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特許6013460エンプティGREパケットを用いるRAT間ハンドオーバ制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013460
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】エンプティGREパケットを用いるRAT間ハンドオーバ制御
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/14 20090101AFI20161011BHJP
【FI】
   H04W36/14
【請求項の数】28
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-510909(P2014-510909)
(86)(22)【出願日】2012年5月3日
(65)【公表番号】特表2014-513906(P2014-513906A)
(43)【公表日】2014年6月5日
(86)【国際出願番号】IB2012052231
(87)【国際公開番号】WO2012156855
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2015年4月7日
(31)【優先権主張番号】13/111,141
(32)【優先日】2011年5月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】ジェスワル、スラジ
(72)【発明者】
【氏名】ウェン、レンフア
【審査官】 阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/069985(WO,A1)
【文献】 特表2010−536264(JP,A)
【文献】 特開2010−157908(JP,A)
【文献】 CATT,End marker during Handover procedure with Serving GW change,3GPP TSG-SA WG2#67, S2-085423,2008年 8月29日
【文献】 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2(Release 10),3GPP TS 36.300 V10.2.0,2010年12月,§10.1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットRAT(Radio Access Technology)とは異なるソースRATによって管理されるソースネットワークから当該ターゲットRATによって管理されるターゲットネットワークへのRAT間ハンドオーバ期間中の移動局へのセッションについてのデータパケットを配信する、ターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)に関連付けられ及び前記ターゲットRATによって管理されるターゲットゲートウェイによって実装される方法であって、当該方法は、
ソースRANに関連付けられ及び前記ソースRATによって管理されるソースゲートウェイから前記セッションについての1つ以上の転送パケットを受信することと、
前記セッションについての前記転送パケットの終了を示す第1のエンプティGRE(Generic Routing Encapsulation)パケットを前記ソースゲートウェイから受信することと、前記第1のエンプティGREパケットは、前記ソースゲートウェイによって受信されるエンドマーカーパケットに応じて前記ソースゲートウェイによって生成されることと、
前記転送パケットを前記移動局へ送信することと、
ネットワークゲートウェイから前記セッションについての1つ以上のダイレクトパケットを受信することと、当該ダイレクトパケットは、前記ターゲットRATによって管理されるように前記転送パケットに対してシーケンシャルに順序付けられていることと、
前記第1のエンプティGREパケットを受信することに応じて、前記ダイレクトパケットを前記ターゲットRANへ送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ダイレクトパケットのうちの最初の1つを受信することに応じて、タイマを開始すること、
をさらに含み、
前記ダイレクトパケットを送信することは、前記タイマの満了に応じて、前記ダイレクトパケットを前記移動局へ送信すること、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セッションについての前記ダイレクトパケットの開始を示す第2のエンプティGREパケットを前記ネットワークゲートウェイから受信すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のエンプティGREパケットを受信することに応じて、タイマを開始すること、
をさらに含み、
前記ダイレクトパケットを送信することは、前記タイマの満了に応じて、前記ダイレクトパケットを前記移動局へ送信すること、を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のエンプティGREパケットを受信することは、前記セッションについての前記ダイレクトパケットを受信する前に、前記第1のエンプティGREパケットを受信すること、を含み、
前記第1のエンプティGREパケットを受信することに応じて、前記ダイレクトパケットを前記移動局へ送信することは、前記ターゲットゲートウェイにおける前記ダイレクトパケットの受信後に前記ダイレクトパケットを前記移動局へ送信すること、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のエンプティGREパケットの受信前に前記ネットワークゲートウェイから受信される前記ダイレクトパケットを前記ターゲットゲートウェイにおいてバッファリングすること、
をさらに含み、
前記ダイレクトパケットを送信することは、バッファリングされた前記パケットを前記第1のエンプティGREパケットを受信した後に送信すること、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ソースゲートウェイは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)サービングゲートウェイ及び高速パケットデータ(HRPD)サービングゲートウェイのうちの一方を含み、前記ターゲットゲートウェイは、前記3GPPサービングゲートウェイ及び前記HRPDサービングゲートウェイのうちの他方を含み、前記ネットワークゲートウェイは、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ターゲットRAT(Radio Access Technology)とは異なるソースRATによって管理されるソースネットワークから当該ターゲットRATによって管理されるターゲットネットワークへのRAT間ハンドオーバ期間中の移動局へのセッションについてのデータパケットを配信するための、ターゲット無線アクセスネットワーク(RAN)に関連付けられ及びターゲットRATによって管理されるターゲットゲートウェイであって、当該ターゲットゲートウェイは、
ソースRANに関連付けられ及び前記ソースRATによって管理されるソースゲートウェイから前記セッションについての1つ以上の転送パケットを受信し、
前記セッションについての前記転送パケットの終了を示す第1のエンプティGRE(Generic Routing Encapsulation)パケットを前記ソースゲートウェイから受信し、及び、
前記転送パケットに対してシーケンシャルに順序付けられ及び前記ターゲットRATによって管理される、前記セッションについての1つ以上のダイレクトパケットをネットワークゲートウェイから受信する、
ように構成される、受信器と、
前記転送パケットを前記ターゲットRANへ送信するように構成される送信器と、
前記送信器に結合される制御ユニットであって、前記第1のエンプティGREパケットの受信に応じて、前記送信器を制御して、前記ダイレクトパケットを前記ターゲットRANへ送信するように構成されるパケットルータ、を含む当該制御ユニットと、
を備える、ターゲットゲートウェイ。
【請求項9】
タイマ、をさらに備え、
前記制御ユニットは、前記受信器における前記ダイレクトパケットの最初の1つの受信に応じて、前記タイマを開始するようにさらに構成され、
前記パケットルータは、前記タイマの満了に応じて、前記ダイレクトパケットを前記移動局へ送信するように前記送信器を制御することによって、前記送信器を制御する、
請求項8に記載のターゲットゲートウェイ。
【請求項10】
前記受信器は、前記ダイレクトパケットの開始を示す第2のエンプティGREパケットを前記ネットワークゲートウェイから受信するようにさらに構成される、請求項8に記載のターゲットゲートウェイ。
【請求項11】
タイマ、をさらに備え、
前記制御ユニットは、前記第2のエンプティGREパケットの受信に応じて、前記タイマを開始するようにさらに構成され、
前記パケットルータは、前記タイマの満了に応じて、前記ダイレクトパケットを前記移動局へ送信するように前記送信器を制御することによって、前記送信器を制御する、
請求項10に記載のターゲットゲートウェイ。
【請求項12】
前記受信器が前記セッションについての前記ダイレクトパケットを受信する前に前記第1のエンプティGREパケットを受信する場合、前記パケットルータは、前記受信器による前記ダイレクトパケットの受信後に、前記ダイレクトパケットを前記移動局へ送信するように前記送信器を制御する、請求項8に記載のターゲットゲートウェイ。
【請求項13】
前記第1のエンプティGREパケットの受信前に受信される前記ダイレクトパケットをバッファリングするバッファ、
をさらに備え、
前記パケットルータは、バッファリングされた前記パケットを前記第1のエンプティGREパケットの受信後に送信するように前記送信器を制御することによって、前記送信器を制御する、
請求項8に記載のターゲットゲートウェイ。
【請求項14】
前記ソースゲートウェイは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)サービングゲートウェイ及び高速パケットデータ(HRPD)サービングゲートウェイのうちの一方を含み、前記ターゲットゲートウェイは、前記3GPPサービングゲートウェイ及び前記HRPDサービングゲートウェイのうちの他方を含み、前記ネットワークゲートウェイは、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含む、請求項8に記載のターゲットゲートウェイ。
【請求項15】
第1のRAT(Radio Access Technology)によって管理される第1のネットワークから異なる第2のRATによって管理される第2のネットワークへのRAT間ハンドオーバの期間中の移動局へのセッションについてのダウンリンクデータパケットのネットワークゲートウェイによって実装される方法であって、当該方法は、
前記セッションのベアラストリームについての1つ以上の第1のデータパケットを前記第1のRATを用いるソース無線アクセスネットワーク(RAN)に関連付けられるソースゲートウェイへ送信することと、
前記セッションの前記ベアラストリームについての前記第1のデータパケットの終了を示すエンドマーカーパケットを前記第1のRATを用いる前記ソースゲートウェイへ送信することと、
前記セッションについての1つ以上の第2のデータパケットを前記第2のRATを用いるターゲットRANに関連付けられるターゲットゲートウェイへ送信することと、
前記エンドマーカーパケットを送信した後であり且つ前記第2のデータパケットを送信する前に、前記第2のデータパケットの開始を示すためにエンプティGRE(Generic Routing Encapsulation)パケットを前記第2のRATを用いる前記ターゲットゲートウェイへ送信することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記セッションは、前記第1のRATに関連付けられる複数のベアラストリームを含み、各ベアラストリームは、複数のデータパケットを有し、
前記エンドマーカーパケットを送信することは、複数のベアラストリームの各々についてのエンドマーカーパケットを前記第1のRATを用いる前記ソースゲートウェイへ送信すること、を含み、各エンドマーカーパケットは、前記セッションの関連付けられる前記ベアラストリームについての前記第1のデータパケットの終了を示し、
前記エンプティGREパケットを前記ターゲットゲートウェイへ送信することは、各ベアラストリームについての前記エンドマーカーパケットを送信した後であり且つ前記第2のデータパケットを送信する前に、前記第2のデータパケットの開始を示すために前記エンプティGREパケットを前記第2のRATを用いる前記ターゲットゲートウェイへ送信すること、を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ソースゲートウェイは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)サービングゲートウェイ及び高速パケットデータ(HRPD)サービングゲートウェイのうちの一方を含み、前記ターゲットゲートウェイは、前記3GPPサービングゲートウェイ及び前記HRPDサービングゲートウェイのうちの他方を含み、前記ネットワークゲートウェイは、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
第1のRAT(Radio Access Technology)によって管理される第1のネットワークから異なる第2のRATによって管理される第2のネットワークへのRAT間ハンドオーバ期間中の移動局へのセッションについてのデータパケットを配信するためのネットワークゲートウェイであって、当該ネットワークゲートウェイは、
前記セッションのベアラストリームについての1つ以上の第1のデータパケットを前記第1のRATを用いるソース無線アクセスネットワーク(RAN)に関連付けられるソースゲートウェイへ送信し、
前記セッションの前記ベアラストリームについての前記第1のデータパケットの終了を示すエンドマーカーパケットを前記第1のRATを用いる前記ソースゲートウェイへ送信し、
前記セッションについての1つ以上の第2のデータパケットを前記第2のRATを用いるターゲットRANに関連付けられるターゲットゲートウェイへ送信し、及び、
エンプティGRE(Generic Routing Encapsulation)パケットを前記第2のRATを用いる前記ターゲットゲートウェイへ送信する、
ように構成される、送信器と、
前記送信器に結合される制御ユニットであって、前記エンドマーカーパケットを送信した後であり且つ前記第2のデータパケットを送信する前に、前記送信器を制御して、前記エンプティGREパケットを送信するように構成されるパケットルータ、を含む当該制御ユニットと、
を備える、ネットワークゲートウェイ。
【請求項19】
前記セッションは、前記第1のRATに関連付けられる複数のベアラストリームを含み、各ベアラストリームは、複数のデータパケットを有し、
前記送信器は、各ベアラストリームについてのエンドマーカーパケットを前記第1のRATを用いる前記ソースゲートウェイへ送信することによって、前記エンドマーカーパケットを送信し、各エンドマーカーパケットは、前記セッションの関連付けられる前記ベアラストリームについての前記第1のデータパケットの終了を示し、
前記パケットルータは、各ベアラストリームについての前記エンドマーカーパケットを送信した後であり且つ前記第2のデータパケットを送信する前に、前記第2のデータパケットの開始を示すために前記エンプティGREパケットを送信するように前記送信器を制御することによって、前記送信器を制御する、
請求項18に記載のネットワークゲートウェイ。
【請求項20】
前記ソースゲートウェイは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)サービングゲートウェイ及び高速パケットデータ(HRPD)サービングゲートウェイのうちの一方を含み、前記ターゲットゲートウェイは、前記3GPPサービングゲートウェイ及び前記HRPDサービングゲートウェイのうちの他方を含み、前記ネットワークゲートウェイは、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含む、請求項18に記載のネットワークゲートウェイ。
【請求項21】
ソースRAT(Radio Access Technology)によって管理されるソースネットワークから異なるターゲットRATによって管理されるターゲットネットワークへのRAT間ハンドオーバ期間中の移動局へのセッションについてのデータパケットを配信する、ソース無線アクセスネットワーク(RAN)に関連付けられ及び前記ソースRATによって管理されるソースゲートウェイによって実装される方法であって、当該方法は、
前記セッションのベアラストリームについての1つ以上のデータパケットを前記ソースRATを用いるネットワークゲートウェイから受信することと、
前記セッションの前記ベアラストリームについての前記データパケットの終了を示すエンドマーカーパケットを受信することと、
ターゲットRANに関連付けられ及び前記ターゲットRATによって管理されるターゲットゲートウェイへデータパケットを転送することと、
受信される前記エンドマーカーパケットに応じて、エンプティGRE(Generic Routing Encapsulation)パケットを生成することと、
生成される前記エンプティGREパケットを前記ターゲットゲートウェイへ送信することと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記エンドマーカーパケットを受信することは、前記セッションの複数のベアラストリームの各々についての前記エンドマーカーパケットを受信すること、を含み、
前記エンプティGREパケットを送信することは、各ベアラストリームについての前記エンドマーカーパケットを受信した後に前記エンプティGREパケットを送信すること、を含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記エンドマーカーパケットを受信することは、前記ソースRAN内のソースアクセスノードへ送信され及び当該ソースアクセスノードによって前記ソースゲートウェイへ返送される前記エンドマーカーパケットを受信すること、を含み、
前記エンプティGREパケットを生成することは、前記ソースアクセスノードから返送される前記エンドマーカーパケットに応じて、前記エンプティGREパケットを生成すること、を含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ソースゲートウェイは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)サービングゲートウェイ及び高速パケットデータ(HRPD)サービングゲートウェイのうちの一方を含み、前記ターゲットゲートウェイは、前記3GPPサービングゲートウェイ及び前記HRPDサービングゲートウェイのうちの他方を含み、前記ネットワークゲートウェイは、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
ソースRAT(Radio Access Technology)によって管理されるソースネットワークから異なるターゲットRATによって管理されるターゲットネットワークへのRAT間ハンドオーバ期間中の移動局へのセッションについてのデータパケットを配信するための、ソース無線アクセスネットワーク(RAN)に関連付けられ及びソースRATによって管理されるソースゲートウェイであって、当該ソースゲートウェイは、
前記セッションのベアラストリームについての1つ以上のデータパケットを前記ソースRATを用いるネットワークゲートウェイから受信するように構成される受信器と、
前記セッションの前記ベアラストリームについての前記データパケットの終了を示すエンドマーカーパケットに応じて、エンプティGRE(Generic Routing Encapsulation)パケットを生成するように構成されるパケットルータ、を含む制御ユニットと、
ターゲットRANに関連付けられ及び前記ターゲットRATによって管理されるターゲットゲートウェイへ前記データパケットを転送し、及び、
生成される前記エンプティGREパケットを前記ターゲットゲートウェイへ送信する、
ように構成される、送信器と、
を備える、ソースゲートウェイ。
【請求項26】
前記受信器は、前記セッションの複数のベアラストリームの各々についての前記エンドマーカーパケットを受信し、
前記送信器は、前記受信器が各ベアラストリームについての前記エンドマーカーパケットを受信した後、前記エンプティGREパケットを送信する、
請求項25に記載のソースゲートウェイ。
【請求項27】
前記受信器は、前記ソースRAN内のソースアクセスノードに送信され及び当該ソースアクセスノードによって前記ソースゲートウェイへ返送される前記エンドマーカーパケットを受信することによって前記エンドマーカーパケットを受信し、
前記パケットルータは、前記ソースアクセスノードから返送される前記エンドマーカーパケットに応じて、前記エンプティGREパケットを生成する、
請求項25に記載のソースゲートウェイ。
【請求項28】
前記ソースゲートウェイは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)サービングゲートウェイ及び高速パケットデータ(HRPD)サービングゲートウェイのうちの一方を含み、前記ターゲットゲートウェイは、前記3GPPサービングゲートウェイ及び前記HRPDサービングゲートウェイのうちの他方を含み、前記ネットワークゲートウェイは、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含む、請求項25に記載のソースゲートウェイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示される本発明は、一般に、移動局のハンドオーバに関し、特に、エンプティGRE(Generic Routing Encapsulation:汎用ルーティングカプセル化)パケットを用いる、RAT間ハンドオーバの期間中のデータパケットの順序通りの配信に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)は、3G LTE(Long Term Evolution)ネットワークを含む第3世代(3G:3rd Generation)ネットワークを取りまとめ及び管理する。3G LTEは、当該3G LTE内のユーザ機器(UE:User Equipment)に、他のネットワークで一般的に利用可能なデータレートよりも高いデータレートでモバイルブロードバンドを提供する。例えば、3G LTE、即ちE−UTRAN(Evolved Universal Mobile Telecommunication System (UMTS) Terrestrial Radio Access Network)についてのエアインタフェースは、マルチアンテナ及びマルチユーザコーディング技法を利用して、数百Mbpsのダウンリンクデータレート及び数十Mbpsのアップリンクデータレートを達成する。
【0003】
LTEにおいて、ユーザモビリティは、UEからの支援を用いてネットワークによって制御される。ハンドオーバの決定、並びに(適用できる場合は)ターゲットセル及び技術の選択は、(2G/3Gネットワークにおける基地局に相当する)現在のサービングeNodeBによって、当該eNodeBによって為される測定結果に基づいて、及びUEによってeNodeBへレポートされる測定結果に基づいて、為される。E−UTRANの性質に起因して、スケジューリングされた送信が発生する前にバッファリングされるパケットの数は、無視できないことがあり得る。そのため、ソースノードからターゲットノードへのハンドオーバ期間中のパケットロスを制限するために、(適用可能な場合は)ソースノードとターゲットノードとの間でパケット転送メカニズムが用いられ得る。
【0004】
種々の遅延、例えば、転送処理によって引き起こされる遅延に起因して、ターゲットノードは、ハンドオーバ後のデータパケットを受信した後に、転送データパケットを受信し得る。そのような遅延は、ターゲットノードにデータパケットを誤った順序でUEへ配信させ得る。同じ無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)内の及び/又は同じ無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)に関連付けられるネットワークノード間におけるUEのハンドオーバ期間中の順序通りのパケット配信を保証するためのプロシージャは、現在存在している。しかしながら、幾つかのRATに関連付けられるネットワークノード間におけるUEのハンドオーバ、即ち、3GPPからHRPD(High Rate Packet Data:高速パケットデータ)へのハンドオーバについてのそのようなプロシージャは存在しないため、誤った順序でのパケット配信のリスクが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書において開示される本発明の実施形態は、エンプティGREパケットを用いて、RAT間ハンドオーバ期間中のUEへのセッションについてのデータパケットの順序通りの配信を提供する。特に、ソースRAN内のソースゲートウェイからターゲットRAN内のターゲットゲートウェイへ送信されるエンプティGREパケットは、当該ソースゲートウェイからの転送データパケットの終了を当該ターゲットゲートウェイに示す。ターゲットゲートウェイは、ソースゲートウェイから受信されるデータパケットを、エンプティGREパケットが受信されるまでUEへ送信する。エンプティGREパケットが受信されると、ターゲットゲートウェイは、ホームネットワークゲートウェイから直接受信されるデータパケットのUEへの送信を開始する。
【0006】
ネットワークゲートウェイ、ソースゲートウェイ、及びターゲットゲートウェイは各々、本明細書において説明されるRAT間ハンドオーバを実装する際に役割を果たす。ネットワークゲートウェイは、ハンドオーバ指示を受信した後、当該ネットワークゲートウェイから当該ソースゲートウェイへ送信されるそれらデータパケットの終了を示すためにエンドマーカーパケットをソースゲートウェイへ送信する。セッションが1つより多くのベアラストリームを含む場合、ネットワークゲートウェイは、各ベアラストリームについてエンドマーカーパケットを送信する。ネットワークゲートウェイは、続いて、セッションについての1つ以上のデータパケットをターゲットゲートウェイへ直接送信する。ここで、当該ダイレクトデータパケットは、ソースゲートウェイへ送信されるデータパケットに対してシーケンシャルに順序付けられている。幾つかの実施形態において、ネットワークゲートウェイは、ターゲットゲートウェイへデータパケットを送信する前に、エンプティGREパケットを当該ターゲットゲートウェイにも送信し得る。当該エンプティGREパケットは、当該セッションについて、ネットワークゲートウェイからターゲットゲートウェイへ直接行われるデータパケットの送信の開始を示す。
【0007】
ソースゲートウェイは、データパケットをターゲットRAN内のターゲットゲートウェイへ転送する。ソースゲートウェイは、エンドマーカーパケットを受信することに応じて、エンプティGREパケットを生成し及びターゲットゲートウェイへ送信する。セッションが複数のベアラストリームを含む場合、ソースゲートウェイは、各ベアラストリームについてのエンドマーカーパケットを受信した後、エンプティGREパケットを送信する。エンプティGREパケットは、セッションについての転送パケットの終了をターゲットゲートウェイに示す。
【0008】
ターゲットゲートウェイは、受信されるデータパケット及び受信されるエンプティGREパケットに基づいて、データパケットをUEへ送信する。より具体的には、ターゲットゲートウェイは、ソースゲートウェイから受信される転送データパケットをUEへ送信する。ターゲットゲートウェイは、ソースゲートウェイからエンプティGREパケットを受信することに応じて、ネットワークゲートウェイから直接受信されるデータパケットをUEへ送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】移動局とインタフェースする3GPPネットワーク及びHRPDネットワークのブロック図を示す。
図2】本明細書において開示される1つの例示的な実施形態に係る、RAT間ハンドオーバ期間中の移動局とインタフェースするソースネットワーク及びターゲットネットワークの簡易ブロック図を示す。
図3】例示的なネットワークゲートウェイのブロック図を示す。
図4図3のネットワークゲートウェイによって実装されるRAT間ハンドオーバの例示的な方法を示す。
図5】例示的なソースゲートウェイのブロック図を示す。
図6図5のソースゲートウェイによって実装されるRAT間ハンドオーバの例示的な方法を示す。
図7】例示的なターゲットゲートウェイのブロック図を示す。
図8図7のターゲットゲートウェイによって実装されるRAT間ハンドオーバの例示的な方法を示す。
図9図3のネットワークゲートウェイによって実装されるRAT間ハンドオーバの別の例示的な方法を示す。
図10図5のソースゲートウェイによって実装されるRAT間ハンドオーバの別の例示的な方法を示す。
図11図7のターゲットゲートウェイによって実装されるRAT間ハンドオーバの別の例示的な方法を示す。
図12】本明細書において開示される1つの例示的な実施形態に係る、3GPPネットワークとHRPDネットワークとの間のRAT間ハンドオーバの例を示す。
図13図2のRAT間ハンドオーバについての呼フロー図の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において開示される実施形態は、エンプティGREパケットを用いて、RAT間ハンドオーバ期間中のUEへのセッションについての複数のパケットを順序通りに配信する。特に、ソースRAN内のソースゲートウェイからターゲットRAN内のターゲットゲートウェイへ送信されるエンプティGREパケットは、当該ソースゲートウェイからのデータパケットの終了を示す。ターゲットゲートウェイは、ソースゲートウェイから受信されるデータパケットを、エンプティGREパケットが受信されるまでUEへ送信する。ターゲットゲートウェイは、エンプティGREパケットの受信後、ネットワークゲートウェイから直接受信されるデータパケットをUEへ送信する。実施形態は、3GPPネットワーク及びHRPDネットワークの観点から本明細書において説明されるが、本明細書において開示される本発明の実施形態は、一般に、任意のダウンリンクRAT間ハンドオーバに適用され得る。
【0011】
さらなる詳細を説明する前に、以下は、まず、RAT間ハンドオーバを一般的に説明する。図1は、3GPPとHRPDとの間のUEのRAT間ハンドオーバ期間中のホームモバイルネットワーク、3GPP RAN、及びHRPD RANに関連付けられるエレメントを含む無線ネットワークを示す。無線ネットワークは、ローミングシナリオ及び非ローミングシナリオの双方に適用され、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)とサービングゲートウェイ(SGW)との間のS5インタフェースは、非ローミングシナリオに適用され、PGWとSGWとの間のS8インタフェースは、ローミングシナリオに適用される。図1は簡単のために種々のエレメント、例えば、PCRF、AAAサーバ等を省略していることが認識されるであろう。
【0012】
ホームモバイルネットワークは、1つ以上の外部ネットワークを表し、並びにIPノード、ホーム加入者サーバ(HSS:Home Subscriber Server)、及びPGWを含む。IPノードは、IPサービス、例えば、IMS、PSS等に関連付けられるデータをPGWへ提供する。HSSは、ユーザ関連情報及び加入関連情報を含む中央データベースを備える。また、HSSは、モビリティマネジメント、呼及びセッション確立サポート、ユーザ認証、及びアクセス承認を提供する。PGWは、UEとホームモバイルネットワークとの間の接続性を提供する。さらに、PGWは、3GPP技術と非3GPP技術との間のモビリティについてのアンカーとして機能する。
【0013】
PGWは、セッションについてのデータパケットを、S5インタフェース(非ローミング)又はS8インタフェース(ローミング)を介してSGWへ提供する。SGWは、3GPP標準に従って、GTPデータパケットを、UEへの送信のためにE−UTRANのeNodeBへS1−Uインタフェースを介するようにルーティングする。eNodeBがUEを非3GPPネットワーク、例えば、HRPDネットワークへハンドオーバする決定をした後、eNodeBは、セッションについての如何なる受信GTPデータパケットもSGWへ返送する。SGWは、返送データパケットをGREデータパケットとしてS103インタフェースを介してHSGWへ転送する。
【0014】
PGWは、ハンドオーバを完了すべく、SGWへ送信されるそれらデータパケットの終了を示すためにGTP−UエンドマーカーパケットをSGWへ送信する。続いて、PGWは、セッションについてのGREデータパケットをS2aインタフェースを介してHSGWへ送信する。ダウンリンクパスがPGWにおいて切り換えられた後、S103インタフェース上の転送データパケット及びS2aインタフェース上のGREデータパケットは、順序が入れ替わってHSGWに到達し得る。これは、HSGWがセッションについてのデータパケットをHRPD ANを介して順序通りにUEへ配信することを妨げ、又はさもなければ阻み得る。
【0015】
この問題に対する1つの取り得る解決策は、各データパケットのヘッダにシーケンス番号(sequence numbers)を挿入することである。そのようなシーケンス番号は、HSGWがデータパケットについての正確な順序を判定することを可能にする一方、当該シーケンス番号を用いることは、各データパケットの送信に関連付けられる信号処理及びオーバーヘッドを不必要に増加させてしまう。
【0016】
本明細書において説明されるRAT間ハンドオーバは、HSGWへの転送パケットの終了を示すためにエンプティGREパケットを用いることによって、上記問題を解決する。図2は、本明細書において説明されるRAT間ハンドオーバを実装する無線ネットワークの簡易ブロック図を示す。当該無線ネットワークは、ホームモバイルネットワーク内のネットワークゲートウェイ100と、ソースネットワーク内のソースゲートウェイ200と、ターゲットネットワーク内のターゲットゲートウェイ300と、を含む。ソースネットワークは、データパケットをSGW200からソースAN260を介してUE400へ送信する。ターゲットネットワークは、データパケットをターゲットゲートウェイ300からターゲットAN360を介してUE400へ送信する。必須ではないが、ネットワークゲートウェイ100、ソースゲートウェイ200、ソースAN260、ターゲットゲートウェイ300、及びAN360の例は、それぞれ図1に示されるPGW、SGW、eNodeB/E−UTRAN、HSGW、及びHRPD ANを含む。
【0017】
SGW200は、PGW100から発信され及びソースAN260からSGW200へ返送されたエンドマーカーパケットに基づいて、エンプティGREパケットをHSGW300へ送信する。エンプティGREパケットは、SGW200からのデータパケットの終了をHSGW300に示す。HSGW300は、SGW200から受信されるデータパケットを、エンプティGREパケットが受信されるまでUE400へ送信する。HSGW300は、エンプティGREパケットを受信すると、PGW100から直接受信されるデータパケットのUE400への送信を開始する。
【0018】
図3及び図4は、それぞれPGW100の観点からのハンドオーバ動作及びPGW100によって実装される方法180を説明する。PGW100は、送信器110と、制御ユニット120と、を備える。送信器110は、3GPPプロトコルに従って、セッションについてのソースRANデータパケット、例えば、GTPデータパケットをSGW200へ送信する(ブロック182)。制御ユニット120は、一般に、PGW100の動作を制御し、並びにハンドオーバ前、ハンドオーバ期間中、及びハンドオーバ後のパケット送信を制御するためのパケットルータ122を含む。より具体的には、送信器110が最後のGTPデータパケットを送信した後、パケットルータ122は、送信器110を制御して、セッションについてのSGW200へのGTPデータパケットの終了を示すエンドマーカーパケット、例えば、GTP−Uエンドマーカーパケットを送信する(ブロック184)。セッションが複数のベアラストリームを含む場合、パケットルータ122は、送信器を制御して、各ベアラストリームについてのエンドマーカーパケットを送信する。
【0019】
エンドマーカーパケットがSGW200に送信された後、パケットルータ122は、HRPDプロトコルに従って、送信器110を制御して、UE400へのセッションについてのターゲットRANデータパケット、例えば、GREデータパケットを送信する。幾つかの実施形態において、パケットルータ122は、エンドマーカーパケットをSGW200へ送信した後であり且つGREデータパケットをHSGW300へ送信する前に、エンプティGREパケットを生成し、及び送信器110を制御して当該エンプティGREパケットをHSGW300へ送信する(ブロック186)。エンプティGREパケットは、セッションについてのGREデータパケットの後続の送信の開始をHSGW300へ示す。送信器110は、エンプティGREパケットを送信した後、セッションについての後続のGREデータパケットをHSGW300へ送信する(ブロック188)。後続のGREデータパケットは、GTPデータパケットに対してシーケンシャルに順序付けられている。
【0020】
図5及び図6は、それぞれSGW200の観点からのハンドオーバ動作及びSGW200によって実装される方法280を説明する。SGW200は、受信器210と、制御ユニット220と、送信器230と、を備える。受信器210は、PGW100からセッションについてのソースRANデータパケット、例えば、GTPデータパケットを受信する。ハンドオーバ期間中、受信器210は、セッションの1つ以上のベアラストリームの各々についてのエンドマーカーパケットも受信する。制御ユニット220は、受信されるGTPデータパケットをeNodeB260への送信のために送信器230へ向けるように構成されるパケットルータ222を含む。eNodeB260は、ハンドオーバの前に、GTPデータパケットをUE400へ送信する。eNodeB260がハンドオーバ期間中にUE400との接続を断った後、eNodeB260は、如何なるGTP−Uエンドマーカーパケットも含む、受信される如何なるGTPデータパケットもSGW200へ返送する。
【0021】
パケットルータ222は、eNodeB260からの返送GTPデータパケットを受信することに応じて、送信器230を制御して、データパケットをターゲットRANデータパケット、例えば、GREデータパケットとしてHSGW300へ転送する(ブロック282)。また、パケットルータ222は、エンドマーカーパケット、例えば、eNodeB260によって返送されるエンドマーカーパケットに応じて、エンプティGREパケットを生成する(ブロック284、286)。セッションが複数のベアラストリームを含む場合、パケットルータ222は、各ベアラストリームについてのエンドマーカーパケットを受信することに応じて、エンプティGREパケットを生成する。続いて、パケットルータ222は、送信器230を制御して、SGW200からのGREデータパケットの終了をHSGW300に示すためにエンプティGREパケットをHSGW300へ送信する(ブロック288)。
【0022】
図7及び図8は、それぞれHSGW300の観点からのハンドオーバ動作及びHSGW300によって実装される方法を説明する。HSGW300は、受信器310と、制御ユニット320と、送信器330と、を備える。ハンドオーバ期間中、受信器310は、セッションについてのターゲットRANデータパケット、例えば、GREデータパケットをSGW200及びPGW100の双方から受信する(ブロック382)。ここで、SGW200から受信されるGREデータパケットは、PGW100から発信され及びSGW200によって転送されるGTPデータパケットのペイロードと同じペイロードを含む。HSGW300がエンプティGREパケットをSGW200から受信する(ブロック384)まで、パケットルータ322は、送信器320を制御して、転送データパケットをSGW200からアクセスノード(AN)360を介してUE400へ送信する(ブロック384、386)。HSGW300がSGW200からエンプティGREパケットを受信すると、パケットルータ322は、送信器を制御して、PGW100から直接受信されるデータパケットをAN360を介してUE400へ送信する(ブロック384、388)。
【0023】
幾つかの実施形態において、HSGW300は、バッファ340も備えてもよい。バッファ340は、受信器310がSGW200からエンプティGREパケットを受信するまで、PGW100から直接受信されるデータパケットをバッファリングする。パケットルータ322は、エンプティGREパケットを受信すると、送信器330を制御して、バッファリングされたデータパケットをUE400へ送信する。バッファ340が空になると、パケットルータ322は、送信器330を制御して、PGW100から受信されたデータパケットを送信する。
【0024】
HSGW300は、エンプティGREパケットが受信されない場合でも、バッファリングされたデータパケットが最終的にUE400へ配信されることを確実にするためのタイマ350も備えてもよい。例えば、パケットルータ322は、送信器330を制御して、バッファリングされたデータパケットをタイマ350の満了時に送信し得る。従って、エンプティGREパケットがロストし又は損傷した場合、HSGW300は、バッファリングされたデータパケットをタイマの満了時にやはり送信するであろう。タイマ350は、ハンドオーバ処理の予期される期間に基づいて、セットされ得る。一実施形態において、タイマ350は、PGW100からのエンプティGREパケットの受信に応じて開始する。別の実施形態において、タイマ350は、PGW100からの最初のデータパケットの受信に応じて開始する。
【0025】
上述された実施形態は、SGW200からHSGW300へ送信されるセッションデータパケットの終了を示すためのエンプティGREパケットに依拠する。幾つかの例において、エンプティGREパケットは、ハンドオーバ期間中にPGW100からHSGW300へ送信されるセッションデータパケットの先頭を示すためにも用いられ得る。他の実施形態も、又は代替的に、データパケットの末尾及び/又は先頭を示すためにエンプティパケット又はデータパケットのヘッダ中の1つ以上のシーケンス番号を用い得る。図9から図11は、データパケット送信の先頭及び/又は末尾を示すためにシーケンス番号が用いられる場合における、それぞれPGW100、SGW200、及びHSGW300についての例示的な方法を提供する。
【0026】
図9は、シーケンス番号を用いてRAT間ハンドオーバをハンドリングするための、PGW100の観点からの例示的な方法190を示す。送信器110は、セッションについてのGTPデータパケットをSGW200へ送信する(ブロック192)。送信器110が最後のGTPデータパケットを送信した後、パケットルータ122は、送信器110を制御して、セッションについてのGTPデータパケットの終了を示すエンドマーカーパケットを送信する(ブロック194)。エンドマーカーパケットのヘッダは、第1のシーケンス番号を含むシーケンス番号フィールドを含む。セッションが複数のベアラストリームを含む場合、パケットルータ122は、送信器を制御して、各ベアラストリームについてのエンドマーカーパケットを送信する。ここで、各エンドマーカーパケットは、ヘッダ中に第1のシーケンス番号を含む。一実施形態において、各ベアラストリームについてのエンドマーカーパケットは、異なるシーケンス番号を含む。ただし、エンドマーカーパケットのうちの幾つか又は全てが同じシーケンス番号を含んでもよいことが認識されるであろう。
【0027】
パケットルータ122は、エンドマーカーパケットを送信した後、送信器110を制御して、ヘッダ中に第2のシーケンス番号を有する最初のGREデータパケットをHSGW300へ送信する(ブロック196)。第2のシーケンス番号は、PGW100から直接HSGW300へ送信されるGREデータパケットの先頭を示す。最初のデータパケットは、パケットの本体(body)にペイロードデータを含み得る。代替的に、最初のデータパケットは、エンプティGREパケットを含んでもよい。送信器110は、最初のデータパケットを送信した後、セッションについての後続のGREデータパケットをHSGWへ送信する(ブロック198)。後続のGREデータパケットは、SGW200へ送信されるGTPデータパケットに対してシーケンシャルに順序付けられている。
【0028】
図10は、シーケンス番号を用いてRAT間ハンドオーバをハンドリングするための、SGW200の観点からの例示的な方法290を示す。パケットルータ222は、eNodeBからの返送GTPデータパケットを受信することに応じて、送信器230を制御して、データをGREデータパケットにおいてHSGW300へ転送する(ブロック292)。また、パケットルータ222は、エンドマーカーパケット、例えば、eNodeBから返送されるエンドマーカーパケットに応じて、エンプティGREパケットを生成する(ブロック294、296)。エンプティGREパケットのヘッダは、返送エンドマーカーパケット中のシーケンス番号を含む。セッションが複数のベアラストリームを含む場合、シーケンス番号を含むエンドマーカーパケットは、各ベアラストリームについて受信される。パケットルータ222は、受信されたエンドマーカーパケット中のシーケンス番号のうちの1つ、例えば、最も大きいシーケンス番号を選択し、及び選択されたシーケンス番号を用いてエンプティGREパケットを生成する。パケットルータ222は、各ベアラストリームについてのエンドマーカーパケットが受信された後、送信器230を制御して、SGW200によって送信されるセッションについてのデータパケットの終了をHSGW300に示すためにエンプティGREパケットをHSGW300へ送信する(ブロック298)。
【0029】
図11は、シーケンス番号を用いてRAT間ハンドオーバをハンドリングするための、HSGW300の観点からの例示的な方法390を示す。ハンドオーバ期間中、受信器310は、SGW200及びPGW100の双方からセッションについてのGREデータパケットを受信する。ここで、SGW200から受信されるGREデータパケットは、PGW100において発信され及びSGW200によって転送されるGTPデータパケットのペイロードと同じペイロードを含む(ブロック392)。シーケンス番号を有するエンプティGREパケットをHSGW300がSGW200から受信する(ブロック384)まで、パケットルータ322は、送信器320を制御して、SGW200からの転送GREデータパケットをHRPD AN360を介してUE400へ送信する(ブロック394、396)。シーケンス番号を有するエンプティGREパケットをHSGW300がSGW200から受信すると、パケットルータ322は、送信器を制御して、PGW100から直接受信されたGREデータパケットをHRPD AN360を介してUE400へ送信する(ブロック394、398)。
【0030】
幾つかの実施形態において、HSGW300は、第1のシーケンス番号を有するエンプティGREパケットをSGW200から、及び第2のシーケンス番号を有する最初のデータパケットをPGW100から受信する。この場合において、HSGW300は、第1のシーケンス番号と第2のシーケンス番号とを比較することによって、それぞれのゲートウェイからのデータパケットの末尾及び先頭を示すためにエンプティGREパケット及び最初のGREデータパケットが用いられているか否かを判定する。これらのシーケンス番号が予期される関係を有する場合、例えば、第2のシーケンス番号が第1のシーケンス番号よりも大きい、第1のシーケンス番号と第2のシーケンス番号とが等しい等の場合、制御ユニット320は、HSGW300がデータパケットの終了及び開始の標識をそれぞれSGW200及びPGW100から受信したと判定する。この情報に基づいて、パケットルータ322は、PGW100からのダイレクトデータパケットのUE400への送信を送信器330に開始させるべきか否かを判定する。
【0031】
バッファ340及びタイマ350がHSGW300に備えられる場合、パケットルータ322は、送信器330を制御して、バッファリングされたデータパケットをタイマ350の満了時に送信し得る。従って、エンプティGREパケットがロストし又は損傷した場合、HSGW300は、バッファリングされたデータパケットをタイマの満了時にやはり送信するであろう。タイマ350は、ハンドオーバ処理の予期される期間に基づいて、設定され得る。一実施形態において、タイマ350は、PGW100からのシーケンス番号を有するエンプティGREパケットの受信に応じて開始する。別の実施形態において、タイマ350は、PGW100からのシーケンス番号を含む第1のデータパケットの受信に応じて開始する。
【0032】
SGW200から送信されるエンプティGREパケットがシーケンス番号を含む場合、それより前に送信されたデータパケットは、一般に、シーケンス番号を含まない。同様に、PGW100から送信される最初のデータパケットがシーケンス番号を含む場合、その後に送信されるデータパケットは、一般に、シーケンス番号を含まない。ただし、本明細書において開示される実施形態は他のデータパケットにおけるシーケンス番号の使用を除外しないことが認識されるであろう。
【0033】
図12及び図13は、1つの例示的な実施形態に係る、3GPPネットワークからHRPDネットワークへのハンドオーバを実装する例示的なブロック図及び呼フロー図をそれぞれ示す。PGW100は、ユーザペイロードパケットa、b、及びcを、S5/S8 GTPトンネルを介してSGW200へ送信する。SGW200は、ユーザペイロードパケットa、b、及びcを、S1−U GTPトンネルを介してE−UTRAN内のeNodeB260へ送信する。eNodeB260はUE400から既に接続を断っており、HRPD AN360がUE400に接続しているので、eNodeB260は、ユーザペイロードパケットa、b、及びcを間接的なGTPトンネルを介してSGW200へ返送する。
【0034】
PGW100は、最後のデータパケット(データパケットc)を送信した後、各ベアラストリームについてのエンドマーカーパケットを送信する(呼フローアイテム14c.i)。図12における例において、1つのベアラシステムのみが存在し、関連付けられるエンドマーカーパケットはシーケンス番号100を含む。SGW200は、エンドマーカーパケットをeNodeB260へ送信し(呼フローアイテム14c.ii)、当該eNodeB260は、データパケット転送処理の一部として当該エンドマーカーパケットをSGW200へ返送する(呼フローアイテム14c.iii)。SGW200は、返送エンドマーカーパケットに応じて、シーケンス番号PGW100を含むエンプティGREパケットを生成する。SGW200がユーザペイロードパケットa、b、及びcをS103 GREトンネルを介してHSGW300へ転送した後、SGW200は、エンプティGREパケットをHSGWへ送信する(呼フローアイテム14c.v)。
【0035】
PGW100がエンドマーカーパケットをSGW200へ送信した(呼フローアイテム14c.i)後、PGW100は、その後にユーザペイロードパケットd、e、及びfが続く最初のパケットをS2a GREトンネルを介してHSGW300へ送信する。図12に示される例において、最初のパケットは、シーケンス番号101を有するエンプティGREパケットを含む(呼フローアイテム14c.iv)。HSGW300は、ユーザペイロードパケットa、b、及びcを受信し、及びこれらをUE400への送信のためにHRPD AN360へ送信する。制御ユニット320は、エンプティGREパケットを受信すると、SGW200から受信されるエンプティGREパケット中のシーケンス番号とPGW100から受信されるエンプティGREパケット中のシーケンス番号とを比較する。HSGW300によって予期されるように、シーケンス番号101はシーケンス番号100よりも大きいので、HSGWは、ユーザペイロードパケットd、e、及びfをHRPD AN360へ送信する。HSGW300がシーケンス番号100を有するエンプティGREパケットを受信する前にユーザペイロードパケットd、e、又はfを受信する場合、HSGW300は、エンプティGREパケットが受信されるまで、ユーザペイロードパケットd、e、及び/又はfをバッファ340にバッファリングし、及び、バッファリングされたユーザペイロードパケットをエンプティGREパケットが受信された後にHRPD AN360へ送信する。バッファが空になった後、HSGW300は、PGW100からS2a GREトンネルを介して受信されるユーザペイロードパケットを、これらが受信される順序で送信する。
【0036】
上記実施形態は概して3GPPからHRPDへのUE400のハンドオーバの観点から本明細書において説明されているが、種々の実施形態及び詳細はHRPDから3GPPへのUE400のハンドオーバにも適用され、ソースゲートウェイ、ターゲットゲートウェイ、及びネットワークゲートウェイがそれぞれHSGW300、SGW200、及びPGW100を含むことが認識されるであろう。特に、HSGW300からSGW200へ送信されるエンプティGREパケットは、HSGW300からのデータパケットの終了を示す。SGW200は、HSGW300から受信されるデータパケットを、エンプティGREパケットが受信されるまでUE400へ送信する。SGW200は、エンプティGREパケットの受信後、PGW100から直接受信されるデータパケットをUE400へ送信する。
【0037】
本明細書において開示される実施形態は、ハンドオーバ期間中のUEへのデータパケットの順序通りの配信を確実にすることによってRAT間ハンドオーバを容易にする。本明細書において開示されるRAT間ハンドオーバは、当然ながら、本明細書の本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書において具体的に述べられる手法とは異なる手法で実行され得る。本実施形態は、あらゆる点において例示的であって限定的ではないものとみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲の意味及び均等な範囲内におさまるあらゆる変更は、当該特許請求の範囲内に包含されることが意図される。
図1
図2
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図5
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図7
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図10
図11
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図13