(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013351
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】反応容器のアセンブリ、アレイ及びケーシング
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20161011BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20161011BHJP
B01J 19/00 20060101ALI20161011BHJP
G01N 21/03 20060101ALN20161011BHJP
G01N 21/78 20060101ALN20161011BHJP
【FI】
G01N35/02 A
C12M1/00 A
B01J19/00 321
G01N35/02 B
!G01N21/03 Z
!G01N21/78 Z
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-537205(P2013-537205)
(86)(22)【出願日】2011年11月2日
(65)【公表番号】特表2014-505856(P2014-505856A)
(43)【公表日】2014年3月6日
(86)【国際出願番号】GB2011052126
(87)【国際公開番号】WO2012059751
(87)【国際公開日】20120510
【審査請求日】2014年10月31日
(31)【優先権主張番号】1018624.5
(32)【優先日】2010年11月4日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】511207039
【氏名又は名称】エピスタム リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】コブ、 ベン
【審査官】
長谷 潮
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2004/054715(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0268506(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第02193845(EP,A1)
【文献】
特開2007−017441(JP,A)
【文献】
特開2008−289473(JP,A)
【文献】
特開2007−097477(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0089850(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−35/10
G01N 21/03
G01N 21/78
B01J 19/00
C12M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーマルサイクル反応に使用される反応容器のアセンブリであって、
口部、本体、及び先端部を有する少なくとも一つの反応容器と、
開口を有するキャビティを画定するケーシングと
を含み、
前記ケーシングは前記開口に対向する係合表面をさらに有し、
前記係合表面は、前記反応容器の前記口部内に嵌まるサイズ及び形状の突起を少なくとも一つ有し、
第1構成において前記反応容器は前記ケーシングの前記キャビティ内に前記開口を介して受容され、
前記反応容器が前記キャビティ内に存在しない第2構成において、前記ケーシングの前記突起が前記反応容器の前記口部に嵌まることによって前記口部が閉じられるアセンブリ。
【請求項2】
前記ケーシングは、ユーザが把持するべく適合されたフィンガーグリップ、凹部、又は他の形成部を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
複数の反応容器を含む、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の反応容器は接合されてストリップ又はマルチウェルプレートを形成する、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
複数の又は単数の前記反応容器は細長い、請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第1構成において、前記反応容器の前記口部は、前記反応容器がユーザの前記反応容器の内部へのアクセスを許容するように前記ケーシングの前記開口と整合される、請求項1から5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記反応容器の前記本体は毛細管の形態である、請求項1から6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記反応容器の前記口部は、直径が前記本体より大きい、請求項1から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記反応容器の前記先端部は一体型コリメートレンズを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記一体型コリメートレンズは正メニスカスレンズである、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記反応容器は親水性ポリマーから製造される、請求項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第2構成において、前記突起は前記反応容器の前記口部を実質的に埋める、請求項1から11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ケーシングの前記係合表面は、前記第2構成にある場合に前記反応容器の外表面と係合するべく設計された一以上の戻り止めを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記ケーシングの開口は、第1構成にある場合に前記反応容器の外表面と係合するべく設計された一以上の戻り止めを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記反応容器は、前記ケーシングの一部と係合するべく設計された戻り止めを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記ケーシングの係合表面には、前記係合表面と前記反応容器との気密嵌めを確保する弾性ガスケットが設けられる、請求項1から15のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項17】
RFIDタグをさらに含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項18】
サーマルサイクル反応に使用される反応容器アレイであって、
それぞれが口部、本体、及び先端部を有する複数の反応容器を含み、
第1構成において前記複数の反応容器は、ケーシングによって開口を有するように画定されたキャビティ内に受容され、
前記ケーシングは前記開口に対向する係合表面を有し、
前記係合表面は、それぞれが前記反応容器の前記口部内に嵌まるサイズ及び形状の複数の突起を有し、
前記反応容器が前記キャビティ内に存在しない第2構成において、前記ケーシングの前記複数の突起の一つが前記反応容器の前記口部に嵌まることによって前記口部が閉じられる反応容器アレイ。
【請求項19】
サーマルサイクル反応に使用される反応容器のケーシングであって、
開口を有するキャビティと、
前記開口に対向する係合表面と
を含み、
前記反応容器は口部、本体、及び先端部を有し、
前記係合表面は、前記反応容器の前記口部に嵌まるサイズ及び形状の突起を有し、
第1構成において、前記反応容器が前記キャビティ内に前記開口を介して受容され、
前記反応容器が前記キャビティ内に存在しない第2構成において、前記ケーシングの前記突起が前記反応容器の前記口部に嵌まることによって前記口部が閉じられるケーシング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は反応容器アセンブリに関し、主としてではあるが限定的ではなく、例えば核酸のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅に使用されるサーマルサイクラーとともに使用される反応容器アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルサイクルアプリケーションは、現代分子生物学の一構成部分をなす。例えば、核酸を増幅するべく使用されるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、一サンプル中のDNA量の大きな増幅を得るべく、異なる温度での一連のDNA溶解、アニーリング、及びポリメライゼーションのステップを使用する。従来型PCR反応は、密閉容器内で進められていた。増幅は、完了した反応物から一サンプルを抽出し及び当該結果物をゲル電気泳動によって分析することで確認されていた。
【0003】
この従来型分析法によれば、ユーザが、当該サイクルが完了した後に増幅が生じていることが確認できるようになるまで待つ必要がある。これは、例えば、増幅失敗に起因してサイクル反応を繰り返さなければならない場合、実験データの取得の遅延につながり得る。これを理由として、PCR及び他の増幅結果物を分析する代替的な方法が開発されている。この方法は、反応の初期段階で増幅を測定するべく使用することができる。このような方法の一つは、反応物に蛍光標識ヌクレオチドを組み入れることを含む。DNAが増幅されると、蛍光強度が増大する。この蛍光を反応中に検出することで、増幅進行のリアルタイム表示を得ることができる。他の多くの分子生物学的方法は、反応の進行を決定するべく光測定、例えば特定波長の吸光度を利用する。
【0004】
反応の進行中における蛍光又は他の光特性測定には、器具類及び消耗品の設計上、特有の問題がある。従来型PCR反応容器は、均一テーパの円錐部分を有する複数の個別容器形態、又は一のマルチウェルプレートの形態をとる。このような容器は、照明及び放出光に対して比較的大きな断面積を有するので、検出器にて受容される光強度が低減される。さらに、このような容器の円錐部分は、比較的高体積の反応混合物を包囲する。当該反応混合物は高いサーマルラグを有する。これは長いサイクル時間につながる。反応混合物の体積を低減すれば、この困難性を低減することができるが、反応により生成される蛍光量も低減するので、高感度な検出器が必要となる。また、サーマルサイクラーは、反応容器から放出された光を集光するべく、かつ、容器と光検出器との不整合の影響を低減するべく、複雑な光学部品を含む必要がある。
【0005】
また、サーマルラグの影響は、反応容器壁の厚さによって悪化する。0.5mm厚程度の薄壁容器が利用可能であるが、射出成形技術上の制約が、従来型反応容器を実質的に薄壁に製造することの妨げとなりがちである。
【0006】
反応容器は毛細管の形態で製造することができるが、これは、当該容器に対する不測の損傷を防ぐべく慎重な取り扱い及び移送を必要とする。
【0007】
取り外し可能蓋を有する様々なタイプの反応容器が記載されている。例えば特許文献1は、ハンドル付き取り外し可能カバーを記載する。特許文献2は、反応容器用ホルダを記載する。特許文献3は、反応容器を閉じる一体型カバーを有するサーマルサイクル装置を記載する。特許文献4は、反応容器に対して付勢されるカバーを記載する。特許文献5は、熱シールによって反応容器に固定可能なカバーを記載する。特許文献6は、バイアルシールであって、当該シールが開放されていてもいくつかのバイアルとのシールを確保する開口を含むバイアルシールを記載する。特許文献7は、一般に平坦な外形を有する薄壁反応容器を記載する。
【0008】
本発明の実施例は、サーマルサイクル反応での使用に特に適した代替的な反応容器を与えることを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,720,406号明細書
【特許文献2】米国特許第5,616,301号明細書
【特許文献3】米国特許第6,153,426号明細書
【特許文献4】米国特許第6,620,612号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1974818(A1)号明細書
【特許文献6】米国特許第5,005,721号明細書
【特許文献7】国際公開第2006/024879号パンフレット
【発明の概要】
【0010】
本発明の第1側面によれば、サーマルサイクル反応に使用される反応容器アセンブリであって、
口部、
本体、及び
先端部を有する少なくとも一つの反応容器と、開口を有するキャビティを画定するケーシングとを含み、当該ケーシングはさらに係合表面を有し、第1構成において当該反応容器は当該ケーシングのキャビティ内に当該開口を介して受容され、第2構成において当該ケーシングの係合表面は当該反応容器の
口部と係合して当該
口部を閉じる。
【0011】
すなわち、ケーシングは、第1構成において取り扱い及び移送中に反応容器への損傷を回避又は低減する保護ケーシングとして機能する一方、第2構成においてケーシングは、反応容器の
口部をシールする蓋として機能することにより漏洩及び蒸発を防止する。
【0012】
ケーシングはまた、ユーザが反応容器を操作及び移送するハンドルとしても機能する。これを目的として、本発明の所定実施例では、ケーシングは、ユーザが把持するべく構成されたフィンガーグリップ、凹部、又は他の形成部を含む。ケーシングをハンドルとして使用することにより、ユーザが反応容器に直接接触する必要性がなくなる。当該接触は、不測の温度変化及び内容物の汚染リスク増加につながり得る。
【0013】
好ましくは、アセンブリは複数の反応容器を含む。特に好ましい実施例では、3つの反応容器が存在するが、異なる数を使用してもよい。複数の反応容器は、例えばストリップとして又はマルチウェルプレートとして接合されるのが好ましい。
【0014】
単数又は複数の反応容器は細長いのが好ましく、ケーシングはそれに応じたサイズ及び形状とされる。ケーシングの開口は、ケーシングの第1部分にあるのが好ましく、係合表面は、ケーシングの対向第2部分にあるのが好ましい。例えば、開口及び係合表面はそれぞれ、ケーシングの頂部及び底部に存在する。
【0015】
第1構成において、反応容器の
口部は、当該反応容器が開いてユーザの反応容器内部へのアクセスを許容するようにケーシングの開口と整合されるのが好ましい。これにより、反応容器に対する試薬の追加又は除去が、ケーシングによって保護されたまま可能となる。
【0016】
反応容器の
本体は、毛細管の形態にあることが好ましい。これにより、サイクル数を低減する低体積の試薬を使用することができる。
【0017】
好ましくは、反応容器の
口部は
本体よりも直径が大きい。
【0018】
好ましくは、反応容器の
先端部は一体型コリメートレンズを含む。レンズは正メニスカスレンズである。正(又は収束)メニスカスレンズは、周縁よりも中心が厚い凹凸レンズである。他の形態のコリメートレンズ(例えばフレネルレンズ)を使用することもできるが、正メニスカスレンズが好ましい。コリメートレンズの存在によって、反応容器内で生成される任意の光が確実にコリメートされ、サーマルサイクラーの光ダイオード又は他の光検出手段にて、当該反応容器の全長に沿った蛍光を代表する均一光及び画像を得ることができる。光がコリメートされるので、サーマルサイクラーの光検出機構は、当該機構に対する反応容器位置の不整合又は他の小さなばらつきの耐性が大きくなり得る。これは、製造公差が大きくなり得ることと、このような不整合を補償するべく複雑な光学的配置をサーマルサイクラーに含ませる必要がなくなることとの双方を意味する。さらに、別個のレンズアセンブリをサーマルサイクラー内に設けるのではなく、コリメートレンズを反応容器に一体化することが、サーマルサイクラー製造の複雑性をここでも低減し、当該反応容器を当該別個のレンズアセンブリに整合させる必要性をなくす。また、一体型レンズは一般に、反応容器及びレンズがプラスチック材料から製造される場合に特に、比較的安価に製造される。
【0019】
好ましくは反応容器はプラスチック材料から製造され、さらに好ましくは、親水性ポリマーから製造される。好ましい材料は、例えばMakrolon(登録商標)という商標名で販売されているポリカーボネートである。親水性ポリマーの使用により、チューブを、サーマルサイクラー内にある場合に、一般に水平の位置に漏洩なしで保持することができる。所定のサーマルサイクラー、例えば、出願人の同時継続特許出願である英国特許出願第1016014.1号又は対応する国際出願第GB2011/051787号に記載されるものは、サイクル時において反応容器を一般に水平の配向に保持するように設計される。他の適切な材料は、任意の適切な透明材料を含む。例えば、ガラス、トパーズ、ポリスチレンである。
【0020】
ケーシングの係合表面には、弾性ガスケットが設けられる。これにより、係合表面と反応容器との気密嵌めが確保される。ガスケットは任意の適切な材料から作ることができる。特に好ましくは、ゴム、サントプレーン(登録商標)、PTFE等である。
【0021】
ケーシングの係合表面は、反応容器の
口部内に嵌まるサイズ及び形状の一以上の突起を有するのが好ましい。突起の数は一般に、反応容器の数に対応する。突起は、第2構成にある場合に反応容器との締まり嵌めを形成するのが好ましい。これにより、反応容器に気密シールが作られ、ケーシングの取り扱いによって容器を操作することができる。反応容器の内容物の蒸発を低減することもできる。また突起は、係合時に反応容器内の圧力を増大させるので、さらに蒸発が低減される。
【0022】
突起は、反応容器の
口部内に延びるのが好ましい。最も好ましい実施例では、突起は、反応容器の
口部を実質的に埋める。
【0023】
また、ケーシングの係合表面は、一以上の戻り止め又は他の
特徴部を有する。これは、第2構成にある場合に反応容器の外表面と係合するべく設計される。これは、反応容器へのケーシングの保持を補助し得る。
【0024】
ケーシングの開口もまた、一以上の戻り止め又は他の
特徴部を有する。これは、第1構成にある場合に反応容器の外表面と係合するべく設計される。
【0025】
また反応容器も、ケーシングの一部と係合するべく設計される戻り止め又は他の形成部を含む。例えば、反応容器は、
口部に隣接して形成されるリップを含み得る。これは、第1構成においてケーシングの開口と係合する。
【0026】
アセンブリはさらに、RFIDタグ又は他の標識を含む。RFIDタグは、反応容器に又はケーシングに設けることができる。タグは、容器又はケーシングに埋め込むことができる。または、ラベルに設けることもできる。RFIDタグは情報を含むべく構成される。当該情報は、RFIDタグリーダーが特定のアセンブリを識別できるように、又はリーダーがアセンブリの意図された使用を決定できるように選択される。情報は例えば、アセンブリの特定デバイス(例えばサーマルサイクラー)に参照事項を与え並びに/又は試験のタイプ、ロット及び使用期限日、若しくは陽性結果のピーク位置のいずれか若しくはすべてを確認することができる。タグは、読み込み/書き出しフラグにアセンブリが既に使用されたか否かを表示させる能力を有し得る。好ましくは、結果を保存するオプションも含む。データは、暗号化され又はされない小さなxmlストリング又は他のテキストストリングとして保存することができる。使用時、サーマルサイクラーは、RFIDタグに記録された情報を読み込んで、所望の試験(例えば、PCRサイクル数、及び蛍光検出)を行う適切なオペレーティングプログラムを選択することができる。このため、ユーザは、サーマルサイクラーを手動でプログラムする必要がない。同様に、サイクラーは、使用期限日が過ぎていないことを確認し、過ぎている場合にはオペレータに警告することができる。
【0027】
本発明のさらなる一側面によれば、サーマルサイクル反応に使用される反応容器アレイが与えられる。当該アレイは、それぞれが
口部、
本体、及び
先端部を有する複数の反応容器を含む。反応容器の
先端部は、一体型コリメートレンズを含む。
【0028】
レンズは正メニスカスレンズである。正(又は収束)メニスカスレンズは、周縁よりも中心が厚い凹凸レンズである。他の形態のコリメートレンズ(例えばフレネルレンズ)も使用することができるが、正メニスカスレンズが好ましい。コリメートレンズの存在によって、反応容器内で生成される任意の光が確実にコリメートされ、サーマルサイクラーの光ダイオード又は他の光検出手段にて、当該反応容器の全長に沿った蛍光を代表する均一光及び画像を得ることができる。光がコリメートされるので、サーマルサイクラーの光検出機構は、当該機構に対する反応容器位置の不整合又は他の小さなばらつきの耐性が大きくなり得る。これは、製造公差が大きくなり得ることと、このような不整合を補償するべく複雑な光学的配置をサーマルサイクラーに含ませる必要がなくなることとの双方を意味する。さらに、別個のレンズアセンブリをサーマルサイクラー内に設けるのではなく、コリメートレンズを反応容器に一体化することが、サーマルサイクラー製造の複雑性をここでも低減し、当該反応容器を当該別個のレンズアセンブリに整合させる必要性をなくす。また、一体型レンズは一般に、反応容器及びレンズがプラスチック材料から製造される場合に特に、比較的安価に製造される。
【0029】
アレイはさらに、RFIDタグ又は他の標識を含む。タグは、アレイに埋め込むことができる。または、ラベルに設けることもできる。RFIDタグは情報を含むべく構成される。当該情報は、RFIDタグリーダーが特定のアレイを識別できるように、又はリーダーがアレイの意図された使用を決定できるように選択される。情報は例えば、アレイの特定デバイス(例えばサーマルサイクラー)に参照事項を与え並びに/又は当該アレイの内容物に対して行われる試験のタイプ、ロット及び使用期限日、若しくは陽性結果のピーク位置(例えば、放出される蛍光の周波数)のいずれか又はすべてを確認することができる。タグは、アレイが既に使用されたか否かを読み込み/書き出しフラグに表示させる能力を有し得る。好ましくは、結果を保存するオプションも含む。データは、暗号化され又はされない小さなxmlストリング又は他のテキストストリングとして保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
添付図面を参照する例示のみによって、本発明のこれらの及び他の側面が以下に記載される。
【0031】
【
図1】本発明の第1構成にある一実施例に係る反応容器アセンブリを示す。
【
図2】第2構成に向かって動く
図1の反応容器アセンブリを示す。
【
図3】第2構成にある
図1の反応容器アセンブリを示す。
【
図4】
図1のアセンブリの反応容器を拡大図で示す。
【
図5】
図4の反応容器の一つの
先端部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1から3を参照すると、本発明の一実施例に係る反応容器アセンブリ10の異なる図が示される。アセンブリ10は反応容器アレイ12を含む。反応容器アレイ12は、ストリップ内で接合された3つの反応容器14を含む。アセンブリ10はまた、ケーシング16も含む。ケーシング16は、反応容器14を受容する開口18と、開口18に対向する係合表面20とを有する。
【0033】
各反応容器14は、幅広
口部22、幅狭の細長い
本体24、及び
先端部26を含む。ストリップを形成する3つの反応容器14が
口部22において、リップ30を含む接続片28によって接合される。
【0034】
ケーシング16の係合表面20には3つの突起32が設けられる。突起32は、適切な構成にある場合に反応容器14の
口部22と整合するようなサイズ、形状、配置にされる。係合表面20は、隆起エッジ34によって部分的に包囲される。隆起エッジ34には、一連の戻り止め36が配置される。
【0035】
図4は、反応容器アレイ12の一部の拡大図を示す。この図から明確にわかるように、接続片28のリップ30には、リップ30の長さに沿って延びる内部隆起ビード38が形成される。これは、隆起ビードに重なる外部溝と平行をなす。図はまた、反応容器の比較的幅狭な
本体24を示す。これは、毛細管タイプである。
口部22はかなり幅広であり、
本体24のほぼ3倍の広さである。反応容器アレイは、成形ポリカーボネート、例えば、Makrolon(登録商標)から形成される。
【0036】
反応容器の
先端部26が
図5に詳細に示される。
先端部は、容器の
先端部において正メニスカスレンズをなすように成形される。これは、サンプルにより生成された光をコリメートする役割を果たす。その結果、容器の
先端部を出る光が均一となる。コリメートされた光は、サンプルの全長にわたる蛍光を代表する。これにより、高価になり得る外部レンズの必要性がなくなり、サーマルサイクラーの光ダイオードを当該管近くに配置することができるので、低コストかつ低感度の光ダイオードを使用することができる。他の光アセンブリは、ほとんどが高価なダイクロイックミラー及び複雑な光経路を有する。光学系の簡潔さによって、機器のコストが低下する。サンプルブロックにおける管について、整合性要件が一つのみであるという事実によってさらなる利点が生じる。すなわち、光学部品が整合不良となる可能性がなくなる。これにより、サーマルサイクラーの可搬性及び堅牢性を得ることができる。
【0037】
反応容器を成形ポリカーボネートから製造することは、正メニスカスレンズを形成することが比較的簡単になることを意味する。成形ベントがレンズの上方に生じ得る。これは、管の基部にわずかな小アパチャを設けることによって、さらに改善することができる。レンズによって、多くのプラスチックが底部に集積することができる。ここでも、
先端部の前方にベントが生じ得る。その結果、光信号と干渉しない目標線が得られる。これにより、サンプル加熱の良好な熱性能並びに動力学及び均一性の改善を与える0.25から0.35mmの薄壁セクションが得られる。
【0038】
反応容器アセンブリは以下のように使用することができる。
図1は、アセンブリの第1構成を示す。ここで、反応容器アレイ12はケーシング16の開口18内に配置される。アレイ12のリップ30上の隆起ビード38がケーシング16の周縁と係合し、アレイ12及びケーシング16がともに締まり嵌め状態に保持される。この構成において、反応容器アレイは、ケーシング16による損傷及び汚染から保護される。アセンブリ全体を、ケーシング16のみを保持することによって持ち運び移動することができる。サンプルは第1構成のまま反応容器14内に装填される。ケーシングは、取り扱いからの熱伝達を排除又は低減する。
【0039】
サンプルが装填されると、ユーザは、反応容器アレイ12をケーシング16から取り外し(
図2)、当該アセンブリを第2構成に配置する(
図3)。この構成において、アレイ12は、ケーシングの取り付け表面20上に配置される。突起32は、反応容器の
口部22内にぴったりと嵌められる。これが、少なくとも部分的にアレイ12をケーシング16上に保持する役割を果たす締まり嵌めを形成する。容器の
口部22の形状によって、突起32は、容器の
本体24上方の空間のほとんどを埋めることができる。これが、蒸発に起因するサンプル喪失を最小限にする。この配置がまた、容器内圧力を高めるので、ここでも蒸発が低減される。これは、容器を作るのに使用されるポリカーボネート材料の親水性能と組み合わされて、当該界面におけるサンプル喪失を制限する。さらに、
本体の毛細管特性が、
口部内の突起の気密嵌め及び親水性材料とともに、埋められた反応容器を、サンプル喪失なしでサイクル中に実質水平に保持することを可能とする。
【0040】
第2構成にある場合、ケーシング16上の戻り止め36が反応容器アレイ上の溝38に係合し、当該ケーシングが所定位置に保持される。
【0041】
この第2構成において、ケーシング16は、反応容器を保持かつ操作するハンドルとして使用することができる。ここでも、当該容器に直接触れる必要がない。ユーザは、サンプルでの複数の反応を遂行するべく、ケーシング16を保持してサーマルサイクラーの中にアセンブリを挿入することができる。典型的に、これらの反応は、サンプルが蛍光を発生することに関連する。上述したことであるが、反応容器の
先端部におけるコリメートレンズは、サンプルからの任意の放出光をコリメートする役割を果たす。これがその後、サーマルサイクラー中の光ダイオード又は他の適切なセンサによって検出される。
【0042】
例示のみによって記載したが、当業者であれば、記載の実施例に対してなされ得る他の変形例がわかるだろう。