(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013462
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】チューナブル・マルチバンド受信機
(51)【国際特許分類】
H04B 1/18 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
H04B1/18 D
H04B1/18 C
【請求項の数】24
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-513613(P2014-513613)
(86)(22)【出願日】2012年5月24日
(65)【公表番号】特表2014-519284(P2014-519284A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】US2012039455
(87)【国際公開番号】WO2012166556
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2014年1月21日
【審判番号】不服2015-15865(P2015-15865/J1)
【審判請求日】2015年8月27日
(31)【優先権主張番号】13/118,283
(32)【優先日】2011年5月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】サホタ、ガーカンワル・シン
(72)【発明者】
【氏名】シッカレリー、スティーブン・シー.
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン―ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ペルシコ、チャールズ・ジェイ.
【合議体】
【審判長】
佐藤 智康
【審判官】
吉田 隆之
【審判官】
古市 徹
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−513558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受信帯域の中からの1つの受信帯域にアンテナをチューニングするように構成された1つのアンテナ・チューニング・ネットワークと、
前記アンテナ・チューニング・ネットワークに動作可能に結合され、かつ1つの送信帯域における信号成分を減衰させるように構成された1つのチューナブル・ノッチフィルタと、
複数の低雑音増幅器(LNA)と、なお、前記複数のLNAのうちの各LNAは、前記チューナブル・ノッチフィルタに選択的に結合するように構成され、かつ前記チューナブル・ノッチフィルタからの出力信号を増幅するように構成される、
を備え、
前記チューナブル・ノッチフィルタおよびLNAの適切なペアは、オペレーションの周波数帯域に基づいて、前記チューナブル・ノッチフィルタと前記複数のLNAとの間に結合されたスイッチマトリクスによって、選択される、
装置。
【請求項2】
前記複数のLNAのうちの少なくとも1つのLNAは、所定の周波数より上の高い周波数帯域のための第1のLNAおよび前記所定の周波数より下の低い周波数帯域のための第2のLNAを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のLNAのうちの各LNAは、前記複数の受信帯域のうちの少なくとも1つを支援する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記チューナブル・ノッチフィルタと前記複数のLNAとに動作可能に結合され、かつ前記チューナブル・ノッチフィルタからの前記出力信号を前記複数のLNAの中から選択されたLNAにルーティングするように構成された第1のスイッチマトリクスと、
前記複数のLNAに動作可能に結合され、かつ前記選択されたLNAからの増幅された信号を供給するように構成された第2のスイッチマトリクスと
をさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記チューナブル・ノッチフィルタは、前記複数の受信帯域に関連づけられた複数の送信帯域のうちの1つにチューニングすることが可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記アンテナ・チューニング・ネットワークは、
前記アンテナ・チューニング・ネットワークの入力と出力との間に結合されたインダクタと、
前記インダクタに結合された少なくとも1つの可変キャパシタと
を備え、
各可変キャパシタは、前記アンテナ・チューニング・ネットワークの前記入力または前記出力に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記チューナブル・ノッチフィルタは、
前記チューナブル・ノッチフィルタの入力と出力との間に結合されたインダクタと、
前記チューナブル・ノッチフィルタの前記入力と前記出力との間に直列に結合された複数のキャパシタと
を備え、
前記複数のキャパシタは、少なくとも1つの可変キャパシタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のキャパシタは、直列に結合された2つの可変キャパシタを備え、
前記チューナブル・ノッチフィルタは、前記2つの可変キャパシタと回路接地とに結合された抵抗器をさらに備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記チューナブル・ノッチフィルタは、
前記チューナブル・ノッチフィルタの入力と出力とに結合されたインダクタと、
前記インダクタと並列に結合された可変キャパシタと
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記チューナブル・ノッチフィルタは、
前記チューナブル・ノッチフィルタの入力と出力とに結合され、かつ直列に結合された可変キャパシタおよびインダクタ
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのLNAに動作可能に結合され、かつ前記送信帯域における前記信号成分をさらに減衰させるように構成された第2のチューナブル・ノッチフィルタ
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記チューナブル・ノッチフィルタは、第1の回路トポロジでインプリメントされ、前記第2のチューナブル・ノッチフィルタは、前記第1の回路トポロジとは異なる第2の回路トポロジでインプリメントされる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2のチューナブル・ノッチフィルタは、前記少なくとも1つのLNAの中からのLNAの一部である、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記送信帯域における前記信号成分をさらに減衰させるように構成された少なくとも1つの追加のチューナブル・ノッチフィルタ
をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
プライマリ・アンテナとダイバーシチ・アンテナとを含む複数のアンテナをさらに備え、前記アンテナは、前記ダイバーシチ・アンテナに対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、集積回路を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
1つのアンテナ・チューニング・ネットワークを用いて、複数の受信帯域の中からの1つの受信帯域にアンテナをチューニングすることと、
1つの送信帯域における信号成分を減衰させるために、1つのチューナブル・ノッチフィルタを用いて、前記アンテナ・チューニング・ネットワークからの受信された信号をフィルタすることと、
切替可能に選択可能な複数の低雑音増幅器(LNA)のうちの1つのLNAを用いて、前記チューナブル・ノッチフィルタからの出力信号を増幅することと
を備え、
前記チューナブル・ノッチフィルタおよびLNAの適切なペアは、オペレーションの周波数帯域に基づいて、前記チューナブル・ノッチフィルタと前記切替可能に選択可能な複数のLNAとの間に結合されたスイッチマトリクスによって、選択される、
方法。
【請求項18】
前記複数の受信帯域に関連づけられた複数の送信帯域における前記送信帯域に前記チューナブル・ノッチフィルタをチューニングすること
をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの前記LNAは、複数のLNAを備え、前記方法は、
第1のスイッチマトリクスを介して、前記チューナブル・ノッチフィルタからの前記出力信号を、前記複数のLNAの中から選択されたLNAにルーティングすることと、
第2のスイッチマトリクスを介して、前記選択されたLNAからの増幅された信号を供給することと
をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの追加のチューナブル・ノッチフィルタを用いて、前記送信帯域における前記信号成分を減衰させること
をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
複数の受信帯域の中からの1つの受信帯域にアンテナをチューニングするための手段と、
1つの送信帯域における信号成分を減衰させるために、前記アンテナをチューニングするための前記手段からの受信された信号をフィルタするための手段と、
前記フィルタするための手段からの出力信号を、切替可能に選択可能な複数の増幅経路のうちの1つで増幅するための手段と
を備え、
前記フィルタするための手段および増幅経路の適切なペアは、オペレーションの周波数帯域に基づいて、前記フィルタするための手段と前記切替可能に選択可能な複数の増幅経路との間に結合されたスイッチマトリクスによって、選択される、
装置。
【請求項22】
前記複数の受信帯域に関連づけられた複数の送信帯域における前記送信帯域に前記フィルタするための手段をチューニングするための手段
をさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記フィルタするための手段からの前記出力信号を、複数の増幅するための手段の中からの前記増幅するための手段にルーティングするための手段
をさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記送信帯域における前記信号成分をさらに減衰させるための手段
をさらに備える、請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、一般に、エレクトロニクスに関し、より具体的には、受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] ワイヤレス通信デバイス(例えば、セルラ電話)は、双方向の通信を支援するために、プライマリ・アンテナに結合された送信機と受信機を含みうる。データ送信のために、送信機は、変調された信号を取得するために、データを用いて無線周波数(RF)キャリア信号を変調し、適切な信号レベルを有する送信(TX)信号を取得するために変調された信号を増幅し、プライマリ・アンテナを介して基地局にTX信号を送信しうる。データ受信のために、受信機は、プライマリ・アンテナを介して受信(RX)信号を取得し、基地局によって送られたデータを回復するためにRX信号を調整および処理しうる。
【0003】
[0003] ワイヤレスデバイスは、ダイバーシチ/セカンダリ・アンテナに結合されたダイバーシチ(DRX)受信機を含みうる。ダイバーシチ受信機は、ダイバーシチ・アンテナを介してセカンダリRX信号を取得し、基地局によって送られたデータを回復するために、このセカンダリRX信号を調整および処理しうる。ダイバーシチ受信機は、マルチパスとフェージングの緩和を支援し、また、同じ周波数上の他のシステムからの干渉を無効にする(cancel)ことを支援しうる。ダイバーシチ受信機は、ダウンロードの速度および電力(download speed and power)を増大させることによって、エンドユーザの体験を改善し、また、その他の利点を提供しうる。
【0004】
[0004] ワイヤレスデバイスは、異なるワイヤレスシステムと通信することが可能でありうる、および/または、複数の周波数帯域上のオペレーションを支援しうる。これらの機能は、ワイヤレスデバイスがより多くのシステムから通信サービスを受信し、より広いカバレッジを享受(enjoy)することを可能にする。ワイヤレスデバイスは、受信機によって支援される全ての周波数帯域およびシステムのために、受信機における多数の受信経路(a number of receive paths)を有しうる。各受信経路は、RXフィルタ、低雑音増幅器(LNA)等のような回路ブロックのセットを含みうる。各受信経路のための回路ブロックは、その受信経路によって支援される1つまたは複数のシステムおよび/または1つまたは複数の周波数帯域のために特に設計されうる。ワイヤレスデバイスは、複数の周波数帯域および/または複数のシステムを支援するために、多くの受信経路および多くの回路ブロックを有しうる。これらの多くの受信経路は、ワイヤレスデバイスの複雑さ、サイズ、費用、および電力消費を増大させ、これらすべては、望ましくない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、複数のワイヤレスシステムと通信するワイヤレスデバイスを示す。
【
図2】
図2は、各アンテナのための複数の受信経路を有するワイヤレスデバイスを示す。
【
図3】
図3は、チューナブル・マルチバンド受信機(tunable multi-band receiver)を有するワイヤレスデバイスを示す。
【
図4A】
図4Aは、チューナブル・マルチバンド受信機の2つの典型的な設計のうちの1つを示す。
【
図4B】
図4Bは、チューナブル・マルチバンド受信機の2つの典型的な設計のうちの1つを示す。
【
図5】
図5は、アンテナ・チューニング・ネットワークの典型的な設計を示す。
【
図6A】
図6Aは、チューナブル・ノッチフィルタ(tunable notch filter)の4つの典型的な設計のうちの1つを示す。
【
図6B】
図6Bは、チューナブル・ノッチフィルタの4つの典型的な設計のうちの1つを示す。
【
図6C】
図6Cは、チューナブル・ノッチフィルタの4つの典型的な設計のうちの1つを示す。
【
図6D】
図6Dは、チューナブル・ノッチフィルタの4つの典型的な設計のうちの1つを示す。
【
図7A】
図7Aは、
図6Aにおけるチューナブル・ノッチフィルタのパフォーマンスのプロットを示す。
【
図7B】
図7Bは、
図6Bにおけるチューナブル・ノッチフィルタのパフォーマンスのプロットを示す。
【
図8】
図8は、チューナブル・マルチバンド受信機の典型的な設計を示す。
【
図9A】
図9Aは、MEMSバラクター(a MEMS varactor)の典型的な設計を示す。
【
図10】
図10は、RX信号を受信および処理するためのプロセスを示す。
【0006】
[0015] 以下に記載される詳細な説明は、本開示の典型的な設計の説明として意図され、本開示が実現されうる唯一の設計を表すようには意図されない。「典型的(exemplary)」という用語は、本明細書で「例、実例、または例示を提供する(serving as an example, instance, or illustration)」という意味で用いられる。本明細書で「典型的」であると説明される任意の設計は、他の設計に対して、必ずしも好ましいまたは有利であるようには解釈されるとは限らない。詳細な説明は、本開示の典型的な設計の完全な理解を提供することを目的とした特定の詳細を含む。ここで説明される典型的な設計は、これらの特定の詳細なしで実現されうることが当業者に明らかになるであろう。いくつかの事例では、周知の構造およびデバイスが、ここに示される典型的な設計の新規性を曖昧にすることを避けるために、ブロック図形式で示される。
【0007】
[0016] 任意のアンテナ(例えば、ダイバーシチ・アンテナ)のために使用されうるチューナブル・マルチバンド受信機が、ここで説明される。これらの受信機は、ワイヤレス通信デバイス、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ワイヤレスモデム、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、スマートブック、ネットブック、タブレット、コードレスフォン、ワイヤレス・ローカル・ループ(WLL)局、BLUETOOTH(登録商標)デバイス、家庭用電化製品、ブロードキャスト受信機等のような、様々な電子デバイスのために使用されうる。明確さのために、ワイヤレス通信デバイスのためのチューナブル・マルチバンド受信機の使用が以下に説明される。
【0008】
[0017]
図1は、複数のワイヤレス通信システム120および122と通信することが可能なワイヤレス通信デバイス110を示す。ワイヤレスシステム120は、符号分割多元接続(CDMA)システムであることができ、これは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、cdma2000、または何らかの他のバージョンのCDMAをインプリメント(implement)することができる。ワイヤレスシステム122は、グローバル移動体通信(GSM(登録商標))システム、ロングタームエボリューション(LTE)システム、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システム等でありうる。簡潔さのために、
図1は、1つの基地局130と1つのモバイル交換センタ(MSC)140とを含むワイヤレスシステム120と、1つの基地局132と1つの無線ネットワーク・コントローラ(RNC)とを含むシステム122とを示す。一般に、各システムは、任意の数の基地局および任意のセットのネットワーク・エンティティを含みうる。
【0009】
[0018] ワイヤレスデバイス110はまた、ユーザ機器(UE)、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局等として称されうる。ワイヤレスデバイス110は、任意の数のアンテナを装備しうる。典型的な設計では、ワイヤレスデバイス110は、プライマリ・アンテナとダイバーシチ/セカンダリ・アンテナとの2つのアンテナを含む。複数のアンテナは、フェージング、マルチパス、干渉等のような有害な経路影響に対してダイバーシチを提供するために使用されうる。複数のアンテナはまた、データレートを改善しおよび/またはその他の利益を得るために、多入力多出力(MIMO)送信を支援するために使用されうる。ワイヤレスデバイス110は、ワイヤレスシステム120および/または122と通信することが可能でありうる。ワイヤレスデバイス110はまた、ブロードキャスト局(例えば、ブロードキャスト局134)から信号を受信することが可能でありうる。ワイヤレスデバイス110はまた、1つまたは複数の全地球航法衛星システム(GNSS)における衛星(例えば、衛星150)から信号を受信することが可能でありうる。
【0010】
[0019] 一般に、ワイヤレスデバイス110は、任意の数のワイヤレスシステムとの通信を支援することができ、それは、WCDMA、cdma2000、GSM、LTE、GPS等のような任意の無線技術を用いることができる。ワイヤレスデバイス110はまた、任意の数の周波数帯域上のオペレーションを支援しうる。
【0011】
[0020]
図2は、各アンテナのための複数の受信経路を有するワイヤレスデバイス110aのブロック図を示す。ワイヤレスデバイス110aは、
図1のワイヤレスデバイス110の典型的な設計である。ワイヤレスデバイス110aは、プライマリ・セクション220に結合されたプライマリ・アンテナ210およびダイバーシチ・セクション222に結合されたダイバーシチ・アンテナ212を含む。簡潔さのために、
図2は、1つまたは複数の周波数帯域上のデータ送信を支援する送信(TX)モジュール230と、複数(K個)の周波数帯域上のデータ受信を支援する受信(RX)モジュール240とを含むプライマリ・セクション220を示し、ここで、Kは任意の整数値でありうる。ダイバーシチ・セクション222は、複数(K個)の周波数帯域上のデータ受信を支援するRXモジュール250を含む。一般に、RXモジュール240および250は、(以下の多くの説明で仮定されるような、)同じセットの周波数帯域または異なるセットの周波数帯域を支援しうる。
【0012】
[0021] プライマリ・セクション220内で、スイッチプレクサ/デュプレクサ(a switchplexer/duplexer)224は、(i)TXモジュール230またはRXモジュール240のいずれかをプライマリ・アンテナ210に結合する、および(ii)データ受信中に、RXモジュール240内の適切な受信経路をプライマリ・アンテナ210に結合する、ためにスイッチングおよび/またはルーティングを実行する。スイッチプレクサ/デュプレクサ224は、プライマリ・アンテナ210に結合されたアンテナ・ポート、および、TXモジュール230内の送信経路と、RXモジュール240内のK個の受信経路とに結合された入力/出力(I/O)ポートを有する。スイッチプレクサ224は、アンテナ・ポートを、任意の所与の時点において(at any given moment)、I/Oポートのうちの1つに結合する。
【0013】
[0022] TXモジュール230は、1つの送信経路のためのTXフィルタ232および電力増幅器(PA)234を含む。RFバックエンド270からの出力RF信号は、TX信号を取得するために、TXフィルタ232によりフィルタされ、電力増幅器234によって増幅され、それは、スイッチプレクサ/デュプレクサ224を通してルーティングされて、プライマリ・アンテナ210を介して送信される。TXモジュール230はまた、1つまたは複数の追加の送信経路を含みうる。
【0014】
[0023] RXモジュール240は、K個の受信経路を含み、それらは、異なる周波数帯域および/または異なるワイヤレスシステムを支援しうる。例えば、1つの受信経路は、対象の(of interest)各周波数帯域のために使用されうる。各受信経路は、LNA 244に結合されたRXフィルタ242を含む。K個の受信経路のためのRXフィルタ242a乃至242kは、異なる周波数帯域のためのそれらのRX信号をフィルタして、それぞれLNA 244a乃至244kへフィルタされた信号を供給しうる。LNA 244a乃至244kは、それらのフィルタされた信号を増幅して、RFバックエンド270へ入力RF信号を供給しうる。スイッチプレクサ/デュプレクサ224は、プライマリ・セクション220のためのオペレーションの周波数帯域を選択して、プライマリ・アンテナ210からのRX信号を選択された周波数帯域のための受信経路に結合する。
【0015】
[0024] ダイバーシチ・セクション222内で、スイッチプレクサ226は、ダイバーシチ・アンテナ212に結合されたアンテナ・ポート、および、RXモジュール250内のK個の受信経路に結合されたK個のI/Oポートを有する。K個の受信経路は、異なる周波数帯域および/または異なるワイヤレスシステムを支援しうる。各受信経路は、LNA 254に結合されたRXフィルタ252を含む。K個の受信経路のためのRXフィルタ252a乃至252kは、異なる周波数帯域のためのそれらのRX信号をフィルタし、それぞれLNA 254a乃至254kへフィルタされた信号を供給しうる。LNA 254a乃至254kは、それらのフィルタされた信号を増幅し、RFバックエンド270へ入力RF信号を供給しうる。スイッチプレクサ226は、ダイバーシチ・セクション222のためのオペレーションの周波数帯域を選択し、ダイバーシチ・アンテナ212からのRX信号を選択された周波数帯域のための受信経路に結合する。
【0016】
[0025] RFバックエンド270は、ダウンコンバータ、アップコンバータ、増幅器、フィルタ、バッファ等のような、様々な回路ブロックを含みうる。RFバックエンド270は、任意のLNAからの入力RF信号を周波数ダウンコンバート、増幅、およびフィルタして、データ・プロセッサ280へ入力ベースバンド信号を供給しうる。RFバックエンド270はまた、出力ベースバンド信号を増幅、フィルタ、および周波数アップコンバートして、フィルタ232へ出力RF信号を供給しうる。モジュール230、240および250のすべてまたは一部と、RFバックエンド270は、1つまたは複数のアナログ集積回路(IC)、RF IC(RFIC)、混合信号IC上等でインプリメントされうる。
【0017】
[0026] データ・プロセッサ280は、ワイヤレスデバイス110aのために様々な機能を、例えば、送信および受信されるデータのための処理を、実行することができる。メモリ282は、データ・プロセッサ280のためのプログラムコードおよびデータを記憶しうる。データ・プロセッサ280は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/またはその他のIC上でインプリメントされうる。
【0018】
[0027] ワイヤレスデバイス110aは、任意の所与の時点において、特定の周波数帯域上で動作しうる。周波数分割複信(FDD)のために、特定の周波数帯域は、送信帯域および受信帯域を含みうる。ワイヤレスデバイス110aは、送信帯域上でTX信号を送信すると同時に、受信帯域上で所望の信号を受信することができる。
【0019】
[0028] ワイヤレスデバイス110aにおいて、プライマリ・セクション220におけるTXモジュール230からのTX信号の一部は、プライマリ・セクション220内のRXモジュール240に結合され、また、ダイバーシチ・セクション222におけるRXモジュール250にも結合されうる。この結合は、アンテナ210と212および/またはルーティング・トレース(routing traces)を介しうる。スイッチプレクサ/デュプレクサ224から各RXフィルタ242へのRX信号は、受信帯域における所望の信号のみならず、送信帯域における漏洩TX信号(a leaked TX signal)も含みうる。同様に、スイッチプレクサ226から各RXフィルタ252へのRX信号は、受信帯域における所望の信号のみならず、送信帯域における漏洩TX信号も含みうる。TX信号は、特にワイヤレスデバイスが基地局から遠く離れて位置する場合、大きな振幅(a large amplitude)(例えば、CDMAについては、+23dBmまたはGSMについては、+33dBm)を有しうる。したがって、たとえ結合が比較的小さくなりうるとしても、漏洩TX信号は、TX信号の大きな振幅のために、所望の信号と比べて大きくなりうる。各受信経路のためのRXフィルタ242または252は、なるべく少ない(as little)漏洩TX信号がその受信経路におけるLNA244または254へ通過し、よいパフォーマンスが得られるように、受信帯域における所望の信号を通過させ、送信帯域における漏洩TX信号を減衰させうる。
【0020】
[0029] 一般に、受信機は、任意の数の周波数帯域および任意の数のワイヤレスシステムのための任意の数のRXフィルタを含みうる。RXフィルタはまた、フロントエンドRFフィルタと称され、典型的に、高品質係数(high quality factor)(Q)フィルタでありうる。例えば、RXフィルタは、典型的にICチップ上には統合できない、表面弾性波(SAW:surface acoustic wave)フィルタ、バルク弾性波(BAW:bulk acoustic wave)フィルタまたは薄膜圧電共振器(FBAR: thin film bulk acoustic resonator)フィルタでインプリメントされうる。1つのRXフィルタおよび1つのLNAは、各周波数帯域のために使用され、特にその周波数帯域のために設計されうる。受信機は、全ての支援された周波数帯域のための多くのRXフィルタおよび多くのLNAを含みうる。例えば、受信機は、5つの周波数帯域を支援するために、5つのSAWフィルタおよび5つのLNAを含みうる。複数の周波数帯域を支援するために複数のRXフィルタおよび複数のLNAを使用することは、ワイヤレスデバイス110aについての費用、基板面積およびルーティングの複雑さ(routing complexity)を増大させうる。
【0021】
[0030] 一態様において、チューナブル・マルチバンド受信機は、各周波数帯域のための個別のRXフィルタを必要とせずに、複数の周波数帯域を支援するために使用されうる。チューナブル・マルチバンド受信機は、複数の周波数帯域のための単一の受信経路を含むことができ、より小さなサイズ、より低い費用、より良い信頼性等のような、様々な利点を提供することができる。
【0022】
[0031]
図3は、チューナブル・マルチバンド受信機を備えるワイヤレスデバイス110bのブロック図を示す。ワイヤレスデバイス110bは、
図1のワイヤレスデバイス110の別の典型的な設計である。ワイヤレスデバイス110bは、プライマリ・セクション320に結合されたプライマリ・アンテナ310、および、ダイバーシチ・セクション322に結合されたダイバーシチ・アンテナ312を含む。プライマリ・セクション320は、1つまたは複数の周波数帯域上のデータ送信を支援するTXモジュール330、および、複数の周波数帯域上のデータ受信を支援するチューナブル・マルチバンド受信機340を含む。ダイバーシチ・セクション222は、複数の周波数帯域上のデータ受信を支援するチューナブル・マルチバンド受信機350を含む。RFバックエンド370は、チューナブル・マルチバンド受信機340または350からの入力RF信号を周波数ダウンコンバート、増幅、およびフィルタし、データ・プロセッサ380へ入力ベースバンド信号を供給しうる。RFバックエンド370はまた、出力ベースバンド信号を増幅、フィルタ、および周波数アップコンバートし、TXモジュール330へ出力RF信号を供給しうる。RFバックエンド370、チューナブル・マルチバンド受信機340と350、およびTXモジュール330のすべてまたは一部が、1つまたは複数のアナログIC、RFIC、混合信号IC上等でインプリメントされうる。データ・プロセッサ380は、ワイヤレスデバイス110bのために様々な機能を実行しうる。メモリ382は、データ・プロセッサ380のためのプログラムコードおよびデータを記憶しうる。
【0023】
[0032]
図3は、チューナブル・マルチバンド受信機が、プライマリ・アンテナ310およびダイバーシチ・アンテナ312の各々のために使用される典型的な設計を示す。別の典型的な設計では、チューナブル・マルチバンド受信機は、プライマリ・アンテナ310のみまたはダイバーシチ・アンテナ312のみのために使用されうる。一般に、チューナブル・マルチバンド受信機は、ワイヤレスデバイス上で利用可能な各アンテナのために使用されることも使用されないこともありうる。複数の受信経路を有するRXモジュール(例えば、
図2のRXモジュール240または250)が、各アンテナのために使用されることができ、この場合、チューナブル・マルチバンド受信機は使用されない。
【0024】
[0033]
図4Aは、アンテナ410に結合されたチューナブル・マルチバンド受信機400の典型的な設計のブロック図を示す。チューナブル・マルチバンド受信機400は、
図3のチューナブル・マルチバンド受信機340のために使用され、また、アンテナ410は、プライマリ・アンテナ310に対応しうる。あるいはまたはこれに加えて、チューナブル・マルチバンド受信機400は、
図3のチューナブル・マルチバンド受信機350のために使用され、また、アンテナ410は、ダイバーシチ・アンテナ312に対応しうる。
【0025】
[0034]
図4Aに示される典型的な設計では、チューナブル・マルチバンド受信機400は、直列に結合されたアンテナ・チューニング・ネットワーク420、チューナブル・ノッチフィルタ430、およびLNA 440を含む。アンテナ・チューニング・ネットワーク420は、スイッチなどの1つまたは複数の回路を介して、(
図4Aに示されるように)アンテナ410に直接的に、またはアンテナ410に間接的に結合されうる。アンテナ・チューニング・ネットワーク420、チューナブル・ノッチフィルタ430およびLNA 440は、複数の周波数帯域のオペレーションを支援しうる。
【0026】
[0035]
図4Bは、アンテナ410に結合されたチューナブル・マルチバンド受信機402の典型的な設計のブロック図を示す。チューナブル・マルチバンド受信機402は、
図3のチューナブル・マルチバンド受信機340のために使用され、アンテナ410は、プライマリ・アンテナ310に対応しうる。あるいはまたはこれに加えて、チューナブル・マルチバンド受信機402は、
図3のチューナブル・マルチバンド受信機350のために使用され、アンテナ410は、ダイバーシチ・アンテナ312に対応しうる。
【0027】
[0036]
図4Bに示される典型的な設計では、チューナブル・マルチバンド受信機402は、直列に結合されたアンテナ・チューニング・ネットワーク420、チューナブル・ノッチフィルタ430、スイッチマトリクス432、複数(K個)のLNA 440a乃至440kおよびスイッチマトリクス442を含む。アンテナ・チューニング・ネットワーク420は、スイッチなどの1つまたは複数の回路を介して、(
図4Bに示されるように)アンテナ410に直接的に、またはアンテナ410に間接的に結合されうる。K個のLNA 440a乃至440kは、スイッチマトリクス432に結合されたそれらの入力と、スイッチマトリクス442に結合されたそれらの出力とを有しうる。スイッチマトリクス442は、後続の回路(例えば、広帯域ダウンコンバータ)に結合されたそれの出力を有しうる。
【0028】
[0037] 一般に、チューナブル・マルチバンド受信機は、任意の数の周波数帯域を支援するために、任意の数のLNAを含みうる。各LNAは、単一の周波数帯域または複数の周波数帯域を支援しうる。LNAの数は、各LNAの帯域幅および支援されている周波数帯域に依存しうる。例えば、高い帯域に対して1つのLNAが存在し、低い帯域に対して別のLNAが存在しうる。(例えば、
図4Aに示されるように)ただ1つのLNAが存在する場合には、このLNAは、チューナブル・ノッチフィルタ430に結合され、スイッチマトリクスは省略されうる。(例えば、
図4Bに示されるように)複数のLNAが存在する場合には、1つのLNA 440は、スイッチマトリクス432および442を介して、任意の所与の時点において、選択されうる。
【0029】
[0038] アンテナ410は、電気的に小さなアンテナまたは標準のアンテナでありうる。アンテナ410が小さなアンテナである場合には、アンテナ410はそのサイズの小ささのために、狭帯域を有しうる。アンテナ410のサイズにかかわらず、アンテナ・チューニング・ネットワーク420は、アンテナ410がより広い周波数範囲(例えば、440MHz〜2.6GHz)にわたってチューニングされることを可能にする。アンテナ・チューニング・ネットワーク420はまた、ひとたびアンテナ410が特定の周波数帯域にチューニングされると、選択度(selectivity)を提供しうる。チューナブル・ノッチフィルタ430は、送信機からのなるべく少ないTX信号が、受信機400または402の受信経路に結合されるように、受信帯域における所望の信号成分を通過させ、送信帯域における漏洩TX信号成分を減衰させる。チューナブル・ノッチフィルタ430はまた、SiP(システム・イン・パッケージ(system-in-package))設計におけるSAWフィルタと置き換えられることができる。異なる周波数帯域のために設計された複数のLNAが受信機において存在する場合には、スイッチマトリクス432は、チューナブル・ノッチフィルタ430から出力信号を選択されたLNAに結合し、スイッチマトリクス442は、選択されたLNAからの増幅された信号を後続の回路(例えば、ダウンコンバータ)に結合しうる。
【0030】
[0039]
図4Aは、1つのアンテナ・チューニング・ネットワークと、1つのチューナブル・ノッチフィルタと、1つのLNAとを有するチューナブル・マルチバンド受信機400の典型的な設計を示す。
図4Bは、1つのアンテナ・チューニング・ネットワークと、1つのチューナブル・ノッチフィルタと、複数のLNAとを有するチューナブル・マルチバンド受信機402の典型的な設計を示す。別の典型的な設計では、チューナブル・マルチバンド受信機は、アンテナ・チューニング・ネットワークと、それに続くスイッチマトリクスと、それに続く複数のチューナブル・ノッチフィルタと、それに続く複数のLNAと、それに続く別のスイッチマトリクスとを含みうる。各LNAは、関連するチューナブル・ノッチフィルタの出力に結合されたそれの入力を有しうる。チューナブル・ノッチフィルタおよびLNAの各ペアは、1つまたは複数の周波数帯域をカバーしうる。スイッチマトリクスは、オペレーションの周波数帯域に基づいて、チューナブル・ノッチフィルタおよびLNAの適切なペアを選択しうる。
【0031】
[0040] 一般に、チューナブル・マルチバンド受信機は、任意の数のアンテナ・チューニング・ネットワーク、任意の数のチューナブル・ノッチフィルタおよび任意の数のLNAを含みうる。これらの回路は、任意の構成で配置されうる。典型的な設計では、(複数を含む)アンテナ・チューニング・ネットワーク、(複数を含む)チューナブル・ノッチフィルタおよび(複数を含む)LNAは、完全統合型アクティブ受信ダイバーシチ・フロントエンド・モジュール(fullly integrated active receive diversity front−end module)でインプリメントされうる。この典型的な設計は、基板レベルで(at the board level)、RFインターコネクト(RF interconnect)を低減させることができ、また、(複数を含む)LNAの統合によるアンテナからのインターコネクト損失の影響を低減させる.ことができる。
【0032】
[0041] チューナブル・マルチバンド受信機はまた、他の方法でインプリメントされうる。例えば、チューナブル・ノッチフィルタ430は、アンテナ・チューニング・ネットワーク420と組み合わされうる。別の例として、チューナブル・ノッチフィルタ430は、(複数を含む)LNA 440の前または後に位置しうる。チューナブル・マルチバンド受信機はまた、
図4Aまたは
図4Bに示されない、異なる回路および/または追加の回路を含みうる。例えば、インピーダンス整合回路は、
図4Aのチューナブル・ノッチフィルタ430とLNA 440との間、または、
図4Bのチューナブル・ノッチフィルタ430とスイッチマトリクス432との間に結合されうる。
【0033】
[0042]
図4Aまたは
図4Bの回路は、様々な方法でインプリメントされうる。アンテナ・チューニング・ネットワーク420およびチューナブル・ノッチフィルタ430のいくつかの典型的な設計が以下に説明される。
【0034】
[0043]
図5は、アンテナ・チューニング・ネットワーク420xの概略図を示し、これは、
図4Aおよび4Bのアンテナ・チューニング・ネットワーク420の典型的な設計である。アンテナ・チューニング・ネットワーク420xは、π−トポロジ(a π-topology)をインプリメントし、インダクタ510と、可変キャパシタ512および514とを含む。インダクタ510は、アンテナ・チューニング・ネットワーク420xの入力と出力との間に結合される。キャパシタ512は、アンテナ・チューニング・ネットワーク420xの入力と回路接地(circuit ground)との間に結合される。キャパシタ514は、アンテナ・チューニング・ネットワーク420xの出力と回路接地との間に結合される。キャパシタ512および/または514は、アンテナ・チューニング・ネットワーク420xが結合されるアンテナに関する所望のチューニングを得るために変化させることができる。
【0035】
[0044]
図5は、π−トポロジをもつアンテナ・チューニング・ネットワーク420xの典型的な設計を示す。アンテナ・チューニング・ネットワークはまた、他の方法でインプリメントされうる。例えば、1つの典型的な設計では、キャパシタ512および514のうちの1つは、固定されたキャパシタであり、キャパシタ512および514のうちのもう1つは、可変キャパシタでありうる。別の典型的な設計では、固定されたキャパシタおよび/または可変キャパシタは、インダクタ510と並列に結合されうる。なお別の典型的な設計では、複数のπ−ネットワークは、直列に結合され、各π−ネットワークは、
図5に示されるようにインプリメントされうる。その他の典型的な設計では、アンテナ・チューニング・ネットワークは、チューナブル・ノッチフィルタについて以下に説明される任意の典型的な設計でインプリメントされうる。
【0036】
[0045]
図6Aは、チューナブル・ノッチフィルタ430xの概略図を示し、これは、
図4Aおよび
図4Bのチューナブル・ノッチフィルタ430の典型的な設計である。チューナブル・ノッチフィルタ430xは、ブリッジ−Tトポロジ(a bridge-T topology)をインプリメントし、インダクタ610と、可変キャパシタ612および614と、抵抗器616とを含む。インダクタ610は、チューナブル・ノッチフィルタ430xの入力と出力との間に結合される。キャパシタ612は、チューナブル・ノッチフィルタ430xの入力と接続点Aとの間に結合される。キャパシタ614は、接続点(node)Aとチューナブル・ノッチフィルタ430xの出力との間に結合される。抵抗器616は、接続点Aと回路接地との間に結合される。チューナブル・ノッチフィルタ430xは、シャントコイル(shunt coil)トポロジと同様であり、抵抗器のチューニングで高いQを提供し(provide high Q with resistor tuning)うる。チューナブル・ノッチフィルタ430xは、単純なノッチ回路と比べて、受信帯域におけるより多くの挿入損失(insertion loss)を有しうるが、チューニングでの送信帯域におけるより深いノッチ(a deeper notch in the transmit band with tuning)を有しうる。
【0037】
[0046]
図7Aは、
図6Aのチューナブル・ノッチフィルタ430xのパフォーマンスのプロットを示す。
図7Aにおいて、水平軸は、可変キャパシタ612および614のキャパシタンスを表し、垂直軸は、デシベル(dB)の単位で振幅/減衰を表す。プロット710は、送信帯域における減衰を示す。
図7Aに示されるように、送信帯域における50dBより大きい減衰が、チューナブル・ノッチフィルタ430xにより得られ(obtained with tunable notch filter 430x)うる。
【0038】
[0047]
図6Bは、チューナブル・ノッチフィルタ430yの概略図を示し、これは、
図4Aおよび
図4Bのチューナブル・ノッチフィルタ430の別の典型的な設計である。チューナブル・ノッチフィルタ430yは、直列LCトポロジ(series LC topology)をインプリメントし、可変キャパシタ622と並列に結合されたインダクタ620を含む。インダクタ620およびキャパシタ622は、チューナブル・ノッチフィルタ430yの入力に結合された一端と、チューナブル・ノッチフィルタ430yの出力に結合されたもう一端とを有する。直列LCトポロジについて、インダクタ620は、比較的小さい値を有し、これは、低い挿入損失については、2GHzにおいて、1.5〜2ナノヘンリー(nano-Henries)(nH)になりうる。キャパシタ622は、比較的大きい値を有し、これは、2GHzにおいて、4〜6ピコファラド(pico-Farads)(pF)になりうる。キャパシタ622のQは、チューナブル・ノッチフィルタ430yのパフォーマンスに大きな影響を及ぼしうる。
【0039】
[0048]
図7Bは、
図6Bのチューナブル・ノッチフィルタ430yのパフォーマンスのプロットを示す。
図7Bにおいて、水平軸は、可変キャパシタ622のキャパシタンスを表し、垂直軸は、dBの単位で振幅/減衰を表す。プロット720は、受信帯域におけるチューナブル・ノッチフィルタ430yの挿入損失を示す。プロット722は、送信帯域における減衰を示す。
図7Bに示されるように、受信帯域におけるごく少量のdBより少ない挿入損失と、送信帯域における約23dBの減衰が、チューナブル・ノッチフィルタ430yにより得られうる。
【0040】
[0049]
図6Cは、チューナブル・ノッチフィルタ430zの概略図を示し、これは、
図4Aおよび
図4Bのチューナブル・ノッチフィルタ430のなお別の典型的な設計である。チューナブル・ノッチフィルタ430zは、シャントLCトポロジ(a shunt LC topology)をインプリメントし、可変キャパシタ632と直列に結合されたインダクタ630を含む。インダクタ630は、回路接地に結合された一端と、キャパシタ632の一端に結合されたもう一端とを有する。キャパシタ632のもう一端は、チューナブル・ノッチフィルタ430zの入力および出力に結合される。シャントLCトポロジについて、インダクタ630は、比較的大きな値を有し、これは、低い挿入損失については、2GHzにおいて、12〜15nHになりうる。キャパシタ632は、比較的小さい値を有しうる。
【0041】
[0050]
図6Dは、チューナブル・ノッチフィルタ430wの概略図を示し、これは、
図4Aおよび
図4Bのチューナブル・ノッチフィルタ430のなお別の典型的な設計である。チューナブル・ノッチフィルタ430wは、インダクタ640と、キャパシタ642および644とを含み、これらは、
図5のインダクタ510と、キャパシタ512および514と同様の方法で結合される。インダクタ650と可変キャパシタ652は、接続点Bと回路接地との間に並列に結合される。キャパシタ654は、接続点Bとチューナブル・ノッチフィルタ430wの入力との間に結合される。インダクタ660および可変キャパシタ662は、接続点Dと回路接地との間に並列に結合される。キャパシタ664は、接続点Dとチューナブル・ノッチフィルタ430wの出力との間に結合される。
【0042】
[0051]
図6A〜
図6Dは、異なる回路トポロジ(circuit topology)を有するチューナブル・ノッチフィルタの4つの典型的な設計を示す。チューナブル・ノッチフィルタはまた、他の方法でインプリメントされうる。1つの典型的な設計では、チューナブル・ノッチフィルタは、例えば、
図5に示されるような、π−トポロジでインプリメントされうる。別の典型的な設計では、固定されたキャパシタおよび/または可変キャパシタは、
図6Aのインダクタ610と並列に結合されうる。別の典型的な設計では、
図6Aのキャパシタ612および614のうちの1つは、固定されたキャパシタであり、キャパシタ612および614のうちのもう1つは、可変キャパシタでありうる。
【0043】
[0052] 明確さのために、
図4Aおよび
図4Bは、アンテナ・チューニング・ネットワーク420、チューナブル・ノッチフィルタ430およびLNA 440についての別個のブロックを示す。一般に、アンテナチューニング、ノッチフィルタリングおよび増幅の機能は、これらの機能を実行する1つまたは複数の回路でインプリメントされうる。
【0044】
[0053]
図8は、チューナブル・マルチバンド受信機800の典型的な設計の概略図を示す。受信機800は、直列に結合されたアンテナ・チューニング・ネットワーク420x、チューナブル・ノッチフィルタ430xおよびLNA 440xを含む。アンテナ・チューニング・ネットワーク420xは、インダクタ510と、可変キャパシタ512および514とを含み、これらは、
図5について上記に説明されたように結合される。チューナブル・ノッチフィルタ430xは、インダクタ610と、可変キャパシタ612および614と、抵抗器616とを含み、これらは、
図6Aについて上記に説明されたように結合される。
【0045】
[0054] LNA 440x内では、N型金属酸化膜半導体(NMOS:N−channel metal oxide semiconductor)トランジスタ810は、チューナブル・ノッチフィルタ430xの出力に結合されたそれのゲートと、インダクタ812の一端に結合されたそれのソースと、接続点Eに結合されたそれのドレインとを有する。インダクタ812のもう一端は、回路接地に結合される。チューナブル・ノッチフィルタ818は、ブリッジ−Tトポロジをインプリメントし、接続点Eと接続点Fとの間に結合される。チューナブル・ノッチフィルタ818は、インダクタ820、可変キャパシタ822、固定されたキャパシタ824および抵抗器826を含み、これらは、
図6Aのインダクタ610、キャパシタ612と614、および抵抗器616と同様の方法で結合される。
【0046】
[0055] NMOSトランジスタ814は、バイアス電圧(Vbias)を受信するそれのゲートと、接続点Fに結合されたそれのソースと、接続点Gに結合されたそれのドレインとを有する。チューナブル・ノッチフィルタ828は、直列LCトポロジをインプリメントし、接続点Gと供給電圧(Vdd)との間に結合される。チューナブル・ノッチフィルタ828は、インダクタ830および可変キャパシタ832を含み、これらは、
図6Bのインダクタ620およびキャパシタ622と同様の方法で結合される。チューナブル・ノッチフィルタ838は、シャントLCトポロジをインプリメントし、接続点Gに結合された一端と、出力信号を供給するもう一端とを有する。チューナブル・ノッチフィルタ838は、インダクタ840および可変キャパシタ842を含み、これらは、チューナブル・ノッチフィルタ838の入力と出力との間に直列に結合される。
【0047】
[0056]
図8は、NMOSトランジスタでインプリメントされるLNA 440xの典型的な設計を示す。LNAはまた、P型MOS(PMOS)トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)等のような、他のタイプのトランジスタでインプリメントされうる。
【0048】
[0057]
図8は、1つのアンテナ・チューニング・ネットワーク420xと、4つのチューナブル・ノッチフィルタ430x、818、828および838とを備える典型的な設計を示す。一般に、チューナブル・マルチバンド受信機は、任意の数のアンテナ・チューニング・ネットワークおよび任意の数のチューナブル・ノッチフィルタを含みうる。より多くのアンテナ・チューニング・ネットワークおよび/またはより多くのチューニングエレメントは、(i)おそらくより高い挿入損失でより広い帯域幅をカバーすることを支援し、(ii)より広い周波数範囲をカバーするために、および/または、より良い選択性(selectivity)を提供するために、アンテナのより良いチューニングを可能にし、(iii)より進んだ減衰(more far out attenuation)を提供するために、周波数応答のより良いシェーピング(shaping)を可能にしうる。より多くのチューナブル・ノッチフィルタは、より広い周波数範囲にわたる、ノッチのより良いチューニングを可能にし、および/または、そのノッチにおいてより多くの減衰を提供しうる。各アンテナ・チューニング・ネットワークは、任意の回路トポロジでインプリメントされることができ、任意の数のチューナブル回路エレメントを含むことができる。同様に、各チューナブル・ノッチフィルタは、任意の回路トポロジでインプリメントされることができ、任意の数のチューナブル回路エレメントを含むことができる。1つまたは複数のアンテナ・チューニング・ネットワークおよび1つまたは複数のチューナブル・ノッチフィルタは、様々な方法で結合され、例えば、
図8のアンテナ・チューニング・ネットワーク420xおよびチューナブル・ノッチフィルタ430xによって示されるように、互いに直接的に、またはトランジスタのようなアクティブ回路を介して間接的に結合されうる。
【0049】
[0058] アンテナ・チューニング・ネットワークは、例えば、
図5に示されるように、1つまたは複数の可変キャパシタを含みうる。チューナブル・ノッチフィルタはまた、例えば、
図6A〜
図6Dに示されるように、1つまたは複数の可変キャパシタを含みうる。可変キャパシタは、様々な方法でインプリメントされうる。1つの典型的な設計では、可変キャパシタは、アナログ制御電圧で変えられることができるキャパシタンスを有する連続的可変キャパシタ(a continuously variable capacitor)(またはバラクタ(varactor))でインプリメントされうる。別の典型的な設計では、可変キャパシタは、デジタル制御信号で個別の単位において変えられることができるキャパシタンスを有するデジタル方式可変キャパシタ(a digitally variable capacitor)でインプリメントされうる。なお別の典型的な設計では、可変キャパシタは、微小電気機械システム(a micro-electro-mechanical system)(MEMS)デバイスでインプリメントされうる。
【0050】
[0059]
図9Aは、MEMSバラクタ900の典型的な設計の上面図を示す。
図9Bは、
図9AのMEMSバラクタ900の断面図を示す。
図9Bの断面図は、
図9Aの線A−A’に沿ってとらえたものである(taken)。MEMSバラクタ900は、
図5〜
図6Dの任意の可変キャパシタのために使用されうる。
【0051】
[0060]
図9Aおよび
図9Bに示されるように、MEMSバラクタ900は、薄膜(a membrane)910の2つの端に位置したアンカー(anchor)922aおよび922bを介して回路基板(a substrate)920に取り付けられた(attached)薄膜910を含む。薄膜910は、導電材料(例えば、アルミニウム)で形成されることができ、また、機械的薄膜(a mechanical membrane)、機械的電極(a mechanical electrode)、天板(top plate)等と称されることができる。回路基板920は、ガラス、シリコン、または何らかの他の材料でありうる。プルダウン(pull−down)電極930が、回路基板920上で、薄膜910の中心の下に形成される。絶縁層(insulation layer)940が、誘電体、または、電気絶縁性(electrical insulation)を提供することができる何らかの他の非導電材料で、電極930上に形成されうる。薄膜910は、ギャップ950によって、電極930から隔離されうる。
【0052】
[0061] MEMSバラクタ900は、以下のように動作する。固定直流(fixed direct current)(DC)電圧が、薄膜910に印加され(applied)うる。可変DC電圧が、電極930に印加されうる。電極930に印加された可変DC電圧と、薄膜910に印加された固定DC電圧との間の電圧差は、薄膜910を下に移動させる(move down)。大きな電圧差は、薄膜910をさらに下に移動させ、これはその後、MEMSバラクタ900のためにより大きなキャパシタンスをもたらすであろう。より小さい電圧差については、この逆が当てはまるであろう(the converse would be true)。例えば、薄膜910は、回路接地に結合されることができ、可変DC電圧は、電極930に印加されることができる。最小のキャパシタンスC
minは、ゼロボルトが電極930に印可されることにより得られることができ、これは、薄膜910を電極930から最も遠く離れたそれの通常の位置に置く(rest)であろう。最大のキャパシタンスC
maxは、十分な電圧が電極930に印可されることにより得られることができ、これは、薄膜910を電極930に向かって移動させ、絶縁層940上に置くであろう。
【0053】
[0062]
図9Aおよび
図9Bは、アンテナ・チューニング・ネットワークまたはチューナブル・ノッチフィルタのために使用されうるMEMSバラクタの典型的な設計を示す。MEMSバラクタはまた、他の方法でインプリメントされうる。
【0054】
[0063] アンテナ・チューニング・ネットワークは、様々な方法でチューニングされうる。典型的な設計では、アンテナ・チューニング・ネットワークは、測定値に基づいてチューニングされうる。例えば、受信信号強度インジケータ(RSSI:received signal strength indicator)は、アンテナ・チューニング・ネットワークの異なる可能な設定のために測定されうる。最大のRSSIをもたらす設定が、選択されうる。別の典型的な設計では、アンテナ・チューニング・ネットワークは、ルックアップテーブルに基づいてチューニングされうる。アンテナ・チューニング・ネットワークのパフォーマンスは、例えば、設計段階中や製造中等に、異なる可能な設定のために特徴づけられうる。ルックアップテーブルは、例えば、対象の各周波数のために、各オペレーション・シナリオについてのアンテナ・チューニング・ネットワークのための最良の設定を記憶するために定義されうる。その後、ルックアップテーブルは、特定のオペレーション・シナリオに使用するためのその設定を決定するためにアクセスされうる。アンテナ・チューニング・ネットワークはまた、他の方法でチューニングされうる。
【0055】
[0064] チューナブル・ノッチフィルタは、様々な方法でチューニングされうる。典型的な設計では、チューナブル・ノッチフィルタは、測定値に基づいてチューニングされうる。例えば、漏洩TX信号は、チューナブル・ノッチフィルタの異なる可能な設定のために、(例えば、ベースバンドにおいて)測定されうる。漏洩TX信号は、ノッチフィルタリングについての対象のシナリオにおける所望の信号よりもはるかに大きくなりうるため、RX信号の合計受信電力が測定されて、漏洩TX信号の電力の推定値として使用されうる。最小の漏洩TX信号をもたらす設定が選択されうる。別の典型的な設計では、チューナブル・ノッチフィルタは、ルックアップテーブルに基づいてチューニングされうる。チューナブル・ノッチフィルタのパフォーマンスは、例えば、設計段階中や製造中等に、異なる可能な設定のために特徴づけられうる。ルックアップテーブルは、例えば、対象の各周波数のために、各オペレーション・シナリオについてのチューナブル・ノッチフィルタのための最良の設定を記憶するために定義されうる。その後、ルックアップテーブルは、特定のオペレーション・シナリオに使用するためのその設定を決定するためにアクセスされうる。チューナブル・ノッチフィルタはまた、他の方法でチューニングされうる。
【0056】
[0065] チューナブル・マルチバンド受信機は、特定の周波数帯域上で動作することができ、それは、送信帯域および受信帯域に関連づけられることができる。チューナブル・マルチバンド受信機におけるアンテナ・チューニング・ネットワークは、受信帯域にアンテナをチューニングしうる。チューナブル・ノッチフィルタは、送信帯域にチューニングされることができ、送信帯域における漏洩TX信号を減衰させることができる。
【0057】
[0066] 一般に、チューナブル・マルチバンド受信機は、任意の数の周波数帯域および任意の特定の周波数帯域を支援するように設計されうる。例えば、チューナブル・マルチバンド受信機は、表1にリストされた、1つまたは複数の周波数帯域を支援するように設計されうる。各周波数帯域は、ワイヤレスデバイスのための(アップリンク上でのデータ送信用の)送信帯域および(ダウンリンク上でのデータ受信用の)受信帯域を含みうる。各周波数帯域について、送信帯域は、特定の周波数オフセットによって、受信帯域から分離されることができ、これは、周波数帯域に依存しうる。例えば、UMTS帯域 Iの場合、送信帯域は、受信帯域よりも190MHz低くなりうる。
【表1】
【0058】
[0067] 一般に、チューナブル・マルチバンド受信機は、プライマリ・アンテナ、ダイバーシチ・アンテナ、または何らかの他のアンテナのために使用されうる。チューナブル・マルチバンド受信機は、フロントエンドRFフィルタリングを低減または削除し、回路面積と費用を低減するために、ダイバーシチ・アンテナのために使用されうる。これは、特にスマートフォン、タブレット上等のデータ使用の急激な増加と共に、受信ダイバーシチの使用が増加したので、有益でありうる。これはまた、ワイヤレスデバイスが、受信ダイバーシチのために複数の周波数帯域を支援することを必要とされるので、有益でありうる。
【0059】
[0068] 典型的な設計では、装置(例えば、ワイヤレスデバイス、IC等)は、例えば、
図4Aまたは
図4Bに示されるように、アンテナ・チューニング・ネットワークと、チューナブル・ノッチフィルタと、少なくとも1つのLNAとを備えるチューナブル・マルチバンド受信機を備えうる。アンテナ・チューニング・ネットワークは、複数の受信帯域における1つの受信帯域にアンテナをチューニングしうる。チューナブル・ノッチフィルタは、アンテナ・チューニング・ネットワークに動作可能に結合されることができ、また、その受信帯域に関連づけられた1つの送信帯域における信号成分を減衰させることができる。チューナブル・ノッチフィルタは、複数の送信帯域におけるその送信帯域にチューニングされることが可能であり、それは、複数の受信帯域に関連づけられることができる。少なくとも1つのLNAは、チューナブル・ノッチフィルタに動作可能に結合され、チューナブル・ノッチフィルタからの出力信号を増幅しうる。
【0060】
[0069] 典型的な設計では、少なくとも1つのLNAは、例えば、
図4Aに示されるように、複数の受信帯域を支援する単一のLNAを備えうる。この単一のLNAは、チューナブル・ノッチフィルタに直接結合されうる。別の典型的な設計では、少なくとも1つのLNAは、例えば、
図4Bに示されるように、複数のLNAを備えることができ、各LNAは、複数の受信帯域のうちの少なくとも1つを支援する。この典型的な設計では、この装置は、第1のスイッチマトリクスと第2のスイッチマトリクスをさらに備えうる。第1のスイッチマトリクスは、チューナブル・ノッチフィルタと複数のLNAとに動作可能に結合され、チューナブル・ノッチフィルタからの出力信号を複数のLNAの中から選択されたLNAにルーティングしうる。第2のスイッチマトリクスは、複数のLNAに動作可能に結合され、選択されたLNAからの増幅された信号を供給しうる。
【0061】
[0070] 典型的な設計では、アンテナ・チューニング・ネットワークは、例えば、
図5に示されるような、少なくとも1つの可変キャパシタに結合されたインダクタを備えうる。このインダクタは、アンテナ・チューニング・ネットワークの入力と出力との間に結合されうる。各可変キャパシタは、アンテナ・チューニング・ネットワークの入力または出力に結合されうる。
【0062】
[0071] 典型的な設計では、チューナブル・ノッチフィルタは、例えば、
図6Aに示されるように、ブリッジ−Tトポロジで結合されたインダクタおよび複数のキャパシタを備えうる。このインダクタは、チューナブル・ノッチフィルタの入力と出力との間に結合されうる。複数のキャパシタは、少なくとも1つの可変キャパシタを備えることができ、チューナブル・ノッチフィルタの入力と出力との間に直列に結合されることができる。典型的な設計では、複数のキャパシタは、例えば、
図6Aに示されるように、直列に結合された2つの可変キャパシタを備えうる。チューナブル・ノッチフィルタは、この2つの可変キャパシタと回路接地とに結合された抵抗器をさらに備えうる。
【0063】
[0072] 別の典型的な設計では、チューナブル・ノッチフィルタは、例えば、
図6Bに示されるような、直列LCトポロジで結合されたインダクタと可変キャパシタを備えうる。このインダクタは、チューナブル・ノッチフィルタの入力と出力との間に結合されうる。この可変キャパシタは、そのインダクタと並列に結合されうる。なお別の典型的な設計では、チューナブル・ノッチフィルタは、例えば、
図6Cに示されるように、シャントLCトポロジで結合されたインダクタおよび可変キャパシタを備えうる。このインダクタおよび可変キャパシタは、直列に結合され、かつチューナブル・ノッチフィルタの入力と出力に結合されうる。
【0064】
[0073] 典型的な設計では、装置は、少なくとも1つのLNAに動作可能に結合された第2のチューナブル・ノッチフィルタをさらに備え、送信帯域における信号成分をさらに減衰させうる。チューナブル・ノッチフィルタは、第1の回路トポロジ(例えば、ブリッジ−Tトポロジまたは何らかの他の回路トポロジ)でインプリメントされうる。第2のチューナブル・ノッチフィルタは、第2の回路トポロジ(例えば、直列LCトポロジ、シャントLCトポロジ、または何らかの他の回路トポロジ)でインプリメントされ、これは、第1の回路トポロジと異なりうる。典型的な設計では、第2のチューナブル・ノッチフィルタは、例えば、
図8に示されるように、LNAの一部でありうる。この装置は、例えば、
図8に示されるように、送信帯域における信号成分をさらに減衰させるために、1つまたは複数の追加のチューナブル・ノッチフィルタをさらに備えうる。
【0065】
[0074] 典型的な設計では、装置は、複数のアンテナを備えることができ、これは、例えば、
図3に示されるように、プライマリ・アンテナおよびダイバーシチ・アンテナを含むことができる。チューナブル・マルチバンド受信機は、ダイバーシチ・アンテナまたはプライマリ・アンテナに結合されうる。
【0066】
[0075]
図10は、ワイヤレスデバイスによって、RX信号を受信および処理するためのプロセス1000の典型的な設計を示す。アンテナは、アンテナ・チューニング・ネットワークを用いて、複数の受信帯域における1つの受信帯域にチューニングされうる(ブロック1012)。チューナブル・ノッチフィルタは、複数の受信帯域に関連づけられた複数の送信帯域における1つの送信帯域にチューニングされうる(ブロック1014)。アンテナ・チューニング・ネットワークからの受信された信号は、その送信帯域における信号成分を減衰させるために、チューナブル・ノッチフィルタでフィルタされうる(ブロック1016)。チューナブル・ノッチフィルタからの出力信号は、LNAで増幅されうる(ブロック1018)。
【0067】
[0076] 典型的な設計では、LNAは、複数の受信帯域を支援することができ、例えば、
図4Aに示されるように、チューナブル・ノッチフィルタに直接結合されることができる。別の典型的な設計では、LNAは、例えば、
図4Bに示されるような、複数の受信帯域を支援する複数のLNAのうちの1つでありうる。この典型的な設計では、例えば、
図4Bに示されるように、チューナブル・ノッチフィルタからの出力信号は、第1のスイッチマトリクスを介してLNAにルーティングされることができ、また、LNAからの増幅された信号は、第2のスイッチマトリクスを介して供給されることができる。
【0068】
[0077] 典型的な設計では、送信帯域における信号成分は、1つまたは複数の追加のチューナブル・ノッチフィルタでさらに減衰されうる。チューナブル・ノッチフィルタおよび(複数を含む)追加のチューナブル・ノッチフィルタは、(例えば、
図6A〜
図6Dに示されるような)様々な方法でインプリメントされることができ、また、(例えば、
図4A、
図4Bおよび
図8に示されるような)様々な方法で結合されることができる。
【0069】
[0078] ここで説明されたチューナブル・マルチバンド受信機は、IC、アナログIC、RFIC、混合信号IC、ASIC、プリント基板(PCB)、電子デバイス等の上でインプリメントされうる。チューナブル・マルチバンド受信機はまた、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、NMOS、PMOS、BJT、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、シリコン・オン・インシュレータ(SOI:silicon-on-insulator)等のような、様々なICプロセス技術を用いて製造されうる。
【0070】
[0079] ここで説明されたチューナブル・マルチバンド受信機をインプリメントする装置は、独立型(stand−alone)デバイス、または、より大きなデバイスの一部でありうる。デバイスは、(i)独立型IC、(ii)データおよび/または命令を記憶するためのメモリICを含みうる1つまたは複数のICのセット、(iii)RF受信機(RFR)またはRF送信機/受信機(RTR)のようなRFIC、(iv)移動局モデム(MSM)のようなASIC、(v)その他のデバイス内に埋め込まれうるモジュール、(vi)受信機、セルラ電話、ワイヤレスデバイス、ハンドセット、またはモバイル・ユニット、(vii)その他でありうる。
【0071】
[0080] 1つまたは複数の典型的な設計では、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せでインプリメントされうる。ソフトウェアでインプリメントされる場合、これら機能は、コンピュータ読取可能な媒体上で、1つまたは複数の命令またはコードとして、記憶または送信されうる。コンピュータ読取可能な媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータ・プログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体と、コンピュータ記憶媒体との両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる任意の利用可能な媒体でありうる。限定ではなく例として、このようなコンピュータ読取可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、あるいは、データ構造または命令の形式で所望のプログラムコードを記憶または搬送するために使用可能であり、かつコンピュータによってアクセスされることができるその他任意の媒体を備えうる。また、任意の接続は、コンピュータ読取可能な媒体と適切に称される。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、電波、およびマイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、またはその他の遠隔ソースから送信される場合には、この同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、電波(radio)、およびマイクロ波のような無線技術は、媒体の定義に含まれる。こここで使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスクおよびブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、ここでディスク(disks)は、通常磁気的にデータを再生し、一方ディスク(discs)は、レーザーで光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0072】
[0081] 本開示の上記説明は、いかなる当業者であっても、本開示の製造または使用を可能にするように提供される。本開示への様々な修正は、当業者にとって容易に明らかであり、ここに定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のバリエーションにも適用されうる。したがって、本開示は、ここに説明された例および設計に限定されるようには意図されず、ここに開示される原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられることとなる。
なお、本願の出願当初の請求項と同一の記載を以下に付記する。
[C1] 複数の受信帯域における1つの受信帯域にアンテナをチューニングするように構成されたアンテナ・チューニング・ネットワークと、
前記アンテナ・チューニング・ネットワークに動作可能に結合され、かつ1つの送信帯域における信号成分を減衰させるように構成されたチューナブル・ノッチフィルタと、
前記チューナブル・ノッチフィルタに動作可能に結合され、かつ前記チューナブル・ノッチフィルタからの出力信号を増幅するように構成された少なくとも1つの低雑音増幅器(LNA)と
を備える装置。
[C2] 前記少なくとも1つのLNAは、前記複数の受信帯域を支援する単一のLNAを備える、C1に記載の装置。
[C3] 前記少なくとも1つのLNAは、所定の周波数より上の高い周波数帯域のための第1のLNAおよび前記所定の周波数より下の低い周波数帯域のための第2のLNAを備える、C1に記載の装置。
[C4] 前記少なくとも1つのLNAは、複数のLNAを備え、各LNAは、前記複数の受信帯域のうちの少なくとも1つを支援する、C1に記載の装置。
[C5] 前記チューナブル・ノッチフィルタと前記複数のLNAとに動作可能に結合され、かつ前記チューナブル・ノッチフィルタからの前記出力信号を前記複数のLNAの中から選択されたLNAにルーティングするように構成された第1のスイッチマトリクスと、
前記複数のLNAに動作可能に結合され、かつ前記選択されたLNAからの増幅された信号を供給するように構成された第2のスイッチマトリクスと
をさらに備える、C4に記載の装置。
[C6] 前記チューナブル・ノッチフィルタは、前記複数の受信帯域に関連づけられた複数の送信帯域のうちの1つにチューニングすることが可能である、C1に記載の装置。
[C7] 前記アンテナ・チューニング・ネットワークは、
前記アンテナ・チューニング・ネットワークの入力と出力との間に結合されたインダクタと、
前記インダクタに結合された少なくとも1つの可変キャパシタと
を備え、
各可変キャパシタは、前記アンテナ・チューニング・ネットワークの前記入力または前記出力に結合されている、C1に記載の装置。
[C8] 前記チューナブル・ノッチフィルタは、
前記チューナブル・ノッチフィルタの入力と出力との間に結合されたインダクタと、
前記チューナブル・ノッチフィルタの前記入力と前記出力との間に直列に結合された複数のキャパシタと
を備え、
前記複数のキャパシタは、少なくとも1つの可変キャパシタを備える、C1に記載の装置。
[C9] 前記複数のキャパシタは、直列に結合された2つの可変キャパシタを備え、
前記チューナブル・ノッチフィルタは、前記2つの可変キャパシタと回路接地とに結合された抵抗器をさらに備える、C8に記載の装置。
[C10] 前記チューナブル・ノッチフィルタは、
前記チューナブル・ノッチフィルタの入力と出力とに結合されたインダクタと、
前記インダクタと並列に結合された可変キャパシタと
を備える、C1に記載の装置。
[C11] 前記チューナブル・ノッチフィルタは、
前記チューナブル・ノッチフィルタの入力と出力とに結合され、かつ直列に結合された可変キャパシタおよびインダクタ
を備える、C1に記載の装置。
[C12] 前記少なくとも1つのLNAに動作可能に結合され、かつ前記送信帯域における前記信号成分をさらに減衰させるように構成された第2のチューナブル・ノッチフィルタ
をさらに備える、C1に記載の装置。
[C13] 前記チューナブル・ノッチフィルタは、第1の回路トポロジでインプリメントされ、前記第2のチューナブル・ノッチフィルタは、前記第1の回路トポロジとは異なる第2の回路トポロジでインプリメントされる、C12に記載の装置。
[C14] 前記第2のチューナブル・ノッチフィルタは、前記少なくとも1つのLNAの中からのLNAの一部である、C12に記載の装置。
[C15] 前記送信帯域における前記信号成分をさらに減衰させるように構成された少なくとも1つの追加のチューナブル・ノッチフィルタ
をさらに備える、C12に記載の装置。
[C16] プライマリ・アンテナとダイバーシチ・アンテナとを含む複数のアンテナをさらに備え、前記アンテナは、前記ダイバーシチ・アンテナに対応する、C1に記載の装置。
[C17] 前記装置は、集積回路を備える、C1に記載の装置。
[C18] アンテナ・チューニング・ネットワークを用いて、複数の受信帯域における1つの受信帯域にアンテナをチューニングすることと、
1つの送信帯域における信号成分を減衰させるために、チューナブル・ノッチフィルタを用いて、前記アンテナ・チューニング・ネットワークからの受信された信号をフィルタすることと、
低雑音増幅器(LNA)を用いて、前記チューナブル・ノッチフィルタからの出力信号
を増幅することと
を備える方法。
[C19] 前記複数の受信帯域に関連づけられた複数の送信帯域における前記送信帯域に前記チューナブル・ノッチフィルタをチューニングすること
をさらに備える、C18に記載の方法。
[C20] 前記少なくとも1つのLNAは、複数のLNAを備え、前記方法は、
第1のスイッチマトリクスを介して、前記チューナブル・ノッチフィルタからの前記出力信号を、前記複数のLNAの中から選択されたLNAにルーティングすることと、
第2のスイッチマトリクスを介して、前記選択されたLNAからの増幅された信号を供給することと
をさらに備える、C18に記載の方法。
[C21] 少なくとも1つの追加のチューナブル・ノッチフィルタを用いて、前記送信帯域における前記信号成分を減衰させること
をさらに備える、C18に記載の方法。
[C22] 複数の受信帯域における1つの受信帯域にアンテナをチューニングするための手段と、
1つの送信帯域における信号成分を減衰させるために、前記アンテナをチューニングするための前記手段からの受信された信号をフィルタするための手段と、
前記フィルタするための手段からの出力信号を増幅するための手段と
を備える装置。
[C23] 前記複数の受信帯域に関連づけられた複数の送信帯域における前記送信帯域に前記フィルタするための手段をチューニングするための手段
をさらに備える、C22に記載の装置。
[C24] 前記チューナブル・ノッチフィルタからの前記出力信号を、複数の増幅するための手段の中からの前記増幅するための手段にルーティングするための手段
をさらに備える、C22に記載の装置。
[C25] 前記送信帯域における前記信号成分をさらに減衰させるための手段
をさらに備える、C18に記載の方法。