特許第6013322号(P6013322)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013322
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】先端材料用のツイストドリル
(51)【国際特許分類】
   B23B 51/00 20060101AFI20161011BHJP
   B23B 51/02 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   B23B51/00 L
   B23B51/00 S
   B23B51/02 S
【請求項の数】26
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2013-506724(P2013-506724)
(86)(22)【出願日】2011年3月29日
(65)【公表番号】特表2013-525129(P2013-525129A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】GB2011000478
(87)【国際公開番号】WO2011135277
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2014年1月29日
(31)【優先権主張番号】1007032.4
(32)【優先日】2010年4月27日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507226695
【氏名又は名称】サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ゴー ワン ツィン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ロバート リム
【審査官】 村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−277108(JP,A)
【文献】 実開平02−122712(JP,U)
【文献】 特開昭57−071714(JP,A)
【文献】 特開2000−084721(JP,A)
【文献】 特表2009−544481(JP,A)
【文献】 特表平04−502884(JP,A)
【文献】 特開平07−112311(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第2656554(FR,A1)
【文献】 米国特許第6652203(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 51/00
B23B 51/02
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維を含む複合材料を穴明けするためのツイストドリルであって、
シャンクと、
ドリル本体と、
切れ刃と、切れ刃の後方に延びる第1の逃げ面と、第1の逃げ面の後方に延びる第2の逃げ面と、を備えるドリル先端であって、第1の逃げ面の逃げ角が5〜40°、第2の逃げ面の逃げ角が10〜40°である前記ドリル先端と、
ドリル先端からドリル本体まで延びる少なくとも一つの螺旋状切り屑排出溝であって、個々の螺旋状切り屑排出溝のねじれ角が、ドリル先端側における25〜60°のねじれ角からドリル本体側における0〜35°のねじれ角まで滑らかに、かつ連続的に減少する、少なくとも一つの前記螺旋状切り屑排出溝と、を備え
ドリル先端がパイロットであり、
ドリルはパイロットとドリル本体との間で移行部を有し、該移行部がパイロットの後方に延びる第1のチャンファ部と、第1のチャンファ部の後方に延びる第2のチャンファ部と、第2のチャンファ部の後方に延びる第3のチャンファ部と、を有することを特徴とするツイストドリル。
【請求項2】
前記ねじれ角はドリル先端側からドリル本体側に至るまで少なくとも10°小さくなることを特徴とする請求項1に記載のツイストドリル。
【請求項3】
ドリル先端側におけるねじれ角が40〜60°であることを特徴とする請求項1又は2に記載のツイストドリル。
【請求項4】
ドリル本体側におけるねじれ角が0〜20°であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項5】
ドリル先端側におけるねじれ角が48〜52°であり、ドリル本体側におけるねじれ角が8〜12°であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項6】
ドリル先端側におけるねじれ角が28〜32°であり、ドリル本体側におけるねじれ角が8〜12°であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項7】
第1の逃げ面の逃げ角が10〜40°好ましくは15〜30°であり、第2の逃げ面の逃げ角が15〜30°であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項8】
ドリルが2つ又は3つの螺旋状切り屑排出溝を有することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項9】
パイロットが少なくとも2mmの長さを有することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項10】
ドリル先端がチゼルエッジを有することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項11】
チゼルエッジ角が105〜115°であることを特徴とする請求項10に記載のツイストドリル。
【請求項12】
チゼルエッジの長さが、0.03〜0.15mm好ましくは0.05〜0.15mmであることを特徴とする請求項10又は11に記載のツイストドリル。
【請求項13】
ドリル先端が第2のチゼルエッジを有することを特徴とする請求項10〜12の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項14】
第2のチゼルエッジ角が145〜155°であることを特徴とする請求項13に記載のツイストドリル。
【請求項15】
ドリル先端が80〜140°の先端角を有することを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項16】
ドリル先端が85〜95°の先端角を有することを特徴とする請求項15に記載のツイストドリル。
【請求項17】
ドリル先端が6〜15°の軸方向すくい角を有することを特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項18】
螺旋状切り屑排出溝が右螺旋であることを特徴とする請求項1〜17の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項19】
ツイストドリルが個々の切れ刃に関係したバックエッジリリーフを有することを特徴とする請求項1〜18の何れか一項に記載のツイストドリル。
【請求項20】
繊維を含む複合材料を穴明けする方法であって、
請求項1〜19の何れか一項に記載のツイストドリルを使用して複合材料を穴明けするステップを有することを特徴とする方法。
【請求項21】
複合材料が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)又はガラス強化プラスチック(GFRP)であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
複合材料が、航空機構成部材、風力タービン構成部材、ボート構成部材又は車両パネルあることを特徴とする請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
穴明けするステップが手動穴明けであることを特徴とする請求項20〜22の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
この方法はスタック穴明け方法であることを特徴とする請求項20〜23の何れか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項20〜22の何れか一項に記載の複合材料を手動穴明けする方法における、請求項1〜19の何れか一項に記載のツイストドリルの使用。
【請求項26】
請求項1〜19の何れか一項によるツイストドリルを形成するように、ツイストドリルを再研削するステップを有する再研削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツイストドリル、特に、穴明け用のツイストドリル、殊に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)又はガラス繊維強化プラスチック(GFRP)などの複合材料用のハンドドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
CFRPやGFRPなどの繊維を含む複合材料は、特に、高加工品質の穴に関して、課題を有している。更に、特に宇宙産業において、これらの材料は、しばしば、自動穴明けされるのではなく手動穴明けされる。これは、被削材(例えば、部品又はパネル)が自動穴明け装置のアームに接近することができないためである。
【0003】
コンピュータで制御される自動穴明けとは異なり、手動穴明けは、ユーザが速度と送りを制御することが必要である。従って、被削材(例えば、複合材料)に対するダメージは、ドリルの速度や送りを制御して自動穴明けする場合において抑制される一方、手動穴明けする場合は、被削材に対する損傷はオペレータにより被削材に適用される速度と送りに依存する。従って、手動穴明けは均一な穴を形成することを難しくする。従って、異なる使用者は被削材に対する力の程度を変化させ、穴の加工品質を変化させる。
【0004】
手動穴明けは、「押すこと」又は「貫通すること」の問題に対して影響を受けやすい。ドリルは、穴明け中に、特に一点において、ユーザに軸方向の力を生ずる。これは、ドリルが被削材の中を動くときに、ドリルと被削材の相互作用によって生じ、ユーザが穴明けを制御することを難しくし、均一な穴及び高加工品質の穴を減らすことになる。
【0005】
CFRP材料などに使用するために提供される市販の利用可能なドリルは、ドリルリーマ、特に、四つの切り屑排出溝を有するドリルリーマである。しかしながら、スラスト力の程度を変化させたり、穴の加工品質を良くしたりすることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書で説明されるドリルは、上記の問題を解決することを目的とする。特に、本明細書で説明される実施形態は、CFRPやGFRPなどの繊維を含む複合材料を穴明けするとき、スラスト力の問題や穴の加工品質の問題を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の提案は、ツイストドリルが、第1のリリーフ角と第2のリリーフ角との組み合わせにおいて、始めと終わりで所定の螺旋角度を有する螺旋を備えることを提案する。これにより、ドリルは、特に繊維を含む複合材料を、特に手動穴明けするときに、最小のスラスト力を生じる。
【0008】
第2の提案は、ツイストドリルが、第1のリリーフ角と第2のリリーフ角との組み合わせにおいて、第2のチゼルエッジを備えることを提案する。これにより、ドリルは、特に、繊維を含む複合材料を手動穴明けする際に、高加工品質の穴を提供するために適用される。
【0009】
第3の提案は、可変螺旋を有するツイストドリルが繊維を含む複合材料を穴明けする際に使用されることを提案する。
【0010】
第4の提案は、ツイストドリルが、第2のチゼル角との組み合わせにおいて、始めと終わりで所定の螺旋角度を有し、線状部分と可変螺旋部分との両方を含む螺旋部分を備えることを提案する。これにより、ドリルは、特に、繊維を含む複合材料を穴明けする際に、高加工品質の穴を提供するために適用される。
【0011】
これらの提案のそれぞれは、以下で説明される。
【0012】
明細書で使用される「前方」及び「後方」という用語は、ツイストドリルの構造的特徴の理解を助けるために使用される。これらは、使用するドリルを制限することを意味するものではない。
【0013】
第1の提案に関して、繊維を含む複合材料を穴明けするときのスラスト力の問題は、ドリルの幾つかの幾何学的特徴、つまり、特定された初めと終わりの角度を有する螺旋、及び特定されたリリーフ角を有する第1及び第2のファセット(第1及び第2の逃げ面又はリリーフ)を組み合わせることによって解決される。
【0014】
第1の態様において、本発明は、ツイストドリルを提供する。
ツイストドリルは、
シャンクと、
ドリル本体と、
切れ刃と、切れ刃の後方に延びる第1のファセットと、第1のファセットの後方に延びる第2のファセットと、を備えるドリル先端であって、第1のファセットのリリーフ角が、5〜40°、好ましくは10〜40°であり、第2のファセットのリリーフ角が10〜40°であるドリル先端と、
ドリル先端からドリル本体まで延びる少なくとも一つの切り屑排出溝であって、個々の切り屑排出溝の螺旋角が、ドリル先端の部分における25〜60°、好ましくは40〜60°の初めの螺旋角から、ドリル本体の部分における0〜35°、好ましくは0〜20°の終わりの螺旋角まで減少する、少なくとも一つの切り屑排出溝と、
を備える。
【0015】
本発明者等は、特に、繊維を含む複合材料を穴明けするとき、上記の可変螺旋と第1及び第2のファセットとの組み合わせがスラスト力を非常に小さくするということを発見した。ここで説明されるように、実施形態は、繊維を含む複合材料、例えば、エポキシ系のCFRPを穴明けするときに、穴の出口側の加工品質を高めることができる。この態様のドリルは、このような複合材料を穴明けする際に適する。本実施形態におけるドリルはツイストドリルである。
【0016】
なお、ドリルは、鋼やアルミニウムなどの他の材料の穴明けに使用することもできる。
【0017】
従って、螺旋は可変螺旋である。すなわち、螺旋角はドリル先端からドリル本体まで変化する。特に、ドリル先端の螺旋角(開始角)は、相対的に大きく、25〜60°、好ましくは40〜60°であり、ドリル本体の螺旋角(終了角)は、相対的に小さく、0〜35°、好ましくは0〜20°であり、螺旋角が減少する。
【0018】
特に、本発明者等は、特に、スラスト力を小さくするのに適するように、25〜60゜、好ましくは40〜60°のドリル先端の開始螺旋角と、0〜35°、好ましくは0〜20°のドリル本体の終了螺旋角を有する螺旋を特定した。より小さいスラスト力は、剥離損傷を抑制し、また、電力を節約する。
【0019】
更に、相対的に大きな開始角は、穴明けされる材料に対して切れ刃が素早く食い付くようにする。実際に、本実施形態のドリルは、繊維を含む複合材料を早くきれいに切削する。大きな開始角は切削抵抗力を小さくする。
【0020】
相対的に小さな終了角は、特に、手動穴明けに関して切削抵抗力を大きくし、好ましくは「貫通」効果を抑制する。
【0021】
したがって、特定された開始角及び終了角の組み合わせは、ここで説明されるような複合材料の穴明けに特に適する穴明けを提供する。
【0022】
ここで説明されるように、本発明者等は、効果の程度は変化するものの、開始角及び終了角の組み合わせの広い範囲が、上記の特定された範囲、例えば、50〜10°、30〜10°及び50〜30°で使用される。
【0023】
開始角の上限は、58°であることが適切であり、好ましく56°であり、更に好ましくは55°、より好ましくは54°、より好ましくは53°、より好ましくは52°、最も好ましくは51°である。
【0024】
ある実施形態において、開始角の上限は、34°であり、好ましくは32°、最も好ましくは31°である。
【0025】
開始角の下限は、42°であることが適切であり、好ましく44°であり、更に好ましくは45°、より好ましくは46°、より好ましくは47°、より好ましくは48°、最も好ましくは49°である。
【0026】
ある実施形態において、開始角の下限は、26°であり、好ましくは27°、より好ましくは28°、より好ましくは29°、最も好ましくは30°である。また、開始角の下限を35〜40°とすることもできる。
【0027】
開始角の上限及び下限のこれらの値は、組み合わせて適用することができる。
【0028】
特に、好ましい開始角は45〜55°であり、より好ましくは48〜52°、より好ましくは49〜51°、最も好ましくは約50°である。
【0029】
終了角の下限は、2°であることが適切であり、好ましくは4°、より好ましくは6°、より好ましくは8°、最も好ましくは9°である。
【0030】
ドリルが自動穴明けに適用される実施形態において、一般に、終了角の下限は、相対的に大きくなり、好ましくは15°、より好ましくは20°、より好ましくは22°、より好ましくは24°、より好ましくは26°、最も好ましくは28°である。
【0031】
終了角の上限は、34°であることが適切であり、好ましくは33°、より好ましくは32°、最も好ましくは31°である。ある実施形態において、終了角の上限は、20°であり、好ましくは18°、最も好ましくは16°である。
【0032】
ドリルが手動穴明けに適用される実施形態において、一般に、終了角の上限は、相対的に小さく、好ましくは14°、より好ましくは13°、より好ましくは12°、最も好ましくは11°である。
【0033】
終了角の上限値及び下限値は、組み合わせて使用することができる。特に好ましい組み合わせは、0〜32°、より好ましくは6〜32°、より好ましくは8〜32°、最も好ましくは9〜31°である。
【0034】
他の好ましい組み合わせは、0〜20°、より好ましくは0〜18°、最も好ましくは0〜16°である。
【0035】
特に、ドリルが手動穴明けに適用される実施形態において、好ましくは終了角は6〜12°であり、好ましくは8〜12°、好ましくは9〜12°、より好ましくは9〜11°、最も好ましくは約10°である。
【0036】
特に、ドリルが自動穴明けに適用される実施形態において、好ましくは終了角が20〜35°であり、より好ましくは25〜35°、より好ましくは27〜33°、より好ましくは28〜32°、より好ましくは29〜31°、最も好ましくは約30°である。
【0037】
開始角及び終了角の範囲及び値は、組み合わせて使用することができる。
【0038】
好ましい実施形態において、螺旋は、28〜52°の開始角と、8〜12°の終了角を有する。特に好ましい実施形態では、28〜32°又は48〜52°の開始角、8〜12°の終了角を有する。
【0039】
特に好ましい実施形態において、螺旋は、48〜52°の開始角と、8〜12°の終了角を有する。特に好ましい実施形態では、約50°の開始角と約10°の終了角を有する。
【0040】
他の好ましい実施形態において、螺旋は、48〜52°の開始角と、28〜32°の終了角を有する。特に好ましい実施形態では、約50°の開始角と約30°の終了角を有する。
【0041】
好ましくは、螺旋角は、開始螺旋角から終了螺旋角まで、少なくとも5°小さくなり、より好ましくは少なくとも10°、より好ましくは15°、より好ましくは20°、より好ましくは25°、より好ましくは30°、最も好ましくは35°小さくなる。
【0042】
特に、手動穴明けする実施形態においては、螺旋角は、少なくとも35°小さくなることが適切であり、より好ましくは少なくとも38°、より好ましくは約40°小さくなる。これらの実施形態において、適切な螺旋角は、50°以上、好ましくは45°以上小さくならないことが適切である。
【0043】
特に、自動穴明けする実施形態において、螺旋角は、少なくとも15°小さくなることが適切であり、より好ましくは少なくとも18°、より好ましくは約20°小さくなる。これらの実施形態において、適切な螺旋角は、40°以上、好ましくは35°以上小さくならないことが適切である。
【0044】
実施形態において、螺旋角は、開始螺旋角から終了螺旋角まで連続して減少する。したがって、螺旋は、いかなる線状部分も含まず、螺旋角は変化しないことが適切である。好ましくは、螺旋に沿う距離の関数として螺旋角の変化率は、連続的に変化する。したがって、適切な螺旋は、螺旋角の変化率が一定であるいかなる部分も含まない。好ましくは、螺旋角は、非線形関数、適切には曲線関数、例えば指数関数にしたがって減少する。特に好ましくは、螺旋角は、開始螺旋角から終了螺旋角までスプライン関数にしたがって小さくなる。適切には、スプライン関数は、非線形のスプライン関数、例えば指数関数、二次又は三次スプライン関数である。
【0045】
適切には、ドリルのリードは、螺旋角の変化に適合するように変化する。例えば、リードはスプライン関数にしたがって変化する。
【0046】
実施形態において、少なくとも一つの切り屑排出溝は、螺旋角が変化しない一つ以上の線状部分を含む。すなわち、切り屑排出溝は、螺旋角が変化しない線状部分と、螺旋角がここで説明したように小さくなる、変化する又は非線形の部分と、を含む。
【0047】
切り屑排出溝が線状部分(螺旋角が一定である)を含む実施形態において、線状部分の長さが切り屑排出溝の全長の少なくとも5%であることが適切であり、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、最も好ましくは少なくとも20%である。
【0048】
好ましくは、線状部分の長さは、切り屑排出溝の全長の50%より大きくなく、好ましくは40%、好ましくは30%、最も好ましくは20%よりも大きくない。
【0049】
線状部分は、切り屑排出溝の開始部分(すなわち、ドリル先端)であることが適切である。好ましくは、切り屑排出溝は、線状部分である開始部分と、変化する部分である終了部分とを含む。螺旋に沿う距離の関数としての螺旋角の変化率は、連続的に変化することが適切である。これは、良い穴の加工品質を得ることに役立ち、スラスト力を小さくする。特に、適切には、大きな螺旋は、穴の加工品質を良くし、スラスト力を小さくし、穴のサイズを正確にする。
【0050】
より小さな終了螺旋角は、面取り部分を弱くすることを避けるように、ドリルがより広い直径の面取り部分(面取りドリル)を含むとき、特に効果的である。
【0051】
第1及び第2のリリーフは、スラスト力を小さくすることに影響する。特に、第1のリリーフ角と第2のリリーフ角の組み合わせは、複合材料の穴明けに適するスラスト力を提供することが認識されている。
【0052】
更に、第1のリリーフ角及び第2のリリーフ角は、ドリル先端で熱の放出を改善することが認識されている。これは、スラスト力を小さくすることに役立つだけでなく、穴の加工品質、特に、複合材料を穴明けする際に穴の出口側における加工品質を改善することに役立つことが認識されている。特に、発明者等により実施された試験は、複合材料基板に少ないとげが観察されることを示す。
【0053】
好ましくは、第1のリリーフ角は、少なくとも8°であり、好ましくは少なくとも10°、好ましくは少なくとも12°、より好ましくは14°である。
【0054】
特に、手動穴明けに関する実施形態において、第1のリリーフ角は、少なくとも15°であることが適切であり、好ましくは20°、より好ましくは少なくとも22°、より好ましくは少なくとも23°、最も好ましくは少なくとも24°である。
【0055】
好ましくは、第1のリリーフ角は、35°より大きくなく、より好ましくは30°、より好ましくは28°、より好ましくは27°、最も好ましくは26°より大きくない。
【0056】
特に、自動穴明けに関する実施形態において、第1のリリーフ角は、19°であることが適切であり、好ましくは18°、より好ましくは17°、より好ましくは16°より大きくない。他の実施形態において、第1のリリーフ角は14°より大きくなく、好ましくは12°より大きくない。
【0057】
自動穴明けに関する実施形態において、第1のリリーフ角は、11〜19°であることが適切であり、より好ましくは12〜18°、より好ましくは13〜17°、より好ましくは14〜16°、最も好ましくは約15°である。
【0058】
特に、手動穴明けに関する実施形態において、第1のリリーフ角は、21〜29°であることが適切であり、より好ましくは22〜28°、より好ましくは23〜27°、より好ましくは24〜26°、最も好ましくは約25°である。
【0059】
実施形態において、第1の逃げ角は、5〜16°であることが適切であり、より好ましくは8〜12°、より好ましくは10°である。
【0060】
好ましくは、第2の逃げ角は、少なくとも12°であり、より好ましく少なくとも14°、より好ましくは少なくとも15°、より好ましくは少なくとも16°、より好ましくは少なくとも18°、最も好ましくは少なくとも19°である。
【0061】
好ましくは、第2の逃げ角は、35°より大きくなく、より好ましくは30°、より好ましくは28°、より好ましくは26°、より好ましくは25°、より好ましくは24°、より好ましくは23°、より好ましくは22°、最も好ましくは21°より大きくない。
【0062】
特に、自動穴明け又は手動穴明けに関する実施形態において、第2のリリーフ角は、15〜25°であることが適切であり、より好ましくは16〜24°、より好ましくは17〜23°、より好ましくは18〜22°、より好ましくは19〜21°、最も好ましくは約20°である。
【0063】
第1のリリーフ角及び第2のリリーフ角の範囲及び値は、組み合わせて使用することができる。
【0064】
手動穴明けに関する他の特に好ましい実施形態において、第1のリリーフ角は23〜27°であり、第2のリリーフ角は17〜23°であり、より好ましくは24〜26°、及び19〜21°である。
【0065】
自動穴明けに関する他の特に好ましい実施形態において、第1のリリーフ角は13〜17°であり、第2のリリーフ角は18〜22°であり、より好ましくは14〜16°、及び19〜21°である。
【0066】
ドリルは2つの切り屑排出溝を有することが適切である。しかしながら、2つ以上、例えば3つ又は4つの切り屑排出溝を有することも可能である。実施形態では、好ましくは2つ又は3つの切り屑排出溝が好ましい。
【0067】
ドリルはパイロットを含むことが好ましい。したがって、実施形態において、ドリル先端は、芯出し先端として知られているパイロットを有する。パイロットは、ドリルの性能、特に、スラスト力に関するドリルの性能を改善することが認識される。パイロットは、手動穴明けする際に特に効果的であることが認識される。パイロットは、穴を正確に位置決めすることに役立つ。
【0068】
本発明者等は、少なくとも2mmの長さを有するパイロットが特に効果的であることを認識した。好ましくは、パイロットは少なくとも2.5mmの長さ、より好ましくは少なくとも3mmの長さを有する。特に、好ましいパイロットの長さは、2〜6mm、より好ましくは2〜5mm、より好ましくは2.5〜5mm、より好ましくは2.5〜4.5mm、より好ましくは2.5〜4mm、より好ましくは2.5〜3.5mm、最も好ましくは約3mmである。特に、パイロットは、均一な穴、特に手動穴明けされた穴の形成に役立つことが認識された。
【0069】
パイロットの直径は、ドリル直径の40〜60%であることが適切であり、好ましくは42〜52%、より好ましくは44〜50%、より好ましくは46〜48%、最も好ましくは約47%である。
【0070】
一般に、ドリル直径は、ドリルの最も幅広の部分において測定され、ドリルのマージン(存在する場合)を越えて延びる直径である。ドリルがパイロットを有する場合、ドリル直径は、ドリル本体の最も幅広の部分で、一般的にはドリル本体の前端部で測定される。ドリル本体とパイロットとの間に移行部がある実施形態では、ドリル直径は、移行部近傍のドリル本体における直径である(例えば、第2のチャンファの近傍)。
【0071】
パイロットを有するドリルを提供する効果は、ドリルを再利用するために再研削することができることである。特に、パイロットを有するドリル先端は再研削されることができる。したがって、実施形態において、ドリルは再研削可能なドリルである。適切には、ドリルは、少なくとも2度、例えば2度又は3度再研削することができる。すなわち、好ましくは、ドリルは少なくとも一度、好ましくは少なくとも2度再研削される。
【0072】
パイロットが有る場合、本発明者等は、ドリルがダブルチャンファを備えることにより、性能を更に改善すること、例えば、スラスト力を改善することを認識した。
【0073】
好ましくは、ドリルは、パイロットとドリル本体との間で移行部を有し、移行部はパイロットの後方に延びる第1のチャンファと、第1のチャンファの後方に延びる第2のチャンファを有する。
【0074】
ダブルチャンファは、先端とドリル本体との間で切削移行部(cutting transition)を改善する。
【0075】
好ましくは、移行部は、少なくとも5mmの長さ、より好ましくは少なくとも6mm、より好ましくは少なくとも7mm、最も好ましくは少なくとも8mmの長さを有する。移行部の長さは、軸方向の長さである。
【0076】
好ましくは、移行部は、25mmより大きくない長さ、好ましくは22mm、より好ましくは20mm、より好ましくは18mm、より好ましくは16mm、より好ましくは14mm、より好ましくは12mm、最も好ましくは10mmより大きくない長さを有する。
【0077】
第1のチャンファは、少なくとも3mmの長さを有することが適切であり、好ましくは4mmの長さを有する。チャンファの長さは、軸方向の長さである。
【0078】
第1のチャンファは、20mmより小さい長さを有することが適切であり、好ましくは15mm、より好ましくは10mm、より好ましくは8mm、最も好ましくは5mmより大きくない長さを有する。
【0079】
第1のチャンファは、4〜6mmの長さを有することが適切であり、好ましくは4.5〜5.5mm、最も好ましくは約5mmの長さを有する。
【0080】
第2のチャンファは、20mmより小さい長さを有することが適切であり、好ましくは15mm、より好ましくは10mm、より好ましくは8mm、最も好ましくは6mmより大きくない長さを有する。
【0081】
第2のチャンファは、3〜5mmの長さを有することが適切であり、好ましくは3.5〜4.5mm、最も好ましくは約4mmの長さを有する。
【0082】
第1のチャンファの長さは、第2のチャンファの長さより長いことが適切である。好ましくは、第1のチャンファは、第2のチャンファより少なくとも10%長く、より好ましくは少なくとも15%、最も好ましくは20%長い。しかしながら、他の実施形態では、第1のチャンファの長さは、第2のチャンファの長さより短くすることもできる。
【0083】
特に好ましい実施形態では、第1のチャンファは約5mmの長さを有し、第2のチャンファは約4mmの長さを有する。
【0084】
実施形態において、第2のチャンファ角は80゜より大きくない。
【0085】
第2のチャンファ角は、5〜15゜であることが適切であり、好ましくは7〜13゜、より好ましくは8〜12゜、より好ましくは9〜11゜、最も好ましくは約10゜である。チャンファ角は、チャンファ面及びドリル軸に平行な面によって形成される角度である。
【0086】
実施形態において、第1のチャンファ角は80゜より大きくない。
【0087】
第1のチャンファ角は、10〜20゜であることが適切であり、好ましくは12〜18゜、より好ましくは13〜17゜、より好ましくは14〜16゜、最も好ましくは約15゜である。
【0088】
第1のチャンファ角は第2のチャンファ角より大きいことが適切である。好ましくは、第1のチャンファ角は、第2のチャンファ角より少なくとも20%大きく、より好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、最も好ましくは約50%大きい。
【0089】
特に好ましい実施形態において、第1のチャンファ角は約15゜であり、第2のチャンファ角は約10゜である。
【0090】
ここで説明したようにダブルチャンファを備えることによって、本発明者等は、複合材料を手動穴明けするときの切削抵抗力(cutting resistance)が、早い送り速度又は「押し込み」効果を抑制し、又は最小にするように調整されることを認識した。特に、切削抵抗力は、ダブルチャンファを備えることによって増加し、先端(第1のチャンファ)及びドリル本体からの移行部によって生じた「押し込み」に抵抗する。実施形態において、切削抵抗力の増加は、パイロット/第1のチャンファからドリル本体までの好ましい移行部(transition)を提供し、スムーズな切削を行うことができる。これは、ただ一つの急傾斜のチャンファが使用される場合に生じる突然の「押し込み」とは対照的である。特に、一つのチャンファのみは急傾斜のチャンファ角を必要とし、チャンファの急な傾斜角は、被削材に対するドリルの食い付きがチャンファからドリル直径まで移動する際に、穴明け中に押し込み効果をもたらす。
【0091】
ある実施形態において、ツイストドリルは、三つのチャンファ、すなわち、第1、第2、第3のチャンファを有する。これは、より小さい直径及びより大きい直径のドリル、特に、4mmより小さいか、少なくとも11.5mmの直径を有するツイストドリルに関して、特別な効果を有することが認識されている。
【0092】
ドリル先端はチゼルエッジを有することが適切である。好ましくは、チゼル角は、100〜125゜、より好ましくは105〜120゜である。
【0093】
特に、ドリルが手動穴明けに適用される実施形態において、チゼル角は、105〜115゜であり、より好ましくは107〜113゜、より好ましくは109〜111゜、最も好ましくは約110゜である。
【0094】
特に、ドリルが自動穴明けに適用される実施形態において、チゼル角は、110〜120゜であり、より好ましくは112〜119゜、より好ましくは114〜118゜、より好ましくは115〜117゜、最も好ましくは約116゜である。
【0095】
ここで説明されたように、相対的に大きなチゼル角は、スラスト力を小さくすることに役立つことが認識されている。
【0096】
好ましくは、チゼルエッジの長さは、0.03〜0.15mm、より好ましくは0.05〜0.15mm、より好ましくは0.06〜0.14mm、より好ましくは0.07〜0.13mm、より好ましくは約0.08〜0.12mm、より好ましくは約0.09〜0.11mm、最も好ましくは約0.1mmである。
【0097】
ここで説明されたように、相対的に小さいチゼルエッジの長さは、スラスト力を小さくすることに役立つことが認識されている。
【0098】
ドリルが2つの切り屑排出溝を有する場合、上記のチゼルエッジの長さは、特に好ましい。
【0099】
ドリルが3つの切り屑排出溝を有する実施形態において、チゼルエッジの長さは、0.03〜0.07mmであり、より好ましくは0.03〜0.06mm、最も好ましくは0.03〜0.05mmである。
【0100】
ドリル先端は第2のチゼルエッジを有することが好ましい。本発明者等は、第2のチゼルエッジが、切削抵抗力を小さくすることによって、切削作用を驚くほどに改善することを認識した。これは、特に、手動穴明けにおいて効果がある。
【0101】
第2のチゼル角は、上記のチゼル角より大きいことが適切であり、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも35%、最も好ましくは少なくとも40%より大きい。
【0102】
好ましくは、第2のチゼル角は、少なくとも120゜、より好ましくは少なくとも125゜、最も好ましくは少なくとも130゜である。
【0103】
特に、ドリルが手動穴明けに適用される実施形態において、第2のチゼル角は、少なくとも142゜であり、より好ましくは少なくとも144゜、より好ましくは少なくとも145゜、より好ましくは少なくとも146゜、より好ましくは少なくとも147゜、より好ましくは少なくとも148゜、最も好ましくは約149゜である。
【0104】
特に、ドリルが自動穴明けに適用される実施形態において、第2のチゼル角は、少なくとも132゜であり、より好ましくは少なくとも135゜、より好ましくは少なくとも136゜、より好ましくは少なくとも137゜、より好ましくは少なくとも138゜、最も好ましくは約139゜である。
【0105】
好ましくは、第2のチゼル角は、170゜より大きくなく、最も好ましくは160゜より大きくない。
【0106】
特に、ドリルが手動穴明けに適用される実施形態において、第2のチゼル角は、158゜より大きくなく、より好ましくは156゜、より好ましくは155゜、より好ましくは154゜、より好ましくは153゜、より好ましくは少なくとも152゜、最も好ましくは151゜より大きくない。
【0107】
特に、ドリルが自動穴明けに適用される実施形態において、第2のチゼル角は、148゜より大きくなく、より好ましくは146゜、より好ましくは145゜、より好ましくは144゜、より好ましくは143゜、より好ましくは142゜、最も好ましくは約141゜である。
【0108】
第2のチゼル角のこれらの値(上限値及び下限値)は、実施形態において組み合わせ用いることができる。
【0109】
第2のチゼル角は、120〜170゜であることが適切であり、好ましくは130〜160゜、最も好ましくは135〜155゜である。
【0110】
特に、ドリルが手動穴明けに適用される実施形態において、好ましくは、第2のチゼル角は、140〜165゜であり、より好ましくは140〜160゜、より好ましくは145〜155゜、より好ましくは147〜153゜、より好ましくは148〜152゜、より好ましくは149〜151゜、最も好ましくは約150゜である。
【0111】
特に、ドリルが自動穴明けに適用される実施形態において、好ましくは、第2のチゼル角は、130〜155゜、より好ましくは130〜150゜、より好ましくは135〜145゜、より好ましくは137〜143゜、より好ましくは138〜142゜、より好ましくは139〜141゜、最も好ましくは約140゜である。
【0112】
ここで説明したように第2のチゼル角を提供することによって、本発明者等は、複合材料に形成された穴の品質、特に穴出口の品質が非常に改善されることを認識した。特に、大きな第2のチゼル角は、例えば切削抵抗力を小さくすることによって、ドリルの切削作用を改善することを認識した。
【0113】
ドリル先端は、2つ以上の切れ刃(例えば、2,3,4,5又は6個の切れ刃)を含むことが適切である。切れ刃は、2つであること、すなわち、第1の切れ刃と第2の切れ刃であることが好ましい。例えば、図1に示される第1の切れ刃と第2の切れ刃は先端を形成する。
【0114】
「先端」及び「先端角」という用語は、当業者によって知られ、先端角は、慣例によって、ポジティブとして見なされている。例えば、本発明の実施形態の先端角は図1で符号12で示されている。先端角は、ドリル軸に平行であり、2つの切れ刃に平行な平面上で、第1の切れ刃と第2の切れ刃との間の角度である。
【0115】
ドリルは、少なくとも80゜の先端角を有することが適切であり、好ましくは82゜、より好ましくは少なくとも84゜、より好ましくは少なくとも85゜、より好ましくは少なくとも86゜、より好ましくは少なくとも87゜、より好ましくは少なくとも88゜、最も好ましくは少なくとも89゜である先端角を有する。
【0116】
ドリルは、140゜より大きくない先端角を有することが適切であり、好ましくは130゜、好ましくは120゜、好ましくは115゜、好ましくは110゜、好ましくは105゜、好ましくは100゜、好ましくは98゜、好ましくは96゜、好ましくは95゜、好ましくは94゜、好ましくは93゜、好ましくは92゜、最も好ましくは91゜より大きくない先端角を有する。
【0117】
先端角のこれらの値(上限値及び下限値)は、種々の実施形態において組み合わせて使用することができる。
【0118】
特に好ましい先端角は、80〜140゜であり、より好ましくは80〜130゜、より好ましくは80〜120゜、より好ましくは80〜110゜、より好ましくは85〜110゜、より好ましくは85〜105゜、より好ましくは85〜100゜、より好ましくは85〜95゜、より好ましくは86〜94゜、より好ましくは87〜93゜、より好ましくは88〜92゜、より好ましくは89〜91゜、最も好ましくは約90゜である。
【0119】
ドリルが自動穴明けに適用される実施形態において、先端角は、80〜90゜であり、より好ましくは82〜88゜であり、より好ましくは83〜87゜であり、より好ましくは84〜86゜であり、最も好ましくは約85゜である。
【0120】
本発明者等は、ここで説明された先端角はスラスト力を小さくすること、及び/又は穴出口の品質を良くすることを認識した。
【0121】
ドリル先端は、シンニングの部分で少なくとも3゜の軸方向すくい角を有することが適切であり、好ましくは少なくとも4゜、より好ましくは少なくとも5゜、より好ましくは少なくとも6゜、より好ましくは少なくとも7゜、より好ましくは少なくとも8゜、最も好ましくは少なくとも9゜の軸方向すくい角を有する。
【0122】
すくい角は、20゜より大きくないことが適切であり、好ましくは15゜、より好ましくは14゜、より好ましくは13゜、より好ましくは12゜、最も好ましくは11゜より大きくない。
【0123】
特に、ドリルが自動穴明けに適用される実施形態において、軸方向すくい角は、10゜より大きくなく、より好ましくは8゜より大きくなく、最も好ましくは6゜より大きくない。
【0124】
特に好ましい軸方向すくい角は3〜15゜、より好ましくは4〜15゜、より好ましくは5〜15゜、より好ましくは6〜15゜、より好ましくは7〜13゜、より好ましくは8〜12゜、より好ましくは9〜11゜、最も好ましくは約10゜である。
【0125】
特に、ドリルが自動穴明けに適用される実施形態において、軸方向すくい角は、3〜11゜、より好ましくは4〜8゜、より好ましくは4〜6゜、最も好ましくは約5゜である。
【0126】
本発明者等は、ここで説明されたような軸方向すくい角が、切削中に生じた熱を少なくし、又は最小にし、穴出口の品質を良くする。
【0127】
実施形態において、ツイストドリルはバックエッジリリーフを備える。すなわち、フルートランドのバックエッジは逃げ面を形成するために除去される。バックエッジリリーフの一例は、図6において符号220で示される。これは、ツイストドリルの冷却に役立つことが認識される。特に、切削中における過熱を防止し、複合材料の溶解を防止する。
【0128】
バックエッジリリーフは、少なくとも7.8mm(例えば、7.8〜15mm)の直径を有するツイストドリルに備わることが好ましい。
【0129】
ツイストドリルは、フルートランドに、通常は切れ刃にバックエッジリリーフが備わることが適切である。したがって、2又は3つの切れ刃がある場合は、2又は3つのバックエッジリリーフがある。
【0130】
移行部(例えば、1つ、2つ又は3つのチャンファを備える)がある場合、バックエッジリリーフは移行部(チャンファ)を越えて延びることが好ましい。例えば、バックエッジリリーフ角は、2〜12mm延び、好ましくは6〜10mm、より好ましくは8〜9mm延びる。
【0131】
特に、ドリルが自動穴明けに適用される実施形態において、ドリル本体は、シャンクに隣接する幅広の直径部分を有する。したがって、ドリル本体は、第1の部分と、シャンクに隣接する第2の部分を有し、第2の部分の直径は、第1の部分の直径よりも大きい。
【0132】
ドリル本体は、第1の部分と第2の部分との間でチャンファを備えることが適切であり、第1の部分と第2の部分との間でスムースな移行部を提供する。技術分野において、このようなチャンファを備える幅広の直径部分はチャンファと言われ、このような構成を有するドリルはチャンファドリルと言われる。
【0133】
切り屑排出溝は、第2の幅広の直径部分に延びることが適切である。第2の幅広の直径部分に延びる切り屑排出溝は、ここで説明したように可変螺旋である。
【0134】
ドリルは、右勝手の螺旋(右螺旋)又は左勝手の螺旋(左螺旋)であるが、右勝手の螺旋が好ましい。
【0135】
ドリルはハンドドリルであることが好ましい。
【0136】
ツイストドリルは、好ましくは1〜50mmの直径、好ましくは1〜20mm、より好ましい1〜15mm、最も好ましくは2〜15mmを有する。
【0137】
6.5mmまたはそれ以上(例えば、6.5〜15mm)の直径を有するツイストドリルに関し、開始螺旋角は、40゜より小さいことが適切であり、好ましくは28〜32゜であり、終了螺旋角は、0〜20゜であり、好ましくは8〜12゜である。螺旋角は、少なくとも10゜小さくなることが適切であり、好ましくは少なくとも15゜小さくなる。ツイストドリルは、3つの切り屑排出溝を有することが適切であり、好ましくは少なくとも3つの切り屑排出溝を有する。
【0138】
6.5mmより小さい(例えば、2mmより大きく6.5mmより小さい)直径を有するツイストドリルに関し、開始螺旋角は、少なくとも40゜であり、好ましくは48〜52゜であり、終了螺旋角は、0〜35゜であり、好ましくは8〜12゜である。螺旋角は、少なくとも20゜小さくなることが適切であり、好ましくは少なくとも30゜、最も好ましくは少なくとも35゜小さくなる。ツイストドリルは、2つの切り屑排出溝を有することが適切である。
【0139】
ツイストドリルは炭化物で作られることが好ましい。好ましい炭化物は、超硬合金(WC)である。他の好ましい炭化物はバインダーを有しない炭化物である。他の構成材料は、高速度鋼(HSS)、HSCo、HSCoXP、窒化珪素セラミックス、PCD(多結晶ダイヤモンド)、又はそれらの組み合わせ(例えば、HSSや炭化物などの、金属又は炭化物基板上に焼結されたPCD)、ダイヤモンド含浸の超硬合金及び窒化珪素セラミックスなどの基板を含む。
【0140】
炭化物のツイストドリルの場合、炭化物は超硬合金であることが好ましい。金属母材(metal matrix)はコバルトであることが適切である。すなわち、炭化物コバルト。ツイストドリルはWC−Coで作られることが好ましい。特に好ましいコバルトの含有量は、超硬合金全体の重さの3〜10重量%であり、より好ましく5〜7重量%、最も好ましくは6重量%である。他の実施形態では、10重量%が好ましい。
【0141】
ツイストドリルはコーティングされていることが好ましい。ツイストドリルは、部分的に、又は全体がコーティングされることができる。コーティングは、耐摩耗性コーティングであることが好ましく、ノンコート工具よりも低摩擦係数を有することが適切である。
【0142】
適切なコーティングは、金属窒化物系コーティング(例えば、TiN、AlxTiyNなど)、金属酸化物系コーティング(例えば、AlxO、AlxCryOなど)、炭素系コーティング(例えば、DLC、ダイヤモンドコーティングなど)やそれらの組み合わせを含む。
【0143】
ダイヤモンドコーティングが好ましい。
【0144】
他の実施形態において、ドリルはノンコーティングである。
【0145】
理論によって拘束されることを望むことなく、本発明者等は、穴明け部分における熱の生成及び/又は熱の集中を小さくすることによって、ここで説明された穴の加工品質を、少なくとも部分的に改善できることを認識した。過剰な熱は、複合材料の母材を柔らかくし、又は溶かし、複合材料中の繊維を母材から動かし、又は分離する。これは、繊維を損傷させ、複合材料をすり減らす。ラミネート材に関して、これは層間剥離を生じさせる。
【0146】
例えば、本発明者等は、大量の熱が、ここで説明したように、第1及び第2のリリーフ角の適用によって開放されることを認識した。
【0147】
以下で詳細に説明するように、本発明の実施形態は、低スラスト力のみを受け、それによって、材料の層間剥離が減少し、消費電力が減少する。更には、特に、綾織繊維配置又は単一方向繊維配置であり、出口面にガラスクロスを有するCFRPを切削する際に、良好な入口及び出口の穴品質が得られる。
【0148】
単一方向繊維配置型の材料及び出口面にガラスクロスを有する材料は周知のように穴明けが難しく、通常のドリルを使用した場合は悪い穴品質が普通であるため、これは、技術分野において特に重要である。
【0149】
第2の提案に関して、穴品質の問題、特に出口穴の品質は、幾何学的形状の組み合わせ、つまり、大きな第2のチゼルエッジ角を有する第2のチゼルと、所定のリリーフ角を有する第1及び第2のファセットとの組み合わせによって解決される。
【0150】
第2の態様において、本発明はツイストドリルを提供する。
このツイストドリルは、
シャンクと、ドリル本体と、ドリル先端と、ドリル先端からドリル本体まで延びる少なくとも一つの切り屑排出溝と、を備えるツイストドリルであって、
ドリル先端が、
切れ刃と、
切れ刃の後方に延びる第1のファセットであって、リリーフ角が、5〜40゜であり、好ましくは10〜40゜である第1のファセットと、
第1のファセットの後方に延びる第2のファセットであって、リリーフ角が10〜40゜である第2のファセットと、
チゼルエッジと、
第2のチゼルエッジ角が120〜170゜である第2のチゼルエッジと、
を備える。
【0151】
第2のチゼルエッジと、上記のような第1及び第2のリリーフの組み合わせは、ここで説明したような複合材料を穴明けするときに、特に良好な性能を提供する。この態様のドリルは、繊維を含む複合材料、例えばCFRPやCFRPの穴明けに適する。
【0152】
しかしながら、ドリルは、他の材料、例えば、鋼やアルミニウムを穴明けするために使用されることができる。
【0153】
このドリルの特別の効果は、良好な穴品質、特に穴出口の良好な品質が得られるということである。本発明は、第2のチゼルエッジと第1及び第2のリリーフとの組み合わせが切削温度を低くするのに役立つことを認識した。特に、切削温度を和らげることによって、複合材料(一般的には樹脂)の母材の一体性は保持される。これは、一般的なドリルを使用して加工したときに観察される繊維の損傷や穴の加工品質が低下すること回避する。
【0154】
第1の態様に関する任意の好ましい特徴は、第2の態様に対して適用される。
【0155】
特に、切り屑排出溝の螺旋角は、ドリル先端側において、25〜60゜の開始螺旋角、好ましくは40〜60゜から、ドリル本体側において、0〜35゜の終了螺旋角、好ましくは0〜20゜に減少することが適切である。
【0156】
ドリルは、ここで説明されたように、パイロットを有することが好ましい。
【0157】
特に、ドリルは、ここで説明されたように、第1のチャンファ及び第2のチャンファを有すること、任意的に第3のチャンファを有することが好ましい。
【0158】
特に、ドリルは、ここで説明されたように、先端角を有することが好ましい。
【0159】
特に、ドリルは、ここで説明されたように、軸方向のすくい角を有することが好ましい。
【0160】
第3の態様において、本発明はツイストドリルを提供する。
このツイストドリルは、
シャンクと、
ドリル本体と、
ドリル先端を有するパイロットであって、ドリル先端が、切れ刃と、切れ刃の後方に延びる第1のファセットであって、リリーフ角が、5〜40゜であり、好ましくは10〜40゜である第1のファセットと、第1のファセットの後方に延びる第2のファセットであって、リリーフ角が10〜40゜である第2のファセットと、を有するパイロットと、
チゼルエッジと、
第2のチゼルエッジであって、第2のチゼルエッジ角が120〜170゜である第2のチゼルエッジと、
ドリル先端からドリル本体まで延びる少なくとも一つの切り屑排出溝であって、切り屑排出溝の螺旋角が、ドリル先端側において、25〜60゜の開始螺旋角、好ましくは40〜60゜から、ドリル本体側において、0〜35゜の終了螺旋角、好ましくは0〜20゜に減少する切り屑排出溝と、
を備える。
【0161】
第1の態様の任意の好ましい特徴は、第3の態様に適用される。
【0162】
第4の態様において、本発明は、繊維を含む複合材料を穴明けする方法を提供し、この方法は、第1〜3の態様のいずれかのツイストドリルをして複合材料を穴明けするステップを含む。
【0163】
複合材料は、例えば、炭素繊維又はガラスなどの繊維材料で強化された、例えば、プラスチック材料(例えば、樹脂)、セラミックス、金属の母材で作られることが適切である。
【0164】
複合材料は、プラスチック材料母材であることが適切であり、好ましくは高分子母材、適切には樹脂母材である。特に、好ましい母材は、ポリエステル、エポキシ、ビスマレイミド(BMI)から選択される。特に、エポキシ樹脂母材が好ましい。
【0165】
複合材料は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)又はガラス繊維強化プラスチック(GFRP)である。
【0166】
複合材料は、積層材料とすることができ、又は積層材料の部分を形成することができる。積層材料は、一つ以上の金属層、ガラスクロス層、塗料、銅線の網を備えることができる。これらの層は、最後の層とすることができる。
【0167】
例えば、積層材料は、すなわち、CFRPの一つ以上の層とアルミニウムの一つ以上の層とを備えるCFRP/アルミニウム材料とすることができる。このような材料の穴明けは、スタック(stack)穴明けとして知られている。
【0168】
積層材料は、乾燥材料又は予含浸材料から作られる。複合材料の繊維は、連続的繊維又は細かな繊維とすることができる。このような材料の製造方法は、真空バッグ成形、オートクレイブ処理、樹脂供給成形、手積みを含む。
【0169】
本発明のツイストドリルは、特に、2以上の層、例えば3,4,5又は6層を備える積層板に使用することが適切である。
【0170】
これに関して、積層材料はCFRPなどを含む。例えば、このような材料は、CFRP積層板(例えば10mm)を作るために、予含浸ステージで繊維を入れ、50までこのような層を使用することによって作られる。他の例において、積層材は細かい繊維で作られ、一方、細かい繊維は、CFRPを成形するために処理する柔らかい樹脂に含浸されるため層はなく、これは積層板として従来から知られている。
【0171】
複合材料は、航空機構成部材(例えば、羽又は機体パネル)、風力タービン構成部材(例えば、タービンブレード又はハウジング)、ボート構成部材又は車両パネル(例えば、車体パネル)の材料であることが適切である。ここで説明されたツイストドリルは、繊維を含む複合材料であるいろいろな被削材を穴明けするのに適用される。CFRP/アルミウムや、CFRP/ステンレス鋼/アルミニウムなどをスタック(stack)穴明けするのに使用される。更に、スポーツ部品に適用され、複合材料は軽量で高強度にするために使用される。
【0172】
穴明けステップは手動穴明けであることが適切である。すなわち、穴明けは、自動穴明け、例えば、コンピュータ制御の下でロボットアームを使用して実施される自動穴明けでないことが好ましい。手動穴明け又はマニュアル穴明けは、ドリルの手動による整列と、ユーザによる適切な力の適用を必要とする。手動穴明けは、一般に、持ち運びできる(すなわち、過般の)穴明け工具、例えば、エアガン、パワーツール、又はクァッケンブッシュ(Quackenbush)ドリルシステムなどの半自動穴明けキットを使用して実施される。
【0173】
第1の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用する。
【0174】
第5の態様において、本発明は、ここで説明されたような複合材料を手動で穴明けする方法において、第1〜3の態様のいずれかによるツイストドリルの使用を提供する。
【0175】
上述したように、ここで説明されたツイストドリルは、手動穴明けに適用され、より小さいスラスト力及び抑制された「押し込み」によって、ユーザに格別な効果を提供する。
【0176】
第6の態様において、本発明は、第1〜3の態様のいずれかによってツイストドリルを形成するために、ツイストドリルを再研削するステップを含む再研削方法を提供する。
【0177】
再研削方法は、先端を再研削することを含むことが好ましい。ドリルが先端を有する好ましい実施形態において、再研削方法は、パイロットを再研削することを含むことが好ましい。ここで説明されたパイロットを有するツイストドリルの特別な効果は、最初の先端が摩耗により鋭さが無くなったときに再研削され、新しい先端が再生されるということである。再研削は、2回以上、例えば、同じドリルで3度、実施されることができる。
【0178】
この方法は、一つ以上のチゼルエッジ(適切なチゼルエッジ長さ及び/又はチゼルエッジ角)、第2のチゼルエッジ(適切な第2のチゼルエッジ角)、第1のリリーフ/逃げ面、第2のリリーフ/逃げ面及びすくい角を有することが適切である。
【0179】
チゼルエッジ、第2のチゼルエッジ、第1のリリーフ/逃げ面、第2のリリーフ/逃げ面及びすくい角の全ては、再研削されることが好ましい。
【0180】
第1の態様の任意の好ましい特徴はこの態様に適用する。
【0181】
第7の態様において、本発明は、第6の態様の再研削方法によって作られた製品であるツイストドリルを提供する。
【0182】
第8の態様において、本発明は、第1〜3の態様のいずれかによるツイストドリルを作る方法を提供する。
【0183】
この方法はブランクを加工するステップを含むことが適切である。この方法は、任意的に、ロッドからブランクを形成することを含み、ロッドを切削することによって所望の長さ、例えばドリルの長さにすることが好ましい。
【0184】
ブランクはバックテーパを有することが適切である。
【0185】
この方法は、螺旋角が変化する少なくとも1つの切り屑排出溝、通常は2つの切り屑排出溝を研削するステップを有することが好ましい。
【0186】
この方法は、切り屑排出溝に沿って本体逃げ面を形成することによって、ランドを形成するステップを含むことが適切である。
【0187】
ブランクはパイロット部を備えることが適切である(例えば、直径はドリル先端で小さくなる)。チャンファは、パイロット部(幅狭の直径部分)とドリル本体(全直径部分)になるブランクとの間に形成することが好ましい。
【0188】
実施形態において、本体逃げ面はパイロットに形成される。
【0189】
この方法は、第2のチャンファを形成するステップ含むことが適切である。本体逃げ面は、第1チャンファと第2のチャンファの両方に形成されることが好ましい。
【0190】
この方法は、尖らせるステップ、すなわち、先端を形成するステップを含むことが適切である。このステップは、第1のファセット及び第2のファセットを含むことが好ましい。
【0191】
第1のファセットは、好ましくは105〜125°のチゼルエッジ角を有するチゼルエッジをなすように形成されることが適切である。第1のファセットは、5〜40°、好ましくは10〜40°のリリーフ角(逃げ面又は逃げ角として知られている)を有するように形成される。
【0192】
第2のファセットは、10〜40°のリリーフ角(逃げ面又は逃げ角として知られている)を有するように形成されている。
【0193】
この方法は、軸方向のすくい角を形成する溝形成のステップを含むことが適切である。軸方向のすくい角は5〜15°が適切である。溝形成のステップは、0.03〜0.15mm、好ましくは0.05〜0.15mmのチゼルエッジ長さを作ることが適切である。
【0194】
他の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用する。特に、これらの特徴は、ツイストドリルに関し、この方法に適用する。
【0195】
第9の態様において、本発明は、第8の方法による生産物であるツイストドリルを提供する。
【0196】
第10の態様において、本発明は繊維を含む複合材料を穴明けする方法を提供する。
この方法は、ツイストドリルで複合材料を穴明けするステップを含み、
ツイストドリルは、
シャンクと、
ドリル本体と、
ドリル先端と、
ドリル先端からドリル本体まで延びる少なくとも一つの切り屑排出溝であって、切り屑排出溝の螺旋角は、ドリル先端での開始螺旋角からドリル本体での終了螺旋角まで減少する切り屑排出溝と、を備える。
【0197】
複合材料は、CFRP又はGFRPであることが適切である。複合材料は、ここで説明されたように、航空機、ボート、自動車又は風力タービン構成部材の材料であることが適切である。
【0198】
開始螺旋角及び終了螺旋角は、第1の態様で説明されたものであることが適切である。
【0199】
他の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用する。
【0200】
第4の提案に関して、本発明者等は、特に、ここで説明したように、複合材料を穴明けするとき、特に、自動穴明けする際、良好な穴品質を提供することに役立つ特徴の組み合わせを認識した。
【0201】
特に、本発明者等は、螺旋角が変化しない線状部分と、螺旋角が変化する部分との両方を有する切り屑排出溝が、特に、CFRPなどの複合材料に関して、穴品質を改善し、特に、出口側の穴品質を改善することを認識した。
【0202】
第11の態様において、本発明はツイストドリルを提供する。
このツイストドリルは、
シャンクと、
ドリル本体と、
ドリル先端であって、チゼルエッジと、第2のチゼルエッジであって、第2のチゼルエッジ角が120〜170°である第2のチゼルエッジとを有するドリル先端と、
ドリル先端からドリル本体まで延びる少なくとも一つの切り屑排出溝であって、螺旋角が実質的に一定である線状部分と、螺旋角が開始螺旋角から終了螺旋角まで変化する可変部分と含む、切り屑排出溝と、
を備える。
【0203】
変化する部分の螺旋角は、ここで説明したように連続的に変化することが適切である。螺旋角は、開始螺旋角から終了螺旋角まで減少することが適切である。
【0204】
線状部分の螺旋角は、ここで説明されたように、25〜60°であることが適切であり、好ましくは40〜60°である。
【0205】
開始螺旋角は、第1の態様のツイストドリルの開始螺旋角に関してここで説明されたように、25〜60°であることが適切であり、好ましくは40〜60°である。
【0206】
終了螺旋角は、第1の態様のツイストドリルの開始螺旋角に関してここで説明されたように、0〜35°であることが適切であり、好ましくは25〜35°である。
【0207】
変化する部分は、第1の態様の可変螺旋に関して説明されたものであることが適切である。
【0208】
線状部分は、第1の態様の線状部分に関して説明されたものであることが適切である。
【0209】
第2のチゼル角は、第1の態様に関して説明されたものであることが適切である。
【0210】
ツイストドリルは、幅広の直径部分を含むことが好ましく、第1の態様に関して説明されたような、チャンファを備える幅広の直径部分を含むことが適切である。
【0211】
第12の態様において、本発明は、ツイストドリルを提供する。
このツイストドリルは、
シャンクと、
ドリル本体と、
ドリル先端であって、切れ刃と、切れ刃の後方に延びる第1のファセットと、第1のファセットの後方に延びる第2のファセットと、を備え、第1のファセットのリリーフ角が、5〜40゜であり、好ましくは10〜40゜であり、第2のファセットのリリーフ角が10〜40゜であるドリル先端と、
チゼルエッジ、及び第2のチゼルエッジであって、第2のチゼルエッジの角度が120〜170゜である第2のチゼルエッジと、
ドリル先端からドリル本体まで延びる少なくとも一つの切り屑排出溝であって、螺旋角が実質的に一定である線状部分と、螺旋角が開始螺旋角から終了螺旋角まで変化する可変部分と含む、切り屑排出溝と、
を備える。
【0212】
他の態様、特に、第1の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用することが適切である。
【0213】
第13の態様において、本発明は、繊維を含む複合材料を穴明けする方法を提供し、この方法は、第11又は第12の態様によるツイストドリルを使用して複合材料を穴明けするステップを含む。
【0214】
他の態様、特に、第4の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用することが適切である。
【0215】
第13の態様において、本発明は、ここで説明されたような複合材料を自動で穴明けする方法において、第11又は第12の態様によるツイストドリルの使用を提供する。
【0216】
他の態様、特に、第5の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用することが適切である。
【0217】
第14の態様において、本発明は、第11又は第12の態様によるツイストドリルを形成するように、ツイストドリルを再研削するステップを有する再研削方法を提供する。
【0218】
他の態様、特に、第6の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用することが適切である。
【0219】
第15の態様において、本発明は、第14の態様の再研削方法の生産物であるツイストドリルを提供する。
【0220】
他の態様、特に、第7の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用することが適切である。
【0221】
第16の態様において、本発明は、第11又は12の態様によるツイストドリルを作る方法を提供する。
【0222】
他の態様、特に、第8の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用することが適切である。
【0223】
第17の態様において、本発明は、第16の態様の方法による生産物であるツイストドリルを提供する。
【0224】
他の態様、特に、第9の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用することが適切である。
【0225】
第18の態様において、本発明は、繊維を含む複合材料を穴明けする方法を提供し、この方法は、ツイストドリルで複合材料を穴明けするステップを含む。
このツイストドリルは、
シャンクと、
ドリル本体と、
ドリル先端と、
ドリル先端からドリル本体まで延びる少なくとも一つの切り屑排出溝であって、螺旋角が実質的に一定である線状部分と、螺旋角が開始螺旋角から終了螺旋角まで変化する可変部分と含む、切り屑排出溝と、
を備える。
【0226】
他の態様、特に、第10の態様の任意の好ましい特徴は、この態様に適用することが適切である。
【0227】
何れか一つの態様の任意の好ましい特徴は、他の態様の何れか一つに適用する。更に、何れか一つの態様は、一つ以上の他の態様と組み合わせることができる。特に、生産物(ツイストドリル)に関して開示された特徴は、対応する方法のステップに適用することができ、逆もまた同様である。
【0228】
本発明の実施形態及び本発明の効果及び/又は改良を説明する実施例は、添付の図面のみによる例によって、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0229】
図1】本発明の第1の実施形態の可変螺旋ドリルの側面図である。
図2図1のツイストドリルを軸方向の端部からみた図である。
図3図1のツイストドリルドリル先端の拡大図である。
図4A】本発明の実施形態のドリルを使用した複合材料の出口側の穴品質の試験結果を示す図である。
図4B】市販の使用可能なドリルを使用した複合材料の出口側の穴品質の試験結果を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態に関する一定の螺旋部分を有する可変螺旋ツイストドリルの側面図である。
図6】本発明の他の実施形態に関する可変螺旋ツイストドリルの側面図である。
図7A図5の実施形態に関して、CFRPでの出口側の穴品質の結果を示す図である。
図7B図6の実施形態に関して、CFRPでの出口側の穴品質の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0230】
図1は本発明のツイストドリル2を示す。ドリルは、シャンク(図示しない)と、ドリル本体4と、ドリル先端6とを備える。2つの螺旋状切り屑排出溝8は、ドリル先端からドリル本体まで延びる。螺旋角は、螺旋の始まりで相対的に大きく、50゜であり、螺旋の終わりで相対的に小さく、10゜である。他の角度もまた可能であり、例えば、25〜60゜、開始角に関しては40〜60゜、終了角に関しては0〜35゜が適切である。
【0231】
螺旋はスプライン関数を使用して形成される。スプライン関数は、ドリル先端における螺旋開始からの軸方向距離の関数としての螺旋角の変化が、滑らかに連続する。これは、螺旋角の変化がステップ状であり、螺旋角の間に移行部又は段部がある通常の可変螺旋ドリルとは対照的である。対照的に、滑らかで連続する螺旋角を有するこの実施形態は、このようなステップ(段)を有していない。これには、材料が除去され、切り屑排出溝に沿ってより効率的に排出されるという格別な効果がある。
【0232】
切り屑排出溝の幅は、切り屑排出溝の長さに沿って実質的に一定である。
【0233】
ドリル2は延長したパイロット10を備える。パイロット先端における第1及び第2の切れ刃は、90゜の先端角12を有する先端を形成する。80〜140゜の他の先端角も可能である。
【0234】
ドリル2は、相対的に幅狭のパイロット10と幅広のドリル本体4との間で移行部を備える。ダブルチャンファは、チャンファとドリル本体との間の移行点において、穴明け中に生じる押し込みに抵抗するために、スラスト力を小さくし、切削抵抗力を増すことに役立つ。特に、ドリル2は、15゜の角度と5mmの長さを有する第1のチャンファ14と、10゜の角度と4mmの長さを有する第2のチャンファ16とを備える。ここで説明されたように、他のチャンファ角及び長さも可能である。実際に、追加のチャンファ(即ち、第3,第4等のチャンファ)も可能である。
【0235】
パイロットの直径はドリル径の47%である。ここで説明されたように、ドリル直径は、ドリルの最も幅の広い部分、この場合は第2のチャンファに最も隣接するドリル本体4の前側部分で測定される。
【0236】
延長したパイロットは、第1のチャンファ14の前側部分に最も近接する点から先端に最も近接する点(すなわち、先端を含まない)まで測定された長さが3mmである。例えば、2〜6mmまでの他のパイロット長さも可能である。
【0237】
延長したパイロットは、再研削されることができ、同じドリルの何回も使用することができる。実際に3度以上使用可能であり、エンドユーザが新しいドリルを購入したときと比較して、費用と材料を節約する。
【0238】
図2は、ドリル2を軸方向から見た図である。チゼルエッジ20は、0.1mmの長さと、110゜のチゼルエッジ角22とを有する。ここで説明されたように、他のチゼル長さ及びチゼル角も可能である。
【0239】
繊維を含む複合材料を穴明けする際に特に有効であるドリル2の特徴は、第2のチゼルエッジである。更に、第2のチゼルエッジ角24は、大きくて150゜である。例えば、120〜170゜の他の第2のチゼルエッジ角も可能である。
【0240】
図3は、ドリル先端6及び特にパイロット10の拡大図を示す。先端の第1及び第2の切れ刃は、第1のリリーフ30(第1のファセット又は逃げ面として知られている)と第2のリリーフ32(第2のファセット又は逃げ面として知られている)を備える。それぞれのリリーフ角(逃げ角として知られている)は10〜20゜である。同様の幾何学形状を有する他の実施形態において、リリーフ角はそれぞれ25゜及び20゜である。他の第1及び第2の逃げ角も可能であり、例えば、それぞれ5〜40゜(好ましくは10〜40゜)及び10〜40゜である。
【0241】
ドリル2は8゜の軸方向すくい角を有する。同様の幾何学的形状を有する他の実施形態において、軸方向すくい角は10゜である。しかしながら、例えば、3〜15゜の他のすくい角も可能である。
【0242】
上述したように、可変螺旋、第1及び第2のリリーフ及び第2のチゼルエッジは、CFRP等の複合材料を切削するとき、予想できない良好な性能をドリルにもたらす。実際に、小さなスラスト力と優れた出口側の穴品質がもたらされる。更に、ほとんど「押し込み」を生じない手動穴明け用に適したドリルを提供する。
【0243】
(ドリルの性能試験)
本発明の実施形態の性能は、CFRPに使用するために販売されている市販のハンドドリルと比較される。ドリル性能は、スラスト力及び穴品質を測定することによって定量化される。
【0244】
(ドリルの幾何学形状)
ツイストドリルは、ここで説明された方法にしたがって製造される。特に、以下のステップを有する。
1.ロッドはドリルの長さに切断される。
2.第1のチャンファ及びパイロットがブランクに形成される。
3.ブランクにバックテーパが設けられる。
CNC工作機械を使用して、以下のステップが実施される。
4.可変螺旋を有する2つの切り屑排出溝を形成するために溝加工する。可変螺旋は、指数スプライン関数を使用して形成される。このようにして、螺旋は、滑らかになり、通常の螺旋を特徴付ける区切り点(break point)を生じない。
5.フルート(切り屑排出溝)ランドが作られ、本体逃げ面が切り屑排出溝に沿って形成される。
6.本体逃げ面がパイロットに作られる。
7.第2のチャンファが形成され、本体逃げ面が第1及び第2のチャンファの両方に作られる。
8.第1及び第2のファセットを作るために先端を尖らせる。第1のファセットは、110゜のチゼルエッジ角及び10゜の第1の逃げを有するように作られる。第2のファセットは、20゜の第2の逃げを有するように作られる。
9.溝形成が、8゜のすくい角と0.1mmのチゼル長さを作るために実施される。
【0245】
切り屑排出溝は、開始角から終了角までドリルに沿って滑らかに連続する移行部を提供するために、スプライン関数を使用して形成される。
【0246】
完成したドリルは以下の幾何学形状を有する。
螺旋長さ=38mm
開始螺旋角=50゜
終了螺旋角=10゜
パイロット長=3mm
パイロット径=ドリル径の47.24%
パイロット角=90゜
軸方向すくい角=8゜
チゼルエッジ角=110゜
チゼル長=0.1mm
第2のチゼル角=150゜
第1の逃げ角=10゜
第2の逃げ角=20゜
第1のチャンファ角=15゜
第1のチャンファ長さ=5mm
第2のチャンファ角=10゜
第2のチャンファ長さ=4mm
【0247】
このドリルは試験用のドリル#1である。
【0248】
上述したように、他の実施形態は、10゜の軸方向すくい角及び25゜の第1の逃げ角を除いて同様の幾何学的形状を有することに留意されたい。
【0249】
市販のハンドドリル、超硬のハンドドリル#2も試験された。
【0250】
(試験方法)
スラスト力及び穴品質を測定するために、2つの試験が行われた。
(1)スラスト力を測定するための自動穴明け
(2)穴品質試験のための手動穴明け
【0251】
ドリル#1は手動穴明けに適用されているが、スラスト力の測定は、4軸のCNC工作機械を使用して行なわれた。
【0252】
しかしながら、穴品質の測定に関しては、手動穴明けが実施される。
【0253】
それぞれの試験における被削材は、厚さ10mmのエポキシ系のCFRPである。
【0254】
穴品質の試験に関して、被削材の出口面はガラスクロスを有している。例えば宇宙産業において適用されているこの構成は、特に困難なチャレンジを表している。
【0255】
試験に用いられた材料、工具及び機械は、表1(スラスト力測定のための自動穴明け)及び表2(出口側の穴品質の測定のための手動穴明け)に要約されている。
【0256】
【表1】
【0257】
【表2】
【0258】
(試験(1) スラスト力測定)
CNC工作機械を使用し、それぞれのドリルで材料1に10個の穴を明けた。スラスト力は、キスラー動力計を使用して、測定され記録された。
【0259】
(試験(2) 穴品質の判定)
パワーハンドドリルを使用し、それぞれのドリルで材料2に多数の穴を明けた。出口面における穴の状態は、光学顕微鏡を使用して観察され、記録された。
【0260】
(結果)
算出されたスラスト力の平均値及び記録された出口穴のイメージは、表3に要約される。図4A及び4Bはツイストドリルの記録されたイメージを示す。図4Aはドリル#1のものであり、図4Bはドリル#2のものである。
【0261】
ドリル#1は、スラスト力が小さいだけでなく、出口側の穴品質が非常に優れた結果を得た。対照的に、ドリル#2は出口側の穴品質が悪い結果を得た。
【0262】
【表3】
【0263】
ドリル#1の更なる効果は、再研削できることである。これは、再研削費用は新品のドリルの費用より非常に安くなるため、エンドユーザによって魅力的な事である。
【0264】
図5は別の実施形態を示す。この実施形態において、ドリル100は、螺旋角が一定の線状部分102と、螺旋角が小さくなる可変部分104とを有する螺旋状の切り屑排出溝を備える。この実施形態において、線状部分は切り屑排出溝の長さの約35〜45%である。
【0265】
線状部分における螺旋角は50゜であるが、例えば、25〜60゜、適切には40〜60゜の他の「開始」角も可能である。
【0266】
可変部分における螺旋角は50゜(可変螺旋部分の開始角)から30゜(可変螺旋部分の終了角)に小さくなる。例えば、0〜35゜の他の終了角も可能である。
【0267】
先端106は、140゜の第2のチゼル角を含むが、例えば、120〜170゜の他の角度も可能である。ドリル先端は、それぞれ15゜の第1の逃げ角と20゜の第2の逃げ角を含む。
【0268】
先端角は85゜であり、チゼル長さは0.1mmである。ドリル先端は5゜の軸方向すくい角である。
【0269】
CFRP材料の試験において、このドリルは、非常に良い穴品質を提供することが発見された。優れた出口側の穴品質の例は図7Aに示されている。特に、スタック(stack)加工(例えば、40mm厚みのスタック)における優れた結果が得られる。ドリル100は、特に、自動穿穴に適合する。
【0270】
別の実施形態は図6に示されている。
【0271】
図6は、本発明のツイストドリル200を示す。ドリルは、シャンクと、ドリル本体204と、ドリル先端206を備える。3つの螺旋切り屑排出溝208(2つのみが見える)は、ドリル先端からドリル本体まで延びている。螺旋角は、螺旋の始まりで相対的に大きく、30゜であり、螺旋の終わりで相対的に小さく、10゜である。他の角度も可能であり、例えば、開始角が25〜60゜であり、終了角が0〜35゜である。
【0272】
図1に示す例と同様に、螺旋はスプライン関数を使用して形成される。スプライン関数は、ドリルの先端における螺旋の開始からの軸方向の距離の関数としての螺旋角の変化が、滑らかで連続的であり、段部を有しない。これは、試験によって、切り屑排出溝に沿ってより効率的に材料が取り除かれ、排出されることが認識された。
【0273】
切り屑排出溝の幅は、切り屑排出溝の長さに沿って実質的に一定である。
【0274】
ドリル200は、延長したパイロット210を備える。パイロット先端における第1、第2及び第3の切れ刃(cutting lip)は、90゜の先端角を有する先端を形成する。他の先端角、例えば80〜140゜も可能である。
【0275】
ドリル200は、相対的に幅狭のパイロット210と幅広のドリル本体204との間で移行部分212を備える。3つのチャンファは、スラスト力を小さくすること、チャンファとドリル本体との間の移行部で切削中に生じる押し込み効果に抵抗するための切削抵抗力を増すことに役立つ。
【0276】
延長したパイロットは、第1のチャンファの最も近い部分に隣接する点から先端(すなわち、点を含まない)に隣接する点まで測定された長さが3mmである。他のパイロット長さ、例えば2〜6mmも可能である。
【0277】
図1に示された例と同様に、延長したパイロットは再研削されることができ、それによって、同じドリルを何度も使用することを許容する。実際に、3度以上の使用が可能であり、エンドユーザが新品のドリルを購入するときと比較して、費用と材料を節約するものとなる。
【0278】
ドリル200は13mmの直径を有する。回転速度と送りは、自動穴明けにおいて、直径変化に対応して調整するのが普通である。大きな直径についての回転速度は、相対的に小さい直径のものと同じ表面速度を得るために、小さくする。より高い、又はより低い送りは、速度変化に対応して調整される。しかしながら、手動穴明け動作において、回転速度は変更できるが、送りはそれぞれのオペレータに依存する。より強く押すか又は押さないかをオペレータに指示することは難しい。相対的に大きな直径の手動穴明けについてのこの問題を解決するために、ドリル200は、図1の例と比較されるように、切れ刃を追加する(従って、切り屑排出溝を追加する)。例では、切れ刃を追加することは、工具が被削材に食い付き易くし、送りによる少しの衝撃で切削することを示す。
【0279】
ドリル200は、バックエッジリリーフ220を備える。これは、過熱の問題を防止すること、したがって、被削材が柔らかくなる問題を防止することが、試験において認識された。熱発生の問題は、相対的に直径の大きなドリル(特に、7.8mmを越える直径)で特に起こりやすいことが認識されており、バックエッジリリーフは、大きな直径のドリルに特に効果的である。ドリル200は、3つのランドにおいて、バックエッジリリーフを有する。すなわち、ドリル200は、個々の切れ刃に関してバックエッジリリーフを有する。
【0280】
繊維を含む複合材料の穴明けに特に有効であるドリル200の他の特徴は、第2のチゼルエッジ(図示しない)である。更に、第2のチゼルエッジ角は大きく、約150度である。他の第2のチゼルエッジ角、例えば、120〜170゜も可能である。
【0281】
図1のドリルで実施された同様の試験は、ドリル200が、織物繊維や単一方向に配置された繊維を有するCFRPを含む炭素繊維複合材料の穴明けにおいて、穴の入口側及び出口側で非常に良好な穴品質を得ることを示した。出口面においてガラスクロスを有するCFRPで、非常に良好に穴明けが行われた。
【0282】
図7Bからわかるように、出口側の穴品質は非常に優れている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B