(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記超吸収性ポリマーが、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル系ポリマーをグラフトされたデンプン、アクリル系ポリマーをグラフトされた加水分解デンプン、ならびにデンプン、ガムおよびセルロース誘導体をベースとするポリマー、ならびにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
前記超吸収性ポリマーが、前記組成物の総重量に対して、0.1重量%〜2重量%の範囲の活性材料の含有量で存在することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
メタクリル酸とアルキルアクリレートとの前記架橋コポリマーが、前記組成物の総重量に対して、0.01重量%〜1重量%の活性材料の範囲の量で存在することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
各単位が親水性頭部および疎水性尾部から形成され、前記親水性頭部を介してスペーサー基で結合されている2つの同一または異なる界面活性剤単位を含む界面活性剤二量体から選択される少なくとも1種の乳化剤を含むことを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0019】
超吸収性ポリマー
用語「超吸収性ポリマー」は、乾燥形態で、ポリマー自体の重量の少なくとも20倍の水性流体、特に水、特に蒸留水を自然に吸収することができるポリマーを意味する。かかる超吸収性ポリマーは、Elsevier刊行のL. Brannon-PappasおよびR. Harlandの書籍「Absorbent polymer technology、Studies in polymer science 8」、1990年に記載されている。
【0020】
これらのポリマーは、水および水性流体を吸収および保持する高い能力を有する。水性液体を吸収した後、こうして水性流体で膨張したポリマー粒子は、水性流体に不溶性のままであり、したがってそれらの個別化された微粒子状態を保存している。
【0021】
超吸収性ポリマーは、ポリマー自体の重量の20〜2000倍(すなわち、吸収性ポリマー1グラム当たり吸収される水20g〜2000g)、好ましくは30〜1500倍、さらに良好には50〜1000倍の範囲の吸水能を有することができる。これらの吸水性の特徴は、標準温度(25℃)および圧力(760mmHg、すなわち100 000Pa)条件下で蒸留水に対して定義される。
【0022】
ポリマーの吸水能の値は、ポリマー0.5gを水溶液150gに分散させ、20分間待ち、吸収されなかった溶液を150μmフィルターで20分間濾過し、吸収されなかった水を秤量することによって決定することができる。
【0023】
本発明の組成物に使用する超吸収性ポリマーは、粒子の形態であり、水和すると膨潤して数平均直径10μm〜1000μmの軟質ビーズを形成する。
【0024】
好ましくは、超吸収性ポリマーの数平均径は100μm以下であり、好ましくは50μm以下、例えば10〜100μmの範囲である。
【0025】
好ましくは、本発明で使用される超吸収性ポリマーは、球形粒子の形態である。
【0026】
本発明において使用する超吸収性ポリマーは、好ましくは架橋アクリルホモポリマーまたはコポリマーであり、好ましくは中和されており、粒子の形態である。
【0027】
以下のものから選択される吸収性ポリマーを特に挙げることができる。
-架橋ポリアクリル酸ナトリウム、例えばAvecia社から商標名Octacare X100、X110およびRM100で販売されているもの、SNF社から名称Flocare GB300およびFlosorb 500で販売されているもの、BASF社から名称Luquasorb 1003、Luquasorb 1010、Luquasorb 1280およびLuquasorb 1110で販売されているもの、Grain Processing社から名称Water Lock G400およびG430(INCI名:アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー)で販売されているもの、または住友精化株式会社から販売されているAqua Keep 10 SH NF[INCI名:アクリル酸ナトリウムクロスポリマー-2(および)水(および)シリカ]、
-三洋化成工業株式会社から名称Sanfresh ST-100C、ST100MCおよびIM-300MCで販売されているものなどの、アクリル系ポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)、特にポリアクリル酸ナトリウムをグラフトされたデンプン(INCI名:ポリアクリル酸ナトリウムデンプン)、
-Grain Processing社から名称Water Lock A-240、A-180、B-204、D-223、A-100、C-200およびD-223で販売されているものなどの、アクリル系ポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)、特にアクリロアクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマーをグラフトされた加水分解デンプン(INCI名:デンプン/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー)、
- Lysac社から名称Lysorb 220で販売されている、デンプン、グアーガムおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する生成物などの、デンプン、ガムおよびセルロース誘導体をベースとするポリマー、
-ならびにこれらの混合物。
【0028】
好ましくは、超吸収性ポリマーは、好ましくは数平均径(または平均直径)が100ミクロン以下の粒子の形態、より好ましくは球形粒子の形態の架橋ポリアクリル酸ナトリウムから選択される。これらのポリマーは、好ましくは10〜100g/g、好ましくは20〜80g/g、さらに良好には50〜70g/gの吸水能を有する。
【0029】
超吸収性ポリマーは、本発明の組成物中に、組成物の総重量に対して、例えば、0.1重量%〜2重量%の範囲、優先的には0.5重量%〜1.5重量%、より特定すれば0.5重量%〜1重量%の範囲の活性材料の含有量で存在することができる。
【0030】
メタクリル酸とC
1〜C
4アルキルアクリレートとの架橋コポリマー
本発明のきわめて重要な特徴の1つは、メタクリル酸とC
1〜C
4アルキルアクリレートとの架橋コポリマーの存在である。
【0031】
メタクリル酸は、好ましくは、コポリマーの総重量に対して、20重量%〜80重量%、より特定すれば25重量%〜70重量%、さらにより特定すれば35重量%〜65重量%の範囲の量で存在する。
【0032】
アルキルアクリレートは、好ましくは、コポリマーの総重量に対して、15重量%〜80重量%、より特定すれば25重量%〜75重量%、さらにより特定すれば35重量%〜65重量%の範囲の量で存在する。アルキルアクリレートは、特に、メチルアクリレート、アクリル酸エチルおよびアクリル酸ブチルから選択され、より特定すればアクリル酸エチルである。
【0033】
このコポリマーは、好ましくは、少なくとも1種の標準的なポリエチレン系不飽和架橋剤、例えばスクロースまたはポリオールのポリアルケニルエーテル、フタル酸ジアリル、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、イタコン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、亜鉛(メタ)アクリレートおよびヒマシ油、または不飽和カルボン酸から製造されたポリオール誘導体で部分的にまたは全体的に架橋されている。架橋剤の含有量は、一般的に、コポリマーの総重量に対して、0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.03重量%〜3重量%、さらにより特定すれば0.05重量%〜1重量%の範囲である。
【0034】
1つの特に好ましい形態によれば、本発明のコポリマーは、特に、水中分散液の形態とすることができる。分散液中のコポリマー粒子の平均径は、一般的に、10〜500nmの間、好ましくは20〜200nmの間、より優先的には50〜150nmである。
【0035】
具体的には、Noveon社から商品名Carbopol Aqua SF1で販売されているメタクリル酸/アクリル酸エチル架橋コポリマーを挙げることができる。
【0036】
コポリマーの濃度は、好ましくは、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜1重量%の活性材料、好ましくは組成物の総重量に対して、0.1重量%〜0.6重量%の活性材料、好ましくは組成物の総重量に対して、0.15重量%〜0.3重量%の活性材料の範囲である。
【0037】
光保護系
本発明によれば、光保護系は、1種もしくは複数の親水性、親油性または不溶性の有機遮断剤および/または1種もしくは複数の無機物顔料で構成され得る。優先的には、光保護系は、少なくとも1種の親水性、親油性または不溶性の有機UV遮断剤から形成されることになろう。
【0038】
有機UV遮断剤は特に、ケイ皮酸誘導体、アントラニレート、サリチル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、カンファー誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロネート誘導体、特に米国特許第5624663号に挙げられているもの、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン、欧州特許第669323号および米国特許第2463264号に記載されているビス-ベンゾアゾリル誘導体、p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体、特許出願US5237071、US5166355、GB2303549、DE19726184およびEP893119に記載されているメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体、特許出願EP0832642、EP1027883、EP1300137およびDE10162844に記載されているベンゾオキサゾール誘導体、特許出願WO93/04665に特に記載されているものなどの遮断ポリマーおよび遮断シリコーン、特許出願DE19855649に記載されているものなどのα-アルキルスチレン系二量体、特許出願EP0967200、DE19746654、DE19755649、EP-A-1008586、EP1133980およびEP133981に記載されているものなどの4,4-ジアリールブタジエン、特許出願WO04/006878、WO05/058269およびWO06/032741に記載されているものなどのメロシアニン誘導体、ならびにそれらの混合物から選択される。
【0039】
追加の有機光保護剤の例として、本発明において下記ではそのINCI名で示されるものを挙げることができる:
ケイ皮酸誘導体:
特にHoffmann LaRocheから商品名Parsol MCXで販売されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
メトキシケイ皮酸イソプロピル、
Haarmann & Reimerから商品名Neo Heliopan E 1000で販売されているメトキシケイ皮酸イソアミル、
メトキシケイ皮酸DEA、
メチルケイ皮酸ジイソプロピル、
エチルヘキサン酸ジメトキシケイ皮酸グリセリル
ジベンゾイルメタン誘導体:
特にHoffmann LaRocheから商品名Parsol 1789で販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタン、
イソプロピルジベンゾイルメタン。
パラ-アミノ安息香酸誘導体:
PABA、
エチルPABA、
エチルジヒドロキシプロピルPABA、
エチルヘキシルジメチルPABA(具体的には、Escalol 507の名称でISPにより販売されている)、
グリセリルPABA、
PEG-25 PABA(Uvinul P25の名称でBASFにより販売されている)、
サリチル酸誘導体:
ホモサレート(Eusolex HMSの名称でRona/EM Industriesにより販売されている)、
Haarmann and Reimerから名称Neo Heliopan OSで販売されているサリチル酸エチルヘキシル、
サリチル酸ジプロピレングリコール(Dipsalの名称でScherにより販売されている)、
Haarmann & Reimerから名称Neo Heliopan TSで販売されているサリチル酸TEA、
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体:
特にBASFから商品名Uvinul N539で販売されているオクトクリレン、
特にBASFから商品名Uvinul N35で販売されているエトクリレン、
ベンゾフェノン誘導体:
ベンゾフェノン-1(BASFにより商品名Uvinul 400で販売されている)、
ベンゾフェノン-2(BASFにより商品名Uvinul D50で販売されている)、
BASFによって商標名Uvinul M40で販売されているベンゾフェノン-3またはオキシベンゾン、
ベンゾフェノン-4(BASFにより商品名Uvinul MS40で販売されている)、
ベンゾフェノン-5、
ベンゾフェノン-6(Norquayにより商品名Helisorb 11で販売されている)、
ベンゾフェノン-8(American Cyanamidにより商品名Spectra-Sorb UV-24で販売されている)、
ベンゾフェノン-9(BASFにより商品名Uvinul DS-49で販売されている)、
ベンゾフェノン-12、
商品名Uvinul A+で、またはメトキシケイ皮酸オクチルとの混合物の形態で商品名Uvinul A+BでBASF社によって販売されているn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート。
ベンジリデンカンファー誘導体:
Chimexから名称Mexoryl SDで製造されている3-ベンジリデンカンファー、
4-メチルベンジリデンカンファー(Eusolex 6300の名称でMerckにより販売されている)、
Chimexから名称Mexoryl SLで製造されているベンジリデンカンファースルホン酸、
ChimexによってMexoryl SOの名称で製造されているカンファーベンザルコニウムメトサルフェート、
名称Mexoryl SXでChimexによって製造されているテレフタリリデンジカンファースルホン酸、
ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー(Mexoryl SWの名称でChimexにより製造されている)、
フェニルベンゾイミダゾール誘導体:
詳細には商品名Eusolex 232でMerckによって販売されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
Haarmann and Reimerから商品名Neo Heliopan APで販売されているジナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート。
フェニルベンゾトリアゾール誘導体:
名称SilatrizoleでRhodia Chimieによって販売されているドロメトリゾールトリシロキサン、
固体形態で商品名Mixxim BB/100でFairmount Chemicalによって、または微細化された形態で水性分散液として商品名Tinosorb MでCiba Specialty Chemicalsによって販売されているメチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール。
トリアジン誘導体:
商品名Tinosorb SでCiba Geigyによって販売されているビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン、
詳細には商品名Uvinul T150でBASFによって販売されているエチルヘキシルトリアゾン、
商品名Uvasorb HEBでSigma 3Vによって販売されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(n-ブチル 4'-アミノベンゾエート)-6-(アミノプロピルトリシロキサン)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
米国特許第6225467号、特許出願WO2004/085412(化合物6および9を参照されたい)または文献Symmetrical Triazine Derivatives IP.COM Journal、IP.COM INC West Henrietta、NY、US(2004年9月20日)に記載されている対称トリアジン遮断剤、特に2,4,6-トリス(ビフェニル)-1,3,5-トリアジン(詳細には2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル-1,3,5-トリアジン)および2,4,6-トリス(ターフェニル)-1,3,5-トリアジン(これらもまた、特許出願WO06/035000、WO06/034982、WO06/034991、WO06/035007、WO2006/034992およびWO2006/034985で挙げられている)。
アントラニル酸誘導体:
アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan MAの商品名でHaarmann and Reimerにより販売されている)。
イミダゾリン誘導体:
エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート、
ベンザルマロネート誘導体:
ベンザルマロネート官能基を含有するポリオルガノシロキサン、例えばポリシリコーン-15(Hoffmann LaRocheにより商品名Parsol SLXで販売されている)、
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:
-1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
ベンゾオキサゾール誘導体:
2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン(Sigma 3VによりUvasorb K2Aの名称で販売されている)、
およびそれらの混合物。
【0040】
優先的な有機遮断剤は、以下から選択される:
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
サリチル酸エチルヘキシル、
ホモサレート、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
オクトクリレン、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
ベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)-ベンゾエート、
4-メチルベンジリデンカンファー、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチル-フェノール、
ビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(n-ブチル 4'-アミノベンゾエート)-6-(アミノプロピルトリシロキサン)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン、
2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
およびそれらの混合物。
【0041】
本発明で使用される無機UV遮断剤は、金属酸化物顔料である。より好ましくは、本発明の無機UV遮断剤は、500nm以下、より好ましくは5nmから500nmの間、なおより好ましくは10nmから100nmの間、好ましくは15から50nmの平均要素粒径を有する金属酸化物顔料である。
【0042】
これらは特に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムまたはそれらの混合物から選択することができる。
【0043】
そのような被覆または非被覆金属酸化物顔料は、特に特許出願EP-A-0518773において記載されている。挙げることができる市販の顔料は、Kemira社、Tayca社、Merck社およびDegussa社によって販売されている製品を含む。
【0044】
金属酸化物顔料は、被覆されていてよいか、または未被覆であってよい。
【0045】
被覆顔料は、アミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄もしくはアルミニウム塩、ポリエチレンの金属アルコキシド(チタンまたはアルミニウムの)、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物またはヘキサメタリン酸ナトリウムなどの化合物で、化学的、電子的、機械化学的および/または機械的性質のうちの1つまたは複数の表面処理を受けている顔料である。
【0046】
被覆顔料は、より詳細には、以下の被覆された酸化チタンである:
-池田物産株式会社からの製品Sunveilなどのシリカで被覆されている酸化チタン、
-シリカおよび酸化鉄で被覆された酸化チタン、例えば、池田物産株式会社の製品Sunveil F、
-Tayca社からの製品Microtitanium Dioxide MT 500 SAおよびMicrotitanium Dioxide MT 100 SAならびにTioxide社からのTioveilなどのシリカおよびアルミナで被覆されている酸化チタン、
-アルミナで被覆された酸化チタン、例えば、石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(B)およびTipaque TTO-55(A)ならびにKemira社のUVT14/4、
-Tayca社からの製品Microtitanium Dioxide MT 100 T、MT 100 TX、MT 100 ZおよびMT-01、Uniqema社からの製品Solaveil CT-10 WおよびSolaveil CT 100ならびにMerck社からの製品Eusolex T-AVO、などのアルミナおよびステアリン酸アルミニウムで被覆されている酸化チタン、
-シリカ、アルミナおよびアルギン酸で被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社の製品MT-100 AQ、
-アルミナおよびラウリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 S、
-酸化鉄およびステアリン酸鉄で被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 F、
-酸化亜鉛およびステアリン酸亜鉛で被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社の製品BR351、
-シリカおよびアルミナで被覆され、シリコーン処理された酸化チタン、例えば、Tayca社の製品Microtitanium Dioxide MT 600 SAS、Microtitanium Dioxide MT 500 SASまたはMicrotitanium Dioxide MT 100 SAS、
-シリカ、アルミナおよびステアリン酸アルミニウムで被覆され、シリコーン処理された酸化チタン、例えば、チタン工業株式会社の製品STT-30-DS、
-Kemira社からの製品UV-Titan X 195などのシリカで被覆され、かつシリコーンで処理された酸化チタン、
-アルミナで被覆され、シリコーン処理された酸化チタン、例えば、石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(S)またはKemira社の製品UV Titan M 262、
-トリエタノールアミンで被覆された酸化チタン、例えば、チタン工業株式会社の製品STT-65-S、
-ステアリン酸で被覆された酸化チタン、例えば、石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(C)、
-ヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆された酸化チタン、例えば、Tayca社の製品Microtitanium Dioxide MT 150 W。
-商品名T 805でDegussa Silices社によって販売されているオクチルトリメチルシランで処理されたTiO2、
-商品名70250 Cardre UF TiO2SI3でCardre社によって販売されているポリジメチルシロキサンで処理されたTiO2、
-商品名Microtitanium Dioxide USP Grade HydrophobicでColor Techniques社によって販売されているポリジメチルヒドロゲノシロキサンで処理されたアナターゼ/ルチルTiO2。
【0047】
未被覆の酸化チタン顔料は例えば、Tayca社によって商品名Microtitanium Dioxide MT 500 BまたはMicrotitanium Dioxide MT 600 Bで、Degussa社によって名称P 25で、Wacker社によって名称TransparentチタンオキシドPWで、Miyoshi Kasei社によって名称UFTRで、Tomen社によって名称ITSで、かつTioxide社によって名称Tioveil AQで販売されている。
【0048】
非被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、以下のものである:
-Sunsmart社によってZ-Coteの名称で販売されているもの;
-Elementis社によってNanoxの名称で販売されているもの;
-Nanophase Technologies社によってNanogard WCD 2025の名称で販売されているもの。
【0049】
被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、以下のものである:
-名称Zinc Oxide CS-5でToshibi社によって販売されているもの(ポリメチルヒドロゲノシロキサンで被覆されたZnO);
-名称Nanogard Zinc Oxide FNでNanophase Technologies社によって販売されているもの(Finsolv TN、安息香酸C12〜C15アルキル中の40%分散液として);
-大東化成株式会社によりDaitopersion ZN-30およびDaitopersion ZN-50の名称で販売されているもの(シリカおよびポリメチルヒドロゲノシロキサンで被覆されたナノ亜鉛酸化物30%または50%を含有する、シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン中の分散液)、
-Daikin社によってNFD Ultrafine ZnOの名称で販売されているもの(シクロペンタシロキサン中分散液としての、ペルフルオロアルキルホスフェートおよびペルフルオロアルキルエチルをベースとするコポリマーで被覆されたZnO);
-信越化学工業株式会社によってSPD-Z1の名称で販売されているもの(シクロジメチルシロキサン中に分散された、シリコーングラフトアクリルポリマーで被覆されたZnO);
-名称Escalol Z100でISP社によって販売されているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセン/メチコーンコポリマー混合物中に分散しているアルミナ処置されたZnO);
-富士色素株式会社によってFuji ZnO-SMS-10の名称で販売されているもの(シリカおよびポリメチルシルセスキオキサンで被覆されたZnO);
- Elementis社によりNanox Gel TNの名称で販売されているもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合物を含むC12〜C15安息香酸アルキル中に55%の濃度で分散されたZnO)。
【0050】
未被覆の酸化セリウム顔料は、名称Colloidal Cerium OxideでRhone-Poulenc社によって販売されている。
【0051】
未被覆の酸化鉄ナノ顔料は、例えばArnaud社によって名称Nanogard WCD 2002(FE 45B)、Nanogard Iron FE 45 BL AQ、Nanogard FE 45R AQおよびNanogard WCD 2006(FE 45R)で、またはMitsubishi社によって名称TY-220で販売されている。
【0052】
被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社によってNanogard WCD 2008(FE 45B FN)、Nanogard WCD 2009(FE 45B 556)、Nanogard FE 45 BL 345およびNanogard FE 45 BLの名称で、またはBASF社によってTransparent Iron Oxideの名称で販売されている。
【0053】
さらに、金属酸化物の混合物、特に二酸化チタンと二酸化セリウムとの混合物、例えば、池田物産株式会社によってSunveil Aの名称で販売されている二酸化チタンと二酸化セリウムとのシリカ被覆等重量混合物、ならびに二酸化チタンと二酸化亜鉛とのアルミナ、シリカおよびシリコーン被覆混合物、例えば、Kemira社によって販売されている製品M261、または二酸化チタンと二酸化亜鉛とのアルミナ、シリカおよびグリセロール被覆混合物、例えば、Kemira社によって販売されている製品M211を挙げることが可能である。
【0054】
本発明では、被覆または未被覆酸化チタン顔料が特に好ましい。
【0055】
本発明による光保護系は、好ましくは、本発明による組成物中に、組成物の総重量に対して、0.1重量%〜40重量%、特に5重量%〜25重量%の範囲の含量で存在する。
【0056】
脂肪相
本発明の組成物の脂肪相は、少なくとも1種の脂肪性物質および好ましくは少なくとも1種の油を含む。
【0057】
脂肪性物質は、油もしくは上記で定義した無極性ワックス以外のワックスまたはそれらの混合物から構成されてもよい。「油」という用語は、室温で液体の化合物を意味する。「ワックス」という用語は、室温で固体または実質的に固体であり、融点が一般に35℃より高い化合物を意味する。
【0058】
本発明の組成物が水中油エマルジョンである場合、脂肪相の割合は、組成物の総重量に対して、好ましくは5重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%〜40重量%である。
【0059】
本発明の組成物が油中水エマルジョンである場合、脂肪相の割合は、逆エマルジョンに対して好ましくは30%〜70%、優先的には40%〜60%である。
【0060】
本発明の組成物の脂肪相中に存在することができる油としては、以下を挙げることができる。鉱油(パラフィン)、植物油(スイートアーモンド油、マカダミア油、ブラックカラント種子油またはホホバ油)、脂肪アルコール、脂肪アミド(味の素株式会社から名称Eldew SL-205で販売されているイソプロピルラウロイルサルコシネートなど)、脂肪酸またはエステル[例えばWitco社から商品名Finsolv TNまたはWitconol TNで販売されているC
12〜C
15安息香酸アルキル、イソプロピルラノレート、トリグリセリド(カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、Cognis社から名称Cetiol CCで販売されている炭酸ジカプリリルを含む)]、オキシエチレン化またはオキシプロピレン化された脂肪エステルおよびエーテル、シリコーン油[(シクロメチコーンまたはポリジメチルシロキサン(PDMS)]、フルオロ油、ならびにポリアルキレン。
【0061】
挙げることができるワックス化合物は、カルナバワックス、蜜蝋、水素化ヒマシ油、ポリエチレンワックスおよびポリメチレンワックス、例えば、Sasol社によってCirebelle 303の名称で販売されている製品を含む。
【0062】
添加剤
本発明による水性組成物はまた、特に有機溶媒、イオン性もしくは非イオン性の、親水性もしくは親油性の増粘剤、軟化剤、ヒューメクタント、不透明剤、安定剤、エモリエント、シリコーン、消泡剤、香料、保存剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性イオン性もしくは両性界面活性剤、活性剤、充填剤、ポリマー、噴射剤、酸性化剤もしくは塩基性化剤または化粧品中におよび/もしくは皮膚科学において通常使用される任意の他の成分から選択される標準的な化粧品補助剤を含むことができる。
【0063】
有機溶媒としては、低級アルコールおよびポリオールを挙げることができる。こうしたポリオールは、グリコールおよびグリコールエーテル、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールまたはジエチレングリコールから選んでもよい。
【0064】
挙げることができる親水性増粘剤は、以下を含む。カルボキシビニルポリマー、例えば、Carbopol製品(カルボマー)およびPemulen製品(アクリレート/C
10〜C
30-アルキルアクリレートコポリマー)など;ポリアクリルアミド、例えば、SEPPIC社から名称Sepigel 305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C
13〜
14イソパラフィン/Laureth 7)またはSimulgel 600(CTFA名:アクリルアミド/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)で販売されている架橋コポリマー;任意選択により架橋および/または中和されている2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマー、例えば、Hoechst社から商品名Hostacerin AMPS(CTFA名:アンモニウムポリアクリロイルジメチルタウレート)で販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)またはSEPPIC社から販売されているSimulgel 800(CTFA名:ナトリウムポリアクリロイルジメチルタウレート/ポリソルベート80/オレイン酸ソルビタン);2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸ヒドロキシエチルとのコポリマー、例えばSEPPIC社から販売されているSimulgel NSおよびSepinov EMT 10;セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース;多糖および特にキサンタンガムなどのガム;ならびにそれらの混合物。
【0065】
挙げることができる親油性増粘剤は、Landec社から名称Intelimer IPA 13-1およびIntelimer IPA 13-6で販売されているポリ(C
10〜C
30アルキルアクリレート)などの合成ポリマー、またはヘクトライトおよびその誘導体などの変性クレイ、例えば名称Bentoneで販売されている製品を含む。
【0066】
言うまでもなく、当業者であれば、想定される添加が、本発明による組成物に本来付随する有利な特性に全くまたは実質的に悪影響を及ぼさないように、上記の任意選択の追加の化合物および/またはその量を注意深く選択するであろう。
【0067】
本発明による組成物は、当業者に周知の手法に従って調製できる。組成物は、特に、ミルクなどの単純または複合エマルジョン(O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/W)の形態、ローションの形態とすることができる。組成物は、任意選択でエアゾールとしてパッケージ化されてもよく、スプレーの形態であってもよい。
【0068】
本発明による組成物は、好ましくは、水中油または油中水エマルジョン、より特定すれば水中油エマルジョンの形態である。
【0069】
エマルジョンは一般に、単独でまたは混合物として使用される、両性、アニオン性、カチオン性または非イオン性乳化剤から選択される少なくとも1種の乳化剤を含有する。乳化剤は、得ようとするエマルジョン(W/OまたはO/W)に応じて適切に選択される。エマルジョンは、他の種類の安定化剤、例えば充填剤またはゲル化ポリマーもしくは増粘用ポリマーを含有することもできる。
【0070】
W/Oエマルジョンの調製に使用できる乳化性界面活性剤の例としては、ソルビタン、グリセロールまたは糖のアルキルエステルまたはエーテル;シリコーン界面活性剤、例えば、ジメチコーンコポリオール(Dow Corning社によりDC 5225 Cの名称で販売されている、シクロメチコーンとジメチコーンコポリオールとの混合物など)、およびアルキルジメチコーンコポリオール(Dow Corning社によりDow Corning 5200 Formulation Aidの名称で販売されているラウリルメチコーンコポリオール);セチルジメチコーンコポリオール(Goldschmidt社によりAbil EM 90Rの名称で販売されている製品など)、および、Goldschmidt社によりAbil WE O9の名称で販売されている、セチルジメチコーンコポリオールとイソステアリン酸ポリグリセリル(4mol)とラウリン酸ヘキシルとの混合物を挙げることができる。さらに、ポリオールアルキルエステルを含む群から有利に選ぶことができる1種または複数の補助乳化剤(co-emulsifier)をこれに添加することもできる。
【0071】
ポリオールアルキルエステルとしては、ポリエチレングリコールエステル、例えば、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、例えば、ICI社によってArlacel P135の名称で販売されている製品を特に挙げることができる。
【0072】
グリセロールおよび/またはソルビタンエステルとしては、例えば、イソステアリン酸ポリグリセリル(Goldschmidt社によりIsolan GI 34の名称で販売されている製品など)、イソステアリン酸ソルビタン(ICI社によりArlacel 987の名称で販売されている製品など)、イソステアリン酸ソルビタングリセリル(ICI社によりArlacel 986の名称で販売されている製品など)、およびそれらの混合物を特に挙げることができる。
【0073】
O/Wエマルジョンの場合、乳化剤の例としては、以下を挙げることができる:非イオン性の乳化剤[グリセロールのオキシアルキレン化された(より具体的にはポリオキシエチレン化された)脂肪酸エステルなど];ソルビタンのオキシアルキレン化された脂肪酸エステル;オキシアルキレン化された(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化された)脂肪酸エステル[例えば、ステアリン酸PEG-100/ステアリン酸グリセリル混合物(例えば、ICI社によりArlacel 165の名称で販売されている)];オキシアルキレン化された(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化された)脂肪族アルキルエーテル;糖エステル、例えばステアリン酸スクロース;糖の脂肪族アルキルエーテル、特にポリアルキルグルコシド(APG)[デシルグルコシドおよびラウリルグルコシド(例えば、Henkel社により、それぞれPlantaren 2000およびPlantaren 1200の名称で販売されている)、セトステアリルグルコシド(場合によりセトステアリルアルコールとの混合物として)(例えば、SEPPIC社によりMontanov 68の名称で、Goldschmidt社によりTegocare CG90の名称で、およびHenkel社によりEmulgade KE3302の名称で販売されている)、さらには、アラキジルグルコシド(例えば、SEPPIC社によりMontanov 202の名称で販売されている、アラキジルアルコールとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態のもの)など]。本発明の1つの特定の実施形態によれば、前記で定義したアルキルポリグルコシドと対応する脂肪アルコールとの混合物は、例えば文献WO-A-92/06778に記載されているような、自己乳化性組成物の形態であることができる。
【0074】
1つの特定の実施形態によれば、組成物は、疎水性修飾イヌリンから選択される少なくとも1種の乳化剤を含む。
【0075】
本発明によれば、用語「疎水性修飾イヌリン」は、特に、疎水性鎖で修飾された、とりわけ前記イヌリンの親水性骨格上に疎水性鎖をグラフトすることによって修飾されたイヌリンを意味する。
【0076】
イヌリンは、フルクトース単位が大部分においてβ-2-1結合で結合されている、実質的に直鎖状のフルクタンのファミリーに属する。
【0077】
イヌリンは、例えば、チコリー、ダリアまたはキクイモから得ることができる。好ましくは、本発明による組成物に使用するイヌリンは、例えばチコリーから得られる。
【0078】
本発明による組成物に使用するイヌリンは、疎水性修飾されている。とりわけ、このイヌリンは、フルクタンの親水性骨格上に疎水性鎖をグラフトすることによって得られる。
【0079】
フルクタンの主鎖上にグラフトすることができる疎水性鎖は、特に、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリールまたはアルキレンの各基などの1〜50の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の炭化水素系鎖、二価の脂環式基またはオルガノポリシロキサン鎖とすることができる。これらの炭化水素系鎖またはオルガノポリシロキサン鎖は、特に、1つまたは複数のエステル、アミド、ウレタン、カルバメート、チオカルバメート、尿素、チオ尿素および/またはスルホンアミドの各官能基、特に例えばメチレンジシクロヘキシルおよびイソホロンなど、またはフェニレンなどの二価の芳香族基を含むことができる。
【0080】
とりわけ、イヌリンの重合度は2〜約1000、好ましくは2〜約60であり、置換度はフルクトース単位ベースで2未満である。
【0081】
1つの好ましい実施形態によれば、疎水性鎖は、少なくとも1つの、式R-NH-CO-のアルキルカルバメートを含有し、式中、Rは1〜22の炭素原子を含有するアルキル基である。
【0082】
より好ましい実施形態によれば、疎水性鎖はラウリルカルバメート基である。
【0083】
具体的には、組成物に使用することができる疎水性修飾イヌリンの非限定的な例示として、ステアロイルイヌリン、例えばEngelhard社から名称Lifidrem INSTで、およびCiba社から名称Rheopearl INSで販売されているものなど;パルミトイルイヌリン;ウンデシレノイルイヌリン、例えばEngelhard社から名称Lifidrem INUKおよびLifidrem INUMで販売されているものなど;ならびにラウリルカルバミン酸イヌリン、例えばOrafti社から名称Inutec SP1で販売されている製品などを挙げることができる。
【0084】
とりわけ、ラウリルカルバメートをグラフトしたイヌリンを使用する。これは特に、イソリアン酸ラウリルとイヌリン、特にチコリー由来のイヌリンとの反応から誘導される。特に挙げることができるこれらの化合物の例には、Orafti社から名称Inutec SP1で販売されている製品が含まれる。
【0085】
本発明の組成物中の疎水性修飾イヌリンの含有量は、前記組成物の総重量に対して、0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜10重量%、特に0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%、さらにより優先的には0.1重量%〜1重量%(の活性材料)の範囲とすることができる。
【0086】
1つの特定の実施形態によれば、組成物は、各単位が親水性頭部および疎水性尾部から形成され、親水性頭部を介してスペーサー基に結合されている2つの同一または異なる界面活性剤単位を含む「ジェミニ界面活性剤」から選択される、少なくとも1種の乳化剤を含む。このような界面活性剤は、特に、特許出願DE19943681、DE19943668、DE4227391およびDE19608117、JP-A-11-60437、JP-A-8-311003、EP0697244、EP0697245、EP0708079、DE19622612およびJP-A10-17593、WO03/024412、US5863886、WO96/25388、WO96/14926、WO96/16930、WO96/25384、WO97/40124、WO97/31890、DE19750246、DE19750245、DE19631225、DE19647060に記載されている。種々の化学構造およびその物理化学的特性の詳細な説明については、以下の出版物を参照することができる。
Milton J. Rosen、Gemini Surfactants、Properties of surfactant molecules with two hydrophilic groups and two hydrophobic groups、Cosmetics & Toiletries Magazine、113巻、1998年12月、49〜55頁、
Milton J. Rosen、Recent Developments in Gemini Surfactants、Allured's Cosmetics & Toiletries magazine、2001年7月、116巻、No. 7、67〜70頁。
【0087】
上記の界面活性剤二量体の中には、次式(I)に相当するアニオン性界面活性剤がある。
【0089】
[式中、
R
1およびR
3は直鎖C
8〜C
16アルキル基を表し、
R
2はC
2〜C
8アルキル基を表し、
XおよびYはそれぞれ基(C
2H
4O)
x-RFを表し、x=10〜15であり、
RF=-SO
3Mであり、Mはアルカリ金属原子を表す。]
【0090】
この系統の好ましいジェミニ界面活性剤は、次式のジココイルエチレンジアミンPEG-15硫酸ナトリウム(INCI名)アニオン性化合物である。
【0092】
このジェミニ界面活性剤は、例えば、Sasol社から名称Ceralution(登録商標)で販売されている以下の混合物中で使用することができる。
・Ceralution(登録商標)H:ベヘニルアルコール、ステアリン酸グリセリル、クエン酸ステアリン酸グリセリルおよびジココイルエチレンジアミンPEG-15硫酸ナトリウム、
・Ceralution(登録商標)F:ラウロイル乳酸ナトリウムおよびジココイルエチレンジアミンPEG-15硫酸ナトリウム、
・Ceralution(登録商標)C:水、カプリン/カプリル酸トリグリセリド、グリセリン、セテアレス-25、ジココイルエチレンジアミンPEG-15硫酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ベヘニルアルコール、ステアリン酸グリセリル、クエン酸ステアリン酸グリセリル、アラビアゴム、キサンタンガム、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン(INCI名)。
【0093】
混合物ベヘニルアルコール、ステアリン酸グリセリル、クエン酸ステアリン酸グリセリルおよびジココイルエチレンジアミンPEG-15硫酸ナトリウム[Ceralution(登録商標)H]を、中でも特に使用することになろう。
【0094】
本発明において使用するジェミニ界面活性剤の濃度は、光保護組成物の総重量に対して、好ましくは0.001%〜8%、好ましくは0.01%〜4%、特に0.05%〜3%の範囲である。
【0095】
使用することができる他のエマルジョン安定化剤には、イソフタル酸またはスルホイソフタル酸のポリマー、とりわけフタレート/スルホイソフタレート/グリコールコポリマー、例えばEastman Chemical社から名称Eastman AQポリマー(AQ35S、AQ38S、AQ55SおよびAQ48 Ultra)で販売されているジエチレングリコール/フタレート/イソフタレート/1,4-シクロヘキサンジメタノールコポリマー(INCI名:ポリエステル-5)がある。
【0096】
それがエマルジョンである場合、このエマルジョンの水相は、既知のプロセス(Bangham、StandishおよびWatkins、J. Mol. Biol.、13、238頁(1965年)、FR2315991およびFR2416008)に従って調製された非イオン性のベシクル分散液(vesicular dispersion)を含むことができる。
【0097】
本発明による組成物は、多くのトリートメント、特に、皮膚、唇および毛髪(頭皮を含む)の美容トリートメントにおいて、特に、皮膚、唇および/もしくは毛髪の保護および/もしくはケアのための、ならびに/または皮膚および/もしくは唇のメークアップのための用途がある。
【0098】
本発明の別の主題は、上記で定義したとおりの本発明による組成物を、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉および/または頭皮をトリートメントするための化粧品製品、特にケア製品、日焼け止め製品およびメークアップ製品の製造に使用することからなる。
【0099】
本発明による化粧品組成物は、例えば、メークアップ製品として使用できる。
【0100】
本発明による化粧品組成物は、例えば、ミルクまたはローションなどの液体の稠度を有する、顔および/または身体用の、ケア製品および/または日焼け止め製品として使用することができる。これらは、任意選択でエアゾールとしてパッケージ化されてもよく、ムースまたはスプレーの形態であってもよい。
【0101】
1つの特に好ましい形態によれば、本発明による組成物は、加圧デバイスを用いて微粒子の形態で皮膚または毛髪に適用する蒸発性流体の形態とすることができる。
【0102】
本発明によれば、用語「蒸発性組成物」は、概して、好適なデバイス中の圧力下で微粒子を生成することができる任意の組成物を意味するものとする。
【0103】
本発明は、少なくとも
(A)化粧品として許容される水性担体中に少なくとも
(a)1つの脂肪相、
(b)上記に定義したとおりの、UV照射を遮断することができる光保護系、
(c)1種の、上記に定義したとおりの超吸収性ポリマー、
(d)1種の、メタクリル酸とC
1〜C
4アルキルアクリレートとの架橋コポリマー
を含む、少なくとも1種の蒸発性流体組成物を含有する1つの貯蔵部、
および(B)圧力下で前記組成物をつける手段
を含む加圧デバイスにも関する。
【0104】
本発明によるデバイスは当業者には周知であり、非エアゾールポンプまたは「アトマイザー」、噴射剤を含む1区画または2区画のエアゾール容器、さらに、噴射剤として圧縮空気を用いるエアゾールポンプを含む。これらのデバイスは、米国特許第4077441号および米国特許第4850517号に記載されている(それらは本明細書の内容に組み込まれている)。
【0105】
本発明に従って1区画のエアゾールとして用意される組成物は、一般的に、従来の噴射剤、例えば、ヒドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパンまたはトリクロロフルオロメタンを含有する。このような噴射剤は、好ましくは、該組成物の総重量に対して15重量%〜50重量%の範囲の量で存在する。
【0106】
2区画のエアゾールは本発明による組成物を含有するポケットを備える。噴射剤をその容器の中かつポケットの外側に配置する。使用中に噴射剤はデバイスの内側に留まり、ポケットに対して圧力を加える。噴射剤は、1区画のエアゾール中に使用する噴射剤などの液化ガスとすることができるが、空気または窒素などの圧縮ガスとすることもできる。
【0107】
本発明による組成物は、追加の親水性または親油性の化粧用または皮膚科学的活性剤を含むこともできる。
【0108】
活性剤の中では、以下を挙げることができる:
-ビタミン(A、C、E、K、PPなど)およびその誘導体または前駆体(単独または混合物として)、
-抗糖化剤、
-鎮静剤、
-NO合成酵素阻害剤、
-真皮または表皮の巨大分子の合成を刺激し且つ/またはその分解を防止するための作用剤、
-線維芽細胞増殖を刺激するための作用剤、
-ケラチン生成細胞増殖を刺激するための作用剤、
-筋弛緩剤、
-伸張剤(tensioning agent)、
-艶消し剤(matting agent)、
-角質溶解剤、
-落屑剤(desquamating agent)、
-モイスチャライザー、例えば、ポリオール、例えば、グリセロール、ブチレングリコールまたはプロピレングリコール、
-抗炎症剤、
-細胞のエネルギー代謝に作用する作用剤、
-昆虫忌避剤、
-サブスタンスPまたはサブスタンスCRGPアンタゴニスト、
脱毛防止剤(hair-loss counteractant)および/または育毛剤、
-抗しわ剤。
【0109】
言うまでもなく、当業者ならば、想定される添加が本発明による組成物に本来付随する有利な特性に全くまたは実質的に悪影響を及ぼさないように、前記の任意選択の追加の化合物および/またはその量を注意深く選択するであろう。
【0110】
当業者であれば、前記活性剤を、皮膚、毛髪、睫毛、眉毛および爪に対する望ましい効果に応じて選択するであろう。
【0111】
本組成物は、これらの活性剤の生物学的効果の補足または即効性の視覚的な老化防止効果の提供を目的とする少なくとも1種の成分、例えば、ソフトフォーカス効果を有する充填剤または皮膚の自然な着色を促すための作用剤を含むこともできる。
【0112】
脂性肌のケアおよび/またはメークアップのために、当業者は、好ましくは、落屑剤、皮脂調整剤または抗脂漏剤(anti-seborrhoeic agent)およびアストリンゼントから選択される少なくとも1種の活性剤を選択するであろう。
【0113】
他の追加成分
組成物は、これらの活性剤の生物学的効果を補足、または即効性の視覚的効果を付与するための少なくとも1種の追加成分を含むこともできる。特に、艶消し剤、ソフトフォーカス充填剤、蛍光剤、皮膚の自然なピンクがかった着色を促すための作用剤、および研磨充填剤(abrasive filler)または剥離剤を挙げることができる。
【0114】
上述の化粧用および/または皮膚科学的活性剤がケラチン物質に与える効果を補足および/または最適化するために、本発明の組成物に他の追加成分を組み込むことが有利な場合がある。
【0115】
詳細には、これらの追加の成分は、上述の活性剤の生物学的効果によってリレーされる即効性の視覚的効果を付与し得る。これらはまた、機械的作用(例えば、研磨充填剤)により、上述の生物活性剤の効果を増幅し得る。
【0116】
艶消し剤
「艶消し剤」という用語は、皮膚を、視覚的にさらに艶をなくし、光らなくすることを意図した薬剤を意味する。
【0117】
薬剤および/またはそれを含有する組成物の艶消し効果は特に、ゴニオ反射率計を使用して鏡面反射と拡散反射の間の比Rを測定することによって、評価することができる。一般に2以下のR値が、艶消し効果を示す。
【0118】
艶消し剤は、特に、コメデンプンまたはトウモロコシデンプン:INCI名:コーン(トウモロコシ)スターチ、例えば具体的には、National Starch社から商品名Farmal CS 3650 Plus 036500で販売されている製品、カオリナイト、タルク、カボチャ種抽出物、セルロースマイクロビーズ、植物繊維、合成繊維、とりわけポリアミドの繊維、発泡アクリルコポリマーマイクロスフェア、ポリアミド粉末、シリカ粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、シリコーン樹脂粉末、アクリルポリマー粉末、ワックス粉末、ポリエチレン粉末、シリコーン樹脂で被覆されたエラストマー架橋オルガノポリシロキサン粉末、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合体粉末、非晶質混合ケイ酸塩粉末、ケイ酸塩粒子および特に混合ケイ酸塩粒子ならびにそれらの混合物から選択することができる。
【0119】
艶消し剤の例としては特に、以下のものを挙げることができる:
-コメデンプンまたはトウモロコシデンプン、特に、National Starch社によってDry Flo(登録商標)の名称で販売されているアルミニウム澱粉オクテニルスクシネート、
-カオリナイト、
-シリカ、
-タルク、
-Indena社によって名称Curbilene(登録商標)で販売されているカボチャ種抽出物、
-特許出願EP1562562に記載されているセルロースマイクロビーズ、
-繊維、例えば絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、特に木材、野菜または藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維、変性セルロース繊維、ポリ-p-フェニレンテレフタミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、炭素繊維、Teflon(登録商標)繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニルまたはポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、ポリマーの混合物から形成される繊維、吸収可能な合成繊維、およびそれらの混合物(欧州特許出願公開第1151742号に記載)、
-発泡アクリルコポリマーマイクロスフェア、例えば、Expancel社によってExpancel 551(登録商標)の名称で販売されているもの、
-光学効果を有する充填剤(特に特許出願FR2869796に記載されているもの)、
-ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末、例えば、10ミクロンの平均径および1.54の屈折率を有するArkema社からのOrgasolタイプのNylon 12粒子、
-シリカ粉末、例えば、平均径が5ミクロンおよび屈折率が1.45の、三好化成株式会社製のSilica beads SB150、
-ポリテトラフルオロエチレン粉末、例えば、平均径が8ミクロンおよび屈折率が1.36の、Clariant社製のPTFE Ceridust 9205F、
-シリコーン樹脂粉末、例えば、平均径が4.5ミクロンおよび屈折率が1.41の、GE Silicone社製のシリコーン樹脂Tospearl 145A、
-アクリルコポリマー粉末、特にポリメチル(メタ)アクリレートコポリマー粉末、例えば、8ミクロンの平均径および1.49の屈折率を有するNihon Junyoki社からのPMMA粒子Jurymer MBI、またはMatsumoto Yusi-Seiyaku社からの粒子Micropearl M100(登録商標)およびF 80 ED(登録商標)、
-ワックス粉末、例えば、平均径が7ミクロンおよび屈折率が1.54の、Micropowderss社製のパラフィンワックス粒子Microease 114S、
-特に少なくとも1種のエチレン/アクリル酸コポリマーを含むポリエチレン粉末、および特にエチレン/アクリル酸コポリマーからなるポリエチレン粉末、例えば、Sumitomo社からの粒子Flobeads EA209(10ミクロンの平均径および1.48の屈折率を有する)、
-シリコーン樹脂で、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆されたエラストマー性架橋オルガノポリシロキサン粉末(例えば、米国特許第5538793号に記載)(このようなエラストマー粉末は、信越化学工業株式会社によってKSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104およびKSP-105の名称で販売されている)、ならびに
-Catalyst & Chemicals社によって名称Coverleaf(登録商標)AR-80で販売されているものなどのタルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合体粉末、
-それらの混合物
-特許出願FR2869796に記載されている、皮脂を吸収および/または吸着する化合物。特に、以下のものを挙げることができる:
-シリカ粉末、例えばMyoshi社によって販売されているSilica Beads SB-700、Asahi Glass社によって販売されているSunsphere(登録商標)H51、名称Sunsphere(登録商標)H33、Sunsphere(登録商標)H53で販売されている多孔性シリカマイクロスフェア;Asahi Glass社によって販売されている名称SA Sunsphere(登録商標)H-33およびSA Sunsphere(登録商標)H-53で販売されているポリジメチルシロキサンで被覆された非晶質シリカマイクロスフェア;
-特にアルミニウムおよびマグネシウムの非晶質混合シリケート粉末、例えば、Sumitomo社によって名称Neusilin UFL2で販売されている製品;
-ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末、例えば、Arkema社によって販売されているOrgasol(登録商標)4000、および
-アクリルポリマー粉末、特にポリメチルメタクリレート粉末、例えば、Wackherr社によって販売されているCovabead(登録商標)LH85;ポリメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレートの粉末、例えば、Dow Corning社によって販売されているDow Corning 5640 Microsponge(登録商標)Skin Oil Adsorber、またはGanz Chemical社によって販売されているGanzpearl(登録商標)GMP-0820;ポリアリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレートの粉末、例えば、Amcol社によって販売されているPoly-Pore(登録商標)L200またはPoly-Pore(登録商標)E200;エチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマーの粉末、例えば、Dow Corning社によって販売されているPolytrap(登録商標)6603;
-シリケート粒子、例えば、アルミナシリケート;
-混合シリケート粒子、例えば:
-ケイ酸マグネシウムアルミニウム粒子、例えばKunimine社によって商品名Sumecton(登録商標)で販売されているサポナイトまたは硫酸ナトリウムを含む水和ケイ酸マグネシウムアルミニウム;
-ケイ酸マグネシウム、ヒドロキシエチルセルロース、黒色クミン油、ヒョウタン種油およびリン脂質複合体またはLucas MeyerからのMatipure(登録商標)、および
-それらの混合物。
【0120】
本発明で使用することができる好ましい艶消し剤には、カボチャ種抽出物、コメまたはトウモロコシデンプン、カオリナイト、シリカ、タルク、ポリアミド粉末、ポリエチレン粉末、アクリルコポリマー粉末、発泡アクリルコポリマーマイクロスフェア、シリコーン樹脂マイクロビーズおよび混合ケイ酸塩粒子およびそれらの混合物が包含される。
【0121】
ソフトフォーカス効果を有する充填剤
これらの充填剤は、その固有の物理的特性によって皺を修正し、かつ隠すことができる任意の材料であってよい。これらの充填剤は特に、テンショニング効果、被覆効果またはソフトフォーカス効果によって皺を修正することができる。
【0122】
加えることができる充填剤の例には、次の化合物が包含される:
-多孔質シリカ微粒子、例えば、5μmの平均径を有する三好化成株式会社からのSilica Beads(登録商標)SB150およびSB700、Asahi Glass社からのシリーズH Sunspheres(登録商標)、例えば、それぞれ3.5および5μmの径を有するSunspheres H33、H51、
-特に欧州特許出願公開第1579849号に記載されているTakemoto Oil and Fat社からのNLK 500(登録商標)、NLK 506(登録商標)およびNLK 510(登録商標)などの中空半球状シリコーン樹脂粒子、
-シリコーン樹脂粉末、例えば、GE Silicone社からの4.5μmの平均径を有するシリコーン樹脂Tospearl(登録商標)145A、
-特にポリメチル(メタクリル)アクリル酸メチルのアクリルコポリマー粉末、例えば、Nihon Junyoki社からの8μmの平均径を有するPMMA粒子Jurymer MBI(登録商標)、Wackherr社によって名称Covabead(登録商標)LH85で販売されている中空PMMAスフェア、および名称Expancel(登録商標)で販売されているメタクリル酸ビニリデン/アクリロニトリル/メチレン発泡マイクロスフェア、
-ワックス粉末、例えば、MicroPowders社からの7μmの平均径を有するパラフィンワックス粒子MicroEase(登録商標)114S、
-特に少なくとも1種のエチレン/アクリル酸コポリマーを含むポリエチレン粉末、例えば、Sumitomo社からの10μmの平均径を有するFlobeads(登録商標)EA 209 E粒子、
-シリコーン樹脂で、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆された架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン粉末(信越化学工業株式会社によってKSP-100(登録商標)、KSP-101(登録商標)、KSP-102(登録商標)、KSP-103(登録商標)、KSP-104(登録商標)およびKSP-105(登録商標)の名称で)、
-タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合体粉末、例えば、Catalyst & Chemicals社により名称Coverleaf AR-80(登録商標)で販売されているもの、
-タルク、雲母、カオリン、ラウリルグリシン、デンプン粉末(コハク酸オクテニル無水物で架橋)、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン粉末、沈殿炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム、二酸化セリウムおよびガラスまたはセラミックマイクロカプセル、
-欧州特許出願公開第1151742号に記載されている絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、特に木材、植物または藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維、修飾セルロース繊維、ポリ-p-テレフタアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、ポリマーの混合物から形成された繊維、吸収性合成繊維およびそれらの混合物などの親水性または疎水性の合成または天然、無機または有機充填剤、
-球状エラストマー架橋シリコーン、例えば、Dow CorningからのTrefil E-505C(登録商標)またはE-506C(登録商標)、
-研磨シリカなどの機械的作用により皮膚の微細な凹凸を平滑にする研磨充填剤、例えば、Semanez社からのAbrasif SP(登録商標)または堅果の殻の粉末(例えば、Cosmetochem社からのアプリコットまたはクルミの)。
【0123】
エイジングサインに効果を有する充填剤は特に、多孔質シリカ微小粒子、中空半球形シリコーン粒子、シリコーン樹脂粉末、アクリルコポリマー粉末、ポリエチレン粉末、シリコーン樹脂で被覆された架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン粉末、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム、二酸化セリウム、ガラスまたはセラミックマイクロカプセル、絹繊維または綿繊維、およびそれらの混合物から選択される。
【0124】
充填剤は、ソフトフォーカス充填剤であってもよい。
【0125】
「ソフトフォーカス」充填剤という用語は、肌色の透明感およびぼんやりした効果をさらに与える充填剤を意味する。好ましくは、ソフトフォーカス充填剤は、15ミクロン以下の平均粒径を有する。これらの粒子は任意の形態であってよく、特に球形または非球形であってもよい。これらの充填剤はより好ましくは非球形である。
【0126】
ソフトフォーカス充填剤は、シリカおよびケイ酸塩粉末、特にアルミナ粉末、ポリメタクリレート酸メチル(PMMA)型の粉末、タルク、シリカ/TiO2もしくはシリカ/酸化亜鉛複合体、ポリエチレン粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、スチレン/アクリルコポリマー粉末およびシリコーンエラストマーならびにそれらの混合物から選択することができる。
【0127】
特に3ミクロン以下の数平均径を有するタルク、例えば、1.8ミクロンの数平均径を有するタルクおよび特にNippon Talc社により商品名Talc P3(登録商標)で販売されている製品、Nylon(登録商標)12粉末、特にAtochem社により名称Orgasol 2002 Extra D Nat Cos(登録商標)で販売されている製品、Degussa社により販売されている製品などのミネラルワックスで1%から2%表面処理されたシリカ粒子(INCI名:水和シリカ(および)パラフィン)、Asahi Glass社によりSunsphere、例えば名称参照番号H-53(登録商標)で販売されている製品などの非晶質シリカマイクロスフェアおよび三好化成株式会社社によって名称SB-700(登録商標)またはSB-150(登録商標)で販売されているものなどのシリカマイクロビーズを特に挙げることができるが、このリストは限定的でない。
【0128】
エイジングサインに効果があるこれらの充填剤の、本発明による組成物中の濃度は、組成物の総重量に対して、0.1〜40重量%、またはさらには0.1〜20重量%であることができる。
【0129】
皮膚の自然なピンクがかった着色を促す作用剤
特に、以下のものを挙げることができる:
-セルフタンニング剤、すなわち、皮膚、特に顔への適用時に、日光への長期間曝露(自然の日焼け)またはUVランプ下で生じ得るのと程度の差はあるが同様な外観の日焼け効果を生じることができる作用剤、
-追加の着色剤、すなわち、持続的で非被覆性の(すなわち、皮膚を不透明化する傾向がない)着色を皮膚に与えることができ、水を用いても、または溶媒を使用しても除去されず、摩擦にも界面活性剤を含有する水溶液による洗浄にも耐える、皮膚に対して特別な親和性を有する任意の化合物(したがって、このよう持続的な着色は、例えばメークアップ顔料によって提供される表面的で一時的な着色とは区別される)、
およびそれらの混合物。
【0130】
特に挙げることができるセルフタンニング剤の例は、以下のものを含む:
ジヒドロキシアセトン(DHA)、
エリトルロース、および
以下から形成される触媒系の組合せ:
マンガンおよび/または酸化亜鉛塩および
アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属炭酸水素塩。
【0131】
セルフタンニング剤は一般に、モノカルボニルまたはポリカルボニル化合物、例えば、イサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセルアルデヒド、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、エリトルロース、ピラゾリン-4,5-ジオン誘導体(特許出願FR2466492およびWO97/35842に記載)、ジヒドロキシアセトン(DHA)および4,4-ジヒドロキシピラゾリン-5-オン誘導体(特許出願EP903342に記載)から選択される。好ましくは、DHAが使用される。
【0132】
DHAは、遊離の形態で、および/または例えば、特許出願WO97/25970に特に記載されているリポソームなどの脂質ベシクル中にカプセル封入された形態で用いることができる。
【0133】
一般に、セルフタンニング剤は、組成物の総重量の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%の範囲の量で存在する。
【0134】
セルフタンニング剤によって生成される色の修正を可能にする他の染料も使用することができる。
【0135】
これらの染料は、合成または天然直接染料から選択することができる。
【0136】
これらの染料は、例えば、フルオラン型の赤色またはオレンジ色染料、例えば、特許出願FR2840806に記載されているものから選択することができる。例えば、以下の染料を挙げることができる:
-CTFA名:CI 45380またはRed 21として既知のテトラブロモフルオレセインまたはエオシン、
-CTFA名:CI 45410またはRed 27として既知のフロキシンB、
-CTFA名:CI 45425またはOrange 10として既知のジヨードフルオレセイン、
-CTFA名:CI 45370またはOrange 5として既知のジブロモフルオレセイン、
-CTFA名:CI 45380(Na塩)またはRed 22として既知のテトラブロモフルオレセインのナトリウム塩、
-CTFA名:CI 45410(Na塩)またはRed 28として既知のフロキシンBのナトリウム塩、
-CTFA名:CI 45425(Na塩)またはOrange 11として既知のジヨードフルオレセインのナトリウム塩、
-CTFA名:CI 45430またはAcid Red 51として既知のエリスロシン。
-CTFA名:CI 45405またはAcid Red 98として既知のフロキシン。
【0137】
これらの染料は、アントラキノン、カラメル、カルミン、カーボンブラック、アズレンブルー、メトキサレン、トリオキサレン、グアジャズレン、チャムズレン、ローズベンガル、エオシン10B、シアノシンおよびダフィニンからも選択することができる。
【0138】
これらの染料は、インドール誘導体、例えば、仏国特許第2651126号に記載されているモノヒドロキシインドール(すなわち4-、5-、6-または7-ヒドロキシインドール)または欧州登録特許第EP-B-0425324号に記載されているジヒドロキシインドール(すなわち5,6-ジヒドロキシインドール、2-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、3-メチル-5,6-ジヒドロキシインドールまたは2,3-ジメチル-5,6-ジヒドロキシインドール)から選択することもできる。
【0139】
研磨充填剤または剥離剤
本発明によるリンスアウト(rinse-out)組成物中に使用することができる剥離剤として、言及することができる例は、鉱物、植物または有機由来の剥離粒子またはスクラブ粒子を含む。したがって、例えば、ポリエチレンビーズまたは粉末、Nylon粉末、ポリ塩化ビニル粉末、軽石粉末、粉砕杏仁またはクルミ殻、おがくず、ガラスビーズおよびアルミナ、ならびにそれらの混合物を使用できる。さらに、Solabia社製のExfogreen(登録商標)(竹エキス)、イチゴ痩果エキス(Greentech社製のStrawberry Achenes)、桃仁粉末、杏仁粉末を挙げることができ、最後に、研磨効果を有する植物粉末の分野において、クランベリー種子粉末を挙げることができる。
【0140】
本発明による好ましい研磨充填剤または剥離剤としては、桃仁粉末、杏仁粉末、クランベリー仁粉末、イチゴ痩果エキスおよび竹エキスが挙げられる。
【0141】
以下の実施例は本発明を例示するために役立つが、本来限定するものではない。これらの例において、組成物成分の量は、組成物の総重量に対して重量百分率として示す。
【0142】
(実施例)
(実施例1から7)
以下の流体日焼け止め製剤1から7を調製した。すべての処方物は、以下の共通の担体を有するO/Wエマルジョンである。
【0144】
組成物の手順(COS1000-Esco Laborタンク中)
相Bを、パドルおよびドクターブレード攪拌によって75℃で融解し、次いで65℃まで冷却する。相Aを、水の一部のみを使用して65℃で攪拌して調製する。乳化を実施する、すなわち、相Aを相B中にターボミックスしながらゆっくりと注ぎ、パドルおよびドクターブレードを使用して10分間ターボミックスする。相Cを添加し、全体を、パドルおよびドクターブレードを使用して5分間ターボミックスする。相D(ゲル化剤のみ)を添加し、全体を、パドルおよびドクターブレードを使用して5分間ターボミックスする。相Aの水の残部を添加し、全体を、パドルおよびドクターブレードを使用して5分間ターボミックスする。相D(トリエタノールアミン)を添加し、全体を、パドルおよびドクターブレードを使用して5分間ターボミックスし、次いで、室温まで冷却する。相Eを室温で添加し、全体を、パドルおよびドクターブレードを使用して5分間ターボミックスする。
【0145】
実施例1:ゲル化剤なし
実施例2:Hoechst社から商品名Hostacerin AMPSで販売されている0.35%ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)
実施例3:0.5% Hostacerin AMPS
実施例4:水性分散液中0.15%メタクリル酸/アクリル酸エチル架橋コポリマー(Carbopol Aqua SF1)
実施例5:0.2% Hostacerin AMPS/0.2%キサンタンガムの組合せ
実施例6:0.2% Hostacerin AMPS/0.15%アクリレート/C
10〜C
30-アルキルアクリレートコポリマーの組合せ(Pemulen TR1)
実施例7:0.2% Hostacerin AMPS/水性分散液中0.15%メタクリル酸/アクリル酸エチル架橋コポリマー(Carbopol Aqua SF1)の組合せ
【0146】
粘度を測定し、24時間時点での各処方物の外観および45℃で2か月後の各処方物の安定性を観察する。
【0147】
処方物は、加速安定性試験(2か月、45℃)において不安定性を示した場合に「不安定」であるとして記録される。この不安定性は、900×gで30分間の遠心分離試験中に不安定性(粒状化、相分離またはチューブの底での実質的な沈積)が出現することによって反映される。
【0151】
標準的なゲル化剤を使用すると、その含有量を増加しても、超吸収性ポリマーAquakeepを含む処方物を、その流動性を維持しながら安定化させることはできない。
【0152】
吸収性ポリマーと組み合わせたメタクリル酸/アクリル酸エチル架橋コポリマー(Carbopol Aqua SF1)のみが、処方物4を、その流動性を維持しながら安定化させることを可能にする。
【0153】
(実施例8および9)
以下の流体日焼け止め製剤8および9を調製した。すべての処方物は、以下の共通の担体を有するO/Wエマルジョンである。
【0155】
手順は、実施例1から7において記載したものと同一である。
【0156】
実施例8:0.2% Hostacerin AMPS/0.2%キサンタンガムの組合せ
実施例9:0.2% Hostacerin AMPS/水性分散液中0.5%メタクリル酸/アクリル酸エチル架橋コポリマー(Carbopol Aqua SF1)の組合せ
【0157】
粘度を測定し、24時間時点での各処方物の外観および45℃で2か月後の各処方物の安定性を観察する。
【0158】
処方物は、加速安定性試験(2か月、45℃)において不安定性を示した場合に「不安定」であるとして記録される。この不安定性は、900×gで30分間の遠心分離試験中に不安定性(粒状化、相分離またはチューブの底での実質的な沈積)が出現することによって反映される。
【0161】
標準的なゲル化剤を使用すると、その含有量を増加しても、超吸収性ポリマーを含む処方物を、その流動性を維持しながら安定化させることはできない。
【0162】
吸収性ポリマーと組み合わせたメタクリル酸/アクリル酸エチル架橋コポリマー(Carbopol Aqua SF1)のみが、ラウリルカルバミン酸イヌリンをベースとする処方物9を、その流動性を維持しながら安定化させることを可能にする。
【0163】
(実施例10)
本発明のポリマーの組合せによって得られる爽快性効果の実証
以下の2つの処方物の官能特性を、11人のパネルが評価する。
【0165】
結果
本発明による、超吸収性ポリマー/メタクリル酸/アクリル酸エチル架橋コポリマーを含む処方物10が顕著に好ましい。
-11人中8人が、処方物10の方が適用時により爽快であると評価した。
-11人中7人が、処方物10において爽快性がより持続すると評価した。
-11人中6人が、処方物10の方がよりのばしやすく、より心地よくのびると評価した。