特許第6013412号(P6013412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6013412異性体を含まないプロスタグランジンを製造するための方法及び中間体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013412
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】異性体を含まないプロスタグランジンを製造するための方法及び中間体
(51)【国際特許分類】
   C07C 405/00 20060101AFI20161011BHJP
   A61K 31/5575 20060101ALN20161011BHJP
   A61P 27/06 20060101ALN20161011BHJP
【FI】
   C07C405/00 503T
   C07C405/00 503Z
   !A61K31/5575
   !A61P27/06
【請求項の数】26
【全頁数】85
(21)【出願番号】特願2014-164880(P2014-164880)
(22)【出願日】2014年8月13日
(65)【公開番号】特開2015-36382(P2015-36382A)
(43)【公開日】2015年2月23日
【審査請求日】2014年8月13日
(31)【優先権主張番号】13/967,473
(32)【優先日】2013年8月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512213583
【氏名又は名称】チャイロゲート インターナショナル インク.
【氏名又は名称原語表記】CHIROGATE INTERNATIONAL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,シ−イ
(72)【発明者】
【氏名】イェー,ユ−チー
(72)【発明者】
【氏名】ス,ミン−クワン
(72)【発明者】
【氏名】カオ,リ−タ
【審査官】 吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/008756(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/093528(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0209337(US,A1)
【文献】 特表2005−539014(JP,A)
【文献】 特表2003−517441(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/001009(WO,A1)
【文献】 特表2012−520294(JP,A)
【文献】 特表2012−507552(JP,A)
【文献】 米国特許第03935240(US,A)
【文献】 Jacek G. Martynow, et al.,A New Synthetic Approach to High-Purity (15R)-Latanoprost, Wiley Online LibraryYou have full text access to this contentEuropean Journal of Organic Chemistry,2006年,Vol.2007, No.4,pp.689-703
【文献】 Yasushi Matsumura, et al,,Synthesis of the highly potent prostanoid FP receptor agonist, AFP-168: a novel 15-deoxy-15,15-difluoroprostaglandin F2α derivative,Tetrahedron Letters,2004年,Volume45, Issue7,pp.1527-1529
【文献】 E. J. Corey, et al.,Synthesis of novel macrocyclic lactones in the prostaglandin and polyether antibiotic series,J. Am. Chem. Soc.,1975年,Vol.97, No.3 ,pp.653-654
【文献】 Gordon L. Bundy, et al.,Synthesis and biological activity of prostaglandin lactones,J. Med. Chem.,1983年,Vol.26, No.8,pp.1089-1099
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5,6−trans異性体を0.5%を超えて含まない、式I−2:
【化1】
【化2】
2は単結合又はC1-4アルキレン又は−CH2O−であり、R3はC1-7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1-4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されており、R4はC1-7アルキルである)で表される化合物の製造方法であって、
(1)0〜5%の5,6−trans異性体を含む式IV−1:
【化3】
【化4】
で表される化合物をマクロラクトン化して式III:
【化5】
【化6】
で表される化合物を得る工程と、
(2)P1及び/又はP2を除去する工程と、
(3)エステル交換により前記マクロラクトン環を開環する工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記エステル交換は、マクロラクトンを加水分解してヒドロキシル基を有する化合物とカルボン酸を得る工程と、次いでカルボン酸をエステル化する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エステル交換は、C1-7アルカノール、C1-7アルコキシド、C1-7アルコキシド塩及びそれらの混合物からなる群から選択される求核剤とマクロラクトンを反応させて、ヒドロキシル基とエステル基とを有する化合物を得る工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記求核剤は2−プロパノール、ナトリウム2−プロポキシド又はそれらの混合物である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、式I−2で表される化合物中の全てのヒドロキシル基をシリル化剤でシリル化することにより式I−2で表される化合物を精製して式I−2'':
【化7】
【化8】
で表される化合物を得る工程と、不純物を除去する工程と、次いで生成した化合物を脱シリル化して向上した純度を有する式I−2で表される化合物を得る工程と、を更に含む方法。
【請求項6】
前記シリル化剤は、クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、クロロジメチル(オクチル)シラン及びtert−ブチルクロロジメチルシランから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記式I−2で表される化合物は、ラタノプロスト、トラヴォプロスト、タフルプロスト、イソプロピルクロプロステノール及びイソプロピルウノプロストンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
トラヴォプロスト
【化9】
を製造するための請求項1に記載の方法であって、
(1)0〜5%の5,6−trans異性体を含む式IV−1a:
【化10】
(式中、P1及びP2はヒドロキシル基の保護基である)で表される化合物をマクロラクトン化して式IIIa:
【化11】
(式中、P1及びP2は上記と同義である)で表される化合物を得る工程と、
(2)P1及びP2を除去することにより式IIIaで表される化合物を脱保護して式IIa:
【化12】
で表される化合物を得る工程と、
(3)エステル交換により式IIaで表される化合物中のマクロラクトン環を開環してトラヴォプロストを得る工程と、を含む方法。
【請求項9】
前記エステル交換は、前記式IIaで表される化合物を加水分解してトラヴォプロスト酸を得る工程と、次いでトラヴォプロスト酸をエステル化してトラヴォプロストを得る工程を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ラタノプロスト
【化13】
を製造するための請求項1に記載の方法であって、
(1)0〜5%の5,6−trans異性体を含む式IV−1b:
【化14】
(式中、P1及びP2はヒドロキシル基の保護基である)で表される化合物をマクロラクトン化して式IIIb:
【化15】
(式中、P1及びP2は上記と同義である)で表される化合物を得る工程と、
(2)P1及びP2を除去することにより式IIIbで表される化合物を脱保護して式IIb:
【化16】
で表される化合物を得る工程と、
(3)エステル交換により式IIbで表される化合物中のマクロラクトン環を開環してラタノプロストを得る工程と、を含む方法。
【請求項11】
前記エステル交換は、前記式IIbで表される化合物を加水分解してラタノプロスト酸を得る工程と、次いでラタノプロスト酸をエステル化してラタノプロストを得る工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
タフルプロスト
【化17】
を製造するための請求項1に記載の方法であって、
(1)0〜5%の5,6−trans異性体を含む式IV−1c:
【化18】
(式中、P1はヒドロキシル基の保護基である)で表される化合物をマクロラクトン化して式IIIc:
【化19】
(式中、P1は上記と同義である)で表される化合物を得る工程と、
(2)P1を除去することにより式IIIcで表される化合物を脱保護して式IIc:
【化20】
で表される化合物を得る工程と、
(3)エステル交換により式IIcで表される化合物中のマクロラクトン環を開環してタフルプロストを得る工程と、を含む方法。
【請求項13】
前記エステル交換は、前記式IIcで表される化合物を加水分解してタフルプロスト酸を得る工程と、次いでタフルプロスト酸をエステル化してタフルプロストを得る工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、式IIcで表される化合物をアシル化して式IIc':
【化21】
(式中、R8はC1-7アルキル、フェニル又は置換フェニルである)で表される化合物を得る工程と、式IIc'で表される化合物を結晶化する工程と、エステル交換によりアシル基除去する工程と、を更に含む方法。
【請求項15】
前記エステル交換は、加水分解により前記式IIc'で表される化合物のマクロラクトン環を開環し且つアシル基を除去してタフルプロスト酸を得る工程と、次いでタフルプロスト酸をエステル化してタフルプロストを得る工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
イソプロピルウノプロストン
【化22】
を製造するための請求項1に記載の方法であって、
(1)0〜5%の5,6−trans異性体を含む式IV−1d:
【化23】
【化24】
で表される化合物をマクロラクトン化して式IIId:
【化25】
【化26】
で表される化合物を得る工程と、
(2)式IIId
【化27】
で表される化合物のP1を除去して式IId:
【化28】
で表される化合物を得る工程と、
(3)エステル交換により式IIdで表される化合物のマクロラクトン環を開環して式I−2d':
【化29】
【化30】
で表される化合物を得る工程と、を含む方法。
【請求項17】
前記エステル交換は、式IIdで表される化合物を加水分解して、ウノプロストン又はケト官能性の保護されたウノプロストンを得る工程と、次いでウノプロストン又はケト官能性の保護されたウノプロストンをエステル化してイソプロピルウノプロストン又はケト官能性の保護されたイソプロピルウノプロストンを得る工程とを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、式IIId、IId又はI−2d'で表される化合物中のカルボニル基の保護基を除去して、対応する式IIId、IId又はI−2d'
【化31】
で表される化合物を得る工程を更に含む方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、式IIId
【化32】
で表される化合物中の保護基P2を除去する工程と、次いで得られたヒドロキシル基を酸化して対応する式IIId
【化33】
で表される化合物を得る工程を更に含む方法。
【請求項20】
5,6−trans異性体を0.5%を超えて含まない、式IV:
【化34】
【化35】
2は単結合又はC1-4アルキレン又は−CH2O−であり;R3はC1-7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1-4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されており;XはOH、OR6又はNR45(式中、R4及びR6はC1-7アルキルであり;R5はH又はC1-7アルキルである)で表される化合物を製造するための方法であって、
(1)0〜5%の5,6−trans異性体を含む式IV−1:
【化36】
【化37】
で表される化合物マクロラクトン化して式III:
【化38】
【化39】
で表される化合物を得る工程と、
(2)加水分解、エステル交換又はアミド化により式IIIで表される化合物のマクロラクトン環を開環して式IVで表される化合物を得る工程と、を含む方法。
【請求項21】
式IV−2e:
【化40】
(式中、P1及びP2はヒドロキシル基の保護基である)で表される保護されたビマトプロストを製造するための請求項20に記載の方法であって、
(1)0〜5%の5,6−trans異性体を含む式IV−1e:
【化41】
(式中、P1及びP2はヒドロキシル基の保護基である)で表される化合物をマクロラクトン化して式IIIe:
【化42】
(式中、P1及びP2は上記と同義である)で表される化合物を得る工程と、
(2)アミド化により式IIIeで表される化合物中のマクロラクトン環を開環して式IV−2eで表される保護されたビマトプロストを得る工程と、を含む方法。
【請求項22】
5,6−trans異性体を0.5%を超えて含まない、式III:
【化43】
【化44】
2は単結合又はC1-4アルキレン又は−CH2O−であり、R3はC1-7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1-4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されている)で表される化合物を製造するための方法であって、
(1)0〜5%の5,6−trans異性体を含む式VI:
【化45】
(式中、R6はC1-7アルキルであり、P1はヒドロキシル基の保護基である)で表される化合物を、式IX−1、式IX−2又は式IX−3:
【化46】
【化47】
Yはハロゲンであり;R7はC1-7アルキルである)で表される化合物から誘導されるキュープレートと反応させて式V−2:
【化48】
【化49】
で表される化合物を得る工程と、
(2)式V−2で表される化合物中のオキソ基を還元し且つCOOR6基を加水分解して式IV−1:
【化50】
【化51】
で表される化合物を得る工程と、
(3)式IV−1で表される化合物をマクロラクトン化して式IIIで表される化合物と式IV−1で表される化合物又はその誘導体の非マクロラクトン化異性体との混合物を得る工程と、
(4)式IV−1で表される化合物又はその誘導体の非マクロラクトン化異性体を除去して、5,6−trans異性体を0.5%を超えて含まない式IIIで表される化合物を形成する工程と、を含む方法。
【請求項23】
5,6−trans異性体を0.5%を超えて含まない、式III:
【化52】
【化53】
2は単結合又はC1-4アルキレン又は−CH2O−であり、R3はC1-7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1-4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されている)で表される化合物を製造するための方法であって、
(1)式VIII:
【化54】
【化55】
で表される化合物を半還元して式VII:
【化56】
【化57】
で表される化合物を得る工程と、
(2)式VIIで表される化合物をウィッテイッヒ反応に付して式IV−1:
【化58】
【化59】
で表される化合物を得る工程と、
(3)式IV−1で表される化合物をマクロラクトン化して式IIIで表される化合物と式IV−1で表される化合物又はその誘導体の非マクロラクトン化異性体との混合物を得る工程と、
(4)式IV−1で表される化合物又はその誘導体の非マクロラクトン化異性体を除去して、5,6−trans異性体を0.5%を超えて含まない式IIIで表される化合物を形成する工程と、を含む方法。
【請求項24】
【化60】
【化61】
1及びP2はヒドロキシル基の保護基であり、それぞれ独立にメトキシメチル、メトキシチオメチル、tert−ブチルチオメチル、ベンゾイルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル及びトリフェニルメチルからなる群から選択される保護基である)からなる群から選択される化合物。
【請求項25】
【化62】
【化63】
【化64】
(式中R8はC1-7アルキル、非置換フェニル又は置換フェニルである)からなる群から選択される、化合物。
【請求項26】
8はメチル、フェニル又はp−フェニルフェニルである、請求項25に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異性体を含まないプロスタグランジン及びその誘導体を製造するための新規な方法及び中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
次式I−2:
【0003】
【化1】
【0004】
【化2】
【0005】
はC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されており、RはC1−7アルキルである)で表されるプロスタグランジンエステル類似体、例えば、ラタノプロストやイソプロピルウノプロストン、イソプロピルクロプロステノール、トラヴォプロスト、タフルプロストは、開放隅角緑内障の特殊療法に用いられている。式I−2で表されるプロスタグランジンエステル類似体は、その親化合物に比べて有意に高い降圧の効能を有することが示されているが、これは、より効果的に角膜に浸透することに起因すると思われる。該類似体は、ぶどう膜強膜流出を高めることによって眼内圧を低下させるが、線維柱帯網に対して多少の影響を及ぼすこともある。
【0006】
次のスキームA:
【0007】
【化3】
【0008】
に示すように、特許文献1〜8等に開示の式I−2で表されるプロスタグランジンエステル類似体の多くは、先ず、ラクトンVIII
【0009】
【化4】
【0010】
は単結合又はC1−4アルキレン又は−CHO−であり、RはC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されている)を合成し、その後、該ラクトンの半還元を行ってラクトールVIIを得、これをウィッティヒ反応に付して式IV−1で表されるC5〜C6配置cisオレフィンを得た後、これを式I−2で表されるプロスタグランジンエステル類似体に転化することによって得られた。用いるウィッティヒ試薬や溶媒の種類又はウィッティヒ反応の温度に関わらず、式IV−1で表される化合物の5,6−trans異性体が約2〜10%生成することは避けられなかった。出発原料に微量の異性体(例えば、15β異性体やエナンチオマー)が既に含まれている場合、得られる式IV−1で表される化合物には対応する異性体が含まれるであろう。
【0011】
次のスキームB:
【0012】
【化5】
【0013】
に示すように、式I−2で表されるプロスタグランジンエステル類似体、例えば、特許文献9、10等に開示のラタノプロストの合成の一部では、シクロペンテノンVI’にω側鎖ユニットIX’を共役付加してシクロペンタノンV−2’を得た後、これを9−ケト還元に付して保護されたラタノプロストIV−2’を得る。しかし、このような共役付加によっても微量の8β異性体や12α異性体の生成を回避することができず、微量の9β異性体の生成を回避することもできなかった。また、市販のシクロペンテノンVI’やω側鎖ユニットIX’には微量のエナンチオマーが含まれている可能性が非常に高く、その結果、スキームBの反応においては、ラタノプロストの15β異性体が生成することがある。更に、市販のシクロペンテノンVI’には微量の5,6−trans異性体が含まれている場合があり、その結果、スキームBの反応においては、ラタノプロストの5,6−trans異性体が生成することがある。
【0014】
次のスキームC:
【0015】
【化6】
【0016】
に示すように、特許文献11では、トラヴォプロストの合成、即ち、グラブス触媒の存在下でシクロペンタン環の閉環反応を行い、脱保護及び開環反応を行ってトラヴォプロストを得ることが開示されている。特許文献11には、閉環反応によってC5〜C6で「cis」配置を有するオレフィンが得られることが記載されているが、本発明者が行った研究によると、特許文献11に記載の閉環反応では、依然として一定量の5,6−trans異性体が生成する。
【0017】
ラタノプロスト、イソプロピルウノプロストン、トラヴォプロスト及びタフルプロストは全て固体ではなく、その遊離酸形態も固体ではない。スキームA〜Cに示すどの方法の場合でも、必要なキラル中心やオレフィンが確立された中間体はいずれも結晶化することができなかった。即ち、結晶化によって異性体を除去して、これらのプロスタグランジン類似体又は中間体を精製する可能性は低い。従って、異性体を含まない式I−2で表される油状のプロスタグランジンエステル類似体を通常の精製技術で得ることは殆ど不可能であった。
【0018】
特許文献1、12では、製造用HPLCによってラタノプロストの5,6−trans異性体及び15異性体を除去するための方法が開示されており、特許文献13では、逆相製造用HPLCによってラタノプロスト酸の異性体を除去することが開示されているが、製造用HPLCを利用して異性体を除去するこれらの精製方法はコストが掛かり、大量生産には適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】国際公開第2002096898号
【特許文献2】欧州特許1886992号公報
【特許文献3】欧州特許2143712号公報
【特許文献4】特開2012−246301号公報
【特許文献5】米国特許6720438号公報
【特許文献6】米国特許2008033176号公報
【特許文献7】国際公開第2010097672号
【特許文献8】米国特許7582779号公報
【特許文献9】国際公開第2002090324号
【特許文献10】米国特許2009259058号公報
【特許文献11】国際公開第2011008756号
【特許文献12】国際公開第2011005505号
【特許文献13】国際公開第2011009599号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述のことを考慮すると、式I−2で表される市販のプロスタグランジンエステル類似体は、薬効成分としても製剤としても、一定量の異性体(特に、5,6−trans異性体)を含んでいる。医薬の安全性及び製造コスト削減のため、本発明は、異性体を含まない式I−2で表されるプロスタグランジンエステル類似体を製造するためのより簡易な方法であって、その製造過程において、不要な異性体(特に、5,6−trans異性体)を効果的且つ容易に除去することができる方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、その一態様において、5,6−trans異性体を実質的に含まない式I−2:
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
はC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されており、RはC1−7アルキルである)で表される化合物を製造するための新規な方法を提供する。
【0025】
本発明は、その他の態様において、5,6−trans異性体を実質的に含まない式IV:
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
XはOH、OR、NHR又はNR(式中、RはC1−7アルキルであり、RはH又はC1−7アルキルである)、Rは単結合又はC1−4アルキレン又は−CHO−であり、RはC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1−4アルキルで置換されていないか又は置換されている)で表される化合物を製造するための新規な方法を提供する。
【0029】
本発明は、その他の態様において、5,6−trans異性体を実質的に含まない式III:
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】
は単結合又はC1−4アルキレン又は−CHO−であり、RはC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されている)で表される化合物を製造するための新規な方法を提供する。
【0033】
本発明は、その他の態様において、高純度のプロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体を製造するための新規な方法を提供する。
【0034】
本発明は、その更に他の態様において、高純度のプロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体及び異性体を含まない新規なプロスタグランジン類似体を製造するのに有用な、異性体を含まない新規な中間体を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
式IV−1で表される化合物の製造
式IV−1:
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
は単結合又はC1−4アルキレン又は−CHO−であり、RはC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されている)で表される化合物は、スキーム1:
【0039】
【化15】
【0040】
に示す反応に従って製造することができる。
【0041】
スキーム1の工程(a)及び工程(b)に示すように、式VIII:
【0042】
【化16】
【0043】
は単結合又はC1−4アルキレン又は−CHO−であり、RはC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されている)で表されるラクトンを適切な還元剤(例えば、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL))を用いた半還元反応に付した後、ウィッティヒ反応を行って式IV−1で表される化合物を得る。様々な溶媒や試薬、温度等を用いるため、式IV−1で表される化合物のC5−C6二重結合において得られるcis選択性は、溶媒、試薬、温度及び/又はウィッティヒ反応に関与する他の反応条件によって決まる。しかし、反応条件に関わらず、5,6−trans異性体が約2〜10%生成することは避けられず、このような異性体は、式IV−1で表される化合物をスキーム1に従って製造する際の主な副産物であった。更に、式VIII:
【0044】
【化17】
【0045】
で表されるラクトンは微量の15β異性体を含んでいることがあり、その結果、スキーム1に従って製造した式IV−1で表される化合物の15β異性体が生成することがある。式VIIIで表されるラクトンの多くは、一般的な市販のコーリーラクトンから得られた。市販のコーリーラクトンは微量のエナンチオマーを含んでおり、そのようなコーリーラクトンから製造した式VIIIで表されるラクトンは微量のエナンチオマーを含んでいる場合がある。従って、式IV−1で表される化合物をスキーム1に従って製造した場合、式IV−1で表される化合物に付随するエナンチオマーが生成することもあった。
【0046】
スキーム1において、ヒドロキシル基の適切な保護基(即ち、P及びP)としては、メトキシメチルやメトキシチオメチル、tert−ブチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、ベンジル、置換ベンジルが挙げられるが、これらに限定されない。該保護基は、メトキシメチル、メトキシチオメチル、tert−ブチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル又はトリフェニルメチルであることが好ましい。
【0047】
スキーム1において、
【0048】
【化18】
【0049】
の適切な保護基としては、ジアルキルケタールやジアラルキルケタール、ジアセチルケタール、ジチオケタール、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジチアン、1,3−ジチオラン、1,3−オキサチオランが挙げられるが、これらに限定されない。カルボニル基の好ましい保護基としては、ジアルキルケタールや1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソランが挙げられる。
【0050】
或いは、式IV−1で表される化合物は、スキーム2:
【0051】
【化19】
【0052】
に示す反応に従って製造することができる。
【0053】
スキーム2の工程(a)に示すように、式V−2:
【0054】
【化20】
【0055】
は単結合又はC1−4アルキレン又は−CHO−であり、RはC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであり、RはC1−7アルキルであって、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されている)で表される化合物は、式IX−1、式IX−2又は式IX−3:
【0056】
【化21】
【0057】
【化22】
【0058】
は単結合又はC1−4アルキレン又は−CHO−であり、RはC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであり、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されており、RはC1−7アルキルである)で表される化合物に由来のキュープレートのエナンチオリッチなω側鎖ユニットと式VI(式中、RはC1−7アルキルであり、Pはヒドロキシル基の保護基である)で表される光学活性シクロペンテノンとのカップリング反応(−100℃〜40℃の温度で行うことが好ましい)によって製造する。
【0059】
スキーム2の工程(b)は、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミノ水素化リチウム、トリアルキル水素化ホウ素リチウム、トリアルキル水素化ホウ素カリウム、トリアルキル水素化ホウ素ナトリウム、又はその混合物から選択される還元剤を用いて行ったケト還元に関する。還元剤は、トリ−sec−ブチル水素化ホウ素リチウム(L−セレクトライド)、トリアミル水素化ホウ素リチウム、トリ−sec−ブチル水素化ホウ素ナトリウム、トリ−sec−ブチル水素化ホウ素カリウム、トリアミル水素化ホウ素カリウム、又はその混合物であることが好ましい。還元剤は、トリ−sec−ブチル水素化ホウ素リチウムであることがより好ましい。
【0060】
スキーム2の工程(c)は、水相(水又はバッファー)及び/又は有機溶媒(例えば、ヘキサンやトルエン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、又はその混合物)中、酵素(好ましくは、リパーゼ435等のカンジダ・アンタークティカ(Candida antarctica)リパーゼ)の存在下で行った酵素的加水分解反応に関する。
【0061】
スキーム2の工程(d)は、酵素的又は化学的加水分解反応(好ましくは、化学的加水分解反応)に関する。例えば、式IV−3で表される化合物をアルコール(例えば、メタノールやエタノール)に溶解し、塩基(例えば、水酸化カリウムや水酸化リチウム)と反応させて、式IV−1で表される化合物を得た。
【0062】
スキーム2に従って得た式IV−1で表される化合物には、工程(a)の共役付加反応の副産物(8異性体や12異性体)だけでなく、工程(b)の9−ケト還元反応の副産物(9異性体)も伴い、更には、出発原料中の不純物から得られる異性体(5,6−trans異性体や15β異性体)も伴うであろう。
【0063】
スキーム2において、ヒドロキシル基の適切な保護基(即ち、P及びP)としては、メトキシメチルやメトキシチオメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、ベンジル、置換ベンジル、SiR(式中、R、R及びRはそれぞれ独立にC1−8アルキル、フェニル、ベンジル、置換フェニル又は置換ベンジルである)が挙げられるが、これらに限定されない。該保護基は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、n−オクチルジメチルシリル、メトキシメチル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロピラニルであることが好ましい。
【0064】
スキーム2において、
【0065】
【化23】
【0066】
の適切な保護基としては、ジアルキルケタールやジアラルキルケタール、ジアセチルケタール、ジチオケタール、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジチアン、1,3−ジチオラン、1,3−オキサチオランが挙げられるが、これらに限定されない。カルボニル基の好ましい保護基としては、ジアルキルケタールや1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソランが挙げられる。
【0067】
5,6−trans異性体を実質的に含まない式I−2で表されるプロスタグランジン類似体の合成
本明細書において、「5,6−trans異性体を実質的に含まない」又は「異性体を実質的に含まない」とは、対象とする化合物が5,6−trans異性体を0.5%を超えて含んでいないか、又は、5,6−trans異性体と(存在する場合には)15β異性体とを0.5%を超えて含んでいないことを意味する。
【0068】
本発明に係る、5,6−trans異性体を実質的に含まない式I−2:
【0069】
【化24】
【0070】
【化25】
【0071】
はC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されており、RはC1−7アルキルである)で表されるプロスタグランジン類似体を合成するための新規なアプローチをスキーム3に示す。
【0072】
【化26】
【0073】
スキーム3の工程(a)に示すように、式III:
【0074】
【化27】
【0075】
で表される化合物は、0〜5%の5,6−trans異性体及び/又は他の異性体を含み、スキーム1又はスキーム2の方法で製造することができる式IV−1:
【0076】
【化28】
【0077】
で表される化合物のマクロラクトン化によって製造する。
【0078】
マクロラクトン化では、カルボニル及び/又はヒドロキシル官能基を活性化することができる。この経路の場合、マクロラクトン化においては、適切な試薬(例えば、S−ピリジン−2−イルクロロメタンチオエートや2,2’−ジピリジルジスルフィド/トリフェニルホスフィン、4−tert−ブチル−2−(2−(4−tert−ブチル−1−イソプロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ジスルファニル)−1−イソプロピル−1H−イミダゾール/トリフェニルホスフィンが挙げられるが、これらに限定されない)を用いてチオエステルを最初に得る。必要に応じて、触媒量のアミン(例えば、トリエチルアミン)を反応に添加することができ、更には、金属イオン(例えば、AgやHg2+、Cu2+)を添加して環化速度を促進させることもできる。金属イオンをもたらす適切な源としては、AgClOやAgBF、AgOTf、CuBr、CuCl、(CFCOHgが挙げられる。
【0079】
或いは、マクロラクトン化では、塩基又はルイス酸の存在下又は非存在下で適切な試薬を用いて混合無水物を最初に得ることができる。混合無水物を得るのに適した試薬としては、塩化2,4,6−トリクロロベンゾイルや2−ニトロ−6−ニトロ安息香酸無水物、p−ニトロフルオロメチル安息香酸無水物、p−ニトロ安息香酸無水物等が挙げられるが、これらに限定されない。適切な塩基の例としては、4−(ジメチルアミノ)ピリジンやピロリジノピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、イソプロピルジエチルアミンが挙げられる。適切なルイス酸の例としては、Sc(OTf)やTiCl、AgClO、塩化トリメチルシリル(TMSCl)、TiCl(OTf)が挙げられる。
【0080】
また、マクロラクトン化は、適切な溶媒中で縮合試薬と塩基を用いて行うこともできる。適切な縮合試薬としては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドやヨウ化2−クロロ−1−メチル−ピリジウム、塩化2−クロロ−4,5−ジクロロ−1,3−ジメチル−1H−イミダゾリウム、塩化N,N−ジフェニルクロロフェニルメチルエニミニウム、塩化シアヌル、塩化1,3−ジメチル−2−クロロイミダゾリウム、塩化N,N,N,N−テトラメチルクロロホルムアミジニウム等が挙げられるが、これらに限定されない。適切な塩基の例としては、ピリジンやトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)等が挙げられる。縮合反応用の適切な溶媒としては、塩化メチレンやテトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、及びその混合物が挙げられる。
【0081】
得られた式IIIで表される化合物をHPLCやUPLCで解析する際に、該化合物が5,6−trans異性体を実質的に含んでいないことが予想外に見出されるが、このことから、マクロラクトン化反応が高いcis選択性を示す、即ち、式IV−1で表される5,6−cis化合物がマクロラクトン化反応において支配的である一方、式IV−1で表される5,6−trans化合物は、マクロラクトン化反応を殆ど受けないことが分かる。
【0082】
スキーム3の工程(b)では、ω側鎖でP及び/又はPを除去することによって脱保護反応を行う。このような脱保護反応を行うための条件は、当業者には明らかである。例えば、Pと(存在する場合には)Pとがテトラヒドロピラニル保護基である場合、式IIIで表されるマクロラクトンを適切な溶媒(例えば、メタノール、又はアセトンと水の混合溶媒(体積比5:1))に溶解し、脱保護剤(例えば、塩化水素やp−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジウム)で処理し、室温で10分間〜10時間撹拌する。塩基(例えば、水酸化アンモニウム等)を用いて反応を停止させ、従来通りに行う後処理手順に付す。こうして得られた5,6−trans異性体を実質的に含まない式IIで表される脱保護化合物は、例えば、後述の実施例から明らかなように、100℃を超える融点を有し、上記特許文献11(実施例9、12a〜12c)に開示の化合物IIa、IIb及びIIe(その各々は、一定量の5,6−trans異性体を含んでおり、固体状態ではない)と比較して優れた結晶性を示すことが予想外に見出される。
【0083】
式IIで表される化合物の粗生成物は、式IV−1で表される出発化合物中の不純物に由来する少量の異性体(例えば、15β異性体やエナンチオマー)を含んでいるが、このような異性体は、結晶化によって粗生成物を精製して更に除去することができる。
【0084】
スキーム3の工程(c)と工程(e)の組み合わせ、又は工程(d)においては、式IIで表されるマクロラクトンのエステル交換反応によって式I−2で表されるプロスタグランジン類似体を得る。工程(d)において、エステル交換は、C1−7アルカノール、C1−7アルコキシド、C1−7アルコキシド塩又はその混合物から成る群から選択される求核剤と式IIで表される化合物を直接反応させて、ヒドロキシル基とエステル基を含む式I−2で表されるプロスタグランジン類似体を得ることを含む。本発明の一実施形態において、求核剤は、2−プロパノール、ナトリウム2−プロポキシド又はその混合物から選択される。
【0085】
工程(c)及び工程(e)において、エステル交換は、式IIで表されるマクロラクトンを加水分解してヒドロキシル基及びカルボキシル基を含む式I−1で表される化合物を得た後、式I−1で表される化合物をエステル化して式I−2で表されるプロスタグランジン類似体を得ることを含む。
【0086】
本発明においては、得られた式I−2で表される化合物を次のようにして更に精製することができる。即ち、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF)やジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸エチル)中、塩基(例えば、イミダゾールやトリエチルアミン)の存在下で式I−2で表される化合物の全てのヒドロキシル基を式XSiR(式中、Xはハロゲン(例えば、FやCl、Br)であり、R、R及びRはそれぞれ独立にC1−8アルキル、フェニル、ベンジル、置換フェニル又は置換ベンジルである)で表されるシリル化剤でシリル化して式I−2’’:
【0087】
【化29】
【0088】
【化30】
【0089】
で表される化合物を得、不純物を除去した後、得られた化合物を脱シリル化して、純度が向上した式I−2で表される化合物を得る。本発明の一実施形態においては、精製反応に適したシリル化剤は、クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、クロロジメチル(オクチル)シラン及びtert−ブチルクロロジメチルシランから成る群から選択される。脱シリル化反応を行うための条件は、上述の脱保護反応に関して当業者にとって明らかなものとすることができる。
【0090】
本発明の幾つかの好ましい実施形態においては、異性体を実質的に含まない特定の従来公知のプロスタグランジン類似体を以下のように製造することができる。
【0091】
異性体を含まないトラヴォプロストの合成
以下のスキームに示すように、異性体を含まないトラヴォプロストは、異性体を分離するためのクロマトグラフィーの利用を必要とせず、市販の化合物Xaから容易に製造することができる。
【0092】
【化31】
【0093】
スキーム4の工程(a)における反応は保護反応である。適切な保護基の例は、T.W.グリーン(Greene)による「有機合成における保護基」、ジョン・ウィリー&ソンズ社(1981年)に記載されている。好ましい保護基は塩基に対して安定であり、その例としては、メトキシメチルやメトキシチオメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、ベンジル、置換ベンジルが挙げられるが、これらに限定されない。保護を行うための反応条件は当該技術分野で従来公知のものとすることができる。例えば、式Xaで表されるラクトンを塩化メチレンに溶解し、そこに触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加する。反応混合物を氷浴に置き、適量の3,4−ジヒドロ−2H−ピランを添加した後、室温で約10分間〜約10時間撹拌して式VIIIaで表される保護ラクトンを得る。
【0094】
スキーム4の工程(b)においては、式VIIIaで表されるラクトンを水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)を用いた半還元反応に付し、式VIIaで表されるラクトールを得る。この反応は−60℃〜−100℃(好ましくは、−60℃〜−80℃)の温度で行うことができる。
【0095】
スキーム4の工程(c)においては、式VIIaで表されるラクトールを、臭化(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムとカリウムtert−ブトキシドから得たイリドを用いたウィッティヒ反応に付し、2〜4%の5,6−trans異性体を含む式IV−1aで表される化合物を得る。
【0096】
スキーム4の工程(d)はマクロラクトン化反応である。マクロラクトン化がチオエステル又は混合無水物の生成を経ようと、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドによる縮合を経ようと、式IIIaで表される化合物を得ることができる。
【0097】
得られた式IIIaで表される化合物をUPLCで解析する際、用いる試薬や反応条件に関わらず、得られた式IIIaで表される化合物全てに含まれる5,6−trans異性体の量は0.03%未満であるか、又はUPLCで検出可能な量未満であることが分かる。
【0098】
スキーム4の工程(e)は脱保護反応である。式IIIaで表されるマクロラクトン(P及びPはそれぞれテトラヒドロピラニル保護基である)を適切な溶媒(例えば、メタノール)に溶解し、脱保護剤(例えば、塩化水素やp−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジウム)で処理し、室温で10分間〜10時間撹拌する。塩基(例えば、重炭酸ナトリウム水溶液等)を用いて反応を停止させ、従来通りに行う試案(ワークアップ)手順に付し、式IIaで表される化合物を固体として得る。結晶化を行った後、得られた結晶化合物と結晶化濾液をUPLCで解析した。反応によって得られた異性体又は不純物は結晶化方法によって効果的に除去可能であることが分かった。
【0099】
異性体や不純物を実質的に含まない式IIaで表される化合物をスキーム4の工程(f)における加水分解反応に付して、異性体を含まないトラヴォプロスト酸((+)−フルプロステノール)を得た後、スキーム4の工程(g)におけるエステル化反応に付し、異性体を含まないトラヴォプロストを得る。
【0100】
【化32】
【0101】
スキーム5に示すように、異性体を含まないラタノプロストは、スキーム4に示したのと同様に市販の化合物Xbから製造することができる。工程(e)で得られる式IIbで表される生成物も優れた結晶性を示す。結晶化前の式IIbで表される粗化合物の解析によって、5,6−trans異性体の量が既に0.1%未満であることが示されたが、このことから、ウィッティヒ反応の5,6−trans異性体副産物がマクロラクトン化方法時に除去されたことが分かった。同様に、式IIbで表される化合物の結晶化時に、微量の5,6−trans異性体と(存在する場合には)出発化合物Xb由来の15β異性体、更には、上述の反応に伴う不純物を容易に除去することができた。従って、高純度で異性体を含まないラタノプロストを容易に得ることができた。
【0102】
【化33】
【0103】
スキーム6に示すように、スキーム4及び5に示す反応と同様、工程(a)はDIBAL還元反応であり、工程(b)はウィッティヒ反応であり、工程(c)はマクロラクトン化反応であり、工程(d)は脱保護反応である。工程(d)で得られる式IIcで表される化合物は、5,6−trans異性体を実質的に含まない。この化合物を工程(f)の加水分解反応及び工程(i)のエステル化反応に付して、5,6−trans異性体を実質的に含まないタフルプロストを得た。或いは、式RCOCl又は(RCO)O(式中、RはC1−7アルキル、非置換フェニル又は置換フェニルである)で表されるアシル化剤(例えば、塩化アセチルや無水酢酸、塩化ベンゾイル、無水安息香酸、塩化4−フェニルベンゾイル)を用いて式IIcで表される化合物をアシル化して、より良好な結晶性を有する式IIc’(式中、RはC1−7アルキル、非置換フェニル又は置換フェニルである)で表される化合物を得ることができ、式IIc’で表される化合物を結晶化によって精製し、微量の異性体と(存在する場合には)エナンチオマーをも除去して、異性体を含まないタフルプロストを得ることができた。工程(g)は、マクロラクトン環の開環と化合物の脱アシル化を同時に行って異性体を含まないタフルプロスト酸を得る加水分解反応である。工程(h)において、エステル交換は、2−プロパノール、ナトリウム2−プロポキシド又はその混合物から選択される求核剤と式IIcで表される化合物を直接反応させて、タフルプロストを得ることを含む。
【0104】
【化34】
【0105】
スキーム7に示すように、上記と同様、工程(a)はDIBAL還元反応であり、工程(b)はウィッティヒ反応であり、工程(c)はマクロラクトン化反応であり、工程(e)は脱保護反応であり、工程(f)は加水分解反応であり、工程(g)はエステル化反応である。イソプロピルウノプロストンの合成においては、式VIIId:
【0106】
【化35】
【0107】
及びPはヒドロキシル基の保護基である)で表される出発化合物を工程(a)〜工程(c)に付して、式IIIdで表されるマクロラクトンを得た。その後、式IIIdで表されるマクロラクトンを好ましくは工程(d)に付して、Pを選択的に除去し、得られたヒドロキシル基を酸化してケト基とした。例えば、式IIId:
【0108】
【化36】
【0109】
はテトラヒドロピラニルであり、Pはtert−ブチルジメチルシリルである)で表されるマクロラクトンを適切な溶媒(例えば、THF)中でフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAF)と反応させて、tert−ブチルジメチルシリルを選択的に除去した後、適切な酸化条件(例えば、コリンズ酸化やスワーン酸化、PCC酸化、PDC酸化、TEMPO酸化(好ましくはTEMPO酸化))で酸化して、5,6−trans異性体を実質的に含まない式IIId’で表される化合物を得た。
【0110】
次に、式IIId’で表される化合物を工程(e)の脱保護反応に付し、Pを除去して式IId’で表される新規な結晶化合物を得た後、工程(f)の開環加水分解反応を行って異性体を含まないウノプロストンを得、これを更に工程(g)のエステル化反応に付して、異性体を含まないイソプロピルウノプロストンを得た。
【0111】
上述のように、式IIIdで表されるマクロラクトンを工程(d)に付してカルボニルの保護基を除去し、式IIId’で表される化合物を得ることができた。或いは、式IIIdで表されるマクロラクトンを先ず工程(e)に付して保護基Pを除去した後、工程(f)の開環加水分解反応と工程(g)のエステル化反応を行い、次に工程(h)に付してカルボニルの保護基を除去してイソプロピルウノプロストンを得ることもできた。或いは、式IId及びI−2d’’で表される化合物を工程(h)に付してカルボニルの保護基を除去し、式IId’で表される化合物とウノプロストンを得た。
【0112】
式IVで表されるプロスタグランジン類似体の合成
本発明に係る、5,6−trans異性体を実質的に含まない式IV:
【0113】
【化37】
【0114】
【化38】
【0115】
は単結合又はC1−4アルキレン又は−CHO−であり、RはC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されており、XはOH、OR又はNR(式中、R及びRはC1−7アルキルであり、RはH又はC1−7アルキルである))で表されるプロスタグランジン類似体を合成するための新規なアプローチをスキーム8に示す。
【0116】
【化39】
【0117】
スキーム8に示す工程(a)は、1〜10%の5,6−trans異性体を含む式IV−1で表される化合物のマクロラクトン化反応であり、工程(b)はアミド化反応に関する。式IIIで表されるマクロラクトンを式HNR(式中、RはC1−7アルキルであり、RはH又はC1−7アルキルである)で表されるアルキルアミン(例えば、エチルアミンが挙げられるが、これに限定されない)と非プロトン性溶媒(例えば、テトラヒドロフランが挙げられるが、これに限定されない)中で反応させて、5,6−trans異性体を実質的に含まない式IV−2(式中、XはNRである)で表される化合物を得る。工程(b)はエステル交換反応にも関する。C1−7アルカノール、C1−7アルコキシド、C1−7アルコキシド塩又はその混合物から成る群から選択される求核剤と式IIIで表されるマクロラクトンを反応させて、5,6−trans異性体を実質的に含まない式IV−3(式中、XはORである)で表される化合物を得る。工程(b)は加水分解反応にも関する。式IIIで表されるマクロラクトンを加水分解して、5,6−trans異性体を実質的に含まない式IV−1(式中、XはOHである)で表される化合物を得る。
【0118】
ビマトプロストの合成
本発明においては、異性体を含まないビマトプロストをスキーム9に示すように合成することができる。
【0119】
【化40】
【0120】
スキーム9に示すように、異性体を含まないビマトプロストは、市販の化合物Xeから容易に製造することができる。市販の化合物Xeを工程(a)の保護反応と、工程(b)のDIBALを用いた還元と、工程(c)のウィッティヒ反応と、工程(d)のマクロラクトン化反応とに付して、5,6−trans異性体を実質的に含まない式IIIeで表される保護マクロラクトンを得る。スキーム9の工程(e)は、式IIIeで表される保護マクロラクトンのアミド化反応によって保護ビマトプロストを高収率で得た後、保護ビマトプロストを工程(f)の脱保護反応に付して、5,6−trans異性体を実質的に含まない粗ビマトプロストを得ることを示す。粗ビマトプロストの結晶化を1回行って、異性体を含まないビマトプロストを得ることができる。先行技術の方法、即ち、2〜3%の5,6−trans異性体を含む式IV−1eで表されるウィッティヒ反応生成物をエステル化及びアミド化に付して粗ビマトプロストを得る方法の場合、粗ビマトプロストは依然として2〜3%の5,6−trans異性体を含んでおり、異性体を含まないビマトプロストを得るには多数回の再結晶化を必要とし、収率が大幅に低下するが、これに対し、本発明に係る方法においては、工程(d)のマクロラクトン化反応によって、ウィッティヒ反応で生成する5,6−trans異性体を除去することができ、結晶化による更なる精製の際に、ビマトプロストを高収率で得ることができる。
【0121】
式IIIで表される化合物の合成
本発明の他の態様においては、スキーム1又はスキーム2によって得られた式IV−1で表される化合物をマクロラクトン化することによって、5,6−trans異性体を実質的に含まない式III:
【0122】
【化41】
【0123】
【化42】
【0124】
は単結合又はC1−4アルキレン又は−CHO−であり、RはC1−7アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は、C1−4アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルで置換されていないか又は置換されている)で表される化合物を合成するための方法を提供する。マクロラクトン化は上述と同様に行うことができる。
【0125】
式IIIで表される新規な化合物
本発明は、次式IIIa〜IIIe:
【0126】
【化43】
【0127】
【化44】
【0128】
及びPはヒドロキシル基の保護基であって、メトキシメチル、メトキシチオメチル、tert−ブチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル及びトリフェニルメチルから成る群から独立して選択される)で表される化合物から成る群から選択される新規な化合物も提供する。
【0129】
異性体を含まない式IIで表される新規な化合物
上述のことを考慮すると、本発明は、化合物IIa、IIb、IIc、IId及びIIe:
【0130】
【化45】
【0131】
【化46】
【0132】
から成る群から選択される、5,6−trans異性体及び15β異性体を実質的に含まない結晶化合物を更に提供する。式IIdで表される化合物に関して、本発明は特に、式IId’:
【0133】
【化47】
【0134】
で表される化合物を提供する。
【0135】
式IIc’で表される新規な化合物
本発明は、5,6−trans異性体及び15β異性体を実質的に含まない式IIc’:
【0136】
【化48】
【0137】
(式中、RはC1−7アルキル、非置換フェニル又は置換フェニルである)で表される結晶化合物を更に提供する。
【0138】
異性体を含まない式I−1で表される新規な化合物
本発明の更に他の態様においては、5,6−trans異性体を実質的に含まない、トラヴォプロスト遊離酸、ラタノプロスト遊離酸、ビマトプロスト遊離酸、タフルプロスト遊離酸、フルプロステノール、クロプロステノール及びウノプロストンから成る群から選択される化合物を提供する。5,6−trans異性体を実質的に含まない化合物中の5,6−trans異性体含有量は0.1%未満であることが好ましい。
【0139】
異性体を含まない式I−2で表される新規なプロスタグランジン類似体
上述のように、本発明に係る方法は、異性体を含まないプロスタグランジン類似体の製造に有用である。従って、本発明は、含まれる異性体が0.2%未満であるラタノプロスト、含まれる異性体が0.5%未満であって、各単一異性体が0.1%未満であるトラヴォプロスト、含まれる異性体が0.5%未満であって、各単一異性体が0.1%未満であるタフルプロスト、及び含まれる異性体が0.5%未満であって、各単一異性体が0.1%未満であるウノプロストンイソプロピルエステルから成る群から選択される、異性体を含まないプロスタグランジン類似体を更に提供するが、この内、ラタノプロストに含まれる異性体が0.1%未満であり、トラヴォプロストに含まれる異性体が0.2%未満であり、タフルプロストに含まれる異性体が0.2%未満であり、ウノプロストンイソプロピルエステルに含まれる異性体が0.2%未満であることが好ましい。ラタノプロストに含まれる異性体が0.1%未満であり、トラヴォプロストに含まれる異性体が0.1%未満であり、タフルプロストに含まれる異性体が0.1%未満であり、ウノプロストンイソプロピルエステルに含まれる異性体が0.1%未満であることがより好ましい。
【0140】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。本発明の主旨を逸脱しない限り、いかなる改変や修飾も当業者にとって明白であり、本明細書の開示及び請求の範囲に包含される。
【実施例】
【0141】
実施例1〜12 ウィッテイッヒ反応を経由するトラヴォプロスト及びその中間体の製造
実施例1
(3aR,4R,5R,6aR)−5((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン
【0142】
【化49】
【0143】
(3aR,4R,5R,6aS)−4−((R,E)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)−3−ヒドロキシブタ−1−エニル)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシシクロペンタ[b]フラン−2−オン(15.0g、40.3mmol)及び3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(8.47g、100.7mmol)を含むTHF(200mL)溶液にp−トルエンスルホン酸1水和物(0.35g、1.8mmol)を室温で添加し、この混合物を2.5時間撹拌した(TCLモニタリング)。重炭酸ナトリウム飽和水溶液(200mL)を反応液に注ぎ、この混合物を5分間撹拌した。有機層を分離し、水層は酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を混合して、硫酸マグネシウム上で乾燥した。固形物を濾別し、減圧下で濃縮することにより24.0gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した後、減圧下で濃縮することにより19.0gの表題化合物を得た(収率87.5%)。
【0144】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.390 (t, 1H), 7.196 (d, 1H), 7.129 (s, 1H), 7.029-7.097 (m, 1H), 5.484-5.727 (m, 2H), 4.923-5.002 (m, 1H), 4.645-4.709 (m, 2H), 4.443-4.490 (m, 1H), 3.772-4.160 (m, 5H), 3.448-3.529 (m, 2H), 2.362-2.805 (m, 4H), 2.078-2.202 (m, 2H), 1.452-1.790 (m, 12H).
【0145】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 177.175 (176.977, 176.605), 158.890, 134.874, 134.676 (132.384), 131.770 (q), 130.008 (129.948), 129.196 (129.006), 128.422, 123.917 (q), 118.251 (118.167), 117.609 (q), 111.393 (q), 98.713 (98.448,
98.394), 95.874 (95.844, 94.964), 83.707 (83.434, 83.123, 82.857), 79.616 (79.373), 74.606 (74.553, 73.680, 73.642), 70.796 (70.705, 70.644), 62.371 (61.718), 54.735 (54.196), 42.355 (42.029, 41.960), 35.903 (35.842), 35.341 (35.068, 34.772, 34.499), 30.582 (30.560, 30.476), 30.377, 25.390 (25.375), 19.349 (19.288, 19.273, 19.220), 18.939 (18.908).
【0146】
実施例2
(3aR,4R,5R,6aS)−5((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール
【0147】
【化50】
【0148】
(3aR,4R,5R,6aS)−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン(19.0g、35.3mmol)をトルエン(200mL)に溶解し、続いて−70℃まで冷却し、これにDIBAL(ヘキサンに溶解した1.0M溶液を53mL、53mmol)を滴下して加えた。次に、−70℃で塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)を添加することにより、反応液を急冷した。得られた混合物を室温で2M硫酸水素ナトリウム水溶液(200mL)に注ぎ、30分間撹拌し続けた。有機層を分離した後、水層にトルエン(200mL)を添加した。有機層を混合し、これを減圧下で濃縮して、25.0gの表題化合物の粗生成物を得た。
【0149】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ7.345 (t, 1H), 7.468 (d, 1H), 7.128 (s, 1H), 7.020-7.093 (m, 1H), 5.440-5.850 (m, 3H), 4.414-4.920 (m, 5H), 3.760-4.025 (m, 4H), 3.416-3.514 (m, 3H), 2.232-2.501 (m, 3H), 1.848-2.211 (m, 3H), 1.352-1.804 (m, 12H).
【0150】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 158.996, 137.098, 136.399 (133.308), 134.418 (134.388, 133.636, 133.591), 131.694 (q), 129.932 (129.864), 128.634 (128.361, 128.240, 127.966), 127.784 (127.519, 127.420, 127.025), 123.940 (q), 118.312 (118.258, 118.160), 117.446 (q), 111.439 (q), 99.897 (99.867), 94.683, 83.350 (83.312, 83.039, 82.758), 80.307 (79.889, 79.494), 73.916 (73.885, 73.862, 73.824), 71.153 (71.054, 70.895, 70.811), 62.318 (61.604, 61.574), 54.780 (54.287, 54.226, 54.094), 45.141 (45.080, 44.875, 44.852), 39.152 (39.076, 38.985), 38.932 (38.894, 38.727, 38.583), 30.658 (30.620, 30.575, 30.544), 30.491 (30.461, 30.385), 25.413 (25.375, 25.345, 25.284), 19.394 (19.349, 19.273, 19.159), 19.022 (18.954, 18.916, 18.863).
【0151】
実施例3
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−2−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸
【0152】
【化51】
【0153】
(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(62.33g、140.6mmol)及びカリウムtert−ブトキシド(31.55g、281.1mmol)を含むTHF(500mL)懸濁液を−20℃で30分間冷却した。そこに、−20℃の(3aR,4R,5R,6aS)−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール(実施例2の25.0g粗生成物)のTHF(50mL)溶液を添加し、反応液を16時間撹拌した。次に、塩化アンモニウム飽和水溶液(300mL)を添加し、得られた懸濁液を室温にて30分間撹拌した。有機層を分離した後、2M硫酸水素ナトリウム溶液を添加して水層のpHを6.0に調整し、酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、44.0gの表題化合物の粗生成物を得た。
【0154】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.362 (t, 1H), 7.185 (d, 1H), 7.145 (s, 1H), 7.039-7.112 (m, 1H), 5.616-5.822 (m, 2H), 5.419-5.551 (m, 1H), 5.300-5.364 (m, 1H), 4.760-4.948 (m, 1H), 4.644-4.662 (m, 1H), 4.493-4.581 (m, 1H), 3.772-4.162 (m, 5H), 3.423-3.538 (m, 2H), 2.403-2.583 (m, 1H), 1.974-2.315 (m, 7H), 1.410-1.957 (m, 17H).
【0155】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 177.797 (177.577), 158.996 , 137.879 (137.538), 134.950 (134.562), 131.785(q), 129.963 (129.887), 129.553 (129.447, 129.249, 129.113), 128.073 (127.997, 127.094, 127.048), 125.410 (q), 118.213 (118.099), 117.526 (q), 111.496 (q), 98.675 (98.546, 98.144, 97.939), 96.375 (96.337, 94.501, 94.410), 82.014 (81.916, 80.959, 80.610), 75.160 (74.948, 73.893, 73.870), 73.399 (73.202, 73.035,72.807) , 71.213 (71.084, 70.879, 70.819), 62.735 (62.621, 62.522, 62.447), 61.763 (61.695, 61.596, 61.498), 53.369 (53.110, 52.905, 52.807), 50.666 (50.552, 50.416), 41.452 (41.383, 39.645, 39.539), 33.117 (32.950), 30.924, 30.651 (30.620, 30.582, 30.552), 30.324, 26.385 (26.271), 25.724 (25.687, 25.656, 25.633), 25.406 (25.353), 24.487 (24.427), 19.607 (19.531, 19.341, 19.273), 18.992 (18.946, 18.810, 18.779).
【0156】
生成物の異性体含量の決定:
CO及び2−ヨードプロパンをDMFに加え、これを用いて生成物の試料をエステル化した。4時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。この抽出液を乾燥濃縮した後、11,15−保護されたトラヴォプロストの粗生成物を得た。THF及び水を媒体とする3N HClを用いて、11,15−保護されたトラヴォプロストの粗生成物を脱保護した。1時間25℃に維持した後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を加え、この溶液を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗トラヴォプロストを得た。UPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)の分析は、粗生成物が2.8%の5,6−トランス異性体を含有することを示した。
【0157】
実施例4〜7 ウィッテイッヒ反応生成物から、保護されたトラヴォプロスト1,9−ラクトンの製造
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−9−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0158】
【化52】
【0159】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.369 (t, 1H), 7.196 (d, 1H), 7.151 (s, 1H), 7.043-7.116 (m, 1H), 5.543-5.790 (m, 2H), 5.316-5.362 (m, 1H), 5.195 (m, 2H), 4.653-4.944 (m, 2H), 4.524-4.553 (m, 1H), 3.963-4.068 (m, 2H), 3.785-3.935 (m, 3H), 3.446-3.508 (m, 2H), 2.103-2.627 (m, 7H), 1.505-1.898 (m, 17H).
【0160】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 173.600 (173.554, 173.509, 173.455), 159.064 (159.034, 158.958, 158.927), 136.612 (136.475), 133.857 (133.667), 131.822 (q), 131.633 (131.375), 130.069, 129.948 (129.887), 129.158 (129.059), 127.420 (127.291), 123.917 (q), 118.289 (118.152), 117.526 (q), 111.420 (q), 99.427 (99.396, 99.146, 98.098), 95.844 (95.814, 94.842, 94.804), 81.703 (81.476, 78.295, 78.075), 74.766 (74.470), 73.946 (73.900), 71.304 (71.130, 70.948, 70.849), 62.538 (62.409, 62.052), 61.824 (61.642, 61.407), 44.898 (44.822, 44.791, 44.632), 39.531, 37.619, 36.047, 30.734 (30.689, 30.643), 30.529 (30.476), 26.711 (26.453), 25.489 (25.451, 25.413, 25.375), 19.591 (19.516), 19.068 (19.007), 18.810 (18.787).
【0161】
実施例4
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−2−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(実施例3の22.0g粗生成物)のTHF(125mL)溶液を、2,2’−ジピリジルジスルフィド(8.39g、38.1mmol)及びトリフェニルホスフィン(6.25g、23.9mmol)で処理した。次に、この混合物を2時間室温にて窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を80℃で18時間加熱し(TLCモニタリング)、続いて減圧下でTHFを除去し、残渣を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、25.0gの表題化合物の粗生成物を得た。表題化合物の粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、8.0gの表題化合物を得た(75%収率、3段階)。
【0162】
生成物の異性体含量の決定:
メタノール及び3N NaOHを用いて、生成物の試料を加水分解した。2時間25℃に維持した後、この混合物を酸性化し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、11,15−保護されたトラヴォプロスト酸の粗生成物を得た。KCO及び2−ヨードプロパンをDMFに加え、これを用いて11,15−保護されたトラヴォプロスト酸の粗生成物をエステル化した。2時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、11,15−保護されたトラヴォプロストの粗生成物を得た。3N HClをTHF及び水に加え、これを用いて11,15−保護されたトラヴォプロストの粗生成物を脱保護した。1時間25℃に維持した後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を加え、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗トラヴォプロストを得た。UPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析では5,6−トランス異性体は検出されなかった。
【0163】
実施例5
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−2−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(実施例3の5.00g粗生成物)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.70g、13.2mmol)を含む塩化メチレン(100mL)溶液に、室温にて窒素下で塩化2,4,6−トリクロロベンゾイル(1.90g、7.8mmol)を加え、得られた混合物を1時間室温で撹拌した。この反応液を−15〜−20℃まで冷却し、4−ジメチルアミノピリジン(1.66g、13.6mmol)の塩化メチレン(15mL)溶液を10分間かけて滴下して加えた。この反応液を30分間−15〜−16℃にて更に撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)で急冷した。有機層を分離した。水層を塩化メチレン(50mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、8.0gの表題化合物の粗生成物を得た。表題化合物の粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.0gの表題化合物を得た(82.4%収率、3段階)。
【0164】
生成物の異性体含量の決定:
実施例4に記載の方法と同じ方法に従ったところ、粗生成物のUPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析では5,6−トランス異性体は検出されなかった。
【0165】
実施例6
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−2−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(実施例3の3.0g粗生成物)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.02g、7.9mmol)を含む塩化メチレン(60mL)溶液に、室温にて窒素下で塩化ベンゾイル(0.66g、4.7mmol)を加え、得られた混合物を1時間室温にて撹拌した。反応液を−15〜−20℃まで冷却し、4−ジメチルアミノピリジン(0.97g、7.9mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液を10分間かけて滴下して加えた。反応液を30分間−15〜−16℃にて更に撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(60mL)で急冷した。有機層を分離した。水層を塩化メチレン(50mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、5.0gの表題化合物の粗生成物を得た。表題化合物の粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.17gの表題化合物を得た(80.3%収率、3段階)。
【0166】
生成物の異性体含量の決定:
実施例4に記載の方法と同じ方法に従ったところ、粗生成物のUPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析では5,6−トランス異性体は検出されなかった。
【0167】
実施例7
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−2−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(3.0g、4.8mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.03g、0.25mmol)を含む塩化メチレン(30mL)溶液に、窒素下。この反応液を0℃まで冷却し、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.98g、9.6mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液を5分間かけて滴下して加えた。反応液を3時間室温にて更に撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)で急冷した。有機層を分離した。水層を塩化メチレン(20mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、5.0gの表題化合物の粗生成物を得た。表題化合物の粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.05gの表題化合物を得た(72.0%収率、3段階)。
【0168】
生成物の異性体含量の決定:
実施例4に記載の方法と同じ方法に従ったところ、粗生成物のUPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析では5,6−トランス異性体は検出されなかった。
【0169】
実施例8
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−ヒドロキシ−9−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0170】
【化53】
【0171】
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−9−((3R,E)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(14.0g、23.0mmol)のメタノール(150mL)溶液に撹拌下、p−トルエンスルホン酸1水和物(0.20g、1.1mmol)を加えた。この混合物を2時間室温にて撹拌した(TLCモニタリング)。次に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)で急冷し、減圧下でメタノールを除去した。残渣を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を分離した。水層を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、15.0gの粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる更なる精製に付して、8.2gの表題化合物を固形物として得た。DSC分析は、この固形物が2種の結晶形(融点92〜97℃及び融点113〜118℃)を含有することを示した。ヘキサン及び酢酸エチルの混合物から固形物を再結晶化して、7.3gの表題化合物を単一の結晶形(融点113〜118℃)として得た。結晶性の表題化合物(融点115〜120℃)の粉末X線回折パターンは、約10.7、12.1、13.4、14.5、14.8、16.0、16.6、17.7、18.4、18.5、19.4、20.5、21.0、22.0、22.4、23.3、24.6、24.7、25.1、28.9、29.9、37.9、44.1の2θで表される特徴的なピークを有する。
【0172】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.387 (t, 1H), 7.227 (d, 1H), 7.145 (s, 1H), 7.080 (m, 1H), 5.721-5.776 (m, 1H), 5.623-5.683 (m, 1H), 5.309-5.354 (m, 1H), 5.222 (m, 2H), 4.527 (m, 1H), 3.947-4.033 (m, 2H), 3.812-3.874 (m, 1H), 3.510 (br s, 1H), 3.409 (br s, 1H), 2.561-2.635 (m, 1H), 2.098-2.418 (m, 6H), 1.587-1.870 (m, 5H).
【0173】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 173.471, 158.593, 135.147, 131.937 (q), 131.534, 131.147, 130.099, 127.276, 123.856 (q), 118.099, 117.928 (q), 111.446 (q), 75.935, 71.897, 70.993, 56.222, 44.981, 40.260, 36.040, 26.711, 26.559, 25.269.
【0174】
実施例9
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(トラヴォプロスト酸)
【0175】
【化54】
【0176】
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−ヒドロキシ−9−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(実施例8の3.0g)の2−プロパノール(25mL)溶液を3N水酸化カリウム水溶液(6.8mL)で処理した。この混合物を50℃で2時間撹拌した。反応液を冷却し、pH8.5±0.2となるよう3N塩酸水溶液で更に調整し、減圧下で溶媒の大部分を除去した。残渣を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20mL)及び酢酸エチル(20mL)で希釈した。混合物を室温で5分間撹拌した。有機相及び水相を別々に収集した。室温にて3N塩酸水溶液を用いて水層のpHを3.0±0.2に調整し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、3.3gの粗トラヴォプロスト酸を得た。
【0177】
生成物の異性体含量の決定:
CO及び2−ヨードプロパンをDMFに加え、これ用いて生成物の試料をエステル化した。4時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、反応液を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗トラヴォプロストを得た。粗生成物のUPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析では異性体は検出されなかった。
【0178】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.343 (t, 1H), 7.179 (d, 1H), 7.116 (s, 1H), 7.055 (d, 1H), 5.631-5.704 (m, 2H), 5.278-5.422 (m, 2H), 4.520-4.527 (m, 1H), 3.950-4.008 (m, 2H), 2.034-2.361 (m, 8H), 1.337-1.745 (m, 7H).
【0179】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 171.411, 158.794, 135.472, 131.877 (q), 130.113, 130.010, 129.682, 129.106, 123.960 (q), 118.097, 117.769 (q), 111.549 (q), 77.382, 71.751, 71.065, 70.907, 55.292, 49.952, 42.597, 31.527, 26.120, 25.094, 24.227.
【0180】
実施例10
(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エノエート(トラヴォプロスト)
【0181】
【化55】
【0182】
粗トラヴォプロスト酸(実施例9の1.1g)のDMF(11mL)溶液をKCO(0.90g、6.5mmol)及び2−ヨードプロパン(0.74g、4.4mmol)で処理した。次に、この混合物を80℃で2時間、窒素雰囲気下で撹拌した(TLCモニタリング)。水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)を加え、この混合物を10分間撹拌した。水層を分離し、酢酸エチル(30mL)で抽出し、有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、1.0gの粗トラヴォプロストを得た。粗トラヴォプロストをカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いて減圧下で濃縮して、0.89gのトラヴォプロストを得た(78.3%収率、2段階)。生成物のUPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析では、異性体も不純物も検出されなかった。
【0183】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.337 (t, 1H), 7.209 (d, 1H), 7.142 (s, 1H), 7.084 (d, 1H), 5.647-5.744 (m, 2H), 5.334-5.434 (m, 2H), 4.970 (heptet, 1H), 4.518-4.528 (m, 1H), 4.163-4.170 (m, 1H), 3.939-4.020 (m, 3H), 3.294 (br s, 1H), 3.262 (br s, 1H), 2.588 (br s, 1H), 2.360-2.410 (m, 1H), 2.015-2.305 (m, 7H), 1.760 (dd, 1H), 1.646 (quintet, 2H), 1.494-1.554 (m, 1H), 1.201 (d, 6H)
【0184】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 173.511, 158.656, 135.420, 131.857 (q), 130.015, 129.794, 128.901, 123.857 (q), 118.038, 117.748 (q), 111.466 (q), 77.710, 72.649, 71.992, 70.840, 67.672, 55.748, 50.176, 42.824, 33.970, 26.565, 25.450, 24.802, 21.771
【0185】
実施例11
(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ビス((トリエチルシリル)オキシ)−2−((R,E)−3−((トリエチルシリル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エノエート
【0186】
【化56】
【0187】
粗トラヴォプロスト酸(実施例9の1.1g)のDMF(11mL)溶液を、KCO(0.90g、6.5mmol)及び2−ヨードプロパン(0.74g、4.4mmol)で処理した。次に、この混合物を80℃にて2時間、窒素雰囲気下で撹拌した(TLCモニタリング)。水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)を加え、この混合物を10分間撹拌した。水層を分離し、酢酸エチル(30mL)で抽出し、有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、1.2gの粗トラヴォプロストを得た。25mL丸底フラスコ中、粗トラヴォプロストを10mLの酢酸エチルに溶解し、続いて室温でイミダゾール(0.82g、12mmol)を添加した。このフラスコにクロロトリエチルシラン(1.6g、10.6mmol)を加え、10分間撹拌した。白色の固形物が生じたが、これを濾別し、酢酸エチル(50mL)で2回洗浄した。有機溶媒を全て混合し、飽和NaHCO水溶液(15mL)で2回洗浄した。有機層を無水MgSO上で乾燥し、固形物を濾別し、溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、勾配溶離液としてヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物の収率は、1.85gであった(91.6%)。
【0188】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.360 (t, 1H), 7.181 (d, 1H), 7.088 (s, 1H), 7.035 (d, 1H), 5.582-5.679 (m, 2H), 5.396-5.458 (m, 1H), 5.266-5.347 (m, 1H), 4.985 (heptet, 1H), 4.516-4.554 (m, 1H), 4.114-4.148 (m, 1H), 3.813-3.871 (m, 3H), 2.385-2.450 (m, 1H), 2.157-2.276 (m, 4H), 2.006-2.087 (m, 3H), 1.577-1.682 (m, 3H), 1.395-1.457 (m, 1H), 1.208 (d, 6H), 0.905-0.987 (m, 27H), 0.514-0.666 (m, 18H)
【0189】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) : δ 173.137, 159.026, 133.644, 131.769 (q), 130.798, 129.849, 129.811, 128.801, 123.955 (q), 117.985, 117.260 (q), 111.059 (q), 76.853, 72.891, 71.540, 71.145, 67.312, 54.484, 49.437, 44.928, 34.127, 26.726, 25.034, 24.905, 21.785, 6.878, 6.794, 4.995, 4.897, 4.874
【0190】
実施例12
(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エノエート(トラヴォプロスト)
【0191】
実施例11の生成物(0.8g)をアセトン(10mL)と水(2mL)に溶解し、続いてp−トルエンスルホン酸1水和物(0.1g)を添加した。反応液を室温で1時間撹拌し、別々の2層が観察されるまで濃縮した。抽出及び相分離のため、酢酸エチル(30mL)を添加した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を除去するために真空蒸発に付して乾固した。粗トラヴォプロストをカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、0.44gのトラヴォプロストを得た。生成物のUPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析では、異性体も不純物も検出されず、純度が99.9%よりも高いことを示した。
【0192】
実施例13〜18 共役付加を経由するトラヴォプロスト及びその中間体の製造
実施例13
(5Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R)−2−((R,E)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)−3−(トリエチルシリルオキシ)ブタ−1−エニル)−3−トリエチルシリルオキシ−5−オキソシクロペンチル)ヘプタ−5−エノエート
【0193】
【化57】
【0194】
500mL三口フラスコをフレーム乾燥し、窒素下で冷却した。(R,E)−トリエチル((4−(トリブチルスタンニル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−3−エン−2−イル)オキシ)シラン(22.53g、35.46mmol)及びテトラヒドロフラン(200mL)をこの反応フラスコに加え、続いてn−ブチルリチウム(22.2mL、1.6Mヘキサン溶液)を−70℃で滴下して加えた。テトラヒドロフランシアン化銅(3.18g、35.46mmol)を懸濁させた溶液(30mL)を−10℃に冷却し、続いてメチルリチウム(17.76mL、2Mエーテル溶液)を滴下して加えた。この均質な有機金属溶液を冷却し、30分間撹拌しつつ反応フラスコに加えた。次に、−70℃のテトラヒドロフラン(15mL)に溶解した(R,Z)−イソプロピル7−(3−トリエチルシリルオキシ−5−オキソシクロペンタ−1−エン−1−イル)ヘプタ−5−エノエート(4.5g、5%の5,6−トランス異性体を含有)の溶液を、この反応液に10分間添加した。更に20分間撹拌した後、この反応液を、9/1(v/v)飽和NHCl/NHOH水溶液の混合物に注いで、分相した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、無水MgSO上で乾燥した。固形物を濾別し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、勾配溶離液としてヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物の収率は、5.10gであった(59.3%)。
【0195】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.346 (t, 1H), 7.167 (d, 1H), 7.068 (s, 1H), 7.019 (d, 1H), 5.670-5.782 (m, 2H), 5.264-5.408 (m, 2H), 4.956 (heptet, 1H), 4.539-4.546 (m, 1H), 4.033-4.087 (m, 1H), 3.862 (d, 2H), 2.491-2.656 (m, 2H), 2.119-2.400 (m, 5H), 1.999-2.049 (m, 3H), 1.586-1.655 (m, 2H), 1.182 (d, 6H), 0.894-0.969 (m, 18H), 0.528-0.652 (m, 12H),
【0196】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) : δ 214.785, 172.954, 158.882, 132.255, 131.800 (q), 131.428, 130.927, 129.910, 126.464, 123.910 (q), 117.985, 117.389 (q), 111.930 (q), 72.678, 72.564, 70.864, 67.335, 53.961, 52.837, 47.706, 33.968, 26.605, 25.079, 24.723, 21.740, 6.764, 6.680, 4.859, 4.752.
【0197】
実施例14
(5Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R,E)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)−3−(トリエチルシリルオキシ)ブタ−1−エニル)−5−ジヒドロキシ−3−(トリエチルシリルオキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エノエート
【0198】
【化58】
【0199】
100mL三口フラスコをフレーム乾燥し、窒素下で冷却した。(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R,5S)−3−トリエチルシリルオキシ−2−((R,E)−3−トリエチルシリルオキシ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)−5−ヒドロキシシクロペンチル)ヘプタ−5−エノエート(3.6g、4.95mmol)及びテトラヒドロフラン(50mL)をこの反応フラスコに加え、続いて−70℃でL−セレクトリド(Selectride)(4.95mL、1Mテトラヒドロフラン溶液)を滴下して加えた。次に、反応液を室温まで加温し、飽和塩化アンモニウム水(50mL)により急冷した。反応液を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、無水MgSO上で乾燥した。固形物を濾別し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、勾配溶離液としてヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物の収率は、2.4gであった(66.5%)。
【0200】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.352 (t, 1H), 7.173 (d, 1H), 7.082 (s, 1H), 7.029 (d, 1H), 5.541-5.667 (m, 2H), 5.295-5.465 (m, 2H), 4.975 (heptet, 1H), 4.471-4.512 (m, 1H), 4.101-4.135 (m, 1H), 4.007-4.034 (m, 1H), 3.825-3.909 (m, 2H), 2.626-2.647 (m, 1H), 2.295-2.368 (m, 2H), 2.235 (t, 2H), 2.036-2.172 (m, 2H), 1.906-1.967 (m, 1H), 1.799-1.834 (m, 1H), 1.611-1.685 (m, 2H), 1.455-1.527 (m, 1H), 1.198 (d, 6H), 0.902-0.973 (m, 18H), 0.532-0.650 (m, 12H)
【0201】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) : δ 173.159, 158.958, 133.553, 131.781 (q), 130.023, 129.879, 129.363, 129.310, 123.932 (q), 117.962, 117.344 (q), 111.135 (q), 79.290, 74.250, 72.678, 71.198, 67.335, 56.382, 51.448, 43.175, 34.066, 26.552, 26.461, 24.905, 21.770, 6.749, 6.688, 4.843, 4.638.
【0202】
比較例15
マクロラクトン化によらない共役付加アプローチを用いたトラヴォプロストの製造
【0203】
実施例14の生成物(0.8g)をアセトン(10mL)及び水(2mL)に溶解し、続いてp−トルエンスルホン酸1水和物(0.1g)を添加した。反応溶液を室温で1時間撹拌し、2層分離が観察されるまで濃縮した。抽出及び相分離のため、酢酸エチル(30mL)を添加した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を除去するため真空蒸発に付して乾固した。粗トラヴォプロストをカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、0.69gのトラヴォプロストを得た。生成物のUPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析は、4.95%の5,6−トランス異性体、0.5%の15β−異性体及びその他の異性体が存在することを示した。
【0204】
実施例16〜18 共役付加アプローチを用いた、マクロラクトン化を経由するトラヴォプロストの製造
実施例16
(5Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R,E)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)−3−(トリエチルシリルオキシ)ブタ−1−エニル)−5−ヒドロキシ−3−(トリエチルシリルオキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸
【0205】
【化59】
【0206】
(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R,5S)−3−((トリエチルシリル)オキシ)−2−((R,E)−3−((トリエチルシリル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)−5−ヒドロキシシクロペンチル)ヘプタ−5−エノエート(実施例14の1.5g)をメチルイソブチルケトン(10mL)に加え、これとカンジダ・アンタークティカリパーゼ(0.2g)とを、25mL丸底フラスコに加えた。反応液を室温で3日間撹拌した。次に、リパーゼを濾別し、溶媒を真空下で蒸発させて、1.5gの粗生成物を得た。
【0207】
実施例17
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−(トリエチルシリルオキシ)−9−((3R,E)−3−(トリエチルシリルオキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0208】
【化60】
【0209】
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−3−((トリエチルシリル)オキシ)−2−((R,E)−3−((トリエチルシリル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(1.5g、2.19mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(実施例16の0.48g)を含む塩化メチレン(30mL)溶液に室温で窒素下、塩化ベンゾイル(0.30g、2.13mmol)を加え、得られた混合物を1時間室温で撹拌した。この反応液を−15〜−20℃に冷却し、4−ジメチルアミノピリジン(0.45g、3.69mmol)の塩化メチレン溶液(5mL)を5分間かけて滴下して加えた。反応液を−15〜−16℃で30分間更に撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(30mL)で急冷した。有機層を分離した。水層を塩化メチレン(30mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、2.7gの表題化合物の粗生成物を得た。表題化合物の粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.9gの表題化合物を得た(61.6%収率)。
【0210】
実施例18
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−ヒドロキシ−9−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0211】
【化61】
【0212】
p−トルエンスルホン酸1水和物(0.20g、1.1mmol)を、撹拌下の(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−(トリエチルシリルオキシ)−9−((3R,E)−3−(トリエチルシリルオキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エン−1−イル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(実施例17の0.9g)のメタノール(50mL)溶液に加えた。この混合物を2時間室温で撹拌した(TLCモニタリング)。次に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)で急冷し、メタノールを減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、1.1gの粗生成物を得た。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによる更なる精製に付して、0.7gの生成物を得た。
【0213】
結晶化前の生成物の異性体含量の決定:
メタノール及び3N NaOHを用いて、結晶化前の生成物の試料を加水分解した。2時間25℃に維持した後、この混合物を酸性化し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗トラヴォプロスト酸を得た。KCO及び2−ヨードプロパンをDMFに加え、これを用いて粗トラヴォプロスト酸をエステル化した。2時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗トラヴォプロストを得た。粗生成物のUPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析は、0.02%の5,6−トランス異性体及び0.01%の15β−異性体が存在することを示した。
【0214】
ヘキサンと酢酸エチルの混合物から生成物を再結晶して、単一の結晶形(融点113〜118℃)として0.5gの表題化合物を得た。
【0215】
結晶生成物の異性体含量の決定:
結晶生成物の試料も同様に、異性体含量を決定するための上述と同じ方法に付した。粗トラヴォプロストを得たところ、この粗生成物のUPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析では、5,6−トランス異性体、15β−異性体その他のいかなる異性体も存在しなかった。
【0216】
比較例19〜23 グラブス触媒存在下での環化を経由するトラヴォプロスト及びその中間体の製造
比較例19
(2R,3R,4R)−2−アリル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−((R,E)−3−(トリエチルシリルオキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)シクロペンタノン
【0217】
【化62】
【0218】
100mL三口フラスコをフレーム乾燥し、窒素下で冷却した。(R,E)−トリエチル(4−(トリブチルスタンニル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−3−エン−2−イルオキシ)シラン(15.11g、23.8mmol)及びテトラヒドロフラン(20mL)を、この反応フラスコに加え、続いてn−ブチルリチウム(14.9mL、1.6Mヘキサン溶液)を−70℃で滴下して加えた。テトラヒドロフラン(20mL)にシアン化銅(2.13g、23.8mmol)を懸濁させ、この懸濁溶液を−20℃に冷却し、続いてメチルリチウム(11.9mL、2Mエーテル溶液)を滴下して加えた。この均質な有機金属溶液を冷却し、60分間撹拌しつつ反応フラスコに加えた。次に、テトラヒドロフラン(20mL)に溶解した(R)−2−アリル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンタ−2−エノン(3g、11.9mmol)の−70℃の溶液を、この反応液に10分間添加した。更に20分間撹拌した後、反応液を9/1(v/v)飽和NHCl/NHOH水溶液の混合物に注いで、分相させた。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。固形物を濾別し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、2.68gの表題化合物を得た(37.7%収率)。
【0219】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.376 (t, 1H), 7.201 (d, 1H), 7.088 (s, 1H), 7.036 (d 1H), 5.691-5.753 (m, 3H), 5.024 (d, 2H), 4.561 (s, 1H), 4.088-4.143 (m, 1H), 3.877 (d, 2H), 2.563-2.635 (m, 2H), 2.438-2.473 (m, 1H), 2.261-2.311 (m, 1H), 2.070-2.200 (m, 2H), 0.970 (t, 9H), 0.867 (s, 9H), 0.644 (q, 6H), 0.052 (s, 6H)
【0220】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 214.838, 158.867, 134.874, 132.369, 131.982 (q), 131.268, 129.932, 123.917 (q), 118.031, 117.370, 111.010, 72.929, 72.625, 70.788, 53.528, 52.609, 74.501, 31.736, 25.671, 6.802, 4.866, -4.675(d)
【0221】
比較例20
(1S,2R,3R,4R)−2−アリル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−((R,E)−3−(トリエチルシリルオキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)シクロペンタノール
【0222】
【化63】
【0223】
500mL三口フラスコをフレーム乾燥し、窒素下で冷却した。(2R,3R,4R)−2−アリル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−((R,E)−3−(トリエチルシリルオキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)シクロペンタノン(2.68g、4.48mmol)及びテトラヒドロフラン(30mL)を、この反応フラスコに加え、続いて−70℃でL−セレクトリド(4mL、1Mテトラヒドロフラン溶液)を滴下して加えた。次に、反応液を室温まで加温し、飽和塩化アンモニウム水(30mL)により急冷した。反応液を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。固形物を濾別し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、2.5gの表題化合物を得た(93%収率)。
【0224】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.369 (t, 1H), 7.193 (d, 1H), 7.095 (s, 1H), 7.038 (d 1H), 5.820-5.882 (m, 1H), 5.544-5.663 (m, 2H), 5.061 (d, 1H), 4.965 (d, 1H), 4.500 (d, 1H), 4.150 (s, 1H), 4.033 (d, 1H), 3.841-3.918 (m, 2H), 2.329-2.372 (m, 2H), 2.152-2.187 (m, 1H), 1.967-2.003 (m, 1H), 1.798-1.834 (m, 1H), 1.551-1.572 (m, 1H), 0.964 (t, 9H), 0.869 (s, 9H), 0.630 (q, 6H), 0.046 (s, 6H)
【0225】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 158.935, 137.697, 133.401, 131.625 (q), 130.327, 129.894, 123.936 (q), 117.970, 115.382, 108.862, 79.373, 74.060, 72.640, 71.168, 60.115, 56.131, 50.803, 43.099, 33.034, 25.732, 6.779, 4.843, -4.778 (d)
【0226】
比較例21
(1S,2R,3R,4R)−2−アリル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−((R,E)−3−(トリエチルシリルオキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)シクロペンチルヘキサ−5−エノエート
【0227】
【化64】
【0228】
50mL二口丸底フラスコをフレーム乾燥し、窒素下で冷却した。DMF(10mL)に溶解した(1S,2R,3R,4R)−2−アリル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−((R,E)−3−(トリエチルシリルオキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)シクロペンタノール(1g、1.66mmol)と、D融点A(0.05g、0.33mmol)、5−ヘキセン酸(0.21g、1.83mmol)及びN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.41g、2.00mmol)を、この反応フラスコに加えた。反応液を40℃で24時間加熱した。飽和炭酸水素ナトリウム水(10mL)で反応を急冷した。反応液を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。固形物を濾別し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、1.05gの表題化合物を得た(90.52%収率)。
【0229】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.379 (t, 1H), 7.202 (d, 1H), 7.093 (s, 1H), 7.038 (d 1H), 5.643-5.824 (m, 4H), 4.926-5.085 (m, 4H), 4.553 (d, 1H), 3.865-3.925 (m, 3H), 3.203 (s, 1H), 2.293 (q, 2H), 2.114 (s, 3H), 1.912 (s, 2H), 1.675-1.760 (m, 3H), 1.564-1.602 (m, 2H), 0.978 (t, 9H), 0.854 (s, 9H), 0.655 (q, 6H), 0.026 (s, 6H)
【0230】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 173.099, 158.943, 136.581, 132.521, 132.027, 131.663 (q), 129.902, 123.938 (q), 117.985, 117.401, 115.769, 115.359, 111.116, 73.855, 72.754, 70.879, 55.744, 55.357, 46.727, 42.233, 34.916, 33.080, 31.653, 28.806, 25.755, 6.809, 4.904, -4.599(d)
【0231】
比較例22
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−9−((R,E)−3−(トリエチルシリルオキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0232】
【化65】
【0233】
50mL二口丸底フラスコをフレーム乾燥し、窒素下で冷却した。ジクロロメタン(4mL)に溶解した(1S,2R,3R,4R)−2−アリル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−((R,E)−3−(トリエチルシリルオキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)シクロペンチルヘキサ−5−エノエート(0.2g、0.29mmol)と、グラブス触媒(0.02g)とをこの反応フラスコに加えた。反応液を40℃で18時間加熱した。1時間撹拌しつつ、エチルアミン(0.4mL)で反応を急冷した。反応液を相分離し、水層を酢酸エチル及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4mL)で抽出した。有機層を混合し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。固形物を濾別し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、30mgの表題化合物を得た(16%収率)。
【0234】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.346 (t, 1H), 7.187 (d, 1H), 7.075(s, 1H), 7.023 (d 1H), 5.588-5.723 (m, 2H), 5.182-5.425 (m, 3H), 4.539 (q, 1H), 2.189-2.557 (m, 4H), 2.012-2.085 (m, 2H), 1.873-1.920 (m, 2H), 1.513-1.711 (m, 4H), 0.960 (t, 9H), 0.855 (s, 9H), 0.635 (q, 6H), 0.018 (s, 6H)
【0235】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 173.569, 158.912, 132.088, 131.944, 131.299 (q), 129.902, 127.686, 125.295 (q), 118.008, 117.340, 111.040, 76.972, 72.739, 71.950, 70.895, 55.547, 44.533, 41.581, 36.123, 34.006, 31.888, 29.694, 28.806, 25.755, 6.817, 4.866, -4.588(d)
【0236】
比較例23
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−ヒドロキシ−9−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0237】
【化66】
【0238】
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−9−((R,E)−3−(トリエチルシリルオキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(20mg、0.003mmol)及びTBAF(1Mテトラヒドロフラン溶液)(1mL)を10mL丸底フラスコに加えた。反応液を2時間撹拌し、飽和NaHCO水溶液(1mL)により急冷した。次に、この混合物を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、無水MgSO上で乾燥した。固形物を濾別し、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、油状物として10mgの表題化合物を得た(80%収率)。
【0239】
生成物の異性体含量の決定:
メタノール及び3N NaOHを用いて、この生成物の試料を加水分解した。2時間25℃に維持した後、この混合物を酸性化し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗トラヴォプロスト酸を得た。KCO及び2−ヨードプロパンをDMFに加え、これを用いて、粗トラヴォプロスト酸をエステル化した。2時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、分相し、水層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗トラヴォプロストを得た。粗生成物のUPLC(ACQUITY UPLC HSS C18)分析は、2.6%の5,6−トランス異性体及びその他の異性体の存在を示した。
【0240】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.387 (t, 1H), 7.227 (d, 1H), 7.145 (s, 1H), 7.080 (m, 1H), 5.721-5.776 (m, 1H), 5.623-5.683 (m, 1H), 5.309-5.354 (m, 1H), 5.222 (m, 2H), 4.527 (m, 1H), 3.947-4.033 (m, 2H), 3.812-3.874 (m, 1H), 3.510 (br s, 1H), 3.409 (br s, 1H), 2.561-2.635 (m, 1H), 2.098-2.418 (m, 6H), 1.587-1.870 (m, 5H)
【0241】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) : δ 173.471, 158.593, 135.147, 131.937 (q), 131.534, 131.147, 130.099, 127.276, 123.856 (q), 118.099, 117.928 (q), 111.446 (q), 75.935, 71.897, 70.993, 56.222, 44.981, 40.260, 36.040, 26.711, 26.559, 25.269
【0242】
実施例24〜30 ウィッテイッヒ反応を経由するラタノプロスト及びその中間体の製造
実施例24
(3aR,4R,5R,6aS)−4−((3R)−5−フェニル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ペンチル)−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン
【0243】
【化67】
【0244】
p−トルエンスルホン酸1水和物(0.46g、2.4mmol)を、室温にて(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−((R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル)シクロペンタ[b]フラン−2−オン(15.0g、49.3mmol)及び3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(12.4g、147.4mmol)を含むTHF(200mL)溶液に添加し、この混合物を2.5時間撹拌した(TLCモニタリング)。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200mL)を反応液に注ぎ、反応物を5分間撹拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、固形物を濾別し、濾液を減圧下で濃縮して、26.0gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、22.1gの表題化合物を得た(95.0%収率)。
【0245】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ7.209-7.247 (m, 2H), 7.117-7.171 (m, 3H), 4.892-4.925 (m, 1H), 4.531-4.622 (m, 2H), 3.746-4.046 (m, 3H), 3.604-3.630 (m, 1H), 3.397-3.454 (m, 2H), 1.134-2.765 (m, 26H)
【0246】
13C-NMR (100MHz, CDCl3): δ177.706 (177.531, 177.425, 177.235), 142.434 (142.403, 142.130, 142.100), 128.369, 128.240, 125.811 (125.689), 98.797 (98.607, 98.152), 97.742 (97.681, 95.692, 95.624), 84.185 (84.155, 84.094, 84.071), 82.887 (82.705), 79.813 (79.677), 76.360 (76.314, 76.086, 76.011), 63.562 (62.948, 62.454, 61.877), 53.277 (52.943), 52.086 (51.623), 42.985 (42.894, 42.484, 42.416), 39.000 (38.924, 36.670, 36.609), 36.093 (36.040, 35.546, 35.508), 33.019 (32.875, 31.751, 31.615), 31.895 (31.258), 31.417 (30.491), 31.334 (31.296, 30.749, 30.719), 28.867 (28.556), 28.677 (28.343), 25.428, 20.517 (20.434, 20.024), 19.402 (19.371, 18.954, 18.916)
【0247】
実施例25
(3aR,4R,5R,6aS)−4−((3R)−5−フェニル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ペンチル)−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール
【0248】
【化68】
【0249】
(3aR,4R,5R,6aS)−4−((3R)−5−フェニル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ペンチル)−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン(22.0g、46.6mmol)をトルエン(200mL)に溶解し、続いて−70℃に冷却し、DIBAL(1.0Mヘキサン溶液60mL、60.0mmol)を滴下して加えた。次に、−70℃で塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)を添加することにより反応液を急冷した。得られた混合物を、室温で2M硫酸水素ナトリウム水溶液(200mL)に注ぎ、30分間撹拌し続けた。有機層を分離した後、水層にトルエン(200mL)を加えた。有機層を混合し、これを減圧下で濃縮して、30.0gの表題化合物の粗生成物を得た。
【0250】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ7.237-7.274 (m, 2H), 7.133-7.205 (m, 3H), 5.410-5.609 (m, 1H), 4.587-4.729 (m, 3H), 3.779-3.935 (m, 3H), 3.603-3.688 (m, 1H), 3.446-3.504 (m, 2H), 1.183-2.833 (m, 26H)
【0251】
13C-NMR (100MHz, CDCl3): δ142.661 (142.593, 142.297, 142.191), 128.392, 128.262, 125.811 (125.765, 125.682, 125.613), 101.605 (101.537, 101.469, 101.400), 98.182 (97.833, 97.689, 97.499), 96.224 (96.155, 95.973, 95.874), 85.726 (85.460, 85.210, 85.119), 80.967 (80.899, 80.861, 80.557), 76.678 (76.587, 76.420, 76.071), 63.251 (63.137, 62.910, 62.887), 62.310 (62.105, 62.044, 62.006), 53.247 (52.594, 52.564), 51.554 (51.516, 51.433, 51.380), 47.645(47.304,45.346, 44.799) 42.142 (42.112, 38.567, 38.545), 41.960 (41.899, 41.095, 41.042), 40.769 (39.562), 36.715 (36.624, 35.417, 35.326), 33.155 (33.133, 33.004), 31.987 (31.918, 31.243, 31.182), 30.871 (30.802, 30.476, 30.385), 29.163 (28.928, 28.624, 28.373), 25.482 (25.436, 25.292), 20.275(20.206, 20.070, 19.994), 19.523(19.295, 19.045, 18.931)
【0252】
実施例26
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−2−((3R)−5−フェニル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ペンチル)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸
【0253】
【化69】
【0254】
(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(84.0g、189.5mmol)及びカリウムtert−ブトキシド(44.0g、392.1mmol)を含むTHF(700mL)懸濁液を30分かけて−20℃に冷却した。−20℃の(3aR,4R,5R,6aS)−4−((3R)−5−フェニル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ペンチル)−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール(実施例25から30g)のTHF(50mL)溶液を添加し、この反応液を16時間撹拌した。次に、塩化アンモニウム飽和水溶液(500mL)を添加し、得られた懸濁液を30分間室温で撹拌した。有機層を分離した後、2M硫酸水素ナトリウム溶液を添加することにより水層のpHを6.0に調整し、酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、54.0gの表題化合物の粗生成物を得た。
【0255】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ7.248-7.289 (m, 2H), 7.140-7.211 (m, 3H), 5.463-5.577 (m, 1H), 5.314-5.388 (m, 1H), 4.666-4.714 (m, 1H), 4.609-4.641 (m, 1H), 4.084-4.119 (m, 1H), 3.913-4.054 (m, 2H), 3.794-3.874 (m, 1H), 3.665-3.740 (m, 1H), 3.465-3.539 (m, 2H), 2.555-2.834 (m, 2H), 1.311-2.383 (m, 30H)
【0256】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) : δ 177.789 (177.364), 142.616 (142.517, 142.327, 142.214), 129.856 (129.788, 129.697, 129.606), 129.226 (129.151, 129.105, 129.037), 128.392, 128.308 (128.293, 128.270), 125.818 (125.780, 125.689, 125.659), 98.895 (98.622), 97.393 (96.914, 96.641, 96.558), 82.796 (82.766, 82.014, 81.992), 77.195 (76.231, 76.086), 74.728 (74.758, 74.675), 63.547 (63.456, 62.818, 62.781), 62.644 (62.598, 62.378, 62.295), 52.040 (51.820), 51.737 (51.463), 49.998 (49.968), 49.869 (49.839), 40.548 (40.510), 36.753 (36.708), 33.338 (33.292, 33.087, 33.019), 32.070 (32.040, 31.744), 31.569 (31.440, 31.326, 31.296), 31.136 (31.098, 30.787), 29.580 (29.375, 28.950, 28.730), 27.341 (27.189, 27.007, 26.871), 26.499 (26.370), 25.444 (25.398), 24.677 (24.563), 20.426 (20.373), 19.326 (19.288)
【0257】
実施例27
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−((3R)−5−フェニル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ペンチル)−10−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0258】
【化70】
【0259】
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−2−((3R)−5−フェニル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ペンチル)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(実施例26から52g)のキシレン(250mL)溶液を、2,2’−ジピリジルジスルフィド(28.9g、131.2mmol)及びトリフェニルホスフィン(39.2g、149.5mmol)で処理した。次に、この混合物を2時間室温にて窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を80℃で18時間加熱し(TLCモニタリング)、続いてキシレンを減圧下で除去した。残渣を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、80.0gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、17.1gの表題化合物を得た(68.0%収率、3段階)。
【0260】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ7.240-7.282 (m, 2H), 7.153-7.218 (m, 3H), 5.245-5.350 (m, 2H), 5.102-5.117 (m, 1H), 4.560-4.695 (m, 2H), 3.890-3.978 (m, 2H), 3.808-3.876 (m, 1H), 3.632-3.715 (m, 1H), 3.442-3.520 (m, 2H), 2.580-2.815 (m, 2H), 1.352-2.507 (m, 30H)
【0261】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) : δ 173.873 (173.843, 173.797, 173.759), 142.722 (142.593, 142.464, 142.320), 131.139 (130.995), 128.392 (128.361), 128.300 (128.262), 127.632 (127.837, 127.868), 125.788 (125.727, 125.667, 125.606), 100.413 (100.391, 98.129, 97.871), 97.840 (97.704, 96.504, 96.391), 79.085 (84.231, 84.254), 76.375 (76.542, 76.694), 73.695 (73.582), 63.077 (62.970, 62.932, 62.856), 62.796 (62.758, 62.507, 62.393), 49.110, 44.974 (44.928, 44.609, 44.564), 39.843, 37.224 (37.201), 36.882 (36.814), 36.063, 35.516 (35.440), 32.047 (32.017, 31.956), 31.417 (31.273), 31.076 (30.985, 30.780, 30.711), 27.129, 26.681, 26.552 (26.506), 25.497, 25.428 (25.406), 20.176 (20.100, 20.047), 20.024 (19.850, 19.561, 19.493)
【0262】
実施例28
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−ヒドロキシ−9−((R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0263】
【化71】
【0264】
p−トルエンスルホン酸1水和物(0.34g、1.8mmol)を、撹拌下で(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−((3R)−5−フェニル−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ペンチル)−10−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(17.0g、31.4mmol)のメタノール(170mL)溶液に加えた。この混合物を2時間室温で撹拌した(TLCモニタリング)。次に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)で急冷し、メタノールを減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を分離した。水層を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、16.3gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、9.2gの生成物を得た(78.6%収率)。ヘキサン及び酢酸エチルの混合物から生成物を結晶化して、8.1gの白色の結晶を得た(融点114〜118℃)。
【0265】
結晶性の表題化合物の粉末X線回折パターンは、約9.0、10.6、14.5、15.1、17.3、18.2、19.6、21.0、21.2、23.4、27.69、37.8、44.1の2θで表される特徴的なピークを有する。
【0266】
異性体含量の決定:
メタノール及び3N NaOHを用いて、4種の試料(結晶化前の生成物、1回目の結晶化の生成物、1回目の結晶化の濾液及び2回目の結晶化の生成物)を加水分解した。2時間に25℃に維持した後、混合物を酸性化し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗ラタノプロスト酸を得た。KCO及び2−ヨードプロパンをDMFに加え、これ用いて粗ラタノプロスト酸をエステル化した。2時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、分相し、水層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗ラタノプロストを得た。粗生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析は、次の結果を示した。
【0267】
【表1】
【0268】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.239-7.276 (m, 2H), 7.140-7.186 (m, 3H), 5.275-5.338 (m, 1H), 5.190-5.243 (m, 1H), 5.112 (m, 1H), 3.792-3.853 (m, 1H), 3.626 (br s, 1H), 3.477-3.489 (m, 1H), 3.070 (br s, 1H), 2.737-2.810 (m, 2H), 2.603-2.678 (m, 1H), 1.443-2.455 (m, 17H)
【0269】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) : δ 173.880, 142.092, 131.162, 128.422, 128.399, 127.648, 125.849, 77.392, 74.083, 71.525, 52.033, 46.165, 40.920, 39.023, 36.100, 34.765, 32.131, 27.827, 27.485, 26.696, 25.428
【0270】
実施例29
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸
【0271】
【化72】
【0272】
2−プロパノール(10mL)に溶解した(8aR,9R,10R,11aS,Z)−10−ヒドロキシ−9−((R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(1.0g、実施例28の2回目の結晶化後の生成物)の溶液を、3N水酸化カリウム水溶液(2.7mL)で処理した。この混合物を50℃で2時間撹拌した。反応液を冷却し、3N塩酸水溶液によりpH8.5±0.2となるよう更に調整した。溶媒の大部分を減圧下で除去した。残渣を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20mL)及び酢酸エチル(20mL)で希釈した。この混合物を室温で5分間撹拌した。有機相及び水相を別々に回収した。室温で3N塩酸水溶液を用いて水層のpHを3.0±0.2に調整し、酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、1.3gの粗ラタノプロスト酸を得た。
【0273】
生成物の異性体含量の決定:
CO及び2−ヨードプロパンをDMFに加え、これを用いてこの生成物の試料をエステル化した。2時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、分相し、水層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗ラタノプロストを得た。粗生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析では、異性体は検出されなかった。
【0274】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ7.253-7.282 (m, 2H), 7.157-7.194 (m, 3H), 5.455-5.506 (m, 1H), 5.342-5.394 (m, 1H), 4.142-4.152 (m, 1H), 3.936 (m, 1H), 3.664-3.711 (m, 1H), 2.754-2.813 (m, 1H), 2.618-2.678 (m, 1H), 2.327 (t, 2H), 2.241 (t, 2H), 2.133 (q, 2H), 1.496-1.892 (m, 10H), 1.307-1.382 (m, 2H)
【0275】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) : δ 177.382, 142.178, 129.555, 129.512, 128.487, 125.902, 78.493, 74.354, 71.477, 52.234, 51.536, 42.396, 38.634, 35.077, 32.923, 31.982, 28.893, 26.490, 26.229, 24.500
【0276】
実施例30
(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エノエート(ラタノプロスト)
【0277】
【化73】
【0278】
粗ラタノプロスト酸(実施例29の1.3g)のDMF(13mL)溶液をKCO(1.38g、1.0mmol)及び2−ヨードプロパン(1.13g、6.6mmol)で処理した。次に、この混合物を80℃で2時間、窒素雰囲気下で撹拌した(TLCモニタリング)。水(40mL)及び酢酸エチル(40mL)を加え、この混合物を10分間撹拌した。水層を分離し、酢酸エチル(40mL)で抽出し、有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、1.1gの粗ラタノプロストを得た。粗ラタノプロストは、カラムクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、0.7gのラタノプロストを得ることができた(60.3%収率、2段階;生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析では異性体は検出されなかった)。
【0279】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ7.262-7.293 (m, 2H), 7.165-7.206 (m, 3H), 5.433-5.484 (m, 1H), 5.360-5.411 (m, 1H), 4.993 (heptet, 1H),4.158 (m, 1H), 3.939 (m, 1H), 3.659 (m, 1H), 2.766-2.824 (m, 3H), 2.089-2.702 (m, 8H), 1.314-1.898 (m, 12H), 1.221 (d, 6H)
【0280】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) :δ 173.476, 142.072, 129.590, 129.322, 128.393, 125.806, 78.788, 74.709, 71.292, 67.651, 52.895, 51.883, 42.490, 39.046, 35.793, 34.033, 32.108, 29.631, 26.898, 26.613, 24.913, 21.819
【0281】
粗ラタノプロストは、実施例11及び12に記載されているシリル化及び脱シリル化を経由して精製することもできる。生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析では、異性体も不純物も検出されなかった。
【0282】
【化74】
【0283】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.257-7.294 (m, 2H), 7.172-7.190 (m, 3H), 5.422-5.484 (m, 1H), 5.326-5.387 (m, 1H), 5.001 (heptet, 1H), 4.074-4.119 (m, 1H), 3.676-3.769 (m, 2H), 2.578-2.733 (m, 2H), 2.238-2.306 (m, 2H), 2.067-2.191 (m, 4H), 1.586-1.799 (m, 7H), 1.501-1.552 (m, 2H), 1.370-1.437 (m, 3H), 1.222 (d, 6H), 0.932-0.999 (m, 27H), 0.546-0.645 (m, 18H)
【0284】
13C-NMR (100MHz, CDCl3) : δ 173.197, 142.692, 130.122, 128.953, 128.293, 128.278, 125.606, 76.238, 72.352, 71.768, 67.297, 50.264, 48.162, 44.230, 39.121, 34.484, 34.241, 31.728, 28.062, 26.764, 25.846, 25.041, 21.823, 6.991, 6.885, 6.870, 5.177, 4.972, 4.942
【0285】
実施例31〜37 タフルプロスト及びその中間体の製造
実施例31
(3aR,4R,5R,6aS)−4−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エン−1−イル)−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール
【0286】
【化75】
【0287】
(3aR,4R,5R,6aS)−4−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エニル)−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンタ[b]フラン−2−オン(47.0g、0.11mol)をトルエン(500mL)に溶解し、続いて−70℃に冷却し、DIBAL(1.0Mヘキサン溶液172mL、0.16mol)を滴下して加えた。次に、−70℃において塩化アンモニウム飽和水溶液(25mL)を加えることにより、反応を急冷した。得られた混合物を室温で2M硫酸水素ナトリウム水溶液(500mL)に注ぎ、30分間撹拌し続けた。有機層を分離した後、水層に500mLのトルエンを添加した。有機層を混合し、これを減圧下で濃縮して、48gの表題化合物の粗生成物を得た。
【0288】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.266-7.316 (m, 2H), 6.971-7.010 (m, 1H), 6.892-6.914 (m, 2H), 6.078-6.222 (m, 1H), 5.736-5.912 (m, 1H), 5.516-5.644 (m, 1H), 4.517-4.699 (m, 2H), 4.139-4.211 (m, 2H), 3.725-4.064 (m, 2H), 3.398-3.493 (m, 1H), 3.339 (br s, 1H), 2.337-2.554 (m, 2H), 1.905-2.112 (m, 3H), 1.353-1.808 (m, 7H)
【0289】
13C-NMR (100MHz, CDCl3):δ 157.963 (157.895), 138.050, 129.576, 123.617, 121.826, 118.220(t), 114.706, 101.028(100.899), 99.821(95.935), 83.168(83.009), 80.291(79.935), 69.498(t), 62.401(61.665), 54.386(53.733), 45.733(44.951), 38.932(38.818), 36.693, 30.613(30.461), 25.337(25.315), 19.485(18.779)
【0290】
実施例32
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−2−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エン−1−イル)−5−ヒドロキシ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸
【0291】
【化76】
【0292】
(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(198.0g、0.45mol)及びカリウムtert−ブトキシド(102.0g、0.91mol)を含むTHF(1L)懸濁液を−20℃に30分間冷却し、(3aR,4R,5R,6aS)−4−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エン−1−イル)−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール(実施例31の48.0g)の−20℃のTHF(100mL)溶液を加え、この反応液を3時間撹拌した。次に、塩化アンモニウム飽和水溶液(600mL)を加え、得られた懸濁液を30分間室温にて撹拌した。有機層を分離した後、2M硫酸水素ナトリウム溶液を添加することにより水層のpHを6.0に調整し、酢酸エチル(600mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、145.0gの表題化合物の粗生成物を得た。
【0293】
生成物の異性体含量の決定:
CO及び2−ヨードプロパンをDMFに加え、これを用いてこの生成物の試料をエステル化した。4時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加えて分相し、水層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、11−保護されたタフルプロストの粗生成物を得た。THF及び水媒体の3N HClを用いて、11−保護されたタフルプロストの粗生成物を脱保護した。1時間25℃に維持した後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗タフルプロストを得た。粗生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析は、2.8%の5,6−トランス異性体が存在することを示した。
【0294】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ7.244-7.302 (m, 2H), 6.941-6.984 (m, 1H), 6.879-6.901 (m, 2H), 6.085-6.187 (m, 1H), 5.730-5.875 (m, 1H),5.305-5.435 (m, 2H), 4.608-4.651 (m, 1H), 4.034-4.195 (m, 3H), 3.739-3.853 (m, 1H), 3.378-3.458 (m, 1H), 2.500-2.670 (m, 1H), 2.226-2.331(m, 4H), 2.071-2.176 (m, 3H), 1.399-1.783 (m, 12H)
【0295】
13C-NMR (100MHz, CDCl3):δ177.516(177.448), 157.971(157.926), 138.983 (dt), 129.568, 128.619, 128.498, 123.754(t), 121.780(121.750), 118.235(t), 114.706, 98.387(96.467), 82.174(80.868), 72.800, 69.528(t), 62.743(61.558), 52.405, 49.907, 41.528, 33.444, 26.544, 25.724, 25.550, 25.337, 24.639, 18.893
【0296】
実施例33
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エン−1−イル)−10−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0297】
【化77】
【0298】
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−2−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エン−1−イル)−5−ヒドロキシ−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(実施例32から145.0g)のキシレン(2L)溶液を、2,2’−ジピリジルジスルフィド(90.0g、0.41mol)及びトリフェニルホスフィン(123.0g、0.47mol)で処理した。次に、この混合物を1時間室温にて窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を80℃まで18時間加熱し(TLCモニタリング)、続いて減圧下でキシレンを除去した。残渣を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(1.6L)で希釈し、酢酸エチル(1.6L)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、322.0gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、26.0gの表題化合物を得た(48%収率、3段階)。
【0299】
生成物の異性体含量の決定:
メタノール及び3N NaOHを用いて、この生成物の試料を加水分解した。2時間25℃に維持した後、この混合物を酸性化し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、11−保護されたタフルプロスト酸の粗生成物を得た。KCO及び2−ヨードプロパンをDMFに加え、これを用いて、11−保護されたタフルプロスト酸の粗生成物をエステル化した。2時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、分相し、水層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、11−保護されたタフルプロストの粗生成物を得た。THF及び水媒体の3N HClを用いて、11−保護されたタフルプロストの粗生成物を脱保護した。1時間25℃に維持した後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を加え、分相し、水層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗タフルプロストを得た。粗生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析は、0.4%の5,6−トランス異性体が存在することを示し、粗生成物のHPLC(Chiralcel OD−H)分析は、0.1%のエナンチオマーが存在することを示した。
【0300】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ7.257-7.306 (m, 2H), 6.984 (t, 1H), 6.89 (d, 2H), 6.061-6.157 (m, 1H),5.816-5.974 (m, 1H), 5.315-5.371 (m, 1H), 5.247-5.305 (m, 2H), 4.589-4.632 (m, 1H), 4.141-4.247 (m, 2H), 3.893-4.047 (m, 1H), 3.733-3.822 (m, 1H), 3.374-3.456 (m, 1H), 2.536-2.672 (m, 2H) , 2.334-2.416 (m, 3H) , 2.179-2.253 (m, 1H) , 2.051-2.108 (m, 1H) , 1.330-1.895 (m, 11H)
【0301】
13C-NMR (100MHz, CDCl3):δ173.546(173.448), 157.956(157.888), 137.872(t), 131.572, 129.568, 127.048, 124.930(t), 121.811, 118.061(t), 114.691, 99.388(96.117), 81.172(78.204), 72.451(72.010), 69.544(t), 62.629, 61.308, 44.852, 37.816, 36.040, 30.643, 30.529, 26.734(26.529), 25.383, 25.322, 18.726
【0302】
実施例34
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エン−1−イル)−10−ヒドロキシ−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0303】
【化78】
【0304】
p−トルエンスルホン酸1水和物(10.37g、54.5mmol)を、撹拌下で(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エン−1−イル)−10−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(実施例33の26.0g)のメタノール(200mL)溶液に加えた。この混合物を2時間室温で撹拌した(TLCモニタリング)。次に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)で急冷し、メタノールを減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を分離した。水層を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、30.0gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、20.0gの表題化合物を得た(90.0%収率)。
【0305】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.273-7.313 (m, 2H), 6.976-7.018 (m, 1H), 6.894-6.919 (m, 2H), 6.050-6.100 (m, 1H),5.836-5.931 (m, 1H), 5.305-5.373 (m, 1H), 5.214-5.233 (m, 2H), 4.206 (t, 2H), 3.901-3.961 (m, 1H), 2.536-2.612 (m, 1H), 2.340-2.453 (m, 4H), 2.176-2.238 (m, 3H), 1.787-1.932 (m, 3H) , 1.620-1.723 (m, 2H)
【0306】
13C-NMR (100MHz, CDCl3):δ 173.463, 157.880, 137.492(t), 131.633, 129.743, 127.018, 125.378(t), 121.902, 118.023(t), 114.767, 76.094, 72.246, 69.399(t), 55.843, 45.649, 40.594, 36.040, 26.734, 26.582, 25.322
【0307】
実施例35
(6Z,8aR,9R,10R,11aS)−9−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エニル)−2,3,4,5,8,8a,9,10,11,11a−デカヒドロ−2−オキソシクロペンタ[b]オキセシン−10−イル4−フェニルベンゾエート
【0308】
【化79】
【0309】
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エン−1−イル)−10−ヒドロキシ−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(実施例34の20.0g)のTHF(200mL)溶液を、トリエチルアミン(20.6g、0.20mol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.62g、5.09mmol)及びビフェニル−4−塩化カルボニル(33.0g、0.15mol)で処理した。次に、この混合物を18時間室温にて窒素雰囲気下で撹拌した。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200mL)を、この反応液に注ぎ、得られた混合物を5分間撹拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(400mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、固形物を濾別し、濾液を減圧下で濃縮して、40.0gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、20.0gの表題化合物を得た(69.0%収率)。メタノールから残渣を結晶化して、白色の結晶化合物を得た(融点105〜109℃)。結晶性の表題化合物の粉末X線回折パターンは、約5.0、6.2、7.6、9.5、10.1、11.5、12.6、13.7、15.2、18.0、19.4、21.2、23.1、23.6、24.4、25.7、28.0、37.9、44.1の2θで表される特徴的なピークを有する。
【0310】
生成物の異性体比率の決定:
メタノール及び3N NaOHを用いて、4種の試料(結晶化前の生成物、1回目の結晶化の生成物、1回目の結晶化の濾液及び2回目の結晶化の生成物)を加水分解した。2時間25℃に維持した後、この混合物を酸性化し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗ラタノプロスト酸を得た。KCO及び2−ヨードプロパンをDMFに加え、これを用いて粗ラタノプロスト酸をエステル化した。2時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、分相し、水層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗ラタノプロストを得た。粗生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ及びChiralcel OD−H)分析は、次の結果を示した。
【0311】
【表2】
【0312】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 8.055 (d, 2H), δ7.601 (d, 4H), δ7.477 (t, 2H), δ7.389-7.425 (m, 1H), 7.206-7.258 (m, 2H), 6.948 (t, 1H), 6.832 (d, 2H) 6.161-6.222 (m, 1H),5.890-5.984 (m, 1H), 5.380-5.424 (m, 1H), 5.321-5.371 (m, 2H), 5.166-5.224 (m, 1H), 4.126-4.199 (m, 2H), 2.805-2.882 (m, 2H), 2.394-2.507 (m, 3H), 2.154-2.296 (m, 2H) ,1.949-1.991 (m, 3H) , 1.802-1.855 (m, 1H) , 1.647-1.769 (m, 1H)
【0313】
13C-NMR (100MHz, CDCl3):δ 173.401, 166.042, 157.833, 145.780, 139.924, 136.440(t), 131.856, 130.099, 129.541, 128.941, 128.634, 128.205, 127.279, 127.044, 126.763, 125.628(t), 121.738, 118.000(t), 114.668, 77.779, 72.416, 69.452(t), 52.811, 44.997, 38.404, 36.040, 26.818, 26.666, 25.444
【0314】
実施例36
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−2−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エン−1−イル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(タフルプロスト酸)
【0315】
【化80】
【0316】
メタノール(60mL)及びTHF(160mL)に溶解した(6Z,8aR,9R,10R,11aS)−9−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エニル)−2,3,4,5,8,8a,9,10,11,11a−デカヒドロ−2−オキソシクロペンタ[b]オキセシン−10−イル4−フェニルベンゾエート(実施例35の10.0g)の溶液を、3N水酸化ナトリウム水溶液(80mL)で処理した。この混合物を室温にて窒素雰囲気下で2時間撹拌した。3N塩酸水溶液により反応液のpHを8.5±0.2に調整し、溶媒の大部分を減圧下で除去した。残渣を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200mL)及び酢酸エチル(200mL)で希釈した。この混合物を室温で5分間撹拌した。有機相及び水相を別々に収集した。室温で3N塩酸水溶液により水層のpHを3.0±0.2に調整し、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、12gの粗タフルプロスト酸を得た。
【0317】
生成物の異性体含量の決定:
DMFにKCO及び2−ヨードプロパンを加え、これを用いて生成物の試料をエステル化した。2時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗タフルプロストを得た。粗生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析では異性体は検出されなかった。粗生成物のHPLC(Chiralcel OD−H)分析ではエナンチオマーは検出されなかった。
【0318】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ7.264-7.311 (m, 2H), 6.972-7.014 (m, 1H), 6.897-6.926 (m, 2H), 6.054-6.127 (m, 1H),5.750-5.845 (m, 1H), 5.324-5.417 (m, 2H), 4.149-4.218 (m, 3H), 4.029 (m, 1H), 2.435-2.495 (m, 1H), 2.279-2.370 (m, 3H), 2.014-2.194 (m, 4H), 1.819-1.850 (m, 1H), 1.562-1.728 (m, 3H)
【0319】
13C-NMR (100MHz, CDCl3):δ 177.972, 157.926,138.547 (t), 129.910, 129.606, 128.779, 123.723(t), 121.826, 118.167(t), 114.774,77.863, 73.324, 69.437(t), 55.532, 50.393, 42.788, 32.935, 26.377, 25.694, 24.427
【0320】
実施例37
(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R,5S)−2−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブタ−1−エン−1−イル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタ−5−エノエート(タフルプロスト)
【0321】
【化81】
【0322】
粗タフルプロスト酸(実施例36の12.0g)のDMF(100mL)溶液を、KCO(21.1g、0.12mol)及び2−ヨードプロパン(11.4g、0.08mol)で処理した。次に、この混合物を80℃にて2時間窒素雰囲気下で撹拌した(TLCモニタリング)。水(100mL)及び酢酸エチル(100mL)を加え、この混合物を10分間撹拌した。水層を分離し、酢酸エチル(100mL)で抽出し、有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、14.0gの粗タフルプロストを得た。粗タフルプロストをカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、6.8gのタフルプロストを得た(86%収率、2段階)。粗生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析では異性体は検出されなかった。粗生成物のHPLC(Chiralcel OD−H)分析ではエナンチオマーは検出されなかった。
【0323】
1H-NMR (400MHz, CDCl3):δ 7.293(dd, 2H), 6.994 (t, 1H), 6.912 (d, 2H), 6.101 (dd, 1H), 5.795 (dt, 1H), 5.346-5.421 (m, 2H), 4.994 (heptet, 1H), 4.170-4.216 (m, 3H), 4.019 (m, 1H), 2.603 (m, 1H), 2.446-2.462 (m, 2H), 2.270-2.354(m, 1H), 2.256 (t, 2H), 2.030-2.146 (m, 4H), 1.839 (d, 1H) , 1.572-1.688 (m, 3H) , 1.220 (d, 6H)
【0324】
13C-CMR (100MHz, CDCl3):δ 173.456, 157.949,138.630 (t), 130.079, 129.581, 128.601, 123.567 (t), 121.793, 118.144 (t), 114.767,77.910, 73.234, 69.461(t), 67.656, 55.712, 50.507, 42.944, 33.966, 26.597, 25.703, 24.808, 21.812, 21.789
【0325】
粗タフルプロストは、実施例11及び12に記載の通り、シリル化及び脱シリル化を経由して精製することもできる。粗生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析では異性体も不純物も検出されなかった。粗生成物のHPLC(Chiralcel OD−H)分析ではエナンチオマーは検出されなかった。
【0326】
【化82】
【0327】
1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ7.257-7.304(m, 2H), 6.962-6.999 (m, 1H), 6.898-6.923 (m, 2H), 6.003-6.076 (m, 1H), 5.757-5.852 (m, 1H), 5.389-5.452 (m, 1H), 5.267-5.330 (m, 1H), 4.985 (heptet, 1H), 4.088-4.226 (m, 3H), 3.837-3.892 (m, 1H), 2.495-2.519 (m, 1H), 2.163-2.308 (m, 4H), 1.985-2.100(m, 3H), 1.594-1.740 (m, 3H), 1.461-1.512 (m, 1H), 1.21 (d, 6H) , 10.887-0.991 (m, 18H) , 0.498-0.616 (m, 12H)
【0328】
13C-NMR (100MHz, CDCl3):δ 173.106, 158.070, 139.329 (t), 129.500, 129.333, 129.211, 124.179 (t), 121.644, 118.152 (t), 114.699, 76.428, 71.623, 69.544(t), 67.312, 54.469, 49.323, 45.087, 34.112, 26.704, 25.049, 24.859, 21.793, 6.847, 6.688, 4.988, 4.745
【0329】
実施例38〜45 イソプロピルウノプロストン及びその中間体の製造
実施例38
(3aR,4R,5R,6aS)−4−[3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)デシル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール
【0330】
【化83】
【0331】
トルエン(300mL)に溶解した(3aR,4R,5R,6aS)−4−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシデシル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン(29g、58.4mmol)の溶液を−70℃に冷却し、続いてジイソブチルアルミニウム水素化物(88mL、20%ヘキサン溶液)を滴下して加えた。30分間撹拌しつつ、反応液を飽和塩化アンモニウム(150mL)及び2M NaHSO(150mL)で急冷した。次に、混合物を相分離し、水層をトルエンで抽出した。有機層を無水MgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、32gの粗生成物を得た。
【0332】
1H-NMR (CDCl3): d 4.972-5.616 (m, 1 H), 4.606-4.754 (m, 2 H), 3.501-4.057 (m , 4 H), 1.177-2.300 (m, 28 H), 0.826-0.952 (m, 12 H), 0.595 (m, 1 H), -0.037-0.031 (m, 6 H)
【0333】
13C-NMR (CDCl3): d 106.060 (105.909, 104.649, 104.064, 102.273), 100.550 (100.459, 100.147, 99.981), 90.310 (89.976, 89.916, 89.536, 89.437, 88.952, 88.899), 87.009 (86.014, 85.513, 85.445, 85.377, 84.314), 76.929 (76.845, 76.731, 76.640, 76.541, 76.496, 76.329), 66.735 (66.332, 66.211, 65.976), 58.120 (57.254, 56.123, 55.721, 52.343, 52.207, 51.987, 51.888, 49.870, 49.687, 49.322, 49.186), 46.734 (46.688, 46.620), 45.474 (45.277, 43.994, 42.954), 41.671 (41.565, 41.474, 41.079), 40.707, 39.584 (39.546, 39.493, 39.371), 36.244, 35.273 (35.181, 34.885, 34.825, 34.627), 34.225 (34.195, 34.104), 33.716, 33.307 (33.223, 33.079, 32.973), 30.331, 29.891 (29.800, 29.724, 29.640, 29.602, 29.352), 28.206, 24.320 (23.591, 23.500, 23.356), 22.490, 18.521, 11.386 (9.518), 0.053
【0334】
実施例39
(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−2−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)デシル)−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸
【0335】
【化84】
【0336】
1L丸底フラスコ中、(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(102g、0.23mol)及びカリウムtert−ブトキシド(52g、0.46mol)を含むTHF(700mL)懸濁液を−20℃に冷却し、−20℃の150mLのテトラヒドロフランに溶解した(3aR,4R,5R,6aS)−4−[3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−デシル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール(実施例38の32g)の溶液を、このフラスコに加え、反応液を4時間撹拌した。次に、塩化アンモニウム飽和水溶液(300mL)を加え、得られた懸濁液を30分間室温で撹拌した。次に、この混合物を相分離し、2M硫酸水素ナトリウム溶液により水層のpHを6.0に調整し、酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機層を混合し、無水MgSO上で乾燥した。固形物を濾過で取り除き、有機溶媒を真空下で蒸発させて、61gの粗生成物を得た。
【0337】
1H-NMR (CDCl3): d 5.238-5.449 (m, 2 H), 4.590-4.662 (m, 1 H), 4.067 (m, 1 H), 3.803-3.936 (m, 2 H), 3.403-3.531 (m, 2 H), 1.897-2.145 (m, 8 H), 1.227-1.859 (m, 26 H), 0.844-0.919 (m, 12 H), 0.529-0.568 (m, 1 H), 0.00 (m, 6 H)
【0338】
13C-NMR (CDCl3): d 172.165, 135.337 (133.272), 133.044 (132.923), 101.506 (101.400, 100.808, 100.717), 87.441 (87.312, 86.401, 84.815), 79.289 (79.213), 77.004 (76.860, 76.769), 67.114 (67.061, 66.575, 66.477), 56.298 (56.222, 55.964, 55.941, 54.476, 54.431, 54.385, 54.332), 44.988 (44.927), 42.870, 41.550 (41.512, 41.466, 41.428), 39.766 (39.667, 39.667, 39.607), 37.959, 35.274, 35. 569 (35.181), 34.233 (34.217), 34.043 (33.876), 33.747 (33.663), 31.849 (31.758, 31.538, 31.485), 30.992, 30.346, 29.853 (29.807, 29.732), 29.193, 27.098, 24.077 (24.024, 23.614, 23.533), 22.612 (22.566), 18.543, 11.401 (9.518), 0.038
【0339】
実施例40
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−[3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)デシル)−10−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0340】
【化85】
【0341】
キシレン(250mL)に溶解した(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−2−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)デシル)−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(実施例39の61g)の溶液を、2,2’−ジピリジルジスルフィド(36g、0.17mol)及びトリフェニルホスフィン(38g、0.43mol)で処理した。次に、この混合物を1時間室温にて窒素雰囲気下で撹拌し、得られた混合物を80℃で18時間加熱した。次に、キシレンを減圧下で除去し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL)で2回抽出した。有機層を無水MgSO上で乾燥した。固形物を濾過で取り除き、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、勾配溶離液としてヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物の収率は、25gであった(75%、3段階)。
【0342】
1H-NMR (CDCl3): d 5.246-5.388 (m, 2 H), 5.098 (m, 1 H), 4.589 (m, 1 H), 3.459-3.918 (m, 4 H), 1.249-2.477 (m, 33 H), 0.867-1.021 (m, 12 H), 0.579 (q, 1 H), 0.026 (m, 6 H)
【0343】
13C-NMR (CDCl3): d 173.751 (173.683), 131.033, 127.709 (127.769), 100.459 (100.391, 96.110, 96.011), 84.246 (83.874, 78.857, 78.599), 73.528, 72.823 (72.716, 72.572, 72.443), 62.758 (62.151, 62.006), 49.399, 44.928 (44.769, 44.640, 44.435), 39.873 (39.835), 37.178 (37.140), 37.042 (37.011), 36.017, 34.059 (34.013), 33.884 (33.839), 31.812, 31.030, 30.886, 29.831 (29.800), 29.300, 27.288 (27.216), 26.848 (26.658, 26.597), 25.907, 25.504 (25.428, 25.353, 25.254, 25.193), 22.635, 19.850 (19.311, 19.182), 18.111, 14.073, -4.409
【0344】
実施例41
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−(3−ヒドロキシデシル)−10−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0345】
【化86】
【0346】
テトラヒドロフラン(350mL)に溶解した(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−[3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)デシル)−10−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(25g、44mmol)の溶液及び49mLのTBAF(1Mテトラヒドロフラン溶液)を、1L丸底フラスコに加えた。反応液を50℃で3時間撹拌し、飽和NaHCO水溶液(200mL)により急冷した。次に、この混合物を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、無水MgSO上で乾燥した。固形物を濾過で取り除き、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、勾配溶離液としてヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物の収率は、15gであった(75%)。
【0347】
1H-NMR (CDCl3): d 5.243-5.322 (m, 2 H), 5.109 (m, 1 H), 4.565-4.621 (m, 1 H), 3.475-3.947 (m, 3 H), 1.275-2.470 (m, 36 H), 0.872 (m, 3 H)
【0348】
13C-NMR (CDCl3): d173.797 (173.721), 131.132, 127.655, 100.322 (100.338, 97.408, 96.922), 84.489 (84.413, 79.950, 79.358), 73.361, 72.185 (72.020, 71.995, 71.692), 63.236 (62.834, 62.720), 48.693, 45.383 (44.966, 44.860), 39.865 (39.812), 37.717 (37.679), 37.459 (37.429), 36.017, 34.552 (34.499, 34.324, 33.960), 31.804, 31.129 (31.038, 30.985), 29.702 (29.664, 29.292), 28.085, 27.508, 27.113, 26.817 (26.660), 25.687 (25.633), 25.375, 22.643, 19.994 (19.736), 14.088
【0349】
実施例42
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−(3−オキソデシル)−10−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0350】
【化87】
【0351】
1L丸底フラスコ中、(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−[3−ヒドロキシ)デシル)10−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(15g、33mmol)をトルエン(150mL)に溶解した。その後、(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−イル)オキシル(1.05g、6.7mmol)、臭化カリウム(3.96g、33mmol)、3%NaHCO水溶液(72mL)及び12%NaOCl水溶液(26mL)を、0℃でこのフラスコに加え、続いて水(300mL)及び酢酸エチル(300mL)を加えた。反応液を10分間撹拌した。次に、この混合物を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、無水MgSO上で乾燥した。固形物を濾過で取り除き、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、ヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物の収率は、14gであった(94%)。
【0352】
1H-NMR (CDCl3): d 5.184-5.263 (m, 2 H), 5.055 (s, 1H), 4.475-4.528 (m, 1 H), 3.413-3.3.885 (m, 3 H), 2.609 (t, 1 H), 1.974-2.537 (m, 11 H), 1.474-1.817 (m, 13 H), 1.213 (m, 8 H), 0.813 (m, 3 H)
【0353】
13C-NMR (CDCl3): d 211.400 (211.020), 173.653 (173.546), 131.124, 127.526, 100.330 (97.013), 84.762, 70.502, 63.031 (62.781), 45.141, 44.738, 42.924 (42.879), 40.169 (39.994, 39.843), 37.285, 31.615, 31.129 (31.114), 29.193 (29.163), 29.026, 26.969, 26.620, 25.580, 25.444 (25.406), 25.337, 33.834, 22.544
【0354】
実施例43
(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−(3−オキソデシル)−10−ヒドロキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0355】
【化88】
【0356】
1L丸底フラスコ中、(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−(3−オキソデシル)−10−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(14g、31mmol)をメタノール(140mL)に溶解した。p−トルエンスルホン酸1水和物(0.3g、1.6mmol)をこのフラスコに室温で3時間かけて添加した。次に、反応液を飽和NaHCO水溶液(70mL)で急冷し、この混合物を相分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を混合し、無水MgSO上で乾燥した。固形物を濾過で取り除き、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、勾配溶離液としてヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、7gの油状物の化合物を得た。この油状物を0℃で酢酸エチル(35mL)に溶解し、12時間撹拌しつつn−ヘキサン(350mL)を加えた。固形物を濾過により取り除き、n−ヘキサンで洗浄して、5.6gの白色の結晶化合物を得た(融点57〜60℃)。
【0357】
結晶化合物の粉末X線回折パターンは、約10.8、14.2、15.2、16.2、17.1、20.1、21.2、21.9、23.0、25.3、37.9、44.1の2θで表される特徴的なピークを有する。
【0358】
1H-NMR (CDCl3): d 5.224-5.377 (m, 2 H), 5.162 (s, 1H), 3.811 (q, 1 H), 2.559-2.652 (m, 2 H), 2.238-2.441 (m, 6 H), 1.911-2.226 (m, 4 H), 1.811-1.894 (m , 2 H), 1.481-1.722 (m, 7 H), 1.270 (m, 8 H), 0.872 (t, 3 H)
【0359】
13C-NMR (CDCl3): d 211.863, 173.569, 131.261, 127.458, 77.513, 73.999, 51.820, 46.249, 42.977, 41.072, 40.298, 36.093, 31.653, 29.193, 29.057, 27.394, 26.696, 25.542, 25.421, 23.842, 22.590, 14.058
【0360】
実施例44
(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−3−オキソデシルシクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸
【0361】
【化89】
【0362】
1L丸底フラスコに中、2−プロパノール(60mL)及び3N水酸化カリウム水溶液(8.5mL)に溶解した(8aR,9R,10R,11aS,Z)−9−(3−オキソデシル)−10−ヒドロキシ)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロシクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(5.5g、15mmol)を還流し、2時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、3N塩酸水溶液によりpH8.5となるよう調整した。その後、2−プロパノールを減圧下で除去し、反応物を飽和NaHCO水溶液(100mL)で希釈した。この塩基性水溶液を酢酸エチル(30mL)で2回抽出し、3N塩酸水溶液により水層のpHを3に調整した。次に、この酸性水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を無水MgSO上で乾燥し、固形物を濾過で取り除き、有機溶媒を真空下で蒸発させて、6.5gの粗化合物を得た。
【0363】
生成物の異性体含量の決定:
CO及び2−ヨードプロパンをDMFに溶解し、この溶液を用いて生成物の試料をエステル化した。2時間60℃に維持した後、水及び酢酸エチルを加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮した後、粗イソプロピルウノプロストンを得た。粗生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析では異性体は検出されなかった。粗生成物のHPLC(chiralcel OD−H)分析ではエナンチオマーは検出されなかった。
【0364】
1H-NMR (CDCl3): d 5.320-5.458 (m, 2 H), 4.128 (m, 1H), 3.862-3.870 (m, 1 H), 2.540-2.652 (dd, 2 H), 2.392 (t, 2 H), 2.317 (t, 2 H), 2.045-2.2826 (m, 8 H), 1.340-1.9394 (m , 8 H), 1.239 (m, 8 H), 0.799-0.880 (m, 3 H)
【0365】
13C-NMR (CDCl3): d 212.181, 177.956, 129.545, 129.280, 78.394, 74.242, 51.873, 51.433, 42.962, 42.400, 41.140, 33.186, 31.645, 293.178, 29.049, 27.250, 26.529, 26.423, 24.571, 23.819, 22.574, 14.043
【0366】
粗イソプロピルウノプロストンは、実施例11及び12に記載の通り、シリル化及び脱シリル化を経由して精製することもできる。ODS Hypersilを用いた生成物のHPLC分析では異性体も不純物も検出されなかった。Chiralcel OD−Hを用いた生成物のHPLC分析では、エナンチオマーは検出されなかった。
【0367】
【化90】
【0368】
1H-NMR (CDCl3): d 5.275-5.427 (m, 2 H), 4.923-4.998 (m, 1H), 4.027-4.055 (m, 1 H), 3.645-3.697 (m, 1 H), 2.014-2.533 (m, 12 H), 1.430-1.725 (m, 8 H), 1.173-1.232 (m, 14 H), 0.817-0.950 (m, 21 H), 0.499-0.570 (m, 12 H)
【0369】
13C-NMR (CDCl3): d 211.308, 173.061, 129.829, 129.067, 76.709, 71.434, 67.259, 49.528, 48.275, 44.374, 42.826, 40.769, 34.142, 31.630, 29.201, 29.034, 26.711, 26.559, 25.611, 24.950, 23.895, 22.544, 21.762, 13.959, 6.794, 4.942, 4.897
【0370】
実施例45
(Z)−イソプロピル7−(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシルシクロペンチル)−ヘプタ−5−エノエート
【0371】
【化91】
【0372】
250mL丸底フラスコ中、(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−3−オキソデシルシクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸(6.5g)の溶液をN,N−ジメチルホルムアミド(60mL)に溶解し、続いて炭酸カリウム(6.2g、45mmol)及び2−ヨードプロパン(5.1g、30mmol)を添加した。反応液を80℃に加熱し、2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、固形物を濾過で取り除いた。その後濾液を酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)で抽出した。この混合物を相分離し、有機層を無水MgSO上で乾燥し、固形物を濾過で取り除き、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、勾配溶離液としてヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物の収率は、2.4gであった(37.7%、2段階)。粗生成物のHPLC(Phenomenex Luna 5μmシリカ)分析では異性体は検出されなかった。粗生成物のHPLC(chiralcel OD−H)分析ではエナンチオマーは検出されなかった。
【0373】
1H-NMR (CDCl3): d 5.362-5.409 (m, 2 H), 4.942-4.985 (m, 1H), 4.126 (m, 1 H), 3.851 (m, 1 H), 1.901-3.061 (m, 12 H), 1.181-1.778 (m, 24 H), 0.843 (m, 3 H)
【0374】
13C-NMR (CDCl3): d 211.513, 173.402, 129.629, 129.181, 78.500, 74.288, 67.578, 52.268, 51.615, 42.955, 42.560, 14.224, 34.028, 31.637, 29.178, 29.034, 07.372, 26.666, 26.613, 24.897, 23.834, 22.559, 21.808, 14.028
【0375】
実施例46〜54 ビマトプロスト及びその中間体の製造
実施例46
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−4−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンタ[b]フラン−2−オン
【0376】
【化92】
【0377】
p−トルエンスルホン酸1水和物(0.3g、0.165mmol)を、室温で(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペント−1−エニル)シクロペンタ[b]フラン−2−オン(10.0g、33.1mmol)及び3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(4.2g、49.7mmol)を含むジクロロメタン(100mL)溶液に加え、この混合物を2.5時間撹拌した(TLCモニタリング)。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100mL)をこの反応液に注ぎ、混合物を5分間撹拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、固形物を濾過で取り除き、濾液を減圧下で濃縮して、16.0gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いで減圧下で濃縮して、14.0gの表題化合物を得た(89.9%収率)。
【0378】
1H-NMR (CDCl3): d 7.117-7.239 (m, 5 H), 5.319-5.610 (m, 2 H), 4.857-4.982 (m, 1 H), 4.578-4.693 (m, 2 H), 4.062-4.123 (m, 1 H), 3.755-3.858 (m, 2 H), 3.398-3.481 (m. 2 H), 2.328-2.771 (m, 7 H), 1.418-2.182 (m, 16 H)
【0379】
実施例47
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−4−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール
【0380】
【化93】
【0381】
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−4−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンタ[b]フラン−2−オン(実施例46の14.0g)をトルエン(140mL)に溶解し、続いて−70℃に冷却し、DIBAL(1.0Mヘキサン溶液を45mL)を滴下して加えた。次に、−70℃において塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)を添加することにより、反応を急冷した。得られた混合物を、室温で2M硫酸水素ナトリウム水溶液(90mL)に注ぎ、30分間撹拌し続けた。有機層を分離した後、水層にトルエン(200mL)を加えた。有機層を混合し、これを減圧下で濃縮して、18.0gの表題化合物の粗生成物を得た。
【0382】
1H-NMR (CDCl3): d 7.136-7.257 (m, 5 H), 5.371-5.540 (m, 3 H), 4.566-4.703 (m, 3 H), 3.712-4.112 (m, 4 H), 3.326-3.470 (m, 2 H), 2.177-2.699 (m, 6 H), 1.423-2.085 (m, 17 H)
【0383】
実施例48
7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−2−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸
【0384】
【化94】
【0385】
(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(52.8g、119mmol)及びカリウムtert−ブトキシド(26.8g、238mmol)を含むTHF(400mL)懸濁液を−20℃で30分間冷却した。そこに、−20℃の50mLのTHFに溶解した(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−4−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール(実施例47の18g)の溶液を加え、反応液を16時間撹拌した。次に、塩化アンモニウム飽和水溶液(200mL)を加え、得られた懸濁液を30分間室温で撹拌した。有機層を分離した後、2M硫酸水素ナトリウム溶液を添加することにより水層のpHを6.0に調整し、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、32.0gの表題化合物の粗生成物を得た。
【0386】
1H-NMR (CDCl3): d 7.349-7.430 (m, 2 H), 7.041-7.155 (m, 3 H), 5.270-5.537 (m, 4 H), 4.620-4.688 (m, 2 H), 3.745-4.048 (m, 3H), 3.379-3.554 (m, 4 H), 2.404-2.688 (m, 7 H), 0.810-2.179 (m, 21 H)
【0387】
実施例49
(6Z,8aR,9R,10R,11aS)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロ−9−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−10−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0388】
【化95】
【0389】
ジクロロメタン(320mL)に溶解した7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−2−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(実施例48の32g)の溶液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(12.3g、94.8mmol)及び塩化ベンゾイル(7.9g、56.3mmol)で処理した。次に、この混合物を10分間室温にて窒素雰囲気下で撹拌し、続いて10分間撹拌しつつ、0℃で4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(11.9g、97.7mmol)を添加した。得られた混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(300mL)で急冷し、ジクロロメタン(100mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、29.0gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、9.4gの表題化合物を得た(58.6%収率、3段階)。
【0390】
1H-NMR (CDCl3): d 7.110-7.307 (m, 5 H), 5.185-5.508 (m, 5 H), 4.651-4.754 (m, 2 H), 3.837-4.148 (m, 4H), 3.418-3.472 (m, 2 H), 2.186-2.750 (m, 9 H), 1.542-2.131 (m, 19 H)
【0391】
実施例50
(5Z)−N−エチル−7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−2−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エナミド
【0392】
【化96】
【0393】
テトラヒドロフラン(THF)(15mL)に溶解した(6Z,8aR,9R,10R,11aS)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロ−9−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−10−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(3.0g、5.57mmol)の溶液を、THFに溶解した2Mエチルアミン(31mL)で処理した。この混合物を撹拌し、40℃で18時間に亘り窒素雰囲気下で加熱した。混合物を水(50mL)の水で希釈し、1N HClによりpHを6に調整した。層を分離し、水層を酢酸エチル(20mL)で2回抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。次に、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、2.4gの表題化合物を得た(73.8%収率)。
【0394】
1H-NMR (CDCl3): d 7.148-7.284 (m, 5 H), 5.364-5.596 (m, 5 H), 4.669-4.721 (m, 2 H), 4.048-4.122 (m, 3 H), 3.777-3.869 (m, 2 H), 3.459 (m, 2 H), 3.235 (m, 2 H), 1.906-2.748 (m, 11 H), 1.503-1.810 (m, 8 H), 1.095 (t, 3 H)
【0395】
13C-NMR (CDCl3): d 172.863, 142.160, 136.164, 135.860, 131.397 (131.352), 129.948 (129.894), 129.044 (129.006), 128.354, 125.758, 98.174 (96.178), 94.630 (94.508), 82.288 (80.959), 75.388 (75.335), 73.240 (72.754), 62.773 (62.226), 62.097 (61.589), 53.232 (52.989), 50.590 (50.454), 41.543, 39.660, 37.619 (37.573), 35.979, 34.264, 32.123, 31.607, 30.802, 30.635, 26.711, 25.656, 25.557, 25.451 (25.368), 19.683 (19.531, 19.478, 18.08), 14.885
【0396】
実施例51
ビマトプロスト
p−トルエンスルホン酸1水和物(0.03g、0.17mmol)を、撹拌下の(5Z)−N−エチル−7−((1R,2R,3R,5S)−5−ヒドロキシ−2−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンチル)ヘプタ−5−エナミド(2.0g、3.4mmol)のメタノール(20mL)溶液に加えた。混合物を2時間室温で撹拌した。次に、反応液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(50mL)で洗浄した。層を分離し、水層を酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン及び酢酸エチルから残渣を結晶化して、白色の結晶形のビマトプロストを得た(77.5%収率)。粗生成物のUPLC(ACQUITY UPLC BEH C18)分析は、5,6−トランス異性体、15β−異性体、他いかなる異性体も存在しないことを示した。
【0397】
1H-NMR (CDCl3): d 7.153-7.279 (m, 5 H), 5.812 (m, 1 H), 5.319-5.610 (m, 4 H), 4.055-4.128 (m, 2 H), 3.910 (m, 1 H), 3.863-3.876 (m, 1H), 3.287-3.440 (m, 2 H), 3.195-3.250 (m, 2 H), 2.618-2.716 (m, 2 H), 1.429-2.365 (m, 14 H), 1.093 (t, 3 H)
【0398】
13C-NMR (CDCl3): d 173.252, 142.001, 135.030, 133.093, 129.695, 129.120, 128.410, 128.333, 125.756, 77.773, 72.416, 72.189, 55.573, 50.297, 42.912, 38.738, 35.827, 34.352, 31.862, 26.663, 25.590, 25.367, 14.781
【0399】
実施例52
(6Z,8aR,9R,10R,11aS)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロ−10−ヒドロキシ−9−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペント−1−エニル)シクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン
【0400】
【化97】
【0401】
p−トルエンスルホン酸1水和物(0.16g、0.84mmol)を、撹拌下で(6Z,8aR,9R,10R,11aS)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロ−9−((S,E)−5−フェニル−3−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ペント−1−エニル)−10−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)シクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(9.0g、16.7mmol)のメタノール(90mL)溶液に加えた。混合物を2時間室温で撹拌した(TLCモニタリング)。次に、反応液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を混合し、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、9.0gの粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.5gの表題化合物を得た(56.5%収率)。
【0402】
1H-NMR (CDCl3): d 7.249-7.285 (m, 2 H), 7.155-7.189 (m, 3H), 5.613-5.671 (m, 1 H), 5.294-5.416 (m, 2 H), 4.040-4.135 (m, 2 H), 3.754 (q, 1 H), 3.657 (br s, 1 H), 3.311 (br s, 1 H), 2.555-2.691 (m, 3 H), 2.319-2.398 (m, 3 H), 2.159-2.290 (m, 2 H), 2.094-2.111 (m, 2 H), 1.542-1.960 (m, 8 H)
【0403】
実施例53
(5Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペント−1−エニル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸
【0404】
【化98】
【0405】
50mL丸底フラスコ中、2−プロパノール(20mL)及び6.3mLの3N水酸化カリウム水溶液に溶解した(6Z,8aR,9R,10R,11aS)−4,5,8,8a,9,10,11,11a−オクタヒドロ−10−ヒドロキシ−9−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペント−1−エニル)シクロペンタ[b]オキセシン−2(3H)−オン(2g、5.4mmol)の溶液を還流し、2時間撹拌した。この混合物を室温に冷却し、3N塩酸水溶液によりpH8.5となるよう調整した。その後、2−プロパノールを減圧下で除去し、得られた混合物を30mLの飽和NaHCO水溶液で希釈した。この塩基性水溶液を酢酸エチル(30mL)で2回抽出し、3N塩酸水溶液により水層のpHを3に調整した。次に、この酸性水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を無水MgSO上で乾燥し、固形物を濾過で取り除き、有機溶媒を真空下で蒸発させて、2gの表題化合物の粗生成物を得た。
【0406】
1H-NMR (CDCl3): d 7.160-7.253 (m, 5 H), 5.327-5.589 (m, 4 H), 4.012 (m, 2H), 3.904 (m, 2 H), 1.265-2.656 (m, 18 H)
【0407】
13C-NMR (CDCl3): d 177.626, 141.832, 134.840, 133.160, 129.626, 129.107, 128.397, 128.351, 125.794, 77.412, 72.397, 72.305, 55.183, 49.977, 42.634, 38.443, 33.023, 31.794, 26.252, 25.176, 24.458
【0408】
実施例54
(5Z)−メチル7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペント−1−エニル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エノエート
【0409】
【化99】
【0410】
50mL丸底フラスコ中、(5Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペント−1−エニル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸(実施例53の2g)の溶液をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、続いて炭酸カリウム(2.2g、16.2mmol)及びヨードメタン(1.1g、8.1mmol)を添加した。この反応液を40℃に加熱し、2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、固形物を濾過で取り除いた。その後、濾液を希釈し、酢酸エチル(20mL)及び水(20mL)で抽出した。混合物を相分離し、有機層を無水MgSO上で乾燥し、固形物を濾過で取り除き、有機溶媒を真空下で蒸発させた。粗生成物を、勾配溶離液としてヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物の収率は、1.6gであった(73.5%、2段階)。
【0411】
1H-NMR (CDCl3): d 7.183-7.268 (m, 5 H), 5.371-5.608 (m, 4 H), 4.091-4.153 (m, 2H), 3.916 (m, 1 H), 3.639 (s, 3H), 2.686 (m, 3 H), 1.487-2.686 (m, 16 H)
【0412】
13C-NMR (CDCl3): d 177.345, 141.886, 135.084, 133.067, 129.655, 129.027, 128.398, 128.349, 125.796, 77.820, 72.648, 72.227, 55.672, 51.566, 50.205, 42.840, 38.745, 33.360, 31.813, 26.581, 25.4716, 24.744