特許第6013370号(P6013370)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6013370適応性のあるデータインターフェイスおよび電源用インターフェイスを備えた電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013370
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】適応性のあるデータインターフェイスおよび電源用インターフェイスを備えた電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G08C 19/02 20060101AFI20161011BHJP
   G08C 25/00 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G08C19/02 301
   G08C25/00 H
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-552564(P2013-552564)
(86)(22)【出願日】2012年1月27日
(65)【公表番号】特表2014-504772(P2014-504772A)
(43)【公表日】2014年2月24日
(86)【国際出願番号】US2012022991
(87)【国際公開番号】WO2012106213
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2015年1月13日
(31)【優先権主張番号】61/439,704
(32)【優先日】2011年2月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/114,935
(32)【優先日】2011年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】300057230
【氏名又は名称】セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100091915
【弁理士】
【氏名又は名称】本城 雅則
(74)【代理人】
【識別番号】100099106
【弁理士】
【氏名又は名称】本城 吉子
(72)【発明者】
【氏名】ワーネック,ティモシー,ジェイ
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−071336(JP,A)
【文献】 特開2002−111553(JP,A)
【文献】 特開平11−030530(JP,A)
【文献】 特開2002−310735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 19/02, 25/00
G01D 3/028,18/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子モジュールにおいて、
電力を受け取るために構成される電力供給端子と、
前記電力供給端子で信号レベルを検出するために接続されるデータ検出回路と、
前記データ検出回路に結合される制御回路であって、
前記データ検出回路によって検出される前記信号レベルに基づいて前記電力供給端子を介して第1のモード選択信号を受信し、かつ
入力データを使用して動作を実行するために構成される、前記制御回路と、からなり、
前記データ検出回路は、
第1端で前記電力供給端子に結合され、かつ第2端で接地に結合される分圧器ネットワーク、
前記分圧器ネットワークを介して受信する第1の分圧信号を第1の所定の信号レベルと比較することによって、前記第1のモード選択信号を検出するために構成される第1の比較器、および
前記分圧器ネットワークを介して受信する第2の分圧信号を第2の所定の信号レベルと比較することによって、前記電力供給端子上の前記入力データを検出するために構成される第2の比較器、
を含むことを特徴とする電子モジュール。
【請求項2】
センサモジュールにおいて、
前記センサモジュール用の電力を受け取るために構成された電力供給端子と、
前記電力供給端子に接続されており、かつ、
センサから未較正のセンサ信号を受信し、
前記電力供給端子を介して、前記センサモジュールの外部の発生源から較正データを受信し、かつ電力を受け取り、
前記受信した較正データに基づいて前記未較正のセンサ信号を較正する、
ために構成された、回路と、
から構成され
前記回路は、
第1端で前記電力供給端子に結合され、かつ第2端で接地に結合される分圧器ネットワーク、
前記分圧器ネットワークを介して受信する第1の分圧信号を第1の所定の信号レベルと比較することによって、第1のモード選択信号を検出するために構成される第1の比較器、および
前記分圧器ネットワークを介して受信する第2の分圧信号を第2の所定の信号レベルと比較することによって、前記電力供給端子上の入力データを検出するために構成される第2の比較器、を含む
ことを特徴とするセンサモジュール。
【請求項3】
電子モジュールにおいて、
電力を受け取るために構成される電力供給端子と、
前記電力供給端子で信号レベルを検出するために接続されるデータ検出回路と、
前記データ検出回路に接続される制御回路であって、
前記データ検出回路によって検出される前記信号レベルに基づいて前記電力供給端子を介して第1のモード選択信号を受信し、
前記第1のモード選択信号の受信に応答して、前記データ検出回路によって検出される前記信号レベルに基づいて前記電力供給端子を介して入力データを受け取ることを開始し、
前記入力データを使用して動作を実行するために構成される、制御回路と、からなり、
前記データ検出回路は、
第1端で前記電力供給端子に結合され、かつ第2端で接地に結合される分圧器ネットワーク、
前記分圧器ネットワークを介して受信する分圧信号を所定の信号レベルと比較するために構成される比較器、および
前記比較器の出力に基づいて前記第1のモード選択信号および前記入力データを非同期に検出するために構成される非同期受信器、
から構成されることを特徴とする電子モジュール。
【請求項4】
センサモジュールを構成し、かつ動作させる方法において、
前記センサモジュール上の多目的端子を介して、前記センサモジュールの外部の発生源から較正データを受信し、電力を受け取る段階と、
センサから未較正のセンサ信号を受信する段階と、
前記受信した較正データに基づいて前記未較正のセンサ信号を較正する段階と、
第1の所定の基準が満たされると、前記センサモジュールは、前記センサモジュールが前記多目的端子上の前記較正データをリスンする構成モードに入り、前記センサモジュール上のデータ出力端子を介して前記較正済みセンサ信号を出力する段階と、
第2の所定の基準が満たされることに応答して、前記センサモジュールは、前記センサモジュールが通常動作を実行し、かつ前記多目的端子上の較正データをリスンしない通常モードに入る段階と、からなり、
前記第1の所定の基準は、前記多目的端子上の第1のモード選択信号を検出することを含み、前記第1のモード選択信号は、少なくとも第1の所定の期間にアサートされる第1の所定のデータシーケンスおよび第1の所定の信号レベルのうちの1つを含み、
前記第2の所定の基準は、
第2の所定の期間の終了、および
前記第1のモード選択信号と異なる第2のモード選択信号の前記データ検出回路による検出、のうちの1つを含んでおり、
前記第2のモード選択信号は、少なくとも第3の所定の期間にアサートされる第2の所定のデータシーケンスおよび第2の所定の信号レベルのうちの1つ、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適応性のあるデータインターフェイスおよび電源用インターフェイスを備えた電子デバイスに関する。本特許出願は、2011年2月4日出願の米国仮特許出願第61/439,704号および2011年5月24日出願の米国特許出願第13/114,935号の便益を請求し、同出願を共にその全体を参考文献としてここに援用する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス(本明細書ではモジュールと称される場合もある)は、通常比較的少数の端子を備えており、各端子は、通常特定の目的に専用される。例えば、ある種の電子モジュールは、モジュールに電力を供給するための専用端子、接地を供給するための専用端子および出力データを供給するための専用端子だけを有している。このようなモジュールには、データ入力用の端子は設けられていない。専用端子の数が少ないことで、全体のモジュールサイズは最小化され、インターフェイスも単純化される。したがって、特に、任務モード動作中に追加的な目的が必要とされない場合、そのような追加的な目的のために新規の端子を増やすことは、望ましくない。構成モード動作中でなければ有用ではない端子を含むことは、様々な理由で望ましくない。例えば、追加端子は貴重な空間および材料を消費し、インターフェイスをより複雑なものにするので、端子が何の端子なのかと混乱する危険性を増やすことになる。
【0003】
センサ較正データを伴う電子センサモジュールをプログラムすることは、そのような機能のための付加的な端子が単にモジュールの寿命の限定的な間しか必要ではない一例である。電子センサモジュールおよびその他の類似の電子デバイスでは、通常、製造の際に発生する付帯的な設計変動または運用中に発生するその他の変化を補償するために何らかの形で出力を較正する必要がある。電気的な較正を行う一例では、まずセンサモジュールを製造し、完成したセンサモジュールに周知の刺激を与え、モジュールの出力を周知の刺激に対する予想出力と比較してメモリ内に較正データ表が記録される。センサ信号を出力するとき、センサモジュールがその較正データ表を参照する。したがって、センサモジュールは、周知の刺激に対する予想出力に対して検出されるどのような変動でも補償することができる。電子センサモジュールが較正され、感知機能を実行すれば、付加的にデータ入力することは、あったとしても、ほとんど必要ではない。したがって、較正データを入力する専用端子を利用は望ましいものではなく、なぜならば、そのような専用端子は、他の端子と比べてほとんど役立たないにもかかわらず、貴重な空間および材料を消費して、インターフェイスを複雑なものにすると考えられるからである。
【0004】
較正データを専用端子を使用せずに電子センサモジュールまたは他の電子モジュールにロードするために、多様な技術が存在している。しかし、ある種の既存の技術では、オーバードライブ回路を電子モジュールに一体化する必要があり、これは、大きい領域および大量の電力を消費するものである。さらに、多くの既存の技術では、較正データがロードされるのと同時に、電子モジュールがどのようなデータを出力することも不可能になる、または出力することを防止する。
【発明の概要】
【0005】
概括的には、ここに提案する本発明の実施形態は、小型の、適応性のあるインターフェイスを備えた電子モジュールと、小型の、適応性のあるインターフェイスを使用して当該電子モジュールを構成し、動作させる方法に関する。
【0006】
第1の実施形態では、電子モジュールは、電子モジュール用の電力を受け取るように構成された電力供給端子と、多様な機能を実行するように構成された回路とを含んでいる。電子モジュール回路によって実行される機能は、電子モジュールの任務モード動作を実行するための電力信号、およびデータ信号の両方を、電力供給端子を介して同時に受信することを含む。
【0007】
第2の例示的実施形態では、センサモジュールは、センサモジュール用の電力を受け取るように構成された電力供給端子および多様な機能を実行するように構成された回路を含んでいる。センサモジュール回路が実行する機能は、センサからの未較正のセンサ信号を受信することと、電力供給端子を介して、センサモジュールの外部の発生源から電力および較正データの両方を受け取ることとを含む。センサモジュール回路機能は、受信した較正データに基づいて未較正のセンサ信号を較正することをさらに含む。
【0008】
第3の例示的実施形態では、電子モジュールは、データ入力端子、データ出力端子および多様な機能を実行するように構成された回路を含んでいる。センサモジュール回路が実行する機能は、モード選択信号をデータ入力端子を介して受信することと、モード選択信号の受信に応答して、データ入力端子を介して入力データの受信を開始することを含む。センサモジュール回路機能は、入力データを使用する動作を実行することと、データ出力端子を介して送られた入力データを使用して実行した動作の結果を出力することをさらに含む。
【0009】
第4の例示的実施形態では、センサモジュールを構成し、動作させる方法は、センサモジュール上の多目的端子を介して、センサモジュールの外部の発生源から電力および較正データを受け取ることを含む。この方法は、センサから未較正のセンサ信号を受信することと、受信した較正データに基づいて未較正のセンサ信号を較正することと、センサモジュール上のデータ出力端子を介して較正済みセンサ信号を出力することをさらに含む。
【0010】
本発明の付加的な特徴を後述の詳細説明に記載しているので、説明を読めばその一部が明らかとなるであろう。あるいは本発明を実践することで理解されるであろう。本発明の特徴は、添付の特許請求の範囲で特に指摘している器具およびそれらの組み合せによって理解および会得されるであろう。本発明のこれらの特徴およびその他の特徴については、後述の説明および添付の特許請求の範囲からさらに十分に明らかとなるであろう。あるいは、後述するように本発明を実践することで会得されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明についての上記およびその他の特徴をより明らかにするために、本発明のさらに詳しい説明を添付の図面で示している本発明の特定の実施形態を参照しながら行ってゆく。これらの図面では、本発明の典型的な実施例を描写しているにすぎない。したがって、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。以下に示す添付の図面を通じて付加的な特性および詳細を示しながら本発明について記述し説明してゆく。
図1】小型の、適応性のあるインターフェイスを備えた電子モジュールの一般的な実施形態を示す。
図2】電子モジュールを構成するために、図1の小型の適応性のあるインターフェイスを使用する方法を示す。
図3図1の一般的な実施形態よりも詳細な電子モジュールの第2の実施形態を示す。
図4】電子モジュールを構成するために、図3の小型の適応性のあるインターフェイスを使用する方法を示す。
図5A】動作の異なるモードの間の図3の電子モジュールの入力端子および出力端子での信号レベルのグラフを示す。
図5B】動作の異なるモードの間の図3の電子モジュールの入力端子および出力端子での信号レベルのグラフを示す。
図6】タイマーを使用せずにモードを移行することができる電子モジュールの第3の実施形態を示す。
図7】動作の異なるモードの期間での図6の電子モジュールの入力端子および出力端子での信号レベルのグラフを示す。
図8】検出有効信号の使用により、図6の第3の実施形態より多くの電力を保存する電子モジュールの第4の実施形態を示す。
図9図8の電子モジュールの、小型の、適応性のあるインターフェイスを使用して電子モジュールを構成する方法を示す。
図10】動作の異なるモードの間の、図8の電子モジュールの入力端子および出力端子の内部および入力端子および出力端子での信号レベルのグラフを示す。
図11】動作の異なるモードの期間、図8の電子モジュールの代替的なタイマーのない実施形態の入力端子および出力端子の内部および入力端子および出力端子での信号レベルのグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これより図面について説明してゆくが、図面では、類似の構造には類似の参照記号を付している。これらの図は、本発明の好適な実施形態を図式的および概略的に表わしており、本発明を制限するものではなく、必ずしも縮尺が合っているわけではないことを理解されたい。
【0013】
本明細書で説明している電子モジュールおよびかかるモジュールを使用する方法の実施形態は、とりわけ、入出力端子を効率的に利用しており、これによって、インターフェイスの複雑性および回路のフットプリントサイズを低減している。さらに、ある種の実施形態では、構成モードまたはプログラミングモードの間、モジュールとの間で全二重双方向データ通信が行われる。
【0014】
本明細書で提供している説明は、主として較正済みセンサの読取値を出力する電子センサモジュールの実施形態を対象としたものであるが、本発明の適用は電子センサモジュールを用いた使用、または、電子センサモジュール内での使用のみに限定するものではない。本明細書において説明される本発明のセンサモジュール実施形態は、単に本発明の特定の利点を示す実例にすぎない。当業者であれば理解されるように、制御装置、データロガまたは遠隔制御インターフェイスが所望される任意の他の装置などを含む、これ以外の型の電子モジュールも、本発明の原理から恩恵を享受することができる。
【0015】
図1は、本発明の一般的な実施形態による電子モジュール100の模式的なブロック図である。単一の集積回路、個別構成要素付き回路基板アセンブリ、またはそれらの組み合わせであってもよいモジュール100は、外部回路に接続するためのインターフェイスを有していて、次のような3つの端子、すなわち、電源およびデータ入力(すなわち、多目的)端子110、出力端子120、および接地または基準電圧端子130を備えている。モジュール100は、端子110,120,130しか備えていないように図示されているが、垂直に並ぶ楕円140が示すように、モジュールは、任意の正整数の(1つまたは複数の)端子を含んでいてもよく、これらの端子は、モジュールの設計および/または動作モードに応じて、デジタル式のみ、アナログ式のみ、またはデジタル式とアナログ式の切り替え可能なものとして構成されてもよい。しかし、ある種の実施形態では、端子は専用のデータ入力端子を含まない、および/または、端子の個数が3個に制限され、インターフェイスを単純化し、高度に自己充足的なモジュールになっている。本説明および特許請求の範囲では、その端子の物理的な形状にかかわらず、端子は、モジュールのいかなる入力端子、出力端子または入出力端子も意味するものである。したがって、端子は、突出する導電性ピン、接触パッド、誘導端子、無線周波数端子、またはデジタルもしくはアナログ信号として制御信号、データまたは電力を受け取ることおよび/または発信することができる任意の他のタイプの端子とすることができる。本発明の原理は、端子の形状に何ら限定されるものではなく、したがって、「端子」という用語は広義に解釈されるべきである。さらに、本明細書における電圧信号についての言及は、電流信号、誘導信号、無線周波信号などの等価信号を代わりに使用することができる。
【0016】
本明細書において示される他の回路図面のように、図1は、単に、本発明の実施形態を実践するために使用する可能性があるいくつかの基本構成要素を紹介するために使用される回路ブロック図である。したがって、図形は必ずしも縮尺が合っているわけではなく、多様な構成要素の配置は、何らかの種類の回路上の実際の物理的な位置または接続性を意味するものでもない。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、電源およびデータ入力端子110は、モジュール100の異なるモードでは異なるように使用することができる多目的端子である。通常のモードでは、多目的端子は、単一の目的で使用され、定電圧などの電力を受け取り、モジュール100の中の構成要素に電力を供給する。対照的に、構成モードでは、多目的端子110は、2つの目的で使用され、通常のモードのような、電力の受け取りと、データの受け取りである。多目的端子110を通じて入力されるデータは、構成モードおよび/または通常のモードの間に使用するように意図される実行可能命令および/または参照データであってもよい。例えば、多目的端子110を通じて受信されるデータは、電子モジュール100と一体化されるかまたは電子モジュール100と通信可能に接続されるセンサから出力される未加工のセンサデータを較正するのに使用される較正データであってもよい。電子センサモジュールは、通常モードおよび構成モードの両方において、未加工センサデータを処理するときに較正データを参照し、適切に較正されたセンサデータを出力端子120を通じて出力するように構成され得る。
【0018】
モジュール100の制御信号回路(図示せず)は、モジュール100の動作モードを制御する。図2は、方法200のフローチャートを図示しており、この方法は、モジュール100の制御信号回路によって行うことができ、それによって本発明の1つの実施形態によるモジュール100の動作モードを制御する。方法200は、制御回路が周知の状態で最初に配置されると実施され得る。例えば、制御回路は、モジュール100の中の電源投入時リセット構成要素またはモジュール100の外部にあるリセットピンからリセット信号を受信することに応答して周知のリセット状態に自動的に入るように構成されてもよい。モジュールが周知の状態で配置されると、初期化ルーチンが、実行され、モジュール100が通常のモードに入り得る(ステージ210)。
【0019】
通常のモードで動作する一方で、センサモジュール100は、その通常モード機能または任務モード機能(例えば、センサデータの読取り、加工および出力)を実行する。通常モードの動作中、第1の所定の基準または基準一式が満たされる場合(決定ステージ220)、モジュール100は、構成モードに入る(ステージ230)。そうでない場合、モジュール100は、通常のモードで動作し続ける(ステージ210)。
【0020】
構成モードで動作する間、多目的端子110は、電力信号を供給し続け、モジュール100は、多目的端子110上の電力信号を通じて受信されるデータをリスンする。受信データは、例えば、センサから出力された未加工のセンサデータを較正するのに使用される較正データであってもよい。ある種の実施形態では、構成モードで動作するとき、モジュール100は、その通常の(1つまたは複数の)機能、例えば、センサデータの読取り、加工および出力を実行し続ける場合もある。構成モード動作の間、第2の所定の基準または基準一式が満たされる場合(決定ステージ220)、モジュール100は通常のモードに戻る(ステージ210)。そうでない場合、モジュールは、構成モードで動作し続ける(ステージ230)。
【0021】
モジュール100を構成モードに入らせる第1の所定の基準は、外部の発生源からモジュール100に第1の所定の時間の間の適用される第1の所定の信号レベルである場合がある。モジュール100の回路は、多目的端子110に適用される第1の所定の信号レベルを認識する(ステージ220)ように構成されてもよく、第1の所定の時間の後、構成モードに入ることを起動させる(ステージ230)。多目的端子110のノイズに起因する、構成モードの誤起動を回避するために、第1の所定の時間は、第1の所定の信号レベルに達する、または超えると予想されるノイズ信号の期間を超え得る。
【0022】
モジュール100を通常のモードに戻させる第2の所定の基準(決定ステージ240)は、外部源から多目的端子110に加えられる第2の所定の信号レベルを含んでいてもよい。第2の所定の基準は、第1の所定の基準と同じであるかまたは類似している場合がある。例えば、第2の所定の基準は、第1の所定の時間の間、または、第1の所定の時間と異なる第2の所定の時間の間、多目的端子110に加えられる第1の所定の信号レベルの検出を含んでいてもよい。あるいは、第2の所定の基準は、構成モードに入った後、カウントダウンを開始するモジュール100上のカウントダウンタイマーの終了を含んでいてもよい。必要に応じて、モジュール100は、多目的端子110を通じて入力される他の所定の信号レベルまたはビットシーケンスに応答して付加的なモードに入るように構成され得る。付加的なモードの例として、テストモード、較正モード、プログラミングモード、スタートアップモード、検査モードなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
図3は、図1の電子モジュール100のより特定の実施形態を表す電子センサモジュール300を図示する。図4は、図3のモジュール300の多様な動作モードを制御するための方法400のフローチャートを図示し、図5Aおよび5Bは、グラフ500a,500bをそれぞれ図示し、これらのグラフは、動作の異なるモードの間の、モジュール300の入力端子および出力端子での時間対信号を示している。したがって、図3のモジュール300について、図4の方法400および図5A,5Bのグラフ500a,500bを度々参照しながらこれより説明する。
【0024】
図3を参照すると、モジュール300は、端子310,320,330(図1でモジュール100の対応する端子110,120,130と類似の)および任意選択的に含まれる付加的な非データ受信端子を表している垂直な楕円340を含んでいる。モジュール300は、制御装置340、検出器344,346、センサ348、ならびにタイマー350を備えた回路をさらに含んでいる。検出器344,346は、多目的端子310から入力電圧を受信し、検出信号を制御装置340に出力するように構成されている。後で詳しく述べるように、検出器344によって検出される信号は、モード選択信号であり、検出器346によって検出される信号は、構成データ運搬信号であり、この信号を制御装置340が検出器346から受信して、制御装置340と通信可能に接続される不揮発性メモリーユニットなどのデータ記憶装置352に保存する。
【0025】
図3に示すように、検出器344,346は、受信された入力を基準電圧Vrefと比較することができる論理比較器を含んでもよい。比較器は、多くの場合入力電圧レベルのレベルシフティングを必要とする。そして、それは高いインピーダンス分圧器ネットワークまたは何らかの類似の電圧レベルシフティング回路によって実行することができる。例えば、分圧抵抗器354のネットワークは、モジュール300の中に任意選択的に含まれ、抵抗の値は、多目的端子310から予想される電圧を比較器が正確に検出することができるレベルにシフトするように選択される。分圧器ネットワークの比較器344,345の一方または両方および分圧抵抗器354はまとめて、本明細書においてデータ検出回路と称される回路を備えている。
【0026】
次に図4を参照すると、モジュール300の電源を入れ、スタートアップまたは初期化ルーチンの後、モジュール300は、通常のモードに入る(ステージ410)。通常のモードで動作する間、センサモジュール300は、その通常の(1つまたは複数の)機能、例えば、センサデータの読取り、加工および出力を実行する。通常の動作の間はいつでも、制御装置340が、検出器344から、多目的端子上310で検出された電圧レベルVinが所定の時間の間、第1の所定のレベルVconfigより大きいという指摘を受け取った場合(決定ステージ420)、制御装置340は、モジュール100を構成モードに入らせる(ステージ430)。そうでない場合、モジュール300は、通常のモードで動作し続ける(ステージ410)。
【0027】
次に図5Aを参照すると、電圧Vconfigの第1の所定のレベルおよび第1の所定の時間Tは、モジュール300が構成モードに入るか否かを管理する所定の基準一式を備えている。例えば、垂直の破線と水平の時間軸に沿ってラベルが付されたモードが示すように、多目的端子310上の電圧が所定の時間Tまたはそれより長い間、第1の所定の電圧レベルVconfig以上に維持されれば、モジュール300は構成モードに入る。第1の時間Tはタイマー350および/または時定数および/またはヒステリシス遅延値によって測定されてもよく、それは使用される特定の検出器の中に組み込まれても、またはその検出器固有のものでもよい。多目的端子310上のノイズに起因する、構成モードの誤起動を回避するために、時間Tは、第1の電圧レベルVconfigに達する、またはそれを超えると予想されるノイズ信号の期間を超え得る。
【0028】
引き続き図5Aのグラフ500aを参照すると、構成モードで動作する間、センサモジュール300は多目的端子110上で受信されるデータ510をリスンする。受信データは、センサ348からの未加工のセンサデータ出力を較正するのに使用される較正データであってもよい。構成データ510は、検出器346によって検出される。多目的端子310上の電圧レベルを、第1の電圧レベルVconfigと第1の電圧レベルVconfigより高い(グラフ500aに示すように)またはより低い第2の電圧レベルVdataとの間で調整することによって、構成データは伝えられてもよい。
【0029】
グラフ500aに示すように、第1の電圧レベルVconfigおよび第2の電圧レベルVdataは、共に電源電圧Vddより高くなっているが、これらの電圧レベルが、このようではなく、電源電圧Vddより低くてもよい。第1の電圧レベルVconfigおよび第2の電圧レベルVdataを電源電圧Vddより高く設定する理由の1つは、モジュール300が構成モードで動作する間、引き続き電力を供給され続けることを可能にするためである。あるいは、第1の電圧レベルVconfigおよび第2の電圧レベルVdataの一方または両方が、電源電圧Vddより低くても、モジュール300に充分な電力を供給し続けるのに必要なだけ高くなっている。したがって、構成モードである間、モジュール300は、受信データをデータ記憶装置352に書き込むだけでなく、さらに、センサデータ520を読取り、処理し、出力端子320を介して出力するなどの(1つまたは複数の)通常モードの動作を実行する。したがって、モジュール300の特定の実施形態は、構成モードで全二重双方向通信ができ、制御装置340は、モジュール300が較正済み様式で動作している否かを実証するようにセンサモジュール300の通常の機能を実行することができる。モジュール300が適切に動作していない場合、モジュール300が通常モードに入る前に適切に較正済みであったことを、出力端子320からのデータが操作者または外部の自動試験装置を満足させるまで、較正データの新規のセットを必要な回数モジュール300に送信することができる。
【0030】
図4の方法400を再度参照すると、第2の所定の基準または基準一式が満たされれば(決定ステージ440)、モジュール100は、通常のモードに戻る(ステージ410)。そうでない場合、モジュールは、構成モードで動作し続ける(ステージ430)。第2の所定の基準は検出器346によって検出される所定のデータシーケンス530を含んでいてもよい。制御装置340はこのデータシーケンスを受信し、それに応答してモジュール300を通常モードに戻す(ステージ410)。あるいは、第2の所定の基準は、所定の電圧レベルを含んでいてもよく、それは、第1の電圧レベルVconfig、または例えば電源レベルのVddと第1の電圧レベルVconfigとの間のような別の所定の電圧レベルなどである。別の代替案として、図5Bのグラフ500bに示すように、第2の所定の基準は、第2の所定の時間Tの終了を含んでいてもよい。第2の所定の時間Tは、タイマー350によって測定され得る。例えば、制御装置340は、構成モードになると、タイマー350に所定の時間Tのカウントダウンを開始させることができる。
【0031】
図3を再度参照すると、センサモジュール300に存在し得る付加的な構成要素は、電圧調整器360および出力バッファ362を含む。多目的端子310を通じて入力される過電圧レベルがオーバードライブし、そのため、多目的端子310上のVdd電圧から電力を導出するモジュール300の中のある特定の構成要素を損傷する危険性がある場合、電圧調整器360を設けてもよい。そうでない場合、電圧調整器は、空間を節約するために省略されてもよい。さらに、センサ348、タイマー350およびデータ記憶装置352などの多様な構成要素は、センサモジュール300の外部にあってもよい。例えば、特定の応用例では、センサ348は、比較的大きなユニットであり、かつ/または電子回路に適さない環境条件の遠隔領域に位置しているので、集積回路または回路基板アセンブリの中に容易に含むことができない。
【0032】
図6は、本発明の別の実施形態による電子センサモジュール600を図示する。モジュール600は、主に、タイマー350および検出器346がない点がモジュール300と異なっている。したがって、モジュール600は、多目的端子310がVconfigなどの所定の電圧レベルに、またはそれを上回るように設定される期間を測定するのにタイマーを使用せずに構成モードに入るように構成されている。その代わりに、モジュール600は、特有の構成モードコードが多目的端子310上で非同期で検出されると、構成モードに入るように構成されている。同様に、構成が完了したあとには、別の特有のコードが指定され、通常モードに戻る信号を送ることができる。
【0033】
図7は、動作の異なるモードの期間での、モジュール600の入力端子および出力端子での信号レベル対時間のグラフ700を図示している。グラフ700に示すように、特有のコード710は、外部発生源(図示せず)によって、プログラミングモジュールなどが、多目的端子310上で送信される。制御装置340はこれを受信し、構成モードに入る信号として認識する。構成モードを起動させるのに、第1の電圧レベルVconfigなどの所定の電圧レベルの代わりに特有のコードが使用されるので、較正データは、電源レベルVddと第2の電圧レベルVdataとの間の多目的ラインの変調を検出することによって受信され得る。さらに、第2の電圧レベルVdataは、例えば、第1の電圧レベルVconfigのレベルでは低くなり得る。
【0034】
特有のコードの非同期検出を実施するために、汎用非同期受信器/送信器などの非同期受信器610は、モジュール600に含まれ、検出器344の出力を受信して、制御装置340にシリアルデータ列を送信する。非同期受信器610は、多目的端子310を通じて入力されるシリアルデータ列を検出する。制御装置340は、その後、シリアルデータ列を加工してデコードし、モジュール600の構成モードを起動させるのに指定される特有の識別コードにマッチするかどうかを判定する。当業者であれば理解されるように、構成モードに入った後確立されるプロトコルおよび/または初期接続手順は、全体システム・アーキテクチャ、または、外部のデータ源およびモジュール600が通信を処理するように構成されている方法次第で、多様な方法の中のいずれの方法で実施されてもよい。
【0035】
図8は、本発明の別の実施形態による電子センサモジュール800を図示する。モジュール800は、モジュール300内の回路の全てを含んでおり、更に制御装置340からの検出有効信号820によって制御される一組のスイッチ810を含んでいる。使用されていないときでも、抵抗354の分圧器ネットワークは電力を消費する。したがって、モジュール800では、タイマー350は、制御装置340が検出有効信号820をアサートし、受信される構成データ用多目的端子310をリスンする時間ウィンドウを制御する。検出有効信号820のアサーションは、スイッチ810を開き、不使用時には分圧器ネットワークを無効にする。したがって、こうならない場合に分圧器ネットワークによって消費される電力が、節約される。
【0036】
図9は、図8のモジュール800の多様な動作モードを制御するための方法900のフローチャートを図示している。図10は、グラフ1000を図示しており、これは、動作の異なるモードの間のモジュール800の入出力端子における信号レベル対時間および検出有効信号820についてのグラフである。したがって、図8のモジュール800について、図9の方法900および図10のグラフ1000を度々参照しながらこれより説明してゆく。
【0037】
モジュール800の電源を入れるか、またはリセットの後、モジュール800は、初期設定モードに入り、このモードでは、始動または初期化ルーチンが実行され、検出有効信号820は、アサートされる(ステージ910)。初期設定モードの間、制御装置340が検出器344から、多目的端子310で検出した電圧レベルVinが、所定の時間の間(決定ステージ920)、第1の所定のレベルVconfigより大きいという指摘を受信する場合、制御装置340は、モジュール800を構成モード(ステージ930)に入らせる。構成モードに入るべきかどうかを判定することに加えて、制御装置340は、第3の所定の時間(すなわち、構成時間)Tが終了したかどうかを判定する(ステージ922)。例えば、制御装置340は、初期設定モードに入ると、タイマーに構成時間Tのカウントダウンを開始するように命令し得、タイマー350は、制御装置に、いつ構成時間が終了するのかを示してもよい。構成時間Tが終了しておらず、多目的端子310で検出した電圧レベルVinが、第1の所定のレベルVconfigより大きくない場合、モジュール800は初期設定モード(ステージ910)で動作し続ける。しかし、構成モードに入る前に構成時間Tが終了している場合、制御装置340は、モジュール800を通常モードに入らせ、かつ構成モードに入ることなく、検出有効信号620をディアサートする(ステージ950)。限定的な構成時間を実施することは、そうでない場合に分圧抵抗器354のネットワークによって消費される電力を節約する。
【0038】
図10のグラフ1000を参照すると、構成モードで動作する間、センサモジュール800は、多目的端子310上で受信されるデータ510をリスンしている。データ510は、検出器346によって検出され、例えば、センサ348を較正するのに使用される較正データであり得る。
【0039】
図9の方法900を再度参照すると、構成モードで動作する間、第2の所定の基準または基準一式が満たされる場合(決定ステージ940)、制御装置340は、モジュール800を通常のモードに入らせる(ステージ950)。通常のモード(ステージ950)では、制御装置340は、検出有効信号720をディアサートして電力を節約し、センサモジュール100にその通常の機能(例えば、センサデータを読取り、加工および出力すること)を実行させる。そうでない場合、モジュールは、構成モード(ステージ930)で動作し続ける。第2の所定の基準は、検出器346によって検出される所定のデータシーケンス530を含んでいてもよい。制御装置340は、このデータシーケンスを受信し、それに応答してモジュール800を通常モードに入らせる(ステージ950)。あるいは、第2の所定の基準は、図10のグラフ1000に図示するように所定の電圧レベルまたは第4の所定の時間Tの終了を含んでいてもよい。
【0040】
図8のモジュール800の代替的な実施形態では、タイマー350は、省略されており、モード選択は、時間TおよびTを使用せずに実行される。したがって、モジュール800は、通常の動作期間を含め、いつでも構成モードに入ることおよび出ることが可能である。例えば、上記のように、所定のデータシーケンス530などの非タイマーベースの基準は、構成モードから通常のモードへの移行を起動させ得る。
【0041】
さらに、構成モードに入ることを可能にするために、検出有効信号820が、周期的な間隔でパルス化またはストローブ化され、第1の電圧レベルVconfigなどのモード選択信号または特有のコードが、多目的端子310上で検出される。検出有効信号820をストローブ化することによって、モジュール800は、通常の動作期間を含め、いつでも構成モードを入ることができる。検出有効信号820をストローブ化すると、抵抗354の分圧器ネットワークを周期的に動作させることにより、やはり若干の電力を消費するとはいえ、検出有効信号820をディアサートさせると、いくらかの電力がさらに節約される。
【0042】
モジュール800の代替的な実施形態の実施例では、検出有効信号820は、100ms毎に10msの間アサートされ得、検出器344の出力は、制御装置340に一体化されたまたは通信可能に接続されたカウンタ(図示せず)に送られる。第1の電圧レベルVconfigなどのモード選択信号が、多目的端子310上で所定の回数、検出されたと制御装置340が認識すれば、制御装置340は、モジュール800を、どのモードに入っていたとしてもそこから出してから構成モードに入らせて、検出器346からのデータをリスンさせる。ノイズ事象が検出有効信号820のアサーションと同時に発生する場合に不用意に構成モードを起動させることを回避すると検出有効信号820がアサートされたときにモード選択信号が検出されない場合、制御装置340は、カウンタをゼロにリセットするように構成されている。この費用のかからない、モード移行の実施は、多目的端子310上で信号のローパスフィルタをシミュレートする。ローパスフィルタリングのこのデジタルシミュレーションの類似物は、RCフィルタであり、これは、一般的には、さらに多くのチップ面積を消費するものである。
【0043】
図11は、グラフ1100を図示しており、これは、モジュール800のタイマーのない実施形態の動作の異なるモードの期間の、入出力端子における信号レベル対時間および検出有効信号820についてのグラフである。グラフ1100に示すように、検出有効信号820は、一連のパルス1110,1120によって表される一定の間隔でストローブ化されている。時間Tに外部源が第1の電圧レベルVconfigを印加し、構成モードへの移行を開始する。制御装置340は、検出有効信号820の一連の連続的なパルス1120のそれぞれで第1の電圧レベルVconfigを検出し、これは検出器344,346による検出を一時的に可能にする。第1の電圧レベルVconfigが充分な数の連続的な回数(例えば、予想される雑音レベルに応じて約3回から約20回)で検出されると、制御装置340は、モジュール800を構成モードに入らせる。グラフ1100に示すように、制御装置340は、構成モードの期間、検出有効信号820をアサートし、検出器346によるデータの受領を可能にする。
【0044】
較正データを受信し、さらにセンサモジュールの電源を入れるのに多目的端子を使用することで、センサモジュールの比較的小型のインターフェイスが、複数のモードにおける複数の動作に効率的に使用され、較正を迅速に実行することが可能になる。さらに、データを出力する単一目的のデータ出力端子を維持することで、較正データを受信するのにモジュール上に必要とされる追加ハードウェアの量を最小限に抑え、構成モードの間、全二重双方向通信を可能にし、通信速度を上げる。さらに、本明細書において説明されるセンサモジュールは、標準的なセンサモジュールにほんの少数の小型の低電力消費型構成要素を追加することで構成機能を実行するものである。例えば、本明細書において説明されるセンサモジュールは、高出力/低速運転回路の統合を必要としない。そのような統合は、電源端子を通してデータを出力する一部の他の実施では含まれるものであり、それは電力供給端子に一般的に実装される大きな静電容量に起因する。その代わりに、高出力運転回路は、本発明のセンサモジュールの外部にある試験またはプログラミングシステムにおいてのみ必要とされることが可能である。
【0045】
多様な実施形態についての前述の詳細な説明は、例証として示したものであり、これに限るものではない。したがって、本発明は、その趣旨または主要な特徴から逸脱することなく他の具体的な形で実施されてもよい。例えば、前述の説明は、センサモジュールを対象とするものであったが、限定された数の(または、そのために、例えば、減らされた数の端子がインターフェイスの複雑さを低減させることを所望される)端子を有し、さらに、構成、テスト、ファームウェアのアップグレードまたは入力データまたは命令が必要とされる、またはスタートアップ時にのみおよび/または動作中に比較的稀な間隔で必要とされると予想される、任意の他の目的でデータを受信する必要のある、どのようなモジュールまたは回路も、本発明の原理から利益を得ることができる。そのように代替的なモジュールの実施例は、とりわけ、スタートアップ時もしくは維持されるべき目標速度の通常の動作の間入力を必要とする場合のあるモータースピードコントローラモジュール、スタートアップ時もしくは維持されるべき目標環境パラメータの通常の動作の間入力を必要とする場合のある環境パラメータ制御装置モジュール、またはスタートアップ時もしくはログをとる所望のパラメータ、有効/無効設定、等の通常の動作の間入力を必要とする場合のあるデータロガ、を含んでいる。
【0046】
さらに、当業者であれば理解されるように、電源電圧用のVddの表記は例示的なものであり、本発明の実施を電力が電界効果トランジスタのドレイン端子に供給されるものに限定するよう意図するものではない。例えば、バイポーラ接合トランジスタを使用する実施なども想定される。
【0047】
説明してきた実施形態は、あらゆる点において、単に例示的であり限定的なものではないとみなされる。したがって、本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示されるものである。特許請求の範囲と等価の意味および範囲の中で行われるすべての変更は、本発明の範囲の中に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11