特許第6013358号(P6013358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013358
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】自動車用サブフレーム
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/00 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   B62D21/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-544259(P2013-544259)
(86)(22)【出願日】2012年11月12日
(86)【国際出願番号】JP2012079273
(87)【国際公開番号】WO2013073499
(87)【国際公開日】20130523
【審査請求日】2014年9月19日
(31)【優先権主張番号】特願2011-250154(P2011-250154)
(32)【優先日】2011年11月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592037790
【氏名又は名称】株式会社エフテック
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】高橋 隼人
(72)【発明者】
【氏名】冨久田 憲夫
【審査官】 鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−215567(JP,A)
【文献】 実開平02−054681(JP,U)
【文献】 実開昭62−003372(JP,U)
【文献】 特開昭62−173376(JP,A)
【文献】 特開2011−152911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に重ね合わされたアッパープレート(14)およびロアプレート(15)よりなる本体部(12)の車幅方向外縁と、前記本体部(12)の車幅方向両側に配置された一対のサスペンション支持部材(13)の車幅方向内縁とを、前後方向に延びる接合部で接合した自動車用サブフレームにおいて、
前記サスペンション支持部材(13)に前記アッパープレート(14)および前記ロアープレート(15)の一方のプレートを重ねた状態で、該一方のプレートと前記サスペンション支持部材(13)との間には、両者が重ね合わされる重ね合わせ部(c)と、両者が面一に突き合わされる突き合わせ部(a)とが設けられ
前記サスペンション支持部材(13)に前記アッパープレート(14)および前記ロアープレート(15)の他方のプレートを重ねた状態で、該他方のプレートと前記サスペンション支持部材(13)との間には、前記突き合わせ部(a)より車幅方向外側に前記他方のプレートが延在するようにして両者が重ね合わされる延在部(d)が設けられ
前記接合部は、前記重ね合わせ部(c)に形成されて前記サスペンション支持部材(13)に前記一方のプレートを直接重ねて接合する第1接合部(A)と、前記延在部(d)に形成されて前記サスペンション支持部材(13)に前記他方のプレートを直接重ねて接合する第2接合部(B)とからなり、
前記第1接合部(A)と前記第2接合部(B)とは、前記サスペンション支持部材(13)に対して前記アッパープレート(14)および前記ロアープレート(15)の各々が同じ方向から重ねられた状態で、同じ方向から摩擦攪拌接合の工具が押し付けられた面を有し
前記第1接合部(A)および前記第2接合部(B)とは、車体前後方向において相互に重ならず車体前後方向に延在することを特徴とする自動車用サブフレーム。
【請求項2】
前記アッパープレート(14)および前記ロアプレート(15)のうち、少なくとも前記サスペンション支持部材(13)に近い側のプレートの車幅方向外縁は、前記サスペンション支持部材(13)に形成した段部(13c)に対向することを特徴とする、請求項1に記載の自動車用サブフレーム。
【請求項3】
前記アッパープレート(14)および前記ロアプレート(15)の前後縁は車幅方向に延びる第3接合部(C)で相互に接合されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動車用サブフレーム。
【請求項4】
前記本体部(12)は前記アッパープレート(14)および前記ロアプレート(15)間に空間を有する中空構造であることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動車用サブフレーム。
【請求項5】
前記アッパープレート(14)および前記ロアープレート(15)の車幅方向内側の前記アッパープレート(14)および前記ロアープレート(15)が隣接する部分に第4接合部(D)が配置され、
前記アッパープレート(14)および前記ロアープレート(15)が第4接合部(D)で接合されることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の自動車用サブフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に重ね合わされたアッパープレートおよびロアプレートよりなる本体部の車幅方向外縁と、前記本体部の車幅方向両側に配置された一対のサスペンション支持部材の車幅方向内縁とを、前後方向に延びる接合部で接合した自動車用サブフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
板材よりなるアッパーメンバと板材よりなるロアメンバとを閉断面を構成するように接合し、その車幅方向の両端部にサスペンションアームを支持するアームブラケットをリーンフォースメントを介して接合した自動車用サブフレームが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本特開平7−179180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アッパープレートおよびロアプレートよりなる中空の本体部の車幅方向両端部に一対のサスペンション支持部材を接合して自動車用サブフレームを構成する場合に、本明細書の[発明を実施するための形態]の欄で詳述するように、サスペンション支持部材の上面および下面にそれぞれアッパープレートおよびロアプレートを接合すると、接合強度は増加する反面、接合作業の過程でサブフレームを上下反転させる必要が生じて作業効率が低下する問題があり、逆にアッパープレートおよびロアプレートを纏めてサスペンション支持部材の上面あるいは下面に接合すると、接合作業の過程でサブフレームを上下反転させる必要がなくなって作業効率は向上する反面、サスペンション支持部材、アッパープレートおよびロアプレートの3枚重ねの接合が必要になるために充分な接合強度が得られなくなる問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、サブフレームを構成するアッパープレート、ロアプレートおよびサスペンション支持部材を接合する際に、接合強度を確保しながら接合作業の効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明によれば、相互に重ね合わされたアッパープレートおよびロアプレートよりなる本体部の車幅方向外縁と、前記本体部の車幅方向両側に配置された一対のサスペンション支持部材の車幅方向内縁とを、前後方向に延びる接合部で接合した自動車用サブフレームにおいて、
前記サスペンション支持部材(13)に前記アッパープレート(14)および前記ロアープレート(15)の一方のプレートを重ねた状態で、該一方のプレートと前記サスペンション支持部材(13)との間には、両者が重ね合わされる重ね合わせ部(c)と、両者が面一に突き合わされる突き合わせ部(a)とが設けられ
前記サスペンション支持部材(13)に前記アッパープレート(14)および前記ロアープレート(15)の他方のプレートを重ねた状態で、該他方のプレートと前記サスペンション支持部材(13)との間には、前記突き合わせ部(a)より車幅方向外側に前記他方のプレートが延在するようにして両者が重ね合わされる延在部(d)が設けられ
前記接合部は、前記重ね合わせ部(c)に形成されて前記サスペンション支持部材(13)に前記一方のプレートを直接重ねて接合する第1接合部(A)と、前記延在部(d)に形成されて前記サスペンション支持部材(13)に前記他方のプレートを直接重ねて接合する第2接合部(B)とからなり、
前記第1接合部(A)と前記第2接合部(B)とは、前記サスペンション支持部材(13)に対して前記アッパープレート(14)および前記ロアープレート(15)の各々が同じ方向から重ねられた状態で、同じ方向から摩擦攪拌接合の工具が押し付けられた面を有し
前記第1接合部(A)および前記第2接合部(B)とは、車体前後方向において相互に重ならず車体前後方向に延在することを特徴とする自動車用サブフレーム
が提案される。
【0007】
また本発明によれば、前記第1の特徴に加えて、前記アッパープレートおよび前記ロアプレートのうち、少なくとも前記サスペンション支持部材に近い側のプレートの車幅方向外縁は、前記サスペンション支持部材に形成した段部に対向することを第2の特徴とする自動車用サブフレームが提案される。
【0008】
また本発明によれば、前記第1または第2の特徴に加えて、前記アッパープレートおよび前記ロアプレートの前後縁は車幅方向に延びる第3接合部で相互に接合されることを第3の特徴とする自動車用サブフレームが提案される。
【0009】
また本発明によれば、前記第1〜第3の何れか1つの特徴に加えて、前記本体部は前記アッパープレートおよび前記ロアプレート間に空間を有する中空構造であることを第4の特徴とする自動車用サブフレームが提案される。
【0010】
また本発明によれば、前記アッパープレートおよび前記ロアープレートの車幅方向内側の前記アッパープレートおよび前記ロアープレートが隣接する部分に第4接合部が配置され、前記アッパープレートおよび前記ロアープレートが第4接合部で接合されることを第5の特徴とする自動車用サブフレームが提案される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の特徴によれば、自動車用サブフレームは、相互に重ね合わされたアッパープレートおよびロアプレートよりなる本体部の車幅方向外縁と、前記本体部の車幅方向両側に配置された一対のサスペンション支持部材の車幅方向内縁とを、前後方向に延びる接合部で接合して構成される。本体部およびサスペンション支持部材の接合部は、サスペンション支持部材にアッパープレートおよびロアプレートの一方を直接重ねて接合する第1接合部と、サスペンション支持部材にアッパープレートおよびロアプレートの他方を直接重ねて接合する第2接合部とからなり、第1接合部および第2接合部は、車体前後方向において相互に重ならず車体前後方向に延在するので、サスペンションからサスペンション支持部材に入力された荷重をアッパープレートおよびロアプレートの両方に直接伝達することが可能になって本体部およびサスペンション支持部材の接合強度が高められる。しかもアッパープレートおよびロアプレートはサスペンション支持部材に対して同じ側から接合されるので、サスペンション支持部材にアッパープレートを接合する工程と、サスペンション支持部材にロアプレートを接合する工程との間でワークの姿勢を反転させる必要がなくなって作業効率が向上する。
【0012】
また本発明の第2の特徴によれば、アッパープレートおよびロアプレートのうち、少なくともサスペンション支持部材に近い側のプレートの車幅方向外縁を、サスペンション支持部材に形成した段部に対向させたので、サスペンション支持部材と前記プレートとの間に段差が発生するのを防止して美観を高めることができる。
【0013】
また本発明の第3の特徴によれば、アッパープレートおよびロアプレートの前後縁を車幅方向に延びる第3接合部で相互に接合したので、第1、第2接合部と干渉しない第3接合部によってサブフレームの本体部の強度を高めることができる。
【0014】
また本発明の第4の特徴によれば、サブフレームの本体部はアッパープレートおよびロアプレート間に空間を有する中空構造であるため、サスペンションからサスペンション支持部材を介して本体部に入力される荷重に耐え得る強度を軽量な構造で確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1はサブフレームの平面図である。(第1の実施の形態)
図2図2図1の2−2線断面図である。(第1の実施の形態)
図3図3図1の3−3線断面図である。(第1の実施の形態)
図4図4図1の4−4線断面図である。(第1の実施の形態)
図5図5図1の5−5線断面図である。(第1の実施の形態)
図6図6は第1工程の説明図である。(第1の実施の形態)
図7図7は第2工程および第3工程の説明図である。(第1の実施の形態)
図8図8は摩擦攪拌接合を行う装置の概略図である。(第1の実施の形態)
【符号の説明】
【0016】
12 本体部
13 サスペンション支持部材
13c 段部
14 アッパープレート
15 ロアプレート
A 第1接合部
B 第2接合部
C 第3接合部
D 第4接合部
a 突き合わせ部
c 重ね合わせ部
d 延在部
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1図8に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【第1の実施の形態】
【0018】
図1は、自動車の車体前部に取り付けられるフロントサブフレーム11を上方から見た平面図であって、このサブフレーム11は車幅方向中央に位置する本体部12と、本体部12の車幅方向両側に接合される左右一対のサスペンション支持部材13,13とで構成される。図1図5から明らかなように、本体部12は例えば走行用のモータ・ジェネレータ(不図示)を支持する部分であり、金属板をプレス加工した上側のアッパープレート14および下側のロアプレートロアプレート15を接合した中空構造を有している。アッパープレート14およびロアプレートロアプレート15は車幅方向両端部を除いて概ね同一の外形形状を有するため、図1ではロアプレート15の大部分がアッパープレート14の下側に隠れている。
【0019】
サスペンション支持部材13,13はアルミニウムのダイキャスト製品であり、それらは車体中心面に対して面対称な形状を有しているので、以下、その一方のサスペンション支持部材13について構造を説明する。サスペンション支持部材13に支持されるサスペンションアーム16はA型アームであり、その前部がゴムブッシュジョイント17を介してサスペンション支持部材13の二股状の前部アーム支持部13aに支持されるとともに、その後部がゴムブッシュジョイント18を介してサスペンション支持部材13の平板状の後部アーム支持部13bに支持される。後部アーム支持部13bの下面にはジョイントホルダ19(図7参照)が重ね合わされており、ゴムブッシュジョイント18は後部アーム支持部13bおよびジョイントホルダ19間に挟まれて固定される。
【0020】
アッパープレート14の中央部下面には補強部材20(図2および図5参照)が固定されており、この補強部材20の下端をロアプレート15の上面に当接させた状態で、ロアプレート15を下から上に貫通するボルト21で締結することで、アッパープレート14およびロアプレート15が補強部材20を挟んで接続される。
【0021】
アッパープレート14の後部上面には後部マウント部材22(図2および図3参照)が固定されるとともに、後部マウント部材22の下側に位置するアッパープレート14の下面には一対の補強部材23,23(図2および図3参照)が固定され、更にアッパープレート14の中央部上面には前部マウント部材24(図4参照)が固定される。そして後部マウント部材22および前部マウント部材24にモータ・ジェネレータ(不図示)の後部が支持される。
【0022】
次に、サブフレーム11の組立工程について説明する。
【0023】
サブフレーム11のアッパープレート14、ロアプレート15およびサスペンション支持部材13,13は、摩擦攪拌接合(FSW)により接合されて組み立てられる。摩擦攪拌接合は、先端に突起のある円筒状の工具を回転させながら重ね合わせたワークに強く押し付け、工具の突起をワークに貫入して摩擦熱を発生させながら工具の回転力で接合部の周辺を塑性流動させて攪拌することで、重ね合わせたワークを溶接するものである。
【0024】
図8は摩擦攪拌接合を行う装置の概略図であって、2台のロボット25,25のアーム25a,25aの先端に支持したパレット26にワークであるサブフレーム11を支持し、位置を固定された受台27と位置を固定されたツール28とでワークの被加工部を上下から挟んだ状態で、ロボット25,25によりパレット26を移動させながら接合作業を行うものである。本実施の形態では、サブフレーム11は車載状態に対して上下反転した姿勢で摩擦攪拌接合が行われる。
【0025】
図6はサブフレーム11の組み立ての第1工程を示すものである。パレット26上に左右のサスペンション支持部材13,13を支持し、その上面にアッパープレート14を載置する。車載状態のサブフレーム11は、左右のサスペンション支持部材13,13が最も上側にあり、その下方にアッパープレート14およびロアプレート15が配置されるが、加工時にはサスペンション支持部材13が最も下側に配置される。
【0026】
サスペンション支持部材13の車幅方向内縁の上面に、アッパープレート14の車幅方向外縁を上方から重ね合わせるとき、前側および後側に重ね合わせ部c,cが形成され、その間にアッパープレート14およびサスペンション支持部材13が面一に突き合わされる、突き合わせ部aが形成される。突き合わせ部aは、図4および図6に鎖線で囲んで示される。重ね合わせ部cの前側部分には3個の第1接合部Aが形成され、重ね合わせ部cの後側部分には2個の第1接合部Aが形成される。これら5個の第1接合部A(図3図5および図6参照)は摩擦攪拌接合により接合されるもので、アッパープレート14の車幅方向外縁に沿って前後方向に配置される。サスペンション支持部材13にアッパープレート14を接合した状態で、前記突き合わせ部aを除く部分で、アッパープレート14の車幅方向外縁は、サスペンション支持部材13に形成した段部13c(図3図5および図6参照)に車幅方向内側から対向する。
【0027】
図7はサブフレーム11の組み立ての第2工程を示すものである。第1工程で接合したサスペンション支持部材13,13およびアッパープレート14の上面にロアプレート15を重ね合わせる。ロアプレート15の車幅方向外縁の外形は、基本的にアッパープレート14の車幅方向外縁の外形よりも大きく、前記第1接合部Aはロアプレート15により完全に覆い隠されており、アッパープレート14の前後の一部b(図7参照)だけがロアプレート15車幅方向外縁からはみ出している。そして前記突き合わせ部a(図6参照)の車幅方向外側に延在する延在部dに、サスペンション支持部材13にロアプレート15を摩擦攪拌接合する左右各1箇所の第2接合部B(図4および図7参照)が設けられる。第2接合部Bは、前側の3個の第1接合部Aと後側の2個の第1接合部Aとの間に挟まれるように位置している。従って、第1接合部Aおよび第2接合部Bは前後方向に列状に並んでいる。
【0028】
ロアプレート15は、第2接合部Bでサスペンション支持部材13に接合されるだけでなく、左右各2本のボルト29,30でサスペンション支持部材13に締結される。即ち、ロアプレート15の前部はボルト29でサスペンション支持部材13に締結され、またロアプレート15の後部は、ジョイントホルダ19をロアプレート15に固定する3本のボルト30,31,31のうちの1本のボルト30でサスペンション支持部材13に共締めされる。
【0029】
尚、サブフレーム11は、左右のジョイントホルダ19,19をサスペンション支持部材13に固定する合計4本のボル31…と、サスペンション支持部材13の左右前部を貫通する合計2本のボルト32,32とで、車体のフロントサイドフレーム(不図示)の下面に固定される(図1参照)。
【0030】
続く第3工程では、図7に示すように、アッパープレート14と、その上面に重ね合わされたロアプレート15とが2枚重ねになった部分を、第3接合部Cおよび第4接合部Dにおいて摩擦攪拌接合により接合する。第3接合部C(図2および図7参照)は、本体部12の前縁に沿って車幅方向全域に延びる部分と、本体部12の後縁に沿って車幅方向全域に延びる部分とであり、この第3接合部Cによって本体部12が閉断面に構成される。第4接合部D(図4および図7参照)は、本体部12の中央部の左右各2箇所でアッパープレート14およびロアプレート15が接触する部分に配置される。
【0031】
仮に、サスペンション支持部材13にアッパープレート14およびロアプレート15を重ね合わせて3枚重ねの状態で摩擦攪拌接合を行おうとすると、充分な接合力が得られないためにサブフレーム11の強度が不充分になる可能性がある。また、仮に3枚重ねの状態で摩擦攪拌接合を行ったとしても、サスペンション支持部材13に直接接合されるアッパープレート14にはサスペンション支持部材13からの荷重が充分に伝達されるが、サスペンション支持部材13にアッパープレート14を介して接合されるロアプレート15にはサスペンション支持部材13からの荷重が充分に伝達されないため、サスペンション支持部材13からの荷重をアッパープレート14およびロアプレート15に均等に伝達することができず、サブフレーム11の強度が低下する問題がある。
【0032】
これを回避するために、アッパープレート14をサスペンション支持部材13の上面に重ね合わせて2枚重ねの状態で摩擦攪拌接合を行い、続いてロアプレート15をサスペンション支持部材13の下面に重ね合わせて2枚重ねの状態で摩擦攪拌接合を行うことが考えられる。しかしながら、その場合には、最初の工程の後でサブフレーム11の姿勢を上下反転させる必要があるため、作業効率が大幅に低下する問題がある。
【0033】
一方、本実施の形態によれば、第1工程でサスペンション支持部材13の上面にアッパープレート14を重ね合わせて接合し、第2工程でアッパープレート14の上面にロアプレート15を重ね合わせて接合するので、途中でサブフレーム11の姿勢を上下反転させる必要がなくなって作業効率が大幅に向上する。しかも、アッパープレート14はサスペンション支持部材13に直接接合され、ロアプレート15もサスペンション支持部材13に直接接合されるため、サスペンション支持部材13からの荷重をアッパープレート14およびロアプレート15に均等に伝達してサブフレーム11の強度を高めることができる。
【0034】
またアッパープレート14の車幅方向外縁をサスペンション支持部材13に形成した段部13cに車幅方向内側から外側に向けて対向させたので、サスペンション支持部材13とアッパープレート14との間に段差が発生するのを防止して美観を高めることができる。
【0035】
また第1接合部Aおよび第2接合部Bと干渉しない第3接合部Cおよび第4接合部Dでアッパープレート14およびロアプレート15を相互に接合して閉断面を構成するので、第1、第2接合部A,Bの機能を損なうことなくサブフレーム11の本体部12を閉断面化して強度を高めることができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0037】
例えば、実施の形態ではサスペンション支持部材13、アッパープレート14およびロアプレート15の接合に摩擦攪拌接合を用いているが、溶接等の他の接合手段を採用することができる。
【0038】
また実施の形態では、アッパープレート14およびロアプレート15をサスペンション支持部材13の下面に接合しているが、それをサスペンション支持部材13の上面に接合しても良い。
【0039】
また実施の形態ではアッパープレート14だけをサスペンション支持部材13の段部13cに対向させているが、ロアプレート15だけを、あるいはアッパープレート14およびロアプレート15の両方をサスペンション支持部材13の段部13cに対向させても良い。
【0040】
またロアプレート15をボルト29,29およびボルト30,30でサスペンション支持部材13,13に結合している部分を、第2接合部Bで接合しても良い。
【0041】
また実施の形態ではフロントサブフレーム11を例示したが、本発明はリヤサブフレームに対しても適用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8