(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0013】
[第1の実施形態]
<1.電子体温計の外観構成>
はじめに、収納ケースに収納される電子体温計の外観構成について説明する。
図1Aは、電子体温計100の外観構成を示す図である。
【0014】
電子体温計100において、101は本体部であり、演算制御部等の電子回路、電池(電源部)等が収納されている。
【0015】
102は、ステンレス製の金属キャップで、温度を計測するためのサーミスタが内蔵されている。103は電源ON/OFFスイッチであり、1回押圧すると電源部がONとなり、再度押圧すると電源部がOFFとなる。104は表示部であり、被検者の体温を表示する。
【0016】
105−1から105−4は、電子体温計100の長軸方向のそれぞれの位置における断面形状を示している。105−3及び105−4に示すように、電子体温計100は、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域において、概ね同じ断面形状(電子体温計100の幅方向の長さWのほうが、厚さ方向の長さDよりも長い長方形の断面形状)を有しており、当該領域における断面積が、長軸方向の各位置における断面積の中で最も大きくなっている。
【0017】
これに対して、105−1及び105−2に示すように、表示部104近傍における先端側の位置から、金属キャップ102にかけては、断面積が徐々に小さくなっていき、金属キャップ102近傍の本体部101の断面積が最も小さくなっている。
【0018】
なお、電子体温計100の裏面(表示部104が配された面と反対側の面)には、長軸方向に沿って凹部106が設けられており、後述する収納ケースの内壁に設けられた凸部により嵌合されることにより、電子体温計100は、収納ケースによって安定的に保持されることとなる。
【0019】
<2.収納ケースの構成>
次に、本実施形態に係る収納ケース110の構成について説明する。
図1Bは、収納ケース110の構成を示す図であり、紙面上側は、収納ケース110を正面から見た場合の外観構成を、紙面下側は、収納ケース110のA−A断面における断面構成をそれぞれ示している。収納ケース110は、スチレン系樹脂(ハイインパクトスチロール、ABS樹脂)、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン)等の熱可塑性樹脂で形成される。これらの樹脂に、リン酸ジルコニウム銀化合物をほぼ1〜2.5重量%含むようにして、抗菌性を持たせるようにしてもよい。1%より少ないと、抗菌性を発揮できず、2.5%を越えると、成形性が低下する。
【0020】
図1Bの1aにおいて、111は本体ハウジングであり、電子体温計100が挿入用の開口部(第1の開口部)113を介して矢印120方向に挿入された場合に、当該挿入された電子体温計100を内部に保持する。
【0021】
112は開閉部であり、本体ハウジング111の洗浄用の開口部(第2の開口部)116(1b参照)を覆うことができるように、本体ハウジング111に対して回動軸117(1b下参照)を介して回動可能に取り付けられている。開閉部112は、収納ケース110の内部を洗浄する際に開けられる。
【0022】
図1Bの1aは、開閉部112を閉じた状態を示しており、
図1Bの1bは、開閉部112を開けた状態を示している。1bに示すように、洗浄用の開口部116は、本体ハウジング111のうち、挿入用の開口部113に対して、略直交する面の一部に設けられており、開閉部112を開けることで、本体ハウジング111の内部が露出するよう構成されている。これにより、ユーザは、開閉部112を開けた状態にすることで、本体ハウジング111の内部を容易に洗浄することができる。
【0023】
114は蓋部であり、収納ケース110に電子体温計100を挿入して保管したり、保管された電子体温計100を収納ケース110から取り出したりする際に、開閉される。
【0024】
115は回動軸であり、蓋部114は当該回動軸115を介して本体ハウジング111に回動可能に取り付けられている。
【0025】
なお、収納ケース110はその内部の汚れ具合を確認できるよう、本体ハウジング111、開閉部112、蓋部114、回動軸115等の材質が、不透明ではなく、透明または半透明の材質により形成されていてもよい。
【0026】
<3.収納ケースの内部構成>
次に、収納ケース110の内部構成について説明する。
図2Aは、電子体温計100を収納ケース110に挿入した場合の内部の様子を示す図であり、紙面左側は、収納ケース110を正面から見た場合の内部構成を、紙面右側は、収納ケース110のB−B断面における断面構成をそれぞれ示している。
【0027】
図2Aに示すように、収納ケース110の内壁には、保持部材として機能するリブ201〜203が配されており、挿入された電子体温計100の動きを規制している。
【0028】
リブ201〜203は、収納された電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域(断面積が最も大きい位置を含む領域)の周面の動きを規制している。このうち、リブ201、202は、電子体温計100の周面のうち側面の位置を規制し、リブ203は、電子体温計100の周面のうち裏面(表示部104が配された面と反対側の面)の位置を規制している。
【0029】
このように、リブ201〜203が配されていることで、収納ケース110に挿入された電子体温計100の動きが規制されるため、収納ケース110を振ったりした場合であっても、収納ケース110の内壁に電子体温計100が衝突し、電子体温計100が破損してしまうといった事態を回避することができる。
【0030】
なお、
図2Aより明らかなように、リブ201〜203は、いずれも本体ハウジング111の内面の開口部(第2の開口部)116付近から奥に向かって長手方向にのみ配されており、開閉部112には配されていない。
【0031】
また、
図2Aに示すように、収納ケース110の裏面側の内壁には、保持部材として機能する凸部(嵌合部)206が配されており、挿入された電子体温計100の凹部106に嵌合する。これにより、例えば、電子体温計100が収納ケース110に収納された状態で、収納ケース110がユーザにより逆さまに保持された場合であっても、かつ、蓋部114が開いてしまった場合であっても、ただちに、電子体温計100が収納ケース110から滑り落ち、電子体温計100を破損させてしまうといった事態を回避することができる。
【0032】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース110では、電子体温計100の動きを規制するリブ201〜203が配された位置以外の正面位置に、洗浄用の開口部116を設け、本体ハウジング111に対して、当該洗浄用の開口部116を覆うための開閉部112を回動可能に取り付ける構成とした。
【0033】
これにより、電子体温計100を保持するための保持機能を維持しつつ、本体ハウジング111内部の洗浄が容易な収納ケースを実現することが可能となった。
【0034】
なお、上記説明では、収納ケース110の内壁にリブ201〜203と凸部206とを設ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、凸部206のみを設ける構成としてもよい(
図2Bの20a参照)。
【0035】
また、上記説明では、電子体温計100の裏面に、凹部106が1つのみ設けられていることを前提とし、収納ケース110の内壁に、凸部206を1つのみ設ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電子体温計100の裏面に、凹部106が2つ設けられていた場合にあっては、収納ケース110の内壁にも、凸部206を2つ設けるように構成してもよい(
図2Bの20b参照)。
【0036】
また、上記説明では、電子体温計100の裏面に、凹部106が設けられていることを前提とし、収納ケース110の本体ハウジング111側の内壁に凸部206を設ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電子体温計100の表面に、凹部106が設けられていた場合にあっては、収納ケース110の蓋部114の内壁に、凸部206を設ける構成としてもよい。
【0037】
また、上記説明では、収納ケース110の内壁のリブとして、収納された電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域の周面の動きを規制するためのリブ(リブ201〜203)を配する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図2Cの2aに示すように、収納された電子体温計100の金属キャップ102の動きを弾性的に規制するためのリブ204を、本体ハウジング111の底面から垂直方向に配する構成としてもよい。この場合、円筒状にしてもよいし、複数本設けてもよい。いずれの場合でも、リブ(リブ201〜203)とリブ204は、射出成型等で本体ハウジング111と一体的に形成される。
【0038】
あるいは、
図2Cの2b(左側)に示すように、収納ケース110の本体ハウジング111の先端部分を肉厚にしてガイド機能をもたせるようにしてもよい。ただし、本体ハウジング111の先端部分を肉厚にした場合、成形収縮によってヒケが発生するおそれがあるため、
図2Cの2b(右側)に示すように、本体ハウジング111の先端部分の表面に、複数の凹部207を設けるようにしてもよい。
【0039】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、電子体温計100の側面及び裏面の位置を規制するためのリブを、本体ハウジング111の側面側の内壁及び裏面側の内壁に配し、正面側に洗浄用の開口部116を設けたうえで、当該洗浄用の開口部を覆うための開閉部を正面側に取り付ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、収納ケースの一方の側面に洗浄用の開口部を設けたうえで、当該洗浄用の開口部を覆うための開閉部を側面側に取り付ける構成としてもよい。
【0040】
<1.収納ケースの構成>
はじめに、本実施形態に係る収納ケース310の構成について説明する。
図3Aは、収納ケース310の構成を示す図であり、紙面右側は、収納ケース310を側面から見た場合の外観構成を、紙面左側は、収納ケース310のA−A断面における断面構成をそれぞれ示している。
【0041】
図3Aの3aにおいて、311は本体ハウジングであり、電子体温計100が挿入用の開口部113を介して矢印120方向に挿入された場合に、当該挿入された電子体温計100を内部に保持する。
【0042】
312は開閉部であり、本体ハウジング311の洗浄用の開口部316(3b参照)を覆うことができるように本体ハウジング311に対して回動軸317を介して回動可能に取り付けられている。開閉部312は、収納ケース310の内部を洗浄する際に開けられる。
【0043】
図3Aの3aは、開閉部312を閉じた状態を示しており、
図3Aの3bは、開閉部312を開いた状態を示している。3bに示すように、洗浄用の開口部316は、本体ハウジング311のうち、挿入用の開口部113に対して、略直交する面の一部に設けられており、開閉部312を開いた状態にすることで、本体ハウジング311の内部が露出するよう構成されている。これにより、ユーザは、開閉部312を開いた状態にすることで、本体ハウジング311の内部を容易に洗浄することができる。
【0044】
なお、上記第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、収納ケース310の内部の汚れが確認できるようにするために、収納ケース310の本体ハウジング311、開閉部312、蓋部114等の材質は不透明ではなく、透明または半透明の材質により形成されてもよい。
【0045】
<2.収納ケースの内部構成>
次に、収納ケース310の内部構成について説明する。
図3Bは、電子体温計100を収納ケース310に挿入した場合の内部の様子を示す図であり、紙面上側は、収納ケース310を側面から見た場合の内部構成を、紙面下側は、収納ケース310のB−B断面における断面構成をそれぞれ示している。
【0046】
図3Bに示すように、収納ケース310の内壁にはリブ301〜303が配されており、挿入された電子体温計100の動きを規制している。リブ301〜303は、射出成型等で本体ハウジング111と一体的に形成される。
【0047】
リブ301〜303は、収納された電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域(断面積が最も大きい位置を含む領域)の周面の動きを規制する。具体的には、リブ301〜303は、電子体温計100の周面のうち正面及び裏面及び開閉部312と反対側の側面の位置を規制している。
【0048】
このように、リブ301〜303が配されることで、収納ケース310に挿入された電子体温計100の動きが制限されるため、収納ケース310を振ったりした場合であっても、収納ケース310の内壁に電子体温計100が衝突し、電子体温計100が破損してしまうといった事態を回避することができる。
【0049】
なお、
図3Bより明らかなように、リブ301〜303は、いずれも本体ハウジング311にのみ配されており、開閉部312には、リブは配されていない。
【0050】
また、
図3Bに示すように、収納ケース310の裏面側の内壁には、保持部材として機能する凸部(嵌合部)306が配されており、挿入された電子体温計100の凹部106に嵌合する。これにより、例えば、電子体温計100が収納ケース110に収納された状態で、収納ケース110がユーザにより逆さまに保持された場合であっても、かつ、蓋部114が開いてしまった場合であっても、ただちに、電子体温計100が収納ケース310から滑り落ち、電子体温計100を破損してしまうといった事態を回避することができる。
【0051】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース310では、電子体温計100の動きを規制するリブ301〜303が配された位置以外の位置に、洗浄用の開口部316を設け、本体ハウジング311に対して、当該洗浄用の開口部316を覆うための開閉部312を回動可能に取り付ける構成とした。
【0052】
これにより、電子体温計100を保持するための保持機能を維持しつつ、本体ハウジング311内部の洗浄が容易な収納ケースを実現することが可能となった。
【0053】
なお、上記第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、リブ301〜303の有無、凸部306の個数及び配置は、上記説明に限定されるものではないことはいうまでもない。また、金属キャップ102の動きを規制するためのリブが配されていてもよいことはいうまでもない。
【0054】
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、洗浄用の開口部116を覆うために、本体ハウジング111に対して、開閉部112を回動可能に取り付ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、洗浄用の開口部116を覆うために、本体ハウジングに対して、開閉部をスライド可能に取り付ける構成としてもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成要素については、同じ参照番号を付すこととし、ここでは説明を省略する(ここでは、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明を行う)。
【0055】
図4は、本実施形態に係る収納ケース410の構成を示す図であり、4aは、収納ケース410を正面から見た場合の外観構成を、4bは、収納ケース410のA−A断面、B−B断面、C−C断面における断面構成をそれぞれ示している。
【0056】
図4の4aにおいて、411は本体ハウジングであり、電子体温計100が挿入用の開口部113(4b下参照)を介して矢印120方向に挿入された場合に、当該挿入された電子体温計100を内部に保持する。
【0057】
412は開閉部であり、本体ハウジング411の洗浄用の開口部(第2の開口部)416を覆うために、本体ハウジング411に対して、摺動部417(4b下参照)を介してスライド可能に取り付けられている。開閉部412は、収納ケース410の内部を洗浄する際に開けられる。
【0058】
また、
図4の4aに示すように、洗浄用の開口部416は、本体ハウジング411のうち、挿入用の開口部113に対して、略直交する面の一部に設けられており、開閉部412をスライドさせることで、本体ハウジング411の内部が露出するよう構成されている。これにより、ユーザは、開閉部412を開けた状態にすることで、本体ハウジング111の内部を容易に洗浄することができる。
【0059】
なお、
図4の4bに示すように、収納ケース410の内壁にはリブ201〜203が配されており、収納された電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域(断面積が最も大きい位置を含む領域)の周面(側面及び裏面)の動きを規制している。
【0060】
なお、リブ201〜203は、いずれも本体ハウジング411にのみ、射出成型等で長手方向に一体的に形成されて配されており、開閉部412には、リブは配されていない。
【0061】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース410では、電子体温計100の動きを規制するリブ201〜203が配された位置以外の位置に、洗浄用の開口部416を設け、本体ハウジング411に対して当該洗浄用の開口部416を覆うための開閉部412をスライド可能に取り付ける構成とした。
【0062】
これにより、電子体温計100を保持するための保持機能を維持しつつ、本体ハウジング411内部の洗浄が容易な収納ケースを実現することが可能となった。
【0063】
[第4の実施形態]
上記第3の実施形態では、電子体温計100の側面及び裏面の位置を規制するためのリブを、本体ハウジング411の側面側の内壁及び裏面側の内壁に配し、正面側に洗浄用の開口部416を設け、当該洗浄用の開口部を開閉するための開閉部を正面側に設ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。上記第2の実施形態と同様に、例えば、収納ケースの一方の側面に洗浄用の開口部を設け、当該洗浄用の開口部を覆うための開閉部を当該側面側にスライド可能に取り付けるように構成してもよい。
【0064】
なお、上記第3の実施形態では、凸部(嵌合部)について特に言及しなかったが、上記第1及び第2の実施形態と同様に、電子体温計100に設けられた凹部に嵌合する凸部を配する構成としてもよい。
【0065】
[第5の実施形態]
上記第1乃至第4の実施形態では、洗浄用の開口部を覆うために、本体ハウジングに対して開閉部を回動可能(またはスライド可能)に取り付ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、洗浄用の開口部を覆うための開閉部を取り付けない構成としてもよい。以下、本実施形態の収納ケース510について
図5を用いて説明する。
【0066】
図5は、本実施形態に係る収納ケース510の構成を示す図であり、5aは電子体温計100を矢印120に挿入する前の状態を示す外観構成であり、5bの紙面左側は、電子体温計100が、挿入用の開口部113を介して矢印120方向に挿入され、内部に保持された状態を示す外観構成であり、5bの紙面右側は、その時のB−B断面における断面構成を示している。
【0067】
図5の5aにおいて、511は本体ハウジングであり、電子体温計100が挿入用の開口部113を介して矢印120方向に挿入された場合に、当該挿入された電子体温計100を内部に保持する。516は洗浄用の開口部であり、収納ケース510の内部を洗浄する際に利用される。なお、洗浄用の開口部516は、本体ハウジング511のうち、挿入用の開口部113に対して、略直交する面に設けられており、本体ハウジング511の内部を露出させる。これにより、ユーザは、本体ハウジング511の内部を容易に洗浄することができる。
【0068】
なお、電子体温計100は、収納ケース510に対して、洗浄用の開口部(第2の開口部)516側が電子体温計100の裏面側となるように収納されるものとする。これにより、収納ケース510に収納された状態で、電子体温計100の表示部104が本体ハウジング511により保護されることとなるからである。なお、このようにして収納された場合、電子体温計100の表示部104を視認することができなくなるため、本実施形態に係る収納ケース510では、本体ハウジング511に視認用の開口窓(または透明材の窓)512が設けられている。
【0069】
また、
図5の5bに示すように、収納ケース510の内壁にはリブ201〜203が射出成型等で長手方向に一体的に形成されて配されており、収納された電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域(断面積が最も大きい位置を含む領域)の周面(側面及び裏面)の動きを規制している。
【0070】
更に、収納ケース110の側面側の内壁には、保持部材として機能する凸部(嵌合部)521、522が配されており、挿入された電子体温計100の側面の凹部531、532に嵌合する。これにより、例えば、電子体温計100が収納ケース510に収納された状態で、収納ケース510がユーザにより逆さまに保持された場合であっても、ただちに、電子体温計100が収納ケース510から滑り落ち、電子体温計100が破損してしまうといった事態を回避することができる。
【0071】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース510では、電子体温計100の動きを規制するリブ201〜203及び凸部521、522が配された位置以外の位置に、洗浄用の開口部516を設ける構成とした。
【0072】
これにより、電子体温計100を保持するための保持機能を維持しつつ、本体ハウジング511内部の洗浄が容易な収納ケースを実現することが可能となった。
【0073】
なお、上記第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、リブ201〜203の有無、凸部521、522の個数及び配置は、上記説明に限定されるものではない。また、金属キャップ102の動きを規制するためのリブが配されていてもよいことはいうまでもない。
【0074】
[第6の実施形態]
上記第5の実施形態では、洗浄用の開口部516を、収納ケース510の裏面側(電子体温計100を収納した際に、表示部104が配された側と反対側)にのみ1つ設ける構成したが、本発明はこれに限定されない。リブ201〜203、凸部521、522が配された位置以外であれば、洗浄用の開口部を複数設けるように構成してもよい。
【0075】
図6は、本実施形態に係る収納ケース610の構成を示す図であり、6aは電子体温計100を矢印120に挿入する前の状態を示す外観構成であり、6bの紙面左側は、電子体温計100が、挿入用の開口部113を介して矢印120方向に挿入され、内部に保持された状態を示す外観構成であり、6bの紙面右側は、その時のB−B断面における断面構成である。
【0076】
図6の6aにおいて、611は本体ハウジングであり、電子体温計100が挿入用の開口部113を介して矢印120方向に挿入された場合に、当該挿入された電子体温計100を内部に保持する。616、616’は洗浄用の開口部であり、収納ケース610の内部を洗浄する際に利用される。なお、洗浄用の開口部(第2の開口部)616、616’は、本体ハウジング611のうち、挿入用の開口部113に対して、略直交する面に設けられており、本体ハウジング611の内部を露出させる。これにより、ユーザは、本体ハウジング611の内部を容易に洗浄することができる。
【0077】
また、
図6の6bに示すように、収納ケース610の内部にはリブ201〜203が射出成型等で長手方向に一体的に形成されて配されており、収納された電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域(断面積が最も大きい位置を含む領域)の周面(側面及び裏面)の動きを規制している。
【0078】
また、
図6の6bに示すように、収納ケース610の側面側の内壁には、保持部材として機能する凸部(嵌合部)521、522が配されており、挿入された電子体温計100の側面に設けられた凹部531、532に嵌合する。これにより、例えば、電子体温計100が収納ケース610に収納された状態で収納ケース610がユーザにより逆さまに保持された場合であっても、ただちに、電子体温計100が収納ケース610から滑り落ち、電子体温計100を破損してしまうといった事態を回避することができる。
【0079】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース610では、電子体温計100の動きを規制するリブ201〜203、凸部521、522が配された位置以外の位置に、洗浄用の開口部616、616’を複数設ける構成とした。
【0080】
これにより、電子体温計100を保持するための保持機能を維持しつつ、本体ハウジング611内部の洗浄が容易な収納ケースを実現することが可能となった。
【0081】
なお、本実施形態においても、リブ201〜203の有無、凸部521、522の個数及び配置は、上記説明に限定されるものではないことはいうまでもない。また、金属キャップ102の動きを規制するためのリブが配されていてもよいことはいうまでもない。
【0082】
[第7の実施形態]
上記第5の実施形態では、電子体温計100の側面及び裏面の位置を規制するためのリブを、本体ハウジング511の側面側の内壁及び裏面側の内壁に配し、正面側に洗浄用の開口部(第2の開口部)516を設ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、収納ケースの一方の側面に洗浄用の開口部を設ける構成としてもよい。
【0083】
図7は、本実施形態に係る収納ケース710の構成を示す図であり、電子体温計100が挿入用の開口部113を介して矢印120方向に挿入された場合に、当該挿入された電子体温計100を内部に保持する。716は洗浄用の開口部であり、収納ケース710の内部を洗浄する際に利用される。なお、洗浄用の開口部716は、本体ハウジング711のうち、挿入用の開口部113に対して、略直交する面に設けられており、本体ハウジング711の内部を露出させる。これにより、ユーザは、本体ハウジング711の内部を容易に洗浄することができる。
【0084】
図7の7bに示すように、収納ケース710の内部にはリブ301〜303が射出成型等で長手方向に一体的に形成されて配されており、収納された電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域(断面積が最も大きい位置を含む領域)の周面(表面、裏面及び一方の側面)の動きを規制している。
【0085】
また、
図7の7bに示すように、収納ケース710裏面側の内壁には、保持部材として機能する凸部(嵌合部)306が配されており、挿入された電子体温計100の裏面側の凹部106に嵌合する。これにより、例えば、電子体温計100が収納ケース110に収納された状態で、収納ケース110がユーザにより逆さまに保持された場合であっても、ただちに、電子体温計100が収納ケース710から滑り落ち、電子体温計100を破損してしまうといった事態を回避することができる。
【0086】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース710では、電子体温計100の動きを規制するリブ301〜303が配された位置以外の位置(側面位置)に、洗浄用の開口部(第2の開口部)716を設ける構成とした。
【0087】
これにより、電子体温計100を保持するための保持機能を維持しつつ、本体ハウジング711内部の洗浄が容易な収納ケースを実現することが可能となった。
【0088】
なお、本実施形態においても、リブ301〜303の有無、凸部306の個数及び配置は、上記説明に限定されるものではないことはいうまでもない。また、金属キャップ102の動きを規制するためのリブが配されていてもよいことはいうまでもない。
【0089】
[第8の実施形態]
上記第7の実施形態では、洗浄用の開口部716を、収納ケース710の側面に1つのみ設ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。リブ301〜303が配された位置以外の位置(側面位置)に、洗浄用の開口部を複数設ける構成としてもよい。
【0090】
図8は、本実施形態に係る収納ケース810の構成を示す図であり、8aは電子体温計100を矢印120に挿入する前の状態を示す外観構成であり、8bの紙面上側は、電子体温計100が、挿入用の開口部113を介して矢印120方向に挿入され、電子体温計100が内部に保持された状態を示す外観構成であり、8bの紙面下側は、その時のB−B断面における断面構成である。
【0091】
図8の8aにおいて、811は本体ハウジングであり、電子体温計100が挿入用の開口部113を介して矢印120方向に挿入された場合に、当該挿入された電子体温計100を内部に保持する。816、816’は洗浄用の開口部であり、収納ケース810の内部を洗浄する際に利用される。なお、洗浄用の開口部816、816’は、本体ハウジング811のうち、挿入用の開口部113に対して、略直交する面に設けられており、本体ハウジング811の内部を露出させる。これにより、ユーザは、本体ハウジング811の内部を容易に洗浄することができる。
【0092】
また、
図8の8bに示すように、収納ケース810の内壁にはリブ301〜303が配されており、収納された電子体温計100の本体部101のうち、表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域(断面積が最も大きい位置を含む領域)の周面(表面、裏面及び一方の側面)の動きを規制する。
【0093】
また、
図8の8bに示すように、収納ケース810の裏面側の内壁には、保持部材として機能する凸部(嵌合部)306が配されており、挿入された電子体温計100の裏面側に設けられた凹部106に嵌合する。これにより、例えば、電子体温計100が収納ケース810に収納された状態で収納ケース810がユーザにより逆さまに保持された場合であっても、ただちに、電子体温計100が収納ケース810から滑り落ち、電子体温計100を破損してしまうといった事態を回避することができる。
【0094】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース810では、電子体温計100の動きを規制するリブ301〜303が配された位置以外の位置に、洗浄用の開口部(第2の開口部)816、816’を複数設ける構成とした。
【0095】
これにより、電子体温計100を保持するための保持機能を維持しつつ、本体ハウジング811内部の洗浄が容易な収納ケースを実現することが可能となった。
【0096】
なお、本実施形態においても、リブ301〜303の有無、凸部306の個数及び配置は、上記説明に限定されるものではないことはいうまでもない。また、金属キャップ102の動きを規制するためのリブが配されていてもよいことはいうまでもない。
【0097】
[第9の実施形態]
上記第1乃至第8の実施形態の収納ケースは、電子体温計100を保持するための保持機能を有していたが、本発明はこれに限定されず、更に、電子体温計100の電池交換を行うために、本体部101の一部を取り外すための冶具機能を有していてもよい。
【0098】
図9は、本実施形態に係る収納ケース910の構成を示す図である。なお、上記第5の実施形態において
図5を用いて説明した収納ケース510と同様の構成要素については、同じ参照番号を付し、ここでは、説明を省略する。
【0099】
図5との相違点は、本体ハウジング511の表面側の尾部に、電子体温計100の電池交換を行う際に、本体部101のボタン電池等が収納される電池ハウジングである電池フタ1001を取り外すために用いられる冶具900が付加されている点である。
【0100】
図10は、電子体温計100の本体部101の電池フタ1001を取り付けまたは取り外す様子を示した図である。
図10に示すように、電子体温計100は、本体部101の裏面側に、内蔵された電池を覆うための電池フタ1001を備えており、当該電池フタ1001を取り外すことにより、内蔵された電池が外部に露出する構成となっている。これにより、ユーザは、専用の工具を用いなくとも、必要に応じて電池交換を行うことができる。
【0101】
なお、電池フタ1001の外周部には、不図示の螺合溝が設けられており、本体部101に設けられた螺合孔に螺合することにより、電池フタ1001は、本体部101に固定されることとなる。
【0102】
冶具900は、電池フタ1001を本体部101に固定するために、電池フタ1001を締めたり、緩めたりする際に用いられる。具体的には、
図10に示すように、冶具900は、収納ケース910の長軸方向の端部に設けられており、電池フタ1001の表面に設けられた挿入溝(本実施形態では、直線状の溝)1002に挿入可能な形状を有している。
【0103】
これにより、冶具900を電池フタ1001の挿入溝1002に挿入した状態で、収納ケース910を回転させることで、電池フタ1001を、締めたり緩めたりすることが可能となる。
【0104】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース910では、電子体温計100の動きを規制するリブ201〜203が配された位置以外の位置に、洗浄用の開口部516を設けるとともに、本体ハウジング511の表面側の尾部に、電池交換用の冶具900を付加する構成とした。
【0105】
これにより、電子体温計100を保持するための保持機能を維持しつつ、本体ハウジング511の内部の洗浄が容易で、かつ、電池交換を容易にする収納ケースを実現することが可能となった。
【0106】
[第10の実施形態]
上記第9の実施形態では、電池フタ1001の表面に直線状の挿入溝1002が設けられていることを前提とし、冶具900を当該挿入溝1002に挿入可能な形状に構成したが本発明はこれに限定されない。例えば、挿入溝の形状が非直線状に形成されている場合にあっては、当該形状に合致する形状に構成してもよい。
【0107】
図11は、電池フタ1001の表面に設けられた様々な形状の挿入溝1101〜1104を示す平面図及び断面図と、当該挿入溝1101〜1104に合致する冶具1121〜1124を有する収納ケース1111〜1114の正面図と、を示している。
【0108】
図11に示すように、挿入溝1101〜1104の形状、位置、個数に合致する形状、位置、個数からなる冶具1121〜1124を付加することにより、例えば、電池フタ1001がコイン等を用いて容易に取り外されてしまうことを回避しつつ、専用の工具を用意する手間を省くことが可能となる。
【0109】
[第11の実施形態]
上記第1乃至10の実施形態では、電子体温計100の挿入用の開口部と洗浄用の開口部とを別々に設ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、挿入用の開口部と洗浄用の開口部とを共通に構成してもよい。
【0110】
図12は、本実施形態に係る収納ケース1210の外観構成を示す図であり、紙面左側は、電子体温計100が収納された状態の収納ケース1210を正面から見た場合の平面図であり、紙面右側は側面から見た場合の断面図をそれぞれ示している。
【0111】
図12に示すように、収納ケース1210の正面側は全体が開口しており、電子体温計100は、正面側から収納ケース1210に収納することができる。収納ケース1210の内壁の幅は、電子体温計100の本体部101のうち、不図示の表示部104を挟んで、尾部側の位置から先端側の位置までの領域(断面積が最も大きい位置を含む領域)の幅と概ね等しくなるように構成されている。つまり、電子体温計100の本体部101の側面は、収納ケース1210の内壁により把持されている。なお、電子体温計100の本体部101の側面を把持する収納ケース1210の一部には、爪部1213が設けられており、収納ケース1210の開口を下側に向けた場合であっても、電子体温計100が収納ケース1210から落下してしまうことがないように構成されている。
【0112】
また、収納ケース1210には、電子体温計100を収納した際の先端位置と、尾部側面位置とに、把持部材1211、1212が設けられており、電子体温計100の長軸方向の動きを規制している。
【0113】
このように、内壁と把持部材1211、1212とにより把持されることで、収納ケース1210を傾けても、電子体温計100が収納ケース1210内を動くことはない。
【0114】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る収納ケース1210では、電子体温計100の挿入用の開口部と洗浄用の開口部とを共通にし、収納ケース1210の正面側に当該開口部を設ける構成とした。更に、収納ケース1210の正面側から挿入された電子体温計100を内壁と把持部材1211、1212とにより把持する構成とした。
【0115】
これにより、電子体温計100を保持するための保持機能を維持しつつ、内部の洗浄が容易な収納ケースを実現することが可能となった。
【0116】
なお、開口部には、開閉可能な(またはスライド可能な)開閉部が設けられていてもよい。また、把持部材の位置及び個数は、上記説明に限定されるものではない。
【0117】
また、上記説明では、収納ケース1210に爪部1213を設ける構成としたが、把持部材1211、1212に爪部(収納ケース1210の開口を下側に向けた場合であっても電子体温計100が落下してしまうのを防止する機構)を設ける構成としてもよい。
【0118】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。