(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013527
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】ハイブリッド追跡デバイス
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20161011BHJP
【FI】
G06Q10/08 306
【請求項の数】35
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-23944(P2015-23944)
(22)【出願日】2015年2月10日
(62)【分割の表示】特願2013-506341(P2013-506341)の分割
【原出願日】2011年4月22日
(65)【公開番号】特開2015-135684(P2015-135684A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2015年2月16日
(31)【優先権主張番号】12/766,727
(32)【優先日】2010年4月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】バルチ・エルキモヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ギラード・ボーンスタイン
(72)【発明者】
【氏名】ニール・ストラウス
【審査官】
山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】
特開平9−171571(JP,A)
【文献】
特開2004−343448(JP,A)
【文献】
特開2010−56678(JP,A)
【文献】
特開2010−88095(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0046468(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0119770(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0052290(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0137968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
H04L 12/00
H04W 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
追跡すべき資産に関連付けられたハイブリッド追跡デバイス(HTD)であって、
前記HTDの位置および追加のセンサ情報の少なくとも一方を含む、センサ情報を生成するためのセンサと、
資産追跡サーバに結合するためのワイドエリアネットワーク(WAN)トランシーバと、
第2のHTDに結合するためのパーソナルエリアネットワーク(PAN)トランシーバとを備え、前記PANトランシーバは第2のHTDと通信し、
前記HTDは、どのHTDがゲートウェイHTDになるかを決定するためにPANを介して前記第2のHTDと交渉し、
前記交渉の結果、前記HTDがゲートウェイHTDになるとともに前記第2のHTDがゲートウェイHTDにならなかった場合、前記HTDは、前記HTDの位置情報と、前記第2のHTDのセンサを使用して生成され、かつ前記PANを介して受信した前記第2のHTDの追加のセンサ情報とを含む情報を、前記PAN内のすべてのHTDを表す情報として前記WANトランシーバを使用して前記資産追跡サーバに送信するとともに、
前記交渉の結果、前記第2のHTDがゲートウェイHTDになるとともに前記HTDがゲートウェイHTDにならなかった場合、前記HTDは、前記PANを介して登録メッセージを送信することによって前記資産追跡サーバに登録するとともに、前記WANトランシーバを非アクティブ化する、デバイス。
【請求項2】
前記資産追跡サーバまたは前記第2のHTDは、前記HTDを選択して前記センサ情報を前記資産追跡サーバに送信させる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記センサは、全地球測位衛星(GPS)受信機を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記センサは、補助全地球測位衛星(A-GPS)受信機を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記センサは、識別機能および認証機能を実行するためのセル識別子(セルID)認識ユニットをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記センサは、運動情報を提供するための運動センサをさらに備え、特徴情報は前記運動情報をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記センサは、温度情報を提供するための温度センサをさらに備え、特徴情報は前記温度情報をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記センサは、
各々が追加のセンサ情報を提供するための光センサ、湿度センサ、圧力センサ、音響センサ、気動センサ、空気捕集センサ、高度計センサ、加速度計、方位センサ、および放射線センサの少なくとも1つをさらに備える、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記WANトランシーバは、セルラー無線トランシーバを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記PANトランシーバは、ブルートゥーストランシーバを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記PANトランシーバは、ZigBeeトランシーバを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記PANトランシーバは、無線周波数識別(RFID)トランシーバを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
追跡すべき資産に関連付けられたハイブリッド追跡デバイス(HTD)であって、
前記HTDの位置および追加のセンサ情報の少なくとも一方を含む、センサ情報を生成するためのセンサと、
資産追跡サーバに結合するためのワイドエリアネットワーク(WAN)トランシーバと、
第2のHTDに結合するためのパーソナルエリアネットワーク(PAN)トランシーバと、
第1のモードおよび第2のモードを含むコントローラとを備え、
前記第1のモードでは、前記コントローラが前記センサをアクティブ化し、前記PANトランシーバが、前記HTDおよび前記第2のHTDがどのHTDが第1のモードで動作するかを決定するためにPANを介して交渉した結果として前記第2のモードで動作する前記第2のHTDと通信し、前記HTDが、前記HTDの位置情報と、前記第2のHTDのセンサを使用して生成され、かつ前記PANを介して受信した前記第2のHTDの追加のセンサ情報とを含む情報を、前記PAN内のすべてのHTDを表す情報として前記WANトランシーバを使用して前記資産追跡サーバに送信し、
前記第2のモードでは、前記コントローラが前記WANトランシーバを非アクティブ化し、前記デバイスが、前記HTDおよび前記第2のHTDがどのHTDが第1のモードで動作するかを決定するためにPANを介して交渉した結果として前記第1のモードで動作する前記第2のHTDを通じて前記資産追跡サーバと通信するとともに、PANを介して登録メッセージを送信することによって前記資産追跡サーバに登録される、デバイス。
【請求項14】
ロケーションベースサービスシステムにおいて、
ワイドエリアネットワーク(WAN)に結合された資産追跡サーバと、
追跡すべき資産に関連付けられた、HTDおよび第2のHTDがどのHTDがマスタモードで動作するかを決定するためにPANを介して交渉した結果としてマスタモードで動作するハイブリッド追跡デバイス(HTD)、および前記HTDおよび前記第2のHTDがどのHTDがマスタモードで動作するかを決定するためにPANを介して交渉した結果としてスレーブモードで動作する第2のハイブリッド追跡デバイス(HTD)とを備え、前記マスタモードの前記HTDが、
前記HTDの位置および追加のセンサ情報の少なくとも一方を含む、前記HTDの特徴についてのセンサ情報を生成するためのセンサと、
前記資産追跡サーバに結合されたワイドエリアネットワーク(WAN)トランシーバと、
前記スレーブモードで動作する前記第2のHTDに結合されたパーソナルエリアネットワーク(PAN)トランシーバとを備え、
前記PANトランシーバは前記第2のHTDと通信し、前記HTDは、前記HTDの位置情報と、前記第2のHTDのセンサを使用して生成され、かつ前記PANを介して受信した前記第2のHTDの追加のセンサ情報とを含む情報を、前記PAN内のすべてのHTDを表す情報として前記WANトランシーバを使用して前記資産追跡サーバに送信し、
スレーブモードで動作する前記第2のHTDは、前記PANを介して登録メッセージを送信することによって前記資産追跡サーバに登録されるとともに、自身のWANトランシーバを非アクティブ化する、システム。
【請求項15】
ロケーションベースサービスシステムであって、
ワイドエリアネットワーク(WAN)に結合された資産追跡サーバと、
各々が追跡すべき資産に関連付けられた複数のハイブリッド追跡デバイス(HTD)とを備え、各HTDが、
前記HTDの位置および追加のセンサ情報の少なくとも一方を含む、前記HTDの特徴についてのセンサ情報を生成するためのセンサと、
前記資産追跡サーバに結合されたWANトランシーバと、
前記複数のHTDのうちの第2のHTDに結合されたパーソナルエリアネットワーク(PAN)トランシーバと、
第1のモードおよび第2のモードを含むコントローラとを備え、
前記第1のモードでは、前記コントローラが前記センサをアクティブ化し、前記PANトランシーバが、前記HTDおよび前記第2のHTDがどのHTDが第1のモードで動作するかを決定するためにPANを介して交渉した結果として前記第2のモードで動作する前記第2のHTDと通信し、前記HTDが、前記HTDの位置情報と、前記第2のHTDのセンサを使用して生成され、かつ前記PANを介して受信した前記第2のHTDの追加のセンサ情報とを含む情報を、前記PAN内のすべてのHTDを表す情報として前記WANトランシーバを使用して前記資産追跡サーバに送信し、
前記第2のモードでは、前記コントローラが前記WANトランシーバを非アクティブ化し、前記HTDが、前記HTDおよび前記第2のHTDがどのHTDが第1のモードで動作するかを決定するためにPANを介して交渉した結果として前記第1のモードで動作する前記第2のHTDを通じて前記資産追跡サーバと通信するとともに、PANを介して登録メッセージを送信することによって前記資産追跡サーバに登録される、システム。
【請求項16】
各HTDの前記センサは、全地球測位衛星(GPS)受信機および補助全地球測位衛星(A-GPS)センサの少なくとも一方を備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のHTDの前記センサの少なくとも1つは、
各々が追加のセンサ情報を提供するための運動センサ、温度センサ、光センサ、湿度センサ、圧力センサ、音響センサ、気動センサ、空気捕集センサ、高度計センサ、加速度計、方位センサ、および放射線センサの少なくとも1つをさらに備え、
前記コントローラは、前記第1のモードにおいて、前記追加のセンサ情報を前記複数のHTDの追加のセンサ情報として前記資産追跡サーバに送信し、
前記コントローラは、前記第2のモードにおいて、前記センサを非アクティブ化する、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
ロケーションベースサービスシステムにおけるプロキシであって、
前記プロキシの位置および追加のセンサ情報の少なくとも一方を含む、前記プロキシの特徴についてのセンサ情報を生成するためのセンサと、
資産追跡サーバに結合されたワイドエリアネットワーク(WAN)トランシーバと、
各ハイブリッド追跡デバイス(HTD)が、追跡すべき資産に関連付けられ、各HTDが、前記プロキシを通じて前記資産追跡サーバと通信する複数のハイブリッド追跡デバイス(HTD)に結合されたパーソナルエリアネットワーク(PAN)トランシーバとを備え、
前記HTDは、前記プロキシの位置情報と、前記複数のHTDのうちの少なくとも1つのHTDのセンサを使用して生成され、かつPANを介して受信した前記複数のHTDのうちの少なくとも1つのHTDのセンサ情報とを含む情報を、前記PAN内のすべてのHTDを表す情報として前記WANトランシーバを使用して前記資産追跡サーバに送信することをアクティブ化し、
PANが利用可能である場合、前記各HTDは、前記PANを介して登録メッセージを送信することによって前記資産追跡サーバに登録されるとともに、自身のWANトランシーバを非アクティブ化する、プロキシ。
【請求項19】
ロケーションベースサービスシステムであって、
ワイドエリアネットワーク(WAN)に結合された資産追跡サーバと、
各々が追跡すべき資産に関連付けられた複数のハイブリッド追跡デバイス(HTD)と、
プロキシとを備え、前記プロキシが、
前記プロキシの位置および追加のセンサ情報の少なくとも一方を含む、前記プロキシの特徴についてのセンサ情報を生成するためのセンサと、
前記資産追跡サーバに結合されたWANトランシーバと、
各々が前記プロキシを通じて前記資産追跡サーバと通信する複数のHTDに結合されたパーソナルエリアネットワーク(PAN)トランシーバとを備え、
前記HTDは、前記プロキシの特徴についてのセンサ情報を前記複数のHTDの特徴として前記資産追跡サーバに送信することをアクティブ化し、
前記プロキシ、またはどのHTDがゲートウェイHTDになるかを決定するためにPANを介して前記各HTDが交渉した結果としてゲートウェイHTDになったHTDは、前記プロキシまたはゲートウェイHTDとなったHTDの位置情報と、前記ゲートウェイにならかったHTDのセンサを使用して生成され、かつ前記PANを介して受信した前記ゲートウェイにならかったHTDのセンサ情報とを含む情報を、前記PAN内のすべてのHTDを表す情報として前記WANトランシーバを使用して前記資産追跡サーバに送信し、
どのHTDがゲートウェイHTDになるかを決定するためにPANを介して前記各HTDが交渉した結果としてゲートウェイHTDにならなかったHTDは、前記PANを介して登録メッセージを送信することによって前記資産追跡サーバに登録されるとともに、自身のWANトランシーバを非アクティブ化する、システム。
【請求項20】
前記センサは、全地球測位衛星(GPS)受信機および補助全地球測位衛星(A-GPS)センサの少なくとも一方を備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記センサは、
各々が追加のセンサ情報を提供するための運動センサ、温度センサ、光センサ、湿度センサ、圧力センサ、音響センサ、気動センサ、空気捕集センサ、高度計センサ、加速度計、方位センサ、および放射線センサの少なくとも1つをさらに備え、
前記プロキシは、前記追加のセンサ情報を前記複数のHTDの追加のセンサ情報として前記資産追跡サーバに送信する、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
資産に関連付けられたハイブリッド追跡デバイス(HTD)を追跡する方法であって、
前記HTDがプロキシおよび第2のHTDの一方によって実現されるパーソナルエリアネットワーク(PAN)を探索するステップと、
PANが利用可能でないときに、
前記HTDの位置および追加のセンサ情報の少なくとも一方を含む、前記HTDの特徴についてのセンサ情報をセンサから生成するステップと、
前記センサ情報を、WANトランシーバを使用して資産追跡サーバに送信するステップとを含む第1のモードで動作するステップと、
PANが利用可能なときに、
前記WANトランシーバを非アクティブ化するステップと、
前記PANを介して前記資産追跡サーバと通信するステップとを含む第2のモードで動作するステップとを含み、
前記第2のモードは、
前記PANを介して登録メッセージを送信することによって前記資産追跡サーバに登録されるステップと、
前記センサを使用して前記追加のセンサ情報を生成するステップと、
前記追加のセンサ情報を前記PANを介して前記プロキシに送信するステップ
をさらに含み、
前記プロキシは、前記プロキシの位置情報と受信した前記追加のセンサ情報とを、前記PAN内のすべてのHTDを表す情報として資産追跡サーバに送信する、方法。
【請求項23】
前記HTDの前記位置は、全地球測位衛星(GPS)位置を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記HTDの前記位置は、補助全地球測位衛星(A-GPS)位置を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記センサ情報は運動情報をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記センサ情報は温度情報をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記センサ情報は、光センサ、湿度センサ、圧力センサ、音響センサ、気動センサ、空気捕集センサ、高度計センサ、加速度計、方位センサ、および放射線センサの少なくとも1つからの情報をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記WANは、セルラー無線ネットワークを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記PANはブルートゥース通信を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記PANはZigBee通信を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記PANは、無線周波数識別(RFID)通信を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のモードにおいて、前記HTDの識別情報を前記第1のモードで動作する前記第2のHTDに伝達する、請求項22に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のモードにおいて、前記第2のモードで動作する第2のHTDの識別情報を受信する、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記第1のモードにおいて、前記HTDの前記特徴についての前記センサ情報を前記HTDまたは第2のHTDの特徴として前記資産追跡サーバに送信する、請求項22に記載の方法。
【請求項35】
資産に関連付けられたハイブリッド追跡デバイス(HTD)を追跡する方法であって、
プロキシと複数の前記HTDとの間で通信を行うステップと、
前記プロキシの位置および追加のセンサ情報の少なくとも一方を含む、前記プロキシの特徴についてのセンサ情報をセンサから生成するステップと、
前記プロキシによって前記プロキシの位置情報と、前記HTDのセンサを使用して生成され、かつ前記PANを介して受信した前記HTDの追加のセンサ情報とを含む情報を、前記PAN内のすべてのHTDを表す情報としてワイドエリアネットワーク(WAN)を介して資産追跡サーバに送信するステップとを含み、
前記HTDは、前記PANを介して登録メッセージを送信することによって前記資産追跡サーバに登録されるとともに、自身のWANトランシーバを非アクティブ化する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してワイヤレスロケーションベースサービスに関し、特に、パーソナルエリアネットワークを使用して資産を追跡し資産追跡サーバと通信するハイブリッド追跡デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な商品またはその他の資産のロケーションベースのサービスおよび追跡が、現代のモバイル社会および情報化社会において有用にかつ必要になりつつある。特に、資産が通商の流れを通じて移動するときに資産の位置を追跡することが有用になっている。たとえば、米国特許出願公開第2009/0189788号(「System and method for sensing cargo loads and trailer movement」という名称を有するFausの出願であり、2009年7月30日に公開され、参照により本明細書に組み込まれる)は、1つまたは複数のセンサを使用してトレーラの積み荷活動およびトレーラの移動に関する情報を提供する、貨物およびトレーラ移動を検知するためのシステムについて説明している。このような追跡デバイスは、資産の追跡および/または監視を行うためのロケーションベースサービスの一部として使用されてもよい。しかし、現在、追跡デバイスは、遠隔資産追跡サーバと通信するためのワイドエリアネットワーク(WAN)トランシーバを含み、かつロケーションセンサ(GPS受信機など)も含む。このようなWANトランシーバおよびロケーションセンサは、デバイスの位置およびセンサデータを判定し報告するときに顕著な量の電力を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0189788号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、様々な資産または関心対象の追跡および/または監視を行うロケーションベースサービスの改良された装置および方法の各態様を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
追跡すべき資産に関連付けられたハイブリッド追跡デバイスのための装置および方法を開示する。
【0006】
いくつかの態様によれば、様々な関連付けられた資産を追跡するためのハイブリッド追跡デバイスが開示される。このデバイスは、デバイスの特徴についての情報を生成するためのセンサを含む。このセンサ情報は、デバイスについてのロケーション情報であってもよい。ロケーション情報は、全地球測位衛星(GPS)位置または補助全地球測位衛星(A-GPS)位置であってもよい。デバイスは、デバイスを資産追跡サーバに結合するためのWANトランシーバを含んでもよい。デバイスは、デバイスを第2のハイブリッド追跡デバイスに結合するためのパーソナルエリアネットワーク(PAN)トランシーバを含んでもよい。WANトランシーバは、センサ情報をハイブリッド追跡デバイス(HTD)および第2のHTDの特徴として資産追跡デバイスに送信する。
【0007】
他の態様によれば、様々な関連付けられた資産を追跡するためのハイブリッド追跡デバイスが開示される。このデバイスは、デバイスの特徴についての情報を生成するためのセンサを含む。このセンサ情報は、デバイスについてのロケーション情報であってもよい。ロケーション情報は、全地球測位衛星(GPS)位置または補助全地球測位衛星(A-GPS)位置であってもよい。上記の代わりにまたは上記に加えて、センサ情報は、いくつかのセンサのうちの任意の1つまたは複数のセンサに関する情報であってもよい。デバイスは、デバイスを資産追跡サーバに結合するためのWANトランシーバを含んでもよい。デバイスは、デバイスを第2のハイブリッド追跡デバイスに結合するためのPANトランシーバを含んでもよい。デバイスは、デバイスが第1のモードまたは第2のモードで動作するよう制御するためのコントローラを含んでもよい。デバイスが第1のモードで動作するときには、コントローラがセンサをアクティブ化し、PANトランシーバが、第2のモードで動作することのできる第2のデバイスと通信し、WANトランシーバが、センサ情報をデバイスおよび第2のデバイスの特徴として資産追跡サーバに送信する。デバイスが第2のモードで動作するときには、コントローラがセンサを非アクティブ化するとともにWANトランシーバを非アクティブ化し、デバイスが、第1のモードで動作する第2のデバイスを通じて資産追跡サーバと通信する。
【0008】
他の態様によれば、ロケーションベースサービスシステムが開示される。このシステムは、WANに結合された資産追跡サーバと、マスタモードで動作するハイブリッド追跡デバイス(HTD)と、スレーブモードで動作する第2のハイブリッド追跡デバイス(HTD)とを含み、マスタモードで動作するHTDが追跡すべき資産に関連付けられる。マスタモードのHTDは、それ自体の特徴についてのセンサ情報を生成するためのセンサを含み、センサ情報は、そのHTDのロケーション情報および/または他のセンサ情報を含む。そのHTDは、それ自体を資産追跡サーバに結合するためのWANトランシーバも含む。そのHTDは、それ自体をスレーブモードで動作する第2のHTDに結合するPANトランシーバをさらに含む。
【0009】
他の態様によれば、ロケーションベースサービスシステムが開示される。このシステムは、WANに結合された資産追跡サーバと、複数のハイブリッド追跡デバイス(HTD)とを含み、各々のHTDが追跡すべき資産に関連付けられる。各々のHTDは、そのHTDの特徴についてのセンサ情報を生成するためのセンサを含み、センサ情報は、そのHTDのロケーション情報および/または他のセンサ情報を含む。HTDは、それ自体を資産追跡サーバに結合するためのWANトランシーバも含む。HTDは、それ自体を第2のHTDに結合するためのPANトランシーバをさらに含む。HTDはコントローラをさらに含み、コントローラは、HTDが第1のモードまたは第2のモードで動作するよう制御する。第1のモードでは、コントローラがセンサをアクティブ化し、PANトランシーバが、第2のモードで動作する第2のHTDと通信し、WANトランシーバが、センサ情報をHTDおよび第2のHTDの特徴として資産追跡サーバに送信する。第2のモードでは、コントローラがセンサを非アクティブ化するとともにWANトランシーバを非アクティブ化し、HTDが、第1のモードで動作する第2のHTDを通じて資産追跡サーバと通信する。
【0010】
他の態様によれば、ロケーションベースサービスシステムが開示される。このシステムはプロキシを含み、プロキシは、プロキシの特徴についてのセンサ情報を生成するためのセンサを含む。センサ情報は、プロキシのロケーション情報および/または他のセンサ情報を含む。プロキシは、プロキシを資産追跡サーバに結合するためのWANトランシーバも含む。プロキシは、プロキシを複数のハイブリッド追跡デバイス(HTD)に結合するためのPANトランシーバをさらに含み、各々のHTDが追跡すべき資産に関連付けられる。各々のHTDは、プロキシを通じて資産追跡サーバと通信し、かつこれらのHTDは、プロキシの特徴についてのセンサ情報を複数のHTDの特徴として資産追跡サーバに送信することをアクティブ化する。
【0011】
他の態様によれば、ロケーションベースサービスシステムが開示される。このシステムは、WANに結合された資産追跡サーバと、複数のハイブリッド追跡デバイス(HTD)とを含み、各々のHTDが追跡すべき資産に関連付けられる。このシステムはプロキシをさらに含み、プロキシは、プロキシの特徴についてのセンサ情報を生成するためのセンサを含む。センサ情報は、プロキシのロケーション情報および/または他のセンサ情報を含む。プロキシは、それ自体を資産追跡サーバに結合するためのWANトランシーバも含む。プロキシは、それ自体を複数のハイブリッド追跡デバイス(HTD)に結合するためのPANトランシーバをさらに含み、各々のHTDが追跡すべき資産に関連付けられる。各々のHTDは、プロキシを通じて資産追跡サーバと通信し、かつこれらのHTDは、プロキシの特徴についてのセンサ情報を複数のHTDの特徴として資産追跡サーバに送信することをアクティブ化する。
【0012】
他の態様によれば、資産に関連付けられたハイブリッド追跡デバイス(HTD)を追跡するためのロケーションベースサービスの方法が開示される。この方法はPANを探索するHTDを含む。PANは、プロキシおよび第2のHTDによって実現または定義される。HTDは、PANが利用可能でないときには第1のモードで動作する。第1のモードの動作は、HTDの特徴についてのセンサ情報をセンサから生成することを含む。センサ情報は、HTDのロケーション情報および/または他のセンサ情報を含んでもよい。第1のモードの動作は、センサ情報を、WANトランジスタを使用してWANを介して資産追跡サーバに送信することも含む。HTDは、PANが利用可能なときには第2のモードで動作する。第2のモードの動作は、WANトランシーバを非アクティブ化することと、HTDの特徴についてのセンサ情報をセンサから生成することを含む。センサ情報は、HTDのロケーション情報および/または他のセンサ情報を含む。第2のモードの動作は、PANを介して資産追跡サーバと通信することも含む。PANとの通信は、HTDのロケーション情報を送信することを含んでもよい。
【0013】
他の態様によれば、追跡すべき資産に関連付けられたハイブリッド追跡デバイス(HTD)を追跡するためのロケーションベースサービスの方法が開示される。この方法は、プロキシとHTDとの間の通信を含む。この方法は、プロキシの特徴についてのセンサ情報をセンサから生成することを含む。センサ情報は、プロキシのロケーション情報および/または他のセンサ情報を含む。この方法は、センサ情報をHTDの特徴としてWANを介して資産追跡サーバに送信することをさらに含む。
【0014】
例として様々な態様について示し、記述した以下の詳細な説明から、他の態様が当業者に容易に明らかになることを理解されたい。図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであって、限定的なものと見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による、資産を追跡するためのロケーションベースサービスシステムを示す図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムにおけるHTDを示す図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態による、資産を追跡するためのロケーションベースサービスシステムを示す図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムのハイブリッド追跡デバイスの別の実施形態を示す図である。
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムにおけるプロキシを示す図である。
【
図5B】本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムにおけるプロキシを示す図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービス方法のフローチャート図である。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービス方法の別のフローチャート図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムの一実装形態を示す図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムの一実装形態を示す図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムの一実装形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面に関する下記の詳細な説明は、本開示の様々な態様の説明として意図されており、本開示が実施され得る態様のみを表すことが意図されているわけではない。本開示で説明する各態様は、本開示の単なる例または説明として与えられ、必ずしも他の態様よりも好適または有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、本開示を完全に理解するための具体的な詳細を含む。しかし、本開示がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが、当業者には明らかであろう。場合によっては、本開示の概念を曖昧にするのを回避するために、周知の構造およびデバイスがブロック図の形式で示されている。略語および他の説明のための用語は、単に分かりやすくするために便宜的に用いられ得るものであり、本開示の範囲を限定することは意図されない。
【0017】
(商品または荷物のような)出荷される資産が供給元から小売業者に配送される場合のように、資産の運送中および資産が発送先に到着するときに資産の位置を追跡することが望ましい。また、資産が発送先に良好な状態で到着するように資産の運送中にその状態を監視することが望ましい。建物内の様々な資産、たとえば保管倉庫内の商品の位置を追跡し、かつそれらの資産の状態を監視することも有用である。いくつかの状況では、建物内または発送先同士の間の様々な個人用デバイスの位置を追跡し監視すると有用である。いくつかの他の状況では、家族のある一員の、家の中または外での所在を監視すると有用であることがある。本明細書では、資産には、移動可能な商品、製品、貨物、荷物、個人用デバイス(たとえば、ラップトップコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、様々な遠隔制御デバイスなど)、可動機器(たとえば、農機具、病院用機器、実験機器)、ならびに個々の人間(たとえば、子供およびティーンエイジャー)および動物(たとえば、家で飼っているペット)が含まれる。後述のハイブリッド追跡デバイスは、そのような資産を追跡するのに使用される。
【0018】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、資産を追跡するためのロケーションベースサービスシステムを示している。ロケーションベースサービスシステム100は、1つまたは複数のハイブリッド追跡デバイス(HTD102)と、パーソナルエリアネットワーク(PAN108)と、ワイドエリアネットワーク(WAN110)と、資産追跡サーバ106とを含む。HTD102は、様々な関連付けられた資産(図示せず)を追跡する。資産追跡サーバ106は、HTD102によってWAN110およびPAN108を介して供給された様々な信号または情報を受信、処理、送信、または配信する。
【0019】
HTD102は、発送元から発送先に移動、輸送、または配送されるかまたは単に監視される荷物などの資産に関連付けられてもよい。そのような資産の移動および到着を追跡することは、資産の送り主と受取人の両方にとって重要であることがある。資産は、人間または動物が家の中または外で遊ぶかまたは様々な活動を実施するときに追跡すべきその人間または動物であってもよい。資産は、個人用デバイスまたは可動機器であってもよい。HTD102は、そのような資産が建物、容器、家、またはその他の境界もしくは構造内のどこに位置するかを監視するのに使用される。
【0020】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムにおけるHTD102を示している。代表的な状況では、HTD102と追跡すべき関連付けられた資産とは、互いに非常に近くに配置される。また、HTD102同士も、互いに非常に近くに配置されており、したがって、短距離通信技術を使用して様々なHTD102間で通信することができる。各HTD102は、低電力技術を使用して全体的なリソース要件を低減させるPANトランシーバ208を含む。PANトランシーバ208は、短い伝送距離を有し、低電力レベルで送信を行うPAN標準の実装形態を使用する。PANトランシーバ208は、PAN108を介して近くのPANトランシーバ208と通信する。PAN108は、ブルートゥース、ZigBee(登録商標)、無線周波数識別(RFID)などの低電力通信技術、低電力通信プロトコル、または低電力通信標準を使用する。また、PAN108は、低電力モードを利用するポイントツーポイントWLAN技術であってもよい。また、PAN108は、低電力モードを利用するWAN技術であってもよい。そのため、PAN108は、WAN110において使用されるよりも低い電力レベルで短距離通信を可能にする。
【0021】
いくつかの実施形態では、HTD102は、WAN110を介して通信するための長距離WANトランシーバ210も含む。WAN110は、セルラー無線ネットワーク、WiMAXなどによって実現されるような長距離データケイパブル技術、長距離データケイパブルプロトコル、または長距離データケイパブル標準である。WAN110は、HTD102と資産追跡サーバ106との間のリンクを構成する。通常、WAN技術はPAN技術よりも多くの電力を必要とする。いくつかの実施形態では、HTD102は、低電力モードで動作してPANトランシーバ208を実現し、高電力モードで動作してWANトランシーバ210を実現する単一のトランシーバを有する。
【0022】
HTD102は、HTD102または追跡中の関連付けられた資産の特徴に関するセンサ情報を示すセンサ情報を生成するためのセンサ202を含むように構成されてもよい。センサ202はロケーションセンサを含んでもよい。たとえば、センサ202は、SPS信号を受信し、HTD102および関連付けられた資産の位置を判定するための衛星測位システム(SPS)受信機を含んでもよい。場合によっては、SPS受信機は、全地球測位衛星(GPS)システムから信号を受信するためのGPS受信機である。GPSシステムは、世界のほぼあらゆる場所において位置情報、速度情報、および時間情報を提供するように設計された衛星ナビゲーションシステムまたは衛星測位システムである。GPSは、米国国防省によって開発され、現在、24個の通信衛星の集合を含む。他の種類の衛星ナビゲーションシステムには、広域補強システム(WAAS)、ロシア連邦によって配備されたGlobal Navigation Satellite System(GLONASS)、欧州連合によって計画されたガリレオシステムが含まれる。本明細書では、衛星測位システム(SPS)には、GPS、ガリレオ、GLONASS、NAVSTAR、GNSS、これらのシステムの組合せによる衛星を使用するシステム、疑似衛星システム、または将来開発される任意のSPSが含まれる。
【0023】
あるいは、センサ202は、SPS技術なしで位置を判定するためのセンサを含んでもよい。たとえば、センサ202は、セルラー無線オーバーヘッド信号から基地局識別子(など)を取り込むためのセル識別子(セルID)認識ユニットを含んでもよい。あるいは、センサ202は複数のシステムに基づいて位置を判定してもよい。たとえば、補助GPS(A-GPS)は、セルラーネットワークから得られた情報を使用して、GPS信号に基づいて位置を判定するのを助ける。
【0024】
センサ202は、様々な環境監視タスクを実行するための1つまたは複数のセンサを含んでもよい。たとえば、センサ202は、HTD102または追跡すべき関連付けられた資産の近くの周囲温度を検知または監視するための温度センサを含んでもよい。センサ202は、運動、移動、または振動を検知するための運動センサを含んでもよい。センサ202は、HTD102における光、輝度、または照度を検知または監視するための光センサを含んでもよい。センサ202は、HTD102における湿度を検知または監視するための湿度センサを含んでもよい。センサ202は、近くの周囲圧力を検知するための圧力センサを含んでもよい。いくつかの状況では、HTD102の近くの領域またはその周囲の周囲圧力が容器の外側の周囲圧力と実質的に異なるように資産を圧力調節容器に入れて配送してもよい。センサ202は、HTD102における音響レベルまたは騒音レベルを検知または監視するための音響センサを含んでもよい。センサ202は、HTD102における気動を検知または監視するための気動センサを含んでもよい。いくつかの状況では、たとえば、関連付けられた資産を良好な状態に維持するのにある程度の換気が必要になることがあり、そのため、HTD102におけるそのような気動を監視してもよい。センサ202は、空気分子中の化学物質を検知または捕集するための空気捕集センサを含んでもよい。センサ202は、標高を記録するための高度計センサを含んでもよい。センサ202は、直線加速度および/または角加速度を測定するための1次元MEMSデバイス、2次元MEMSデバイス、または3次元MEMSデバイスなどの加速度計を含んでもよい。センサ202は、センサ自体に対する磁気方位を測定するための、固体コンパスなどの方位センサを含んでもよい。センサ202は、センサの近くの放射線レベルを測定するための、ガイガーカウンタまたは固体核放射線センサのような放射線センサを含んでもよい。
【0025】
いくつかの状況では、資産が格納ユニットまたは格納庫に入れて輸送されるかあるいは格納ユニットまたは格納庫に格納される。このような場合、センサ202を使用して格納ユニットまたは格納庫内の輸送または格納された資産の状態を検知または監視してもよい。一例では、資産は、格納ユニットまたは格納庫に入れて輸送または熟成される傷みやすい商品または高級食料品(たとえば、ビンテージチーズまたはワイン)である。そのため、監視することのできる条件(たとえば、温度、光、気動、湿度など)のうちで、周囲空気中のある化学物質の有無を監視して、傷みやすい商品または高級食料品が適切な許容度内に維持され熟成されるようにしてもよい。
【0026】
センサ202は、HTD102が位置する場所またはその近くの特徴情報を検知するための任意の他の適切なセンサを含んでもよい。したがって、センサ202は、位置、および/または温度、運動、光、湿度、圧力、音響、気動、空気サンプル、高度などのうちの任意の1つもしくは複数を含む他の特徴情報を含むセンサ情報を提供する。了解されるように、センサ202は、単一のセンサであっても、あるいはHTD102または関連付けられた資産が位置する場所またはその近くの様々な特徴情報を検知するための複数のセンサを含んでもよいセンサモジュールまたはセンサアレイのようなセンサの組合せであってもよい。
【0027】
HTD102は、取り付けられたバッテリ電源から電力を供給されてもよい。あるいは、HTD102は、外部電源から電力を供給されてもよい。たとえば、HTD102は、配送トラックの補助動力装置(APU)またはバッテリから電力を供給されても、または格納容器もしくは貯蔵室の電源コンセントに接続されてもよい。通常、WANトランシーバ210を動作させるHTD102は、外部電源に接続される。さらに、センサ202を動作させるHTD102も外部電源に接続される。
【0028】
HTD102を低電力消費量構成要素によって構成すると、バッテリの交換もしくは再充電の頻度を少なくするかまたは交換もしくは再充電を頻繁に行うことを不要にし、あるいは外部電源に過度の負荷が加わる懸念を軽減するかまたはなくすことができる。また、ロケーションベースのサービスおよび追跡の場合、信号伝送速度要件またはデータ伝送速度要件が実質的に低く、そのため、前述のように、より安価な低帯域幅PAN108およびPANトランシーバ208を選択して実施してもよい。
【0029】
いくつかの態様では、1つのHTD102がWANトランシーバ210を使用して通信し、一方、他のHTD102はWANトランシーバを有さず、または他のHTD102のWANトランシーバ210が無効化状態にされる。1つまたは限定された数のHTD102(そのWANトランシーバ210を動作させる同じHTD102または異なるHTD102)はそのセンサ202を動作させてもよく、一方、他のHTD102はセンサを有さず、あるいは他のHTD102のセンサ202が無効化状態にされる。そのような状況では、1つのセンサ202からのセンサ情報を使用してPAN108内のすべてのHTD102の特徴が示される。このセンサ情報は、1つのHTD102によってそのWANトランシーバ210を使用して伝達される。他のHTD102は、WAN110に接続された1つのHTD102とPANを介して通信する。
【0030】
図3は、本発明のいくつかの実施形態による、資産を追跡するためのロケーションベースサービスシステムを示している。ロケーションベースサービスシステム100は、資産追跡サーバ106と複数のHTD102とを含む。HTD102は1つのゲートウェイHTD302を含む。残りのHTD102はスレーブHTD304である。ゲートウェイHTD302は、WAN110を介して資産追跡サーバ106と通信し、PAN108を介して1つまたは複数のスレーブHTD304とも通信する。ゲートウェイHTD302およびスレーブHTD304の各々は、様々な関連付けられた資産(図示せず)を追跡する。各々のHTD102(ゲートウェイHTD302およびスレーブHTD304)は同一であってもよいがそれぞれの異なるモードで動作する。動作モードは、資産追跡サーバ106またはHTD102によって個々にまたは集合的に判定されてもよい。
【0031】
たとえば、資産追跡サーバ106は、どのHTD102がゲートウェイ302として働くかを判定してもよい。あるいは、HTD102は、ゲートウェイHTD302として働くように事前に構成されてもよい。あるいは、HTD102は、たとえば、予備電源に基づいて、どのHTD102がゲートウェイHTD302になるかに関してPANを介して交渉してもよい。取り付けられたバッテリパックから電力を供給されるHTD102またはバッテリパックにおいて利用可能な電力のうちの低レベルの電力を有するHTD102よりも、外部電源に接続されたHTD102を優先してもよい。このようにして、十分な電力を有するHTD102がゲートウェイHTD302として選択される。より消費電力が多い長距離WAN110を介して動作しセンサ情報を送信するのに十分なレベルまたは安定したレベルの電力を有するHTD102を選択するのが望ましい。また、バッテリから供給される電力によって動作するHTD102の消費電力を節約するかまたは低減させることが望ましい。したがって、スレーブHTD304は、センサ情報を短距離PAN108を介してゲートウェイHTD302に伝達または送信してもよく、その場合、通常、動作に必要な消費電力は少ない。ゲートウェイHTD302は、外部電源に接続されてもよくあるいは十分に充電されたバッテリパックを有し、センサ情報を特徴情報として、より消費電力の多いWAN110を介して資産追跡サーバ106に送信する。
【0032】
この例では、ゲートウェイHTD302はマスタ動作モードにおけるマスタとして動作してもよい。ゲートウェイHTD302からのセンサ情報を使用して、PAN108内に配置されたスレーブHTD304からの情報を表してもよい。言い換えれば、ゲートウェイHTD302のセンサ202によって生成されたセンサ情報を使用してスレーブHTD304からの情報を表すか、スレーブHTD304からの情報の代わりとするか、またはスレーブHTD304からの情報を特徴付けてもよい。たとえば、ゲートウェイHTD302におけるセンサ202は、位置を判定し、ゲートウェイHTD302の所の周囲圧力を検知してもよい。ゲートウェイHTD302は次いで、各々のスレーブHTD304を、ゲートウェイHTD302と同じ判定された位置および検知された圧力を有するものと特徴付ける。したがって、位置および/または検知されたその他の情報のような特徴情報を使用して各々のスレーブHTD304におけるそのような特徴を表す。
【0033】
スレーブHTD304は、スレーブとして構成されるかまたはスレーブ動作モードで動作してもよい。いくつかの実施形態では、スレーブHTD304は、センサを有さず、あるいはそれらのセンサのうちの1つもしくは複数またはすべての電源を切断する。別の態様では、スレーブHTD304からのセンサ情報は、PAN108上でゲートウェイHTD302を介して資産追跡サーバ106に送信されてもよい。すなわち、スレーブHTD304からのセンサ情報はPAN108を介してゲートウェイHTD302に送信されてもよい。スレーブHTD304からのセンサ情報は次いで、ゲートウェイHTD302によってスレーブHTD304およびPAN108内のすべての他のHTD102の特徴情報としてWAN110を介して資産追跡サーバ106に送信されてもよい。別の態様では、ゲートウェイHTD302は、センサ情報を1つのHTD102から他のHTD102に割り当てる。このようにして、1つのHTD102(たとえば、ゲートウェイHTD302)はすべてのHTD102を表すデータを検知する。他のHTD102は次いで、そのセンサ202の電源を切断するかまたはセンサ202を無効化する。
【0034】
すべてのHTD102に直接WAN110を介して通信させるのではなく、1つのHTD102をゲートウェイHTD302として働かせてWAN110を通じて資産追跡サーバ106と通信させることによって、全体的なシステムリソースを低減させるかまたは最小限に抑えることができる。言い換えれば、1つのHTD102をゲートウェイHTD302として選択し、一方、他のHTD102がスレーブHTD304として動作してPAN108を介してのみ通信することによって、全体的なシステムリソースを低減させるかまたは最小限に抑えることができる。スレーブHTD304による資産追跡サーバ106との通信は、ゲートウェイHTD302を通じて実行される。したがって、ゲートウェイHTD302は、スレーブHTD304と資産追跡サーバ106との間で情報を送信するためのリレーとして動作してもよい。
【0035】
同様に、動作しているセンサ202を含む1つのHTD102のみを有し、他のHTD102にそれらのHTD102のセンサ202を無効化させることによって、全体的なシステムリソースを低減させるかまたは最小限に抑えることができる。全体的な出力は、すべてのHTD102にそれ自体のセンサ202を動作させる場合よりも実質的に低くなる。1つのHTD102からのセンサ情報を、ゲートウェイHTD302がすべてのHTD102からのセンサ情報を表すのに使用してもよい。たとえば、ゲートウェイHTD302のような1つのHTD102が、GPS受信機を使用してそのHTD102の位置を判定してもよい。ゲートウェイHTD302は、このロケーションデータを受信し、任意のHTD102の位置を資産追跡サーバ106に伝達するときに使用する。検知された情報(たとえば、位置または圧力)はHTD102同士の間でわずかに異なることがあるが、この差はわずかなものであり、すべての他のHTD102全体についてバッテリが実質的に節約される。場合によっては、ゲートウェイHTD302上のセンサ202が使用される。他の場合には、スレーブHTD304におけるセンサ202が使用される。このような場合、センサ情報をスレーブHTD304からPAN108を介してゲートウェイHTD302に送信してもよい。センサ情報は次いで、すべてのHTD102を表す情報としてゲートウェイHTD302からWAN110を介して資産追跡サーバ106に送信される。
【0036】
PAN108において、スレーブHTD304はゲートウェイHTD302に登録してもよい。ゲートウェイHTD302は、登録された各スレーブHTD304の識別子を記録してもよく、現在のPAN108内の登録されたスレーブHTD304のインベントリを維持してもよい。
【0037】
ゲートウェイHTD302から送信されるセンサ情報は、ゲートウェイHTD302および/またはスレーブHTD304を表すセンサ情報であってもよい。すなわち、ゲートウェイHTD302から送信されるセンサ情報は、ゲートウェイHTD302のセンサによって検知され、資産追跡サーバ106によって、すべてのHTD102を表すセンサ情報として処理されるセンサ情報であってもよい。別の態様では、センサ情報は、HTD102の1つのセンサ、2つ以上のセンサ、またはすべてのセンサからの総合的なセンサ情報である。この態様では、センサ情報を提供する各々のHTD102は、特徴情報を検知するためのセンサ202を有するように構成されることになる。
【0038】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムのハイブリッド追跡デバイスの別の実施形態を示している。各HTD102は、そのHTD102の動作モードを選択するためのコントローラ400を含んでもよい。たとえば、HTD102のコントローラ400は、第1のモード(上述のようなゲートウェイモードもしくはマスタモード)で動作すること、または第2のモード(上述のようなスレーブモード)で動作することを選択してもよい。この態様では、コントローラ400は、HTD102の動作モードを選択する。第1のモードまたはマスタモードで動作するHTD102は、センサ情報を資産追跡サーバ106に送信する。さらに、1つのHTD102からのこのセンサ情報をPAN108内のすべてのHTD102を表す情報として使用してもよい。いくつかの実施形態では、センサ情報はゲートウェイHTD302内のセンサ202によって生成される。他の実施形態では、センサ情報はスレーブHTD304内のセンサ202によって生成される。いくつかの実施形態では、センサ情報は複数のHTD102のセンサ202からコンパイルされる。
【0039】
図5Aおよび
図5Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムにおけるプロキシを示している。
図5Aでは、ロケーションベースサービスシステム100は、ゲートウェイHTD302の代わりにHTDプロキシ(HTDP500)を含む。ロケーションベースサービスシステム100は、PAN108を介して通信する1つまたは複数のスレーブHTD304も含む。ロケーションベースサービスシステム100は、WAN110を介してHTDP500と通信する資産追跡サーバ106も含む。しかし、ゲートウェイHTD302とは異なり、HTDP500は、追跡すべき資産に関連付けられていない。その代わり、HTDP500は、スレーブHTD304および関連付けられた資産が存在する可能性がある構造(たとえば、車両または建物)に関連付けられてもよい。
【0040】
図5Bに示されているように、HTDP500は、各々について上記に説明したWANトランシーバ210とセンサ202とPANトランシーバ208とを含む。HTDP500はそのセンサ202を使用して、HTDP500に関連するセンサ情報を生成する。センサ202は、HTD102、HTD302、およびHTD304に関して上記に説明した任意の1つまたは2つ以上のセンサ情報(たとえば、位置または圧力)を含んでもよい。この場合も、HTDP500から送信されるセンサ情報は、スレーブHTD304を表す特徴情報である。すなわち、HTDP500のセンサ202を使用して位置および/または追加の特徴情報を判定してもよく、HTDP500は、PAN108内の各スレーブHTD304に関連付けられてもよい。
【0041】
HTDP500内のPANトランシーバ208を使用してスレーブHTD304が存在するかどうかを判定してもよい。たとえば、HTDP500内のPANトランシーバ208は、各スレーブHTD304にHTDP500に登録するようピング、ページング、または命令してもよい。あるいは、スレーブHTD304は、その存在を、そのそれぞれのPANトランシーバ208を使用してPAN108を通じてHTDP500に自律的に登録してもよい。HTDP500は、登録されたスレーブHTD304を記録し、登録されたスレーブHTD304およびそのそれぞれの関連付けられた資産のインベントリを維持する。HTDP500は、関連付けられた資産が配送されるとき、およびそれぞれのスレーブHTD304がPAN108から出るときに、登録されたスレーブHTD304のインベントリを周期的に更新してもよい。
【0042】
図5Bに示されているように、いくつかの実施形態では、スレーブHTD304はWANトランシーバ210およびセンサ202を含まなくてもよい。他の実施形態では、スレーブHTD304は、WANトランシーバ210および/またはセンサ202を含む。WANトランシーバ210および/またはセンサ202を含めないかあるいはWANトランシーバ210および/またはセンサ202を無効化すると、スレーブHTD304は、充電されたバッテリでより長い持続時間にわたって動作することができる。
【0043】
図6は、本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービス方法のフローチャート図を示している。この態様は、資産に関連付けられたHTD102を追跡するためのロケーションベースサービスの方法に関する。ステップ602において、HTD102がPAN108を探索する。ステップ604において、HTD102は、PAN108が利用可能であるか否かを判定する。PAN108が利用可能でない場合、処理はステップ606に進む。PAN108が利用可能である場合、処理はステップ610に進む。
【0044】
ステップ606において、HTD102は、第1の動作モード(マスタモードまたはゲートウェイモードであり、これによってHTD102はゲートウェイHTD302として働く)に入り、WAN110を介して資産追跡サーバ106と通信する。HTD102は、HTD102の特徴についてのセンサ情報を生成する。センサ情報には、HTD102のロケーション情報が含まれ、追加のセンサからの情報も含まれてもよい。次に、ステップ608において、HTD102はセンサ情報をWAN110を介して資産追跡サーバ106に送信する。各スレーブHTD304は、PAN108にアタッチすると、PAN108を介して資産追跡サーバ106に登録メッセージを送信してもよい。HTD102は、スレーブHTD304のゲートウェイHTD302と見なされ、このような登録メッセージを事前に生成されたセンサ情報によって補足してもよい。
【0045】
各ステップ610において、HTDは、第2の動作モードに入り(それによって、スレーブHTD304として働き)、PAN108を介してゲートウェイHTD302またはプロキシHTDP500と通信する。HTD102は、センサ202を有する場合、センサ202を非アクティブ化してバッテリ電力を節約する。ステップ612において、HTD102は、そのWANトランシーバ210が存在する場合にはWANトランシーバ210を非アクティブ化してもよい。ステップ614において、HTD102は、PAN108およびゲートウェイHTD302またはプロキシHTDP500を介して資産追跡サーバ106と通信してもよい。HTD102は、PAN108を介して登録メッセージを送信することによって、HTD102がPAN108に存在することを登録してもよい。
【0046】
図7は、本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービス方法の別のフローチャート図を示している。この態様はプロキシHTDP500を含む。ステップ702において、HTDP500は、PAN108を介してスレーブHTD304と通信する。ステップ704において、HTDP500はそのセンサ202からセンサ情報を生成する。このセンサ情報は、HTDP500の特徴であり、HTDP500の位置を含む。このセンサ情報は、PAN108に入るかまたはHTDP500に登録する各スレーブHTD304に割り当てられてもよい。ステップ706において、HTDP500はセンサ情報をWAN110を介して資産追跡サーバ106に送信する。これは、PAN108上のスレーブHTD304からの通信を補足する形態であってもよい。
【0047】
図8、
図9、および
図10は、本発明のいくつかの実施形態による、ロケーションベースサービスシステムの様々な実装形態を示している。
図8では、HTD102は、スレーブHTD304に対してPAN108を提供するゲートウェイHTD302として構成されている。ゲートウェイHTD302は、資産またはトラックに関連付けられてもよい。通常、ゲートウェイHTD302は、トラックの電力システムから電力を得て、したがって、WANトランシーバ210を動作させることによる消費電力を得るので、WANトランシーバ210およびセンサ202が与える影響は最小限である。スレーブHTD304は、WANトランシーバ210および/またはセンサ202の電源を切断するかまたはWANトランシーバ210および/またはセンサ202を無効化してバッテリ電力を節約し、PAN108のみを介して動作する。ゲートウェイHTD302は、センサ202から得たゲートウェイHTD302の位置およびその他のセンサ情報を、スレーブHTD304に関するメッセージに割り当てる。
【0048】
これに対して、
図9は、様々な資産を追跡するためのロケーションベースサービスの別の例を示している。プロキシHTDP500が、トラックに取り付けられており、トラックから離れている資産には関連付けられていない。HTDP500は、トラックから電力を得て、WAN110を介して資産追跡サーバ106と通信し、PAN108を介してスレーブHTD304と通信する。2つのスレーブHTD304は、使用されていないハードウェア(たとえば、センサ202およびWANトランシーバ210)の電源を切断するかまたはそのようなハードウェアを無効化してもよい。
【0049】
図10は、様々な資産を追跡するためのロケーションベースサービスの別の例を示している。この場合、資産は家で飼っているペットである。この家は、その電力システムに接続されたプロキシHTDP500を含み、スレーブHTD304同士の間にリンクを構成している。スレーブHTD304は、PAN108を介してHTDP500および資産追跡サーバ106と通信する。たとえば、家で飼っているペット(その首輪の周りにスレーブHTD304を備えている)がPAN108の範囲内にいるとき、スレーブHTD304は、ペットが存在することをPAN108を介して周期的に資産追跡サーバ106に報告してもよい。HTDP500は、このレポートをセンサデータで補足し、このレポートをWAN110を介して資産追跡サーバ106に転送する。この実施形態では、HTDP500の位置をこの家を表す識別コードとして設定してもよい。
【0050】
上述のゲートウェイおよびプロキシ(ゲートウェイHTD302およびプロキシHTDP500)の各々について、ゲートウェイ/プロキシは、スレーブHTD304が新たにPAN108に入ったときに、ゲートウェイ/プロキシが(スレーブHTD304の特徴情報を表す)そのセンサ情報を資産追跡サーバ106に報告するような規則を有してもよい。同様に、スレーブHTD304がもはやPAN108内にないとき(たとえば、所定の持続時間よりも長い間再登録していない)、ゲートウェイ/プロキシは、報告メッセージを資産追跡サーバ106に送信してもよい。たとえば、家で飼っているペットが家に入ると、スレーブHTD304がHTDP500に登録し、それによって、ペットが家に入ったことを資産追跡サーバ106に通知する。HTDP500が所定の時間よりも長い間スレーブHTD304から通知を受けない場合、HTDP500は、家で飼っているペットが家を出たことを報告してもよい。
【0051】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実装される場合、これらの方法は、本明細書で説明する機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、関数など)によって実装されてもよい。本明細書で説明する方法を実施する際に、命令を有形に具現化する任意の機械可読媒体を使用してもよい。たとえば、ソフトウェアコードをメモリに記憶し、プロセッサによって実行してもよい。メモリは、プロセッサユニット内で実現されてもあるいはプロセッサユニットの外部で実現されてもよい。本明細書では、「メモリ」という用語は、長期メモリ、短期メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または他のメモリのいずれかの種類を指し、メモリのいかなる特定の種類またはメモリの数、あるいはメモリが記憶される媒体の種類に限定されない。
【0052】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実装する場合、関数をコンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令もしくはコードとして記憶してもよい。この例には、データ構造によって符号化されたコンピュータ可読媒体およびコンピュータプログラムによって符号化されたコンピュータ可読媒体が含まれる。たとえば、コンピュータ可読媒体は、接触が検出されたことに基づいて共通参照枠を確立するためのプログラムコード、内部センサからのデータに基づいてローカル参照枠内の位置を更新するためのプログラムコード、ローカル参照枠内の位置を共通参照枠内の位置に変換するためのプログラムコード、共通参照枠内の位置を送信するためのプログラムコードによって符号化されてもよい。また、コンピュータ可読媒体は、共通参照枠内の位置と共通参照枠内の受信された位置との空間関係を判定するためのプログラムコード、共通参照枠内の受信された位置をローカル参照枠内の受信された位置に変換するためのプログラムコード、ローカル参照枠内の位置とローカル参照枠内の受信された位置との空間関係を判定するためのプログラムコードを含んでもよい。また、コンピュータ可読媒体は、異なる接点が検出されたことに基づいて新しい参照枠を確立するためのプログラムコード、新しい参照枠から共通参照枠への変換をもたらすためのプログラムコード、その変換を送信させるためのプログラムコードを含んでもよい。
【0053】
コンピュータ可読媒体は、物理的なコンピュータ記憶媒体を含んでもよい。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の使用可能な媒体であってもよい。限定ではなく、一例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形で記憶するのに使用することができ、かつコンピュータからアクセスすることのできる任意の他の媒体を備えてよく、本明細書で使用するディスク(diskおよびdisc)には、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フレキシブルディスク、およびブルーレイディスクが含まれ、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、一方、ディスク(disc)はデータをレーザによって光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
【0054】
開示される態様の上記の説明は、当業者が本開示を作成または使用できるようにするためになされている。これらの態様への様々な修正が当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義する一般的な原理は、本開示の趣旨や範囲を逸脱することなしに他の態様に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
100 ロケーションベースサービスシステム
102 ハイブリッド追跡デバイス
106 資産追跡サーバ
108 パーソナルエリアネットワーク
110 ワイドエリアネットワーク
202 センサ
208 PANトランジスタ
210 WANトランシーバ
302 ゲートウェイHTD
304 スレーブHTD
400 コントローラ
500 HTDプロキシ