【文献】
Pantech,DM RS resource configuration for E-PDCCH[online], 3GPP TSG-RAN WG1#68 R1-120327,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_68/Docs/R1-120327.zip>,2012年 2月10日
【文献】
Samsung,Further discussion on E-PDCCH structure[online], 3GPP TSG-RAN WG1#68 R1-120187,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_68/Docs/R1-120187.zip>,2012年 2月10日
【文献】
Huawei, CMCC,Draft LS reply on Primary Component Carrier and Semi Persistent Scheduling (R2102654)[online], 3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-103081,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61/Docs/R1-103081.zip>,2010年 5月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記設定手段は、前記受信装置に設定されたアグリゲーションレベルが閾値以上の場合には前記第1のアンテナポートペアを設定し、前記アグリゲーションレベルが前記閾値未満の場合には前記第2のアンテナポートペアを設定する、
請求項1記載の送信装置。
前記設定手段は、1つの物理チャネルリソースブロックを構成する複数の制御チャネル要素のうち、前記受信装置に使用される制御チャネル要素の数が閾値以上の場合には前記第1のアンテナポートペアを設定し、前記制御チャネル要素の数が前記閾値未満の場合には前記第2のアンテナポートペアを設定する、
請求項1記載の送信装置。
前記設定手段は、第1のサブフレームよりも前記送信装置からの信号の送信電力が低く設定される第2のサブフレームが前記受信装置に設定される場合には前記第1のアンテナポートペアを設定し、前記第1のサブフレームが前記受信装置に設定される場合には前記第2のアンテナポートペアを設定する、
請求項1記載の送信装置。
前記受信装置に対して割当可能な複数のリソースの各々に対して、前記第1のアンテナポートペア又は前記第2のアンテナポートペアのいずれか一方がそれぞれ対応付けられ、
前記設定手段は、前記第1のアンテナポートペア及び前記第2のアンテナポートペアのうち、前記受信装置の受信品質に基づいて割り当てられたリソースに対応付けられたアンテナポートペアを、前記2つのアンテナポートとして設定する、
請求項1記載の送信装置。
前記受信装置に対して割当可能な複数のコンポーネントキャリアの各々に対して、前記第1のアンテナポートペア又は前記第2のアンテナポートペアがそれぞれ対応付けられ、
前記設定手段は、前記第1のアンテナポートペア及び前記第2のアンテナポートペアのうち、前記受信装置の受信品質に基づいて割り当てられたコンポーネントキャリアに対応付けられたアンテナポートペアを、前記2つのアンテナポートとして設定する、
請求項1記載の送信装置。
前記受信装置に対して割当可能な複数のコンポーネントキャリアのうち、PDCCH及びCRSの少なくとも一方を送信しないコンポーネントキャリアには前記第1のアンテナポートペアが対応付けられ、前記PDCCH及び前記CRSを送信するコンポーネントキャリアには前記第2のアンテナポートペアが対応付けられる、
請求項7記載の送信装置。
前記設定手段は、信号を周波数領域において分散して割り当てる第1の割当方法が前記受信装置に対して設定された場合には前記第1のアンテナポートペアを設定し、信号を周波数領域においてまとめて割り当てる第2の割当方法が前記受信装置に対して設定された場合には前記第2のアンテナポートペアを設定する、
請求項1記載の送信装置。
前記設定手段は、前記受信装置に対して前記第2のアンテナポートペアを設定する場合、前記第2のアンテナポートペアに含まれるアンテナポート以外の他のアンテナポートのいずれか1つを、1つのアンテナポートを用いた送信方法が設定された他の受信装置向けの信号の送信に用いられるアンテナポートとして設定する、
請求項1記載の送信装置。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0034】
[実施の形態1]
[通信システムの概要]
本実施の形態に係る通信システムは、送信装置と受信装置とを有する。特に、本実施の形態では、送信装置を基地局100とし、受信装置を端末200として説明する。この通信システムは、例えば、LTE-Advancedシステムである。そして、基地局100は、例えば、LTE-Advancedシステムに対応する基地局であり、端末200は、例えば、LTE-Advancedシステムに対応する端末である。
【0035】
図2は、本実施の形態に係る基地局100の要部構成を示すブロック図である。
【0036】
基地局100は、2つのアンテナポートを用いて端末200へDMRSを送信する。設定部102は、端末200の受信品質に基づいて、DMRSが互いに符号多重されないアンテナポートの組み合わせ(第1のアンテナポートペア)、及び、DMRSが符号多重されるアンテナポートの組み合わせ(第2のアンテナポートペア)のいずれかを上記2つのアンテナポートとして設定する。送信部109は、設定部102において設定された2つのアンテナポートからDMRSを送信する。
【0037】
図3は、本実施の形態に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。
【0038】
端末200において、受信部201は、基地局100が有する複数のアンテナポートのうちの2つのアンテナポートを用いて送信されたDMRSを受信する。制御信号処理部205は、端末200の受信品質に基づいて、DMRSが互いに符号多重されないアンテナポートの組み合わせ(第1のアンテナポートペア)、及び、DMRSが符号多重されるアンテナポートの組み合わせ(第2のアンテナポートペア)のいずれかを上記2つのアンテナポートとして特定し、特定された2つのアンテナポートにおけるDMRSを用いて、制御信号を復調する。
【0039】
[基地局100の構成]
図4は、本実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図4において、基地局100は、割当情報生成部101と、設定部102と、DMRS生成部103と、誤り訂正符号化部104と、マッピング部105と、変調部106と、プリコーディング部107と、信号割当部108と、送信部109と、受信部110と、復調部111と、誤り訂正復号部112とを有する。
【0040】
割当情報生成部101は、送信すべき下り回線データ信号(DLデータ信号)、及び、上り回線(UL)に割り当てる上り回線データ信号(ULデータ信号)が有る場合、データ信号を割り当てるリソース(RB)を決定し、割当情報(DL assignment及びUL grant)を生成する。DL assignmentは、DLデータ信号の割当に関する情報を含む。UL grantは、端末200から送信されるULデータ信号の割当リソースに関する情報を含む。割当情報は信号割当部108へ出力される。また、DLデータ信号を割り当てるための制御情報としてDL assignmentは信号割当部108へ出力され、ULデータ信号を受信するための制御情報としてUL grantは受信部110へ出力される。
【0041】
設定部102は、まず、誤り訂正復号部112から入力される、各端末200から報告される端末200の受信品質に関する情報を用いて、端末200の受信品質を表す受信品質情報を端末200毎に生成する。端末200の受信品質に関する情報としては、例えば、パスロス、RSRP(Reference Signal Reception Power)、ACK/NACKの送信頻度などを含むメジャメントレポート、及び、CQI(Channel Quality Indicator)値などが挙げられる。
【0042】
次いで、設定部102は、生成した受信品質情報に基づいて、設定対象端末200へ送信するePDCCHにおいてDMRSが割り当てられるアンテナポート(DMRSアンテナポート)を設定する。具体的には、設定部102は、受信品質情報で表される端末200の受信品質に基づいて、符号多重されないDMRSポートの組み合わせ(例えば、
図1に示す2つのアンテナポート7,9)、及び、符号多重されるDMRSポートの組み合わせ(例えば、
図1に示す2つのアンテナポート7,8)のいずれかをDMRSアンテナポートとして設定する。例えば、設定部102は、端末200の受信品質が所定の基準を満たさない場合(受信品質が劣悪な場合)、符号多重されないDMRSポートの組み合わせを設定する。一方、設定部102は、端末200の受信品質が所定の基準を満たす場合(受信品質が良好な場合)、符号多重されるDMRSポートの組み合わせを設定する。設定されたDMRSアンテナポートを示す情報(DMRSアンテナポート情報)は、DMRS生成部103及びマッピング部105へ出力されるとともに、制御信号として誤り訂正符号化部104に出力される。DMRSアンテナポート情報は、例えば、上位レイヤ(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング)を介して端末200に通知される。なお、設定部102におけるDMRSポートの設定処理の詳細については後述する。
【0043】
DMRS生成部103は、設定部102から入力されるDMRSポート情報に基づいて、DMRSを生成し、生成したDMRSをマッピング部105に出力する。
【0044】
誤り訂正符号化部104は、送信データ信号(DLデータ信号)、及び、設定部102から受け取る制御信号を入力とし、入力された信号を誤り訂正符号化し、マッピング部105へ出力する。例えば、誤り訂正符号化部104は、ePDCCHにおいて送信する制御情報に対して、ePDCCHにおけるアグリゲーションレベル(Aggregation level)と、設定部102から入力されるDMRSポート情報とに基づいて算出される符号化率を用いて誤り訂正符号化を行う。
【0045】
マッピング部105は、設定部102から入力されるDMRSポート情報に基づいて、誤り訂正符号化部104から受け取る信号及びDMRS生成部103から受け取るDMRSを各リソースにマッピングし、各リソースにマッピングされた信号を変調部106に出力する。
【0046】
変調部106は、マッピング部105から受け取る信号に対して変調処理を施し、変調後の信号をプリコーディング部107へ出力する。
【0047】
プリコーディング部107は、ePDCCH又はPDCCHで送信される信号に対してアンテナポート毎にプリコーディング処理を行う。プリコーディング部107は、プリコーディング処理後の信号を信号割当部108へ出力する。
【0048】
信号割当部108は、割当情報生成部101から受け取る割当情報(DL assignment及びUL grant)を、ePDCCH又はPDCCHに割り当てる。また、信号割当部108は、プリコーディング部107から受け取る信号を、割当情報生成部101から受け取る割当情報(DL assignment)に対応する下り回線リソースに割り当てる。
【0049】
こうして割当情報及び信号が所定のリソースに割り当てられることにより、送信信号が形成される。形成された送信信号は、アンテナポート毎に送信部109へ出力される。
【0050】
送信部109は、入力信号に対してアップコンバート等の無線送信処理を施し、各アンテナポートを介して端末200へ送信する。こうしてDMRS生成部103で生成されたDMRSは、設定部102で設定されたDMRSアンテナポートから送信される。
【0051】
受信部110は、端末200から送信された信号をアンテナを介して受信し、復調部111へ出力する。具体的には、受信部110は、割当情報生成部101から受け取ったUL grantが示すリソースに対応する信号を受信信号から分離し、分離された信号に対してダウンコンバート等の受信処理を施した後に復調部111へ出力する。
【0052】
復調部111は、入力信号に対して復調処理を施し、得られた信号を誤り訂正復号部112へ出力する。
【0053】
誤り訂正復号部112は、入力信号を復号し、端末200からの受信データ信号を得る。受信データ信号のうち、上述した端末200の受信品質に関する情報は設定部102に出力される。
【0054】
[端末200の構成]
図5は、本実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図5において、端末200は、受信部201と、信号分離部202と、復調部203と、誤り訂正復号部204と、制御信号処理部205と、誤り訂正符号化部206と、変調部207と、信号割当部208と、送信部209とを有する。
【0055】
受信部201は、基地局100から送信された信号をアンテナを介して受信し、ダウンコンバート等の受信処理を施した後に信号分離部202へ出力する。受信信号には、端末200向けのePDCCHにおいてDMRSに割り当てられるアンテナポートを示すDMRSアンテナポート情報が含まれる。当該DMRSアンテナポート情報は、例えば、上位レイヤで通知される。また、受信信号には、基地局100のアンテナポートのいずれかを介して送信されたDMRSが含まれる。
【0056】
信号分離部202は、誤り訂正復号部204から入力されるePDCCHの割当情報、DMRSアンテナポート情報を参照して、受信部201から入力される受信信号の中から、制御信号を抽出し、抽出した制御信号を制御信号処理部205に出力する。また、信号分離部202は、受信部201から入力される受信信号の中から、制御信号処理部205から入力されるDL assignmentが示すデータリソースに対応する信号(つまり、DLデータ信号)を抽出し、抽出した信号を復調部203に出力する。
【0057】
復調部203は、信号分離部202から出力されたデータ信号を復調し、当該復調された信号を誤り訂正復号部204へ出力する。
【0058】
誤り訂正復号部204は、復調部203から出力された信号を復号し、得られた受信データ信号を出力する。誤り訂正復号部204は、受信データ信号のうち、基地局100から上位レイヤによって通知されたePDCCHの割当情報、DMRSアンテナポート情報を信号分離部202及び制御信号処理部205へ出力する。
【0059】
制御信号処理部205は、誤り訂正復号部204から入力されるePDCCHの割当情報、DMRSアンテナポート情報を参照して、受信信号に含まれたDMRSを用いて、信号分離部202から受け取る制御信号である各PDCCH又は各ePDCCHに対してブラインド復号を行うことにより、自機宛の制御信号(DL assignment又はUL grant)を検出する。制御信号処理部205は、検出した自機宛のDL assignmentを信号分離部202へ出力し、検出した自機宛のUL grantを信号割当部208へ出力する。
【0060】
誤り訂正符号化部206は、送信データ信号(ULデータ信号)を入力とし、その送信データ信号を誤り訂正符号化し、変調部207へ出力する。なお、送信データ信号には、上述したメジャメントレポート及びCQI値などの、端末200の受信品質に関する情報が含まれる。
【0061】
変調部207は、誤り訂正符号化部206から出力された信号を変調し、変調信号を信号割当部208へ出力する。
【0062】
信号割当部208は、変調部207から出力された信号を、制御信号処理部205から受け取るUL grantに従って割り当て、送信部209へ出力する。
【0063】
送信部209は、入力信号に対してアップコンバート等の送信処理を施し、送信する。
【0064】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200の動作について説明する。
【0065】
まず、上述したように、DMRSアンテナポートとして設定される2つのアンテナポートの組み合わせとして、符号多重されないアンテナポート7,9を用いる場合について詳細に説明する。
【0066】
図6Aは、符号多重されないアンテナポート7,9にDMRSを割り当てる場合のリソース配置を示す。
図6Aに示すように、アンテナポート7,9に割り当てられるDMRS(DMRS(port 7)及びDMRS(port 9))は異なるRE(異なる周波数)に配置される。すなわち、符号多重されないアンテナポートの組み合わせは、割り当てられるDMRSが異なるREに配置されるアンテナポートの組み合わせである。これにより、
図6Bに示すように、異なる周波数リソースにそれぞれ配置されるDMRSに対してパワーブースティングを適用することができる。例えば、
図6Bでは、アンテナポート7,9(
図6BではTx#1又はTx#2)にそれぞれ割り当てられるDMRS1,2の送信電力がデータ信号の送信電力の2倍に設定される。これにより、符号多重されないアンテナポート7,9にDMRSを割り当てる場合には、チャネル推定精度を改善することができる。
【0067】
ただし、
図6Aに示すように、アンテナポート7に割り当てられるDMRSは、
図1に示すアンテナポート7のRE(PRBペア当り12RE)に配置される。同様に、アンテナポート9に割り当てられるDMRSは、
図1に示すアンテナポート9のRE(PRBペア当り12RE)に配置される。つまり、
図6AにおいてDMRSはPRBペア当り24REのREに配置され、アンテナポート7,8にDMRSを割り当てる場合(
図1参照)の2倍のリソースが必要となる。よって、
図6Aに示すように、符号多重されないアンテナポート7,9にDMRSを割り当てる場合には、DMRS用のリソース量(RE数)が比較的多くなる分、ePDCCH用のリソース量(RE数)を多く確保できないので、ePDCCHのRE総数に対するePDCCHにおける送信情報量[bit]の割合で示されるePDCCHの符号化率が上昇し、端末200の受信特性が劣化してしまう。
【0068】
これに対して、DMRSアンテナポートとして設定される2つのアンテナポートの組み合わせとして、符号多重されるアンテナポート7,8を用いる場合について考える。
【0069】
図7Aは、符号多重されるアンテナポート7,8にDMRSを割り当てる場合のリソース配置を示す。
図7Aに示すように、DMRS(DMRS(port 7)及びDMRS(port 8))は、符号多重されるアンテナポート7,8に割り当てられるので、
図7AにおいてDMRSはPRBペア当り12REのREに配置される。つまり、
図7Aに示すように、符号多重されるアンテナポート7,8にDMRSを割り当てることで、符号多重されないアンテナポート7,9にDMRSを割り当てる場合(
図6A)と比較して、DMRS用のリソース量を減少させることができる分、ePDCCH用のリソース量(RE数)をより多く確保できる。
【0070】
例えば、ePDCCHでは、各PRBペア(例えば
図1参照)を複数のリソースに分割することが検討されている。RBペア内で分割されたリソースをCCE(control channel elements)と呼ぶ。また、ePDCCHの変調方式はQPSKで固定されているとする。よって、ePDCCHでは、DMRSとePDCCHとにそれぞれ割り当てられるRE数に依存してePDCCHの符号化率が異なる。一例として、ePDCCHにおいて1つのCCEを構成するRE数を32REsとする。この場合、
図6Aと同様にアンテナポート7,9にDMRSを割り当てる場合、各CCEにおいてDMRSに使用されるREを4REsとすると、当該CCEにおいてePDCCHに使用されるREは残りの28REsとなる。一方、
図7Aと同様にアンテナポート7,8にDMRSを割り当てる場合、各CCEにおいてDMRSに使用されるREを2REsとすると、当該CCEにおいてePDCCHに使用されるREは残りの30REsとなる。つまり、
図7Aのようにしてアンテナポート7,8にDMRSを割り当てる場合には、
図6Aと比較して、ePDCCHの符号化率が低くなり、符号化利得を改善できるので、端末200の受信特性を向上させることができる。
【0071】
ただし、
図7Aに示すように、アンテナポート7,8に割り当てられるDMRS(DMRS(port 7)及びDMRS(port 8))は同一RE(同一周波数)に配置される。すなわち、符号多重されるアンテナポートの組み合わせは、割り当てられるDMRSが同一REに配置されるアンテナポートの組み合わせである。このため、全アンテナポートの総送信電力を一定(例えば、
図6Bと同様、最大でアンテナポートあたりのデータ信号の送信電力の2倍)とした場合には、
図7Bに示すように、DMRSに対してパワーブースティングを適用することができない。このため、符号多重されるアンテナポート7,8にDMRSを割り当てる場合には、チャネル推定精度を改善することができない。
【0072】
このように、
図6Aと
図7Aとを比較すると、
図6Aのように符号多重されないアンテナポート7,9にDMRSを割り当てる場合には、符号化利得を得にくいものの、チャネル推定精度を改善することができる。一方、
図7Aのように符号多重されるアンテナポート7,8にDMRSを割り当てる場合には、チャネル推定精度を改善することができないものの、符号化利得を改善できる。
【0073】
ここで、
図8は、
図6A及び
図7Aにおいて、DMRSを考慮したePDCCHの符号化率を表す「送信情報量/ePDCCH用のRE総数」(横軸)と、所要SNR(縦軸)との関係を示す。
図8では、アンテナポート7,9をDMRSに割り当てる場合(
図6A)の特性を実線で表し、アンテナポート7,8をDMRSに割り当てる場合(
図7A)の特性を破線で表す。
【0074】
図8に示す符号化率が高い領域では、端末200の受信品質(例えばSNR)が良好であることが想定される。すなわち、
図8に示す符号化率が高い領域では、アンテナポート7,9にDMRSを割り当てる場合(実線)及びアンテナポート7,8にDMRSを割り当てる場合(破線)の双方においてチャネル推定精度が良好であることが想定される。よって、
図8に示す符号化率が高い領域では、端末200の受信特性を向上させるためには、チャネル推定精度の改善効果を得ることよりも、1CCEあたりのePDCCH用のRE数を増加させて符号化率を低くして、符号化利得を得ることの方が効果的である。以上より、
図8に示す符号化率が高い領域では、アンテナポート7,9にDMRSを割り当てる場合(実線)と比較して、アンテナポート7,8にDMRSを割り当てる場合(破線)の方が、同一符号化率における所要SNRがより低くなる(符号化率が高い領域において実線の楕円で囲まれた部分)。
【0075】
一方、
図8に示す符号化率が低い領域では、端末200の受信品質(例えばSNR)が劣悪であることが想定される。すなわち、
図8に示す符号化率が低い領域では、アンテナポート7,9にDMRSを割り当てる場合(実線)及びアンテナポート7,8にDMRSを割り当てる場合(破線)の双方においてチャネル推定精度が劣悪であることが想定される。また、
図8に示すように、符号化率が低い領域では、符号化率が高い領域と比較して、符号化率の変化に対する所要SNRの変化の度合が小さい。よって、
図8に示す符号化率が低い領域では、端末200の受信特性を向上させるためには、符号化率を多少高くしてでも、チャネル推定精度を向上させた方が効果的である。以上より、
図8に示す符号化率が低い領域では、アンテナポート7,8にDMRSを割り当てる場合(破線)と比較して、アンテナポート7,9にDMRSを割り当てる場合(実線)の方が、同一符号化率における所要SNRがより低くなる(符号化率が低い領域において実線の楕円で囲まれた部分)。
【0076】
つまり、
図8に示す符号化率が低い領域(すなわち、劣悪な受信品質が想定される場合)において、符号多重されないアンテナポート7,9にDMRSを割り当てて、パワーブーストを適用することにより、端末200の受信特性を向上させることがより効果的である。これに対して、
図8に示す符号化率が高い領域(すなわち、良好な受信品質が想定される場合)において、符号多重されるアンテナポート7,8にDMRSを割り当てて、DMRSのオーバヘッドを低減し、符号化率を低下させることにより、端末200の受信特性を向上させることがより効果的である。
【0077】
このように、本実施の形態では、PRBペア内において、DMRSとePDCCHとにそれぞれ割り当てられるREの適切な数が、端末200の受信品質(ePDCCHの符号化率(SNRの領域))によって異なることを着眼点としている。
【0078】
そこで、本実施の形態では、基地局100は、端末200の受信品質に基づいて、ePDCCHにおけるDMRSアンテナポート(DMRSのリソース位置)を設定する。具体的には、基地局100(設定部102)は、端末200の受信品質が所定の基準を満たす場合(受信品質が良好である場合)には、DMRSアンテナポートとして、符号多重されるアンテナポート7,8を設定する。一方、基地局100(設定部102)は、端末200の受信品質が所定の基準を満たさない場合(受信品質が劣悪である場合)には、DMRSアンテナポートとして、符号多重されないアンテナポート7,9を設定する。
【0079】
DMRSアンテナポートに設定されたアンテナポートの組み合わせを示すDMRSアンテナポート情報が基地局100から端末200へ通知される。
【0080】
一方、端末200において、制御信号処理部205は、基地局100から通知されるDMRSアンテナポート情報に基づいて、DMRSが割り当てられたアンテナポート(リソース位置)を特定するとともに、ePDCCHが配置されたリソースを特定する。具体的には、制御信号処理部205は、端末200の受信品質に基づいて、符号多重されるアンテナポート7,8、及び、符号多重されないアンテナポート7,9のいずれかを、DMRSアンテナポートとして、DMRSを特定する。すなわち、制御信号処理部205は、端末200の受信品質が所定の基準を満たす場合(受信品質が良好である場合)には、符号多重されるアンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとしてDMRSを復調する。一方、制御信号処理部205は、端末200の受信品質が所定の基準を満たさない場合(受信品質が劣悪である場合)には、符号多重されないアンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとしてDMRSを復調する。
【0081】
このように、本実施の形態では、基地局100は、端末200の受信品質に基づいてDMRSアンテナポート(リソース位置)を選択する。これにより、端末200の受信品質が良好(高SNR)である場合には符号化利得の向上により端末200の受信特性を改善し、端末200の受信品質が劣悪(低SNR)である場合にはチャネル推定精度の向上により端末200の受信特性を改善することができる。
【0082】
よって、本実施の形態によれば、ePDCCHにおいて2つのアンテナポートを用いた送信ダイバーシチを行う場合に端末200の受信特性を向上させることができる。
【0083】
なお、本実施の形態では、符号多重されるアンテナポート7,8がDMRSアンテナポートとして設定された場合に、例えば、DMRSアンテナポートとして使用されないアンテナポート9,10に対応するリソース(RE)を端末200のePDCCH用のリソースとして用いる場合について説明した。しかし、DMRSアンテナポートとして使用されないアンテナポート9,10に対応するリソースは、端末200のePDCCH用のリソースとして用いる場合に限定されない。
【0084】
例えば、リソース利用効率の向上のため、同一PRBペア内で複数のePDCCHを多重できることが求められている。例えば、
図9は1PRBペアを4つのCCE1〜4に分割する例を示す。この場合、基地局100が同一PRBペア内で複数の端末向けのePDCCHを多重して送信することが考えられる。ただし、送信方法が異なる複数の端末向けのePDCCHを同一PRBペア内で多重する際、DMRSアンテナポートの設定によっては各端末の受信特性に影響を与えてしまう場合がある。以下、具体的に説明する。
【0085】
ここでは、例えば、端末Aに対して2アンテナポート送信ダイバーシチが設定され、端末Bに対して1アンテナポート送信が設定される場合について説明する。
【0086】
例えば、端末Aに対するDMRSアンテナポートとして、符号多重されないアンテナポート7,9が使用される場合、端末Bに対するDMRSアンテナポートとしては、アンテナポート8又は10を用いる必要がある。この場合、端末BがDMRSアンテナポートとしてアンテナポート8又は10のいずれを用いても、端末Aと端末Bとの間では、同一REにおいてDMRSが配置され、符号多重される。このため、端末A及び端末Bの各々のDMRSアンテナポート設定のみを考慮するとパワーブーストが適用可能であるものの、端末A及び端末Bの双方のDMRSアンテナポート設定を考慮するとパワーブーストを適用できない。このため、端末A及び端末Bに対するDMRSの送信電力を下げる必要がある。よって、
図10Aに示すように、端末A及び端末Bを多重する場合(破線)には、端末A及び端末Bを多重しない場合(実線)と比較して、チャネル推定精度が劣化し、各端末のBER(Bit Error Rate)特性が劣化する。
【0087】
一方、端末Aに対するDMRSアンテナポートとして、符号多重されるアンテナポート7,8が使用される場合、端末Bに対するDMRSアンテナポートとしては、アンテナポート9又は10を用いる必要がある。この場合、端末Aと端末Bとの間では、異なるREにおいてDMRSが配置されるので、互いに符号多重されない。このため、端末A及び端末Bの双方に対してパワーブーストが適用可能となるので、端末A及び端末Bに対するDMRSの送信電力を下げる必要はない。よって、
図10Bに示すように、端末A及び端末Bを多重する場合(破線)でも、端末A及び端末Bを多重しない場合(実線)と比較して、チャネル推定精度を維持し、各端末のBER特性を維持することができる。
【0088】
そこで、基地局100(設定部102)は、端末A(端末200)に対して符号多重されないアンテナポート7,8を設定する場合、アンテナポート7,8以外の他のアンテナポート9,10のいずれか1つを、1アンテナポート送信が設定された他の端末B向けの信号の送信に用いられるアンテナポートとして設定してもよい。こうすることで、各端末向けのePDCCHは、端末間で符号多重されないDMRSアンテナポートを使用して送信されるため、パワーブーストが適用可能となり、互いにDMRSの送信電力を下げる必要が無い。このため、各端末では、複数の端末が多重されない場合と同等のチャネル推定精度を維持することができる。
【0089】
また、本実施の形態において、複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を束ねて使用するキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)が適用されている場合、基地局100は、端末200を割り当て可能なCC毎の受信品質に基づいて、ePDCCHにおけるDMRSアンテナポートを設定する。具体的には、設定部102は、誤り訂正復号部112から入力される、各端末200から報告された端末200を割り当て可能なCC毎の受信品質に関する情報を用いて、端末200のePDCCHを送信するCCの受信品質が所定の基準を満たす場合(受信品質が良好である場合)には、DMRSアンテナポートとして、符号多重されるアンテナポート7,8を設定する。一方、設定部102は、端末200のePDCCHを送信するCCの受信品質が所定の基準を満たさない場合(受信品質が劣悪である場合)には、DMRSアンテナポートとして、符号多重されないアンテナポート7,9を設定する。そして、DMRSアンテナポートとして設定されたアンテナポートの組み合わせを示すDMRSアンテナポート情報が基地局100から端末200へCC単位でのRRCシグナリングによって通知される。一方、端末200において、制御信号処理部205は、基地局100から通知された、ePDCCHが送信されるCCのDMRSアンテナポート情報に基づいて、DMRSが割り当てられたアンテナポート(リソース位置)を特定し、受信処理を行う。これにより、CC毎にDMRSアンテナポートを切り換えることができ、CC毎に異なるDMRSアンテナポートの運用を行うことが可能となる。
【0090】
また、本実施の形態において、基地局100は、DMRSアンテナポート情報を端末200へ通知せずに、端末200が、DMRSアンテナポートがアンテナポート7,8である場合及びアンテナポート7,9である場合の双方を仮定して復調処理を行った上で、制御信号の抽出(ブラインド復号)を行ってもよい。これにより、DMRSアンテナポート情報の通知が不要となる。
【0091】
また、本実施の形態において、DMRSアンテナポート情報の明示的な通知をRRC(Radio Resource Control)シグナリングによって行う場合、端末200は、当該シグナリングを受け取った直後の所定期間では、当該シグナリング前に通知されているDMRSアンテナポート情報を用いてもよい。これは、シグナリング後の所定期間は、基地局100において基地局100からのシグナリング内容を端末200が反映したか否かを確定的に認識することができない期間(不確定期間)に相当するためである。すなわち、端末200は、当該シグナリングを受け取った直後の所定期間(不確定期間)では、例外処理として、シグナリング前のDMRSアンテナポート情報を用いる。こうすることで、基地局100は、シグナリング直後の不確定期間においても上り回線信号を正しく受信することができる。なお、端末200は、上記不確定区間において、DMRSアンテナポート情報を用いずに、DMRSアンテナポートがアンテナポート7,8である場合及びアンテナポート7,9である場合の双方を仮定して復調処理を行った上で、制御信号の抽出(ブラインド復号)を行ってもよい。こうすることで、基地局100は、シグナリング直後の不確定期間においても、最新のDMRSアンテナポート情報に基づく上り回線信号を正しく受信することができる。
【0092】
[実施の形態2]
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4,
図5を援用して説明する。
【0093】
本実施の形態では、設定部102で生成される受信品質情報として、ePDCCHにおいて端末200に設定されたアグリゲーションレベルを用いる。
【0094】
アグリゲーションレベルは、ePDCCHの送信に使用されるCCE数(リソース量)を表す。よって、端末200の受信品質が劣悪である場合には符号化率を低くするために、アグリゲーションレベルは高く設定される。一方、端末200の受信品質が良好である場合には符号化率を高くするために、アグリゲーションレベルは低く設定される。
【0095】
そこで、基地局100において、設定部102は、端末200のアグリゲーションレベルに応じて、当該端末200に使用するDMRSポートを設定する。具体的には、設定部102は、アグリゲーションレベルが所定の閾値NA以上の場合(受信品質が劣悪な場合)、DMRSアンテナポートとして、符号多重されないアンテナポート7,9を設定する。また、設定部102は、アグリゲーションレベルが所定の閾値NA未満の場合(受信品質が良好な場合)、DMRSアンテナポートとして、符号多重されるアンテナポート7,8を設定する。
【0096】
なお、端末200は所定のアグリゲーションレベルについて、ブラインド復号を行う。そこで、端末200において、制御信号処理部205は、ブラインド復号を行うアグリゲーションレベルに基づいて、DMRSが割り当てられたアンテナポート(リソース位置)を特定するとともに、ePDCCHが配置されたリソースを特定する。すなわち、端末200は、アグリゲーションレベルが所定の閾値NA以上の場合(受信品質が劣悪な場合)、符号多重されないアンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとして特定する。また、端末200は、アグリゲーションレベルが所定の閾値NA未満の場合(受信品質が良好な場合)、符号多重されるアンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとして特定する。
【0097】
なお、端末200に設定されるアグリゲーションレベルは上位レイヤシグナリング等で基地局100が端末200に予め通知しても良い。これにより、端末200では、ブラインド復号回数を削減することができる。
【0098】
一例として、アグリゲーションレベルとしてレベル1、2、4、8の4つのレベルを有する場合について説明する(例えば、非特許文献1参照)。また、所定の閾値NAを2とする。
【0099】
端末200のアグリゲーションレベルが1の場合、アグリゲーションレベルが閾値NA未満であるので、設定部102は、DMRSアンテナポートとして、アンテナポート7,8を設定する。これにより、例えば、基地局100は、端末200に対して、残りのアンテナポート9,10に対応するリソースにデータ信号を割り当てることで、ePDCCHの符号化率を低くすることが可能となる。つまり、DMRSに使用されるリソース量を低減し、符号化利得を改善することができる。また、アグリゲーションレベルが1の場合には端末200の受信品質が良好であることが想定される。このため、DMRSに対してパワーブーストが適用されなくても端末200では良好なチャネル推定精度を確保することができる。
【0100】
一方、端末200のアグリゲーションレベルが8の場合、アグリゲーションレベルが閾値NA以上であるので、設定部102は、DMRSアンテナポートとして、アンテナポート7,9を設定する。アグリゲーションレベルが8の場合(つまり、符号化率が低い場合)には、端末200の受信品質が劣悪であることが想定される。このため、アグリゲーションレベルが8の場合には、DMRSに対してパワーブーストを適用することで端末200ではチャネル推定精度を向上させることができる。アグリゲーションレベルが2,4の場合も同様である。
【0101】
このようにして、本実施の形態では、基地局100は、端末200に設定されるアグリゲーションレベルに基づいてDMRSアンテナポート(リソース位置)を選択する。これにより、アグリゲーションレベルが低い場合(受信品質が良好。高SNR)には符号化利得の向上により端末200の受信特性を改善し、アグリゲーションレベルが高い場合(受信品質が劣悪。低SNR)にはチャネル推定精度の向上により端末200の受信特性を改善することができる。よって、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、ePDCCHにおいて2つのアンテナポートを用いた送信ダイバーシチを行う場合に端末200の受信特性を向上させることができる。
【0102】
また、本実施の形態によれば、さらに、DMRSアンテナポートの設定基準として、アグリゲーションレベルを用いる。つまり、本実施の形態では、端末200は所定のアグリゲーションレベルについて、対応するDMRSアンテナポートを用いて復調処理及びブラインド復号を行うため、基地局100から端末200へのDMRSアンテナポート情報の通知が不要となる。また、アグリゲーションレベルが基地局100から端末200へ予め通知される場合は、端末200のブラインド復号回数を削減できる。
【0103】
[実施の形態3]
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4,
図5を援用して説明する。
【0104】
本実施の形態では、設定部102で生成される受信品質情報として、端末200から報告されるCQI値(例えば最新のCQI値)を用いる。
【0105】
端末200から報告されるCQI値は端末200の受信品質に応じた値が設定される。ここでは、CQI値が大きいほど、端末200の受信品質が良好であることを表す。例えば、CQI値が所定値未満の場合、端末200の受信品質は劣悪であり、CQI値が所定値以上の場合、端末200の受信品質は良好である。
【0106】
基地局100において、設定部102は、端末200から報告されるCQI値に応じて、当該端末200に使用するDMRSポートを設定する。具体的には、設定部102は、端末200から報告される最新のCQI値が所定の閾値NC未満の場合(受信品質が劣悪な場合)、DMRSアンテナポートとして、符号多重されないアンテナポート7,9を設定する。また、設定部102は、端末200から報告される最新のCQI値が閾値NC以上の場合(受信品質が良好な場合)、DMRSアンテナポートとして、符号多重されるアンテナポート7,8を設定する。
【0107】
一方、端末200において、制御信号処理部205は、基地局100へ報告した最新のCQI値に基づいて、DMRSが割り当てられたアンテナポート(リソース位置)を特定するとともに、ePDCCHが配置されたリソースを特定する。すなわち、端末200は、最新のCQI値が所定の閾値NC未満の場合(受信品質が劣悪な場合)、符号多重されないアンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとして特定する。また、端末200は、最新のCQI値が閾値NC以上の場合(受信品質が良好な場合)、符号多重されるアンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとして、特定する。
【0108】
このようにして、本実施の形態では、基地局100は、端末200から報告されるCQI値に基づいてDMRSアンテナポート(リソース位置)を選択する。これにより、CQI値が大きい場合(受信品質が良好。高SNR)には符号化利得の向上により端末200の受信特性を改善し、CQI値が小さい場合(受信品質が劣悪。低SNR)にはチャネル推定精度の向上により端末200の受信特性を改善することができる。よって、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、ePDCCHにおいて2つのアンテナポートを用いた送信ダイバーシチを行う場合に端末200の受信特性を向上させることができる。
【0109】
また、本実施の形態によれば、さらに、DMRSアンテナポートの設定基準として、端末200から基地局100へ報告されるCQI値を用いる。つまり、本実施の形態では、DMRSアンテナポートの設定基準として、基地局100と端末200との間で共通の情報を用いるため、基地局100から端末200へのDMRSアンテナポート情報の通知が不要となる。
【0110】
[実施の形態4]
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4,
図5を援用して説明する。
【0111】
本実施の形態では、設定部102で生成される受信品質情報として、1PRBペアを構成する複数のCCEのうち、端末200に使用されるCCE数、つまり、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数を用いる。
【0112】
端末200の受信品質が劣悪である場合には符号化率を低くするために、端末200向けの信号はより多くのCCEを用いて送信されることが想定される。一方、端末200の受信品質が良好である場合には符号化率を高くするために、端末200向けの信号はより少ないCCEを用いて送信されることが想定される。
【0113】
そこで、基地局100において、設定部102は、端末200向けの送信に使用される1PRBペアあたりのCCE数に応じて、当該端末200に使用するDMRSポートを設定する。具体的には、設定部102は、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が所定の閾値N以上の場合(受信品質が劣悪な場合)、DMRSアンテナポートとして、符号多重されないアンテナポート7,9を設定する。また、設定部102は、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が閾値N未満の場合(受信品質が良好な場合)、DMRSアンテナポートとして、符号多重されるアンテナポート7,8を設定する。
【0114】
なお、端末200は、1PRBペアあたりの当該端末200が使用するCCE数を予め認識して、制御信号のブラインド復号を行う。すなわち、端末200は、DMRSアンテナポートの設定基準である1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数を予め把握している。そこで、端末200において、制御信号処理部205は、当該端末200に設定された1PRBペアあたりのCCE数に基づいて、DMRSが割り当てられたアンテナポート(リソース位置)を特定するとともに、ePDCCHが配置されたリソースを特定する。すなわち、端末200は、1PRBペアあたりのCCE数が所定の閾値N以上の場合(受信品質が劣悪な場合)、符号多重されないアンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとして特定する。また、端末200は、1PRBペアあたりのCCE数が閾値N未満の場合(受信品質が良好な場合)、符号多重されるアンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとして特定する。
【0115】
一例として、
図9に示すように、1PRBペアが4つのCCE1〜4に分割される場合について説明する。また、所定の閾値Nを4とする。
【0116】
1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が1〜3個のいずれかである場合、CCE数が閾値N未満であるので、設定部102は、DMRSアンテナポートとして、アンテナポート7,8を設定する。上述したように、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が1〜3の場合、端末200の受信品質が良好であることが想定される。このため、DMRSアンテナポートとして、アンテナポート7,8が設定されることで、実施の形態1と同様、端末200において良好なチャネル推定精度を確保しつつ、符号化利得を改善することが可能となる。
【0117】
また、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が1〜3個のいずれかである場合、当該PRBペアにおいて、端末200に対して使用されるCCE以外の残りの1CCEを、1アンテナポート送信が設定された他の端末に対して割り当てられる可能性が高くなる。すなわち、基地局100は、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が閾値N未満の場合、端末200に対してDMRSアンテナポートとして設定された、符号多重されるアンテナポート7,8以外の符号多重されないアンテナポート9,10と、端末200に使用されない残りのCCEとを用いて、1アンテナポート送信が設定された他の端末に対してDMRSを送信することが可能となる。これにより、端末200向けのDMRS及び上記他の端末向けのDMRSのそれぞれに対してパワーブーストが適用可能となるので、多重時のDMRSの送信電力低下によるチャネル推定精度の劣化(例えば
図10A参照)を防ぐことができる。
【0118】
一方、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が4個の場合、CCE数が閾値N以上であるので、設定部102は、DMRSアンテナポートとして、アンテナポート7,9を設定する。これにより、端末200向けのDMRSに対してパワーブーストを適用することで端末200におけるチャネル推定精度を向上させることができる。なお、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が閾値N以上の場合、当該PRBペアにおいて、端末200に対して使用されるCCE以外の残りのCCEを、1アンテナポート送信が設定された他の端末に対して割り当てられる可能性は低い。特に、ここでは、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が4個の場合、1PRBペア内の全てのCCEが端末200に対して使用され、他の端末に対してリソースを割り当てることができない。このため、端末200に対するDMRSアンテナポートとして、符号多重されないアンテナポート7,9を設定する場合には、複数の端末が多重される際のDMRSの送信電力低下によるチャネル推定精度の劣化(例えば
図10A参照)が発生する可能性がない。
【0119】
なお、基地局100から端末200に対して、上位レイヤを介して、DMRSアンテナポートとしてアンテナポート7,8を使用するように指示されていた場合でも、上記例のように、端末200が1PRBペア内の全てのCCEを占有する場合には、当該PRBペア内に他の端末向けの信号を多重する余地が無い。そこで、基地局100は、端末200が1PRBペア内の全てのCCEを占有する場合には、上位レイヤによる通知に依らず、端末200に対して、チャネル推定精度の改善が見込めるDMRSアンテナポート(例えばアンテナポート7,9)を設定すればよい。
【0120】
このようにして、本実施の形態では、基地局100は、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数に基づいてDMRSアンテナポート(リソース位置)を選択する。これにより、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が少ない場合(受信品質が良好。高SNR)には符号化利得の向上により端末200の受信特性を改善し、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が多い場合(受信品質が劣悪。低SNR)にはチャネル推定精度の向上により端末200の受信特性を改善することができる。よって、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、ePDCCHにおいて2つのアンテナポートを用いた送信ダイバーシチを行う場合に端末200の受信特性を向上させることができる。
【0121】
また、本実施の形態によれば、さらに、DMRSアンテナポートの設定基準として、端末200が予め把握しているパラメータである1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数を用いる。つまり、本実施の形態では、DMRSアンテナポートの設定基準として、基地局100と端末200との間で共通の情報を用いるため、基地局100から端末200へのDMRSアンテナポート情報の通知が不要となる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数が少ない場合には、端末200に対するDMRSアンテナポートとして、符号多重されるアンテナポートを用いる。こうすることで、2アンテナポート送信が設定される端末と、1アンテナポート送信が設定される端末とが多重可能な場合でも、多重による双方の端末のチャネル推定精度の劣化(例えば
図10A参照)を回避できるように2アンテナポート送信が設定された端末に対するDMRSアンテナポートを選択できるので、リソース利用効率を向上させることができる。
【0123】
[実施の形態5]
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4,
図5を援用して説明する。
【0124】
本実施の形態では、設定部102で生成される受信品質情報として、端末200に設定されるサブフレームがlow power ABSであるか通常のサブフレーム(ノーマルサブフレーム。又は、non ABSと呼ぶこともある)であるかを示す情報を用いる。
【0125】
low power ABSは、セル間干渉の低減を目的として、ノーマルサブフレームよりも低い電力を用いてePDCCH又はPDSCHが送信されるサブフレームである。よって、low power ABSが設定される端末200の受信品質は、ノーマルサブフレームが設定される端末200の受信品質よりも劣悪であることが想定される。すなわち、本実施の形態では、端末200にlow power ABSが設定される場合、端末200の受信品質が劣悪であり、端末200にノーマルサブフレームが設定される場合、端末200の受信品質が良好であることが想定される。
【0126】
そこで、基地局100において、設定部102は、端末200に設定されるサブフレームに応じて、当該端末200に使用するDMRSポートを設定する。具体的には、設定部102は、端末200に設定されるサブフレームがlow power ABSである場合(受信品質が劣悪な場合)、DMRSアンテナポートとして、符号多重されないアンテナポート7,9を設定する。また、設定部102は、端末200に設定されるサブフレームがノーマルサブフレームの場合(受信品質が良好な場合)、DMRSアンテナポートとして、符号多重されるアンテナポート7,8を設定する。
【0127】
なお、端末200に設定されるサブフレームがlow power ABSであるかノーマルサブフレームであるかを指示する情報は、基地局100から端末200に対して予め通知されている。そこで、端末200において、制御信号処理部205は、通知されている情報に示されるサブフレームの種類に基づいて、DMRSが割り当てられたアンテナポート(リソース位置)を特定するとともに、ePDCCHが配置されたリソースを特定する。すなわち、端末200は、low power ABSが設定されている場合(受信品質が劣悪な場合)には、符号多重されないアンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとして特定する。また、端末200は、ノーマルサブフレームが設定されている場合(受信品質が良好な場合)、符号多重されるアンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとして特定する。
【0128】
このようにして、本実施の形態では、基地局100は、端末200に設定されるサブフレームの種類に基づいてDMRSアンテナポート(リソース位置)を選択する。これにより、ノーマルサブフレームの場合(受信品質が良好。高SNR)には符号化利得の向上により端末200の受信特性を改善し、low power ABSの場合(受信品質が劣悪。低SNR)にはチャネル推定精度の向上により端末200の受信特性を改善することができる。よって、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、ePDCCHにおいて2つのアンテナポートを用いた送信ダイバーシチを行う場合に端末200の受信特性を向上させることができる。
【0129】
また、本実施の形態によれば、さらに、DMRSアンテナポートの設定基準として、基地局100から端末200へ予め通知されているサブフレームの情報を用いる。つまり、本実施の形態では、DMRSアンテナポートの設定基準として、基地局100と端末200との間で共通の情報を用いるため、基地局100から端末200へのDMRSアンテナポート情報の通知が不要となる。
【0130】
[実施の形態6]
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4,
図5を援用して説明する。
【0131】
本実施の形態では、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCH用のリソース(RB)とが対応付けられる。
【0132】
図11は、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCH用のリソース(RB)との対応付けの一例を示す。
図11では、DMRSアンテナポートの組み合わせとして、符号多重されるアンテナポート7,8のペア、及び、符号多重されないアンテナポート7,9のペアを用いる。
【0133】
図11に示すように、RB#1,#4,#7,#10には、アンテナポート7,9(port7,9)が対応付けられ、RB#2,#8には、アンテナポート7,8(port7,8)が対応付けられている。このように、端末200に対して割当可能な複数のRBの各々に対して、アンテナポート7,9のペア又はアンテナポート7,8のペアのいずれか一方がそれぞれ対応付けられる。
【0134】
基地局100は、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCH用のリソース(RB)との対応付けを予め設定する。そして、基地局100は、上記対応付けを上位レイヤを介して端末200へ予め通知する。これにより、上記対応付けは基地局100と端末200との間で共有される。
【0135】
基地局100は、各端末200の受信品質に基づいて、各端末200向けのePDCCHの信号の送信に用いるリソース(RB)を割り当てる。例えば、
図11では、ePDCCH1〜ePDCCH4のうち、ePDCCH1は受信品質が最も悪い端末向けのePDCCHとし、ePDCCH2は受信品質が2番目に悪い端末向けのePDCCHとし、ePDCCH3は受信品質が3番目に悪い端末向けのePDCCHとし、ePDCCH4は受信品質が最も良い端末向けのePDCCHとする。なお、
図11に示すように、受信品質が劣悪な端末(例えばePDCCH1又はePDCCH2の送信対象)は、高いアグリゲーションレベルが設定された端末とも言える。同様に、
図11に示すように、受信品質が良好な端末(例えばePDCCH3又はePDCCH4の送信対象)は、低いアグリゲーションレベルが設定された端末とも言える。
【0136】
図11に示すように、基地局100は、ePDCCH1又はePDCCH2の送信対象である端末200(受信品質が比較的劣悪な端末)に対して、RB#1,#4,#7,#10のいずれかを割り当て、ePDCCH3の送信対象である端末200(受信品質が比較的良好な端末)に対して、RB#2,RB#8のいずれかを割り当て、ePDCCH4の送信対象である端末200(受信品質が比較的良好な端末)に対して、RB#2を割り当てる。
【0137】
次いで、基地局100(設定部102)は、端末200の受信品質に基づいて割り当てたRBに対応付けられたアンテナポートを、DMRSアンテナポートとして設定する。
図11では、設定部102は、ePDCCH1又はePDCCH2の送信対象である端末200に対して、RB#1,#4,#7,#10に対応付けられたアンテナポート7,9を設定する。また、
図11では、設定部102は、ePDCCH3又はePDCCH4の送信対象である端末200に対して、RB#2,RB#8に対応付けられたアンテナポート7,8を設定する。
【0138】
このように、
図11に示すように、基地局100は、受信品質が劣悪な端末200に対して、アンテナポート7,9に対応付けられたリソース(
図11ではRB#1,#4,#7,#10のいずれか)を優先的に割り当てる。こうすることで、端末200では、実施の形態1と同様、チャネル推定精度の向上により受信特性を改善できる。一方、
図11に示すように、基地局100は、受信品質が良好な端末200に対して、アンテナポート7,8に対応付けられたリソース(
図11ではRB#2,RB#8のいずれか)を優先的に割り当てる。こうすることで、端末200では、実施の形態1と同様、符号化利得の向上により受信特性を改善できる。
【0139】
一方、端末200(制御信号処理部205)は、自機宛の制御信号(割当情報)を検出して、自機向けのePDCCHに割り当てられたリソース(RB)を特定する。そして、端末200(制御信号処理部205)は、ePDCCH用のリソースとDMRSアンテナポートとの対応付けを参照して、特定したリソースに対応付けられたアンテナポートを、DMRSアンテナポートとして特定するとともに、ePDCCHが配置されたリソースを特定する。
【0140】
例えば、
図11において、端末200は、自機向けのePDCCHに割り当てられたリソースがRB#1,#4,#7,#10のいずれかである場合、アンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとして特定する。同様に、
図11において、端末200は、自機向けのePDCCHに割り当てられたリソースがRB#2,#8のいずれかである場合、アンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとして特定する。
【0141】
こうすることで、基地局100から端末200へのDMRSアンテナポート情報の通知が不要となる。
【0142】
また、実施の形態1で説明したDMRSアンテナポート情報は上位レイヤを介して通知する必要があるので、端末200に対してDMRSアンテナポートの切替を高速に(例えばサブフレーム単位で)行うことができない。これに対して、本実施の形態では、サブフレーム単位で制御可能なリソース割当に応じてDMRSアンテナポートの切替を行うことができる。すなわち、端末200に対してDMRSアンテナポートの切替を高速に行うことが可能となる。
【0143】
また、DMRSアンテナポート情報を通知する代わりに、端末200が、DMRSアンテナポートとして取り得る全ての組み合わせ(例えば、アンテナポート7,8の組み合わせとアンテナポート7,9の組み合わせ)についてブラインド復号することが考えられる。ただし、この場合、DMRSアンテナポート情報の通知が不要になるものの、端末200での復調処理及びブラインド復号回数が増加してしまう。これに対して、本実施の形態では、端末200に割り当てられたリソースと、DMRSアンテナポートの組み合わせとが1対1で対応付けられているので、復調処理及びブラインド復号回数の増加を回避できる。
【0144】
また、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、ePDCCHにおいて2つのアンテナポートを用いた送信ダイバーシチを行う場合に端末200の受信特性を向上させることができる。
【0145】
なお、本実施の形態において、符号多重されないDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,9)に対応するRBと、符号多重されるDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,8)に対応するRBとの配分を、基地局100配下の端末200の受信品質状況に応じて変更してもよい。
【0146】
[実施の形態7]
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4,
図5を援用して説明する。
【0147】
本実施の形態では、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCHを割り当て可能なコンポーネントキャリア(CC)とが対応付けられる。
【0148】
図12は、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCHを割り当て可能なCCとの対応付けの一例を示す。
図12では、DMRSアンテナポートの組み合わせとして、符号多重されるアンテナポート7,8のペア、及び、符号多重されないアンテナポート7,9のペアを用いる。
【0149】
図12に示すように、CC#1には、アンテナポート7,9(port7,9)が対応付けられ、CC#2には、アンテナポート7,8(port7,8)が対応付けられている。このように、端末200に対して割当可能な複数のCCの各々に対して、アンテナポート7,9のペア又はアンテナポート7,8のペアのいずれか一方がそれぞれ対応付けられる。
【0150】
基地局100は、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCHを割り当て可能なCCとの対応付けを予め設定する。そして、基地局100は、上記対応付けを上位レイヤを介して端末200へ予め通知する。これにより、上記対応付けは基地局100と端末200との間で共有される。
【0151】
基地局100は、各端末200の受信品質に基づいて、各端末200向けのePDCCHの信号の送信に用いるCCを割り当てる。例えば、
図12では、ePDCCH1〜ePDCCH3のうち、ePDCCH1は受信品質が最も悪い端末向けのePDCCHとし、ePDCCH2は受信品質が2番目に悪い端末向けのePDCCHとし、ePDCCH3は受信品質が最も良い端末向けのePDCCHとする。なお、受信品質が劣悪な端末(例えばePDCCH1の送信対象)は、高いアグリゲーションレベルが設定された端末とも言える。同様に、
図12に示すように、受信品質が良好な端末(例えばePDCCH2又はePDCCH3の送信対象)は、低いアグリゲーションレベルが設定された端末とも言える。
【0152】
よって、
図12に示すように、基地局100は、ePDCCH1の送信対象である端末200(受信品質が劣悪な端末)に対してはCC#1を割り当て、ePDCCH2の送信対象である端末200(受信品質が比較的良好な端末)に対してはCC#2を割り当て、ePDCCH3の送信対象である端末200(受信品質が良好な端末)に対してはCC#2を割り当てる。
【0153】
次いで、基地局100(設定部102)は、端末200の受信品質に基づいて割り当てたCCに対応付けられたアンテナポートを、DMRSアンテナポートとして設定する。
図12では、設定部102は、ePDCCH1の送信対象である端末200に対して、CC#1に対応付けられたアンテナポート7,9を設定する。また、
図12では、設定部102は、ePDCCH2又はePDCCH3の送信対象である端末200に対して、CC#2に対応付けられたアンテナポート7,8を設定する。
【0154】
このように、
図12に示すように、基地局100は、受信品質が劣悪な端末200に対して、アンテナポート7,9に対応付けられたリソース(
図12ではCC#1)を優先的に割り当てる。こうすることで、端末200では、実施の形態1と同様、チャネル推定精度の向上により受信特性を改善できる。一方、
図12に示すように、基地局100は、受信品質が良好な端末200に対して、アンテナポート7,8に対応付けられたリソース(
図12ではCC#2)を優先的に割り当てる。こうすることで、端末200では、実施の形態1と同様、符号化利得の向上により受信特性を改善できる。
【0155】
一方、端末200(制御信号処理部205)は、自機宛の制御信号(割当情報)を検出して、自機向けのePDCCHに割り当てられたコンポーネントキャリア(CC)を特定する。そして、端末200(制御信号処理部205)は、CCとDMRSアンテナポートとの対応付けを参照して、特定したCCに対応付けられたアンテナポートを、DMRSアンテナポートとして特定するとともに、ePDCCHが配置されたCCを特定する。
【0156】
例えば、
図12において、端末200は、自機向けのePDCCHに割り当てられたCCがCC#1である場合、アンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとして特定する。同様に、
図12において、端末200は、自機向けのePDCCHに割り当てられたCCがCC#2である場合、アンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとして特定する。
【0157】
こうすることで、基地局100から端末200へのDMRSアンテナポート情報の通知が不要となる。
【0158】
また、実施の形態1で説明したDMRSアンテナポート情報は上位レイヤを介して通知する必要があるので、端末200に対してDMRSアンテナポートの切替を高速に(例えばサブフレーム単位で)行うことができない。これに対して、本実施の形態では、サブフレーム単位で制御可能なCC割当に応じてDMRSアンテナポートの切替を行うことができる。すなわち、端末200に対してDMRSアンテナポートの切替を高速に行うことが可能となる。
【0159】
また、DMRSアンテナポート情報を通知する代わりに、端末200が、DMRSアンテナポートとして取り得る全ての組み合わせ(例えば、アンテナポート7,8の組み合わせとアンテナポート7,9の組み合わせ)についてブラインド復号することが考えられる。ただし、この場合、DMRSアンテナポート情報の通知が不要になるものの、端末200での復調処理及びブラインド復号回数が増加してしまう。これに対して、本実施の形態では、端末200に割り当てられたCCと、DMRSアンテナポートの組み合わせとが1対1で対応付けられているので、復調処理及びブラインド復号回数の増加を回避できる。
【0160】
また、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、ePDCCHにおいて2つのアンテナポートを用いた送信ダイバーシチを行う場合に端末200の受信特性を向上させることができる。
【0161】
なお、本実施の形態において、符号多重されないDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,9)に対応するCCと、符号多重されるDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,8)に対応するCCとの配分を、基地局100配下の端末200のコンポーネントキャリア毎の受信品質状況に応じて変更してもよい。
【0162】
また、本実施の形態において、
図12においては一例として、受信品質が劣悪な端末に対してはCC#1を割り当て、受信品質が比較的良好な端末及び受信品質が良好な端末に対してはCC#2を割り当てるように説明したが、これに限定されない。例えば
図13のように、受信品質が劣悪な端末(ePDCCH1の送信対象である端末200)及び受信品質が比較的良好な端末(ePDCCH2の送信対象である端末200)に対してはCC#1を割り当て、受信品質が良好な端末(ePDCCH3の送信対象である端末200)に対してはCC#2を割り当てるようにしてもよい。つまり、各ePDCCHをいずれのCCに含ませるかは、基地局100配下の端末200のコンポーネントキャリア毎の受信品質及びその受信品質に対応する端末数に応じて変更してもよい。その変更の際には、端末200に対してePDCCHとCCとの対応関係の変更に関する情報を通知してもよい。
【0163】
[実施の形態8]
実施の形態6では、ePDCCH用の各RBとDMRSアンテナポートの組み合わせとの対応付けを基地局100から端末200へ予め通知する必要がある。上記対応付けの通知の際、符号多重されないDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,9)が対応付けられているか、符号多重されるDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,8)が対応付けられているかを示す情報(1ビット)を各RB毎に通知する必要がある。よって、ePDCCHにおいてN個のRBを使用する場合には上記対応付けの通知にNビット必要となる。
【0164】
本実施の形態では、実施の形態6のようなePDCCH用の各RBとDMRSアンテナポートの組み合わせとの対応付けの通知に要するビット数を削減する方法について説明する。
【0165】
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4,
図5を援用して説明する。
【0166】
ここで、ePDCCHの割当方法として、ePDCCHを周波数帯域上の互いに近い位置にまとめて割り当てる「localized割当」と、ePDCCHを周波数帯域上に分散させて割り当てる「distributed割当」が検討されている(例えば、
図14参照)。localized 割当は、周波数スケジューリングゲインを得るための割当方法であり、回線品質情報に基づいて回線品質の良いリソースにePDCCHを割り当てることができる。distributed割当は、周波数軸上にePDCCHを分散させて周波数ダイバーシチゲインを得ることができる。LTE-Advancedでは、localized割当及びdistributed割当の双方が設定されることが考えられる(例えば、
図3参照)。
【0167】
すなわち、localized割当は、周波数スケジューリングゲインを得るための割当方法であり、回線品質情報に基づいて回線品質の良いリソースにePDCCHを割り当てることができるので、受信品質が良好であり、符号化率が高い端末に対して有効な割当方法である。
【0168】
一方、distributed割当は、周波数軸上にePDCCHを分散させて周波数ダイバーシチゲインを得ることにより、受信品質を安定化させる効果があるので、受信品質が劣悪であり、符号化率が低い端末に対して有効な割当方法である。
【0169】
また、ePDCCH用の各RBが、localized割当により設定されるか、distributed割当により設定されるかは、端末200に対してexplicit又はimplicitに通知されている。
【0170】
本実施の形態では、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCHの割当方法(localized割当又はdistributed割当)とがそれぞれ対応付けられる。
【0171】
図15は、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCHの割当方法との対応付けの一例を示す。
図15では、DMRSアンテナポートの組み合わせとして、符号多重されるアンテナポート7,8のペア、及び、符号多重されないアンテナポート7,9のペアを用いる。また、
図15では、ePDCCHの割当方法としてlocalized割当及びdistributed割当が設定される。
【0172】
図15に示すように、distributed割当には、符号多重されないアンテナポート7,9(port7,9)が対応付けられ、localized割当には、符号多重されるアンテナポート7,8(port7,8)が対応付けられている。この場合、符号多重されないDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,9)が対応付けられているか、符号多重されるDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,8)が対応付けられているかを示す情報(1ビット)をePDCCHの割当方法毎に通知すればよい。つまり、基地局100から端末200への上記対応付けの通知に必要なビット数は、ePDCCH用のRB数に依らず、2ビット以内で済む。
【0173】
基地局100は、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCHの割当方法との対応付けを予め設定する。そして、基地局100は、上記対応付けを上位レイヤを介して端末200へ予め通知する。これにより、上記対応付けは基地局100と端末200との間で共有される。
【0174】
基地局100は、実施の形態6と同様、各端末200の受信品質に基づいて、各端末200向けのePDCCHの信号の送信に用いるリソース(RB)を割り当てる。そして、基地局100(設定部102)は、端末200に設定されたePDCCHの割当方法に対応付けられたアンテナポートを、DMRSアンテナポートとして設定する。
【0175】
図15では、基地局100(設定部102)は、distributed割当が設定された端末(受信品質が比較的劣悪な端末)に対して、アンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとして設定する。こうすることで、端末200では、実施の形態1と同様、チャネル推定精度の向上により受信特性を改善できる。一方、
図15では、基地局100(設定部102)は、localized割当が設定された端末(受信品質が比較的良好な端末)に対して、アンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとして設定する。こうすることで、端末200では、実施の形態1と同様、符号化利得の向上により受信特性を改善できる。
【0176】
一方、端末200は、端末200に設定されたePDCCHの割当方法に基づいて、自機向けのePDCCHに割り当てられたリソース(RB)におけるDMRSアンテナポートを特定するとともに、ePDCCHが配置されたリソースを特定する。例えば、
図15において、端末200は、自機向けのePDCCHの割当方法がdistributed割当の場合、アンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとして特定する。同様に、
図15において、端末200は、自機向けのePDCCHの割当方法がlocalized割当の場合、アンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとして特定する。
【0177】
こうすることで、実施の形態6と比較して、ePDCCH用の各RBとDMRSアンテナポートの組み合わせとの対応付けの通知に要するビット数を削減することができる。また、実施の形態6と同様、基地局100から端末200へのDMRSアンテナポート情報の通知が不要となる。また、実施の形態6と同様、端末200に対してDMRSアンテナポートの切替を高速に行うことが可能となる。また、端末200に設定された割当方法と、DMRSアンテナポートの組み合わせとが1対1で対応付けられているので、実施の形態6と同様、復調処理及びブラインド復号回数の増加を回避できる。
【0178】
また、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、ePDCCHにおいて2つのアンテナポートを用いた送信ダイバーシチを行う場合に端末200の受信特性を向上させることができる。
【0179】
[実施の形態9]
実施の形態7では、ePDCCH用の各CCとDMRSアンテナポートの組み合わせとの対応付けを基地局100から端末200へ予め通知する必要がある。上記対応付けの通知の際、符号多重されないDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,9)が対応付けられているか、符号多重されるDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,8)が対応付けられているかを示す情報(1ビット)をCC毎に通知する必要がある。よって、ePDCCHにおいてN個のCCを割り当て可能な場合には上記対応付けの通知にNビット必要となる。
【0180】
本実施の形態では、実施の形態7のようなePDCCH用の各CCとDMRSアンテナポートの組み合わせとの対応付けの通知に要するビット数を削減する方法について説明する。
【0181】
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4,
図5を援用して説明する。
【0182】
ここで、コンポーネントキャリアの種類として、効率的なユーザデータの伝送を目的としてPDCCHおよびCRSの少なくとも一方を送信しないコンポーネントキャリア(New Carrier Type(NCT))が検討されている(
図16参照)。
図16のように、NCTのCCでは、PDCCHおよびCRSを送信しないため、従来のキャリア(backward compatible carrier)に比べ、PRB当りのePDCCHに割り当て可能なRE数を増やすことができる。従って、NCTにおけるDMRSアンテナポートの組み合わせとして、符号多重されないアンテナポートの組み合わせ(例えばport7,9のペア)を使用することにより、チャネル推定精度の改善を狙うことが可能となる。
【0183】
さらに、NCTは高いキャリア周波数で使用されることが想定され、電波の特性により、カバレッジが小さくなることが予想される。そのため、NCTにおけるDMRSアンテナポートの組み合わせとして、符号多重されないアンテナポートの組み合わせ(例えばport7,9のペア)を用いることでパワーブースティングを適用でき、カバレッジ縮小の影響を軽減することが可能となる。
【0184】
本実施の形態では、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCH用に割り当てられたCCの種類(NCTであるか否か)とがそれぞれ対応付けられる。
【0185】
図17は、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCHに割り当てられたCCの種類(NCTであるか否か)との対応付けの一例を示す。
図17では、DMRSアンテナポートの組み合わせとして、符号多重されるアンテナポート7,8のペア、及び、符号多重されないアンテナポート7,9のペアを用いる。また、
図17では、ePDCCHに割り当てられたCCの種類としてNCTと非NCT(non NCT)が設定される。
【0186】
図17に示すように、NCTのCC(CC#1)には、符号多重されないアンテナポート7,9(port7,9)が対応付けられ、非NCTのCC(CC#2)には、符号多重されるアンテナポート7,8(port7,8)が対応付けられている。この場合、符号多重されないDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,9)が対応付けられているか、符号多重されるDMRSアンテナポートの組み合わせ(例えばアンテナポート7,8)が対応付けられているかを示す情報(1ビット)を、ePDCCHを割り当て可能なCCの種類(NCTであるか否か)毎に通知すればよい。つまり、基地局100から端末200への上記対応付けの通知に必要なビット数は、ePDCCH用のCC数に依らず、2ビット以内で済む。
【0187】
基地局100は、端末200に設定されるDMRSアンテナポートの組み合わせと、端末200に設定されるePDCCHを割り当て可能なCCの種類との対応付けを予め設定する。そして、基地局100は、上記対応付けを上位レイヤを介して端末200へ予め通知する。これにより、上記対応付けは基地局100と端末200との間で共有される。
【0188】
基地局100は、実施の形態7と同様、各端末200の受信品質に基づいて、各端末200向けのePDCCHの信号の送信に用いるCCを割り当てる。そして、基地局100(設定部102)は、端末200に設定されたePDCCHを割り当て可能なCCの種類に対応付けられたアンテナポートを、DMRSアンテナポートとして設定する。
【0189】
図17では、基地局100(設定部102)は、受信品質が比較的劣悪な端末に対してNCTのCC(CC#1)を割り当て、アンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとして設定する。こうすることで、端末200では、実施の形態1と同様、チャネル推定精度の向上により受信特性を改善できる。一方、
図17では、基地局100(設定部102)は、受信品質が比較的良好な端末に対して非NCTのCC(CC#2)を割り当て、アンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとして設定する。こうすることで、端末200では、実施の形態1と同様、符号化利得の向上により受信特性を改善できる。
【0190】
一方、端末200は、端末200に設定されたePDCCHの割当方法に基づいて、自機向けのePDCCHに割り当てられたCCにおけるDMRSアンテナポートを特定するとともに、ePDCCHが配置されたリソースを特定する。例えば、
図17において、端末200は、自機向けのePDCCHの割当CCがCC#1の場合、アンテナポート7,9をDMRSアンテナポートとして特定する。同様に、
図17において、端末200は、自機向けのePDCCHの割当CCがCC#2の場合、アンテナポート7,8をDMRSアンテナポートとして特定する。
【0191】
こうすることで、実施の形態7と比較して、ePDCCH用に割り当て可能なCCの種類とDMRSアンテナポートの組み合わせとの対応付けの通知に要するビット数を削減することができる。また、実施の形態7と同様、基地局100から端末200へのDMRSアンテナポート情報の通知が不要となる。また、実施の形態7と同様、端末200に対してDMRSアンテナポートの切替を高速に行うことが可能となる。また、端末200に設定された割当方法と、DMRSアンテナポートの組み合わせとが1対1で対応付けられているので、実施の形態7と同様、復調処理及びブラインド復号回数の増加を回避できる。
【0192】
また、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、ePDCCHにおいて2つのアンテナポートを用いた送信ダイバーシチを行う場合に端末200の受信特性を向上させることができる。
【0193】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0194】
[他の実施の形態]
[1]上記各実施の形態では、参照信号を送信するためのアンテナポート数を2とする場合に限定して説明しているが、2以上のアンテナポートを用いる場合であれば、上記各実施の形態が同様に実施できる。より詳細には、基地局100は、複数のアンテナポートを用いて端末200へ参照信号を送信する際、端末200の受信品質に基づいて、参照信号が互いに符号多重されないアンテナポートを含む組み合わせ、及び、参照信号が全てのアンテナポートで符号多重される組み合わせのいずれかを、上記複数のアンテナポートとして設定し、設定された複数のアンテナポートから参照信号を送信すればよい。つまり、参照信号を送信するためのアンテナポート数が2以上の場合であれば、上記実施の形態と同様、全て符号多重される複数のアンテナポートを用いるか、符号多重されない組み合わせを含む複数のアンテナポートを用いるかを切り替えることで、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0195】
例えば、4アンテナポートで参照信号(DMRS)を送信する場合について説明する。DMRSアンテナポートは8アンテナポートまで規定されており、
図18に示すように、アンテナポート7,8,11,13に割り当てられるDMRS(DMRS(port7,8,11,13))が同一REで符号多重により配置される。また、
図18に示すように、アンテナポート9,10,12,14に割り当てられるDMRS(DMRS(port9,10,12,14))が同一REで符号多重により配置される。さらに、
図18に示すDMRS(port7,8,11,13)とDMRS(port9,10,12,14)とは異なるREに配置され、互いに符号多重されない。すなわち、
図19Aに示すように、符号多重されないアンテナポートの組み合わせに割り当てられるDMRSに対しては、
図19Bに示すようにパワーブースティングを適用することで、チャネル推定精度を改善して、端末200の受信特性を向上させることができる。また、
図20Aに示すように符号多重されるアンテナポートの組み合わせに割り当てられるDMRSに対しては、
図20Bに示すようにパワーブーストが適用できないものの、
図19Aと比較して、符号化利得を改善できるので、端末200の受信特性を向上させることができる。従って、4アンテナポートを用いて参照信号(DMRS)を送信する場合について、
図19Aに示すように、符号多重しないアンテナポートの組み合わせに対応するDMRS(例えば、DMRS(port 7,8,9,10))を用いるか、
図20Aに示すように、全てのDMRSが符号多重されるアンテナポートの組み合わせ(例えば、DMRS(port7,8,11,13))を用いるか、を切換えることで上記各実施の形態と同様な効果が得られる。
【0196】
[2]上記各実施の形態では、DMRSアンテナポートの設定基準として、アグリゲーションレベル、CQI値、1PRBペアあたりの端末200が使用するCCE数、サブフレームの種類、ePDCCHの割当方法などを用いる場合についてそれぞれ説明した。しかし、DMRSアンテナポートの設定基準として用いる情報は、これらに限らず、端末200の受信品質を表す情報であればよい。
【0197】
[3]上記各実施の形態において、アンテナポートとは、1本又は複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。
【0198】
例えば3GPP LTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。
【0199】
また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0200】
[4]上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0201】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0202】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)又は、LSI内部の回路セルの接続若しくは設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0203】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0204】
本開示の送信装置は、2つのアンテナポートを用いて受信装置へ参照信号を送信する送信装置であって、前記受信装置の受信品質に基づいて、前記参照信号が互いに符号多重されない第1のアンテナポートペア、及び、前記参照信号が符号多重される第2のアンテナポートペアのいずれかを前記2つのアンテナポートとして設定する設定手段と、設定された前記2つのアンテナポートから前記参照信号を送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
【0205】
本開示の送信装置では、前記設定手段は、前記受信装置に設定されたアグリゲーションレベルが閾値以上の場合には前記第1のアンテナポートペアを設定し、前記アグリゲーションレベルが前記閾値未満の場合には前記第2のアンテナポートペアを設定する。
【0206】
本開示の送信装置では、前記受信装置から報告されるCQI値が大きいほど、前記受信品質がより良好であり、前記設定手段は、前記CQI値が閾値未満の場合には前記第1のアンテナポートペアを設定し、前記CQI値が前記閾値以上の場合には前記第2のアンテナポートペアを設定する。
【0207】
本開示の送信装置では、前記設定手段は、1つの物理チャネルリソースブロックを構成する複数の制御チャネル要素のうち、前記受信装置に使用される制御チャネル要素の数が閾値以上の場合には前記第1のアンテナポートペアを設定し、前記制御チャネル要素の数が前記閾値未満の場合には前記第2のアンテナポートペアを設定する。
【0208】
本開示の送信装置では、前記設定手段は、第1のサブフレームよりも前記送信装置からの信号の送信電力が低く設定される第2のサブフレームが前記受信装置に設定される場合には前記第1のアンテナポートペアを設定し、前記第1のサブフレームが前記受信装置に設定される場合には前記第2のアンテナポートペアを設定する。
【0209】
本開示の送信装置では、前記受信装置に対して割当可能な複数のリソースの各々に対して、前記第1のアンテナポートペア又は前記第2のアンテナポートペアのいずれか一方がそれぞれ対応付けられ、前記設定手段は、前記第1のアンテナポートペア及び前記第2のアンテナポートペアのうち、前記受信装置の受信品質に基づいて割り当てられたリソースに対応付けられたアンテナポートペアを、前記2つのアンテナポートとして設定する。
【0210】
本開示の送信装置では、前記受信装置に対して割当可能な複数のコンポーネントキャリアの各々に対して、前記第1のアンテナポートペア又は前記第2のアンテナポートペアがそれぞれ対応付けられ、前記設定手段は、前記第1のアンテナポートペア及び前記第2のアンテナポートペアのうち、前記受信装置の受信品質に基づいて割り当てられたコンポーネントキャリアに対応付けられたアンテナポートペアを、前記2つのアンテナポートとして設定する。
【0211】
本開示の送信装置では、前記受信装置に対して割当可能な複数のコンポーネントキャリアのうち、PDCCH及びCRSの少なくとも一方を送信しないコンポーネントキャリアには前記第1のアンテナポートペアが対応付けられ、前記PDCCH及び前記CRSを送信するコンポーネントキャリアには前記第2のアンテナポートペアが対応付けられる。
【0212】
本開示の送信装置では、前記設定手段は、信号を周波数領域において分散して割り当てる第1の割当方法が前記受信装置に対して設定された場合には前記第1のアンテナポートペアを設定し、信号を周波数領域においてまとめて割り当てる第2の割当方法が前記受信装置に対して設定された場合には前記第2のアンテナポートペアを設定する。
【0213】
本開示の送信装置では、前記設定手段は、前記受信装置に対して前記第2のアンテナポートペアを設定する場合、前記第2のアンテナポートペアに含まれるアンテナポート以外の他のアンテナポートのいずれか1つを、1つのアンテナポートを用いた送信方法が設定された他の受信装置向けの信号の送信に用いられるアンテナポートとして設定する。
【0214】
本開示の受信装置は、送信装置が有する複数のアンテナポートのうちの2つのアンテナポートを用いて送信された参照信号を受信する受信手段と、受信装置の受信品質に基づいて、前記参照信号が互いに符号多重されない第1のアンテナポートペア、及び、前記参照信号が符号多重される第2のアンテナポートペアのいずれかを前記2つのアンテナポートとして特定し、前記特定された2つのアンテナポートにおける参照信号を用いて、制御信号を復調する制御信号処理手段と、を具備する構成を採る。
【0215】
本開示の送信方法は、2つのアンテナポートを用いて受信装置へ参照信号を送信する送信方法であって、前記受信装置の受信品質に基づいて、前記参照信号が互いに符号多重されない第1のアンテナポートペア、及び、前記参照信号が符号多重される第2のアンテナポートペアのいずれかを前記2つのアンテナポートとして設定し、設定された前記2つのアンテナポートから前記参照信号を送信する。
【0216】
本開示の受信方法は、送信装置が有する複数のアンテナポートのうちの2つのアンテナポートを用いて送信された参照信号を受信し、受信装置の受信品質に基づいて、前記参照信号が互いに符号多重されない第1のアンテナポートペア、及び、前記参照信号が符号多重される第2のアンテナポートペアのいずれかを前記2つのアンテナポートとして特定し、前記特定された2つのアンテナポートにおける参照信号を用いて、制御信号を復調する。
【0217】
2012年3月19日出願の特願2012−061974および2012年5月11日出願の特願2012−109499の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。