(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
最小侵襲手術は、幾つかの小切開された孔から挿入される手術用器具を使用することによって、組織のダメージを最小限にして手術を行う外科的技法である。
この最小侵襲手術は、術後の患者の代謝の変化を比較的少なくするので、患者の早期回復に役立つ。したがって、そのような最小侵襲手術は患者の術後の入院期間を短縮し、早期の社会復帰を可能にする。また、最小侵襲手術は、術後において患者の疼痛を軽減し、術創を小さくする。
【0003】
最小侵襲手術の最も一般的な形態は、内視鏡検査である。とりわけ、腹腔内で侵襲の少ない検査及び手術を行う腹腔鏡検査は、最も一般的な形態の内視鏡検査として知られている。標準的な腹腔鏡下手術を行うためには、患者の腹部をガスで満たし、小さな切開部(約12.7cm以下)を開口させてそれを腹腔鏡下手術用の器具の入口として用い、そこにトロカールを挿入する。一般的に、腹腔鏡下手術用器具には、腹腔鏡(手術部位観察用)及びその他の作業器具が含まれる。作業器具は、各器具のエンドエフェクタすなわち作業端がハンドルから長寸のシャフトの分だけ離れている点を除いて、従来の小切開手術用器具と構造が類似している。例えば、作業器具は、鉗子、把持装置、剪刀、ステープラー、持針器などを含み得る。手術を行うために、外科医等のユーザは、トロカールを通じて手術部位内へ作業器具を挿入し、それを腹腔の外部から操作する。その後、外科医は、腹腔鏡が撮影した手術部位の画像を表示するモニタを通じて手術の進行を観察する。これと類似の内視鏡アプローチは、後腹膜腔鏡検査、骨盤鏡検査、関節鏡検査、脳髄膜鏡検査、副鼻腔鏡検査、子宮鏡検査、腎臓鏡検査、膀胱鏡検査、尿道鏡検査、腎盂鏡検査などに広く用いられている。
【0004】
この最小侵襲手術は数多くの利点があるが、従来の最小侵襲手術用器具は、硬い長寸のシャフトにエンドエフェクタが連結されているので、手術部位に接近させることが困難であり、そのような器具の操作が不便または複雑なことが欠点である。特に、従来のエンドエフェクタには、関節のように曲がる部分がないため、手術に必要な器用な操作を行うことが困難である。これらの欠点は、最小侵襲手術の大いなる発展を妨げる主要因である。
【0005】
従来の最小侵襲手術のこれらの欠点を克服するために、最近、インテュイティブサージカル社によりダ・ビンチ(登録商標)・サージカルシステムと呼ばれるロボット支援型手術システムが開発された。現在市販されているこのロボット支援型手術システムは、主にマスタ・スレーブ型ロボットを利用した手術システムであって、これは、術者が手術を行う場所であるサージョンコンソールと、手術を行うロボットが装着されたロボットカートと、そこに連結されている内視鏡スタックとからなる。ロボット手術システムの内視鏡スタックは、ピッチ(上下)方向及びヨー(左右)方向に動くことができる関節を有しているので、術者の手の動きをほぼ正確に伝達することができる。また、ロボット手術システムは、術者の手の生理的振動を除去する機能や、術者の手の動きに対するロボットの動きの縮小割合を設定できるモーションスケーリング機能を有しており、かつ3次元視野を確保することができる。
【0006】
しかしながら、このロボット手術システムは非常に高価な装備であり、さらには初期設置及び設置後の維持管理に莫大な費用がかさむ。この装置はまた、大型で非常に重い(ロボットカートだけで高さが約2m、重さが544kgある)。言うまでもなく、装備をあちこち移動させることは困難であるので、システムが既に設置された場所で手術を行うしかない。さらに、ロボットシステムを使用する場合、外科医は、従来の腹腔鏡下手術用器具に比べて接触感覚が伝わりづらいと感じる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る最小侵襲手術用器具の外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る調節ハンドルと、これと連結されたピッチ方向操作部及びヨー方向操作部を示す側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る調節ハンドルと、これと連結されたピッチ方向操作部及びヨー方向操作部を示す平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るピッチ方向操作部とヨー方向操作部の構成を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るピッチ方向操作部の第1プレートにピッチ方向調節歯車の設けられた状態を示す図面である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る1対のピッチ方向調節歯車が所定の間隔をおいて平行に設けられた状態を示す図面である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る1対のピッチ方向調節歯車が所定の間隔をおいて平行に設けられた状態を示す図面である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る第1ピッチリンクの構成を示す正面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る第1ピッチリンクの構成を示す側面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る第1ピッチリンクの構成を示す斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係るピッチ方向動作部、ヨー方向動作部及びエンドエフェクタの正面図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係るピッチ方向動作部、ヨー方向動作部及びエンドエフェクタの斜視図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係るピッチ方向動作部、ヨー方向動作部及びエンドエフェクタの側面図である。
【
図14】本発明に係る最小侵襲手術用器具の使用例を示す図面である。
【
図15】本発明に係る最小侵襲手術用器具の使用例を示す図面である。
【
図16】本発明に係る最小侵襲手術用器具の使用例を示す図面である。
【
図17】本発明の一実施形態に係るヨー方向操作部のより詳細な構成を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
後述する本発明に関する詳細な説明は、本発明が実施できる特定実施形態を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるのに充分なように詳細に説明する。本発明の多様な実施形態は、互いに異なるが、相互排他的な必要はないことを理解するべきである。例えば、ここに記載されている特定形状、構造及び特性は、一実施形態に関連して本発明の技術的思想及びその範囲から逸脱せずに他の実施形態に具現することができる。また、ここに開示したそれぞれの実施形態のうち、個別構成要素の位置または配置は、本発明の技術的思想及びその範囲から逸脱せずに変更できることを理解するべきである。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味で扱うものでなく、本発明の技術的範囲は、適切に説明されるならば、その請求項に記載された本発明と均等な全ての技術的範囲と共に添付した特許請求範囲によって定められる。図面で類似する参照符号は、様々な側面にわたって同一または類似する機能を示す。
【0012】
以下に、本発明の好適実施形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に従う最小侵襲手術用器具1の外観を示す斜視図である。
図1を参照すると、最小侵襲手術用器具1は、所定の長さを有しかつ内部に1若しくは複数の空間(例えば、パイプ形、レンコン形または螺旋形の空間)を有するシャフト100と、シャフト100の一端に位置するピッチ及びヨー方向操作部200、300と、ヨー及びピッチ方向動作部500、600とを含む。また、最小侵襲手術用器具1は、シャフト100の両端にそれぞれ連結される調節ハンドル110及びエンドエフェクタ700をさらに含む。
【0013】
図2及び
図3は、本発明の一実施形態に従う調節ハンドル110と、調節ハンドル110に連結されたピッチ/ヨー方向操作部200及び300とを示す斜視図及び平面図である。
図2及び
図3を参照すると、調節ハンドル110は、調節ハンドル110の枢支軸を軸に指入れ部分(enclosure)112を回動させると同時に開閉ケーブル120を引っ張るかまたは弛緩させることができるように構成されている(開閉ケーブル120は、使用されるエンドエフェクタ700の種類によっては必ずしも必要ではないことに留意されたい)。さらに具体的に言えば、調節ハンドル110に関しては、ユーザが把持可能な2つのロッドが枢支軸によって相互に連結されており、枢支軸によって連結されている2つのロッド上に2つの半円形状の指入れ部分112が互いに対称に形成されている。2つの指入れ部分112のうちの一方を開くか閉じるかすると、開閉ケーブル120が引っ張られるかまたは弛緩される。一方、ピッチ方向操作部200及びヨー方向操作部300は、調節ハンドル110のピッチ及びヨー方向の操作によって作動するように構成されている。
【0014】
図4は、本発明の一実施形態に従うピッチ方向操作部200とヨー方向操作部300の構成を示す分解斜視図である。
図4は、調節ハンドル110のピッチ方向の動きが伝達されるピッチ方向操作部200と、調節ハンドル110のヨー方向の動きが伝達されるヨー方向操作部300の詳細な構成が示されている。このとき、ピッチ方向操作部200の面と、ヨー方向操作部300の面とは互いに直交している。
【0015】
まず、ピッチ方向操作部200の構成について説明する。
第1及び第2の円形プレート210、220が互いから所定の距離をおいて離間しており、大きさが同じである2対の半円形状のピッチ方向調節歯車230が、第1及び第2プレート210、220の中心軸線に対して互いに平行に、第1及び第2プレート210、220の面に対して直角をなす面に配置されている。
図4においては、ピッチ方向調節歯車230が配置されている第1及び第2プレート210、220は、最小限の面積を占める円形形状であるが、常に円形形状である必要はなく、他の形状でもよい。
【0016】
以下は、
図5、
図6及び
図7に示すピッチ方向調節歯車の異なるレイアウトに関する説明である。
図5には、本発明の一実施形態に従ってピッチ方向調節歯車230が第1プレート210上に配置されている状態が示されている。
図5では、プレート上に1つのピッチ方向調節歯車230しか配置されていないように見えるが、もう1つのピッチ方向調節歯車230は、これらのピッチ方向調節歯車230の設置状態を明確に示すために、図示されていないだけである。すなわち、実際には、2つのピッチ方向調節歯車230が対をなして存在しており、第1プレート210上に配置されることが好ましい。
【0017】
図6及び
図7にはそれぞれ、本発明の一実施形態に従って、2つのピッチ方向調節歯車230が対をなして所定の間隔をおいて互いに平行に配置されている状態が示されている。本発明の一実施形態によれば、ピッチ方向操作部200の動作は、1つのプレート上に配置された1つのピッチ方向調節歯車230のみでも調節ハンドル110の操作によって制御可能であるが、操作の安定性を維持するために、少なくとも2つ以上のピッチ方向調節歯車230を設けるようにする。一方、第1及び第2プレート210、220それぞれに配置された1対のピッチ方向調節歯車230は、歯車間距離が同一であることが好ましく、第1プレート210上に配置された1対のピッチ方向調節歯車230と、第2プレート220上に配置された1対のピッチ方向調節歯車230とは、互いに噛み合うように同一のピッチに形成される。
【0018】
再び
図4を参照すると、第1及び第2プレート210、220にそれぞれ設けられた1対のピッチ方向調節歯車230の中心には円形の空間が形成されており、円筒形の関節回動軸240が、当該空間内に回動可能に挿入される。このとき、ピッチ方向調節歯車230の中心軸は、関節回動軸240の中心軸と同軸上にあることが好ましい。一方、挿入される関節回動軸240の長さは、各ピッチ方向調節歯車230の厚さよりは長いが、互いに平行に配置されている関節回動軸の端部同士が接触しない程度の長さに決定される。また、ピッチ方向調節歯車230は半円形状に形成されているので、各ピッチ方向調節歯車230の中心は、それゆえに第1及び第2プレート210、220の表面上に位置している。
【0019】
一方、
図4を参照すると、ピッチ方向調節歯車230が半円形状であるのは、調節ハンドル110のピッチ方向の動作範囲を180゜に制限するためである。このことが示唆しているのは、ピッチ方向調節歯車230は、異なる動作範囲を設定するように半円形状の代わりに別の形状、例えば扇形をとることもできる。
【0020】
第1及び第2プレート210、220上のピッチ方向調節歯車230が互いに係合するかまたは噛み合うようにするために、第1及び第2プレート210、220の間に第1ピッチリンク250が配置される。これに関する詳細は、
図8、
図9及び
図10を参照しながら説明する。
【0021】
図8、
図9及び
図10は、本発明の一実施形態に従う第1ピッチリンク250の構成のそれぞれ正面図、側面図及び斜視図である。図のように、第1ピッチリンク250は、所定の長さを有する実質的に直六面体形状の本体252と、本体の両端に1対ずつ互いから所定の間隔をなして形成されている2対の回動リング254とを含む。
【0022】
実際には、ピッチ方向調節歯車230の中心に挿入された関節回動軸240の一端は、第1ピッチリンク250の回動リング254内に挿入され、それによってピッチ方向調節歯車230が回動できるようにする。このようにして、第1及び第2プレート210、220上のピッチ方向調節歯車230は噛み合った状態で回動し、そのような回動は、第1ピッチリンク250両端上の回動リング254に挿入された関節回動軸240の周りで起こる。
【0023】
一方、
図9に示したように、第1ピッチリンク250の本体252は、長さ方向の中心軸線に沿って形成された貫通孔256を有し、この貫通孔を、調節ハンドル110とエンドエフェクタ700を連結する開閉ケーブル120が通過する。貫通孔256は、本体252の中央に位置することが好ましい。
【0024】
参考までに、第2ピッチリンク650並びに第1及び第2ヨーリンク350、550(後述)も、第1ピッチリンク250と同じ方法で形成される。
再び
図4、
図5、
図6及び
図7を参照すると、第1及び第2プレート210、220にはそれぞれ、4つの貫通孔260、262が形成されている。これら4つの貫通孔260、262は、第1及び第2プレート210、220の中心の周りに90゜の角距離をなして形成されることが好ましく、このうち2つの貫通孔260はピッチケーブル挿入孔であり、他の2つの貫通孔262はヨーケーブル挿入孔である。
【0025】
ピッチ方向操作部200が上記のように構成された後、ピッチ方向操作部200の第2プレート220の背面に、ヨー方向操作部300の第1プレート310がしっかりと接着される。
【0026】
ピッチ方向操作部200と同様に、ヨー方向操作部300は、互いから所定の間隔をおいて離間しかつ対向する第1及び第2プレート310、320により構成され、各プレートは1対のヨー方向調節歯車330を有している。第1及び第2プレート310、320上に配置されている2対のヨー方向調節歯車330は互いに噛み合っており、第1ヨーリンク350を利用して噛み合い状態を維持している。
【0027】
ヨー方向操作部300は、ヨー方向操作部300の内部構成要素の動作方向がピッチ方向操作部200の内部構成要素の動作方向と直交する以外は、実質的にはピッチ方向操作部200と同じように構成されるので、構成に関する詳細は省略する。
【0028】
しかし、ヨー方向操作部300の第1プレート310をピッチ方向操作部200の第2プレート220の背面に接着するときには、ピッチ方向操作部200の第2プレート220に形成された貫通孔が、ヨー方向操作部300の第1プレート310に形成された貫通孔と整合されるかまたは同軸上にあるようにすべきであることに留意されたい。
【0029】
次に、ヨー方向動作部500、ピッチ方向動作部600、エンドエフェクタ700について、
図11、
図12及び
図13を参照しながら説明する。
図11、
図12及び
図13は、前述した構成要素のそれぞれ正面図、斜視図及び側面図である。
【0030】
まず
図11を参照すると、ヨー方向動作部500は、互いに対向するように配置された第3プレート510及び第4プレート520を含み、各プレートは、1対のヨー方向動作歯車530を有している。ヨー方向操作部300と同様に、第3プレート510及び第4プレート520上に配置されている2対のヨー方向動作歯車530は互いに噛み合っており、第2ヨーリンク550を利用して噛み合い状態を維持している。よって、これについての詳細な説明は省略する。
【0031】
また、ピッチ方向動作部600は、互いに対向するように配置された第3プレート610及び第4プレート620を含み、各プレートは、1対のピッチ方向動作歯車630を有している。ピッチ方向操作部200と同様に、第3プレート610及び第4プレート620上に配置されている2対のピッチ方向動作歯車630は互いに噛み合っており、第2ピッチリンク650を利用して噛み合い状態を維持している。よって、これについての詳細な説明は省略する。
【0032】
一方、ヨー方向動作部500及びピッチ方向動作部600は、互いに直交する方向に動作するように構成されている。
ピッチ方向動作部600の一端に連結されているエンドエフェクタ700は、調節ハンドル110の開閉動作に対応して作動し、体内で手術に用いる器具、例えば、鉗子、把持装置、剪刀、ステープラー、持針器などとして用いられる。必要であれば、図示したものとは異なり、本発明の一実施形態に従うエンドエフェクタ700は、開閉不要なフック型電極であり得る。
【0033】
前述したように構成されるピッチ方向操作部200は、ピッチケーブル710を介してピッチ方向動作部600と連結されており、ヨー方向操作部300は、ヨーケーブル720を介してヨー方向動作部500と連結されている。よって、ユーザが調節ハンドル110をピッチ/ヨー方向に手動で操作すると、ピッチ方向操作部200及びヨー方向操作部300におけるユーザ側の操作は、ピッチケーブル710及びヨーケーブル720を介してピッチ方向動作部600及びヨー方向動作部500に伝達される(すなわち、ピッチ及びヨー方向の動きは、実質的に互いから独立している)。このとき、ピッチケーブル710及びヨーケーブル720は、シャフト100の内部を通って配置されている。シャフト100内部でのケーブルの絡み合いの防止や、ケーブル方向の切り替え(反転)のために、ガイダーがさらに設けられ得る。
【0034】
ここで、ピッチケーブル710及びヨーケーブル720の連結方法の一例を説明する。
前述したように、ピッチ方向操作部200の第1プレート210に、ピッチケーブル挿入孔260及びヨーケーブル挿入孔262が形成されている。ここで、ピッチ方向操作部200の第1プレート210に形成されている2つのピッチケーブル挿入孔260のうちの一方は、ピッチケーブル710の一端を連結的に受容するためのものであり、ピッチ方向動作部600の第4プレート620に形成されている2つのピッチケーブル挿入孔660のうちの一方は、ピッチケーブル710の他端を連結的に受容するためのものである。本明細書においてケーブルは貫通孔内において固定されているものとして説明されているが、ケーブルは、本発明の技術的思想に従って動作する限り、必ずしも貫通孔内において固定される必要はなく、貫通孔近辺の他の固定構成要素(例えばプレート)に固定されることもできる。
【0035】
同様に、ピッチケーブル710は、第1プレート210に形成されている2つのピッチケーブル挿入孔260の他方及び第4プレート620に形成されている別の2つのピッチケーブル挿入孔660の他方において連結固定され、それにより、ピッチ方向操作部200及びピッチ方向動作部600は1対のピッチケーブル710により互いに連結されることができる。このとき、ピッチ方向操作部200とピッチ方向動作部600とを連結するために用いられる1対のピッチケーブル710は、互いに平行に連結され、同一の弾性を有することが好ましい。あるいは、ピッチケーブル710は、前述したようなガイダー及びプレートの存在下で、
【0036】
【数1】
の形態をとることもできる。
【0037】
また、ピッチケーブル710は、ピッチ方向操作部200とピッチ方向動作部600の間で、シャフト100の内部を通って連結される。
ここで、ヨーケーブル720について説明する。
【0038】
ヨー方向操作部300に形成されている2つのヨーケーブル挿入孔362は、それぞれ、各ヨーケーブル720の一端を連結的に受容するためのものであり、ヨー方向動作部500の第4プレート520に形成されている2つのヨーケーブル挿入孔は、ヨーケーブル720の他端を連結的に受容するためのものである。
【0039】
この場合もやはり、ヨー方向操作部300及びヨー方向動作部500を連結するために用いられる1対のヨーケーブル720は、互いに平行に連結され、同一の弾性を有する。当然のことながら、ヨーケーブル720も
【0040】
【数2】
の形態をとり得る。このようなヨーケーブル720の連結は、前述したピッチケーブル710の連結と同様である。
【0041】
ここで、本発明の一実施形態に従って前記のように構成される最小侵襲手術用器具1の操作について説明する。
まず、最小侵襲手術用器具1は、
図1に示すように、ピッチ/ヨー方向操作部200、300と、シャフト100と、ヨー/ピッチ方向動作部500、600とが、それぞれの中心が互いに同軸上に整合されるように配置される。
【0042】
最小侵襲手術を行う外科医は、最小侵襲手術用器具1の一端に設けられている調節ハンドル110の指入れ部分内に手を入れ、調節ハンドル110を保持する。
これ以降、調節ハンドル110のヨー方向の動きについて説明する便宜上、ヨー方向の(+)及び(−)の動きは外科医の右側及び左側の動きを表すことを前提とする。同様に、調節ハンドル110のピッチ方向の動きについて説明する便宜上、ピッチ方向の(+)及び(−)の動きは外科医の上側及び下側の動きを表すことを前提とする。
【0043】
図14は、本発明に従う最小侵襲手術用器具1の使用例を示し、
図15は
図14の「B」部分の詳細図であり、
図16は
図14の「A」部分の詳細図である。
調節ハンドル110を保持している外科医が調節ハンドル110を下向きに回動させると、ピッチ方向操作部200の第1プレート210に形成されているピッチケーブル挿入孔260に一端が連結的に固定されている1対のピッチケーブル710のうち上側のケーブルが外科医の体に向かって引っ張られるので、1対のピッチケーブル710のうち下側のケーブルは反対方向に弛緩され、それによって、エンドエフェクタ700が上向きに回動する(
図14を参照)。言うまでもなく、外科医が調節ハンドル110を反対方向に回動させると、エンドエフェクタ700も反対方向に回動することになる。
【0044】
また、調節ハンドル110を保持している外科医が調節ハンドル110を左に回動させると、ヨー方向操作部300の第1プレート310に形成されているヨーケーブル挿入孔362に一端が連結的に固定されている1対のヨーケーブル720のうち右側のケーブルが外科医の体に向かって引っ張られるので、1対のヨーケーブル720のうち左側のケーブルは反対方向に弛緩され、それによって、エンドエフェクタ700を図面に示されているように右に回動させる。言うまでもなく、外科医が調節ハンドル110を反対方向に回動させると、エンドエフェクタ700も反対方向に回動することになる。
【0045】
この実施形態では、エンドエフェクタ700は外科医が調節ハンドル110を手動で回動させる方向と反対方向に動作するということが紹介されているが、必要であれば、調節ハンドル110及びエンドエフェクタ700が同じ方向に動作するようにケーブルを設置することもできる。
【0046】
操作部及び動作部に用いられる調節歯車が全て同じサイズであれば、調節ハンドル110の変位量とエンドエフェクタ700の変位量は1:1の比である。異なるサイズの調節歯車を用いることによって、この比を変えることができる。
【0047】
例えば、歯車比が1ではない場合、すなわち、ピッチ方向操作部200のピッチ方向調節歯車230がピッチ方向動作部600のピッチ方向調節歯車630より大きな半径を有する場合には、歯車比は1を超えることになる。このとき、ピッチ方向調節歯車630は、外科医の手動操作よりも大きな角度で回動するので、エンドエフェクタ700は最終的に調節ハンドル110が回動する以上に回動する。当然のことながら、歯車比が1未満であれば、エンドエフェクタ700の変位量は手動操作された調節ハンドル110の角度より小さくなる。
【0048】
一方で、外科医が、調節ハンドル110の操作によりエンドエフェクタ700を所望の方向に向けた状態のまま調節ハンドル110を閉じると、調節ハンドル110を閉じる動きが開閉ケーブル120を介してエンドエフェクタ700に伝達され、それによってエンドエフェクタ700を閉じることができる。逆に、外科医が調節ハンドル110を開くと、エンドエフェクタ700は、その内部に設けられた復元ばね(図示せず)の弾性力により元の開いた状態に戻ることになる。必要であれば、外科医は、開閉機能付きのエンドエフェクタ700を用いて手術を行うことができる。この実施形態は、外科医により調節ハンドル110が開かれた後にエンドエフェクタ700が開かれることが想定されているが、用いられるエンドエフェクタ700の種類に応じて逆に動作するように構成することも可能である。また、前述したように、当然のことながら、開閉ケーブル120は、調節ハンドル110の2つの指入れ部分112のうち上側の指入れ部分112または下側の指入れ部分112のいずれかによって引っ張られ得る。
【0049】
最後に、
図17は、本発明の一実施形態に従ってヨー方向操作部300の詳細な構成を示す図である。
図17に示すように、互いに平行な第1及び第2プレート310、320は、ヨー方向操作部300内で互いに直角(90゜)をなすように、外部の操作により回動させられ得る。また、
図17に示すように、第1及び第2プレート310、320が互いに直角(90゜)をなしているとき、ピッチケーブル710は、ヨー方向操作部300内のヨーケーブル720とは異なり、長さに関しては殆ど変わらない。それゆえ、ピッチ方向操作部200及びヨー方向操作部300は、実質的に互いから独立して動作することができる。任意選択で、第1及び第2プレート310、320の対向するエッジは、互いに衝突して損傷しないように、約45゜でエッジ研磨され得る。
【0050】
上記のように、本発明に従う最小侵襲手術用器具には、ユーザが調節ハンドルを手動操作するのに応じた自由度の高い動きを特徴とするエンドエフェクタが設けられている。
その上、本発明に従う最小侵襲手術用器具は、誰でも簡単に操作できるように構成されている。
【0051】
さらに、本発明に従う最小侵襲手術用器具は、低コストで製造・供給ができ、小型かつ軽量で、供給を容易にする。
本発明について、特定の好適実施形態に関連して説明してきたが、以下の請求項において画定される本発明の範囲から逸脱することなしに様々な変形形態及び変更形態が可能であることは、当業者に明らかであろう。