(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、電子デバイス900(
図9)又は集積回路1000(
図10)(
図9における電子デバイス900内に含まれてもよい)によって実行されてもよい、電子デバイス間の通信方法100を例示するフロー図を示す。動作時、集積回路は、別の電子デバイスからアドレス(アドレスP2等)を包含するアドバタイジングフレームを受信する(動作110)。例えば、アドバタイジングフレームは、他の電子デバイスのためのランダムに生成された(又は疑似ランダム的に生成された)アドレス(又はネットワークアドレス)を有するヘッダを含んでもよい。Bluetooth(登録商標)通信プロトコルを実例として用いると、他の電子デバイスが周辺であってよく、走査の間にアドバタイジングフレームを受信する電子デバイス(又は集積回路)が中央であってよい。更に、アドレスは、他の電子デバイスの媒体アクセス制御(Media Access Control、MAC)アドレスの一部分を乱数と組み合わせることによって生成されてもよい(すなわち、乱数及び署名)。いくつかの実施形態では、他の電子デバイスのMACアドレスの3バイトがハッシュ関数を通され、乱数と組み合わせられる。この組み合わせは、例えば、128ビット新暗号規格(Advanced Encryption Standard、AES)暗号手法を用いて、暗号化されてもよい。
【0022】
アドバタイズする際のプライバシを提供するために、他の電子デバイスによって送信されるアドバタイジングフレーム内に含まれるアドレスは定期的に(例えば、15分毎に)変更されてもよい。しかし、他の電子デバイスと電子デバイス(又は集積回路)との間で接続がすでに確立されていた場合には、このとき、動作110においてアドバタイジングフレームが受信されると、それは、他の電子デバイスがネットワーク内の新たな電子デバイスとして検出又は発見される結果を(誤って)招くおそれがある。その結果、電子デバイス(又は集積回路)はその後、接続要求を送信し、他の電子デバイスとの(不必要な)二重接続を確立するおそれがある。
【0023】
この問題が生じるのを防ぐために、集積回路は、上述の手法を用いて生成された(及びアドレスP2と異なってよい)アドレスの以前のバージョン(例えば、他のアドレスP1)等の、別のアドレスを用いた他の電子デバイスとの接続がすでに確立されているかどうかを判定してもよい(動作112)。特に、集積回路は、他のアドレスP1に対応するMACアドレス及びアドレスP2に対応するMACアドレスを判定し、それらが同じであるかどうかを判定してもよい。そうである場合には、アドレスを用いた他の電子デバイスとの別の接続を確立する代わりに、集積回路は、他のアドレスを用いた他の電子デバイスとの接続を用い続ける(動作114)。
【0024】
例えば、電子デバイス上の環境内で実行するアプリケーションが、「発見された」アドレスP2に基づき他の電子デバイスとの接続を確立しようと試みると、集積回路は、他のアドレスP1における同じ電子デバイスとの接続がすでに確立されていることをアプリケーションに指示してもよい。これを手助けするために、集積回路は、アドレスP2及び他のアドレスP1に関する情報(ポインタ等)をメモリ内に記憶してもよい。このようにして、同じ周辺装置への2つの物理リンクを阻止することができ、それにより、電力消費が低減し、限られたネットワーク資源が節約される。
【0025】
しかし、別のアドレスを用いた他の電子デバイスとの接続がまだ確立されていない場合には(動作112)、集積回路は、アドレスを用いた他の電子デバイスとの接続を確立してよい(動作116)。それゆえ、他のアドレスP1に対応するMACアドレスとアドレスP2に対応するMACアドレスとが異なるか、又は電子デバイスと他の電子デバイスとの間に現在、接続が存在しない場合には、新たな接続が確立されてよい。
【0026】
図2に、方法100における動作が更に示されている。この図では、上から下へ時間が進行する。
【0027】
二重接続の問題に対処するための代替的なアプローチでは、電子デバイス内の集積回路は、あたかもアドレスP2は全く検出又は発見されなかったかのように見せる。具体的には、他の電子デバイスが他のアドレスP1からアドレスP2に変わると、それはまず(例えば、パケットのペイロード内の)この情報を、パケットのヘッダ内の他のアドレスP1を用いて電子デバイス(又は集積回路)へ通信する。このパケットを受信した後、集積回路は他のアドレスP1とアドレスP2との関係を(例えば、メモリ内に)記憶する。
【0028】
その後、アドレスP2を含むヘッダを有するフレーム又はパケットが他の電子デバイスから受信されると、集積回路は、アドレスP2をアドレスP1で置き換え、これらのフレーム又はパケットを改変し、それにより、フレーム又はパケットは、他のアドレスP1を有する他の電子デバイスから来たように見えるようにする。このようにして、電子デバイスの環境内で実行するアプリケーションは、他の電子デバイスがネットワーク内でアドレスP2において検出又は発見されたことが全く分からなくなり得る。このアプローチはアプリケーションのユーザ側の混乱を防ぐことができる。パケットの改変は、電子デバイスと他の電子デバイスとの間の接続が切断されるか又はリセットされるまで継続してよいことに留意されたい。
【0029】
図3に、この手法が示されている。
図3は、電子デバイス900(
図9)又は集積回路1000(
図10)(
図9における電子デバイス900内に含まれてもよい)によって実行されてもよい、電子デバイス間の通信方法300を例示するフロー図を示す。動作時、集積回路は、他の電子デバイスからアドレス(アドレスP2等)を包含するパケット(アドバタイジングフレーム等)を受信する(動作310)。次に、集積回路は、他のアドレスP1等の、他のアドレスを用いた他の電子デバイスとの接続がすでに確立されているかどうかを判定する(動作312)。そうである場合には、集積回路は、アドレスを他のアドレスで置き換えることによってパケットを改変し(動作314)、それにより、あたかもパケットは、他のアドレスを用いた他の電子デバイスとの接続を介して受信されたかのように見えるようにする。さもなければ、集積回路はパケットを変更せずにおく(動作316)。
【0030】
図4に、方法300における動作が更に示されている。この図では、上から下へ時間が進行する。アドレスP2を有するアドバタイジングフレームがネットワークサブシステムによって受信されると、ネットワークサブシステムはこれらのアドバタイジングフレームを改変し、アドレスP2をアドレスP1で置き換えるため、上層のソフトウェアスタック内のアプリケーションは何のアクションも取らない(すなわち、ネットワークサブシステムに、アドレスP2における他の電子デバイスとの接続を確立するように命令しない)ことに留意されたい。
【0031】
既存のBluetooth(登録商標)ネットワークインターフェースでは、電子デバイス(又は集積回路)は2つの別個の動作モード又は状態を有してよい。走査状態の間、電子デバイスはネットワーク内の他の(未知の)電子デバイス(他の電子デバイス等)からのアドバタイジングフレームをリッスンする。具体的には、走査インターバルの間には、電子デバイスがアドバタイジングフレームをリッスンする走査ウィンドウが存在する。アドバタイジングフレームが受信された場合には、走査インターバル中の別の時間に、電子デバイスは、他の電子デバイスからより多くの情報を要求するための走査要求を送信してもよい。
【0032】
更に、既存のBluetooth(登録商標)ネットワークインターフェースでは、走査インターバルの所定の継続期間(110〜120ms等)の後に、電子デバイスが、他の電子デバイス等の、以前に発見された電子デバイスとの接続を確立することができる独立した開始状態が存在する。例えば、開始状態の間に、電子デバイスはアドバタイジングフレームをリッスンしてもよい。他の電子デバイスからの別のアドバタイジングフレームが(走査状態の間に受信されたアドバタイジングフレームに加えて)受信された場合には、電子デバイスは接続要求を他の電子デバイスへ送信してもよい。
【0033】
しかし、走査状態は通例、所定の継続期間を有するため、他の電子デバイスが発見される時と、その後、接続が確立される時との間には著しい遅延が存在することがしばしばある。更に、インターフェース回路は走査時間の間、ずっと作動状態であるため、電子デバイスはまた、更なる電力も不必要に消費してしまう場合がある。
【0034】
これらの問題はどちらも、走査状態及び開始状態を共通の動作モード又は状態に併合することによって対処することができる。具体的には、電子デバイスが走査又はリッスン時に他の電子デバイスからアドバタイジングフレームを受信すると、電子デバイスは、発見された他の電子デバイスは、着目対象のものであるかどうか(例えば、電子デバイスは他の電子デバイスからのアドバタイジングフレームを以前に受信しているかどうか、又は他の電子デバイスに以前に接続されているかどうか)を即時に判定してよい。そうである場合には、所定の走査インターバルの満了又は電子デバイスの開始状態を待たずに、電子デバイスは、他の電子デバイスとの接続を確立するために、接続要求を送信してもよい。このようにして、接続のための時間はファクタ2以上短縮することができ、それに相応する電力消費の低減が伴う。
【0035】
図5に、この通信手法が示されている。
図5は、2つの電子デバイスのための走査及び開始を例示するタイムライン500を示す。電子デバイスが、他の電子デバイスによって送信されたアドバタイジングフレーム510−2を受信すると、それは、他の電子デバイスによって送信されたアドバタイジングフレーム510−1の前の受信に基づき、これは、着目対象のアドバタイジングフレームであるかどうかを判定する。その結果、電子デバイスはその無線機を受信から送信に切り替え、接続要求を送信する。したがって、走査ウィンドウ512−1のために示されている通常の所定の継続期間とは対照的に、走査ウィンドウ512−2は継続期間が短縮される。
【0036】
加えて、
図6に、通信手法が示されている。
図6は、電子デバイス間の通信方法600を例示するフロー図を示す。方法600は、電子デバイス900(
図9)又は集積回路1000(
図10)(
図9における電子デバイス900内に含まれてもよい)によって実行されてもよいことに留意されたい。
【0037】
動作時、集積回路は、インターフェース回路内の無線機内の搬送波周波数を有する通信チャネルを作動させ、所定の継続期間を有する走査ウィンドウの間、他の電子デバイスからの着目対象のアドバタイジングフレームをリッスンする(動作610)。着目対象のアドバタイジングフレームが他の電子デバイスから受信された場合には(動作612)、集積回路は、所定の継続期間が満了する前にリッスンを終了し(動作614)、無線機内の通信チャネルを用いて、他の電子デバイスとの接続を確立するために他の電子デバイスへ接続要求を送信する(動作614)。さもなければ、集積回路は何のアクションも取らず(動作616)、そのため、所定の継続期間が満了するまで走査は継続する。
【0038】
いくつかの実施形態では、動作612において受信されるアドバタイジングフレームは、符号化されたアドレス(
図1を参照して先に説明したランダムに生成されたアドレス等)を含む。電子デバイスと他の電子デバイスとが以前に対になった場合には(すなわち、電子デバイスと他の電子デバイスとが以前に接続された場合には)、電子デバイスは、他の電子デバイスの実際のアドレス(MACアドレス等)を判定するために用いられてもよい、ハッシュ関数及び/又は乱数発生器を特定する情報を有してよい。この実際の(物理)アドレスは、電子デバイスが、アドバタイジングフレーム(及び、それゆえ、他の電子デバイス)は、着目対象のものであるかどうかを判定することを可能にし得る。
【0039】
接続が確立された後、電子デバイスは、他の電子デバイスによってサポートされているサービス、及び関連データにアクセスしようと試みることができる。しかし、電子デバイスがこの情報にアクセスすることができるようになる前に、それは通例、他の電子デバイスによってサポートされているサービス、及びこのデータは他の電子デバイス内にどのように配列されているのか、又は記憶されているのかについての詳細(時として「遠隔データ構造」と呼ばれる)を特定する情報を取得しなければならない。多くの場合、この情報は、電子デバイスから他の電子デバイスへの要求メッセージのセットを送信し、他の電子デバイスから電子デバイスへの対応する応答メッセージのセットを受信することによって、取得される。通例、要求メッセージ及び応答メッセージのシーケンスは、通信に1秒以上を要し得る。この遅延は電子デバイスのユーザにとってもどかしいものになり得、ユーザエクスペリエンスを悪化させるおそれがあり、電力消費を増大させるおそれがある。
【0040】
これらの問題は、遠隔データ構造をキャッシュすることによって対処することができる。しかし、遠隔データ構造の表現は不完全である場合があり、この情報を全て取得することは、不当に時間がかかる場合がある。
【0041】
(時として「属性プロトコル」と呼ばれる)より効率的で扱いやすいプアローチでは、電子デバイスは、発見問い合わせ又は要求の結果、並びに発見要求の種類及びパラメータをキャッシュしてもよい。このように、部分キャッシュは、発見は完全であったのか、それとも部分的であったのか、及び所望の情報は取得されたのかどうかを指示することになる。
【0042】
図7に、この通信手法が示されている。
図7は、電子デバイス900(
図9)又は集積回路1000(
図10)(
図9における電子デバイス900内に含まれてもよい)によって実行されてもよい、電子デバイス間の通信方法700を例示するフロー図を示す。動作時、電子デバイスは、発見要求を有する他の電子デバイスへの要求パケットを送信する(動作710)。更に、電子デバイスは、発見要求を特定する情報を記憶する(動作712)。発見要求への返答を有する応答パケットが他の電子デバイスから受信された場合には(動作714)、電子デバイスは、返答内に含まれる追加情報を記憶する(動作716)。ここで、追加情報は、他の電子デバイス内の情報階層内の位置、及びその位置に関連付けられるデータ形式を特定する。さもなければ、追加情報は記憶されない(動作718)。
【0043】
階層内の位置はサービスを含んでもよく、データ形式は、開始位置、終了位置、及び識別子を含んでもよいことに留意されたい。代替的に、又は追加的に、階層内の位置は、サービスに関連付けられる特性を含んでもよく、データ形式は、開始位置、終了位置、パーミッション、及び識別子を含んでもよい。ただし、記憶される情報は、文字値等の、階層内の位置における1つ以上のデータ値(単数又は複数)を除外してもよい。
【0044】
情報及び追加情報を部分的にキャッシュすることによって、電子デバイスがその後、情報階層内のデータにアクセスする際には、電子デバイスは要求メッセージ及び応答メッセージの数、並びにそれゆえ、遅延及び電力消費を著しく低減し得る。具体的には、電子デバイスと他の電子デバイスとの間の接続が初めてあった際には、記憶される追加情報の取得に時間がかかるものの、(要求メッセージ及び応答メッセージを含む)この発見プロセスは1度実行されるだけでよい。その後、電子デバイスと他の電子デバイスとの間で接続が確立される際には、電子デバイスは他の電子デバイス内の情報階層の詳細(すなわち、データ構造)をすでに知っており、データ構造内の位置における文字値等の、所望の情報又はデータを即時に(200ミリ秒以内に)要求することができる。
【0045】
例えば、他の電子デバイスは、ユーザの心拍数を記憶する運動モニタであってもよい。この運動モニタは、サービスS1(心拍数監視等)、サービスS2、及びサービスS3等の、サービスのセットを提供してもよい。これらのサービスはそれぞれ、フラットマップ(若しくは、より一般的には、データ構造)等の情報階層内の開始位置、フラットマップ内の終了位置、並びに識別子を有してもよい。更に、サービスS1は、毎分脈拍C1、振幅C2、及びセンサロケーションC3等の関連特性、並びに対応する文字値(若しくはデータ)を有してもよい。
【0046】
電子デバイスがサービスS1及びS4に関する1つ以上の発見要求を送信する場合には、電子デバイスの環境内で実行するソフトウェアモジュールがこれらの要求を記憶又はキャッシュしてもよい。サービスS4は存在しないので、返答は受信されなくてもよい。この情報もソフトウェアモジュールによって記憶されてよい。(代替的に、追加の記憶される情報がないことが、返答は受信されなかったことを指示してもよい。)サービスS1に関する発見要求への返答は、情報階層内の開始位置3、情報階層内の終了位置10、及び識別子を含んでもよい。
【0047】
電子デバイスがその後、他の電子デバイスに再び接続される場合には、サービスS1に関する記憶された情報が利用可能となり、そのため、それは再び要求される必要はない。
【0048】
いくつかの実施形態では、他の電子デバイス上のサービスはサービスS0を含む。このサービスは、データ構造(又は情報階層)は変更があったかどうか、及び何が変更されたのかを指示する情報を含んでもよい。この情報に基づき、電子デバイスは、1つ以上のキャッシュ設定に基づき、遠隔データ構造についてのキャッシュされている情報の一部又は全てを削除してもよい。代替的に、又は追加的に、電子デバイスは、接続が切断された場合、他の電子デバイスに関連付けられるアドレスを、対応するMACアドレスに戻すことができない場合、及び/又はネットワークサブシステムの電源が切られた際に、遠隔データ構造についてのキャッシュされている情報の一部又は全てを削除してもよい。
【0049】
上述の方法のいくつかの実施形態では、追加の動作があってもよく、又は動作はもっと少なくてもよい。更に、動作の順番を変えることができ、及び/又は2つ以上の動作を単一の動作に結合することができる。
【0050】
次に、電子デバイス、及び複数の電子デバイスを含むシステムの実施形態を説明する。
図8は、無線で通信している一群の電子デバイス810を例示するブロック図を示す。具体的には、これらの電子デバイスは、無線チャネルを走査することによって互いを発見する間、無線チャネル上でアドバタイジングフレームを送信する間、接続要求を送信することによって接続を確立する間、及び/又は遠隔データ構造を部分的にキャッシュする間に、無線通信してよい。
【0051】
以下において
図9及び10を参照して更に説明されるように、電子デバイス810はそれぞれ、ネットワークサブシステム、メモリサブシステム及びプロセッササブシステム等の、サブシステムを含んでよい。加えて、電子デバイス810はネットワークサブシステム内の無線機812を含んでよい。より一般的には、電子デバイス810は、電子デバイス810が別の電子デバイスと無線通信することを可能にするネットワークサブシステムを有する任意の電子デバイスを含み得る(又はそれらの内部に含まれ得る)。これは、電子デバイスが初期接触を行うことを可能にするためにアドバタイジングフレームを送信し、それに続き、接続の確立、セキュリティオプション(例えば、IPSEC)の設定等のために後続のデータ/管理フレーム(接続要求等)を交換することを含み得る。
【0052】
図8において見ることができるように、無線信号814(ぎざぎざの線によって表現されている)が電子デバイス810−1内の無線機812−1から送信される。これらの無線信号814はそれぞれ電子デバイス810−2及び810−3内の無線機812−2及び812−3によって受信される。
【0053】
記載されている諸実施形態では、電子デバイス810−2及び810−3のいずれかにおいてアドバタイジングフレームを処理することは、アドバタイジングフレームを有する無線信号814を受信すること、アドバタイジングフレームを獲得するために、受信された無線信号814からアドバタイジングフレームを復号/抽出すること、及びアドバタイジングフレーム内に包含されている情報(ヘッダ内のアドレス等)を判定するためにアドバタイジングフレームを処理すること、を含む。
【0054】
本発明者らは、一例として
図8に示されるネットワーク環境について説明しているが、代替実施形態では、異なる数又は種類の電子デバイスが存在してもよい。例えば、一部の実施形態は、より多くの、又はより少ない電子デバイスを含む。別の例として、別の実施形態では、異なる電子デバイスがフレームを送信及び/又は受信している。
【0055】
図9は、電子デバイス900を例示するブロック図を示す。この電子デバイスは、処理サブシステム910、メモリサブシステム912、及びネットワークサブシステム914を含む。
【0056】
処理サブシステム910は、計算動作を実行するように構成される1つ以上のデバイスを含む。例えば、処理サブシステム910は、1つ以上のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロコントローラ、プログラム可能ロジックデバイス、及び/又は1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を含み得る。
【0057】
メモリサブシステム912は、処理サブシステム910及びネットワークサブシステム914のためのデータ及び/又は命令を記憶するための1つ以上のデバイスを含む。例えば、メモリサブシステム912は、ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティック・ランダムアクセスメモリ(SRAM)、及び/又はその他の種類のメモリを含み得る。いくつかの実施形態では、メモリサブシステム912内の処理サブシステム910のための命令は、処理サブシステム910によって実行されてもよい、1つ以上のプログラムモジュール又は命令のセットを含む。1つ以上のコンピュータプログラムは、コンピュータプログラム機構を構成することができることに留意されたい。更に、メモリサブシステム912内の様々なモジュール内の命令は、高水準手続き型言語、オブジェクト指向プログラム言語、並びに/又はアセンブリ言語若しくは機械語で実施することができる。更に、プログラム言語は、処理サブシステム910により実行されるように、たとえば構成可能とすることができるか又は構成することができ、コンパイル又は解釈実行することができる。
【0058】
更に、メモリサブシステム912は、メモリへのアクセスを制御するための機構を含み得る。一部の実施形態では、メモリサブシステム912は、電子デバイス900内のメモリに結合される1つ以上のキャッシュを含むメモリ階層を含む。これらの実施形態の一部では、キャッシュのうちの1つ以上は処理サブシステム910内に配置される。
【0059】
一部の実施形態では、メモリサブシステム912は1つ以上の大容量の大記憶デバイス(不図示)に結合される。例えば、メモリサブシステム912は、磁気又は光学ドライブ、ソリッドステートドライブ、又は別の種類の大容量記憶デバイスに結合することができる。これらの実施形態では、メモリサブシステム912は、頻繁に使用されるデータのための高速アクセス記憶装置として電子デバイス900によって用いることができるのに対して、大容量記憶デバイスは、使用頻度の低いデータを記憶するために用いられる。
【0060】
ネットワークサブシステム914は、有線及び/又は無線ネットワークに結合し、その上で通信するように(すなわち、ネットワーク動作を実行するように)構成され、制御論理916、インターフェース回路918及びアンテナ920を含む、1つ以上のデバイスを含む。例えば、ネットワークサブシステム914は、Bluetooth(登録商標)ネットワークシステム、セルラーネットワークシステム(例えば、UMTS、LTEなど等の3G/4Gネットワーク)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ネットワークシステム、IEEE 802.11に記述されている規格に基づくネットワークシステム(例えば、Wi−Fi(登録商標)ネットワークシステム)、イーサネット(登録商標)ネットワークシステム、及び/又は別のネットワークシステムを含み得る。
【0061】
ネットワークサブシステム914は、プロセッサ、コントローラ、無線機/アンテナ、ソケット/プラグ、及び/又はそれぞれのサポートされているネットワークシステムに結合し、その上で通信し、そのためのデータ及びイベントを処理するために用いられるその他のデバイスを含む。上述の説明では、それぞれのネットワークシステムのためのネットワークに結合し、その上で通信し、その上のデータ及びイベントを取り扱うために用いられる機構を、時により、まとめてネットワークシステムのための「ネットワークインターフェース」と呼んだ。いくつかの実施形態では、電子デバイス間の「ネットワーク」は、まだ存在しないことに留意されたい。したがって、電子デバイス900は、電子デバイス間の単純な無線通信を実行するため、例えば、上述したように、アドバタイジングフレームを送信し、及び/又は他の電子デバイスによって送信されたアドバタイジングフレームを求めて走査するために、ネットワークサブシステム914内の機構を用いることができる。
【0062】
電子デバイス900内において、処理サブシステム910、メモリサブシステム912、及びネットワークサブシステム914は、バス922を用いて互いに結合される。バス922は、サブシステムが互いの間でコマンド及びデータを通信するために使用することができる電気的、光学的、及び/又は電気光学的接続部を含むことができる。分かりやすくするために1本のバス922のみが示されているが、異なる実施形態は、異なる数又は構成の電気的、光学的、及び/又は電気光学的接続をサブシステム間に含み得る。
【0063】
電子デバイス900は、少なくとも1つのネットワークインターフェースを有する任意の電子デバイスとすることができる(又は、その中に含めることができる)。例えば、電子デバイス900は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバ、メディアプレーヤ(MP3プレーヤなど)、家庭電化製品、サブノートブック/ネットブック、タブレットコンピュータ、スマートフォン、セルラー電話、試験設備、ネットワーク家庭電化製品、セットトップボックス、無線携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、玩具、コントローラ、デジタル信号プロセッサ、ゲームコンソール、家庭電化製品内計算エンジン、民生用電子デバイス、ポータブル計算デバイス、電子手帳及び/又は別の電子デバイスとすることができる(又は、これらの中に含めることができる)。
【0064】
特定の構成要素を用いて電子デバイス900を説明しているが、代替実施形態では、異なる構成要素及び/又はサブシステムが電子デバイス900内に存在する場合がある。例えば、電子デバイス900は、1つ以上の追加の処理サブシステム910、メモリサブシステム912、及び/又はネットワークサブシステム914を含んでもよい。加えて、サブシステムのうちの1つ以上は電子デバイス900内に存在しなくてもよい。更に、一部の実施形態では、電子デバイス900は、
図9に示されていない1つ以上の追加のサブシステムを含んでもよい。例えば、電子デバイス900は、限定するものではないが、ディスプレイ上に情報を表示するためのディスプレイサブシステム、データ収集サブシステム、オーディオ及び/又はビデオサブシステム、警報サブシステム、メディア処理サブシステム、及び/又は入力/出力(I/O)サブシステムを含み得る。また、
図9には、独立したサブシステムが示されているが、一部の実施形態では、所与のサブシステムの一部又は全ては電子デバイス900内の他のサブシステムの1つ以上の中に統合することができる。
【0065】
更に、電子デバイス900内の回路及び構成要素は、バイポーラ形、PMOS及び/又はNMOSゲート又はトランジスタを含む、アナログ及び/又はデジタル回路機構の任意の組み合わせを用いて実装されてよい。更に、これらの実施形態における信号は、ほぼ離散的な値を有するデジタル信号及び/又は連続的な値を有するアナログ信号を含んでもよい。加えて、構成要素及び回路はシングルエンド形又は差動形であってよく、電源はユニポーラ形又はバイポーラ形であってよい。
【0066】
ポータブル電子デバイス900内の1つ以上の回路は集積回路上に実装されてもよい。
図10に、これが示されている。
図10は、制御論理916及びインターフェース回路918を含む、集積回路1000を例示するブロック図を示す。
【0067】
集積回路1000は、無線機等の、ネットワークサブシステム914の機能性の一部又は全てを実装してよい。更に、集積回路1000は、電子デバイス900から無線信号を送信し(
図9)、電子デバイス900において他の電子デバイスからの信号を受信する(
図9)ために使用されるハードウェア及び/又はソフトウェア機構を含むことができる。本明細書において説明されている機構を除いて、無線機は当技術分野において一般的に知られており、それゆえ、詳細には説明されない。一般的に、ネットワークサブシステム914(
図9)及び/又は集積回路1000は任意の数の無線機を含み得る。複数無線機の実施形態における無線機は、記載されている単一無線機の実施形態と同様に機能することに留意されたい。
【0068】
いくつかの実施形態では、ネットワークサブシステム914(
図9)及び/又は集積回路1000は、無線機(単数又は複数)を所与の通信チャネル(例えば、所与の搬送波周波数)上における送信及び/又は受信のために構成する構成機構(1つ以上のハードウェア及び/又はソフトウェア機構等)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、無線機を、所与の通信チャネル上における監視及び/又は送信から、異なる通信チャネル上における監視及び/又は送信へ切り替えるために、構成機構を用いることができる。(本明細書において使用されている「監視」は、他の電子デバイスからの信号を受信すること、及び場合によっては、受信された信号に対して1つ以上の処理動作を実行すること、例えば、受信された信号はアドバタイジングフレームを含んでいるかどうかを判定すること等、を含むことに留意されたい。)
【0069】
Bluetooth(登録商標)が説明のための例として用いられたが、記載されている通信手法の諸実施形態はさまざまなネットワークインターフェースにおいて用いられてよい。更に、上述の実施形態における動作の一部はハードウェア又はソフトウェアの形態で実施されたが、一般的に、上述の実施形態における動作は多種多様の構成及びアーキテクチャの形態で実施することができる。したがって、上述の実施形態における動作の一部又は全ては、ハードウェア、ソフトウェア又はその両方の形態で実行されてよい。
【0070】
上述の説明では、「いくつかの実施形態」に言及している。「いくつかの実施形態」は、可能な実施形態の全てのサブセットを説明しているが、必ずしも実施形態の同じサブセットを指定しているわけではないことに留意されたい。
【0071】
前述の説明は、当業者が本開示を製作及び使用することを可能にすることが意図されており、特定の用途及び要件というコンテキストにおいて行われている。更に、本開示の実施形態の前述の説明は、例示及び説明のみを目的として提示したものである。網羅的であること、又は、開示した形態に本開示を限定しないものとする。したがって、多くの改変及び変形が、当業者に明らかであろうし、本明細書で定義される一般原則は、本開示の趣旨と範囲から逸脱することなく他の実施形態及び用途に適用することができる。更に、前出の実施形態に関して論じた内容は、本開示を限定しないものとする。したがって、本開示は、示す実施形態に限定されないものとし、本明細書で開示する諸原理及び特徴と合致する最も広い範囲を与えられるものとする。