(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の作業機械の油圧システムの実施形態を、図面を用いて説明する。
【0023】
<作業機械>
まず、本発明の油圧システムが備えられる作業機械について、
図1および
図2を用いて説明する。なお、作業機械として油圧ショベルに適用した場合を例に挙げて説明する。
図1は油圧ショベルの斜視図、
図2は
図1の油圧ショベルに装着された破砕機の一部を破断して示す図である。
【0024】
図1に示すように、作業機械は、油圧ショベルをベースとするものであり、クローラ型の走行体101を備え、この走行体101上に旋回体102が旋回可能に設けられている。旋回体102には、前部左側に運転室103が設けられていると共に、その中央部からブーム104が延びている。ブーム104はその両側の所定位置に配設された一対のブームシリンダ105を伸縮させることで起伏される。当該ブーム104の先にはアーム106が回動可能に連結され、このアーム106の先端にはリンク機構108を介して、本来のバケットの代わりにオプションアタッチメントとして破砕機109が装着されている。そして、これらアーム106および破砕機109もまた、そのアームシリンダ107およびアタッチメントシリンダ110の伸縮を受けて回動される。なお、
図1に示す油圧ショベルには、これら以外にも、油圧ショベルの機能を発揮するのに必要な機能部品(図示せず)が配設されている。
【0025】
図2に示すように、破砕機109は、大きく分けてみたとき、基部フレーム120と、この基部フレーム120の先端部に一体的に延設された固定顎122と、基部フレーム120に回動自在に設けられた可動顎124とを備えており、これら固定顎122と可動顎124とは互いに協働して破砕機109の開閉動作を行う。
【0026】
可動顎124は破砕機用シリンダ(オプション油圧アクチュエータ)14に連結されており、この破砕機用シリンダ14は基部フレーム120内に配設されている。破砕機用シリンダ14が伸縮されると、可動顎124は回動軸126を中心に回動し、破砕機109の開閉動作が実施される。
【0027】
<第1の実施形態>
次に、本発明の作業機械の油圧システムの第1の実施形態を、
図3乃至
図8を用いて説明する。
図3は本発明の作業機械の油圧システムの第1の実施形態の概略を示す構成図、
図4はオプションアタッチメント未装着時における本発明の作業機械の油圧システムの第1の実施形態における回路構成の概略を示す構成図、
図5は本発明の第1の実施形態におけるコントローラの指令電流値と予備流量・方向制御弁に入力される制御パイロット圧力との関係の一例を示す図、
図6は本発明の第1の実施形態における流量・方向制御弁の開口面積特性の一例を示す図、
図7はオプションアタッチメント装着時における本発明の作業機械の油圧システムの第1の実施形態における回路構成の概略を示す構成図、
図8はオプションアタッチメント装着時における本発明の作業機械の油圧システムの第1の実施形態における回路構成の概略を示す構成図である。
【0028】
なお、
図3の実線はポンプより吐出された油路、破線はパイロット圧の油路、一点破線は圧油の流量・方向を制御するバルブを表し、二点破線はコントローラの信号経路を表す。以下、
図4,
図7,
図8,
図9,
図10,
図11,
図12も同様である。
【0029】
図3において、作業機械の油圧システムは、油圧ポンプ1、パイロットポンプ5、油圧ポンプ1から吐出される圧油によって駆動される油圧アクチュエータ6およびオプション油圧アクチュエータ14とを有する。
【0030】
油圧ポンプ1は、エンジンによって駆動される可変容量型の油圧ポンプ(メインポンプ)である。この油圧ポンプ1およびパイロットポンプ5は、エンジンにより回転駆動され、作動油を吐出する。
【0031】
また、
図3に示す油圧システムは、油圧ポンプ1から油圧アクチュエータ6やオプション油圧アクチュエータ14に供給される圧油の流れ(方向と流量)を制御し、油圧アクチュエータ6やオプション油圧アクチュエータ14の駆動を制御するコントロールバルブ2を備えている。
【0032】
このコントロールバルブ2は、油圧ポンプ1から油圧アクチュエータ6に供給される圧油の流量および方向を制御する流量・方向制御弁7と、油圧ポンプ1からオプション油圧アクチュエータ14に供給される圧油の流量および方向を制御する予備流量・方向制御弁8とを内蔵している。このコントロールバルブ2は、レバー操作式のアクチュエータ操作レバー11やオプション油圧アクチュエータ操作レバー15からのパイロット圧油に応じてそれらの方向・流量制御弁7,8を駆動することで、油圧アクチュエータ6やオプション油圧アクチュエータ14に供給される圧油の方向と流量を制御する。
【0033】
流量・方向制御弁7および予備流量・方向制御弁8はセンターバイパス型の流量・方向制御弁であり、センターバイパスライン3上に配置されている。すなわち、センターバイパスライン3は流量・方向制御弁7および予備流量・方向制御弁8を貫通して伸びている。センターバイパスライン3の上流側は油圧ポンプ1に接続され、下流側はタンクTに接続されている。また、流量・方向制御弁7および予備流量・方向制御弁8は、油圧パラレルライン4bを介してセンターバイパスライン3にパラレルにも接続されている。
【0034】
流量・方向制御弁7は、中立位置では、第1アクチュエータライン9,10をブロックし、油圧ポンプ1から吐出される圧油をタンクTに還流させる。油圧アクチュエータ6を作動させるときは、センターバイパスライン3をブロックするとともに、第1アクチュエータライン9,10のいずれかを油圧入力ライン4aに接続することによって油圧ポンプ1から吐出される圧油を油圧アクチュエータ6のボトム側シリンダ室またはロッド側シリンダ室に供給するとともに、第1アクチュエータライン9,10のもう一方をタンクTに接続することで、ボトム側シリンダ室またはロッド側シリンダ室のもう一方から排出された圧油をタンクTに戻すよう構成されている。
【0035】
予備流量・方向制御弁8は、中立位置では、第2アクチュエータライン12,13をブロックし、油圧ポンプ1から吐出される圧油をタンクTに還流させる。オプション油圧アクチュエータ14を作動させるときは、センターバイパスライン3をブロックするとともに、第2アクチュエータライン12,13のいずれかを油圧入力ライン4cに接続することによって油圧ポンプ1から吐出される圧油をオプション油圧アクチュエータ14のボトム側シリンダ室またはロッド側シリンダ室に供給するとともに、第2アクチュエータライン12,13のもう一方をタンクTに接続することで、ボトム側シリンダ室またはロッド側シリンダ室のもう一方から排出された圧油をタンクTに戻すよう構成されている。
【0036】
油圧アクチュエータ6は、油圧ショベルのフロントを上下(または押し引き)させるための油圧ポンプ1の吐出油により駆動される複動式の片ロッドシリンダであり、
図1に示すブームシリンダ105,アームシリンダ107等の総称である。油圧アクチュエータ6や流量・方向制御弁7は、実際は複数あるが、
図3では図示の都合上1つだけ示す。
【0037】
油圧アクチュエータ6は、ロッド側とボトム側との2つのシリンダ室を有しており、ボトム側シリンダ室が第1アクチュエータライン9を介して流量・方向制御弁7に接続され、ロッド側シリンダ室が第1アクチュエータライン10を介して流量・方向制御弁7に接続されている。
【0038】
アクチュエータ操作レバー11は、パイロットポンプ5からの圧油をレバー操作量に応じて減圧する減圧弁を内蔵しており、レバー操作量に応じたパイロット圧油をパイロット油路27,28を介して流量・方向制御弁7に対して出力する。これにより油圧アクチュエータ6には流量・方向制御弁7を介して油圧ポンプ1の吐出油が供給される。
【0039】
オプション油圧アクチュエータ14は、通常は使用されないが、
図2に示すような破砕機109やレーカや小割などのオプションアタッチメントを駆動させる時に使用されるシリンダである。このオプション油圧アクチュエータ14も、ロッド側とボトム側との2つのシリンダ室を有しており、ロッド側シリンダ室が第2アクチュエータライン12を介して予備流量・方向制御弁8に接続され、ボトム側シリンダ室が第2アクチュエータライン13を介して予備流量・方向制御弁8に接続されている。
【0040】
オプション油圧アクチュエータ操作レバー15は、パイロットポンプ5からの圧力をレバー操作量に応じて減圧する減圧弁を内蔵しており、レバー操作量に応じたパイロット圧油をパイロット油路22,23を介して予備流量・方向制御弁8に対して出力する。
【0041】
パイロット油路22には、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15のレバー操作量に応じたパイロット圧油と、コントローラ17からの指令電流で電磁弁16によって減圧されたパイロット油路30のパイロット圧油とのパイロット圧油のいずれかを選択して予備流量・方向制御弁8の一方の受圧部に供給するためのシャトル弁20が設けられている。
【0042】
また、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作された場合に、
パイロット油路22,23に出力されたパイロット圧油のいずれかを選択してオプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21に対して供給するためのパイロット油路22,23から分岐した油路22a,23aを有している。
【0043】
オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21は、第2アクチュエータライン12,13の圧油の流れをカットするよう配置されており、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作された際には、オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21が開位置となり、オプション油圧アクチュエータ14には予備流量・方向制御弁8を介して油圧ポンプ1の吐出油が供給されるよう構成されている。
【0044】
これにより、通常はオプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21が閉位置であるため、第2アクチュエータライン12,13の圧油の流れがカットされている、すなわちオプション油圧アクチュエータ14に圧油が供給されない状態となる。これに対し、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作された際には、オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21が開位置となり、オプション油圧アクチュエータ14には予備流量・方向制御弁8を介して油圧ポンプ1の吐出油が供給される。
【0045】
電磁弁18は、オプションアタッチメントが装着されていない場合や、オプションアタッチメントが装着されていても作動させない場合に、コントローラ17からの指令電流の値に応じてオプション油圧アクチュエータ操作レバー15への圧油をカットするよう構成されたオプションアタッチメント操作用のパイロット圧カット用の電磁弁である。
【0046】
同様に、電磁弁16は、オプションアタッチメントが装着されていない場合や、オプションアタッチメントが装着されていても作動させない場合に、予備流量・方向制御弁8をセンターバイパスカット弁として作動させるために、コントローラ17からの指令電流の値に応じてその開口面積が制御されて、パイロットポンプ5から吐出された圧油を減圧したうえでパイロット油路30、シャトル弁20を介してパイロット油路22に供給して予備流量・方向制御弁8の一方の受圧部に供給するよう構成された予備流量・方向制御弁駆動用の電磁弁である。
【0047】
コントローラ17は、破砕機109等のオプションアタッチメントが装着されていない場合に、オプションアタッチメントを動作させないときに予備流量・方向制御弁8をセンターバイパスカット弁として作動させるための制御を行う。また、コントローラ17は、破砕機109等のオプションアタッチメントが装着されている際に、オプションアタッチメントを動作させるか否かのスイッチ26における指令に基づいて、オプションアタッチメントを動作させるときには予備流量・方向制御弁8をオプション油圧アクチュエータ14に供給する圧油の流れを制御するバルブとして作動させ、オプションアタッチメントを動作させないときには予備流量・方向制御弁8をセンターバイパスカット弁として作動させる切替制御を行う。
【0048】
スイッチ26は、上述のように、オプションアタッチメントを動作させるときに予備流量・方向制御弁8をオプション油圧アクチュエータ14に供給する圧油の流れを制御するバルブとして作動させ、オプションアタッチメントを動作させないときに予備流量・方向制御弁8をセンターバイパスカット弁として作動させることを切り替えるためのスイッチであり、運転室103に設けられている。
【0049】
モニタ19は、油圧ショベルに破砕機109等オプションアタッチメントが現在装着されているか否かを選択する選択画面を表示し、いずれかを選択することが可能なように構成されている。また、モニタ19は、現在予備流量・方向制御弁8がオプション油圧アクチュエータ14に圧油を供給する機能か、センターバイパスカット弁の機能のいずれの機能が働いているかを表示するための画面を表示する。
【0050】
〜動作〜
次に、上述した第1の実施形態の作業機械の油圧システムの動作を、
図4乃至
図8を用いて説明する。
【0051】
〜オプションアタッチメント未装着〜
図4は、オプションアタッチメントが装着されていない場合の本実施形態の作業機械の油圧システムの回路構成の概略を示した図である。
【0052】
図1に示すような油圧ショベルにおいて、オプションアタッチメントではなくバケットが装着されているモードが選択されていることをモニタ19の選択部等により選択されると、コントローラ17は、
図4に示すように、指令電流を電磁弁18に対して出力し、電磁弁18は全閉する。電磁弁18が全閉すると、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15へ圧油が供給されない。そのため、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15が万が一操作されても、パイロット油路22およびパイロット油路23には圧力がたたない。従って、オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21が閉位置のままとなり、第2アクチュエータライン12,13に対して圧油が供給されない状態となる。
【0053】
また、コントローラ17は、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じた指令電流を電磁弁16に対して出力する。電磁弁16は、この指令電流の入力によりその開口面積が制御される。この際のコントローラ17の指令電流とパイロット圧との特性を
図5に示す。そのため、パイロットポンプ5から吐出され、電磁弁16によって減圧されたパイロット圧油がパイロット油路30,22を介して予備流量・方向制御弁8の一方の受圧部に供給され、センターバイパスライン3をブロックするように作動し、予備流量・方向制御弁8のセンターバイパスライン3における開口面積が制御される。このときの予備流量・方向制御弁8のセンターバイパスライン3の開口面積は、電磁弁16を通過する制御パイロット圧力に対して、
図6のように変化する。
【0054】
従って、運転室103にいるオペレータがアクチュエータ操作レバー11を操作すると、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じて流量・方向制御弁7が作動し、油圧ポンプ1から吐出された圧油が油圧アクチュエータ6に供給される。また、パイロットポンプ5から吐出され、コントローラ17からの指令電流の値に応じて電磁弁16が減圧することで生成されたパイロット圧油がパイロット油路30、シャトル弁20を介してパイロット油路22に供給されて予備流量・方向制御弁8に入力されて予備流量・方向制御弁8が作動し、油圧ポンプ1が吐出した圧油のセンターバイパスライン3を介してタンクTへ向かう油路に対する開口は、流量・方向制御弁7・8の合成開口面積になり、流量・方向制御弁7が単独で作動した時より狭くなるよう制御される。
【0055】
従って、運転室103にいるオペレータがアクチュエータ操作レバー11を操作すると、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じて流量・方向制御弁7が作動し、アクチュエータが作動する。
【0056】
〜オプションアタッチメント装着・未使用〜
図7は、オプションアタッチメントが装着されているものの、スイッチ26によってオプションアタッチメントを使用しないモードが選択されている場合の本実施形態の作業機械の油圧システムの回路構成の概略を示した図である。
【0057】
図1に示すような油圧ショベルにおいて、バケットではなくオプションアタッチメントが装着されているモードが選択されていることをモニタ19の選択部により選択され、かつスイッチ26においてオプションアタッチメントを使用しないことが選択されたときは、上述したオプションアタッチメント未装着時と同様に、コントローラ17は、指令電流を電磁弁18に対して出力し、電磁弁18は全閉する。このため、
図7に示すように、
図4に示した状態と概略同じ回路構成になる。
【0058】
また、コントローラ17は、オプションアタッチメント未装着と同様に、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じた指令電流を電磁弁16に対して出力し、電磁弁16は、この指令電流の入力によりその開口面積が制御され、予備流量・方向制御弁8のセンターバイパスの開口面積も制御される。
【0059】
〜オプションアタッチメント装着・使用〜
図8は、オプションアタッチメントが装着されており、かつスイッチ26によってオプションアタッチメントを使用するモードが選択されている場合の本実施形態の作業機械の油圧システムの回路構成の概略を示した図である。
【0060】
図1に示すような油圧ショベルにおいて、バケットではなくオプションアタッチメントが装着されているモードが選択されていることをモニタ19の選択部により選択され、かつスイッチ26においてオプションアタッチメントを使用することが選択されたときは、コントローラ17は、
図8に示すように、電磁弁18および電磁弁16のいずれに対しても指令電流は出力しない。
【0061】
このため、アクチュエータ操作レバー11が操作されると、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じて流量・方向制御弁7が作動し、油圧ポンプ1から吐出された圧油が油圧アクチュエータ6に供給される。
【0062】
また、電磁弁18が開いているため、パイロットポンプ5から吐出された圧油がオプション油圧アクチュエータ操作レバー15へ供給される。そのため、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作されると、パイロット油路22またはパイロット油路23に圧力がたち、オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21がパイロット油路22またはパイロット油路23の圧力に応じて開いた状態となり、第2アクチュエータライン12,13へ圧油が供給され、オプション油圧アクチュエータ14へ圧油が供給可能な状態となる。
【0063】
更に、電磁弁16が閉位置のままとなるため、パイロット油路22に供給されたパイロット圧油がシャトル弁20を通過し、予備流量・方向制御弁8の受圧部に供給され、またパイロット油路23に供給されたパイロット圧油は予備流量・方向制御弁8のもう一方の受圧部に供給され、予備流量・方向制御弁8は、オプション油圧アクチュエータ14へ供給する圧油の流量・方向を制御するバルブとして作動する。
【0064】
従って、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作されると、オプションアクチュエータ操作レバー15の操作量に応じて予備流量・方向制御弁8が作動し、油圧ポンプ1から吐出された圧油がオプション油圧アクチュエータ14に対しても供給される。
【0065】
〜効果〜
上述のように作動する第1の実施形態の作業機械の油圧システムでは、オプションアタッチメント未装着時は、予備流量・方向制御弁8をセンターバイパスカット弁として作動させることが出来る。したがって、例えば、重負荷微速操作作業時において、油圧アクチュエータ6の負荷保持側のシリンダ室に圧油を供給するよう操作された時に予備流量・方向制御弁8をセンターバイパスカット弁として作動させ、油圧ポンプ1の吐出圧力がシリンダの負荷圧よりも高くなるように制御することで、良好な微速操作性を得られるようになる。
【0066】
また、オプションアタッチメントが装着されている際には、オプションアタッチメントを使わない時は
図7の構成に、使うときは
図8の構成に切り替える切替制御を行い、予備流量・方向制御弁8を、センターバイパスの合成開口面積を調整するセンターバイパスカット弁として作動させてアクチュエータに流れる圧油の流量を制御する機能と、オプション油圧アクチュエータ14に圧油を供給するよう作動させる機能を切り替える。
【0067】
従って、オプションアタッチメント装着・未使用時は、オプションアタッチメント未装着時と同様に、予備流量・方向制御弁8をセンターバイパスカット弁として作動させることが出来る。よって、重負荷微速操作作業時において、専用のセンターバイパスカット弁を備えることなく、エネルギーロスを低減して燃費の悪化を防止することができるとともに良好な微速操作性を得られる、との効果を奏することができる。そして、オプションアタッチメント装着・使用時は、予備流量・方向制御弁8を、オプション油圧アクチュエータ14に圧油を供給するよう作動させることができ、オプション油圧アクチュエータ14に流れる圧油の流量を制御し、オプションアタッチメントを操作性良く使用することが可能となる。
【0068】
従って、本実施形態の作業機械の油圧システムによれば、オプションアタッチメント装着時であっても、予備流量・方向制御弁8をセンターバイパスの合成開口面積を調整するセンターバイパスカット弁として作動させることが出来、センターバイパスカット弁を搭載するスペース・コストを省くことが出来る。
【0069】
また、コントローラ17は、破砕機109等のオプションアタッチメントが装着されている際に、オプションアタッチメントを動作させるか否かのスイッチ26を備えていることによって、オプションアタッチメントを使用しない際にオプション油圧アクチュエータ操作レバー15を誤って操作してもオプション油圧アクチュエータ14圧油が供給されない、すなわちオプションアタッチメントが動作しないようにすることができ、オペレータの意図しない動作が実行されることを防止することができる。
【0070】
更に、第2アクチュエータライン12,13の圧油の流れをカットするためのカットバルブ21を有していることにより、オプションアタッチメントが装着されている際に、予備流量・方向制御弁8をセンターバイパスカット弁として作動させる際に、オプション油圧アクチュエータ14に圧油が供給されることを確実に防止することができ、オペレータの意図しない動作が実行されることを防止することができる。
【0071】
〜他の態様〜
なお、本実施形態の作業機械の油圧システムはこの形態に限られない。以下、本発明の作業機械の油圧システムの第1の実施形態の他の態様の概略を
図9を参照して説明する。
図9は本発明の作業機械の油圧システムの第1の実施形態の他の概略を示す構成図である。
【0072】
図9に示すように、本発明の第1の実施形態の他の態様に係る作業機械の油圧システムは、オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21およびパイロット油路22,23から分岐した油路22a,23aを備えていない。
【0073】
また、
図3に示す第1の実施形態の作業機械の油圧システムにおける電磁弁18の代わりに、オプションアタッチメントが装着され、かつ作動させる場合に、コントローラ17からの指令電流の値に応じてオプション油圧アクチュエータ操作レバー15に対して圧油を供給するよう構成された電磁弁18Aを備えている。
【0074】
その他の構成は、
図3に示す作業機械の油圧システムと概略同じである。
【0075】
〜動作〜
次に、上述した第1の実施形態の他の態様の作業機械の油圧システムの動作について説明する。
【0076】
〜オプションアタッチメント未装着〜
図1に示すような油圧ショベルにおいて、オプションアタッチメントではなくバケットが装着されているモードが選択されていることをモニタ19の選択部により選択されると、コントローラ17は、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じた指令電流を電磁弁16に対して出力し、この指令電流の入力により電磁弁16の開口面積が制御され、予備流量・方向制御弁8のセンターバイパスの開口面積も制御される。
【0077】
これに対し、コントローラ17は、電磁弁18Aに対して指令電流は出力しない。よって、電磁弁18Aは全閉し、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15へ圧油が供給されず、パイロット油路22およびパイロット油路23には圧力がたたない。
【0078】
従って、運転室103にいるオペレータがアクチュエータ操作レバー11を操作すると、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じて流量・方向制御弁7が作動し、油圧ポンプ1から吐出された圧油が油圧アクチュエータ6に供給される。この際に、予備流量・方向制御弁8が作動し、油圧ポンプ1が吐出した圧油のセンターバイパスライン3を介してタンクTへ向かう油路に対する開口は、流量・方向制御弁7・8の合成開口面積になり、流量・方向制御弁7が単独で作動した時より狭くなるよう制御される。
【0079】
〜オプションアタッチメント装着・未使用〜
図1に示すような油圧ショベルにおいて、バケットではなくオプションアタッチメントが装着されているモードが選択されていることをモニタ19の選択部により選択され、かつスイッチ26においてオプションアタッチメントを使用しないことが選択されたときは、コントローラ17は、オプションアタッチメント未装着時と同様に、電磁弁18Aに対しては指令電流を出力せず、電磁弁16に対してアクチュエータ操作レバー11の操作量に応じた指令電流を電磁弁16に対して出力する。従って、オプションアタッチメント未装着と同様の回路構成となり、同様の動作が実施可能となる。
【0080】
〜オプションアタッチメント装着・使用〜
図1に示すような油圧ショベルにおいて、バケットではなくオプションアタッチメントが装着されているモードが選択されていることをモニタ19の選択部により選択され、かつスイッチ26においてオプションアタッチメントを使用するとされたときは、コントローラ17は、電磁弁16に対しては指令電流を出力せず、電磁弁18Aに対しては指令電流を出力する。
【0081】
このため、電磁弁18Aが開位置、電磁弁16が閉位置になり、パイロット油路22に供給されたパイロット圧油がシャトル弁20を通過し、予備流量・方向制御弁8の受圧部に供給され、またパイロット油路23に供給されたパイロット圧油は予備流量・方向制御弁8のもう一方の受圧部に供給され、予備流量・方向制御弁8は、オプション油圧アクチュエータ14へ供給する圧油の流量・方向を制御するバルブとして作動する。
【0082】
従って、アクチュエータ操作レバー11が操作されると、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じて流量・方向制御弁7が作動し、油圧ポンプ1から吐出された圧油が油圧アクチュエータ6に供給される。また、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作されると、オプションアクチュエータ操作レバー15の操作量に応じて予備流量・方向制御弁8が作動し、油圧ポンプ1から吐出された圧油がオプション油圧アクチュエータ14に対して供給され、オプションアタッチメントが作動する。
【0083】
〜効果〜
このように、
図9に示すような第1の実施形態の他の態様の作業機械の油圧システムにおいても、
図3に示すような第1の実施形態の作業機械の油圧システムと同様の効果が得られる。
【0084】
また、本態様では、オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21およびパイロット油路22,23から分岐した油路22a,23aを備えていないため、
図3に示す作業機械の油圧システムに比べて回路構成が簡単となり、低コストの油圧システムとすることができる。
【0085】
なお、上述の実施形態では、スイッチ26が設けられている場合について説明したが、モニタの選択部においてモニタ19にて現在予備流量・方向制御弁8がオプション油圧アクチュエータ14に圧油を供給する機能か、センターバイパスカット弁の機能のいずれかの機能の切り替えを指示することが出来るようにすることができる。
【0086】
<第2の実施形態>
本発明の作業機械の油圧システムの第2の実施形態を
図10および
図11を用いて説明する。
図10は本発明の作業機械の油圧システムの第2の実施形態の概略を示す構成図である。
【0087】
図10に示すように、本発明の第2の実施形態に係る作業機械の油圧システムは、
図3に示す第1の実施形態の作業機械の油圧システムにおけるスイッチ26およびモニタ19の替わりに、パイロット油路22,23に出力されたパイロット圧油のいずれかを選択するシャトル弁21aを通過してオプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21に対して圧油を供給するための油路21bにおけるパイロット圧油の大きさを検知するための圧力センサ24を備えている。
【0088】
また、コントローラ17は、圧力センサ24の検出信号に基づいて、電磁弁16に対して指令電流を出力する。
【0089】
また、コントローラ17からの指令電流の値に応じてオプション油圧アクチュエータ操作レバー15へ圧油を供給する油路に設けられた電磁弁18を備えていない。
【0090】
その他の構成は、
図3に示す作業機械の油圧システムと概略同じである。
【0091】
〜動作〜
次に、上述した第2の実施形態の作業機械の油圧システムの動作について説明する。
【0092】
〜オプションアタッチメント未装着〜
図1に示すような油圧ショベルにおいて、オプションアタッチメントではなくバケットが装着されているモードが選択されると、コントローラ17は、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じた指令電流を電磁弁16に対して出力し、この指令電流の入力により電磁弁16の開口面積が制御され、予備流量・方向制御弁8のセンターバイパスの開口面積も制御される。また、オプションアクチュエータが装着されていないことから通常はオプション油圧アクチュエータ操作レバー15は操作されないため、パイロット油路22およびパイロット油路23には圧力がたたず、オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21が閉位置のままとなり、第2アクチュエータライン12,13に対して圧油が供給されることが抑止される。
【0093】
従って、運転室103にいるオペレータがアクチュエータ操作レバー11を操作すると、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じて流量・方向制御弁7が作動し、油圧ポンプ1から吐出された圧油が油圧アクチュエータ6に供給される。この際に、予備流量・方向制御弁8が作動し、油圧ポンプ1が吐出した圧油のセンターバイパスライン3を介してタンクTへ向かう油路に対する開口は、流量・方向制御弁7・8の合成開口面積になり、流量・方向制御弁7が単独で作動した時より狭くなるよう制御される。
【0094】
〜オプションアタッチメント装着・未使用〜
図1に示すような油圧ショベルにおいて、バケットではなくオプションアタッチメントが装着されているモードが選択されると、コントローラ17は、圧力センサ24の検出値をモニタし続ける。この圧力センサ24の検出値において、オプションアタッチメントが不使用、すなわちオプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作されず、パイロット油路22,23の何れにもパイロット圧油が出力されていないと判定すると、コントローラ17は、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じた指令電流を電磁弁16に対して出力し、この指令電流の入力により電磁弁16の開口面積が制御され、予備流量・方向制御弁8のセンターバイパスの開口面積も制御される。
【0095】
従って、予備流量・方向制御弁8が作動し、油圧ポンプ1が吐出した圧油のセンターバイパスライン3を介してタンクTへ向かう油路に対する開口は、流量・方向制御弁7・8の合成開口面積になり、流量・方向制御弁7が単独で作動した時より狭くなるよう制御される。
【0096】
また、パイロット油路22およびパイロット油路23には圧力がたたないため、オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21が閉位置のままとなり、第2アクチュエータライン12,13へ圧油が供給されず、オプション油圧アクチュエータ14に圧油が供給されない状態となる。
【0097】
〜オプションアタッチメント装着・使用〜
オプションアタッチメント装着・未使用の場合と同様に、コントローラ17は、圧力センサ24の検出値をモニタし続ける。この圧力センサ24の検出値において、オプションアタッチメントが使用されている、すなわちオプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作され、パイロット油路22,23の何れかにパイロット圧油が出力されていると判定すると、コントローラ17は、電磁弁16に対して指令電流を出力しない。
【0098】
このため、電磁弁16が閉位置になり、パイロット油路22に供給されたパイロット圧油がシャトル弁20を通過し、予備流量・方向制御弁8の受圧部に供給され、またパイロット油路23に供給されたパイロット圧油は予備流量・方向制御弁8のもう一方の受圧部に供給され、予備流量・方向制御弁8は、オプション油圧アクチュエータ14へ供給する圧油の流量・方向を制御するバルブとして作動し、オプションアタッチメントが作動する。
【0099】
〜効果〜
このように、
図10に示すような第2の実施形態の作業機械の油圧システムにおいても、予備流量・方向制御弁8が、オプション油圧アクチュエータ14に圧油を供給する機能とセンターバイパスカット弁の機能とが、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15の操作によって切り替わり、
図3に示すような第1の実施形態の作業機械の油圧システムと同様の効果が得られる。
【0100】
また、本実施形態では、圧力センサ24を設けて、予備流量・方向制御弁8の機能をオプション油圧アクチュエータ操作レバー15の操作によって切り替えるため、
図3に示すような第1の実施形態の作業機械の油圧システムにおけるスイッチ26や電磁弁18の構成が不要となり、回路構成が簡単となり、より低コストの油圧システムとすることができる。
【0101】
また、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15の操作によって予備流量・方向制御弁8の機能が切り替わるため、第1の実施形態のようにスイッチ26を操作する必要がなく、操作が容易となる。
【0102】
〜他の態様〜
なお、本実施形態の作業機械の油圧システムはこの形態に限られない。以下、本発明の作業機械の油圧システムの第2の実施形態の他の態様の概略を
図11を参照して説明する。
図11は本発明の作業機械の油圧システムの第2の実施形態の他の概略を示す構成図である。
【0103】
図11に示すように、本発明の第2の実施形態の他の態様に係る作業機械の油圧システムは、
図9に示す第2の実施形態の作業機械の油圧システムにおいてオプションアタッチメントが装着され、かつ作動させる場合に、コントローラ17からの指令電流の値に応じてオプション油圧アクチュエータ操作レバー15へ圧油を供給するよう構成された電磁弁18Aを備えている。
【0104】
また、オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21を備えていない。
【0105】
その他の構成は、
図10に示す作業機械の油圧システムと概略同じである。
【0106】
〜動作〜
次に、上述した第2の実施形態の他の態様の作業機械の油圧システムの動作について説明する。
【0107】
〜オプションアタッチメント未装着〜
図1に示すような油圧ショベルにおいて、オプションアタッチメントではなくバケットが装着されているモードが選択されると、コントローラ17は、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じた指令電流を電磁弁16に対して出力し、この指令電流の入力により電磁弁16の開口面積が制御され、予備流量・方向制御弁8のセンターバイパスの開口面積も制御される。
【0108】
また、コントローラ17は、電磁弁18Aに対して指令電流は出力しない。よって、電磁弁18Aが全閉し、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15へ圧油が供給されず、パイロット油路22およびパイロット油路23には圧力がたたない。
【0109】
従って、運転室103にいるオペレータがアクチュエータ操作レバー11を操作すると、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じて流量・方向制御弁7が作動し、油圧ポンプ1から吐出された圧油が油圧アクチュエータ6に供給される。この際に、予備流量・方向制御弁8が作動し、油圧ポンプ1が吐出した圧油のセンターバイパスライン3を介してタンクTへ向かう油路に対する開口は、流量・方向制御弁7・8の合成開口面積になり、流量・方向制御弁7が単独で作動した時より狭くなるよう制御される。
【0110】
〜オプションアタッチメント装着・未使用〜
図1に示すような油圧ショベルにおいて、バケットではなくオプションアタッチメントが装着されているモードが選択されると、コントローラ17は、電磁弁18Aに対して指令電流を出力する。また、コントローラ17は、圧力センサ24の検出値をモニタし続ける。この圧力センサ24の検出値において、オプションアタッチメントが使用されていない、すなわちオプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作されず、パイロット油路22,23の何れにもパイロット圧油が出力されていないと判定すると、コントローラ17は、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じた指令電流を電磁弁16に対して出力する。
【0111】
従って、予備流量・方向制御弁8が作動し、油圧ポンプ1が吐出した圧油のセンターバイパスライン3を介してタンクTへ向かう油路に対する開口は、流量・方向制御弁7・8の合成開口面積になり、流量・方向制御弁7が単独で作動した時より狭くなるよう制御される。
【0112】
〜オプションアタッチメント装着・使用〜
オプションアタッチメント装着・未使用の場合と同様に、コントローラ17は、電磁弁18Aに対して指令電流を出力するとともに、圧力センサ24の検出値をモニタし続ける。この圧力センサ24の検出値において、オプションアタッチメントが使用されていると判定すると、コントローラ17は、電磁弁16に対して指令電流を出力しない。
【0113】
このため、電磁弁16が閉位置になり、パイロット油路22に供給されたパイロット圧油がシャトル弁20を通過し、予備流量・方向制御弁8の受圧部に供給され、またパイロット油路23に供給されたパイロット圧油は予備流量・方向制御弁8のもう一方の受圧部に供給され、予備流量・方向制御弁8は、オプション油圧アクチュエータ14へ供給する圧油の流量・方向を制御するバルブとして作動し、オプションアタッチメントが作動する。
【0114】
〜効果〜
このように、
図11に示すような第2の実施形態の他の態様の作業機械の油圧システムにおいても、
図10に示すような第2の実施形態の作業機械の油圧システムと同様の効果が得られる。
【0115】
また、本態様では、オプション油圧アクチュエータ圧油カットバルブ21を備えていないため、
図10に示す作業機械の油圧システムに比べて回路構成が簡単となり、より低コストの油圧システムとすることができる。
【0116】
<第3の実施形態>
本発明の作業機械の油圧システムの第3の実施形態を
図12を用いて説明する。
図12は本発明の作業機械の油圧システムの第3の実施形態の概略を示す構成図である。
【0117】
図12に示すように、本発明の作業機械の油圧システムの第3の実施形態は、油圧ポンプ1からオプション油圧アクチュエータ14に供給される圧油の流量および方向を制御する予備流量・方向制御弁8の替わりに、予備流量・方向制御弁8Aが設けられている。
【0118】
この予備流量・方向制御弁8Aは、中立位置では、第2アクチュエータライン12,13をブロックし、油圧ポンプ1から吐出される圧油をタンクTに還流させる。予備流量・方向制御弁8Aをセンターバイパスカット弁として作動させるときは、センターバイパスライン3,第2アクチュエータライン12,13のいずれもブロックするよう構成されている。更に、オプション油圧アクチュエータ14を作動させるときは、センターバイパスライン3をブロックするとともに、第2アクチュエータライン13を油圧入力ライン4cに接続することによって油圧ポンプ1から吐出される圧油をオプション油圧アクチュエータ14のロッド側シリンダ室に供給するとともに、第2アクチュエータライン12をタンクTに接続することで、オプション油圧アクチュエータ14のボトム側シリンダ室から排出された圧油をタンクTに戻すよう構成されている。
【0119】
また、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作された場合に、
予備流量・方向制御弁8Aを流量・方向制御弁として作動させるようオプション油圧アクチュエータ操作レバー15から出力されたパイロット圧油を予備流量・方向制御弁8の一方の受圧室に入力するパイロット油路31を有している。
【0120】
予備流量・方向制御弁8Aのもう一方の受圧室には、予備流量・方向制御弁8Aをセンターバイパスカット弁として作動させるために、コントローラ17からの指令電流の値に応じて電磁弁16Aによって減圧されたパイロット圧油を入力するためのパイロット油路32が接続されている。
【0121】
更に、パイロット油路31のパイロット圧油の大きさを検知するための圧力センサ25を備えている。また、コントローラ17は、圧力センサ25の検出信号に基づいて、電磁弁16Aに対して指令電流を出力する。
【0122】
その他の構成は、
図3に示す作業機械の油圧システムと概略同じである。
【0123】
〜動作〜
次に、上述した第3の実施形態の作業機械の油圧システムの動作について説明する。
【0124】
〜オプションアタッチメント未装着〜
図1に示すような油圧ショベルにおいて、オプションアタッチメントではなくバケットが装着されているモードが選択されると、コントローラ17は、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じた指令電流を電磁弁16Aに対して出力し、この指令電流の入力により電磁弁16Aの開口面積が制御され、パイロットポンプ5から吐出され、電磁弁16Aによって減圧されたパイロット圧油がパイロット油路32を介して予備流量・方向制御弁8Aの一方の受圧部に供給される。よって予備流量・方向制御弁8Aのセンターバイパスの開口面積が制御され(第2位置)、油圧ポンプ1が吐出した圧油のセンターバイパスライン3を介してタンクTへ向かう油路に対する開口は、流量・方向制御弁7・8Aの合成開口面積になり、流量・方向制御弁7が単独で作動した時より狭くなるよう制御される。
【0125】
〜オプションアタッチメント装着・未使用〜
図1に示すような油圧ショベルにおいて、バケットではなくオプションアタッチメントが装着されているモードが選択されると、コントローラ17は、圧力センサ25の検出値をモニタし続ける。この圧力センサ25の検出値において、オプション油圧アクチュエータ14が使用されていないと判定すると、コントローラ17は、アクチュエータ操作レバー11の操作量に応じた指令電流を電磁弁16Aに対して出力する。これにより、予備流量・方向制御弁8Aのセンターバイパスの開口面積が制御され(第2位置)、油圧ポンプ1が吐出した圧油のセンターバイパスライン3を介してタンクTへ向かう油路に対する開口は、流量・方向制御弁7・8Aの合成開口面積になり、流量・方向制御弁7が単独で作動した時より狭くなるよう制御される。
【0126】
〜オプションアタッチメント装着・使用〜
同様に、コントローラ17は、圧力センサ25の検出値をモニタし続ける。この圧力センサ25の検出値において、オプションアタッチメントが使用されている、すなわちオプション油圧アクチュエータ操作レバー15が操作され、パイロット油路31にパイロット圧油が出力されていると判定すると、コントローラ17は、電磁弁16Aに対して指令電流を出力しない。
【0127】
このため、電磁弁16Aが閉位置になり、パイロット油路31にパイロット圧油が供給されず、予備流量・方向制御弁8Aは、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15の操作量に応じたパイロット圧油がパイロット油路31を介して受圧部に供給され、オプション油圧アクチュエータ14を作動させる流量・方向制御弁として作動する(第1位置)。
【0128】
〜効果〜
このように、
図12に示すような第3の実施形態の作業機械の油圧システムにおいても、予備流量・方向制御弁8Aが、オプション油圧アクチュエータ14に圧油を供給する機能とセンターバイパスカット弁の機能とが、オプション油圧アクチュエータ操作レバー15の操作によって切り替わり、
図3に示すような第1の実施形態,
図9に示すような第2の実施形態の作業機械の油圧システムと同様の効果が得られる。
【0129】
また、本実施形態は、圧油がオプション油圧アクチュエータ14のロッド側シリンダ室にのみ供給される態様に好適な油圧システムとなる。
【0130】
<その他>
なお、本発明は上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。
【0131】
例えば、作業機械の例として油圧ショベルを用いて説明したが、本発明における作業機械は油圧ショベルに限られない。