特許第6013407号(P6013407)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6013407-人形体の関節構造 図000002
  • 特許6013407-人形体の関節構造 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013407
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】人形体の関節構造
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/46 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   A63H3/46 A
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-155711(P2014-155711)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-32508(P2016-32508A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2015年1月9日
【審判番号】不服2015-14558(P2015-14558/J1)
【審判請求日】2015年8月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅弘
【合議体】
【審判長】 黒瀬 雅一
【審判官】 藤本 義仁
【審判官】 吉村 尚
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−277367(JP,A)
【文献】 特開2000−93662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形体の関節構造であって、
関節部材を有する胴体部分と、
前記関節部材に前記人形体に対して左右方向に回動可能に連結された腿部分と
を備え、
前記腿部分は、前記腿部分が前記人形体に対して左右方向に開閉できるように前記関節部材に回動可能に連結された芯部材と、前記芯部材を覆う外装部材とを有し、前記胴体部分と前記外装部材とは前記関節部材に対して前記腿部分が回動することにより干渉または離間する人形体の関節構造であって、
前記腿部分の回動中心は、前記腿部分の中心軸線が前記関節部材の中心軸線と交差し、前記関節部材の中心軸線に交差する前記腿部分の中心軸線の外側かつ、前記関節部材の中心軸線の、前記関節部材と前記腿部分とによって形成される内角が位置する側の反対側に配置される人形体の関節構造。
【請求項2】
請求項1記載の人形体の関節構造であって、
前記腿部分の中心軸線が前記関節部材の中心軸線と交差し、前記腿部分が前記関節部材の中心軸線に対して屈曲された状態で前記腿部分の中心軸線の外側に配置されている前記腿部分の外側部位において、前記腿部分は、前記外装部材上の前記関節部材側に位置し前記胴体部分に干渉する一方の端部を有し、当該一方の端部は、前記腿部分の他方の端部と前記腿部分の回動中心を挟んで反対側に配置されている人形体の関節構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形体の関節構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された人形体の関節構造は、肘の関節構造であって、上腕部分と、関節部材と、関節部材に回動可能に連結された前腕部分とを備えており、前腕部分は関節部材に対する回動を伴って屈伸される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−34400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人形体の関節構造には可動範囲の拡大が要請され、例えば特許文献1に記載された肘の関節構造であれば、前腕部分の屈伸角度範囲の拡大が要請される。
【0005】
本発明は、可動範囲を拡大可能な人形体の関節構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る人形体の関節構造は、関節部材を有する第1部分と、前記関節部材に回動可能に連結され、前記関節部材の中心軸線に対して屈曲される第2部分とを備え、前記第2部分の回動中心は、前記第2部分が前記関節部材の中心軸線に対して屈曲された状態で、前記関節部材の中心軸線に交差する前記第2部分の中心軸線の屈曲外側かつ、前記関節部材の中心軸線の屈曲外側に配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る人形体の関節構造は、関節部材を有する第1部分と、前記関節部材に回動可能に連結され、前記関節部材の中心軸線に対して屈曲される第2部分とを備え、前記第2部分の回動中心は、前記第2部分が前記関節部材の中心軸線に対して屈曲された状態で、前記関節部材の中心軸線に交差する前記第2部分の中心軸線の屈曲外側かつ、前記関節部材の中心軸線の屈曲外側に配置され、前記第2部分は、前記関節部材に回動可能に連結された芯部材と、前記芯部材を覆う外装部材とを有していることを特徴とする。また、本発明に係る人形体の関節構造は、関節部材を有する第1部分と、前記関節部材に回動可能に連結され、前記関節部材の中心軸線に対して屈曲される第2部分とを備え、前記第2部分の回動中心は、前記第2部分が前記関節部材の中心軸線に対して屈曲された状態で、前記関節部材の中心軸線に交差する前記第2部分の中心軸線の屈曲外側かつ、前記関節部材の中心軸線の屈曲外側に配置され、前記第2部分は、前記関節部材に回動可能に連結された芯部材と、前記芯部材を覆う外装部材とを有し、前記第1部分と前記外装部材とは離間可能であることを特徴とする。また、本発明に係る人形体の関節構造は、関節部材を有する胴体部分と、前記関節部材に前記関節部材の中心軸線に対して屈曲できるように回動可能に連結された腿部分とを備え、前記腿部分は、前記関節部材に回動可能に連結された芯部材と、前記芯部材を覆う外装部材とを有し、前記胴体部分と前記外装部材とは前記腿部分が前記関節部材の中心軸線に対して屈曲されることにより離間可能である人形体の関節構造であって、前記腿部分の回動中心は、前記腿部分が前記関節部材の中心軸線に対して屈曲された状態で、前記関節部材の中心軸線に交差する前記腿部分の中心軸線の屈曲外側かつ、前記関節部材の中心軸線の屈曲外側に配置されることを特徴とする。また、本発明に係る人形体の関節構造は、関節部材を有する胴体部分と、前記関節部材に前記人形体に対して左右方向に回動可能に連結された腿部分とを備え、前記腿部分は、前記腿部分が前記人形体に対して左右方向に開閉できるように前記関節部材に回動可能に連結された芯部材と、前記芯部材を覆う外装部材とを有し、前記胴体部分と前記外装部材とは前記関節部材に対して前記腿部分が回動することにより干渉または離間する人形体の関節構造であって、前記腿部分の回動中心は、前記腿部分の中心軸線が前記関節部材の中心軸線と交差し、前記関節部材の中心軸線に交差する前記腿部分の中心軸線の外側かつ、前記関節部材の中心軸線の、前記関節部材と前記腿部分とによって形成される内角が位置する側の反対側に配置されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る人形体の関節構造においては、前記第2部分が前記関節部材の中心軸線に対して屈曲された状態で前記第2部分の中心軸線の屈曲外側に配置されている前記第2部分の外側部位において、前記第2部分の前記関節部材側の一方の端部は、前記第2部分の他方の端部と前記第2部分の回動中心を挟んで反対側に配置されていてもよい。また、本発明に係る人形体の関節構造においては、 請求項1記載の人形体の関節構造であって、前記腿部分が前記関節部材の中心軸線に対して屈曲された状態で前記腿部分の中心軸線の屈曲外側に配置されている前記腿部分の外側部位において、前記腿部分は前記関節部材側に位置する一方の端部を有し、当該一方の端部は、前記腿部分の他方の端部と前記腿部分の回動中心を挟んで反対側に配置されていてもよい。また、本発明に係る人形体の関節構造においては、前記腿部分の中心軸線が前記関節部材の中心軸線と交差し、前記腿部分が前記関節部材の中心軸線に対して屈曲された状態で前記腿部分の中心軸線の外側に配置されている前記腿部分の外側部位において、前記腿部分は、前記外装部材上の前記関節部材側に位置し前記胴体部分に干渉する一方の端部を有し、当該一方の端部は、前記腿部分の他方の端部と前記腿部分の回動中心を挟んで反対側に配置されていてもよい。
【0008】
また、本発明に係る人形体の関節構造においては、前記関節部材及び前記第2部分の各々の中心軸線と交差する方向に延在し、前記関節部材と前記第2部分とを回動可能に連結する軸部材をさらに備えてもよい。
また、本発明に係る人形体の関節構造においては、前記関節部材及び前記第2部分の各々の中心軸線と交差する方向に延在し、前記関節部材と前記第2部分とを回動可能に連結する軸部材を備えてもよい。
【0009】
また、本発明に係る人形体の関節構造においては、前記第1部分は胴体部であり、前記第2部分は大腿部であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、可動範囲を拡大可能な人形体の関節構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態を説明するための、人形体の関節構造の一例の構成を示し、関節構造を構成する第2部分が屈曲された状態を示す図である。
図2図1の関節構造を構成する第2部分が展開された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び図2は、本発明の実施形態を説明するための、人形体の関節構造の一例の構成を示す。
【0013】
図1及び図2に示す人形体の関節構造1は、股関節の関節構造であって、関節部材3を有する胴体部分(第1部分)2と、腿部分(第2部分)4とを備え、腿部分4を人形体の前後方向に振るように且つ人形体の左右方向に開くように動かすことが可能に構成されている。
【0014】
関節部材3は、腿部分4を人形体の前後方向に振ることができるように、人形体の左右方向に延びる関節部材3の中心軸線Xまわりに回動可能に胴体部分2に連結されている。
【0015】
腿部分4は、芯部材5と、芯部材5を覆う外装部材6とを有する。
【0016】
芯部材5は軸部材7を介して関節部材3に回動可能に連結されている。軸部材7は、腿部分4を人形体の左右方向に開くことができるように、人形体の前後方向に延設されている。軸部材7を介して関節部材3に回動可能に連結された腿部分4は、関節部材3の中心軸線Xに対して屈曲可能に構成されている。
【0017】
腿部分4の中心軸線Yは、腿部分4が関節部材3の中心軸線Xに対して屈曲された状態(図1)で、関節部材3の中心軸線Xと交差し、人形体の上下方向に延びている。軸部材7は、人形体の左右方向に延びる関節部材3の中心軸線X及び人形体の上下方向に延びる腿部分4の中心軸線Yの各々の中心軸線に交差する方向に延設されている。
【0018】
そして、軸部材7は、腿部分4が屈曲された状態で、腿部分4の中心軸線Yの屈曲外側に配置されている。さらに、図示の例では、軸部材7は、腿部分4が屈曲された状態で、関節部材3の中心軸線Xの屈曲外側に配置されている。なお、関節部材3と腿部分4とによって形成される内角θが位置する側を「屈曲内側」といい、関節部材3の中心軸線Xに対して内角θが位置する側の反対側を「関節部材3の中心軸線Xの屈曲外側」というものとする。または、腿部分4の中心軸線Yに対して内角θが位置する側の反対側を「腿部分4の中心軸線Yの屈曲外側」というものとする。
【0019】
また、図示の例では、腿部分4が屈曲された状態で中心軸線Yの屈曲外側に配置されている腿部分4の外側部位において、腿部分4の関節部材3側の一方の端部8は、他方の端部9と軸部材7を挟んで反対側に配置されている。
【0020】
図2に、腿部分4が軸部材7を回動中心にして展開された際の端部8の円軌道T1を示す。また、腿部分4が屈曲された状態での関節部材3及び腿部分4の各々の中心軸線X、Yの交点をOとして、交点Oを中心として端部8が通る円軌道T2を併せて示す。
【0021】
軸部材7を関節部材3の中心軸線Xの屈曲外側かつ、腿部分4の中心軸線Yの屈曲外側に配置することにより、軸部材7を回動中心にして展開された際の端部8の回動半径r1を円軌道T2の半径r2よりも小さくできる。それにより、腿部分4の中心軸線Yの屈曲外側に配置されている端部8の通過軌跡長を縮小することができ、端部8が例えば胴体部分2と干渉する可能性を低減し、関節構造1の可動範囲を拡大することができる。
【0022】
図示の例のように、腿部分4の関節部材3側の一方の端部8が腿部分4の他方の端部と軸部材7を挟んで反対側に配置されている場合に、腿部分4の展開に伴い端部8が例えば胴体部分2と干渉する可能性が高くなるので、特に有用である。
【0023】
なお、腿部分4を関節部材3に回動可能に連結する手段として、上述した例では一自由度の軸部材7が用いられているが、関節部材3の中心軸線Xに対して腿部分4が屈伸可能であれば特に限定されず、例えばボールジョイントなどを用いることもできる。
【0024】
以上、股関節を例に、本発明の人形体の関節構造を説明したが、上述した構成は、例えば肘関節、膝関節、肩関節、等の屈伸可能な関節に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 関節構造
2 胴体部分(第1部分)
3 関節部材
4 腿部分(第2部分)
5 芯部材
6 外装部材
7 軸部材
8 端部
X 関節部材の中心軸線
Y 第2部分の中心軸線
θ 内角
図1
図2