特許第6013402号(P6013402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013402
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】電柱昇降用補助梯子
(51)【国際特許分類】
   E06C 1/34 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   E06C1/34
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-127408(P2014-127408)
(22)【出願日】2014年6月20日
(65)【公開番号】特開2016-6268(P2016-6268A)
(43)【公開日】2016年1月14日
【審査請求日】2015年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】横段 幸男
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−143232(JP,A)
【文献】 特開2009−084819(JP,A)
【文献】 実開昭61−084049(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺部材から成る主柱と、
当該主柱の片方の端部に固定され、電柱に設けられた足場釘に引っ掛けることにより前記主柱を垂下させる吊り金具と、
前記主柱に対して長尺方向に所定の間隔を空けて固定される足場部材と、
前記主柱に取り付けられ、垂下した前記主柱を前記電柱側に押し当てるように前記電柱に巻き付ける帯状部材を有する振れ止めバンドと、
前記帯状部材にスライド自在に取り付けられ、前記電柱に当接するゴム部材と、を備え、
前記帯状部材に、前記電柱の径に対応する前記ゴム部材の位置を示す指標が形成されていることを特徴とする電柱昇降用補助梯子。
【請求項2】
前記帯状部材における前記電柱との対向面の反対面に、長尺方向に延びるラインが形成されていることを特徴とする請求項1記載の電柱昇降用補助梯子。
【請求項3】
前記ゴム部材における前記帯状部材側の面は、前記電柱の形状に沿って湾曲していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電柱昇降用補助梯子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱に簡易的に固定され、電柱における足場がない部位等に足場を形成する電柱昇降用補助梯子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電柱おいて最も下位に取り付けられている第1足場釘は、作業員以外の者が電柱に容易に昇ることができないように比較的高い位置に取り付けられている。作業員は、第1足場釘までの移動を容易にするため、電柱の第1足場釘に電柱昇降用補助梯子を引っ掛け、バンドを電柱に巻き付けて締めることにより、第1足場釘の下方に補助的な足場を装着している。
【0003】
図4は、従来の電柱昇降用補助梯子100の構成を示す説明図である。電柱昇降用補助梯子100は、主柱102と、吊り金具104と、蝶番106と、足場108と、振れ止めバンド110と、バンド押さえ112と、滑り止め板114とによって構成されている。
【0004】
主柱102は、断面形状が略コ字状の3本の柱状部材102a、102b、102cと、隣合う柱状部材を回答自在に連結する蝶番106と、によって構成されている。柱状部材102a、102b、102cは、矩形の中央面部と、この中央面部の長辺から直角方向に延びる矩形の側面部とを備えており、各柱状部材の中央面部の長辺が同一直線上に位置するように柱状部材102a、102b、102cの順に並べられ、柱状部材102aと柱状部材102b、柱状部材102bと柱状部材102cが、蝶番106によって連結される。
【0005】
主柱102は、蝶番106の部位において折り畳み可能であり、使用時に柱状部材102a、102cを回動させて1本の長尺部材とする。なお、以下の説明の便宜上、主柱102を1本の長尺部材とした状態において、柱状部材102a側の端部を上端部、柱状部材102c側の端部を下端部と称することにする。
【0006】
吊り金具104は、電柱の第1足場釘の頭部に挿入可能な大きさの孔部が形成された金属板からなる。吊り金具104は、主柱102の上端部、すなわち柱状部材102aの中央面部の先端部に固定されている。
【0007】
足場108は、作業員が踏み込むことが可能な程度の長さの金属棒108aと、この金属棒108aを支持しかつ主柱102に固定される固定金具108bとによって構成されている。足場108は、柱状部材102aにおける蝶番106の近傍に2本、中央の柱状部材102bの近傍に1本、主柱102の下端部すなわち柱状部材102cの下端側の端部に1本固定されている。足場108は、主柱102の側面部から、主柱102の長尺方向に対して直角方向でかつ中央面部側に若干傾いた方向に延びている。
【0008】
振れ止めバンド110は、帯状部材110aと、帯状部材110aの基端部に固定されるバックル部110bとを備えている。帯状部材110aは、ナイロン素材からなり、電柱に巻き付ける長尺部材である。バックル部110bは、帯状部材110aの先端部を通した際に、バックル部110b内における帯状部材110aの移動を規制するロック状態と、帯状部材110aがバックル部110b内を移動可能なロック解除状態とに切替可能な金具である。
【0009】
バンド押さえ112は、金属板の中央に孔部が形成され、更に金属板の両側部に段状に曲げが施された部材である。バンド押さえ112は、柱状部材102b、102cの中央面部の表面に固定されており、主柱102を側面視した場合に、主柱102とバンド押さえ112との間に、帯状部材110aを通すことが可能な大きさの孔部が形成される。この孔部に、振れ止めバンド110の帯状部材110aが挿入される。
【0010】
滑り止め板114は、主柱102の背面における蝶番106近傍に固定される摩擦係数の高い板状部材である。滑り止め板114の両端部は、主柱102の背面から主柱102の幅方向外側に延出している。
【0011】
図5は、従来の電柱昇降用補助梯子100を電柱200に装着した状態を示す正面図である。図5に示すように、作業員が、電柱200の足場釘210に吊り金具104を挿入して主柱102を垂下させ、振れ止めバンド110の帯状部材110aを電柱に巻き付けて先端部をバックル部110bに挿入し、帯状部材110aの先端部を引っ張って帯状部材110aを電柱200に締め付ける。これにより、電柱昇降用補助梯子100が電柱200に装着される。この時、滑り止め板114が電柱200に圧接されることによって、主柱102の振れが防止されるようになり、作業員が電柱200に昇柱することが容易に可能になる。
【0012】
また、従来のこの種の技術としては、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1によれば、装着時に前記柱状体に沿って上下方向に延びるように配置される長尺の主ベルトと、この主ベルトに柱状体の上下方向である長さ方向に適宜相互間隔を置いて結合される複数の足場部材と、隣接する上下の足場部材の間に位置して主ベルトに結合される複数の中間足場部材と、各足場部材に結合され主ベルトを柱状体に沿わせた状態で柱状体の外周に着脱可能な複数の締め付けベルトとを備えた昇降具本体を有する柱状体昇降具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−11587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来、電柱昇降用補助梯子は、長尺の帯状部材を使用して電柱に装着しているため、帯状部材による締め付けが緩い場合には主柱が横に滑ってがたつきが発生するおそれがある。
【0015】
このため、作業員は、全ての帯状部材を電柱に対して真っ直ぐに、言い換えれば斜め掛けとならないように巻き付けるとともに、主柱と電柱との間に隙間が生じないよう確実に締め付ける。更に、電柱昇降用補助梯子を電柱に装着した後、がたつきがないか作業員が縦横に力を入れて確認する、といった作業を行う必要がある。
【0016】
しかし、遠心力鉄筋コンクリート柱あるいはパンザーマスト柱といった電柱は、傾斜(テーパ)を有しているため、帯状部材が電柱に密着しにくい。このため、帯状部材が上方に移動して緩み易くなる。しかも、帯状部材の材質がナイロン製であるため、電柱表面に対して滑りやすい。このため、作業員が電柱昇降用補助梯子を昇降している時に、電柱昇降用補助梯子にがたつきが発生するおそれが依然として残る。
【0017】
また、現状の帯状部材によれば、帯状部材の表裏が明確でないためねじれの判別が困難である。ここで、帯状部材がねじれたまま電柱に巻き付けた場合に、帯状部材が電柱に密着する領域が少なくなり主柱が横に振れ易くなる。このため、再度、帯状部材を締め直す必要があり、電柱昇降用補助梯子の装着作業が手間取るおそれがある。
【0018】
本発明は、このような問題点を解決し、電柱に装着した後のがたつきの発生を低減し、作業員の安全性を向上することを実現した電柱昇降用補助梯子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
【0020】
(1) 長尺部材から成る主柱と、当該主柱の片方の端部に固定され、電柱に設けられた足場釘に引っ掛けることにより前記主柱を垂下させる吊り金具と、前記主柱に対して長尺方向に所定の間隔を空けて固定される足場部材と、前記主柱に取り付けられ、垂下した前記主柱を前記電柱側に押し当てるように前記電柱に巻き付ける帯状部材を有する振れ止めバンドと、前記帯状部材にスライド自在に取り付けられ、前記電柱に当接するゴム部材と、を備えることを特徴とする電柱昇降用補助梯子。
【0021】
(1)によれば、振れ止めバンドを電柱締め付けた場合に、ゴム部材を、電柱を挟んで主柱に対向する部位に位置付け、電柱にゴム部材を当接させることにより、電柱に対する振れ止めバンドの滑りを押さえることが可能になり、振れ止めバンドの斜め掛けを防止することが可能になる。これにより、作業員の電柱昇降柱時の電柱昇降用補助梯子のがたつきを低減することが可能になり、作業員の電柱昇降柱時の安全性を向上させることが可能になる。
【0022】
(2) (1)において、前記帯状部材に、前記電柱の種類に対応する前記ゴム部材の位置を示す指標が形成されていることを特徴とする電柱昇降用補助梯子。
【0023】
(2)によれば、振れ止めバンドを電柱に巻き付ける前にゴム部材を、電柱に対して所望の部位、例えば主柱の反対側に位置付けることが可能になる。
【0024】
(3) (1)、(2)において、前記帯状部材における前記電柱との対向面の反対面に、長尺方向に延びるラインが形成されていることを特徴とする電柱昇降用補助梯子。
【0025】
(3)によれば、振れ止めバンドを電柱に巻き付ける際に、帯状部材のラインを視認することにより、帯状部材がねじれているか否かを容易に確認することが可能になる。
【0026】
(4) (1)〜(3)において、前記ゴム部材における前記帯状部材側の面は、前記電柱の形状に沿って湾曲していることを特徴とする電柱昇降用補助梯子。
【0027】
(4)によれば、振れ止めバンドからの圧力をゴム部材に確実に伝達することが可能になり、ゴム部材と電柱とを安定して密着させることが可能になる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、電柱に装着した後のがたつきの発生を低減し、作業員の安全性を向上することを実現した電柱昇降用補助梯子を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態における電柱昇降用補助梯子1の構成を示す正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る振れ止めバンド10の構成を示す正面図である。
図3】本滑り止め具20の構成を示す説明図である。
図4】従来の電柱昇降用補助梯子100の構成を示す正面図である。
図5】従来の電柱昇降用補助梯子100を電柱200に装着した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態における電柱昇降用補助梯子1の構成を示す正面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る振れ止めバンド10の構成を示す正面図である。
本実施形態の電柱昇降用補助梯子1は、図4に示す従来の電柱昇降用補助梯子100における振れ止めバンド110の代わりに、振れ止めバンド10を用い、滑り止め具20を更に備えたものである。なお、電柱昇降用補助梯子1において、図4に示す従来の電柱昇降用補助梯子100における部材と同一の部材については同一の符号を付すことにより、詳細な説明を省略する。
【0032】
振れ止めバンド10は、図4に示す従来の振れ止めバンド110における帯状部材110aの代わりに帯状部材12を用いたものである。帯状部材12は、図4に示す帯状部材110aにおける電柱との対向面の反対面に、図1に示すように長尺方向に延びるライン12a及び指標12bが形成されたものである。
【0033】
滑り止め具20は、帯状部材12に取り付けられ、帯状部材12に固定するロック状態と帯状部材12に沿ってスライド移動自在にするロック解除状態に切替可能な機構を備えている。滑り止め具20は、振れ止めバンド10を電柱に締め付けた際に、電柱を挟んでバンド押さえ112に対向する位置に配置され、電柱の表面に当接して帯状部材12の移動を規制するものである。
【0034】
また、図2に示すように、ライン12aは、帯状部材12におけるバンド押さえ112を配置する部位から先端に向かって形成されている。本実施形態においては、帯状部材12は緑色の部材であり、ライン12aは白色で形成されている。なお、ライン12aは、帯状部材110aにおける電柱との対向面には形成されていない。
【0035】
指標12bは、図2に示すように、帯状部材12に複数形成されており、電柱の種類(径)に対応する滑り止め具20の大まかな位置を示すものである。例えば、電柱としては、複合鉄筋コンクリート柱、遠心力鉄筋コンクリートポール、パンザーマスト等がある。本実施形態においては、バンド押さえ112が配置されるライン12aの基端から45cmの位置に、複合鉄筋コンクリート柱に対応する指標12bが形成されている。同様に、55cmの位置に、遠心力鉄筋コンクリートポールに対応する指標12bが形成され、65cmの位置に、パンザーマストに対応する指標12bが形成されている。なお、各指標12bは色分けされており、本実施形態においては、複合鉄筋コンクリート柱の指標12bは黄色、遠心力鉄筋コンクリートポールの指標12bは赤色、パンザーマストの指標12bは青色で形成されている。
【0036】
ここで、各電柱においても径が異なる複数の種類がある。例えば、複合鉄筋コンクリート柱には、地際径が230mmの柱と、地際径が270mmの柱とがある。更に、遠心力鉄筋コンクリートポール及びパンザーマストにおいては上方に向かって径が細くなっている。このため、指標12bは、使用頻度の多い電柱の径や電柱の径の平均値等を基準とし、更に振れ止めバンド10の締め付け位置を考慮して、適宜設定される。
【0037】
図3は、滑り止め具20の構成を示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)、図3(c)は断面図である。
【0038】
滑り止め具20は、本体部22と、支持軸24と、係止部26と、レバー部28と、ゴム部材30と、図示しないトーションバネとを備えている。
【0039】
本体部22は、プラスチック製であり、帯状部材12が挿入可能な細長い長方形の開口が形成されている略四角筒形状の部材である。ここで、本体部22において、長方形の開口の長辺部分を含みかつ電柱200に対向する平面部分を下面部22b、下面部22bに対向する平面部分を上面部22a、長方形の開口の長辺部分を含みかつ上面部及び下面部の両側に配置されている平面部分を側面部22cと称することにする。また、本体部22において、帯状部材12を挿入する側を挿入側、帯状部材12を引き出す側を引出側と称することにする。更に、本体部22において、電柱200側を内側、内側の反対側を外側と称することにする。
【0040】
上面部22aは、引出側の一部に形成されており、本体部22における上面部22aから挿入側が開放されている。また、両側面部22c、22cの挿入側の端部には、外側に延出する延在片22d、22dが形成されている。延在片22d、22dの中央部には貫通孔が形成されている。また、下面部22bは、電柱200の形状に沿って湾曲しており、下面部22bにおける帯状部材12との対向面の挿入側端部及び引出側端部には斜面が形成されている。
【0041】
支持軸24は、円柱状のシャフト部材であり、延在片22d、22dの貫通孔に挿入されることにより、延在片22d、22dによって回転自在に軸支される。係止部26は、支持軸24の中央部に固定される円筒部26aと、円筒部26aの一部の側面から延在する複数の歯部26bとからなる。歯部26bは、先端部が逆V字形に形成されている。ここで、支持軸24の位置は、円筒部26aにおける歯部26bが形成されていない部分と下面部22bとの間に帯状部材12が挿入可能となるように設定されている。
【0042】
レバー部28は、基端部が支持軸24に固定された平板部材28aと、平板部材28aに連結された平板状の操作部28bからなる。すなわち、レバー部28は、先端部を操作することによって支持軸24を軸として回動自在であり、レバー部28に連動して係止部26が回動する。
【0043】
平板部材28aは、内側に向かってなだらかに突出する側面視S字形の部材であり、操作部28bは、平板部材28aの先端から突出している。このため、レバー部28を内側に回動させた場合に、平板部材28aの先端部は、上面部22aの挿入側近傍に配置される、レバー部28は上面部22aよりも外側に配置される。
【0044】
また、係止部26は、レバー部28を内側に回動させて平板部材28aを下面部22bに対向させた場合に歯部26bが下面部22bに対向し、レバー部28を外側に回動させて平板部材28aを下面部22bに対向させた場合に円筒部26aにおける歯部26bが形成されていない部分が下面部22bに対向するように支持軸24に固定されている。
【0045】
ここで、支持軸24には、図示しないトーションバネのコイル部分が挿入されており、このトーションバネは、平板部材28aを下面部22b側に回動させるように常時付勢している。このため、通常時のレバー部28は内側に回動状態にあり、平板部材28aがトーションバネによって付勢されることによって下面部22bに当接した状態で維持される。
【0046】
ゴム部材30は、板状で密着性の高い素材、例えば、耐震用ゴム素材からなり、表面に複数のリブが立設している。また、ゴム部材30は、下面部22bに固定され、表面の複数のリブが電柱200に対向する。この時、ゴム部材30は、下面部22bに沿って撓むことにより、電柱200の形状に沿って湾曲する。
【0047】
次に、滑り止め具20を帯状部材12に取り付ける作業について説明する。まず、作業員は、レバー部28を外側に回動させて、歯部26bを下面部22bから離間させておく。次に、本体部22の挿入側において、下面部22bと円筒部26aとの間から帯状部材12の先端部を通し、本体部22の引出側に形成されている長方形の開口を通して帯状部材12の先端部を外部に引き出す。この時、ライン12aが外側を向くように帯状部材12を本体部22に挿入する。
【0048】
そして、作業員がレバー部28を手放すことによって、レバー部28が内側に回動する。更に、作業員が、レバー部28を下面部22b側に押し込むことにより、平板部材28aを帯状部材12に当接させる。この時、歯部26bが回動して歯部26bと下面部22bとの間に帯状部材12が挟み込まれる。これにより、滑り止め具20が帯状部材12の所定位置に固定される。
【0049】
このように、レバー部28を内側に回動させることにより、滑り止め具20がロック状態になり、帯状部材12の長尺方向に沿って滑り止め具20がスライド移動することが規制される。
また、レバー部28を外側に回動させることにより、滑り止め具20がロック解除状態になり、滑り止め具20が帯状部材12の長尺方向に沿ってスライド移動することが可能になる。
【0050】
次に、本実施形態の電柱昇降用補助梯子1を電柱に装着する作業について説明する。
まず、作業員は、電柱の種類を確認し、電柱の種類に対応する指標12bの部位に滑り止め具20を位置付ける。この時、作業員が、電柱の径に応じて滑り止め具20の位置を微調整してもよい。そして、図5に示す従来技術と同様に、電柱の足場釘に吊り金具104を挿入して主柱102を垂下させ、振れ止めバンド10の帯状部材12を電柱に巻き付けて先端部をバックル部110bに挿入する。この時、ライン12aが外側を向いていることを確認する。更に、作業員が、帯状部材110aの先端部を引っ張ることにより、帯状部材110aが締め付けられる。この時、滑り止め板114が電柱に圧接されるとともに、ゴム部材30の複数のリブが電柱に圧接する。以上の手順により、電柱昇降用補助梯子1が電柱に装着される。
【0051】
なお、指標12bはあくまで目安であり、例えば、指標12bの位置に滑り止め具20を固定した場合に、滑り止め具20が、電柱に取り付けられている部材(例えば、接地線のパイプ)に当接するのであれば、指標12bからずれた位置に滑り止め具20を固定してもよい。
【0052】
以上説明したように構成された本実施形態によれば、振れ止めバンド10を電柱締め付けた場合に、ゴム部材30を、電柱を挟んで主柱102に対向する部位に位置付け、電柱にゴム部材30を当接させることにより、電柱に対する振れ止めバンド10の滑りを抑えることが可能になり、振れ止めバンド10の斜め掛けを防止することが可能になる。これにより、作業員の電柱昇降柱時の電柱昇降用補助梯子1のがたつきを低減することが可能になり、作業員の電柱昇降柱時の安全性を向上させることが可能になる。
【0053】
また本実施形態によれば、帯状部材12に、電柱の種類に対応するゴム部材30の位置を示す指標12bが形成されているため、振れ止めバンド10を電柱に巻き付ける前にゴム部材30を、電柱に対して所望の部位、例えば主柱102の反対側に位置付けることが可能になる。
【0054】
また本実施形態によれば、帯状部材12における電柱との対向面の反対面に、長尺方向に延びるライン12aが形成されているため、振れ止めバンド10を電柱に巻き付ける際に、帯状部材12のライン12aを視認することにより、帯状部材12がねじれているか否かを容易に確認することが可能になる。
【0055】
また本実施形態によれば、ゴム部材30における帯状部材12側の面は、電柱の形状に沿って湾曲しているため、振れ止めバンド10からの圧力をゴム部材30に確実に伝達することが可能になり、ゴム部材30と電柱とを安定して密着させることが可能になる。
【0056】
また本実施形態によれば、滑り止め具20の下面部22bが電柱の形状に沿って湾曲しているため、下面部22bのエッジ部分と帯状部材12とが擦れ合うことによる帯状部材12の劣化を防止することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上述したものに限るものではない。例えば、上述した実施形態においては、ゴム部材30は板状であり、下面部22bに固定することによって、ゴム部材30の帯状部材12側の面が湾曲しているが、それに限らず、ゴム部材30の帯状部材12側の面が、最初から湾曲しているように形成してもよい。また、上述した実施形態においては、ゴム部材30を下面部22bに固定することによって、ゴム部材30の電柱側の面が湾曲しているが、平面状であってもよい。
【0058】
また、指標12bとして、例えば1cm刻みのスケールを帯状部材12に形成してもよい。これにより、作業員が、電柱における振れ止めバンド10を巻き付ける部位の円周をメジャー等によって計測し、円周の長さの1/2の長さに相当する帯状部材12のスケールの位置に滑り止め具20を位置付けてもよい。これにより、電柱の種類を問わずに滑り止め具20を、電柱を挟んでバンド押さえ112に対向する位置に配置することが可能になる。しかも、指標12bとライン12aとを兼用することが可能になる。
また、上述した実施形態においては、滑り止め具20を一つ帯状部材12に取り付けているが、それに限らず、複数の滑り止め具20を取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 電柱昇降用補助梯子
10 振れ止めバンド
12 帯状部材
12a ライン
12b 指標
20 滑り止め具
22 本体部
22a 上面部
22b 下面部
22c 側面部
22d 延在片
24 支持軸
26 係止部
26a 円筒部
26b 歯部
28 レバー部
28a 平板部材
28b 操作部
30 ゴム部材
102 主柱
102a、102b、102c 柱状部材
104 吊り金具
106 蝶番
108 足場
108a 金属棒
108b 固定金具
110a 帯状部材
110b バックル部
112 バンド押さえ
114 止め板
図1
図2
図3
図4
図5