを備えた管の乾燥装置において、
前記管が両端に継手部を有するものであり、前記送風ダクトの一端部を前記管の継手部の下方に配置し、この送風ダクトの一端部に前記管の継手部の周辺へ向けて熱風を吹き出す吹出口を設けたことを特徴とする管の乾燥装置。
【請求項2】
前記加熱空間に一端部を差し込まれ、他端部を前記熱風供給機の吸気部に接続される吸気ダクトを設け、前記加熱空間と熱風供給機との間で熱風を循環させることを特徴とする請求項1に記載の管の乾燥装置。
【請求項3】
前記管を水平方向に並列に複数保持するとともに、前記送風ダクトの吹出口を管の並ぶ方向に複数設け、前記複数の吹出口は、前記熱風供給機に近い側のものの開口面積が遠い側のものの開口面積よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項に記載の管の乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装された管を乾燥させるための乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地中に埋設される水道管やガス管に使用される鋳鉄管等の金属管は、通常、工場出荷の前に、地中での腐食を防止するための防食塗装が施される。しかし、防食塗装後の金属管をその塗料に含まれるキシレン等の溶剤が十分に揮発しない状態で使用すると、溶剤臭が問題となることがある。
【0003】
特に、鋳鉄管では、内外径が一定の直部の両端に、内外径が直部よりも大きい受口と、他の鋳鉄管の受口に挿し込まれる挿し口とを設けたものが多く(以下、受口と挿し口を総称して「継手部」とも称する。)、その挿し口を他の鋳鉄管の受口に挿し込んだ状態で水道管として使用すると、管内部を流れる水に受口の内面と挿し口の外面の塗膜に含まれる溶剤が浸出し、水質に影響を及ぼすおそれがある。
【0004】
これに対し、日本水道協会規格JWWA K 139には、「塗膜は、塗膜性能及び通水後の水質、特に臭気を考慮して、工場出荷までに十分乾燥させなければならない。」と記載されている。しかし、自然乾燥によって管の塗膜を十分に乾燥させようとすると、塗装後の乾燥期間が長くなるため、管を製造している工場では、製造から出荷までの時間が長くかかることや、乾燥させる管を保持するために広いスペースがとられることが問題となっている。
【0005】
一方、鋳鉄管の塗装作業において、塗料に応じた適正温度で塗装を行うために塗装前に鋳鉄管を予熱しておくことは一般に知られており、このようにすれば、その予熱によって塗装後の鋳鉄管の塗膜を短時間で乾燥させることができるとされている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−223695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のように塗装前に管を予熱する方法では、塗装後の自然乾燥の初期に管温度が外気温によって急速に低下してしまうため、効果的に乾燥期間を短縮できないことが多く、特に冬季には乾燥期間が長くなる。
【0008】
これに対し、ガス炉等の乾燥設備を用いて管を強制的に乾燥させるようにすれば、乾燥期間を確実に短縮できるが、大がかりな設備が必要となるし、乾燥対象となる管の本数が少ないときでも大きな加熱空間の全体を加熱しなければならず、製造コストおよびランニングコストが高くなる。
【0009】
そこで、本発明の課題は、簡単な構造で効率よく短時間で管を乾燥させることができる管の乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の管の乾燥装置は、床の上方に保持された管を覆い、管の周囲に加熱空間を形成するカバーシートと、前記加熱空間に一端部を差し込まれる送風ダクトと、前記送風ダクトの他端部に接続され、送風ダクトを介して前記加熱空間に熱風を送り込む熱風供給機とを備えた構成とした。この構成では、熱風による強制乾燥によって確実に管の乾燥期間を短縮できるうえ、管の周囲の加熱空間をカバーシートと床の上面だけで形成しているので、ガス炉等に比べて全体の構造が極めて簡単であり、乾燥対象となる管の本数に応じてカバーシートの大きさを変えることにより、加熱空間の大きさを調整して効率よく管を乾燥させることができる。
【0011】
上記の構成において、前記床の上面に、断熱材で形成され、前記カバーシートとともに前記加熱空間を形成する保温板を設置したり、前記加熱空間に一端部を差し込まれ、他端部を前記熱風供給機の吸気部に接続される吸気ダクトを設け、前記加熱空間と熱風供給機との間で熱風を循環させたりすれば、より短時間で加熱空間の温度を上昇させることができ、乾燥期間を一層短縮することができる。
【0012】
また、前記送風ダクトの一端部を前記管の所定部位の下方に配置し、この送風ダクトの一端部に前記管の所定部位の周辺へ向けて熱風を吹き出す吹出口を設けるようにすれば、乾燥に対する要求が最も高い部位を所定部位として、その所定部位の乾燥を促進することにより、さらなる乾燥期間の短縮を図ることができる。
【0013】
ここで、前記管を水平方向に並列に複数保持するとともに、前記送風ダクトの吹出口を管の並ぶ方向に複数設け、前記複数の吹出口は、前記熱風供給機に近い側のものの開口面積が遠い側のものの開口面積よりも大きく形成された構成とすることにより、各管の所定部位の乾燥速度のバラツキを抑え、結果として複数の管を効率よく短時間で乾燥することができる。
【0014】
そして、前記管が両端に継手部を有するものである場合は、その継手部を前記所定部位とすることにより本発明を有効に適用することができる。
【発明の効果】
【0015】
上述したように、本発明の管の乾燥装置は、カバーシートと床の上面とで形成した加熱空間で管を熱風によって強制的に乾燥させるものであるから、塗装前の予熱によって自然乾燥時間の短縮を図る方法に比べて確実に管の乾燥期間を短縮できるし、ガス炉等の乾燥設備に比べると、全体の構造が極めて簡単であり、乾燥対象となる管の本数に応じて効率よく管を乾燥させることができるので、製造コストおよびランニングコストを大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態の管の乾燥装置のカバーシートを除いた平面図
図2】aは第2実施形態の管の乾燥装置のカバーシートおよび保温蓋を除いた平面図、bはaのII−II線に沿った断面図
図3】aは図2の乾燥装置の保温蓋使用状態の平面図、bはaの正面図、cはbのIII−III線に沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1は第1の実施形態を示す。この管の乾燥装置は、塗装された複数の管1を乾燥させるためのもので、床の上面に設置される略矩形平板状の保温板2と、保温板2の上面に載置され、その上方で管1を保持する2つの保持部材3と、管1および保持部材3を覆い、保温板2とともに管1の周囲に加熱空間4を形成するカバーシート5と、加熱空間4に一端部を差し込まれ、その先端が開口した送風ダクト6と、送風ダクト6の他端部に接続され、送風ダクト6を介して加熱空間4に熱風を送り込む熱風供給機7とを備えている。また、図示は省略するが、加熱空間4にはカバーシート5を直接管1に触れないように支持するシート支持部材が配置されており、加熱空間4を熱風がスムーズに流れるようになっている。
【0018】
この乾燥装置の乾燥対象となる管1は、水道管として使用される鋳鉄管で、内外径が一定の直部1aの両端に、内外径が直部よりも大きい受口1bと、他の鋳鉄管の受口に挿し込まれる挿し口1cとを有しており、水平方向に並列に、かつ長手方向の向きが交互に入れ替わるように並べられ、長手方向の2箇所を保持部材3に支持されている。
【0019】
前記保温板2は、加熱空間4から床への熱放散を遮断するためのもので、発泡ポリスチレン等の断熱材で形成されている。また、加熱空間4から大気への熱放散を抑制するために、カバーシート5も断熱性を有するものを使用することが望ましい。
【0020】
また、図1では記載を省略するが、保温板2の周縁部の上面には、後述する第2実施形態と同様、保温板2とともにカバーシート5を挟んでカバーシート5のめくれ上がりを防止する木材等の重し(図2(b)参照(符号8))が載置されている。これにより加熱空間4はほぼ閉じられた状態となるが、熱風供給機7から加熱空間4に熱風が送り込まれると、保温板2の周縁部近傍の空気が保温板2とカバーシート5の隙間から大気中へ排出される。
【0021】
この乾燥装置は、上記の構成であり、床の上面に設置される保温板2とカバーシート5とで形成した加熱空間4で、熱風によって管1を強制的に乾燥させるようになっているので、従来の管を予熱する方法に比べて確実に乾燥期間を短縮することができる。しかも、ガス炉等の乾燥設備に比べると、全体の構造が極めて簡単であり、乾燥対象となる管1の本数に応じてカバーシート5の大きさを変えることにより、加熱空間4の大きさを調整して効率よく管1を乾燥させることができる。
【0022】
なお、床の断熱性が高い場合等では、保温板2を省略してもよい。その場合は、カバーシート5と床の上面とで加熱空間4が形成されることになる。
【0023】
図2および図3は第2の実施形態を示す。この実施形態は第1実施形態をベースとするものなので、第1実施形態と同じ機能の部材については同じ符号を付けて説明を省略し、以下では、主として第1実施形態との相違点について説明する。
【0024】
まず、図2(a)、(b)に示すように、この第2実施形態では、複数の管1を保温板2の上方で段積み状態で保持している。すなわち、保温板2上面に載置された保持部材3で1段目の管1を保持し、その1段目の管1の上に別の角柱状の保持部材9を載せ、その保持部材9で2段目の管1を保持している。
【0025】
そして、第1実施形態の送風ダクト6に代えて、熱風供給機7の吹出部7aとの接続端の近傍で二股に分かれた送風ダクト10を使用している。この送風ダクト10は、二つの先端部(一端部)11が各管1の一端側と他端側に分かれて加熱空間4に差し込まれ、それぞれ保温板2と1段目の管1の間で各管1の継手部(受口1bと挿し口1c)の下側に沿って延びるように配置されている。
【0026】
前記送風ダクト10の先端部11は、その先端開口が塞がれるとともに、その長手方向(管1の並ぶ方向)に沿って複数の上向きの吹出口11aが所定間隔で設けられており、これらの各吹出口11aから各管1の継手部1b、1cの周辺へ向けて熱風を吹き出すようになっている。また、その吹出口11aは、熱風供給機7に近い側のものの開口面積が遠い側のものの開口面積よりも大きく形成され、熱風の吹き出し量のバラツキが抑えられるようになっている。このため、先端開口から熱風を吹き出す送風ダクト6を用いた第1実施形態に比べて、加熱空間4内の空気温度のバラツキを小さくすることができる。
【0027】
ここで、送風ダクト先端部11の吹出口11aの総開口面積は、熱風供給機7の吹出部7aの開口面積の90%以上とすることが望ましい。このようにすれば、加熱空間4に送り込む熱風の総風量を十分に確保できるので、加熱空間4における空気の流れが良くなって管1に接触する空気の移動速度が大きくなり、管1の塗膜に含まれる溶剤の揮散を促進することができる。
【0028】
また、送風ダクト10の先端部11と熱風供給機7への接続部(他端部)12との間の中間部13は、伸縮可能なホースで形成されている。これにより、乾燥対象の管1の長さが変わって、加熱空間4における管1の継手部1b、1cの位置が変化しても、それに対応する位置に送風ダクト先端部11を容易に配置できるようになっている。
【0029】
さらに、この実施形態では、加熱空間4に一端部を差し込まれ、他端部を熱風供給機7の吸気部7bに接続される吸気ダクト14が設けられている。吸気ダクト14は、一端部の先端が加熱空間4内で最も温度が低くなる中央最下部に開口しており、その先端開口から吸気が行われる。これにより、加熱空間4と熱風供給機7との間で熱風を循環させて、第1実施形態よりも短時間で加熱空間4の空気の温度を上昇させることができる。
【0030】
また、2段目の各管1の長手方向両端の継手部1b、1cには、それぞれ管1の並ぶ方向に延びる保温蓋15が載せられ、各管1の継手部1b、1cの上方に、送風ダクト10の吹出口11aから吹き出した高温の空気が滞留する空間が形成されている。この保温蓋15は、図3(a)〜(c)に示すように、管1の継手部1b、1cの上方を覆う矩形の蓋板15aと、蓋板15aの下面の両側縁に沿って延びる四角柱状の載置部15b、15cと、蓋板15aの下面の長手方向両端に設けられた端板15d(一端側のみ図示)とからなり、全体が発泡ポリスチレン等の断熱材で形成されている。その載置部15b、15cは、一方が管1の受口1bに、他方が直部1aおよび挿し口1cにそれぞれ載せられるので、受口1bと直部1aおよび挿し口1cとの外径差(直部1aと挿し口1cは同一外径)に応じた段差が両方の載置部15b、15cの下面位置の間に形成され、複数の管1に安定して載せられるようになっている。また、一方の端板15dは、保温蓋15の管1への載置が容易に行えるよう、蓋板15aに回動可能に取り付けられている。
【0031】
この第2実施形態は、管1を水道管として使用したときにその継手部1b、1cの乾燥度が水質に影響を及ぼすおそれがあることから、上述したように、管1の継手部1b、1cに集中的に熱風を吹き付けて強制的に継手部1b、1cの乾燥を促進するとともに、加熱空間4と熱風供給機7との間で熱風を循環させて、短時間で加熱空間4の空気を昇温できるようにし、管1の継手部1b、1cに保温蓋15を載せて特に継手部1b、1cの温度上昇を早めるようにしたものであるから、管1の乾燥期間を第1実施形態よりもさらに短縮することができる。
【0032】
なお、図2では2段に段積みした例を示しているが、乾燥対象の鋳鉄管が多ければ、段数を増やしてさらに効率よく乾燥作業を行うことができる。
【0033】
また、送風ダクト先端部11の吹出口11aの開口面積については、種々実験を行った結果、例えば、吹出口11aが13個ある場合、すべての穴径を20mmとすると(実験例1)、熱風供給機7に近い側よりも遠い側の風速が速くなり、単位時間あたりの風量が多くなるのに対し、熱風供給機7に近い側の4個の穴径を30mmとし、その他の9個の穴径を20mmとすると(実験例2)、各吹出口11aの風速(風量)がほぼ一定になり、加熱空間4内の空気温度のバラツキを抑えられることが確認された。
【0034】
そして、上述した各実施形態の乾燥装置を用いて乾燥作業を行う際には、管1の温度が40〜60℃となるように熱風の温度および総風量を調節することが望ましい。管1の温度が高いほど乾燥に要する時間は短くなるが、温度が高すぎると塗膜が軟化して保持部材3等に付着したり、隣り合う管1の塗膜と接着したりして、乾燥後の管1を乾燥装置から取り出すときに、塗膜が剥離するおそれがあるからである。
【0035】
例えば、第2実施形態の乾燥装置において、呼び径75mmの鋳鉄管1を19本×8段に段積みし、送風ダクト10として吹出口11aの穴径が前述の実験例2のものを用いて実験を行った結果、送風ダクト10の吹出口11aでの熱風温度を100〜120℃とすると、熱風供給開始から約5時間後にすべての管1の継手部1b、1c温度を40〜50℃とすることができた。熱風温度が120℃を超えると一部の管1の継手部1b、1cの温度が60℃を超えるケースが生じ、熱風温度が100℃未満では、継手部1b、1cの温度が40℃未満となって乾燥時間が長くなる。
【0036】
次に、本発明の乾燥期間短縮効果を確認した実験について説明する。実験は、キシレンを含む塗料で塗装される呼び径75mmの鋳鉄管を用い、塗装後に第2実施形態の乾燥装置で強制的に乾燥させたもの(実施例)と、予熱して塗装した後に自然乾燥させたもの(比較例)について浸出試験を行い、キシレンの浸出量を比較した。その浸出試験は、実験対象の各鋳鉄管を長手方向中央で切断し、受口に挿し口を挿し込んだ状態で1時間流水洗浄(5〜6リットル/分)した後、管内を水道水で充たして保持し、さらに16時間後に管内の水道水を採取してキシレン濃度を測定した。実施例は、塗装の翌日に強制乾燥を8時間行い、その翌日に浸出試験を行った。比較例は、塗装の2日後と6日後に浸出試験を行った。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表1から明らかなように、実施例では、塗装の2日後にキシレン濃度がかなり低くなってキシレンの臭気がほとんどなくなったのに対し、比較例では、2日後のキシレン濃度が高くキシレンの臭気がかなり残っており、6日後にようやくキシレン濃度が実施例に近いレベルまで低下している。これにより、本発明によれば、従来の予熱と自然乾燥を組み合わせた方法に比べて大幅に乾燥期間を短縮できることが確認された。
【0039】
本発明の乾燥装置は、上述したような受口と挿し口を有する鋳鉄管の塗装後の乾燥を行う場合に特に大きな効果を奏するが、これに限らず、種々の塗装された管の乾燥に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 管(鋳鉄管)
1b 受口(継手部)
1c 挿し口(継手部)
2 保温板
4 加熱空間
5 カバーシート
6 送風ダクト
7 熱風供給機
7a 吹出部
7b 吸気部
10 送風ダクト
11 先端部(一端部)
11a 吹出口
12 接続部(他端部)
13 中間部
14 吸気ダクト
15 保温蓋
図1
図2
図3