特許第6013316号(P6013316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013316
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】可変圧縮界面のためのシール
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   A61M16/00 380
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-500146(P2013-500146)
(86)(22)【出願日】2011年3月15日
(65)【公表番号】特表2013-521943(P2013-521943A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】US2011028456
(87)【国際公開番号】WO2011115954
(87)【国際公開日】20110922
【審査請求日】2014年2月20日
【審判番号】不服2015-21499(P2015-21499/J1)
【審判請求日】2015年12月3日
(31)【優先権主張番号】12/725,278
(32)【優先日】2010年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509002291
【氏名又は名称】ケアフュージョン 207、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】ラボリタ,スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】ロスタッド,アンドレ エム.
【合議体】
【審判長】 山口 直
【審判官】 内藤 真徳
【審判官】 平瀬 知明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/149284(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/132222(WO,A2)
【文献】 国際公開第2008/070929(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱湿交換ユニットであって、
第1のポートと、第2のポートと、前記第1のポートと前記第2のポートとの間に延在する中間区画と、を形成する筐体であって、前記中間区画が、前記第1のポートおよび前記第2のポートに流体を通して接続する第1および第2の流路を画定している筐体と、
開口を形成する要素と、第1の移動地点で前記要素と接触するように、前記筐体内に移動可能に留保されている閉塞部材とを含むバルブ機構と、
前記閉塞部材および前記要素のうちの少なくとも1つに配置されたシールであって、前記シールは、前記閉塞部材と前記要素との間の流体漏洩を制限するように、第1の移動地点で前記閉塞部材と前記要素との間で圧縮されているシールと、を備え、
前記シールは、前記閉塞部材と前記要素との間を通過しようとする粒子をシール内で捕捉するように構成された圧縮可能なフィルタ媒体を備えている、
熱湿交換ユニット。
【請求項2】
前記フィルタ媒体は、不織布材料から形成されている、請求項に記載の熱湿交換ユニット
【請求項3】
前記シールは、前記閉塞部材上に配置されている、請求項に記載の熱湿交換ユニット
【請求項4】
前記シールは、医療等級接着剤によって、前記閉塞部材に添着されている、請求項に記載の熱湿交換ユニット
【請求項5】
前記流体は、空気である、請求項1に記載の熱湿交換ユニット
【請求項6】
熱湿交換ユニットであって、
第1のポートと、第2のポートと、前記第1のポートと前記第2のポートとの間に延在し、前記第1のポートおよび前記第2のポートに流体を通して接続する、第1および第2の流路を画定する中間区画と、を形成する、筐体と、
前記第1の流路に沿って、前記中間区画内に維持される、熱および湿分留保媒体と、
開口と閉塞部材とシールと、を形成する要素を含む、前記中間区画内に配置される、バルブ機構であって、前記閉塞部材は、前記筐体内に移動可能に留保され、第1の移動地点と第2の移動地点との間を遷移可能である、バルブ機構と、
を備え、前記第1の移動地点における前記閉塞部材は、前記要素と可変圧縮界面を形成し、前記第2の流路を閉鎖し、前記第1の経路を通るように流体流動を向かわせ、
前記第2の移動地点における前記閉塞部材は、前記第2の流路を通して、前記流体流動
を可能にし、
前記シールは、圧縮可能なフィルタ媒体を備え、前記可変圧縮界面における前記閉塞部材および前記要素のうちの少なくとも1つ上に配置され、
前記シールは、(i)前記閉塞部材および前記要素の間で流体漏洩が制限され、(ii)前記閉塞部材および前記要素の間を通過しようとする粒子が前記シール内で捕捉されるように、第1の移動地点において、前記閉塞部材および前記要素の間で圧縮されている、
熱湿交換ユニット。
【請求項7】
前記熱および湿分留保媒体は、吸湿性塩で処理された弾力性発泡体を含む、請求項に記載の熱湿交換ユニット。
【請求項8】
前記熱および湿分留保媒体は、塩化カルシウムで処理されたポリウレタン発泡体を含む、請求項に記載の熱湿交換ユニット。
【請求項9】
前記フィルタ媒体は、不織布繊維を含む、請求項に記載の熱湿交換ユニット。
【請求項10】
前記不織布繊維は、静電荷を含む、請求項に記載の熱湿交換ユニット。
【請求項11】
前記不織布繊維は、静電荷を有する、ポリプロピレンアクリルを含む、請求項に記載の熱湿交換ユニット。
【請求項12】
前記繊維は、シートまたはウェブ状にまとめて結合される、請求項に記載の熱湿交換ユニット。
【請求項13】
前記閉塞部材は、ゲートバルブである、請求項に記載の熱湿交換ユニット。
【請求項14】
前記閉塞部材は、ねじりばねによって、前記要素に対してバイアスされる、請求項に記載の熱湿交換ユニット。
【請求項15】
患者によって使用するための呼吸回路であって、
正圧流体源と、
前記患者と結び付くように構成される、端末装置と、
前記正圧流体源を前記端末装置に流体を通して連結するための構成要素であって、
第1のポートと、第2のポートと、前記第1のポートと前記第2のポートとの間に延在し、前記第1のポートおよび前記第2のポートに流体を通して接続する、第1および第2の流路を画定する中間区画と、を形成する、筐体と、
開口と閉塞部材とシールと、を形成する要素を含む前記中間区画内に配置される、バルブ機構であって、前記閉塞部材、前記筐体内に移動可能に留保され、第1の移動地点と第2の移動地点との間を遷移可能である、バルブ機構と、
を備え、前記第1の移動地点における前記閉塞部材は、前記要素と可変圧縮界面を形成し、前記第2の流路を閉鎖し、前記第1の経路を通して、空気流動を向かわせ、
前記第2の移動地点における前記閉塞部材は、前記第2の流路を通して、前記空気流動を可能にし、
前記シールは、圧縮可能なフィルタ媒体を備え、前記可変圧縮界面における前記閉塞部材および前記要素のうちの少なくとも1つ上に配置される、
構成要素と、を備え、
前記シールは、(i)前記閉塞部材および前記要素の間で流体漏洩が制限され、(ii)前記閉塞部材および前記要素の間を通過しようとする粒子が前記シール内で捕捉されるように、第1の移動地点において、前記閉塞部材および前記要素の間で圧縮されている、
呼吸回路。
【請求項16】
前記正圧流体源は、人工換気装置を含む、請求項15に記載の呼吸回路。
【請求項17】
前記端末装置は、マスクを含む、請求項15に記載の呼吸回路。
【請求項18】
前記シールの形状は、前記閉塞部材と前記要素との間の圧縮によって変更される請求項1に記載の熱湿交換ユニット



【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
臨床医は、多くの場合、人工換気装置または呼吸回路を使用して、患者の呼吸を補助する、または別様に、呼吸器疾患を治療する。人工換気装置および呼吸回路は、自身で呼吸困難である患者に、機械的補助を提供し、ガスおよび薬剤を送達するために使用される。呼吸回路は、事前に圧縮されたガスの容器または人工換気装置等の正圧源に連結される、あるいはそれを含み、患者の肺に加圧されたガス流を送達してもよい。過度の圧力が放出されると、患者は、肺の弾性によって、息を吐き出すであろう(多くの装置では、順序を逆にすることができる、すなわち、過度の圧力の間に息を吐き出そうとする患者によって、過度の圧力を放出させることができる。)。時として、呼吸回路は、患者の鼻、口、または両方を覆って取り付けるような単純な手動式バッグバルブマスクであってもよい。いくつかの呼吸回路は、より複雑であって、圧力源と患者との間に配置される、噴霧器、熱湿交換(HME)ユニット、およびその他等、一式の付加的呼吸構成要素を含むことができる。
【0002】
呼吸回路は、頑丈であるが、マスクの周囲等、構成要素が、患者に連結される場所、またはHMEユニット内等の構成要素自体内のチャンバ間では、漏出性界面を含有し得る。これらの界面は、界面の要素間の可変圧縮の結果、多くの場合、漏出性である。可変圧縮界面は、界面が、漏出性であり得るため、周囲の空気または他のガスが、加圧されたガスと意図せずに混合する可能性をもたらすという、共通特徴を共有する。回路内に導入される周囲の空気または他のガスは、患者に拡散され得る、微生物等の望ましくない空気媒介生成物を含有し得る。加えて、漏出性界面は、患者から介護者へと、微生物を拡散させ得る。
【0003】
流体の意図されない混合および望ましくない微生物の侵入をもたらす、漏出性界面は、呼吸回路に限定されない。可変圧縮界面の別の実施例として、多くの場合、患者内に腹腔鏡器具を導入し、低侵襲性手術をもたらすための侵入地点を提供する、手術用トロカールと併用される、患者との間のダックビルまたはワイパーシール界面が挙げられる。さらなる可変圧縮界面の実施例は、流体流動の効率を低減または望ましくない粒子の侵入が、容易に判断され得る。
【発明の概要】
【0004】
本要旨は、詳細な記載に後述される簡略化された形の概念を選び集めたものを紹介する。本要旨は、請求される主題の解決の鍵または必須特徴を識別することを意図するものではなく、請求される主題の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0005】
本開示の一態様は、物品と流体連通するように構成される、装置の実施例を対象とする。装置は、物品と接触し、要素と物品との間に可変圧縮界面を形成するように構成される、要素を含む。装置はまた、要素上および可変圧縮界面に配置される、シールを含む。シールは、可変圧縮界面における望ましくない流体漏出の量を低減するように構成される。例示的シールとして、可変圧縮界面を通過しようとする望ましくない粒子を捕捉するように構成される、フィルタ媒体が挙げられる。一実施例では、可変圧縮界面は、HMEユニット内に含むことができる。別の実施例では、可変圧縮界面は、患者とマスクとの間に形成することができる。
【0006】
本開示の別の態様は、HMEユニットの実施例を対象とする。HMEユニットは、第1のポートと、第2のポートと、第1のポートと、第2のポートとの間に延在する、中間区画と、を形成する、筐体を含む。中間区画は、第1のポートおよび第2のポートに流動的に接続する、第1および第2の流路を画定する。中間区画は、第1の流路に沿って、熱および湿分留保媒体を含む。筐体は、開口と、閉塞部材と、シールと、を形成する要素を有する、バルブ機構を含む。閉塞部材は、筐体内に移動可能に留保され、第1の移動地点と第2の移動地点との間を遷移可能である。第1の移動地点における閉塞部材は、要素と可変圧縮界面を形成し、第2の流路を閉鎖し、第1の流路を通るように流体流動を向かわせる。第2の移動地点における閉塞部材は、第2の流路を通して、流体流動を可能にする。シールは、フィルタ媒体を備え、可変圧縮界面における閉塞部材および要素のうちの少なくとも1つ上に配置される。
【0007】
本開示の別の態様は、患者によって使用するために好適な呼吸回路の実施例を対象とする。呼吸回路は、正圧流体源と患者と結び付けるように構成される、端末装置と、正圧流体源を端末装置に流動的に連結する、構成要素と、を含む。構成要素は、筐体と、バルブ機構と、を含む。筐体は、正圧源に流体を通して連結される第1のポートと、端末装置に流体を通して連結される第2のポートと、第1のポートと第2のポートとの間に延在する、中間区画と、を有する。筐体の中間区画は、第1のポートおよび第2のポートに流体を通して接続する、第1および第2の流路を画定する。バルブ機構は、筐体の中間区画内に配置される。バルブ機構は、開口と、閉塞部材と、シールと、を形成する要素を含む。閉塞部材は、筐体内に移動可能に留保され、第1の移動地点と第2の移動地点との間を遷移可能である。閉塞部材が、第1の移動地点にある時、要素と可変圧縮界面を形成し、第2の流路を閉鎖し、第1の流路を通して、流体流動を指向する。閉塞部材が、第2の移動地点にある時、第2の流路を通して、流体流動を可能にする。シールは、フィルタ媒体を含み、可変圧縮界面における閉塞部材および要素のうちの少なくとも1つ上に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
付随の図面は、実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、実施形態を例証し、説明とともに、実施形態の原理を説明する役割を果たす。他の実施形態および実施形態の意図された利点の多くは、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、より理解が深まるのに伴って、容易に認識されるであろう。図面の要素は、必ずしも、相互に対して、正確な縮尺ではない。同一参照番号は、対応する類似部品を示す。
【0009】
図1A図1Aは、本開示の特徴を含む、好適な環境を提供するが、その一実施例である、呼吸回路の簡略化された例証図である。
【0010】
図1B図1Bは、本開示の特徴を含む、好適な環境を提供するが、その別の実施例である、呼吸回路の簡略化された例証図である。
【0011】
図2図2は、本開示の原理に従う、可変圧縮界面を形成する装置を例証する、概略図である。
【0012】
図3A図3Aは、本開示の原理に従い、かつ第1の構成における、図1の回路の構成要素を例証する、概略図である。
【0013】
図3B図3Bは、第2の構成における、図3Aの構成要素を例証する、概略図である。
【0014】
図4図4は、図3Aの構成要素の特徴を例証する、概略斜視図である。
【0015】
図5図5は、本開示の原理に従う、図3Aおよび3Bの回路の構成要素として使用するために好適である、バイパスモードおよびHMEモードを有する、HMEユニットを例証する、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の発明を実施するための形態では、本明細書の一部を形成し、本発明が実践され得る、具体的実施形態が、例証として示される、付随の図面が参考資料とされる。この点において、いずれの案内用語も、説明されている図面の幾何学的配置を参照して使用される。実施形態の構成要素は、いくつかの異なる幾何学的配置で位置付けることができるため、案内用語は、限定的ではなく、例証目的のために使用される。他の実施形態が利用されてもよく、構造または論理的変更が、本発明の範囲から逸脱することなく、行われてもよいことを理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的意味において捉えられるべきではなく、本発明の範囲は、添付の請求項によって定義される。また、ここに記載された種々の例示的実施形態の特徴は、具体的に、そうでない旨が記載されない限り、相互に組み合わせられてもよいことを理解されたい。
【0017】
図1Aは、本開示の原理を含む、例示的呼吸回路20を例証する。呼吸回路20は、呼吸回路の一実施例にすぎず、呼吸回路は、本開示の原理を含むために好適な環境の一実施例にすぎない。例示的呼吸回路20を参照して説明される、開示される原理は、腹腔鏡下手術ならびに必ずしも臨床ケアに関連しない他の実施例等、汚染をもたらす可能性がある、漏出に悩まされ得る、圧縮界面を有する、他の環境に好適に適応させることができる。呼吸回路20は、後述のように、ともに流体を通して連結される、いくつかの構成要素を含む。人工換気装置22は、可撤性人工換気装置チューブ24に連結され、人工換気装置22から、患者28に向かって、空気、酸素等の圧縮されたガスを送達する。人工換気装置チューブ24は、入力ポート30において、Y−コネクタ26と接続する。Y−コネクタ26は、ポート34の近位のHMEユニット32に連結される。HMEユニット32は、バイパス型HMEユニットであり得る。HMEユニット32の遠位ポート36は、患者チューブ38に接続され、患者チューブ38は、気管内チューブ40等の端末装置44に連結される。Y−コネクタ26は、また、患者の呼気を受容するように構成される、別の人工換気装置チューブ48によって、人工換気装置22に連結される出力ポート46を含む。呼吸回路20は、図示されない、付加的構成要素を含有することができる。そのような構成要素の1つは、患者28のために意図された、エアロゾル化された薬剤を送達する、噴霧器である。別の構成要素は、定量噴霧器であり得る。既知または未知の他の構成要素が、呼吸回路20内に含まれることができる。
【0018】
図1Bは、人工呼吸器型マスク51を含む、呼吸回路50であるが、別の実施例を例証する。人工呼吸器型マスク51は、示されるようなフィルタキャニスタまたは単純に濾過入力を含み、加圧されたガスを受容する、または空気を受動的に受容するように構成されることができる、人工呼吸器装置52を含む。人工呼吸器装置52は、ユーザ56と結び付ける、マスク部分54に連結される。マスク部分54は、顔の鼻および口領域58において、ユーザ56と結び付くように構成される縁取り60を含む。
【0019】
呼吸回路20、50は、HMEユニット32内の可変圧縮界面62(図1A)等、構成要素の部品が、相互に接続することができる、または縁取り60が、ユーザ/患者の顔面領域58あるいは他の皮膚もしくは組織に整合する、可変圧縮界面64(図1B)等、構成要素が、ユーザまたは患者に接続する、可変圧縮界面を含む。これらの界面は、構成要素または構成要素の部品の製造の際の正常公差の成果、平面幾何学形状からの逸脱、デュロメータまたはエラストマー材料の復元における変動、および患者の生体構造の変動の結果、といった可変圧縮を含む。これらの可変圧縮界面62、64は、後述のシールを具備する。
【0020】
図2は、本開示に従って構築された実施例を例証する。より具体的には、図2は、物品72と流体連通し、本開示の原理に従って構築された、装置70を例証する。第1の実施例では、装置70は、図1Bのマスク部分54であって、物品72は、鼻および口近傍の患者の顔面領域58である。第2の実施例では、装置70は、ダックビルまたはワイパーシールであり得、物品72は、手術用トロカール等である。第1および第2の実施例は、装置70の可能性として考えられる実装の排他的なものではなく、例証にすぎないことを意味する。装置70は、物品72に接触し、要素74と物品72との間に、可変圧縮界面76を形成するように構成される、要素74を含む。図1Bを参照すると、要素74は、第1の実施例では、マスク54の縁取り60である。要素74と物品72との間の可変圧縮界面76は、そのままでは、流体気密ではなく、望ましくない流体漏出を含む。装置70は、また、要素74上および可変圧縮界面76に配置される、シール78を含む。シール78は、可変圧縮界面76における、望ましくない流体漏出の量を低減するように構成される。シール78は、フィルタ媒体を備え、後述される。
【0021】
図3Aおよび3Bは、本開示に従って構築される、別の実施例を例証する。より具体的には、図3Aおよび3Bは、また、可変圧縮界面を含む、本開示の原理に従って構築される、HMEユニット90、すなわち、より具体的には、バイパス型HMEユニットの実施例を例証する。HMEユニット90は、第1のポート94と、第2のポート96と、第1のポート94と第2のポート96との間に延在する、中間区画98と、を形成する、筐体92を含む。中間区画98は、第1のポート94および第2のポート96に流体を通して接続する、第1の流路102と、第2の流路104と、を画定する。中間区画98は、熱および湿分留保媒体、すなわち、HME媒体106を含み、時として、第1の流路102に沿って、二次フィルタ107を含み得る。筐体92は、開口112と、閉塞部材114と、シール116と、を形成する、要素110を有する、バルブ機構108を含む。閉塞部材114は、筐体92内に移動可能に留保され、第1の移動地点117(図3Aに図示)と第2の移動地点118(図3Bに図示)との間を平行移動可能である。第1の移動地点116における閉塞部材114は、要素110と可変圧縮界面120を形成し、第2の流路104を閉鎖し、第1の経路102を通るように空気流動等の流体流動を向かわせる。第2の移動地点118における閉塞部材114は、第2の流路104を通して、空気流動を可能にする。シール116は、フィルタ媒体を備え、可変圧縮界面120における閉塞部材114および要素110のうちの少なくとも1つ上に配置され、図2と対応する前述の実施例内のシール78に類似する。
【0022】
呼吸回路内のバイパス型HMEユニット90の動作中、第1のポート94は、圧力源から、加圧されたガスを受容し、一実施例では、図1のHMEユニット32のポート34の近位に対応する。第2のポート96は、加圧されたガスを患者28に向かって通過させ、本実施例では、図1のHMEユニットの遠位ポート36に対応する。バイパス型HMEユニット90が、図3Aに示されるように、HMEモードに設定されると、バルブ機構118は、第2の流路104を閉鎖し、加圧されたガスが、第1の流路102を通るように向かわせる。ガスは、HME媒体106および二次フィルタ107を通して、第2のポート96から患者へと移動するであろう。患者の呼気は、第1の流路102の逆方向に移動するであろう。呼気からの熱および湿分は、HME媒体106によって捕捉され、加圧されたガスの活用が再開されると、患者に戻すことができる。シール116は、ユニット90が、HMEモードにある時、バルブ機構に侵入する望ましくない流体の量を低減させる。
【0023】
バイパス型HMEユニットが、図3Bに示されるように、バイパスモードに遷移すると、バルブ機構118は、第2の流路104を開放する。バルブ機構118は、流体流動が、実質的に、最も少ない抵抗の経路、すなわち、閉塞されていない第2の流路104を辿るであろうため、第1の流路102を開放したままにし得る。バイパス型HMEユニット90内のガスの少なくとも95%、多くの場合、少なくとも98%が、バイパスモードにおいて、第2の流路104を通過することが、試験によって示された。バイパスモードは、呼吸回路を遮断する必要なく、または薬剤の送達を妨害するHME媒体106および二次フィルタ107に対処する必要なく、噴霧器または定量噴霧器から等、エアロゾル化された薬剤を患者に送達するために特に好適である。
【0024】
流体漏出を低減するため、または流体気密シールを生成するために使用される従来の機構またはシールは、一般に、可変圧縮界面120において、望ましくない流体漏出の量を低減させたり、界面における間隙を通して、微生物の侵入からの保護を改善すること、または両方のために、非効果的である。より緊密またはより優れた取り付け界面の製造に伴うコストは、非常に高価である。製造公差を有意に改善する、またはより強力かつより優れた取り付け材料を使用する際に被るコストは、使い捨て装置に最適なものより高く、余剰コストは、患者または患者のケアに対して支払い責任がある人物に転嫁される可能性が高いであろう。可変圧縮界面に配置される、Oリングおよびガスケット等の漏出を停止するために使用される、典型的安価な手段は、多くの場合、望ましくない漏出および微生物の侵入を低減させるために十分効果的ではないとして、実験において実証されている。例えば、Oリングおよびガスケットは、バイパス型HMEユニット90内に取り付けるのが困難であり得る。概して、第2の流路104を閉鎖するための可変圧縮界面120における要素110の力の量は、多くの場合、小さ過ぎて、Oリングおよび多くのガスケットを適切に圧縮し、効果的シールを形成することができない。HMEユニット90をより強力にし、Oリングを適切に圧縮するための余剰力に対応するために、非常に高価な部品および製造技法が、使用される。さらに、微生物は、第2の流路104が閉鎖されると、可変圧縮界面120におけるOリングおよびガスケット上に群集し、これらの微生物は、多くの場合、呼吸回路内に吹き込まれ、汚染を引き起こす。
【0025】
シール116は、圧縮性フィルタ媒体から構築され、望ましくない漏出および微生物の侵入の問題に対して、比較的に安価な解決策をもたらす。例えば、バイパス型HMEユニット90は、ISO23328−1に従って、直径0.3ミクロンを有する塩化ナトリウムエアロゾルおよび粒子検出器によって、試験された。界面にOリングまたはガスケットを伴う、HMEユニットに関する試験データは、業界基準に従う、濾過要求に対応し得ない、可変および制御不可能漏出を実証した。しかしながら、圧縮性フィルタ媒体を含む、シールを有する、HMEユニットは、食品医薬品局の指針に準拠する、濾過の表示要求への対応を可能にする、界面の改善をもたらした。
【0026】
そのような圧縮性媒体として、医療等級の不織布濾布が挙げられる。不織布濾布は、若干力が加わっていると、局所的に圧縮性であって、第2の流路104を閉鎖するために使用される、典型的なバイアス力の下で、可変圧縮界面120において、閉塞部材114と要素110との間の取り付け形状を修正するであろう。したがって、典型的HMEユニット90は、大幅な再設計または高価な部品を被らないはずである。さらに、シール116は、また、微生物の侵入からも保護する。例えば、可変圧縮界面内に配置されるフィルタ媒体は、シール116に侵入しようとする、流体内の望ましくない流体媒介粒子を捕捉する手段の改善をもたらす。加えて、フィルタ媒体は、粒子を捕捉および保持する役割を果たし、第2の流路104が開放されると、呼吸回路内を通過する粒子の量を低減させるであろう。フィルタ媒体は、捕捉された粒子をフィルタ内に維持するための力として作用する、静電荷を具備し得る。
【0027】
本実施例に説明されるように、装置は、バルブ機構またはHME装置を含むことができ、要素は、物品に接触するように構成される、閉塞部材114、または要素と物品との間に可変圧縮界面120を形成するための開口112を形成する、要素110であることができる。シールは、閉塞部材114等の要素上および可変圧縮界面120に配置される、フィルタ媒体を含む。
【0028】
図4は、フィルタ媒体を構成する添着されたシール116を有する、HMEユニット90からの閉塞部材114の斜視図を例証する。一実施例では、フィルタ媒体は、繊維が、シートまたはウェブ状にまとめて結合される、静電荷を有するポリプロピレンアクリル等の容易に利用可能な不織布繊維から構築される。閉塞部材114は、商標名Delrinとして市販され、多くの場合、単純に、Du Pontと称される、E.I duPont de Nemours and Company(Wilmington、Delaware)から市販され得る、多くの場合、ポリアセタールまたはさらにポリオキシメチレンと称される、アセタール等のポリマー材料から構築することができる。
【0029】
HMEユニット90の付加的構成要素は、種々の構成において構築することができ、これらの構成のいくつかの実施例は、ここに記載される。HMEユニット92の筐体は、閉塞部材114内で使用されるポリマー材料と異なり得る、ポリマー材料から構築することができる。例えば、筐体は、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー等の熱可塑性物質から構築することができる。シール116は、医療等級接着剤によって、閉塞部材114に添着することができる。HME媒体106は、多くの場合、塩化カルシウムによって処理されたポリウレタン発泡体等、吸湿性塩によって処理された弾力性または可撓性ポリマー発泡体から構築される。第1の流路内の望ましくない粒子を捕捉するために、HME材料106と併用され得る、二次フィルタ107は、シール116内で使用される、同一材料から構築することができる。本実施例に示されるようなバルブ機構108は、閉塞部材114と対応するピン状に蝶着されたゲートと、開口112を形成する、要素110と対応するバルブ入口と、を有する、ゲートバルブである。ボールバルブ、プランジャバルブ等、他の種類のバルブ装置も、想定される。
【0030】
加えて、使用されるフィルタ媒体の厚さは、シールの用途に対して、可変であり得る。例えば、図2の実施例におけるシール78は、比較的に量の厚いフィルタ媒体を使用し、患者の生体構造内の様々な相違による、界面76におけるより大きな間隙に対応することができる。図3Aおよび3Bの実施例におけるシール116は、界面120において、比較的に量の薄いフィルタ媒体を使用し得る。当業者は、現在既知および未知の両方における、すべての用途において、適切な厚さによって、フィルタ媒体に容易に適用することができる。
【0031】
図5は、図3Aおよび3Bの簡略化された例証図に従って構築される、例示的HMEユニット130を例証する。HMEユニット130は、一般に参照される、筐体132と、バルブ機構134と、を含む。HMEユニット130は、また、熱および湿分留保媒体(106)、二次フィルタ(107)、バルブ機構134の一部として含まれる閉塞部材(114)、また、バルブ機構134の一部として含まれる、シール(116)等、図から隠れた特徴を含む。筐体132は、人工換気器側ポート136と、患者側ポート138と、中間区画140とを形成する。熱および湿分留保媒体(106)は、中間区画140内に留保され、バルブ機構134は、それを通して、空気流が、少なくとも最初にポート136、138間を進行する、経路を指示するように動作する。バルブ機構134は、閉塞部材(114)を第1の移動地点にバイアスを掛け可変圧縮界面を形成し、HMEモードをもたらす、ねじりばね等のバイアス部材(図示せず)を含む。バルブ機構134は、アクチュエータアセンブリ142と、係止装置144と、を含む。アクチュエータアセンブリ142は、筐体132に回転可能に組み立てられ、そこから突出するアクチュエータアーム146を含む。筐体132に対する、アクチュエータアーム146の回転は、移動地点間の閉塞部材(114)の遷移をもたらす。したがって、アクチュエータアーム146は、HME位置からバイパス位置およびその逆にも回転可能である。この点において、係止装置144は、バイパス位置において、アクチュエータアーム146と結び付いたり、解除可能に係止するように構成される。
【0032】
以下に、本発明の概念を示す。
概念1.
物品と流体連通するように構成される、装置であって、
前記物品と接触し、前記要素と前記物品との間に可変圧縮界面を形成するように構成される、要素と、
前記要素上および前記可変圧縮界面に配置される、シールであって、前記可変圧縮界面における望ましくない流体漏出の量を低減するように構成され、前記可変圧縮界面を通過しようとする望ましくない粒子を捕捉するように構成される、フィルタ媒体を備える、シールと、
を備える、装置。
概念2.
前記フィルタ媒体は、圧縮性である、概念1に記載の装置。
概念3.
前記フィルタ媒体は、不織布材料から形成される、概念2に記載の装置。
概念4.
前記要素は、閉塞ユニットを有する、バルブ機構であって、前記物品は、熱湿交換ユニット要素である、概念1に記載の装置。
概念5.
前記シールは、前記閉塞ユニット上に配置される、概念4に記載の装置。
概念6.
前記シールは、医療等級接着剤によって、前記閉塞部材に添着される、概念5に記載の装置。
概念7.
前記要素は、マスクの縁取りであって、前記物品は、顔の一部である、概念1に記載の装置。
概念8.
前記流体は、空気である、概念1に記載の装置。
概念9.
熱湿交換ユニットであって、
第1のポートと、第2のポートと、前記第1のポートと前記第2のポートとの間に延在し、前記第1のポートおよび前記第2のポートに流体を通して接続する、第1および第2の流路を画定する中間区画と、を形成する、筐体と、
前記第1の流路に沿って、前記中間区画内に維持される、熱および湿分留保媒体と、
開口と閉塞部材とシールと、を形成する要素を含む、前記中間区画内に配置される、バルブ機構であって、前記閉塞部材は、前記筐体内に移動可能に留保され、第1の移動地点と第2の移動地点との間を遷移可能である、バルブ機構と、
を備え、前記第1の移動地点における前記閉塞部材は、前記要素と可変圧縮界面を形成し、前記第2の流路を閉鎖し、前記第1の経路を通るように流体流動を向かわせ、
前記第2の移動地点における前記閉塞部材は、前記第2の流路を通して、前記流体流動を可能にし、
前記シールは、フィルタ媒体を備え、前記可変圧縮界面における前記閉塞部材および前記要素のうちの少なくとも1つ上に配置される、
熱湿交換ユニット。
概念10.
前記熱および湿分留保媒体は、吸湿性塩で処理された弾力性発泡体を含む、概念9に記載の熱湿交換ユニット。
概念11.
前記熱および湿分留保媒体は、塩化カルシウムで処理されたポリウレタン発泡体を含む、概念10に記載の熱湿交換ユニット。
概念12.
前記フィルタ媒体は、不織布繊維を含む、概念9に記載の熱湿交換ユニット。
概念13.
前記不織布繊維は、静電荷を含む、概念12に記載の熱湿交換ユニット。
概念14.
前記不織布繊維は、静電荷を有する、ポリプロピレンアクリルを含む、概念12に記載の熱湿交換ユニット。
概念15.
前記繊維は、シートまたはウェブ状にまとめて結合される、概念12に記載の熱湿交換ユニット。
概念16.
前記閉塞部材は、ゲートバルブである、概念9に記載の熱湿交換ユニット。
概念17.
前記閉塞部材は、ねじりばねによって、前記要素に対してバイアスされる、概念9に記載の熱湿交換ユニット。
概念18.
患者によって使用するための呼吸回路であって、
正圧流体源と、
前記患者と結び付くように構成される、端末装置と、
前記正圧流体源を前記端末装置に流体を通して連結するための構成要素であって、
第1のポートと、第2のポートと、前記第1のポートと前記第2のポートとの間に延在し、前記第1のポートおよび前記第2のポートに流体を通して接続する、第1および第2の流路を画定する中間区画と、を形成する、筐体と、
開口と閉塞部材とシールと、を形成する要素を含む前記中間区画内に配置される、バルブ機構であって、前記閉塞部材、前記筐体内に移動可能に留保され、第1の移動地点と第2の移動地点との間を遷移可能である、バルブ機構と、
を備え、前記第1の移動地点における前記閉塞部材は、前記要素と可変圧縮界面を形成し、前記第2の流路を閉鎖し、前記第1の経路を通して、空気流動を向かわせ、
前記第2の移動地点における前記閉塞部材は、前記第2の流路を通して、前記空気流動を可能にし、
前記シールは、フィルタ媒体を備え、前記可変圧縮界面における前記閉塞部材および前記要素のうちの少なくとも1つ上に配置される、
構成要素と、
を備える、呼吸回路。
概念19.
前記正圧流体源は、人工換気装置を含む、概念18に記載の呼吸回路。
概念20.
前記端末装置は、マスクを含む、概念18に記載の呼吸回路。
具体的実施形態が、ここに例証および記載されたが、種々の代替および/または同等実装が、本発明の範囲から逸脱することなく、図示および説明された具体的実施形態の代用となり得ることは、当業者によって認識されるであろう。本願は、ここに論じられる具体的実施形態のいかなる適応例または変形例も網羅することを意図する。したがって、本発明は、請求項およびその均等物によってのみ、限定されるものとして意図される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5