(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
商用電源からの配電線と需要家側に設けられた分電盤からの屋内配線との間に接続され、前記需要家側の電気機器において消費された電力を計量するとともに、前記計量値をネットワークを介して電力会社に配置された電力会社サーバに送信する電力量計であって、
前記商用電源側から前記需要家側に供給される電圧値及び電流値を測定する測定手段と、
前記電圧値及び前記電流値を乗算することにより電力値を演算する電力演算手段と、
前記電力演算手段から供給される電力値を積算することにより電力量を計量し、当該計量値を表示する計量ユニットと、
前記電力会社サーバからの検定要求信号に応じて、前記計量ユニットを検定する検定制御手段と、を備え、
前記検定制御手段は、前記計量ユニットに対する検定として、所定電圧値、所定電流値、所定力率値により構成される模擬電力値を前記計量ユニットに送出し、前記計量ユニットによる計量値を検知することで、前記模擬電力値により想定可能な基準消費電力量と、前記計量ユニットによる計量値との差分を演算し、当該差分値が所定基準値を超えるか否かを判定することにより良否判定を行う誤差検定を実行するように制御し、前記計量ユニットについての検定結果を前記計量ユニットに表示させるとともに、前記検定結果を前記電力会社サーバに送信するように制御することを特徴とする電力量計。
前記検定制御手段は、前記計量ユニットを検定する直前に、前記計量ユニットが計量した計量値を前記補助計量ユニットに送出させ、前記補助計量ユニットに当該計量値から積算させるように制御することを特徴とする請求項2記載の電力量計。
前記検定制御手段は、前記計量ユニットに対して検定が終了した場合に、前記補助計量ユニットが計量した計量値を前記計量ユニットに送出させ、前記計量ユニットに当該計量値から積算させるように制御することを特徴とする請求項3記載の電力量計。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すブロック図を参照して、本発明の実施形態に係る電力量計の検定システム1の構成について説明する。
電力量計の検定システム1は、電力会社の商用電源(例えば、AC100V)からの配電線と需要家の家屋3に設けられた分電盤5からの配電線との間に接続され、需要家の家屋に設けられた電気機器(図示しない)において消費された電力を計量する。電力量計の検定システム1は、計量結果をインターネットNを介して電力会社に配置された電力会社サーバ10に送信する電力スマートメータ20を備えている。
なお電力会社は、一般電気事業者、卸電気事業者、独立系発電事業者、小規模な発電を行う事業者、特定電気事業者、特定規模電気事業者の何れか1つの類型に適合する電力会社であってもよい。
需要家の家屋には、分電盤を介して複数の電気機器(図示しない)が備えられており、複数の電気機器において消費された電力の消費量は電力スマートメータ20において計量され、計量結果が複数桁の数値として表示部21に表示される。
電力スマートメータ20において計量された計量結果は、電力スマートメータ20から携帯電話基地局6、携帯電話網7、インターネットNを介して電力会社サーバ10に送信される。または、電力スマートメータ20において計量された計量結果は、電力スマートメータ20からアクセスポイント8、公衆無線LAN網9、インターネットNを介して電力会社サーバ10に送信される。
【0010】
電力会社サーバ10は、電力スマートメータ20からインターネットNを介して通信部11において受信された計量結果は、制御部12によりデータベースDB13に記憶される。
電力会社サーバ10の検定管理部14は、電力スマートメータ20から受信した検定結果の全てをデータベースDB13へ保存する。
異常監視部15は、データベースDB13から取得した良否判定のうち「否」データを識別し、結果フラグを「OK」/「NG」符号を用いてデータベースDB13に保存する。なお、結果フラグが「OK」である場合は良判定であり、「NG」の場合は否判定であることを示す。
異常監視部15は「否」データを検知し、営業所PC55のメールアドレス宛てに取替依頼メッセージを含む電子メールを送信する。
【0011】
図2に示す電力スマートメータ20のブロック図を参照して、各部の構成について説明する。
電力会社の配電線(AC100V)に接続されているインレット22と、需要家側の分電盤5に接続されているアウトレットとの間に接続された電力測定部24を備えている。
電力測定部24は、アウトレット23に接続されている配電線の電圧を検出するための電圧検出トランスVTと、当該配電線に流れる電流を検出するための電流検出トランスCTと、電圧検出トランスVT及び電流検出トランスCTにより検出された電圧信号及び電流信号を入力してサンプリング周期毎にデジタル値に変換するA/Dコンバータ24aとを備え、A/Dコンバータ24aによりデジタル値となった電圧データ及び電流データを電力演算部25に出力する。
電源回路部26は、スイッチング電源を備え、インレット22を介して供給される電力会社側の交流電力をスイッチング電源に設けられたIC回路によりスイッチングして直流電力を各部に供給する。
【0012】
電力会社サーバ10は、データベースDB13から検定先である需要家側の電力スマートメータ20のURLコードを選択し、URLコードで示される電力スマートメータ20へ検定要求信号を送信する。
第1通信部27は、公衆無線LAN網9にアクセスポイント8を介して接続された第1送信回路27a及び第1受信回路27bを備え、第1送信回路27aは制御ユニット30から入力される通信データを公衆無線LAN網9に送信する。第1受信回路27bは公衆無線LAN網9から受信した通信データを制御ユニット30に出力する。
第2通信部28は、携帯電話基地局6にコネクタ29を介して接続された第2送信回路28a及び第2受信回路28bを備え、第2送信回路28aは制御ユニット30から入力される通信データを携帯電話網7に送信する。第2受信回路28bは携帯電話網7から受信した通信データを制御ユニット30に出力する。
【0013】
制御ユニット30は、CPU、ROM、RAM、タイマを有し、RAM上に展開されたソフトウエアモジュールにより実行されるメータ制御部31、連携制御部32、電力演算部25、検定制御部33を有している。制御ユニット30は、内部にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)、を有し、ROMからオペレーティングシステムOSを読み出してRAM上に展開してOSを起動する。さらに、制御ユニット30は、OS管理下において、ROMからプログラム(処理モジュール)を読み出し、各種処理を実行する。
メータ制御部31は、通常時に電力スマートメータ20の各部の動作を制御する。
連携制御部32は、出力先変更命令を検知し、補助計量ユニット41へ電力データを出力するための入出力バッファ回路30aに許可信号を出力し、さらに、切替完了信号を検定制御部33に出力する。
電力演算部25は、電力測定部24から入力された電圧データ及び電流データを乗算演算することによりサンプリング周期毎の電力データを出力する。通常時では、電力演算部25から出力される電力データは計量ユニット42に出力され、検定時では、電力演算部25から出力される電力データは入出力バッファ回路30aを介して補助計量ユニット41に出力される。
検定制御部33は、検定アプリケーションソフトウエア(以下、検定アプリケーションという)を実行することにより検定中に電力スマートメータ20に設けられた各部、各ユニットを制御する。
【0014】
メモリ部43は、不揮発性RAMを有し、不揮発性RAMに検定アプリケーションがインスールされており、検定制御部33の管理下で検定アプリケーションが実行される。
電源開閉ユニット44は、工事会社の作業員によるスイッチ操作に応じて、計量ユニット42の取替の際に計量ユニット42に内蔵されている電子回路に供給されていた電力を停止する。
補助計量ユニット41は、計量ユニットが検定中である場合に、電力演算部25から出力される電力データを積算(累積演算)して電力量を計量する。
計量ユニット42は、電力スマートメータ20の本体ケースに着脱可能に接続されており、中央制御部42、計量値を表示する表示部21、補助計量ユニット41と着脱可能に接続されるコネクタ42b、制御ユニット30と着脱可能に接続されるコネクタ42cを備え、電力演算部25から出力される電力データを積算(累積演算)して電力量を計量し、計量結果を表す計量値を表示部21に表示する。
中央制御部42は、内部にROM、RAM、CPU、を有し、ROMからオペレーティングシステムOSを読み出してRAM上に展開してOSを起動し、OS管理下において、ROMからプログラム(処理モジュール)を読み出し、電力値を積算することにより電力量を計量し、当該計量値を表示する。
【0015】
次に、
図3を参照して、電力会社サーバ10の動作について説明する。なお、
図3は電力会社サーバ10の処理を表すフローチャートである。
まず、ステップS5では、電力会社サーバ10に設けられた制御部12は、初期化処理として処理番号#kを1とする。
次いで、ステップS10では、制御部10は、処理番号#kの固有のURLコードを検定管理部14を介してデータベースDB13から読み出し、検定先として設定する。
なお、表1にデータベースDSに1レコード毎に記憶された処理番号#k、URLコード、需要家Noを示す。
ここで、URL(Uniform Resource Locator)コードは、インターネット上に存在する情報資源(文書や画像など)の場所を指し示し、通常「プロトコル://ドメイン名/ディレクトリパス名/ファイル名」という形式で構成される。
【0016】
【表1】
次いで、ステップS15では、制御部12は、設定した検定先である処理番号#kのURLコードを通信部11に設定し、当該URLコードを有する電力スマートメータ20へインターネットNを介して、電力スマートメータ20の検定を要求する旨の検定要求信号を送信する。
これに対して、当該URLコードを有する電力スマートメータ20が検定要求信号を受信した場合には、電力スマートメータ20の検定を実行する旨の検定応答信号をインターネットNを介して電力会社サーバ10へ送信する。一方、当該URLコードを有する電力スマートメータ20が存在しない場合は、検定応答信号が送信されない。
【0017】
次いで、ステップS20では、制御部12は、当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定応答信号を受信したか否かを判断する。当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定応答信号を受信した場合には、ステップS30に進む。一方、当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定応答信号を受信できない場合には、ステップS25に進む。
ステップS25では、制御部12は、処理番号#kに1を加えてインクリメントし、その値を新たな処理番号#kとして設定し、ステップS10に戻る。
一方、ステップS30では、制御部12は、当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定結果信号を受信したか否かを判断する。当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定結果信号を受信した場合にはステップS45に進む。一方、当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定結果信号を受信できなかった場合はステップS35に進む。
ステップS35では、制御部12は、当該URLコードを有する電力スマートメータ20へインターネットNを介して、検定の結果を再度要求する旨の再送要求信号を送信する。
【0018】
次いで、ステップS40では、制御部12は、当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定結果信号を受信したか否かを判断する。当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定結果信号を受信した場合にはステップS43に進む。一方、当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定結果信号を受信できなかった場合はステップS25に進む。
次いで、ステップS43では、制御部12は、当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定終了信号を受信したか否かを判断する。当該URLコードを有する電力スマートメータ20から検定終了信号を受信した場合にはステップS45に進む。一方、検定終了信号を受信しなかった場合にはステップS435に戻る。
【0019】
次いで、ステップS45では、制御部12は、電力スマートメータ20から受信した検定結果信号を検定管理部に出力する。
ここで、検定管理部は、処理番号kをキーとしてデータベースDS(表1)を検索し、処理番号kを有する需要家Noを抽出し、データベースDB上に記憶されている当該需要家Noのレコードに対して検定結果フラグを更新する。電力スマートメータ20が故障している場合に検定結果フラグをNG、正常な場合にOKとする。この結果、
図4に示すように、検定結果一覧リストとして1レコード毎に需要家No、住所、需要家名、計器No、潜動検定フラグ、始動検定フラグ、計量検定フラグ、誤差検定フラグがデータベースDB13に記憶される。
【0020】
次いで、ステップS50では、制御部12は、少なくとも1つの検定結果フラグが異常であることを監視するための異常監視処理を異常監視部15に行わせるために異常監視指示信号を異常監視部15に出力する。
ここで、異常監視部15は、データベースDBから1レコード毎に4つの検定結果フラグを読み出し、少なくとも1つの検定結果フラグが異常である場合に、取替一覧リストを生成し、データベースDB13に記憶する。この結果、
図5に示すように、取替一覧リストとして1レコード毎に需要家No、住所、需要家名、計器No、需要家PC50又は携帯電話のメールアドレスがデータベースDB13に記憶される。
次いで、ステップS55では、制御部12は、現在の処理番号#kが#k
maxに到達したか否かを判断する。ここで、現在の処理番号#kが#k
maxに到達した場合にはステップS5に進む。一方、現在の処理番号#kが#k
maxに到達していない場合にはステップS25に進む。
【0021】
次に、
図6を参照して、電力スマートメータ20の動作について説明する。なお、
図6は電力スマートメータ20の処理を表すフローチャートである。
まず、電力スマートメータ20の第1通信部27は、電力会社サーバ10からの検定要求信号を受信する。第1通信部27は、受信した検定要求信号を制御ユニット30へ転送する。
ステップS105では、制御ユニット30は、検定要求信号を受信したか否かを判断し、検定要求信号を受信した場合にステップS107に進む。
次いで、ステップS107では、制御ユニット30は検定要求信号を受け付けたので、検定応答信号を電力会社サーバ10に送信する。
【0022】
次いで、ステップS110では、制御ユニット30は検定要求信号を受け付けた場合に制御権を検定制御部33に渡し、計量ユニット42の検定準備を開始する。
すなわち、検定制御部33は、検定中の期間に実際の計量を補助計量ユニット41に実行させるため、電力演算部25から出力される電力データの出力先を補助計量ユニット41に変更する旨の変更命令を連携制御部32に出力する。
検定制御部33は、計量ユニット42を検定する直前に、計量ユニット42が計量した計量値を補助計量ユニット41に送出させ、補助計量ユニット41に当該計量値から積算させるように制御する。
連携制御部32は、補助計量ユニット41へ電力データを出力するための入出力バッファ回路30aに許可信号を出力し、さらに、切替完了信号を検定制御部33に出力する。
この結果、電力演算部25から出力される電力データが入出力バッファ回路30aへ出力され、入出力バッファ回路30aからの電力データが補助計量ユニット41へ入力される。
検定制御部33は、連携制御部32から切替完了信号を受信すると、計量ユニット42の検定処理が可能になる。
【0023】
検定制御部33は、メモリにインスールされている検定アプリケーションを実行する。検定制御部33は、検定処理として潜動検定処理、始動検定処理、計量検定処理、誤差検定処理の順に全ての検定処理を実行する。
ステップS115では、潜動検定処理では、無負荷の状態にて,計量ユニット42のカウンタが動作しないことを監視し、良否判定を行い、判定結果を結果テーブルに記憶する。潜動検定処理では、検定制御部33からの命令により、検定アプリケーションのプログラム内に保持している定格電圧(100V)の上限電圧値である110%の値(110V)により構成される模擬電力値を表すシミュレーション信号を、計量ユニット42へ送出し、計量するか否かを検定制御部33が検知する。
ここで、検定制御部33は、シミュレーション信号を、計量ユニット42へ送出し、計量しない場合には否判定とし、一方、計量した場合には良判定とする。
【0024】
次いで、ステップS120では、始動検定処理では、アプリからの制御ユニットを通じた指示により、検定制御部33が小電力を計量ユニット42に送電する。計量ユニット42が電力データを計量(カウント)できるか監視し、良否判定を行い、判定結果をRAM上に設けられた結果テーブルに記憶する。
始動検定処理では、検定制御部33からの命令により、検定アプリケーションがプログラム内に保持している、定格電流の下限電流値である1/375の値を表す電流値と定格電圧(100V)とを乗算して求めた模擬電力値である電力データを計量ユニット42に送出して計量ユニット42が計量するか否かを検定制御部33が検知する。この始動検定処理を実行することにより、わずかな電力を消費しても、電力スマートメータ20が計量することを確認する。
【0025】
ここで、検定制御部33は、上記電力データを計量ユニット42へ送出し、計量した場合には良判定とし、一方、計量しなかった場合には否判定とする。
次いで、ステップS125では、計量検定処理では、始動検定処理と連動し、計量ユニット42内の中央制御部が計量データを出力するか否かを検定制御部33が監視することにより検知する。この計量検定処理を実行することにより、計量ユニット42内の表示機構が正確に作動するか確認する。
ここで、検定制御部33は、計量ユニット42内の中央制御部42aが計量データを出力した場合には良判定とし、一方、出力しなかった場合には否判定とする。
【0026】
次いで、ステップS130では、誤差検定処理では、検定アプリケーションからの制御ユニット30を通じた指示により、検定制御部33から計量ユニット42へ電力データを出力し、検定アプリケーションが保持する基準データ(電流値と時間による発生電力量)と比較し、計量誤差を測定する。
誤差検定処理では、シミュレーション信号を、検定制御部33からの命令により、検定制御部33が計量ユニット42へ送出し、計量値を検定制御部33が検知する。検定アプリケーションはプログラム内にデータとして所定電圧値、所定電流値、所定力率値及び所定時間により構成される模擬電力値である基準消費電力量データ(例えば、電圧(100V)×電流(1A)×力率(80%)×積算時間(10秒))を保持し、この基準消費電力量データと計量ユニット42により検知される計量値との差分を演算し、当該差分値が所定基準値を超えるか否かを判定することにより良否判定を行い、判定結果を結果テーブルに記憶する。
ここで、検定制御部33は、当該差分値が所定基準値を超えなかった場合には良判定とし、一方、当該差分値が所定基準値を超えた場合には否判定とする。
【0027】
この誤差検定処理を実行することにより、誤差が検定公差の範囲内にあるか否かを確認する。
以上のように、検定アプリケーションを実行することにより、電力スマートメータ20の計量ユニット42の検定を、計量ユニット42を装着した状態で実施することができ、表2のような結果テーブルが生成される。
なお、表2に結果テーブルに記憶された潜動検定処理、始動検定処理、計量検定処理、誤差検定処理の結果フラグを示す。この表2において、良判定を「OK」とし、否判定を「NG」とする。
【0029】
次いで、ステップS135では、検定制御部33は、RAM上に記憶された結果テーブルから検定結果データを読み出し、第1通信部27に出力することにより、第1通信部27は検定結果データをインターネットNを介して電力会社サーバ10に送信する。
次いで、ステップS140では、検定制御部33は、RAM上に記憶された結果テーブルから検定結果データを読み出し、全ての検定結果データがOKである場合に、「検定良」マークを表示させるための検定良信号を計量ユニット42に出力する。この検定良信号を受け付けた計量ユニット42は、
図1に示すように、表示部21bに「検定良」マークをデジタル表示する。
一方、少なくとも1つの検定結果データがNGである場合に、「検定否」マークを表示させるための検定否信号を計量ユニット42に出力する。この検定否信号を受け付けた計量ユニット42は、表示部21bに「検定否」マークをデジタル表示する。
次いで、ステップS145では、検定制御部33は、第1通信部27を介して検定結果についての再送要求信号を受信したか否かを判断する。再送要求信号を受信した場合にステップS135に戻り、検定結果データを第1通信部27を介して電力会社サーバ10に送信する。一方、再送要求信号を受信しなかった場合にステップS150に進む。
【0030】
計量ユニット42の検定が終了した後に、ステップS150では、検定制御部33は、電力演算部25から出力される電力データの出力先を計量ユニット42に変更するための出力先変更命令を連携制御部32へ出力する。
連携制御部32は、出力先変更命令を検知し、計量ユニット42へ電力データを出力するための入出力バッファ回路30bに許可信号を出力し、さらに、切替完了信号を検定制御部33に出力する。
これにより、検定制御部33は、計量ユニット42に対して検定が終了した場合に、補助計量ユニット41が計量した計量値を計量ユニット42に送出させ、計量ユニット42に当該計量値から積算させるように制御する。
この結果、電力演算部25から出力される電力データが入出力バッファ回路30bを介して計量ユニット42へ入力される。
検定制御部33は、連携制御部32から切替完了信号を受信すると、計量ユニット42は通常の動作状態に戻る。
次いで、ステップS155では、検定制御部33は、第1通信部27を介して検定終了信号を電力会社サーバ10へ送信する。
これにより、電力会社サーバからスマートメータに検定アプリケーションを配信しておき、検定アプリケーションにより計量ユニットの判断処理(潜動検定、始動検定、計量検定、誤差検定)を行わせ、スマートメータから電力会社サーバへ良否結果を送信することで、該良否結果に基づいて遠隔地に配置されたスマートメータに設けられた計量ユニットの良否を確認することができ、計量ユニットの取替作業の効率化に貢献することができる。
【0031】
次に、
図7を参照して、電力量計の検定システムにおけるデータ通信について説明する。なお、
図7は、電力量計の検定システムに備えられている各装置間のデータ通信の内容を示すシーケンス図である。
まず、シーケンスSe5では、電力会社サーバ10は、通信部11からインターネットNを介して需要家側の電力スマートメータ20に検定アプリケーションソフトウエアを配信しておく。
シーケンスSe10では、電力会社サーバ10は、定期的に計量器の検定を実施させるための検定要求信号を需要家側の電力スマートメータ20へ送信する。
次いで、シーケンスSe15では、電力スマートメータ20は検定要求信号を受け付けたので、検定応答信号を電力会社サーバ10に送信する。
電力スマートメータ20にインストールされている検定アプリケーションは、電力会社サーバ10からの検定要求信号により、検定アプリケーションのプログラムを起動して検定処理を実施する。
【0032】
次いで、シーケンスSe20では、マートメータは、検定アプリケーションのプログラムによる検定結果データ(良否判定)を電力会社サーバ10に送信する。
電力会社サーバ10は、電力スマートメータ20からの検定結果(良否判定)をデータベースDBへ登録する。
次いで、シーケンスSe25では、マートメータは、検定アプリケーションのプログラムによる検定が終了したので検定終了信号を電力会社サーバ10に送信する。
ここで、電力会社サーバ10は、検定結果が『良』である場合に、次回の検定時期まで当該需要家側に検定実施指示を送信しない。
【0033】
一方、電力会社サーバ10は、検定結果が『否』の場合は、以下の手順に移行する。
次いで、シーケンスSe26では、電力会社サーバ10は、データベースDB13から読み出した検定結果『否』の取替一覧リストを営業所PC55のメールアドレス宛てに送信する。
次いで、シーケンスSe30では、電力会社サーバ10は、取替一覧リストとともに、計量ユニット42の取替え依頼を表す取替依頼メッセージを工事会社PC60のメールアドレス宛てに送信する。
次いで、シーケンスSe35では、工事会社PC60は、電力会社サーバ10からの取替依頼メッセージに基づいて、需要家PC50のメールアドレス宛てに計量ユニット42を取り替るために訪問する旨を表す訪問許可依頼メッセージ65(停電は不要、敷地内への出入り許可のお願い)(
図8、参照)を電子メールで送信する。
なお、
図8に示す電子メールの記載内容は、HTML形式の電子メールを示すものであり、文字フォントの色、文字サイズ、背景色等の変更が可能になっており、更に「了承ボタン」67や「否要:電話連絡」ボタン69が書面の底部に設けられている。需要家PC50上において、メーラソフトウエアによりこの電子メールが受信されて開かれた場合に、「了承ボタン」67がクリックされたときは、承諾を表すメッセージが記載された電子メールが自動的に工事会社PC60に送信される。また「否要:電話連絡」ボタン69がクリックされたときは、工事会社から当該需要家側に電話連絡を依頼することを表すメッセージが記載された電子メールが自動的に工事会社PC60に送信される。
【0034】
次いで、シーケンスSe40では、需要家PCは、工事会社PCから受信した電子メールに対して返信(訪問許可メッセージ)することで、取替日時を確定させる。
工事会社PC60は、需要家PC50から受信した返信メールに記載されている工事日時を参照して、工事会社は計量ユニット42の取替工事を実施する。
次いで、シーケンスSe45では、工事会社は、需要家側での計量ユニット取替が完了した後に、営業所PCのメールアドレス宛てに完了報告メッセージが記載された電子メールを送信する。
次いで、シーケンスSe50では、営業所PC55は、工事会社PC60からの完了報告メッセージに基づいて、当該需要家向けの計量ユニット取替工事が完了した旨を取替一覧リストに登録する。営業所PC55は、電力会社サーバ10のメールアドレス宛てに完了報告リストを送信する。
【0035】
電力会社では、電力会社サーバ10のデータベースDB13に蓄積された、各電力スマートメータ20の検定結果『否』についての詳細データ(何の検定が不良)を、内容別に分類することでどの検定内容に不良が多いかを確認することができる。この結果、電力スマートメータ20の不良の傾向分析に活用することができる。
また、各電力スマートメータ20における電力使用量と、計量ユニット42が不良になった場合の因果関係をデータベースDBに蓄積(使用量が多いと不良率が高くなる)してもよい。
さらに、計量ユニット42を取り付けてから不良が発生するまでの期間で表せる耐久時間を算出してもよい。
また、検定結果一覧リストには、
図4に示すように、電力スマートメータ20が配置された場所の住所データベースが記憶されている。このため、住所データに示される市名、町名等のエリア別に不良率を算出して地図上にマッピングすることで、地図上において市名、町名別の不良率の比較を行うことができる。これにより、エリア別に湿気や温度、塩害状態が異なる点をエリア別に分析することができる。
この結果、上記の分析データをデータベースDB13に蓄積して活用することで、計量ユニット42の製品品質の向上を図ることができる。
【0036】
また、電力スマートメータ20の定期取替工事や停電周知に要する人役を抜本的に削減することができるため、計量ユニット42の取替に関連する費用(取替コスト)を大幅に低減することができる。
さらに、電力スマートメータ20の不良になった計量ユニット42のみの取替えに限定されることから、定期取替工事や停電周知に要する人役を抜本的に削減することができるため、飛躍的に業務を効率化することができる。
従来、電力量計の取替時には屋内停電を行っていたが、本実施形態によれば、屋内停電が不要となることにより、需要家への負担を軽減することができ、需要家の満足度を向上することができる。
【0037】
<本発明の実施態様例と効果>
<第1態様>
本態様の電力スマートメータ20は、商用電源からの配電線と需要家側に設けられた分電盤5からの屋内配線との間に接続され、需要家側の電気機器において消費された電力を計量するとともに、計量値をネットワークNを介して電力会社に配置された電力会社サーバ10に送信する電力スマートメータであって、商用電源側から需要家側に供給される電圧値及び電流値を測定する電力測定部24と、電圧値及び前記電流値を乗算することにより電力値を演算する電力演算部25と、電力演算部25から供給される電力値を積算することにより電力量を計量し、当該計量値を表示する計量ユニット42と、電力会社サーバ10からの検定要求信号に応じて、計量ユニット42を検定する検定制御部33と、を備え、検定制御部33は、計量ユニット42についての検定結果を計量ユニット42に表示させるとともに、検定結果を電力会社サーバ10に送信するように制御する。
本態様によれば、計量ユニット42についての検定結果を計量ユニット42に表示させるので、検定結果を目視確認することができる。また、検定結果を電力会社サーバ10に送信するので、電力会社側でも検定結果を確認することができる。
【0038】
<第2態様>
本態様の電力スマートメータ20は、電力演算部25から供給される電力値を積算する補助計量ユニット41を備え、検定制御部33は、電力会社サーバ10から検定要求信号を受信した場合に、電力演算部25から出力される電力値を補助計量ユニット41に送出し、補助計量ユニット41に積算させるように制御する。
本態様によれば、計量ユニット42について検定を行っている際にも、実際に需要家側の電気機器で消費されている電力を計量することができる。
【0039】
<第3態様>
本態様の検定制御部33は、計量ユニット41を検定する直前に、計量ユニット41が計量した計量値を補助計量ユニット41に送出させ、補助計量ユニット41に当該計量値から積算させるように制御する。
本態様によれば、計量ユニット42の検定を行う直前までの、実際に需要家側の電気機器で消費されている電力から補助計量ユニット41で計量することができる。
<第4態様>
本態様の検定制御部33は、計量ユニット42に対して検定が終了した場合に、補助計量ユニット41が計量した計量値を計量ユニット42に送出させ、計量ユニット42に当該計量値から積算させるように制御する。
本態様によれば、計量ユニット42に対して検定が終了した場合に、補助計量ユニット41が計量した計量値を計量ユニット42に送出させ、計量ユニット42に当該計量値から積算させるように制御するので、検定終了後に計量ユニット42に当該計量値から積算させることができる。
【0040】
<第5態様>
本態様の検定制御部33は、計量ユニット42に対する検定として、商用電源の定格電圧の上限電圧値により構成される模擬電力値を計量ユニット42に送出することにより、計量ユニット42が当該模擬電力値を計量するか否かを検知する潜動検定、或いは商用電源から供給される定格電流の下限電流値と定格電圧とを乗算して求めた模擬電力値を計量ユニット42に送出することにより、計量ユニット42が当該模擬電力値を計量するか否かを検知する始動検定、或いは始動検定と連動し、計量ユニット42が計量結果である模擬電力値に基づく計量値を出力するか否かを検知する計量検定、或いは所定電圧値、所定電流値、所定力率値により構成される模擬電力値を計量ユニット42に送出し、計量ユニット42による計量値を検知することで、模擬電力値により想定可能な基準消費電力量と、計量ユニット42による計量値との差分を演算し、当該差分値が所定基準値を超えるか否かを判定することにより良否判定を行う誤差検定、のうち少なくとも1つを実行するように制御する。
本態様によれば、検定処理として潜動検定、始動検定、計量検定、誤差検定のうち少なくとも1つを実行するように制御するので、計量ユニット42を対象とした検定処理を行うことができる。
【0041】
<第6態様>
本態様の検定システム1は、電力スマートメータ20と、電力会社サーバ10を備え、電力会社サーバ10は、電力スマートメータ20から受信した検定結果を記憶するデータベース13と、データベース13から取得した検定結果のうち少なくとも1つの検定結果が否判定である場合に、当該電力スマートメータ20に備えられた計量ユニット42が不良であると判定し、当該電力量計が配置された需要家の連絡先を含むリストを生成する異常用監視部15と、リストに電力スマートメータ20の取替指示を表すメッセージを付加した電子メールを工事会社のメールアドレス宛てに送信する通信部11とを備える。
本態様によれば、電力スマートメータ20から受信した検定結果のうち少なくとも1つの検定結果が否判定である場合に、当該電力スマートメータ20に備えられた計量ユニット42が不良であると判定し、当該電力スマートメータ20が配置された需要家の連絡先を含むリストを生成し、リストに電力スマートメータ20の取替指示を表すメッセージを付加した電子メールを工事会社のメールアドレス宛てに送信するので、電力スマートメータ20に備えられた計量ユニット42が不良である場合に、電力スマートメータ20の取替指示を表すメッセージを工事会社に報知することができる。
<第7態様>
本態様の検定システム1は、工事会社に配置され、電力会社サーバ20と電子メールを通信する工事会社PC60と、需要家側に配置され、工事会社PCと電子メールを通信する需要家PC50と、を備え、工事会社PC60は、電力会社サーバ10から受信した電子メールに付加されたリスト及び電力スマートメータ20の取替指示を表すメッセージに基づいて、需要家PC50のメールアドレス宛てに電力スマートメータ20の取替工事を表すメッセージを送信する。
本態様によれば、工事会社PC60は、電力スマートメータ20の取替指示を表すメッセージに基づいて、需要家PC50のメールアドレス宛てに電力スマートメータ20の取替工事を表すメッセージを送信するので、需要家PC50のメールアドレス宛てに電力スマートメータ20の取替工事を表すメッセージを報知することができる。