(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記解除部は、前記電子体温計の側面が接触することで、前記電子体温計の挿入方向と略直交する方向に動作する部材を有しており、該部材が動作することで、係止状態が解除されることを特徴とする請求項2または3に記載の収納ケース。
前記解除部は、前記電子体温計の端面が接触することで、前記電子体温計の挿入方向と略平行な方向に動作する部材を有しており、該部材が動作することで、係止状態が解除されることを特徴とする請求項2または3に記載の収納ケース。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0012】
[第1の実施形態]
<1.電子体温計及び収納ケースの外観構成>
はじめに電子体温計及び収納ケースの外観構成について説明する。
図1は、電子体温計100と、該電子体温計100を収納する中空の収納ケース110の外観構成を示す図である。
【0013】
電子体温計100において、101は本体部であり、演算制御部等の電子回路、電池(電源部)等が収納されている。
【0014】
102は、ステンレス製の金属キャップで、温度を計測するためのサーミスタが内蔵されている。103は電源ON/OFFスイッチであり、1回押圧すると電源部がONとなり、再度押圧すると電源部がOFFとなる。104は表示部であり、被検者の体温を表示する。
【0015】
105−1から105−4は、電子体温計100の長軸方向のそれぞれの位置における断面形状を示している。105−3及び105−4に示すように、電子体温計100は、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域において、概ね同じ断面形状(電子体温計100の幅方向の長さWのほうが、厚さ方向の長さDよりも長い長方形の断面形状)を有しており、当該領域における断面積が、長軸方向の各位置における断面積の中で最も大きくなっている。
【0016】
これに対して、105−1及び105−2に示すように、表示部104近傍における先端側の位置から、金属キャップ102にかけては、断面積が徐々に小さくなっていき、金属キャップ102近傍の本体部101の断面積が最も小さくなっている。
【0017】
一方、収納ケース110において、111は収納部であり、電子体温計100の先端側から矢印120方向に挿入された場合に、当該挿入された電子体温計100を保持する。なお、以下では、電子体温計100の先端側から矢印120方向に挿入する場合を、“順方向”と称することとする。
【0018】
112は開閉部であり、収納部111に対して開閉可能に取り付けられている。開閉部112は、収納ケース110の内部を洗浄する場合に開閉され、収納部111に対して新たな開口部を提供する。113は、収納部111と開閉部112との境界を示している。本実施形態に係る収納ケース110では、境界113における収納部111と開閉部112との間の凹凸が極力生じないように構成されている。つまり、ユーザが、収納ケース110の外側から境界113に爪を引っ掛けるなどして無理やり開けることができない構成となっている。これは内部を洗浄する場合以外で、開閉部112が不用意に開閉されてしまうのを防ぐためである。
【0019】
114は蓋部であり、収納ケース110に電子体温計100を挿入して保管したり、保管された電子体温計100を収納ケース110から取り出したりする際に、開閉される。
【0020】
115は回動軸であり、蓋部114が開閉できるように、蓋部114を収納部111に対して回動自在に取り付ける機能を有している。
【0021】
なお、収納ケース110内部の汚れ具合を確認できるようにするために、収納ケース110の収納部111、開閉部112、蓋部114、回動軸115等の材質は、不透明ではなく、透明材料(スケルトン状の材質)により形成されていてもよい。
【0022】
<2.収納ケースの内部構成>
次に、収納ケース110の内部構成について説明する。
図2は、電子体温計100を順方向で収納ケース110に挿入した場合の内部の様子を示す図である(説明の便宜上、蓋部114は省略している)。
【0023】
図2に示すように、収納ケース110の内部にはリブが設けられており、順方向で挿入する際、または、順方向で挿入した後の電子体温計100の動きを規制している。
【0024】
201及び202は、電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域の動きを規制するリブである。また、203は、電子体温計100の先端の金属キャップ102の動きを規制するリブである。
【0025】
このように、リブ201〜203が配されていることで、電子体温計100を順方向で収納ケース110に挿入する際、及び、順方向で収納ケース110に挿入した後において、電子体温計100の動きが制限されるため、収納ケース110を振ったりした場合であっても、収納ケース110の内壁に電子体温計100が衝突し、電子体温計100が破損してしまうといった事態を回避することができる。
【0026】
210は保持部であり、収納ケース110の開閉部112の閉状態を保持するために、開閉部112に設けられた係止部(詳細は後述)を係止したり、開閉部112を開状態にするために、当該係止部の係止状態を解除したりする(つまり、保持部210と係止部とにより、開閉部112の閉状態を解除するための解除部が形成されることとなる)。なお、保持部210は、収納ケース110の内壁に固定された固定部211と、固定部211に対して矢印213方向(矢印120と略直交する方向)にスライド動作可能な部材である可動部212とを備える。
【0027】
<3.保持部210の配置及び大きさの説明(その1)>
次に、保持部210の配置及び大きさについて説明する。
図3は、収納ケース110に対して、順方向で電子体温計100を挿入した場合の、軌跡を示している。
図3に示すように、収納ケース110に対して、電子体温計100を斜めに挿入した場合であっても、収納ケース110の内壁に設けられたリブ201、202に対して、本体部101の表示部104を挟んで尾部側の位置から先端側の位置までの領域(つまり、断面積の最も大きい領域)が接触するため、電子体温計100は、徐々に、収納ケース110の長軸方向に略平行な方向に修正されていく。
【0028】
このとき、電子体温計100の金属キャップ102は、
図3に示すような軌跡を通ることとなる。ここで、保持部210は、電子体温計100が順方向で挿入される際に、電子体温計100の金属キャップ102及び本体部101のいずれとも接触することがないように、収納ケース110内の先端側の位置において、所定の厚さに収まるよう構成されている。
【0029】
換言すると、保持部210は、電子体温計100が順方向に挿入された際に、電子体温計100と接触することがないような位置及び大きさで、収納ケース110内に設けられている。
【0030】
<4.保持部210の配置及び大きさの説明(その2)>
次に、保持部210の配置及び大きさについて、電子体温計100を逆方向で挿入した場合の本体部101との関係について説明する。
【0031】
図4は、収納ケース110に対して、逆方向で電子体温計100を挿入する場合の内部の様子を示した図である。
図4の4Aに示すように、電子体温計100を逆方向で挿入した場合、リブ201及び202に対して、電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで尾部側の位置から先端側の位置までの領域が接触するため、電子体温計100は、収納ケース110の長軸方向に対して、略平行に挿入されることとなる。
【0032】
図4の4Bは、電子体温計100が逆方向に挿入されることで、電子体温計100の本体部101の尾部側面が、保持部210の可動部212に接触した様子を示している。上述したように、可動部212は、矢印213方向にスライド動作可能に構成されているため、電子体温計100の本体部101の尾部側面の接触に伴って、矢印213方向にスライド動作する。
【0033】
図4の4Cは、電子体温計100が収納ケース110の最深位置まで挿入された様子を示している。
図4の4Cに示すように、固定部211は、電子体温計100が収納ケース110の最深位置まで挿入された状態でも、電子体温計100の本体部101の尾部側面と干渉することがないように構成されている。また、電子体温計100の本体部101の尾部側面により矢印213に押圧された可動部212は、固定部211内に収容されるように、スライド動作範囲が規定されている。
【0034】
なお、本実施形態の収納ケース110は、電子体温計100の本体部101の尾部側面により押圧されることで、可動部212が固定部211内に収容される位置までスライド動作した結果、開閉部112の係止部が固定部211に対して非係止状態となることで、開閉部112が開くように構成されているものとする(詳細は後述)。
【0035】
<5.開閉部の構成>
次に、開閉部112の構成について説明する。
図5は、収納ケース110の開閉部112の構成を説明するための図である。
図5の5Aは、収納ケース110の長軸方向のうち、保持部210が取り付けられた位置における断面を示す図である。
【0036】
また、
図5の5Bは、当該位置まで電子体温計100が逆方向で挿入された様子を示している。
図5の5Bに示すように、電子体温計100の本体部101の尾部側面が接触し、可動部212が固定部211内に収容される位置までスライド動作することで、開閉部112の先端に取り付けられた係止部500が矢印213方向に押圧される。この結果、固定部211によって係止されていた係止部500が非係止状態となる。
【0037】
ここで、収納部111に対して、開閉部112を回動自在に保持する回動軸501には、不図示のトーションばねが配されており、開閉部112を開方向に付勢しているものとする。
【0038】
このため、係止部500が固定部211に対して非係止状態となると、
図5の5Cに示すように、開閉部112が開方向に回動することとなる。開閉部112が開状態となることで、収納ケース110に新たな開口部が提供され内部が露出するため、ユーザは、容易に収納ケース110の内部を洗浄することが可能となる。
【0039】
なお、収納ケース110内部の洗浄が完了した後は、ユーザが、開閉部112を閉方向に回動させることで、再び、係止部500が固定部211に係止されることとなり、開閉部112の閉状態が保持される(
図5の5A)。
【0040】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース110は、電子体温計100を順方向で挿入した場合には接触せず、逆方向で挿入した場合にのみ本体部101の尾部側面が接触するよう構成された保持部210を有しており、当該保持部210により、開閉部112の閉状態を保持させるよう構成した。
【0041】
また、当該保持部210に電子体温計100の本体部101の尾部側面が接触することで、開閉部112の閉状態が解除されるよう構成した。
【0042】
更に、開閉部112と収納部111との境界における凹凸を極力なくし、開閉部112を、収納ケース110の外側から容易に開けることができないよう構成した。
【0043】
この結果、収納ケース110の外側からの力では容易に開けられない一方で、電子体温計100を逆方向に挿入しさえすれば簡単に開けることができる開閉部112を実現することが可能となった。
【0044】
このように収納ケース110に、新たな開口部を提供することにより、ユーザは、収納ケース110の内部の洗浄を容易に行うことが可能となった。
【0045】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、開閉部112を収納部111に対して回動自在に取り付ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、着脱部として、収納部111に対して着脱自在に取り付ける構成としてもよい。
【0046】
つまり、収納ケース110の内部を容易に洗浄することができるよう、収納ケースに新たな開口部を提供する開口機構であれば、開閉式であっても着脱式であってもよい。
【0047】
[第3の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、電子体温計100の本体部101の尾部側面による、電子体温計100の挿入方向と略直交方向の接触を利用して、開口機構を開閉または着脱させる構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電子体温計100の本体部101の尾部端面による、電子体温計100の挿入方向と略平行方向の接触を利用して、開口機構を開閉または着脱させる構成としてもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0048】
<1.電子体温計及び収納ケースの外観構成>
はじめに電子体温計及び収納ケースの外観構成について説明する。
図6は、電子体温計100及び収納ケース610の外観構成を示す図である。
【0049】
図6において、電子体温計100の外観構成は、上記第1の実施形態において
図1を用いて説明した電子体温計100の外観構成と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0050】
また、収納ケース610の外観構成に示される各構成要素のうち、上記第1の実施形態において
図1を用いて説明した収納ケース110と同様の構成要素については、同じ参照番号を付すこととし、ここでは、説明を省略する。
【0051】
収納ケース610の外観構成と収納ケース110の外観構成との相違点は、着脱部612である。
図6に示すように、着脱部612は、収納部111の先端側に設けられており、収納部111に対して着脱可能に取り付けられている。
【0052】
なお、境界613は、収納ケース110の境界113と同様に、収納部111と着脱部612との間の凹凸が極力生じないように構成されているものとする。つまり、ユーザが、収納ケース610の外側から境界613に爪を引っ掛けるなどして無理やり取り外すことができないように構成されている。
【0053】
なお、上記第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、収納ケース610の内部の汚れが確認できるようにするために、収納ケース610の収納部111、着脱部612、蓋部114、回動軸115の材質は不透明ではなく、透明材料(スケルトン状の材質)により形成されていてもよい。
【0054】
<2.収納ケースの内部構成>
次に、収納ケース610の内部構成について説明する。
図7は、電子体温計100を順方向で収納ケース610に挿入した場合の内部の様子を示す図である。
【0055】
図7に示すように、収納ケース610の内部にはリブ201〜203が設けられており、順方向で挿入する際、及び、順方向で挿入した後の電子体温計100の動きを規制する。
【0056】
201及び202は、電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで尾部側の位置から先端側の位置までの領域の動きを規制するためのリブである。また、203は、電子体温計100の先端の金属キャップ102の動きを規制するためのリブである。
【0057】
このように、リブ201〜203が配されていることで、電子体温計100を順方向で収納ケース610に挿入する際、及び、順方向で収納ケース610に挿入した後において、電子体温計100の動きが制限されるため、収納ケース610を振ったりした場合であっても、収納ケース610の内壁に電子体温計100が衝突し、電子体温計100が破損してしまうといった事態を回避することができる。
【0058】
710は保持部であり、収納ケース610の着脱部612の取り付け状態を保持するために、着脱部612に設けられた係止部720を係止する。また、着脱部612を取り外す際には、保持部710に係止された係止部720の係止状態が解除される(つまり、保持部710と係止部とにより、着脱部612の取り付け状態を解除するための解除部が形成されることとなる)。なお、係止部720は、着脱部612に設けられた支持部721と、支持部721に回動動作可能に支持され、保持部710に係止される部材である係止用の爪部722とを備える。なお、係止用の爪部722は、トーションばねを介して支持部721に支持されており、保持部710に係止された状態で保持部710を押圧する方向に付勢されているものとする。
【0059】
<3.保持部710、係止部720の配置及び大きさの説明(その1)>
次に、保持部710及び係止部720の配置及び大きさについて説明する。
図8は、収納ケース610に対して、順方向で電子体温計100を挿入した場合の、軌跡を示している。
図8に示すように、収納ケース610に対して、電子体温計100を斜めに挿入した場合であっても、収納ケース610の内壁に設けられたリブ201、202に対して、本体部101の表示部104を挟んで尾部側の位置から先端側の位置までの領域(つまり、断面積の最も大きい領域)が接触するため、電子体温計100は、徐々に、収納ケース610の長軸方向に略平行な方向に修正されていく。
【0060】
このとき、電子体温計100の金属キャップ102は、
図8に示すような軌跡を通ることとなる。ここで、保持部710及び係止部720は、電子体温計100が順方向で挿入される際に、電子体温計100の金属キャップ102及び本体部101のいずれとも接触することがないように、収納ケース610内の先端側の位置において、所定の厚さに収まるように構成されている。
【0061】
換言すると、保持部710及び係止部720は、電子体温計100が順方向で挿入された際に、電子体温計100と接触することがないような位置及び大きさで、収納部111内、及び着脱部612内に設けられている。
【0062】
<4.保持部710、係止部720の配置及び大きさの説明(その2)>
次に、保持部710及び係止部720の配置及び大きさについて、電子体温計100を逆方向に挿入した場合の本体部101との関係について説明する。
【0063】
図9は、収納ケース610に対して、逆方向で電子体温計100を挿入する場合の内部の様子を示した図である。
図9の9Aに示すように、電子体温計100を逆方向で挿入した場合、リブ201及び202に対して、電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで尾部側の位置から先端側の位置までの領域が接触するため、電子体温計100は、収納ケース610の長軸方向に対して、略平行に挿入されることとなる。
【0064】
図9の9Bは、電子体温計100が逆方向に挿入されることで、電子体温計100の本体部101の尾部端面が、係止部720の係止用の爪部722に接触した様子を示している。上述したように、係止用の爪部722は支持部721により回動動作可能に支持されているため、電子体温計100の逆方向の挿入に伴って、矢印901方向に回動動作する。この結果、係止用の爪部722が収納部111の保持部710に対して、非係止状態となる。
【0065】
図9の9Cは、係止用の爪部722が保持部710に対して非係止状態となることで、着脱部612が収納部111に対して取り外し可能な状態となったため、ユーザが紙面下方向に着脱部612を引き出した様子を示している。
【0066】
このように、本実施形態に係る収納ケース610は、電子体温計100を逆方向に挿入した場合に、電子体温計100の本体部101の尾部端面が接触し、係止用の爪部722が保持部710に対して非係止状態となるまで回動動作するよう構成されている。
【0067】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース610は、電子体温計100を順方向で挿入した場合には接触せず、逆方向で挿入した場合にのみ本体部101の尾部端面が接触するよう構成された係止部720を有しており、当該係止部720により、着脱部612の収納部111に対する取り付け状態を保持させる構成とした。
【0068】
また、当該係止部720に電子体温計100の本体部101の尾部端面が接触することで、着脱部612の取り付け状態が解除される構成とした。
【0069】
更に、着脱部612と収納部111との境界における凹凸を極力なくし、収納ケース610の外側から容易に取り外すことができない構成とした。
【0070】
これにより、収納ケース610の外側からの力では容易に取り外すことができない一方で、電子体温計100を逆方向に挿入しさえすれば簡単に取り外すことができる着脱部612を実現することが可能となった。
【0071】
このように収納ケース610に、新たな開口部を提供することにより、ユーザは、収納ケース610の内部の洗浄を容易に行うことが可能となった。
【0072】
[第4の実施形態]
上記第3の実施形態では、着脱部612を収納部111に対して着脱可能に取り付ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、開閉部として、収納部111に対して開閉自在に取り付ける構成としてもよい。
【0073】
[第5の実施形態]
上記第1乃至第4の実施形態では、逆方向に挿入した電子体温計100の本体部101の尾部側面または尾部端面が保持部210または係止部720に接触し、スライド動作または回動動作することで、保持状態が解除される構成としたが、本発明はこれに限定されない。
【0074】
例えば、逆方向に挿入した電子体温計100を、収納ケース内において回動させ、収納ケース内の内壁を押圧することによって収納ケースを変形させ、これにより、保持状態を解除する構成としてもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0075】
<1.収納ケースの内部構成>
図10は、収納ケース1010の内部構成を示す図(紙面左側が側面から見た図、紙面右側が正面から見た図)であり、電子体温計100を逆方向で収納ケース1010に挿入した場合の内部の様子を示している。
【0076】
図10の10Aに示すように、収納ケース1010の内部には、電子体温計100の表示部104を挟んで尾部側の位置から先端側の位置までの領域の動きを規制するためのリブが配されておらず、電子体温計100と、当該領域との間には、隙間が設けられている。
【0077】
一方、収納ケース1010の先端には、リブ203が設けられており、電子体温計100を順方向に挿入した場合に、電子体温計100の先端の金属キャップ102の動きを規制するよう構成されている。
【0078】
1011は保持部であり、収納ケース1010の着脱部1012の取り付け状態を保持するために、着脱部1012に設けられた係止部1020を係止する。また、着脱部1012を取り外す際には、保持部1011に係止された係止部1020の係止状態が解除される(つまり、保持部1011と係止部1020とにより、着脱部1012の取り付け状態を解除するための解除部が形成されることとなる)。
【0079】
ここで、電子体温計100は、幅方向の長さWのほうが、厚さ方向の長さDよりも長く構成されており、電子体温計100の当該形状に沿うように、収納ケース1010も、上面及び下面の長さhのほうが、側面の長さvよりも長くなるように構成されている。また、保持部1011は収納部111の上面及び下面の内壁に取り付けられている。また、係止部1020は着脱部1012の上面及び下面の内壁に取り付けられている。
【0080】
更に、上記第1乃至第4の実施形態と同様に、収納部111と着脱部1012との間には極力凹凸がないように構成されている。
【0081】
図10の10Bは、収納ケース1010に対して、電子体温計100を逆方向で挿入した後、電子体温計100を収納ケース1010内において長軸回りに回動させた様子を示している。収納ケース1010の側面の長さvに対して、電子体温計100の幅方向の長さWの方が長いため、収納ケース1010内において電子体温計100を回動させると、
図10の10Bに示すように、電子体温計100の本体部101は、収納ケース1010の上面の内壁及び下面の内壁に接触する。
【0082】
これにより、収納ケース1010の上面が上方向に変形し、下面が下方向に変形するため、収納ケース1010の上面と下面との間の距離が長くなる。この結果、保持部1011に係止されていた係止部1020が非係止状態となり、着脱部1012が取り外し可能な状態となる。
【0083】
図10の10Cは、着脱部1012が取り外し可能な状態となった際に、ユーザが紙面左方向に着脱部1012を引き出すことで、着脱部1012が収納部111から取り外された様子を示している。
【0084】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース1010では、電子体温計100を逆方向で挿入し、かつ収納ケース1010内において回動することで、収納ケース1010を内側から押圧し、収納ケース1010を変形させることで、着脱部1012の取り付け状態を解除する構成とした。
【0085】
また、着脱部1012と収納部111との境界における凹凸を極力なくし、収納ケース1010の外側から容易に取り外すことができない構成とした。
【0086】
この結果、収納ケース1010の外側からの力では容易に取り外すことができない一方で、電子体温計100を逆方向に挿入し、収納ケース1010内で回動しさえすれば、簡単に取り外すことができる着脱部1012を実現することが可能となった。
【0087】
このように収納ケース1010に、新たな開口部を提供することにより、ユーザは、収納ケース1010の内部の洗浄を容易に行うことが可能となった。
【0088】
[第6の実施形態]
上記第5の実施
形態では、着脱部1012を収納部111に対して着脱可能に取り付ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、開閉部として、収納部111に対して開閉自在に取り付ける構成としてもよい。
【0089】
[第7の実施形態]
上記第5及び第6の実施形態では、収納ケースの先端を着脱または開閉させる構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、収納ケースの中央領域を着脱または開閉させる構成としてもよい。
【0090】
図11は、中央領域が開閉可能な収納ケース1110の内部構成を示す図(紙面左側が側面から見た図、紙面右側が正面から見た図)であり、電子体温計100を逆方向で収納ケース1110に挿入した場合の内部の様子を示している。
【0091】
図11の11Aにおいて、1111は保持部であり、収納ケース1110の開閉部1112の閉状態を保持するために、開閉部1112に設けられた係止部1120を係止する。
【0092】
図11の11Bは、収納ケース1110に対して電子体温計100を逆方向で挿入した後、電子体温計100を収納ケース1110内において長軸回りに回動させた様子を示している。収納ケース1110の側面の長さvに対して、電子体温計100の幅方向の長さWの方が長いため、収納ケース1110内において電子体温計100を回動させると、
図11の11Bに示すように、電子体温計100の本体部101は、収納ケース1110の上面の内壁及び下面の内壁に接触する。
【0093】
これにより、収納ケース1110が変形し、保持部1111に係止されていた係止部1120が非係止状態となる。ここで、収納部111に対して開閉部1112は、回動軸1113を介して回動自在に取り付けられているため、開閉部1112は開方向に移動する。
図11の11Cは、開閉部1112が開方向に移動した様子を示している。
【0094】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース1110では、電子体温計100を逆方向で挿入し、かつ収納ケース1110内において回動させることで、収納ケース1110を内側から押圧し、収納ケース1110を変形させることにより、開閉部1112を開状態にする構成とした。
【0095】
このように収納ケース1110に、新たな開口部を提供することにより、ユーザは、収納ケース1110の内部の洗浄を容易に行うことが可能となった。
【0096】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。