特許第6013554号(P6013554)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6013554
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】サニタリーボックス
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/00 20060101AFI20161011BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20161011BHJP
   B65F 1/06 20060101ALI20161011BHJP
   B65F 1/16 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   A47K17/00
   B65F1/00 E
   B65F1/06 Z
   B65F1/16
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-95389(P2015-95389)
(22)【出願日】2015年5月8日
【審査請求日】2015年5月13日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 出願人株式会社ベストは、平成26年11月12日に東京ビッグサイト[東京国際展示場]東6ホールで開催されたトイレ産業展/TOILET TOKYO 2014にトイレ産業展にてサニタリーボックスを公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】592114703
【氏名又は名称】株式会社ベスト
(73)【特許権者】
【識別番号】516076636
【氏名又は名称】上別府 博
(74)【代理人】
【識別番号】100083873
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 秀一
(72)【発明者】
【氏名】上別府 博
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−028625(JP,A)
【文献】 実開昭63−112900(JP,U)
【文献】 実開昭57−003704(JP,U)
【文献】 実開昭62−173306(JP,U)
【文献】 実開昭59−127001(JP,U)
【文献】 特開2012−86973(JP,A)
【文献】 実開平5−92204(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00−17/02
B65F 1/00− 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に設けられた収納空間に収納されるものであって、前面が開放された箱形に形成されて収納空間に嵌込まれるケーシングと、下端部がケーシングに回動可能に支持されて収納空間の全面を覆う前板と、前板の上部に開口され汚物が投入される投入口と、前板の背部側の下部に固定され内部に汚物を集積させる集積室と、ケーシングに支持され集積室の上方側を開閉する開閉蓋とを備え、開閉蓋は、平板状に形成された開閉板と、開閉板をケーシングの奥側で回動可能に支持するヒンジと、開閉板のヒンジよりもケーシングの奥側に延長された部分に固定された重りと、開閉板をケーシングの前側で水平の角度以上の回動を規制するストッパとからなることを特徴とするサニタリーボックス。
【請求項2】
請求項1のサニタリーボックスにおいて、ケーシングの上部に固定され投入口に連通して開閉蓋に至る汚物の投入経路を区画するインナケーシングを備えていることを特徴とするサニタリーボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面収納タイプのサニタリーボックスに係る技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
最近、女性用トイレ等に設置されて生理用布,化粧用布等の汚物の投棄に使用されるサニタリーボックスについては、美観上等の観点から床設置タイプから壁面収納タイプに移行される傾向がある。
【0003】
従来、壁面収納タイプのサニタリーボックスとしては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
【0004】
特許文献1には、図8に示すように、屋根形に形成された上部10に汚物が投入される投入口20が開口され、箱形に形成された下部30の内部に汚物を集積させる集積室40が設けられ、上部10と下部30との一部が回動可能に構成されたサニタリーボックスが記載されている。
【0005】
特許文献1に係るサニタリーボックスは、壁面に設けられた収納空間Sに出入れ自在に収納されるもので、汚物が集積された際に収納空間Sから取出して上部10と下部30との一部を回動させることで簡単に汚物を回収することができるようにするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−248066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に係るサニタリーボックスでは、汚物が投入される投入口20が常時開口されているため、集積室40に集積されている汚物の臭気が漏出してしまうという問題点がある。また、上部10と下部30とからなる全体が露出されてしまうため、外観体裁が不良であるという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、集積された汚物の臭気の漏出が確実に阻止されるとともに外観体裁が良好なサニタリーボックスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明に係るサニタリーボックスは、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。
【0010】
即ち、請求項1では、例えば以下に示す図示実施の形態のとおり、壁面に設けられた収納空間Sに収納されるものであって、前面が開放された箱形に形成されて収納空間Sに嵌込まれるケーシング1と、下端部がケーシング1に回動可能に支持されて収納空間Sの全面を覆う前板2と、前板2の上部に開口され汚物が投入される投入口4と、前板2の背部側の下部に固定され内部に汚物を集積させる集積室5と、ケーシング1に支持され集積室5の上方側を開閉する開閉蓋7とを備え、開閉蓋7は、平板状に形成された開閉板71と、開閉板71をケーシング1の奥側で回動可能に支持するヒンジ72と、開閉板71のヒンジ72よりもケーシング1の奥側に延長された部分に固定された重り73と、開閉板71をケーシング1の前側で水平の角度以上の回動を規制するストッパ74とからなることを特徴とする。
【0011】
この手段では、汚物を集積させる集積室の上方側を開閉する開閉蓋を備えることで、集積室と投入口との連通を遮断することができる。また、収納空間の全面を覆う前板を備え
ることで、全体の露出が避けられる。しかも、この手段では、開閉蓋が開閉板,ヒンジ,おもり,ストッパからなることで、てこ構造による開閉蓋の自動閉鎖機構が構成される。
【0012】
また、請求項2では、請求項1のサニタリーボックスにおいて、ケーシング1の上部に固定され投入口4に連通して開閉蓋7に至る汚物の投入経路を区画するインナケーシング6を備えていることを特徴とする。
【0013】
この手段では、インナケーシングが設けられることで、投入口から開閉蓋に至る汚物の投入経路における汚物の散乱が防止される。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るサニタリーボックスは、汚物を集積させる集積室の上方側を開閉する開閉蓋を備えることで、集積室と投入口との連通を遮断することができるため、集積された汚物の臭気の漏出が確実に阻止される効果がある。また、収納空間の前面を覆う前板を備えることで、全体の露出が避けられるため、美的外観が良好になる効果がある。しかも、開閉蓋が開閉板,ヒンジ,おもり,ストッパからなることで、てこの構造による開閉蓋の自動閉鎖機構が構成されるため、集積された汚物の臭気の漏出の阻止のための開閉蓋の閉鎖が確実に行われる効果がある。
【0015】
加え、請求項2として、インナケーシングが設けられることで、投入口から開閉蓋に至る汚物の投入経路における汚物の散乱が防止されるため、投入された汚物による内部の無用の汚損が防止される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るサニタリーボックスを実施するための形態の側面断面図である。
図2図1の斜視図である。
図3図1の他の状態の斜視図である。
図4図1の正面図である。
図5図1の平面断面図である。
図6図1の設置状態を示す正面図である。
図7図1の設置状態を示す側面断面図である。
図8】従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るサニタリーボックスを実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
この形態では、図6図7に示すように、トイレの便器の背部のライジングからなる壁面に設けられた方形の収納空間Sに収納されるものを示してある。
【0019】
この形態は、図1に示すように、ケーシング1,前板2,前板支持機構3,投入口4,集積室5,インナケーシング6,開閉蓋7,ロック部材8の各部で構成されている。
【0020】
ケーシング1は、収納空間Sに嵌込まれるように前面が開放された方形の箱形に形成されている。このケーシング1は、収納空間Sに嵌込まれて収納空間Sの周囲にあるライジングのフレームFにネジ等で固定される。
【0021】
前板2は、収納空間Sの全面を覆う方形の平板状に形成されている。
【0022】
前板支持機構3は、前板2の下端部をケーシング1に回動可能に支持するもので、前板2の下端側部に固定された円弧板形の支持プレート31と、支持プレート31に穿孔された円弧長孔形のピン孔32と、ケーシング1の下端側部に突出固定されピン孔32に挿通される支持ピン33とからなる。
【0023】
投入口4は、前板2の上部に円形に開口されている。この投入口4は、汚物が投入されるもので汚物を掴んだ手が挿入できる大きさに開口される。
【0024】
集積室5は、内部に汚物を集積させるもので、上部開放の箱形に形成されて前板2の背部側の下部に固定されている。この集積室5は、ケーシング1の前側から奥側に向けて背高が低くなるように上端縁51が傾斜され、上端縁51に内部にセットされて汚物を収納する袋等を掛けるフランジ52が設けられている。
【0025】
インナケーシング6は、投入口4に連通して開閉蓋7に至る汚物の投入経路を区画するもので、ケーシング1の上部に固定されている。
【0026】
開閉蓋7は、インナケーシング6を介してケーシング1に支持され集積室5の上方側を開閉するもので、平板状に形成された開閉板71と、開閉板71をインナケーシング6の奥側で回動可能に支持するヒンジ72と、開閉板71のヒンジ72よりもインナケーシング6の奥側に延長された部分に固定された重り73と、開閉板71をインナケーシング6の前側で水平の角度以上の回動を規制するストッパ74とからなる。開閉板71は、インナケーシング6の下端開口を完全に閉鎖する面積を有している。ストッパ74は、インナケーシング6の下端縁を屈曲することで形成されている。
【0027】
ロック部材8は、前板2をケーシング1に吸着保持するもので、前板2に取付けられたマグネット81と、ケーシング1に取付けられた鉄ブロック82とからなる。
【0028】
この形態を使用するには、図3に示すような前板2がケーシング1に吸着保持された状態で、汚物を掴んだ手を投入口4から挿入して開閉蓋7の開閉板71をおもり73の抵抗に抗して押下げることになる。この結果、汚物を集積する集積室5の上方側が開放された格好となるので、掴んでいる汚物を離して集積室5の内部に落下させる。
【0029】
このとき、開閉蓋7の開閉板71が前側下方に下降傾斜することになって、集積室5の内部に既に集積されている汚物を開閉板71が圧縮することになる。従って、集積室5の内部に汚物がかなり集積されている状態でも、汚物を集積室5の内部に押し込むことができる。即ち、集積室5の容量が実質的に拡大されている。
【0030】
また、投入口4から開閉蓋7に至る汚物の投入経路がインナケーシング6によって区画されているため、汚物の散乱が防止されて内部の無用の汚損が防止される。
【0031】
その後、そのまま手を引上げて投入口4から引抜くことになる。この結果、開閉蓋7がてこの構造によって自動的に閉鎖される。
【0032】
開閉蓋7が閉鎖された状態では、投入口4から開閉蓋7に至る汚物の投入経路がインナケーシング6によって区画されていることと、前板2がケーシング1に吸着保持されていることとによって、集積室5に集積されている汚物の臭気が外部に漏出することがない。
【0033】
なお、前板2がケーシング1に吸着保持されている状態では、内部の全体の露出が避けられ美的外観が良好である。
【0034】
集積室5に集積されている汚物を回収するには、図4に示すように、前板2を前側に回動させ傾倒させる。この結果、集積室5の上方側が外部に開放されることになるため、集積室5に集積されている汚物(または汚物が集積された袋)を簡単に回収することができる。
【0035】
このとき、前板支持機構3によって前板2の回動域が規制されているため、前板2が必要以上に回動して各部を損傷するようなことは起こらない。また、集積室5の傾斜した上端縁51は、前板2の回動の際の集積室5と開閉蓋7との衝突を回避する。
【0036】
以上、図示した形態の外に、ケーシング1を収納空間Sに出入れ可能に構成することも可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 ケーシング
2 前板
4 投入口
5 集積室
6 インナケーシング
7 開閉蓋
71 開閉板
72 ヒンジ
73 重り
74 ストッパ
S 収納空間
【要約】
【課題】壁面収納タイプのサニタリーボックスについて、集積された汚物の臭気の漏出を確実に阻止し、美的外観を良好にする。
【解決手段】壁面に設けられた収納空間Sに収納される。前面が開放された箱形に形成されて収納空間Sに嵌込まれるケーシング1と、下端部がケーシング1に回動可能に支持されて収納空間Sの全面を覆う前板2と、前板2の上部に開口され汚物が投入される投入口4と、前板2の背部側の下部に固定され内部に汚物を集積させる集積室5と、ケーシング1に支持され集積室5の上方側を開閉する開閉蓋7とを備えた。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8