(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
「第一実施形態」
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。本実施形態では、まず、溝蓋用受枠の構造に係る実施形態について説明し、その後、この溝蓋用受枠の一実施形態を使用した溝蓋用受枠の配設方法の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態であって、何等これらに限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
[溝蓋用受枠の構造]
【0024】
図1乃至
図7は、本発明溝蓋用受枠の一実施形態(第一実施形態)である溝蓋用受枠の一例を示す図である。溝蓋用受枠は、例えば、鋼材を格子状に組んで構成されたグレーチング(溝蓋)を受ける枠部材である。なお、配設されるグレーチングは特に限定解釈されるものではなく、本発明の溝蓋用受枠に配設可能な形態の全てが対象とされる。
【0025】
溝蓋用受枠(以下、本実施形態において「グレーチング用受枠」と称する。)2は、溝蓋(グレーチング)1を受ける受枠本体3と、グレーチング用受枠2全体の配設高さを鉛直方向で高低調整し、受枠本体3の上縁面(後述する壁板部8の上端8e)と路面60との高さを合わせる高さ調整部(不陸調整部)15と、隣り合わせて配設される溝蓋用受枠2,2同士を離間しないように連結して一体化する連結機構とで構成されている(
図1乃至
図5及び
図17参照。)。
本実施形態のグレーチング用受枠2は、一つの受枠2に二つのグレーチング1,1を配設固定する形態である。
【0026】
受枠本体3は、一対の受板部材4,4と、所定間隔をあけて並設した前記一対の受板部材4,4の相対向する夫々の端部(後述する壁板部8の前端8a,8a、9a,9a)間にわたって架け渡される一対の側板部材10,10とで矩形枠状に構成されている(
図1参照。)。
【0027】
受板部材4は、少なくとも、所定長さの底板部5と、前記底板部5の一つの長辺部5aから垂直方向(図中矢印L1で示す方向)に一体に立ち上げられた壁板部8を含んで構成されており、さらに本実施形態では、底板部5の他の長辺部5bから垂直方向(図中矢印L1で示す方向)に一体に吊り下げられた膜板部9を含む構成を採用している(
図1及び
図2参照。)。
【0028】
底板部5は、所定長さの平板状に形成されている。
底板部5には、グレーチング1を着脱自在に固定するボルト止め用の固定孔5cが形成されており、底板部5の裏面側には、前記固定孔5cと連通して一体に固定され、雄ねじ部6aが底板部5の表面側に突出する固定ボルト6が配設されている(
図1、
図2及び
図4参照。)。
本実施形態の固定ボルト6は、底板部5の裏面側に溶着固定されている。
通常、一つのグレーチング1を固定する場合、四隅を固定する(四箇所固定する)ため、本実施形態では二つのグレーチング1,1を配設固定するため、一つの底板部5に4個、相対向する二つの底板部5,5で計8個の固定ボルト6…が突設されている(
図1参照。)。
【0029】
本実施形態では、このように固定ボルト6が底板部5の裏面側に溶着され、その雄ねじ部6aが固定孔5cを介して底板部5の表面側に突出している構造を採用したため、底板部5の表面側に突出している固定ボルト6の雄ねじ部6aを、グレーチング1側の固定孔1bに挿通させて、上方から袋ナット7などで止めることができる。
従って、グレーチング1の着脱作業が大変容易かつ短時間で行い得ることとなり大変有用である。
なお、固定ボルト6は、本実施形態の仕様に限定されることはなく、底板部5と溶着によって一体に固定されているものではなく、グレーチング1を配設する際に別途底板部5の固定孔5cとグレーチング1の固定孔1bを連通させて差し込み、かつ固定するものであってもよく本発明の範囲内である。
【0030】
壁板部8は、前記底板部5の一つの長辺部(
図1及び
図2にてそれぞれ外側の長辺部)5aの全領域から、同一長さの平板状に垂直方向(
図1及び
図2にて矢印L1で示す方向)に一体に立ち上げられている。壁板部8は、本実施形態において、前記底板部5と同一厚み(
図2における矢印L2方向の厚さで、底板部5の矢印L1方向の厚さと同一)及び同一幅(
図2における矢印L1方向の幅(高さ)であって、底板部5の矢印L2方向の幅と同一)に形成されている(
図2参照。)。
【0031】
膜板部9は、底板部5の他の長辺部(
図1及び
図2にてそれぞれ内側の長辺部)5bの全領域から、同一長さの平板状に垂直方向(矢印L1方向)に一体に吊り下げられている。
膜板部9は、型枠配設工程において、型枠が当接する領域を広く確保し、型締めする際に型枠自体がずれないようにする役割を担っている。これにより、型枠配設工程が容易となるとともに、施工時間も短縮できる。
また、膜板部9は、後述する連結材料充填空間(連結材料注入空間)27に注入される連結材料63を受け止める役割を担っている。
【0032】
膜板部9は、本実施形態において、前記底板部5と同一厚み(
図2における矢印L2方向の厚さで、底板部の矢印L3方向の厚さと同一)に形成されているが、
図2における矢印L1方向の幅(吊り下げ長さ)は、底板部5の矢印L2方向の幅(水平方向長さ)や、壁板部8の矢印L1方向の幅(高さ)と比して幅狭(短尺)に形成されている(
図2参照。)。
なお、膜板部9の吊り下げ状の幅(矢印L1で示す吊り下げ長さ)は特に限定されず、長短任意に設定可能である。また、本実施形態では、平板状であるが、波板状、凹凸板状などであってもよい。
【0033】
側板部材10,10は、所定長さの平板状に形成されており、所定間隔をあけて並設した前記一対の受板部材4,4の相対向する夫々の端部間、すなわち、壁板部8,8の前端8a,8a間と後端8b,8b間にわたってそれぞれ架け渡されている。
本実施形態で側板部材10は、両受板部材4,4のそれぞれの壁板部8,8の外側面8c,8c間の距離L4よりも、長さ方向の幅L5が短く形成(短尺に形成)されており、前記側板部材10の端縁(側面)10a,10a及び10a,10aと、前記壁板部8,8の端縁8a,8a及び8b,8bとが受枠全体の幅方向(
図1乃至
図4にて矢印L2で示す方向)でずれて段差部11が形成されている(
図3及び
図4参照。)。
このように構成することにより、この段差部11で出来た空間領域12にコンクリート64などが入り込み、強固な連結効果を発揮する(
図5参照。)。
【0034】
連結機構は、連結プレート13と、連結ボルト13bとで構成されており、隣り合って配設される溝蓋用受枠2.2同士を離間しないように連結する機構である。連結機構(連結プレート13、連結ボルト13b)は、受枠外側面の所定位置に備えられ、かつ隣り合う溝蓋用受枠2,2を連結一体化して施工領域に配設された後において、新たに打設して形成された路面(コンクリート64など)下にて、前記路面(コンクリート64など)と一体となることを特徴としている(例えば
図5、
図8などを参照。)。
【0035】
本実施形態では、側板部材10の所定位置に、所定大きさの連結プレート13を一体に成形している(
図1乃至
図4参照。)。
例えば、連結プレート13は、本実施形態では、短尺平板状に形成されるとともに、前記側板部材10の端縁(側面)10aの外側面所定位置から水平方向に一体に突出し、前記連結ボルト13bを通すボルト孔13aをその板中心位置に設けている(
図1乃至
図4参照。)。
すなわち、本実施形態によれば、連結プレート13が、受枠本体3の配設方向(図中L3で示す方向)に直交する方向(図中L2で示す方向)に突出することとなるため、ボルト孔13aは、受枠本体3の配設方向(図中L3で示す方向)と平行に位置している(
図1乃至
図5参照。)。
【0036】
連結プレート13は、本実施形態において、前後それぞれの側板部材10,10の左右の端縁(側面)10a,10aと10a,10aに、それぞれ一つずつ(計4つ)突設している(
図1参照。)。
【0037】
なお、連結プレート13の配設位置や形状は本実施形態に何等限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内において適宜設計変更可能である。
例えば、壁板部8の外側面8cの所定位置に配設することも可能で仕様によって適宜選択可能である。特に本実施形態の場合、後述するとおり、高さ調整部15を構成する曲げ板部材16が受板部材4の壁板部8よりも水平方向(
図4で矢印L3で示す方向)の長さが僅かに短尺に形成され、曲げ板部材16を構成する短尺壁板部17と水平板部20のそれぞれの端縁(前端17a,後端17b)と、前記壁板部8の端縁(前端8a,後端8b)とが受枠全体の長さ方向(
図1及び
図4で矢印L3で示す方向)でずれて段差部18…が形成されている(
図4参照。)ため、この段差部18領域に配設することも想定される。なお、連結プレート13は高さ調整部15から水平方向に突設してもよい。
【0038】
本実施形態では、このように水平方向に突出する連結プレート13…を備え、連結プレート13を介して隣り合うグレーチング用受枠2…同士が連結して一体化される構造を採用しているため、次のような特有の作用が発揮される。
【0039】
施工範囲における施工精度を確保することが可能である。すなわち、現場の施工範囲(区域)は決まっており、その範囲内に規定通りに規定数量のグレーチング用受枠2(グレーチング)を配設しなければならない。しかし、グレーチング用受枠2…を配設していくに従って、隣り合うグレーチング用受枠2同士が僅かにでも離間した状態(ずれが生じた状態)で配設してしまうと、その施工区域の終点に行くに従ってそのずれが重なっていき、最終的には規定数量のグレーチング用受枠が配設し得ないという状況も出てきてしまう。
本実施形態によれば、連結プレート13を介して隣り合うグレーチング用受枠2…同士が連結して一体化されるため、グレーチング用受枠2,2間に離間が生じたりすることはない(ずれが生じない。)。
よって、施工範囲における施工精度を確保することができ、大変有用である。
【0040】
また、連結プレート13を介して隣り合うグレーチング用受枠2…同士が連結して一体化される構造を採用しているため、施工後の安全性と耐久性が向上する。すなわち、一体化されることにより、施工範囲内の全てのグレーチング用受枠2…が、いわゆる総持ち状態となるため、グレーチング用受枠2(グレーチング1を含む)が飛散したり、部分的に出っ張って歩行者や自動車が引っ掛かったりする虞も少なく安全性が高くなる。また、上述のとおり総持ち状態となることにより、ガタツキがなくなるため、それぞれのグレーチング用受枠が受け得る衝撃も少なくなり耐久性が向上する。さらに、上述のとおり総持ち状態となることにより、仮にグレーチング用受枠2…を支えている側溝50の一部や連結材料63の一部が何等かの要因で欠損したとしても、その欠損領域に配されているグレーチング用受枠2は全体のグレーチング用受枠2…によって支えられている状態であるため、沈下する虞もない。したがって、安全性も確保される。
【0041】
左右の受板部材4,4は、それぞれの底板部5,5を同一高さで、水平かつ平行に位置させた状態で、それぞれの壁板部8,8の前端8a,8a同士及び後端9b,8b同士にわたって架け渡された前後の側板部材10,10と一体に固定されることで所定大きさの平面視矩形の枠形状を構成し、左右の受板部材4,4の底板部5,5がそれぞれ相対向してグレーチング1の当接受面を構成している(
図1及び
図2参照。)。
【0042】
高さ調整部15は、前記受板部材4の壁板部8の外側面(背面)8cに、背中合わせ状に一体に固定される曲げ板部材16と、曲げ板部材16に備えられる高さ調整部材24とを含み構成されている。
【0043】
曲げ板部材16は、前記受板部材4の壁板部8の外側面(背面)8cに、背中合わせ状に一体に固定された短尺壁板部17と、短尺壁板部17の下側の長辺部17eに一体に設けられた水平板部20とで略逆L字状に構成されている。
【0044】
短尺壁板部17は、平板状に形成され、前記受板部材4の壁板部8よりも鉛直方向(
図1乃至
図3にて矢印L1で示す方向)で短尺に形成されるとともに、本実施形態では、前記壁板部8の幅方向長さ(
図1及び
図4にて矢印L3で示す横方向の長さ)よりも僅かに短尺に形成されている。
【0045】
従って、受板部材4の壁板部8の外側面(背面)8cに一体に成形されたときに、前記短尺壁板部17のそれぞれの端縁(前端17a,後端17b)は、前記壁板部8のそれぞれの端縁(前端8a,後端8b)よりも内方に位置し、かつ前記短尺壁板部17の上端17cは、前記壁板部8の上端8eよりも内方に位置して一体化されているため、受枠全体の長さ方向L3と高さ方向L1で夫々ずれて段差部18,19が形成されている(
図1及び
図4参照。)。なお、前記壁板部8と短尺壁板部17の下端8d,17d同士は同一水平位置にある(
図4参照。)。
【0046】
このように構成することにより、この段差部18,19で出来た空間領域に連結材料(無収縮モルタルなど)63が入り込み、強固な連結効果を発揮する(
図5参照。)。また、段差部18は、連結部材63を連結材料充填空間(連結部材注入空間)27に注入するための注入領域としても使用可能である。
【0047】
水平板部20は、平板状に形成され、前記短尺壁板部17の下側の長辺部17eの全領域から、該短尺壁板部17の長辺部17eと同一長さをもって水平方向に一体に設けられている(
図1乃至
図4参照。)。
そして、この水平板部20には、高さ調整ボルト用孔21と、連結材料63を注入するための注入孔22,23とを備えている。
【0048】
水平板部20は、本実施形態において、前記短尺壁板部17と同一厚み(
図2における矢印L1方向の厚さで、短尺壁板部17の矢印L2方向の厚さと同一)に形成されているが、
図2における矢印L2方向の幅(短尺方向の長さ)は、短尺壁板部17の矢印L1方向の幅(高さ方向の幅)と比して幅広(長尺)に形成されている(
図2参照。)。
【0049】
高さ調整ボルト用孔21は、高さ調整ボルト26を挿通する孔であって、本実施形態では、一つの水平板部20の長さ方向(
図1にて矢印L3で示す方向)に二箇所設けられている(
図1参照。)。
【0050】
注入孔22,23は、本実施形態のグレーチング用受枠2を施工現場(側溝上部52)に配設した後、高さ調整部15の水平板部20と側溝上部52との間に形成された連結材料充填空間(連結材料注入空間)27に連結材料63を注入・充填せしめる際に利用する孔である。
【0051】
また、本実施形態において、大径の注入孔22は、差し筋部材28を側溝上部(水路上部)52へ打ち込むための孔部としても兼用している(
図19参照。)。
すなわち、グレーチング用受枠2を側溝上部(水路上部)52に配設した状態で、注入孔22に所定の穿孔用の電動ドリル29などを用いて差し筋用孔53を穿設するため、及び所定径の差し筋部材28が注入孔22内に位置することとなるため、穿設作業に支障を来さず、かつ連結材料63の注入作業に支障を来さないように孔径・孔形状が本発明の範囲内で設計変更可能である。なお、差し筋部材28は周知構造のものが本発明の範囲内で使用され、設計変更可能である。
【0052】
本実施形態では、一つの水平板部20の長さ方向(
図1にて矢印L3で示す方向)に大径の注入孔22を三箇所設けている。また本実施形態では、二箇所の高さ調整部材24,24の配設箇所の間に備えている(
図1参照。)。
【0053】
また、これら注入孔22,23は、連結材料充填空間(連結材料注入空間)27に連結材料63が十分に注入・充填されたか否かを確認する充填確認孔としての機能をも有している。注入孔22,23から連結材料63を注入・充填しているときに、注入孔22,23から連結材料63が溢れ出る程度となることを確認する。これにより、連結材料充填空間(連結材料注入空間)27への連結材料63の充填不足が防止できる。
【0054】
本実施形態では、一つの水平板部20の長さ方向(
図1にて矢印L3で示す方向)に小径の注入孔23を二箇所設けている。また本実施形態では、注入孔22,22と22,22に挟まれた間にそれぞれ一つずつ注入孔23,23が備えられるように構成されている(
図1参照。)。
なお、注入孔22,23の孔径・孔形状は、特に本実施形態に限定されず任意である。
【0055】
高さ調整部材24は、水平板部20に形成された高さ調整ボルト用孔21と連通するとともに、水平板部20の裏面に一体に固定されるナット25と、水平板部20の表面側から高さ調整ボルト用孔21を介してナット25に螺合されて鉛直方向(
図1乃至
図4にて矢印L1で示す方向)に進退自在な高さ調整ボルト26とで構成されている。
従って、高さ調整ボルト26は、左右方向に回転させることにより、水平板部20の裏面側にて突出高さが長短調整される。
高さ調整ボルト26の長さは特に限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
【0056】
水平板部20の裏面側に突出する高さ調整ボルト26の先端26aは、側溝などの水路上部52の切断面52aに当接させるが、本実施形態では、高さ調整ボルト26の先端26aを直接当接させるのではなく、水路上部52の切断面52aに置いたボルト受け部材30に当接させるものとしている(
図5乃至
図8参照。)。
【0057】
ボルト受け部材30は、例えば、平坦な頂面30cを有する円錐台状に合成樹脂材をもって形成されており、その中心位置に高さ調整ボルト26の先端26a側が挿入可能な孔30bが形成されている。本実施形態では、所定長さの縦孔形状の孔30bを備え、この孔30bに高さ調整ボルト26の先端26aを挿入する形態を採用しているが、頂面26cを窪ませてその窪ませた頂面に高さ調整ボルト26の先端26aを当接させる形態であってもよく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
【0058】
このようにボルト受け部材30を用いることにより、高さ調整ボルト26の先端26aが回転し易くなり、高さ調整作業が容易となる。また、高さ調整ボルト26は水路上部52の状況(凹凸面など)によっては傾斜状に当接する場合があるが、そのような場合でもずれることなく高さ調整が可能である。
【0059】
本発明溝蓋用受枠(グレーチング用受枠)2の材質は、特に限定されないが、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、FRP製などが想定され、施工場所などに応じて適宜選択されるものである。また、溝蓋(グレーチング)1にあっても、鉄、ステンレス、アルミニウム、FRP製などが想定され、施工場所などに応じて適宜選択されるものである。
【0060】
[溝蓋用受枠の敷設方法]
図15乃至
図21は、本発明溝蓋用受枠(グレーチング用受枠)2の敷設方法の一実施形態を示す図である。なお、
図14は、本発明施工前のグレーチング用受枠の敷設状態を示す。
本実施形態では、現場に設置されている既設水路(側溝や横断溝など)50の古くなった上部所定領域51を除去し、その上部所定領域51を除去した後の水路(側溝)上部52にグレーチング用受枠2を配設する敷設方法をもって以下説明する。
【0061】
本実施形態におけるグレーチング用受枠2の敷設方法は、例えば、「(1)既設側溝の上部切断除去工程」→「(2)溝蓋用受枠の設置工程」→「(3)高さ調整工程・連結材料注入空間形成工程」→「(4)型枠配設工程」→「(5)差し筋配設工程」→「(6)連結材料注入工程」→「(7)溝蓋設置工程」を経ることにより施工完了となる。
【0062】
「(1)既設側溝の上部切断除去工程」
本実施形態の溝蓋用受枠(グレーチング用受枠)2の設置対象とされる既設のコンクリート製U字型側溝(既設水路ともいう。)50に配設されている溝蓋用受枠(グレーチング用受枠)100,200と溝蓋(グレーチング)500を取り除き(
図14,
図15参照。)、その既設側溝50における左右の側溝上部の所定領域51,51を、所定の切断装置でそれぞれ切断して除去する(
図16参照。)。
【0063】
本実施形態によれば、既設側溝50の上部所定領域51,51を切断した後に、現場に残存する既設側溝50の切断面52aは、
図16に示すように平滑でなくても問題はない。すなわち、現場に残存した既設側溝50の切断面52aとこの切断面52a上に配設する溝蓋用受枠2とは直接重ね合わせず、高さ調整部材24によって平行・高さ調整が可能であるため、切断面52aの精度は問われない。
よって、従来周知の簡易な切断装置(カッター)によってコストを掛けることなく切断することが可能である。また、切断面52aの精度が問われないということは、作業者の労力も軽減され、さらに熟練者を要しないため施工コストの低廉化も図れる。
このとき、切断して除去する側溝の上部所定領域51,51の鉛直方向の高さ(
図15で矢印L1にて示す方向の高さ)は、任意であって、適宜設計変更可能である。
【0064】
「(2)溝蓋用受枠の設置工程」
次に、既設側溝50の上部所定領域51,51を切断して現場に残存した切断面52a,52a上に、溝蓋用受枠(
図1に示すグレーチング用受枠)2を設置する(
図17参照。)。
このとき、グレーチング用受枠2は、予め高さ調整部15の高さ調整ボルト26の先端26aが、受枠本体3の膜板部9の先端9bよりも突出するように昇降(進退)調整しておく。このように高さ調整ボルト26の先端26aを、受枠本体3の膜板部9の先端9bよりも突出させた状態でグレーチング用受枠2を設置する工程を採用すれば、膜板部9と切断面52aとの間に施工者が手指を挟む虞もなくなり安全性が確保される。
そして、本実施形態では、切断面52a上の所定箇所にボルト受け部材30を載置し、高さ調整部15の高さ調整ボルト26の先端26aを、前記ボルト受け部材30に当接させるものとしている(
図17参照)。
本実施形態のグレーチング用受枠2を前記切断面52a,52a上に設置するとき、膜板部9,9の外面9a,9aと既設水路(側溝)50の内面50a,50aとが鉛直方向(
図17で矢印L1にて示す方向)で同一平面にあるように設置する(
図17参照)。
【0065】
「(3)高さ調整工程・連結材料注入空間形成工程」
前記工程後、グレーチング用受枠2の高さ調整ボルト26を鉛直方向高さ(
図17で矢印L1にて示す方向の高さ)で昇降調整して、グレーチング用受枠2の鉛直方向高さ(
図17で矢印L1にて示す方向の高さ)を調整する。
すなわち、それぞれの高さ調整ボルト26を上下昇降させ、路面60と略同一高さに調整するとともに、平行となるように調整する(
図17参照。)。
そして、それぞれの高さ調整ボルト26を昇降調整して、グレーチング用受枠2の上端(受枠本体3の壁板部8の上端8e)と路面60との同一面合わせが決定すれば、グレーチング用受枠2と既設側溝50の切断面52aとの間に所定の連結材料充填空間(連結材料注入空間)27が形成される(
図17参照)。
【0066】
本実施形態では、本工程中において連結機構(連結プレート13、連結ボルト13b)の連結作業を行うこととしている。
【0067】
例えば、既設側溝50の溝長さ方向に沿って隣り合うグレーチング用受枠2,2の側板部材10,10同士を当接させ、それぞれ相対向する一方のグレーチング用受枠2の連結プレート13,13と、他方のグレーチング用受枠2の連結プレート13,13のそれぞれのボルト孔13a,13aと13a,13aを連通させるとともに、連結ボルト13bと13bをそれぞれ通してナット13cと13cで締め付け固定する。
これにより、隣り合うグレーチング用受枠2,2同士の連結一体化を図り、隣り合うグレーチング用受枠2,2同士の間に隙間を形成しないようにする(
図4、
図7及び
図8参照。)。
なお、連結プレート13の連結作業は、前記「(2)溝蓋用受枠の設置工程」で行なうものとしてもよく、適宜設計変更可能である。
【0068】
本実施形態の連結機構を採用することにより、連結機構(連結プレート13)は、溝蓋用受枠2(受枠本体3)の配設方向(図中L3で示す方向)に直交する方向(図中L2で示す方向)に突出することとなる(
図4及び
図5参照。)。
従って、相対向する連結プレート13,13同士を連結する連結ボルト13bは、前記受枠本体3の配設方向と平行して取付けることができるため、連結ボルト13bを締め付ける操作をするための冶具(ラチェットなどの冶具、図示省略)を入れる空間を特別に形成することなく簡単かつ安価に確保できる。
すなわち、冶具操作空間は、本実施形態の溝蓋用受枠2…を設置すると、溝蓋用受枠2の受枠本体3と、側溝(例えば、既設側溝50)の外側部分に存する路面60との間に、所定の空間99が必然的に形成される(
図4及び
図5参照。)。従って、この空間99が前記冶具操作空間として機能する(以後、冶具操作空間99という。)。
このように冶具操作空間99において、溝蓋用受枠2の配設方向と平行に冶具を挿入して操作することができるため、連結作業性に大変優れたものである。すなわち、L2方向にて冶具を操作するものではないため、L2方向の幅を必要以上に広く別途確保する必要がない。よって、現場施工に必要以上の時間と労力を費やすこともなく、工程日数・工程労力及び工程費用を抑えることができる。
【0069】
さらに、本実施形態の構成によれば、隣り合う溝蓋用受枠の相対向して接する端面にそれぞれボルト孔を設け、前記ボルト孔を連通せしめるとともにボルト・ナットで連結するという構成ではないため、溝蓋用受枠の内側に連結機構としての連結ボルトの頭やナットなどが飛び出してしまうという虞もなく、溝蓋配設時に邪魔になることもない。
【0070】
「(4)型枠設置工程」
前記工程後、既設側溝50の切断面52a,52aとグレーチング用受枠2との間に形成された左右の連結材料充填空間(連結材料注入空間)27,27の内外開放領域27a,27bと27a,27bを、所定の型枠70,70と70,70にて封鎖する(
図18参照。)。
【0071】
型枠70は、所定長さの平板上に形成されている。
すなわち、少なくとも、グレーチング用受枠2の長さ(矢印L3で示す方向の長さ)と同一の長さを有し、かつ連結材料充填空間(連結材料注入空間)27の開放領域27a(27b)の鉛直方向高さ(矢印L1で示す方向の高さ)よりも大きく形成し、連結材料充填空間(連結材料注入空間)27の開放領域27a(27b)の全域を覆う程度の大きさに形成される。なお、型枠70の材質は特に限定されず、木材・金属材など本発明の範囲内で設計変更可能である。
【0072】
本実施形態では、底板部5の他の長辺部(
図1及び
図2にてそれぞれ内側の長辺部)5bの全領域から、同一長さの平板状で垂直方向(矢印L1方向)に一体に吊り下げた膜板部9を備えているため、型枠70が当接する領域を広く確保することができる。従って、型締めする際に型枠70自体がずれることがなくなったため、型枠配設工程が極めて容易となるとともに、施工時間も短縮できる。
また、膜板部9は、連結材料充填空間(連結材料注入空間)27に注入される連結材料63を受け止める役割をも担っている。
【0073】
また、図示しないが、型枠70の内面70a(連結材料注入空間27との対向面)の下端縁70bの長手方向全域にわたり、既設側溝50の内面50aと接して押圧されることによりシール機能を発揮する長尺状のシール部材(パッキン)を備えるものとすることも可能である。連結材料注入空間27に充填された連結材料63が既設側溝50内に漏れ出さないようにするためである。また、このシール部材(パッキン)に代えて、開放領域27aを粘着テープ(接着テープ)などで仮密封させ、その後に型枠70を備えることも可能で、これによってもシール機能を奏する。
なお、型枠70を所定位置に押し付けて保持する型枠支持部材は周知の技術を用いることが可能で特に図示は省略する。
【0074】
なお、本実施形態では、外側の開放領域27bを密封する型枠70を備える構造を開示しているが、限定解釈されるものではない。すなわち、本実施形態のように、既設側溝50の外側部分に路面60から連続する壁面60aが存在し、該壁面60aと既設側溝50との間に隙間がない場合には、連結材料63の漏れという不具合を考慮しなくてよいため、外側の開放領域27bを覆う型枠70を備えなくてもよく、本発明の範囲内である。
【0075】
「(5)差し筋配設工程」
本実施形態では、前記工程後、グレーチング用受枠2の各注入孔22に穿孔用の電動ドリル29を差し込み、所定径・所定深さの差し筋用孔53を穿設する。そして、その穿設した差し筋用孔53に差し筋部材28を打ち込み配設する工程を採用している(
図19参照。)。
差し筋部材28は、各注入孔22の開口よりもその先端28aが内方に位置するようにして連結材料充填空間(連結材料注入空間)27に備えられる(
図19参照。)。なお、差し筋部材28は図示形態に特に限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
なお、本実施形態では、一つの注入孔22に対して一つの差し筋部材28を配する形態であるが、これに限定されず、一つの注入孔に複数個の差し筋部材を配することも本発明の範囲内である。
【0076】
さらに、本実施形態では、連結材料充填空間を形成する工程の後で、連結材料注入工程前に差し筋配設工程を採用しているが、差し筋部材28を配設する工程は、本実施形態の工程順序に何等限定解釈されるものではなく、後述の連結材料注入工程以前であれば本発明の範囲内で設計変更可能である。
すなわち、仮に従来工法で差し筋部材を備えようとすると、グレーチング用受枠を設置した後では差し筋部材を差し込む孔をあけたり、差し筋部材をその孔に打ち込んだりすることが不可能であるため、グレーチング用受枠の設置工程よりも以前に行なわなければならなかった。
本実施形態であれば、注入孔22を大径状に備え、その大径状の注入孔22を介して差し筋部材28を打ち込むための差し筋用孔53を穿設し、その差し筋用孔53に差し筋部材28を打ち込むことが容易に行うことができるため、グレーチング用受枠2の設置後であっても差し筋部材28の配設作業が容易になし得る。なお、グレーチング用受枠2の設置前に差し筋部材28を予め配設することも可能で本発明の範囲内である。
【0077】
「(6)連結材料注入工程」
前記工程後、グレーチング用受枠2の各注入孔22(23)を介して、前記連結材料充填空間(連結材料注入空間)27,27に所定量の連結材料63を注入する(
図20参照。)。
本実施形態では、流動性がよく、かつ早く固まる無収縮モルタルを連結材料63として想定している。なお、
図5乃至
図8、
図20及び
図21において梨地状に表現している部分が連結材料充填空間(連結材料注入空間)27,27に充填された連結材料(無収縮モルタル)63,63である。
【0078】
各注入孔22(23)から所定の連結材料(無収縮モルタル)63を注入していき、注入孔22,23および段差部18を介して連結材料充填空間(連結材料注入空間)27内への充填具合を確認する。
そして、各注入孔22,23および段差部18に、連結材料(無収縮モルタル)63が少し盛り上がってきたことを確認した段階で連結材料(無収縮モルタル)63の注入作業を終了する。
本実施形態では、連結材料充填空間(連結材料注入空間)27に注入・充填される連結材料63として無収縮モルタルを想定しているが、連結材料は何等これに限定解釈されるものではなく、既設側溝50の切断面52aとグレーチング用受枠2とを強固かつ確実に連結し得るものであればよく、コンクリートやアスファルトなど周知の範囲内で適宜設計変更可能である。
【0079】
前記工程後、例えば連結材料充填空間(連結材料注入空間)27に注入・充填された連結材料(無収縮モルタル)63を養生させた後、型枠70を撤去する。
【0080】
そして、溝蓋用受枠(グレーチング用受枠)2の高さ調整部15の周りの空間(高さ方向と長さ方向の全領域)にコンクリート64を打設する(
図5及び
図21参照。)。なお、コンクリートに代えて、アスファルト等の他の材料を打設してもよい。
【0081】
このようにコンクリート64を打設すると、隣り合う溝蓋用受枠2,2同士を連結して一体化し、かつ配設完了した後の連結機構(連結プレート13、連結ボルト13b)は、打設して形成された路面(コンクリート64部分)下にて前記路面(コンクリート64部分)と一体となるため、溝蓋用受枠2の路面(コンクリート64部分)との固着も強化される。このように、連結機構(連結プレート13、連結ボルト13b)が、路面(コンクリート64部分)下にて前記路面(コンクリート64部分)と一体となることにより、溝蓋用受枠2自体が容易に盗難されるといった虞もない。
【0082】
「(7)蓋部(グレーチング)設置工程」
そして、溝蓋用受枠(グレーチング用受枠)2の左右の底板部5,5上に、底板部5,5の長さ方向にわたり、底板部5,5の表面形状と同じ長尺矩形状のゴムパッキン1c,1cを配設する(
図5参照。)。
そしてその後、底板部5上に突設する固定ボルト6に、グレーチング1のベースプレート1aの固定孔1bを挿通するとともに袋ナット7などで固定して設置する(
図5参照。)。これにて全工程が終了となる。
【0083】
本実施形態では、グレーチング用受枠2の高さ調整部15の水平板部20裏面に一体に固定したナット25に対して螺合する高さ調整ボルト26が、鉛直方向に進退自在に突出する構造の高さ調整部15でグレーチング用受枠2の高さ位置を調整するものであるため、その高さ位置は高さ調整ボルト26とナット25の螺合関係によって維持される。
【0084】
従って、連結材料充填空間(連結材料注入空間)27に注入・充填された連結材料63が完全固化されなくても、設定された連結材料充填空間(連結材料注入空間)27は高さ調整部15によって維持されるため、グレーチング1を閉める(配設する)ことができる。
グレーチング1を閉める(配設する)ことができるということは、側溝上方の開きっぱなしの状態(時間)が短縮されるため、安全面での配慮も十分になされることとなる。
また、高さ調整ボルト26が切断面52aに当接してグレーチング用受枠2全体が設置されるため、連結材料63が固まる前にグレーチング用受枠2に衝撃が与えられてもグレーチング用受枠2が沈下する虞もない。
【0085】
なお、本実施形態では、側溝における左右の鉛直方向高さが同一である場合を想定しているが、左右の鉛直方向高さが異なっている側溝であっても本発明が対応可能であることは言うまでもない。
例えば、
図6乃至
図8(b)は、勾配のある道路を横切るように備えられる横断溝(横断水路)にグレーチング1を配するためにグレーチング用受枠2が配設される具体的一実施形態を図示したものである。なお、
図8(a)は平坦での配設状態を示す。
自動車の進行方向に昇り勾配(
図8(b)にて矢印L6で示す方向に昇り勾配)で、かつ
図6及び
図7で矢印L7方向に昇り勾配である自動車道路を想定している。
このような勾配のある道路であっても、複数の高さ調整部15の高低操作によりいずれの方向の勾配に対しても合わせることができる。
「第二実施形態」
【0086】
図9乃至
図13は、本発明溝蓋用受枠の他の実施形態(第二実施形態)であるグレーチング用受枠2の一例を示す図である。
本実施形態のグレーチング用受枠2は、連結材料としてコンクリートを用いる場合に使用されるものである。この場合、連結材料80としてのコンクリートは、グレーチング用受枠2と切断面52aとの間に形成される連結材料充填空間(連結材料注入空間)27のみではなく、高さ調整部15の上方の空間90にも充填される。
従って、本実施形態では、連結材料充填空間(連結材料注入空間)27の外側開放領域27bには型枠70を設置しない。なお、本実施形態において、連結材料としてコンクリートに代えて、無収縮モルタル、アスファルト等の他の材料を用いることも可能で、本発明の範囲内で設計変更可能である。
【0087】
本実施形態に示すグレーチング用受枠2は、第一の実施形態で説明したグレーチング用受枠2と略同様のグレーチング用受枠であるが、受枠本体3の一部と高さ調整部15の一部に第一実施形態と異なる構成を有している。以下、異なる構成のみについて詳述し、その他第一実施形態と同一の構成箇所については同一符号を付してその説明は省略する。
【0088】
本実施形態で高さ調整部15は、グレーチング用受枠2全体の長さ方向(
図9にて矢印L3で示す方向)で、受枠本体3における受板部材4の壁板部8の外側面(背面)8cに断続的に配設されている構成を採用している。本実施形態では、左右の壁板部8,8の外側面(背面)8c,8cにそれぞれ所定間隔をあけて2個ずつ配設している(
図9及び
図10参照。)。よって、左右で計4個配設している。
【0089】
本実施形態の高さ調整部15は、短尺壁板部17と水平板部20と、水平板部20に備えられた高さ調整部24とで略逆L字状に構成されているものであるが、単に第一実施形態の短尺壁板部17と水平板部20を長さ方向(
図9にて矢印L1で示す方向)で分断して2箇所のみにしたものである。高さ調整部材24の構成は第一実施形態と同一である。
なお、本実施形態では、第一実施形態で説明した注入孔22,23は備えていない。すなわち、連結材料(コンクリート)80は、高さ調整部15の備えていない箇所、例えば2個の高さ調整部15,15の間の空間などから連結材料充填空間(連結材料注入空間)27へと注入・充填することができるため、あえて注入孔は不要であるとともに、充填状態も容易に確認可能である。
【0090】
また本実施形態では、左右の受板部材4,4の壁板部8,8の外側面(背面)8c,8cに、それぞれ複数個のアンカー部材81を一体に備えている(
図9及び
図10参照。)。本実施形態では、2個の高さ調整部15,15の間に所定間隔をあけて2個配設されている(
図9及び
図10参照)。よって、左右で計4個配設している。
【0091】
アンカー部材81は、壁板部8と一体に固着(溶着)されている固着部81aと、固着部81aから外方に向けて下り傾斜状に一体に設けられ、前記水平板部20よりも下方に突出している略コの字状の突出部81bとで構成されている(
図9及び
図10参照。)。本実施形態では、丸棒状の鋼材をもって形成されている。
なお、アンカー部材81は、本実施形態の構成に何等限定解釈されるものではなく、他の周知一般的なアンカー部材を採用して一体成形することも可能で本発明の範囲内で設計変更可能である。
アンカー部材81を備えたことにより、連結材料80との一体化がさらに強固に達成できる。
【0092】
本実施形態で受板部材4は、左右の壁板部8の上端8eから、それぞれ曲げ板部材16の水平板部20の上方に位置するように角欠け防止部82が備えられている(
図9、
図10、
図12及び
図13参照。)。
【0093】
角欠け防止部82は、壁板部8の上端8eの長さ方向と同一の長さで、かつ前記水平板部20よりも短尺で、前方(
図9、
図10、
図12及び
図13にて矢印L2で示す方向)に向けて水平に所定幅をもって平板状に突設されている。
【0094】
角欠け防止部82は、連結材料充填空間(連結材料注入空間)27とともに高さ調整部15の上方にも充填された連結材料(コンクリート)80の角部が欠けたりしないように保護するためのものである。このとき連結材料(コンクリート)80は、角欠け防止部82の表面と同一平面となるように充填される(
図13参照。)。
また、本実施形態では、この左右の角欠け防止部82,82の端縁間の距離L8は、側板部材10の長さ方向幅(
図9及び
図10にて矢印L2で示す方向の幅)と同一に形成している(
図10参照。)。
【0095】
また、連結材料(コンクリート)80を打設する際には、仕上げに金コテを使用してコンクリート表面を均している。従来は、施工者(職人)の技量により、仕上げ・出来栄えが大きく影響していた。
本実施形態によれば、水平かつ平板状に突設されている角欠け防止部82を備えているため、施工者は、この角欠け防止部82に金コテを沿わせて仕上げていけば、コンクリート表面を均すことが容易に行える。
よって熟練者であっても初心者であっても、仕上げ・出来栄えに大きな差が生じないという大変優れた作用効果が発揮される。
【0096】
第一実施形態では、側板部材10は、左右の受板部材4,4のそれぞれの壁板部8,8の外側面8c,8c間の距離L4よりも、長さ方向の幅L5が短く形成(短尺に形成)されていることにより、前記側板部材10の端縁10aと前記壁板部8の端縁8a(8b)とが受枠全体の長手方向幅(
図4にて矢印L3で示す方向)でずれて段差部11が形成されているものであった。これに対して本実施形態では、側板部材10の長さ方向の幅が、左右の受板部材4,4のそれぞれの壁板部8,8の外側面8c,8c間の距離L9よりも、長く形成されていることにより、前記側板部材10の端縁10aと前記壁板部8の端縁8a(8b)とが受枠全体の短手方向幅(
図9及び
図10にて矢印L2で示す方向)でずれて側板部10の突出した端部84により段差部83が形成されている(
図10参照。)。
【0097】
このように構成することにより、この突出した側板部材10の端部84が、連結材料(コンクリートなど)80と一体化され、強固な連結効果を発揮する(
図13参照。)。
【0098】
また、本実施形態でも隣り合うグレーチング用受枠2,2同士を連結する連結機構(連結プレート13、連結ボルト13b)を備えている(
図9乃至
図13参照。)。
【0099】
本実施形態では、突出した側板部材10の端部84の内面84aの所定位置に、所定大きさの連結プレート13を一体に成形している(
図9乃至
図12参照。)。
例えば、本実施形態では、短尺の矩形板状に形成され、その略中心には、連結ボルト13bを挿通するボルト孔13aが設けられている
すなわち、本実施形態によれば、側板部材10の端縁10aと前記壁板部8の端縁8a(8b)とが受枠全体の短手方向幅(
図9にて矢印L2で示す方向)でずれて段差部83が形成されているため、この段差部83に連結プレート13の一部を一体に固着(溶着)し、段差部83から水平方向に突出して設けられている(
図10及び
図11参照。)。
【0100】
本実施形態によれば、施工が容易である。すなわち、連結プレート13は、受板部材4よりも突出した側板部材10の端部84の内面84aからさらに水平方向に突出させた状態で備えられているため、連結プレート13…同士を連結する際に、ラチェットなどの冶具を差し込んで操作する冶具操作空間99を広く確保することができ、連結操作・連結施工が大変容易になし得る。
また、本実施形態によれば、連結プレート13…同士の連結作業において、水平方向に大きな空間が形成されるため、グレーチング用受枠2自体や路面端部などに施工者の手などが引っ掛かる虞も減るため、大変安全性が高いものである。
さらに、連結プレート13の溶接面積が大きくなり、溶接がし易いばかりか、強度も確保できる。溶接の確認も確実になし得る。
また、溶接面積が大きくかつ連結プレート13の配設の仕方により空間が確保されているため、探傷試験を行なう場合であっても測定が容易に行い得る。
【0101】
なお、その他の作用効果は第一実施形態と同様であり、また、連結プレート13の配設位置や形状は本実施形態に何等限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内において適宜設計変更可能である。
【0102】
本実施形態の具体的な敷設工程については、第一実施形態とほぼ同一であるため、第一実施形態のグレーチング用受枠2の敷設方法(敷設工程)の説明を援用し、本実施形態での説明は省略する。
【0103】
上述した第一実施形態・第二実施形態では、現場に設置されている既設水路(側溝や横断溝など)50の古くなった上部所定領域51を除去し、その上部所定領域51を除去した後の水路(側溝)上部52にグレーチング用受枠2を配設する方法をもって説明したが、何等これに限定解釈されるものではない。
すなわち、例えば、新しく現場打ちされた水路の上部に溝蓋用受枠を配設する方法に適用することも可能であり、また、二次成形された水路を現場にて新たに設置し、その水路の上部に溝蓋用受枠を配設する方法に適用することも可能であり、水路上部に溝蓋用受枠を配設する方法の全てに適用することが可能である。
【0104】
また、本実施形態(第一実施形態・第二実施形態)では溝蓋の一例として、上述のグレーチング1をもって説明したが、コンクリート製の側溝蓋など、水路などの溝上に配される溝蓋全般に適用可能である。
【0105】
なお、第二実施形態で採用しているアンカー部材81を、第一実施形態に採用することは勿論可能で、本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。