(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のスラブまたは前記第2のスラブの前記ポストの間に前記カーフ材料を充填する工程の後に、前記カーフ材料を硬化させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
前記カーフ材料を充填及び硬化させる工程は、前記第1のスラブ及び第2のスラブの変形を防止するために前記第1のスラブ及び第2のスラブの全体を加圧しながら行われることを特徴とする請求項8に記載の複合材料の製造方法。
前記第1のスラブまたは前記第2のスラブのダイシングされない部分及び側面部分の除去工程の後に、前記複合材料の上部と下部に伝導性材料を塗布する工程、及び前記複合材料に電極を形成するポーリング工程をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の複合材料の製造方法。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述された内容は単に本発明の実施例に関する背景情報を提供するに留まるものであって従来技術を構成するものはない。
【0003】
圧電材料とは機械的応力によって電気的分極を起こし、外部に電荷を発生させる材料を言う。換言すると、機械的なエネルギーを電気的なエネルギーに変換させる、もしくはその逆に変換させる材料をいう。
【0004】
圧電複合材料は既存の圧電セラミックスの短所を補うために高分子材料を母材にし、圧電セラミックスを挿入材料とする複合材料として水中通信及び探知用ソナー、非破壊検査、医療診断機などの多様な分野で使用される超音波トランスデューサーの材料になる。
【0005】
圧電複合材料(piezo-composite)を製作する方法として、ダイス・アンドフィル(Dice and fill)法、モールディング・テクニック(Molding technique)法、スタック・アンド・ボンディング(Stack and bonding)法、マイクロ・マシニング(Micro-machining)法、インターデジタルボンド法などがある。
【0006】
このうち、インターデジタルボンド法は圧電材料の二つの板を等しいカーフ(kerf)幅とピッチ(pitch)でダイシング(dicing)し、各板のポスト(post)とカーフが相互に噛み合うようにアライメントしてカーフ材料(kerf material)30を充填して複合材料を作製する技法である。
【0007】
インターデジタルボンド法は機械的な方法を用いた複合材料製作方法の中で比較的細いカーフ幅を具現することができる方法として、高周波の複合材料(high frequency composite)を製作するのに有利であり、エッチング(etching)のような化学的な方法を用いずとも細いカーフ幅を具現することができる長所がある。
【0008】
インターデジタルボンド法においてミスアライメント(misalignment)が出る場合は所望の性能の複合材料を得にくい。したがってアライメント工程は一番重要な工程の一つである。しかし正確にアライメントする方法に関する技術が不足していることが現実である。
【0009】
米国公開公報(US2008/0020153)はインターデジタルボンド法によって製作された複合材料において前記複合材料の製造方法としてアライメントポストとアライメントカーフを提示し、このようなアライメントポスト及びアライメントカーフを作るための4つの方法を提示する。すなわち、前記従来の技術は複数のポストと複数のカーフを有する一対のスラブ(slab)を前記複数のポストと複数のカーフが相互に噛み合うように結合させ、前記一対のスラブのうち、いずれか一方のスラブが有する複数のポスト及び複数のカーフのうち、一つ以上をアライメントポストまたはアライメントカーフに製作してアライメントする方法を提示している。
【0010】
しかし、この方法は前記アライメントポストまたはアライメントカーフが複数のポストまたは複数のカーフの間に位置するようになるため、後に二つの圧電材料を結合させて複合材料を作った後に、前記複合材料を研磨ないし切断する工程において前記複合材料の中間部分を切断しなければならないという短所がある。その結果、複合材料の製造工程が複雑になり、製造コストも増加するという問題があり、正確なアライメントになっていない場合は高周波の複合材料を得ることができないという問題がある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付した図面を参照して本発明の実施例に係るインターデジタルボンド(interdigital bond)方法によって製造される複合材料(composite)の製造工程においてアライメント方法及びアライメント装置50について詳細に説明する。本発明は多様な変更ができ、様々な形態を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解しなければならない。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用した。添付された図面において、構造物の寸法は本発明の明確性を期するために実際より拡大したり、概略的な構成を理解するために実際より縮小したりして図示したものである。
【0023】
また、第1及び第2などの用語は多様な構成要素を説明するために用いられる場合があるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないで第1の構成要素は第2の構成要素として命名したり、これと類似して第2の構成要素も第1の構成要素として命名したりする場合がある。一方、異なる意味で正義しない限り、技術的、あるいは科学的な用語を含みながらここで用いられるすべての用語は本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に使用され、予め定義されているのと同様の用語は関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本出願にて明確に定義しない限り、理想的、あるいは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0024】
図1は、インターデジタルボンド法を用いた複合材料の製作工程を説明する概略図である。
図1(a)は、圧電材料にダイシング作業によって複数のポスト(post)と複数のカーフ(kerf)を形成したスラブ(slab)を図示している。ここでポストとは、スラブの複数の突出部を言う。また、カーフとは、突出部と突出部との間の空間を言う。
図1(b)は一つのスラブのポストともう一つのスラブのポストが相互に噛み合うように一対のスラブを結合させたものである。換言すると、一つのスラブのポストが他の一つのスラブの前記ポストに対応するカーフに挿入されるように両スラブを結合させておいたものを図示したものである。
図1(c)は両スラブにおいてポストだけを残し、ダイシングされない部分1、2を取り除いて複合材料を完成したものを図示している。
【0025】
インターデジタルボンド方式によって複合材料を製造する方法は次の工程からなる。
【0026】
(1)複数のポストと複数のカーフが形成された第1のスラブと第2のスラブを設ける工程。
【0027】
ここで、第1のスラブの複数のポストの全部または一部は第2のスラブの複数のカーフの全部または一部に対応する。
【0028】
(2)第1のスラブの複数のポストと第2のスラブの複数のポストが相互に噛み合うように第1のスラブと第2のスラブを結合する工程。
【0029】
インターデジタルボンド法を適用する際に、カーフの幅はポストの幅よりも大きい。その結果、第1のスラブのポストが第2のスラブのカーフに容易に挿入される。また、第2のスラブのポストが第1のスラブのカーフに容易に挿入される。第1のスラブのポストと第2のスラブのポストとの間には空間が形成される。このポストとポストの間の空間の幅は複合材料の最終的なカーフ幅になることができる
【0030】
(3)第1のスラブと第2のスラブが結合した状態で第1のスラブまたは第2のスラブのうち、少なくとも一つを移動させ、第1のスラブのポストと第2のスラブのポストが相互に均一の間隔で並列配置されるようにアライメントする工程。
【0031】
(4)第1のスラブのポストと第2のスラブのポストとの間に形成された空間にカーフ材料30を充填して硬化させる工程。
【0032】
(5)第1のスラブと第2のスラブのポスト、及びカーフ材料30を残し、ダイシングされない部分1、2及び側面部分を除去する工程。
【0033】
(6)第1のスラブの複数のポストと第2のスラブの複数のポストが相互に噛み合って結合した複合材料の上部と下部に伝導性材料を塗布し、電極を形成して複合材料をポーリング(poling)する工程。
【0034】
本方法のうち、第1のスラブのポストと第2のスラブのポストが一定の間隔で並列配置されるようにアライメントする工程は複合材料の性能と密接な関連があることから非常に重要である。本発明は複合材料をインターデジタルボンド法で製造するにおいて正確なアライメントをするための多様な方法を提示する。
【0035】
図2は、アライメントポスト11、12を用いてアライメントする方法を説明する概念図である。本発明に係る一実施例としての複合材料の製作工程は第1のスラブの両方、または一方の端にアライメントポスト(alignment post)11、12を形成してアライメントする方法を提供する。
【0036】
アライメントポスト11、12は、スラブに形成された複数のポストのうち、最外殻に位置したポストとして第1のスラブの複数のポストと第2のスラブの複数のポストが相互に噛み合いながら第1のスラブと第2のスラブが結合する時に、第1のスラブの複数のポストと第2のスラブの複数のポストが相互に一定の間隔を維持しながら配置するようにするために形成されたポストである。アライメントポスト11、12は、第1のスラブの両方の端に二つが形成される場合も、一方の端に一つが形成される場合もある。
図2は、第1のスラブの両方の端にアライメントポスト11、12が形成された場合を図示している。
【0037】
アライメントポスト11、12は、アライメントポスト11、12以外の他のポストよりも広い幅を有するようにする。
図2を参照すると、アライメントポスト11、12はアライメントポスト11、12に対応するカーフに両面がすべて密着して挿入することもできる。第1のスラブのアライメントポスト11、12がこれに対応するカーフに両側面で密着されて結合する場合は、アライメントポスト11、12の幅はアライメントポスト11、12が挿入されるカーフの幅より僅かに小さなことが望ましい。また、アライメントポストはアライメントポストに対応するカーフに一側面だけが密着されて挿入される場合もある。
図2(a)は、両側面が密着されて挿入された場合を示し、
図2(b)及び
図2(c)は一側面だけが密着されて挿入された場合を示す。
【0038】
以下の図面は一側面だけに密着されて挿入される場合を実施例として図示する。
【0039】
また、
図2(b)及び
図2(c)は、アライメントポスト11、12にアライメントする場合の一実施例としてのダイシング寸法を示す。
図2を参照すると、Tはポストとポストとの間に形成される空間の幅、すなわち最終的なカーフの幅である。Kはカーフの幅である。Pはポストの幅である。P1はアライメントポスト11、12の幅である。K’はアライメントポスト11、12が挿入されるカーフの幅である。P2は第2のスラブの端に形成されたポストの幅である。この場合、K=T×2+Pの関係式が成立する。また、K’=P1+Tの関係式が成立する。アライメントポスト11、12の幅P1がさらに大きくなるとその大きくなった分だけ、対応するカーフの幅K’も大きくなる。KとK’は同じの場合も、K’がKよりも大きい場合もある。
図2(b)は、K’とKが同じの場合を図示する。
図2(c)は、K’がKより大きい場合を図示する。P1とK’が大きくなるとP2は小さくできる。すなわち、大きくなったアライメントポストの幅P1の分だけ、第2のスラブの最外殻に位置したポストの幅P2は小さくできる。
【0040】
図3は、アライメントカーフ13、14を用いてアライメントする方法を説明する概念図である。本発明に係る一実施例としての複合材料製造工程は第2のスラブの両方または一方の端にアライメントカーフ(alignment shim)13、14を形成してアライメントする方法を提供する。
【0041】
アライメントカーフ13、14はスラブに形成された複数のカーフのうち、最外殻に位置したカーフとしてアライメントポスト11、12と同様に、第1のスラブと第2のスラブが互いのポストを噛み合うようにして結合する時に、第1のスラブの複数のポストと第2のスラブの複数のポストが互いに一定の間隔を維持しながら配置されるようにするために形成されたカーフである。アライメントカーフ13、14は第2のスラブの両方の端に二つが形成される場合があり、一方の端に一つが形成される場合もある。
図3は第2のスラブの両方の端にアライメントカーフ13、14が形成された場合を図示している。
【0042】
アライメントカーフ13、14はアライメントカーフ13、14以外の他のカーフよりも細い幅を有するようにする。図面に図示しなかったが、アライメントカーフ13、14はアライメントカーフ13、14に対応するポストに両面がすべて密着して結合される場合があり(図示せず)、一側面だけが密着して結合される場合もある。
図3はアライメントカーフ13、14の一側面だけが密着して結合される場合を示す。
【0043】
図3(a)は、アライメントカーフが形成された第2のスラブに第1のスラブが結合される前の様相を示す図面である。
図3(b)及び度3(c)は、アライメントカーフ13、14にアライメントする場合の一実施例としてのダイシング寸法を示す。
【0044】
図3を参照すると第2のスラブの両方の端に形成されたポストは他のポストより幅が広い。その代りに、第2のスラブの両方の端に形成されたアライメントカーフ13、14は幅が細い。その結果、第1のスラブの二つの最外殻のポストそれぞれの外側面が第2のスラブのアライメントカーフの内面と密着し、両スラブが噛み合うように結合されていることが分かる。
【0045】
図3(b)を参照すると、Tはポストとポストとの間に形成される空間の幅、すなわち最終的なカーフの幅である。Kはカーフの幅である。Pはポストの幅である。K1はアライメントカーフ13、14の幅である。P’はアライメントカーフ13、14が挿入されるポストの幅である。P2は第2のスラブの端に形成されたポストの幅である。この場合、K=T×2+Pの関係式が成立する。また、K1=P’+Tの関係式が成立する。アライメントカーフ13、14の幅K1がより細くなるとその細くなった分だけ、対応するポストの幅P’も細くなる。PとP’は同じの場合があり、P’がより細い場合もある。
図3(b)はP’とPが同じの場合を図示する。
図3(c)はP’がPより小さい場合を図示する。K1とP’が小さくなるとP2は大きくできる。すなわち小さくなったアライメントカーフの幅K1の分だけ、第2のスラブの最外殻に位置したポストの幅P2は大きくできる。
【0046】
第1のスラブにアライメントポストがある場合、または第2のスラブにアライメントカーフがある場合のそれぞれについて説明したが、第1のスラブにアライメントポストが第2のスラブのアライメントカーフに嵌合されてアライメントする場合も考えられる。また、複合材料の一側面ではアライメントポストがカーフに嵌合され、他側面ではアライメントカーフがポストに嵌合されてアライメントがなされる場合も考えられる。
【0047】
第1のスラブは第1の材料を一方向にダイシング(dicing)して製作することができる。第2のスラブは第2の材料を一方向にダイシングして製作することができる。ダイシングはダイシングソー(dicing saw)のような機械を用いて施すことができる。
【0048】
第1の材料及び第2の材料の横、縦及び厚さの長さは、最終的に製作される複合材料より大きく製作する。そうすることで研磨加工をして要求される寸法の複合材料を製作できる。第1の材料及び第2の材料のうち、少なくとも一つは圧電材料である場合がある。圧電材料としてはPZTや単結晶(single crystal)などが利用できる。
【0049】
図4は、アライメントシム21、22を用いてアライメントする方法を示す概念図である。
図4を参照すると第1のスラブと第2のスラブが結合する工程において第1のスラブの両方、または一方の端に位置する最外殻のポストが最外殻のポストに対応する第2のスラブのカーフにアライメントシム(alignment shim)21、22と一緒に挿入され、嵌合するように最外殻のポストの外側面にアライメントシム21、22を重ね当てることができる。
【0050】
アライメントシム21、22は圧電素子やエポキシなどの物質が利用できるがこれに限定されない。複合材料の製作が完了するまでに装着されていなければならないことから、1回のみ使用できる。アライメントシム21、22の高さは第1のスラブの厚さより大きくても、小さくても良いが、カーフ充填及び硬化のために加圧を施す場合は、第1のスラブの厚さより小さい方が望ましい。アライメントシム21、22の形態は
図4にて示されたように直線型(
図4a)、鉤形の形状(
図4b)及び「コ」字状(
図4c)中のうち一つである場合があり、その以外にもさまざまな形態で設けることができる。
【0051】
また、
図4及び
図5はアライメントシム21、22を用いてアライメントする場合の一実施例としてのダイシング寸法を示す。
図4を参照するとTはポストとポストとの間に形成される空間の幅である(これは複合材料の最終的なカーフ幅となる)。Kはカーフの幅である。Pはポストの幅である。Sはアライメントシム21、22の幅である。この場合、K=T×
*2+Pの関係式が成立する。またK’=S+P+Tの関係式が成立する。アライメントシム21、22の幅Sがさらに広くなるとその広くなった分だけ対応するカーフの幅K’も広くなる。KとK’は同じの場合があり、K’がより広い場合もある。
図4はK’とKが同じの場合である。
図5はK’がKより大きい場合である。
【0052】
図6は、第1のスラブの一側面にアライメントシム21を重ね当て、他側面はアライメントポスト12を形成した様相である。
図6のようにアライメントシム21とアライメントポスト12のすべてを使ってアライメントする方法も提供できる。
【0053】
図7は、アライメントポスト11、12を用いて複合材料を製造する方法を示す。
図7を参照すると、アライメントポスト11、12を用いて複合材料を製造する方法は複数のポストと複数のカーフを備え、両側面には前記複数のポストよりも幅が大きいアライメントポスト11、12を形成した第1のスラブと複数のポストと複数のカーフを形成した第2のスラブを設ける工程(
図7a)と、第1のスラブのアライメントポスト11、12の外側面が第2のスラブの最外殻のポストの内側面に密着するように結合する工程(
図7b)、及び第1のスラブのポストと第2のスラブのポストとの間に形成された空間にカーフ材料30を充填する工程(
図7c)と、からなる。
【0054】
図8は、アライメントシム21、22を用いて複合材料を製造する方法を示す。
図8において左側の図は側面図であり、右側の図は平面図である。
図8を参照すると、アライメントシム21、22を用いて複合材料を製造する方法は複数のポストと複数のカーフを形成した第1のスラブと複数のポストと複数のカーフを形成した第2のスラブを設ける工程(
図8a)と、第1のスラブの外側面にアライメントシム21、22を重ね当て、前記アライメントシム21、22と第1のスラブの最外殻のポストが第2のスラブの両端に形成されたカーフに挿入されて嵌合する工程(
図8b)、及び第1のスラブのポストと第2のスラブのポストとの間に形成された空間にカーフ材料30を充填する工程(
図8c)と、からなる。
【0055】
アライメントポスト11、12を用いてアライメントする方法とアライメントシム21、22を用いてアライメントする方法のすべて、第1のスラブ及び第2のスラブの複数のポストの要求される幅と複数のカーフの要求される幅とを含むアライメント基準(alignment criteria)(アライメント基準にはアライメントポスト11、12の幅、またはアライメントシム21、22の幅が含まれうる。)、すなわち第1のスラブのポストと第2のスラブのポストが一定の間隔を維持するようにするアライメント基準を決定する工程が追加でき、前記アライメント基準にしたがって第1の材料及び第2の材料をダイシングして第1のスラブ及び第2のスラブを設ける。
【0056】
図9は、マイクロボール(micro ball)40を用いてアライメントする方法を示す概念図である。
図9を参照すると、第2のスラブのカーフに複合材料の最終的なカーフ幅に該当する直径を有するマイクロボール40を配置してアライメントすることができる。マイクロボール40は第2のスラブの全体のカーフに配置することができ、一部のカーフに配置することもできる。マイクロボール40は圧電素子、エポキシ、金属などの多様な物質で構成することができる。多数のマイクロボール40を用いてアライメントすると、一部のマイクロボール40の直径に誤差があっても正確な最終的なカーフ幅を具現することができる。
【0057】
図9は、さらにマイクロボール40を用いてアライメントする場合の一実施例としてのダイシング寸法を示す。
図9を参照すると、Tはポストとポストとの間に形成される空間の幅である(これは複合材料の最終的なカーフ幅となる。)。Kはカーフの幅である。Pはポストの幅である。Bはマイクロボール40の直径である。この場合、K=T×
*2+Pの関係式が成立する。また、B=Tであることから、K=B×
*2+P、すなわちB=(K−P)/2の関係式が成立する。
【0058】
図10は、マイクロボール40を用いて複合材料を製造する方法を示す。
図10において左側の図は側面図であり、右側の図は平面図である。
図10を参照すると、マイクロボール40を用いて複合材料を製造する方法は複数のポストと複数のカーフを形成した第1のスラブと複数のポストと複数のカーフを形成した第2のスラブを設ける工程(
図10a)と、カーフ材料30とマイクロボール40を混合して第2のスラブのカーフに充填する工程(
図10b)、及び第1のスラブの複数のポストが第2のスラブの複数のカーフに挿入されるように、または第2のスラブの複数のポストが第1のスラブの複数のカーフに挿入されるように両スラブを結合する工程(
図10c)と、からなる。カーフ材料30とマイクロボール40を混合する際に、マイクロボール40とカーフ材料30が互いに異なる場合は、カーフ材料30の特性を維持させるためにマイクロボール40は少量添加することが望ましい。
【0059】
第1の材料と第2の材料は同じである場合も、異なる場合もある。第1の材料と第2の材料が同じである場合は、後述する第1の材料及び第2の材料とは異なるカーフ材料30を充填することで、2種類の構成成分を有する複合材料を設けることができる。第1の材料と第2の材料が異なる場合は、後述する第1の材料及び第2の材料とは異なるカーフ材料30を充填することで、3種類の構成成分を有する複合材料を設けることができる。
【0060】
図11は、第1のスラブの複数のポストと第2のスラブの複数のポストが要求される、一定の間隔を維持するように第1のスラブと第2のスラブをアライメントする装置50を示す概略図である。
図12は、一対の固定治具(jig)51、52に一対のスラブを載置して固定する様相を示す図である。
図13は、第1のスラブの複数のポストが第2のスラブの複数のカーフに挿入されるように、または第2のスラブの複数のポストが第1のスラブの複数のカーフに挿入されるように、第1のスラブと第2のスラブを結合し、カーフ材料30を充填することを示す図である。
【0061】
アライメント装置50は、第1のスラブ及び第2のスラブを固定する一対の固定治具51、52と、固定治具51、52を加圧する加圧手段53、54と、加圧手段53、54内にて固定治具51、52が摺動自在になるように加圧手段53、54の内側面に設置されるガイド(guide)55、及び第1のスラブまたは第2のスラブの加圧手段53、54内での移動距離を確認する顕微鏡と、を含む。固定治具51、52は、真空ポンプ56がつながれることができ、真空ポンプ56を通じて両スラブを固定することができる。
【0062】
アライメント装置50を用いてアライメントする方法は第1のスラブと第2のスラブをそれぞれ固定治具51、52の上に置き、固定治具51、52と真空ポンプ56を連結して第1のスラブと第2のスラブを固定治具51、52に固定する。固定治具51、52を加圧手段53、54に装着する。この時、真空ポンプ56はカーフの充填及び硬化が完了するまでつけておく。加圧手段を顕微鏡に載せ、第1のスラブと第2のスラブが見えるようにフォーカスを合わせる。加圧手段53、54を軽く加圧しながら第1のスラブと第2のスラブとの間の最終的なカーフの幅が一定になるように、固定治具に固定された第1のスラブまたは第2のスラブを摺動させることで第1のスラブに対する第2のスラブの位置、または第2のスラブに対する第1のスラブの位置を調節してアライメントする。前記加圧をすることで、アライメントの際に、第1のスラブまたは第2のスラブが変形しなくなる。その後、加圧手段53、54が固定治具51、52を加圧し、ポストと上部面とカーフの底面を密着させる。前記加圧をすることで、不要なカーフ材料30の層が生じないようにすることができる。固定治具51、52が加圧手段53、54内において僅かに移動させるためにマイクロメータ(micrometer)を用いることができる。
【0063】
以上において説明した4種のアライメント方法を用いてアライメントをした後にはカーフ材料30を充填して硬化させる工程を実施する。しかし、カーフ材料30を充填する工程を実施した後にアライメントする工程を実施することもできる。カーフ材料30を充填する方法は真空チャンバーを利用することができ、硬化はオーブンを利用して実施することができる。カーフ材料30としてはポリマー、エポキシなどの物質が使用できる。充填の際に、内部の気泡を無くすために脱泡工程を経ることができる。脱泡工程も真空チャンバーを用いて実施することができる。カーフ材料30の充填及び硬化の際に、材料の変形を防止するために材料の全体を加圧することができる。
【0064】
図14は、第1のスラブと第2のスラブの不要な部分を除去し、伝導体57を蒸着させることを説明する図である。
図14の左側の図は側面図であり、右側の図は平面図である。
図14(a)は、第1のスラブと第2のスラブのポストのみを残し、ダイシングされない部分が除去された様相を示す図である。
図14(b)は、第1のスラブと第2のスラブが不要な側面の部分を除去した様相を示す図である。
図14(c)は、電極を形成してポーリングをし、第1及び第2のスラブの表面に伝導体57を蒸着させることを示す図である。
【0065】
カーフ材料30の充填及び硬化工程が完了すると、第1のスラブと第2のスラブのポストだけを残し、ダイシングされない部分及びアライメントポスト11、12が形成されるか、またはアライメントシム21、22が結合された第1及び第2のスラブの側面の部分をラッピングマシーン(lapping machine)またはグラインドマシーン(grinding machine)を用いて研磨するか、もしくはダイシングソー(dicing saw)を用いて切り除くことで除去することができる。この時、不要な部分を除去することとともに所望の複合材料の厚さになるように研磨することができる。その後、サーマルエバポレーター(thermal evaporator)またはスパッタリング(sputtering)などのような方法で複合材料の上・下部に金のような伝導性材料を塗布して伝導体57を蒸着させる工程、及び前記複合材料に電極を形成するポーリング(poling)工程を実施することができる。
【0066】
上述した本発明の詳細な説明では本発明の望ましい実施例を参照として説明したが、該当の技術分野の熟練した当業者または該当の技術分野に通常の知識を有する者であれば後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内において本発明を多様に修正及び変更できることを理解できるはずである。