特許第6013610号(P6013610)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

特許6013610ホットメルト結合マトリックスを有する液体活性化処方物剤
<>
  • 特許6013610-ホットメルト結合マトリックスを有する液体活性化処方物剤 図000008
  • 特許6013610-ホットメルト結合マトリックスを有する液体活性化処方物剤 図000009
  • 特許6013610-ホットメルト結合マトリックスを有する液体活性化処方物剤 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013610
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】ホットメルト結合マトリックスを有する液体活性化処方物剤
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/42 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   A61F13/42 B
【請求項の数】13
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-533305(P2015-533305)
(86)(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公表番号】特表2015-535705(P2015-535705A)
(43)【公表日】2015年12月17日
(86)【国際出願番号】US2013061844
(87)【国際公開番号】WO2014052540
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年3月18日
(31)【優先権主張番号】61/705,861
(32)【優先日】2012年9月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/837,390
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/837,394
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/837,400
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/837,405
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/837,408
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、ジェームズ、クロフタ
(72)【発明者】
【氏名】ラビータ、ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、ブイ.カナックカナット
(72)【発明者】
【氏名】サントシュ、ビー.カナックカナット
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム、ウィンフィールド、チーズマン、ジュニア
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−506915(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/120706(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/038654(WO,A1)
【文献】 特開2008−104850(JP,A)
【文献】 特開2008−104889(JP,A)
【文献】 特開2009−247409(JP,A)
【文献】 特開2012−120667(JP,A)
【文献】 特表2004−512425(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/007285(WO,A2)
【文献】 国際公開第2011/007290(WO,A2)
【文献】 特表2009−539423(JP,A)
【文献】 特表2009−539481(JP,A)
【文献】 特表2009−539483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 −13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)液体活性化着色剤と、(B)水発色性イオン化合物と、(C)乳白剤と、(D)ホットメルト結合マトリックスと、を含む、液体活性化処方物であって、
前記乳白剤が、二酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、シリカ、デンプン、エトセル、メトセル、炭酸バリウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、及びスチレン/アクリレートコポリマーからなる群から選択され、
前記液体活性化処方物の総重量を基準にして、前記乳白剤が20重量%〜45重量%の範囲内の量で前記液体活性化処方物中に存在する、液体活性化処方物
【請求項2】
前記ホットメルト結合マトリックスが、アクリル系結合剤、接着剤、ホットメルト接着剤成分、ワックス及び酸化ワックスのような変性ワックス、界面活性剤、ロジンエステル、ロジン及び重合ロジン、変性スチレン−アクリルポリマー及びその塩、ポリエチレングリコール、重合ロジン、スチレン化テルペン、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール、第四級アンモニウム化合物、第四級ポリマー、ゴム、ラテックス及びラテックスエマルション、カチオン性粘土材料、エトキシル化第四級アンモニウム化合物、四級化シリコーン化合物、カチオン性グアー、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの結合剤を含む、請求項1に記載の液体活性化処方物。
【請求項3】
前記結合マトリックスが、第1の結合剤と第2の結合剤とを含む、請求項1に記載の液体活性化処方物。
【請求項4】
前記ホットメルト結合マトリックスがホットメルト接着剤マトリックスである、請求項1に記載の液体活性化処方物。
【請求項5】
安定剤、構造補助剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上を更に含む、請求項1に記載の液体活性化処方物。
【請求項6】
前記安定剤が、リン酸モノステアリル、クエン酸エステル、アルコールエトキシカルボキシレート、グリコール酸エステル、乳酸エステル、脂肪酸、エーテルカルボン酸、脂肪酸メチルエステル、硫酸エステル、クエン酸及びリンゴ酸のような果実酸、硫酸のような無機酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロピレントリアミン、ジイソプロピルアミン、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン、1,3ペンタンジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の液体活性化処方物。
【請求項7】
前記構造補助剤が、HLB調整剤、粘度調整剤、硬化剤、抗浸出助剤、酸化防止剤、湿潤剤、溶媒、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の液体活性化処方物。
【請求項8】
永久着色剤を更に含む、請求項5に記載の液体活性化処方物。
【請求項9】
請求項1に記載の液体活性化処方物を含む吸収性物品であって、該物品が、バックシートと、トップシートと、前記バックシートと前記トップシートとの間に配置された吸収性コアと、を含み、前記液体活性化処方物が、単一層であり、かつ前記バックシートと前記吸収性コアとの間に配置されている、吸収性物品。
【請求項10】
前記液体活性化着色剤が、マラカイトグリーン、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット、エリトロシンB、メチルグリーン、メチルバイオレット2D、ピクリン酸、ナフトールイエローS、キナルジンレッド、エオシンY、メタニルイエロー、m−クレゾールパープル、チモールブルー、キシレノールブルー、塩基性フクシン、エオシンB、4−p−アミノフェノール(アゾ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、クレゾールレッド、マルチウスイエロー、フロキシンB、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、コンゴレッド、メチルオレンジ、ブロモクロロフェノールブルー(水溶性又は遊離酸型)、エチルオレンジ、フルオレセインWS、ブロモクレゾールグリーン、クリソイジン、メチルレッドナトリウム塩、アリザリンレッドS−H2O、コチニール、クロロフェノールレッド、ブロモクレゾールパープル、4−ナフサ、アリザリン、ニトラジンイエロー、ブロモチモールブルー、ブリリアントイエロー、ニュートラルレッド、ロゾール酸、フェノールレッド、3−ニトロフェノール、オレンジII、フェノールフタレイン、o−クレゾールフタレイン、ナイルブルーA、チモールフタレイン、アニリンブルーWS、アリザリンイエローGG、モルダントオレンジ、トロペオリンO、オレンジG、酸性フクシン、チアゾールイエローG、インジゴカルミン、FD&CブルーNo.1、FD&CブルーNo.2、FD&CグリーンNo.3、FD&CレッドNo.40、FD&CレッドNo.4、FD&CイエローNo.5、FD&CイエローNo.6、C.I.フードブルー5、及びC.I.フードレッド7、D&CイエローNo.10、D&CイエローNo.7、D&CイエローNo.2、D&CイエローNo.8、D&CオレンジNo.4、D&CレッドNo.22、D&CレッドNo.28、D&CレッドNo.33、D&CグリーンNo.8、D&CグリーンNo.5、D&CブラウンNo.1、ブロモピロガロールレッド、ブロモキシレノールブルー、メチレンブルー、アシッドアリザリンバイオレットNのようなモノアゾ染料、モノアゾピラゾリン染料、ジアゾ染料、アントラキノン染料、両性アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、フタレイン系染料、キサンテン染料、複素環式アクリジン芳香族、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、カチオン性チアジン染料、ベーシックブルー47のようなカチオン性アントラキノン染料、フタロシアニン系染料、アントラキノン系、中性錯体染料、テルペン系染料、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の液体活性化処方物。
【請求項11】
前記水発色性イオン化合物が、硫酸水素リチウム、炭酸水素リチウム、硫酸水素カリウム、炭酸水素カリウム、硫酸水素ルビジウム、炭酸水素ルビジウム、硫酸水素セシウム、炭酸水素セシウム、硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム五水和物、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム、塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸銅、硝酸銅、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、ケイ酸アンモニウムナトリウム、クエン酸、クエン酸二水素一ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グリコール酸、グリコール酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、マレイン酸、マレイン酸ナトリウム、酢酸、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸モノステアリル、リン酸モノセチル、クエン酸モノステアリル、塩化水素酸、硝酸、硫酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の液体活性化処方物。
【請求項12】
前記液体活性化処方物の総重量を基準にして、前記液体活性化着色剤が0.01重量%〜20重量%の範囲内の量で前記液体活性化処方物中に存在し、前記水発色性イオン化合物が0.05重量%〜35重量%の範囲内の量で前記液体活性化処方物中に存在し、前記乳白剤が30重量%〜40重量%の範囲内の量で前記液体活性化処方物中に存在し、前記結合マトリックスが5重量%〜75重量%の範囲内の量で前記液体活性化処方物中に存在する、請求項1に記載の液体活性化処方物。
【請求項13】
a)着色から無着色、b)無着色から着色、c)着色から別の色、又はd)a)とb)とc)との組み合わせからなる群から選択される色遷移を有する、請求項1に記載の液体活性化処方物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
吸収性物品に湿り度/流体インジケータとして使用するための、ホットメルト結合マトリックス中の液体活性化処方物剤が開示される。
【背景技術】
【0002】
多くの使い捨て吸収性物品は、湿り度インジケータを含む。湿り度インジケータ組成物は、物品内での尿、軟便、経血等の液体との接触時に外見を変化させるように、すなわち、色の出現、消失、変化等を起こすように適合された着色剤を含んでよい。多くの湿り度インジケータ組成物で用いられる変色活性物質は、3.8〜5.4の範囲のpHにおいて黄色から青色に色を変化させるブロモクレゾールグリーン等のpHインジケータである。尿等の液体と接触すると、pHインジケータは、より高いpHの尿により、変色して液体の存在を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、現在のpHに基づく湿り度インジケータは信頼できない場合があり、予定よりも早い段階での色変化の開始及び/又は浸出等の問題を有することに加え、利用できる色の選択肢に制限がある。したがって、多様な色の選択肢を提供できる単純な湿り度/流体インジケータが引き続き必要とされている。このような湿り度/流体インジケータを吸収性物品に組み込む方法も引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
液体活性化着色剤と、水発色性イオン化合物と、乳白剤と、ホットメルト結合マトリックスと、を含む、液体活性化処方物剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の一態様による吸収性物品の平面図。
図2】本発明の一態様による吸収性物品の正面図。
図3】本発明の一態様による図1の吸収性物品の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
用語の定義
「吸収性物品」とは、身体の排出物を吸収及び収容するデバイスを指し、より詳細には、着用者の身体に接してあるいは、近接して配置されて、身体から排出される様々な排出物を吸収し、収容するデバイスを指す。吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁下着、女性用衛生製品、胸パッド、ケアマット、よだれ掛け、創傷包帯製品、及び同種のものを挙げることができる。本明細書で使用するところの「体液」又は「身体排出物」なる用語には、これらに限定されるものではないが、尿、血液、膣排泄物、母乳、汗及び糞便が含まれる。
【0007】
「吸収性コア」は、吸収性物品によって受け取られた液体を吸収し封じ込めるために、吸収性物品のトップシートとバックシートとの間に通常配置される構造体を意味し、1つ以上の基材と、1つ以上の基材上に配置された吸収性ポリマー材料と、吸収性粒子状ポリマー材料を1つ以上の基材上に不動化するための、吸収性粒子状ポリマー材料上及び1つ以上の基材の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物とを含んでもよい。
【0008】
「吸収性ポリマー材料」、「吸収性ゲル材料」、「AGM」、「超吸収体」、及び「超吸収性材料」は、本明細書において互換可能に使用され、遠心分離保持容量試験(Edana 441.2−01)を使用して測定した場合に、重量の少なくとも5倍の0.9%生理食塩水を吸収することが可能な架橋ポリマー材料のことを指す。
【0009】
「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、及び「備える(comprises)」は非限定的な用語であり、それぞれの語の後に記載されるもの(例えば構成要素)の存在を特定するものであるが、他の特徴(例えば、当該技術分野において既知であるか、又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素)の存在を除外するものではない。
【0010】
本明細書において「基本的に〜からなる」とは、例えば特許請求の範囲におけるような発明の主題の範囲を、特定の要素又は工程、及び発明の主題の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさないものに限定するために使用される。
【0011】
「おむつ」とは、幼児及び失禁患者によって胴体下部の周囲に一般に着用されることにより、着用者の腰部及び脚部を包囲する吸収性物品のことであって、尿及び糞便を受容して閉じ込めるように特に適合されたもののことを指す。本明細書で使用するとき、用語「おむつ」は、以下で定義されている「パンツ」も包含する。
【0012】
「繊維」及び「フィラメント」は、同じ意味で使用される。
【0013】
「不織布」は、一方向に又は不規則に配向され、摩擦、及び/又は粘着及び/又は接着により固着された繊維から製造されたシート、ウェブ、又はバットであるが、追加的に縫製されているかどうかを問わず、紙、及び織製、編製、タフト加工、結合糸若しくはフィラメントを組み込んだステッチボンド加工、又は湿式ミリングによるフェルト加工を受けた製品を除く。繊維は、天然起源のものであっても人工起源のものであってもよく、ステープル若しくは連続フィラメントであっても、又はその場で形成されたものであってもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満〜約0.2mmを上回る範囲の直径を有し、幾つかの異なる形態、すなわち、短繊維(ステープル又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、撚り合わせていない連続フィラメントの束(タウ糸)、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)として提供されている。不織布繊維は、メルトブロー法、スパンボンド法、溶剤紡糸法、電界紡糸法、及びカード法等、多くのプロセスによって形成することができる。不織布繊維の坪量は、通常、グラム毎平方メートル(gsm)で表される。
【0014】
「パンツ」又は「トレーニングパンツ」は、本明細書で使用するとき、幼児又は成人の着用者用に設計された腰部開口部及び脚部開口部を有する使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口部に挿入し、パンツを着用者の胴体下部の周囲にまでずらすことによって着用者に対して定位置に置くことができる。パンツは、任意の好適な技術によって予備形成されてもよく、その例としては、限定するものではないが、再締着可能及び/又は再締着不可能な結合(例えば、シーム、溶接、接着、凝集結合、締着具等)を使用して、物品の一部分を一緒に接合することが挙げられる。パンツは、物品の外周に沿った任意の位置において予備成形することができる(例えば、側面締着、前腰部締着)。用語「パンツ」又は「パンツ類」が本明細書では使用されるが、パンツは一般的に「密閉型おむつ」、「事前締着型おむつ」、「プルオンおむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。好適なパンツが、米国特許第5,246,433号明細書(Hasse et al.、1993年9月21日発行);米国特許第5,569,234号明細書(Buell et al.、1996年10月29日発行)、米国特許第6,120,487号明細書(Ashton、2000年9月19日発行);米国特許第6,120,489号明細書(Johnson et al.、2000年9月19日発行)、米国特許第4,940,464号明細書(Van Gompel et al.、1990年7月10日発行)、米国特許第5,092,861号明細書(Nomura et al.、1992年3月3日発行)、米国特許出願第2003/0233082 A1号明細書、発明の名称「Highly Flexible And Low Deformation Fastening Device」(2002年6月13日出願)、米国特許第5,897,545号明細書(Kline et al.、1999年4月27日発行)、米国特許第5,957,908号明細書(Kline et al.、1999年9月28日発行)、米国特許出願第11/197,197号(LaVon et al.、2005年8月4日出願);同11/224,462号(Lavon et al.、2005年9月12日出願);同11/286,614号(LaVon、2005年11月23日出願);同11/286,612号(LaVon、2005年11月23日出願);及び同11/709,500号(LaVon et al.、2007年2月27日発行)に開示されている。
【0015】
「実質的に界面活性剤を含まない」とは、本明細書では、10重量%未満の界面活性剤若しくはその混合物、5重量%未満の界面活性剤、1重量%未満の界面活性剤を含有するか、界面活性剤を含有しないか、又はわずかに微量の界面活性剤を含有し、界面活性剤がアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性であってよいか、又はその混合物を含んでよく、物品構成要素の表面(例えば、不織布材料の繊維又はフィルムの表面)との接触時に(米国特許第6,772,708号、Kloftaに開示される)合成尿の接触角を縮小することにより物品構成要素の湿潤性を増大させるように機能する、ダスティング層等の物品構成要素を述べるのに使用される。
【0016】
結合剤
結合剤は、液体活性化着色剤、又は着色剤の組み合わせを、マトリックス内で不動化して着色剤がおむつのコア又は吸収性物品のその他の領域内に浸出するのを妨害するいかなる材料であってもよい。色のコントラスト及び鮮やかさを最適化するためには、尿等の液体と接触する前後に、着色剤をマトリックス内に「閉じ込める」ことが非常に好ましい。結合剤は、着色剤がマトリックスの外部へ浸出するのを妨害するだけでなく、液体活性化処方物剤物全体が吸収性物品の構成要素に結合するのを助けることもできる。例えば、結合剤は、おむつバックシートの表面と液体活性化処方物剤物との間に強力な結合を形成するのを助けることができる。本発明の液体活性化処方物剤のホットメルト結合マトリックスに結合剤として使用するのに好適となり得る様々な材料が存在する。
【0017】
一実施形態では、考えられる結合剤として、ロジン、ロジンエステル、重合ロジン、ペンタエリスリトールロジンエステル、変性スチレン−アクリルポリマー及びその塩、スチレン化テルペン、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。同じく結合剤として好適なものは、接着剤、第四級アンモニウム化合物、第四級ポリマー、ゴム、ラテックス及びラテックスエマルション、ワックス、界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及びこれらの組み合わせである。
【0018】
好適なロジン混合物は、Arizona ChemicalのSylvatac RE98とEastmanのPoly−Pale(商標)の組み合わせであり得る。Sylvatac RE−98はペンタエリスリトールロジンエステルであり、Sylvaros PR−295は重合ロジンである。どちらも安価なマトリックス成分であり、どちらも乾燥状態における暗色化に寄与することができ、どちらも効果的な粘着力及び接着力の維持に役立ち、これらの酸性は、着色剤を乾燥状態の色に保つのに役立つ。ロジンエステル、重合ロジン、及びペンタエリスリトールロジンエステルは、好適な結合剤であるのに加えて、これらの処方中の一部の他の成分に有効な可溶化剤でもあり得る。更に、理論に束縛されるものではないが、上述したように、一部のロジンエステル、重合ロジン、及びペンタエリスリトールロジンエステルの酸性は、限定されるものではないがpHインジケータ等の特定の染料の安定化に寄与すると考えられている。例えば、これらのロジンの一部は、ブロモクレゾールグリーンのような着色剤(遊離酸)を酸性の黄色の状態に維持するのに役立つ、酸性カルボキシレート基を含有する。遊離酸型のブロモクレゾールグリーンを使用する場合、この酸性黄色状態は、製品使用前の湿り度インジケータ組成物の乾燥状態に好ましい色である。
【0019】
いくつかの実施形態において、湿り度インジケータ組成物の初期乾燥状態は、いかなる着色の徴候もない完全な白色であることが好ましい。これは、白色に合成できる合成成分を使用することによって達成できる。これは、最も一般的には木に由来する天然材料であるロジン及び重合ロジンの使用と逆である。この天然ロジンは、乾燥状態では黄色が強くなる傾向があり、白色ではない。ただし、特定の場合には、二酸化チタン又はケイ酸アルミニウムナトリウムのような白色乳白剤の添加が、天然材料の使用に由来する黄色の着色を隠す効果を果たし得る。
【0020】
結合材料は、着色剤が最初の色の状態のときに着色剤を不動化してもよい。着色剤が最初の色の状態のときに結合材料が着色剤を不動化する方法は、結合材料及び着色剤の両方の種類によって異なる。例えば、第1の結合材料は、接着力、水素結合力、イオン力、極性結合力、ファンデルワールス力、双極子相互力、ロンドン分散力、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の力によって作用してもよい。
【0021】
結合剤は、組成物の約1重量%〜約90重量%、約10重量%〜約75重量%、及び約20重量%〜約65重量%等の、第1の状態にある着色剤の不動化及び安定化に有効な濃度で組成物中に用いられてよい。
【0022】
結合マトリックスは、第1及び第2の結合剤を含んでもよい。第2の結合剤は、着色剤が最終の色の状態のときに、着色剤を不動化し得る任意の物質であってよい。この不動化は、着色剤を湿り度インジケータ組成物内に結合し、着色剤がおむつコア等のおむつの他の領域に浸出するのを防止する効果がある。第1の結合剤と同様に、第2の結合剤は、湿り度インジケータ組成物の外部への着色剤の浸出を妨害するだけでなく、湿り度インジケータ組成物全体が吸収性物品内の対象とする材料に結合するのを助けることもできる。例えば、第2の結合剤は、湿り度インジケータ組成物をおむつのバックシートに結合するのに役立つ場合がある。本発明の液体活性化処方物剤物に追加の結合剤として使用するのに好適となり得る様々な材料が存在する。
【0023】
一実施形態では、結合剤は、米国特許第6,904,865号(Klofta)に開示される第2の結合剤から選択されてもよいが、これらに限定されない。
【0024】
本発明の任意の一実施形態では、結合剤は、第四級アンモニウム塩化合物、カチオン性粘土、ポリアクリル酸ポリマー、有機酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好適な第四級アンモニウム化合物の例としては、ジメチル(2−エチルヘキシル水素化タローアルキル)アンモニウムメチルサルフェート、ココアルキルメチル[エトキシル化(15)]アンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジココアルキルジメチルアンモニウムクロリド(dicocoalkyldimethly ammonium chloride)、ジ(水素化タローアルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、及びジステアリルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
第四級化合物又は1つ以上のカチオン性基を有する任意の結合剤に関連付けられる対アニオンは、特に塩化物イオンに限定されるわけではないことに留意するべきである。他のアニオンも用いることができ、非限定例としては硫酸メチル及び亜硝酸イオンが挙げられる。同様に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、プロトン、アンモニウム、置換アンモニウム等であるが、これらに限定されない、任意の好適な対カチオンが、1つ以上のアニオン性基を有する結合剤に関連付けられてよい。
【0026】
第2の結合材料は、着色剤が最終の色の状態にあるときに着色剤を不動化してもよい。着色剤が最終の色の状態にあるときに第2の結合材料が着色剤を不動化する方法は、第2の結合材料及び着色剤の両方の化学組成によって異なる。例えば、着色剤の最終の色の状態がアニオン性の長鎖分子のものであり、第2の結合材料がカチオン性分子である場合、形成される結合は、例えばイオン結合、共有結合等、又は関連する結合力の組み合わせとなり得る。別の例では、着色剤の最終の色の状態がカチオン性分子のものであり、第2の結合材料がアニオン性長鎖分子である場合、形成される結合は、例えばイオン結合、共有結合等、又は関連する結合力の組み合わせとなり得る。
【0027】
本発明の一実施形態では、第2の結合剤は、着色剤が最終の色の状態であるときに、共有結合、イオン結合、ファンデルワールス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上によって着色剤を不動化する。
【0028】
理論に束縛されるものではないが、着色剤がその最終の色の状態においてアニオンであり、第2の結合剤がカチオンである場合、又は着色剤がその最終の色の状態においてカチオンであり、第2の結合剤がアニオンである場合、第2の結合剤は着色剤とイオン結合したコアセルベートを形成すると考えられる。例えば、着色剤の最終の色の状態に関連付けられた最終の状態が尿のpHである場合、着色剤が尿に接触すると、その最終の色の状態、すなわち、アニオンに着色剤を変化させ、これによりカチオンである第2の結合剤とのイオン結合を形成する。コアセルベートの形成は、着色剤と第2の結合剤の符号が反対の電荷間のクーロン力の強い相互作用によるものである。着色剤と第2の結合剤との間に形成されたコアセルベートは、両方の種類の電荷を中和し、水又は尿等の極性溶媒中での両方の溶解度を劇的に低減する。一方で、この電荷の中和及びコアセルベートのより親油性の特性のために、マトリックス中のコアセルベートの溶解度は高いままである。これらの効果の両方が、マトリックスからの着色剤の浸出を劇的に防止する。コアセルベートの親油性の増大は、コアセルベートとマトリックスの構成成分との間の分子間結合力の増大をもたらす。これらの分子間力は、水又は尿等の液体環境への着色剤の拡散及び移動性を更に制限する場合がある。
【0029】
本発明の特定の任意の実施形態では、第2の結合剤としてカチオン性第四級アンモニウム化合物、第四級ポリマー、及びこれらの組み合わせを使用することは、特定の着色剤、特にスルホンフタレイン系のpHインジケータに属する着色剤の色の変化を暗色化するか又は強めるためにも機能してよい。理論に束縛されるものではないが、この暗色化は、複数の要因によるものであると考えられる。すなわち、1)第四級アンモニウム原材料中のアルカリ不純物、2)コアセルベートの形成を原因とする吸収の移動及び吸収係数の増大、並びに/又は3)最終の色の状態にある着色剤の形成の増大である。
【0030】
第2の結合剤は、液体活性化処方物剤のような組成物の約0.5重量%〜約20重量%、約0.5重量%〜約10重量%、及び約0.1重量%〜約5重量%等の、第2の状態にある着色剤の不動化に有効な濃度で組成物中に用いられてよい。
【0031】
ホットメルト接着剤
いくつかの実施形態では、結合剤はホットメルト接着剤であってもよい。ホットメルト接着剤結合マトリックスの追加成分としては、ベースポリマー、粘着付与剤、ワックス、ゴム、溶媒、湿潤剤、及び/又は酸化防止剤が挙げられる。ホットメルト接着剤に使用されるベースポリマーの例としては、エチレン−酢酸ビニル(EVA)コポリマー;エチレン−アクリル酸コポリマー;エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸ターポリマー;エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸ターポリマー;低密度及び高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、アタクチックポリプロピレン、酸化ポリエチレン、ポリブテン−1;非晶質ポリオレフィン、例えば非晶質アタクチックプロピレン(APP)、非晶質プロピレン/エチレン(APE)、非晶質プロピレン/ブタン(APB)、非晶質プロピレン/ヘキサン(APH)、及び非晶質プロピレン/エチレン/ブタン;ポリアミド;スチレンブロックコポリマー(SBC);スチレン/アクリル酸ポリマー及び変性スチレン/アクリル酸ポリマー;ポリカーボネート;シリコーンゴム;ポリピロール系ポリマー;熱可塑性エラストマー、例えば天然及び合成ポリイソプレン、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリアクリルゴム、ポリエーテルブロックアミド;アクリル酸のポリマー、アルキド樹脂、アミド、アミノ樹脂、エチレン−コ−ターポリマー樹脂、例えばEVA、エポキシ樹脂、フルオロポリマー、炭化水素樹脂、フェノール、ポリエステル、オレフィン、ポリウレタン、シリコーン及び官能化シリコーン、ポリスチレン及びポリビニルが挙げられる。
【0032】
ホットメルト接着剤に好適な粘着付与剤としては、限定するものではないが、天然樹脂、例えばガムコーパル等のコーパル、ダンマル、マスチック、サンダラック等;ロジン及びその誘導体;テルペン及び変性テルペン;脂肪族、脂環式、及び芳香族樹脂、例えばC5脂肪族樹脂、C9芳香族樹脂、及びC5/C9芳香族/脂肪族樹脂、水素添加炭化水素樹脂及びこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
ホットメルト接着剤に好適なワックスとしては、限定するものではないが、パラフィン及び微結晶性ワックスのようなミネラルワックス;ポリエチレンワックス;ポリエチレングリコール型ワックス;酸化ポリエチレンワックス;高度分枝ポリマーワックス、例えばBaker HughesからのVybar(商標);脂肪酸アミドワックス;天然及び合成ワックス、例えば、蜜蝋、大豆ワックス、カルナバ(carnuba)、オゾケライト、セレシン等;フィッシャートロプシュ法及びチーグラーナッタ法のいずれからも誘導されるワックス;及びシリコーンワックスが挙げられる。
【0034】
接着剤及びホットメルト接着剤のための更なる添加剤としては、可塑剤、例えばグリセリルトリベンゾエート、フタル酸エステル、パラフィン油、及びポリイソブチレン;紫外線安定剤;殺生物剤及び抗菌性保存剤;酸化防止剤、例えばBHT、ホスファイト及びホスフェート;帯電防止剤;ロジン及びその誘導体;顔料、粒子及び粉末湿潤剤、例えばポリヒドロキシステアリン酸、ポリグリセリル−4イソステアレート、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレンカーボネート、イソノニルイソノナノエート、グリセリルベヘネート/エイコサジオエート、トリヒドロキシステアリン、C12〜15アルキルベンゾエート、トリエトキシカプリリルシラン(triethoxycaprylysilane)、ヒマシ油;及び粘度調整剤が挙げられる。任意追加的に、鉱物油、イソパラフィン、ヘキサン等のアルカン、シリコーン流体、エステル、アルコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、グリコール、及び水のような溶媒を、組成物の粘度を減少させるか若しくは他の成分の溶解度を増大させるため、又は湿り度インジケータ組成物のその他の戦略的特性を変更するために、添加することができる。
【0035】
着色剤
本発明で使用される液体活性化処方物剤物は、液体活性化着色剤を含む。着色剤は、染料、インク、顔料、又はpHインジケータであってもよい。液体活性化着色剤は、湿り度インジケータ組成物中で可溶性であることができ、特定の場合には、湿り度インジケータ組成物内に着色剤を均質に懸濁又は分散するのに好適であることができる。前述したように、着色剤は水又は尿と接触すると変色する。いくつかの実施形態において、液体活性化処方物剤物は、水又は尿と接触したときに変色しない永久着色剤を更に含んでもよい。
【0036】
本発明の実施に使用できる液体活性化着色剤のいくつかの代表例としては、マラカイトグリーン、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット、エリトロシンB、メチルグリーン、メチルバイオレット2D、ピクリン酸、ナフトールイエローS、キナルジンレッド、エオシンY、メタニルイエロー、m−クレゾールパープル、チモールブルー、キシレノールブルー、塩基性フクシン、エオシンB、4−p−アミノフェノール(アゾ)ベンゼンスルホン酸−ナトリウム塩、クレゾールレッド、m−クレゾールレッド、m−クレゾールパープル、マルチウスイエロー、フロキシンB、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、コンゴレッド、メチルオレンジ、ブロモクロロフェノールブルー(水溶性又は遊離酸型)、エチルオレンジ、フルオレセイン(flourocene)WS、ブロモクレゾールグリーン、クリソイジン、メチルレッドナトリウム塩、アリザリンレッドS−H2O、コチニール、クロロフェノールレッド、ブロモクレゾールパープル、4−ナフサ、アリザリン、ニトラジンイエロー、ブロモチモールブルー、ブリリアントイエロー、ニュートラルレッド、ロゾール酸(rosalic acid)、フェノールレッド、3−ニトロフェノール、オレンジII、フェノールフタレイン、o−クレゾールフタレイン、ナイルブルーA、チモールフタレイン、アニリンブルーWS、アリザリンイエローGG、モルダントオレンジ、トロペオリン(tropaolin)O、オレンジG、酸性フクシン、チアゾールイエローG、インジゴカルミン、クレゾールレッド、メチルレッド、p−ニトロフェノール、及びアリザリンイエローRが挙げられる。特定の場合には、遊離酸型、遊離塩基型、又は塩型の着色剤を使用することが有利である。
【0037】
追加の水溶性着色剤としては、FD&CブルーNo.1、FD&CブルーNo.2、FD&CグリーンNo.3、FD&CレッドNo.40、FD&CレッドNo.4、FD&CイエローNo.5、FD&CイエローNo.6、C.I.フードブルー5、及びC.I.フードレッド7、D&CイエローNo.10、D&CイエローNo.7、D&CイエローNo.2、D&CイエローNo.8、D&CオレンジNo.4、D&CレッドNo.22、D&CレッドNo.28、D&CレッドNo.33、D&CグリーンNo.8、D&CグリーンNo.5、D&CブラウンNo.1、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。好ましくは、着色剤は湿り度インジケータ組成物に可溶性であるが、特定の場合に記載のように、着色剤は湿り度インジケータ組成物内に均質に懸濁又は分散することによって目的通りに機能できる。
【0038】
上記着色剤の多くは、尿のような水溶液と接触したときに変色しない。こうした着色剤は、永久着色剤と呼ばれ、乾燥状態又は尿のような流体と接触した後の変色状態のいずれかの湿り度インジケータ組成物の色相を変えるよう機能できる。油溶性永久着色剤のいくつかの例としては、D&CイエローNo.11、D&CレッドNo.17、D&CレッドNo.21、D&CレッドNo.27、D&CバイオレットNo.2、D&CグリーンNo.6、及びD&CオレンジNo.5が挙げられる。これらの永久油溶性着色剤は、乾燥状態又は湿潤状態のいずれかで湿り度インジケータ組成物の色相を変えることができるだけでなく、尿のような親水性液体中での溶解度が低いことからも有利となり得る。したがって、その浸出が阻害され、尿のような水性液体で湿潤した後も、湿り度インジケータ組成物中に結合し続ける可能性が高い。
【0039】
追加の好適な流体着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、及び様々な溶媒可溶性着色剤等の水溶性着色剤が挙げられる。分散又は懸濁された顔料着色剤も、これらの湿り度インジケータ組成物(液体活性化処方物剤物)に使用できる。例としては、限定するものではないが、C.I.アシッドイエロー73、C.I.ソルベントイエロー94、C.I.アシッドイエロー74、C.I.ソルベントオレンジ32、C.I.ソルベントレッド42、C.I.アシッドオレンジ11、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ピグメントオレンジ39、C.I.ソルベントオレンジ18、C.I.アシッドレッド87、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントオレンジ16、C.I.アシッドレッド91、C.I.アシッドレッド98、C.I.アシッドレッド92、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ピグメントレッド174、C.I.アシッドレッド95、C.I.ソルベントレッド73、C.I.ピグメントレッド191、C.I.アシッドレッド51、C.I.フードレッド14、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ソルベントレッド140、C.I.アシッドレッド93、C.I.ソルベントレッド47、C.I.アシッドレッド94、C.I.ソルベントレッド141、C.I.モルダントバイオレット25、C.I.ソルベントオレンジ17、C.I.ソルベントレッド46、D&Cレッド27(C.I.45410:1)、D&Cオレンジ5(C.I.45370:2)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。より好ましい流体着色剤は、D&Cレッド27、D&Cオレンジ5、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0040】
その他の好適な着色剤としては、ブロモピロガロールレッド、ブロモキシレノールブルー、メチレンブルー、モノアゾ染料(例えば、アシッドアリザリンバイオレットN)、モノアゾピラゾリン染料(例えば、アシッドイエロー34)、ジアゾ染料(例えば、アシッドブラック24)、アントラキノン染料(例えば、アシッドブラック48)、両性アントラキノン染料(例えば、アシッドブルー45)、トリフェニルメタン染料(例えば、酸性フクシン)、フタレイン系染料(例えば、o−クレゾールフタレイン)、キサンテン染料(例えば、2’7’ジクロロフルオレセインエオシンB)、複素環式アクリジン芳香族(例えば、アクリジンオレンジ)、ジフェニルメタン染料(例えば、オーラミンO)、トリフェニルメタン染料(例えば、塩基性フクシン)、カチオン性チアジン染料(アズールC)、カチオン性アントラキノン染料(例えば、ベーシックブルー47)、フタロシアニン系染料(例えば、アストラゾンオレンジ(strazon orange)G)、アントラキノン系(例えば、アリザリン)、中性錯体染料(例えば、アズールAエオシネート)、テルペン系染料(例えば、トランス−β−カロチン)、並びに上記染料の少なくとも1つを包含する組み合わせが挙げられる。着色剤の例としては、限定するものではないが、有機染料、無機染料、着色巨大分子、着色ナノ粒子及びナノ材料が更に挙げられる。染料の例としては、アクリジン染料、アントラキノン染料、アリールメタン染料、アゾ染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、フタロシアニン染料、キノン−イミン染料、アザイン染料、インドフェノール染料、オキサジン染料、オキサゾン染料、チアゾール染料、キサンテン染料、フルオレン染料、フルオロン染料、ローダミン染料が挙げられる。顔料の例としては、カドミウム顔料:カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムグリーン、カドミウムオレンジ;炭素顔料:カーボンブラック(バインブラック、ランプブラック)、アイボリーブラック(骨炭);クロム顔料:クロムイエロー及びクロムグリーン;コバルト顔料:コバルトバイオレット、コバルトブルー、セルリアンブルー、オーレオリン(コバルトイエロー);銅顔料:アズライト、ハンパープル、ハンブルー、エジプシャンブルー、マラカイト、パリスグリーン、フタロシアニンブルーBN、フタロシアニングリーンG、緑青、ビリジアン;酸化鉄顔料:サンギーヌ、カプットモータム(caput mortuum)、オキサイドレッド、レッドオーカー、ベネチアンレッド、プルシャンブルー;粘土顔料(酸化鉄):イエローオーカー、ローシェンナ、バーントシェンナ、ローアンバー、バーントアンバー;鉛顔料:鉛白、クレムニッツホワイト、ネイプルズイエロー、鉛丹;水銀顔料:バーミリオン;チタン顔料:チタンイエロー、チタンベージュ、チタンホワイト、チタンブラック;ウルトラマリン顔料:ウルトラマリン、ウルトラマリングリーンシェード;亜鉛顔料:ジンクホワイト、ジンクフェライトが挙げられる。その他の例としては、アリザリン、アリザリンクリムゾン、ガンボージ、コチニールレッド、ローズマダー、インジゴ、インディアンイエロー、チリアンパープル、有機キナクリドン、マゼンタ、フタログリーン、フタロブルー、ピグメントレッドが挙げられる。
【0041】
水発色性イオン化合物
水発色性イオン化合物は一般的に、イオン化塩のような反応性イオン化合物である。本発明の実施に使用できる水発色性イオン化合物のいくつかの代表例としては、硫酸水素リチウム、炭酸水素リチウム、硫酸水素カリウム、炭酸水素カリウム、硫酸水素ルビジウム、炭酸水素ルビジウム、硫酸水素セシウム、炭酸水素セシウム、硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム五水和物、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム、塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸銅、硝酸銅、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、クエン酸、クエン酸二水素一ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グリコール酸、グリコール酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、マレイン酸、マレイン酸ナトリウム、酢酸、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸モノステアリル、リン酸モノセチル、クエン酸モノステアリル、塩化水素酸、硝酸、硫酸及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0042】
乳白剤
本発明の液体活性化処方物剤物に使用できる乳白剤は、ポロシゲンであっても抗ポロシゲンであってもよく、一般的には乾燥固体状態にあるとき(インク処方に組み込まれる前)に白色粉末である。乳白剤がポロシゲンとして作用する場合、乳白剤は、基材に塗布されたコーティング(例えば、おむつの外層に印刷されたコーティング)を通して液体を透過させる。換言すれば、ポロシゲンは、液体がその中を通過することができ、コーティングを通した液体の透過を促進する化合物である。抗ポロシゲンの場合、液体透過は、液体遮蔽材料の構造を破壊することによって抗ポロシゲンに近接して形成される液体透過性の隙間によって達成される。換言すれば、抗ポロシゲンは、コーティングを通して液体を流すことができるようにするサイズ及び構造の孔を乾燥コーティング構造内に存在させる。利用可能な乳白剤のいくつかの代表例としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、シリカ、デンプン、エトセル、メトセル、炭酸バリウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、EvonikのSipernat(商標)820aのようなケイ酸アルミニウムナトリウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、及び酸化アルミニウムが挙げられる。好適な高分子乳白剤としては、Rohm and HaasからのOpulyn(商標)301、及び同じくRohm and HaasからのSunSphere(商標)シリーズの乳白剤のようなスチレン/アクリレートコポリマーが挙げられる。
【0043】
追加成分
追加成分としては、例えば、安定剤、界面活性剤、構造補助剤、及び/又は溶媒が挙げられる。存在する場合、このような追加成分は、典型的には、例えば組成物の約0.001重量%〜約50重量%、約0.1重量%〜約40重量%、又は約1重量%〜約35重量%のような、成分の効果をもたらすのに有効な濃度で組成物中に用いられる。溶媒としては、液体、ゲル又は半固体材料が挙げられる。溶媒は、水、揺変性材料、ペースト、アルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、鉱物油、エステル、シリコーン流体、イソパラフィン、ヘキサン等のアルカン、トルエン、キシレン、PEG−200のような低分子量ポリエチレングリコール、グリセリン、グリコール、不燃性溶媒、接着剤、又はその他の有機種であってもよい。好ましい非水性溶媒は、アルコール、アセテート、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。アルコール溶媒は、好ましくは、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エタノール、メタノール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。同様に、好適なアセテート溶媒としては、限定するものではないが、イソプロピルアセテート、n−プロピルアセテート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0044】
有効となり得るその他の好適な溶媒としては、水、水性洗剤溶液、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、イソプロパノール、エタノール、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、ヘキサン、エチル15アセテート、酢酸(酢)、セチルアルコール(脂肪族アルコール)、ジメチコーンシリコーン、イソプロピルラノレート、ミリステート、パルミテート、ラノリン、ラノリンアルコール及び油、オクチルドデカノール、オレイン酸(オリーブ油)、パンテノール(ビタミンB−錯体誘導体)、ステアリン酸及びステアリルアルコール、ブチレングリコール及びプロピレングリコール、シクロメチコン(揮発性シリコーン)、グリセリン、アロエ、ワセリン等が挙げられる。有用な接着剤としては、例えば、アルキド、動物性にかわ、カゼインにかわ、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エポキシ樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸塩化ビニル、ポリビニリデンコポリマー、シリコーン、デンプン系植物性にかわ、ウレタン、アクリロニトリルゴム、ポリブテンゴム、塩素化ゴム、スチレンゴム等をベースとするものが挙げられる。ワックス、例えばポリオレフィンワックス、蜜蝋等、及びゲル、例えば、グリコールジメタクリレート、キトサン、ポリアクリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等も、変色をもたらすのに有効な場合がある。
【0045】
本発明に好適な界面活性剤としては、例えば、エトキシル化アルコール、脂肪族アルコール、高分子量アルコール、CrodaからのTween(商標)40のようなエトキシル化ソルビタンエステル、New Phase Inc.からのperformathox(商標)450のようなエトキシル化パレス界面活性剤、当該技術分野で既知のエステル、ポリマー並びにその他の天然及び合成ワックス又はオレフィン性材料;アニオン性及びカチオン性界面活性剤、PEG−20ステアレートのようなアルコキシル化アルキレート、末端キャップされたアルコキシル化アルコール、PEG−30グリセリルステアレートのようなアルコキシル化グリセリル及びポリグリセリルアルキレート、グリセリルステアレートのようなグリセリルアルキレート、アルコキシル化硬化ヒマシ油、アルコキシル化ラノリン及び水素添加ラノリン、アルコキシル化ソルビタンアルキレート、アルキルグリコシド及び糖エステルのような糖誘導界面活性剤、例えば、ポロキサマー、ポリソルベート、及びスルホコハク酸アルキルエステルが挙げられる。さらなる例としては、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤並びにこれらの任意の組み合わせ、UniqemaからMONOWET MOE75として入手可能な特定のジエチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、Cytec Inc.からのAerosol(商標)OT−100のようなジオクチルスルホコハク酸ナトリウム界面活性剤シリーズが挙げられる。別の例は、4−1−アミノエチルフェノールポリオキシエチレン脂肪エーテル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、TWEEN、及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。
【0046】
その他の好適な界面活性剤は、中性のブロックコポリマー界面活性剤であってもよく、これはポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ポリ[ポリ(エチレンオキシド)−ブロック−ポリ(プロピレンオキシド)]コポリマー又はプロピレングリコール−エチレングリコールブロックコポリマーから選択できる。好適な中性高分子界面活性剤としては、TWEEN界面活性剤、例えばTWEEN 20界面活性剤、TWEEN 40界面活性剤及びTWEEN 80界面活性剤、並びにTRITON X−100界面活性剤が挙げられ、これらはSigma−Aldrich,Incorporatedから入手できる。その他の好適な中性界面活性剤としては、ポリエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコールソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリプロピレングリコールソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシプロピレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシプロピレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシプロピレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシプロピレンソルビタン、モノラウリン酸ポリアルキングリコールソルビタン、モノパルミチン酸ポリアルキングリコールソルビタン、モノステアリン酸ポリアルキングリコールソルビタン、モノオレイン酸ポリアルキングリコールソルビタン、トリオレイン酸ポリアルキングリコールソルビタン、及びこのような中性界面活性剤の混合物が挙げられる。
【0047】
中性のブロックコポリマーをベースとする界面活性剤としては、FLURONICシリーズのブロックコポリマー、例えばPLURONIC P84又はFLURON IC P85界面活性剤が挙げられ、これらはBASF Corporationから入手できる。
【0048】
その他の好適な中性ブロックコポリマーをベースとする界面活性剤としては、ノニルフェノールエトキシレート、直鎖アルキルアルコールエトキシレート、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー及びプロピレングリコール−エチレングリコールブロックコポリマーが挙げられる。
【0049】
着色剤がpHインジケータである場合及び吸収性物品が高温多湿条件下で保管されることがある場合、安定剤を含むことが望ましいものであり得る。安定剤を含むことは、インク処方中の着色剤の色の変化を予定よりも早期に活性化させてしまう可能性がある物質及び/又は化学物質が存在する場合の新しいおむつの設計にとって特に重要でもある。
【0050】
本発明の一実施形態では、安定剤は酸性安定剤である。本発明の別の実施形態では、安定剤は塩基性安定剤である。理論に束縛されるものではないが、安定剤を含むことは、システムが高湿度及び/又はおむつの特定の構成成分に曝露された場合でも、着色剤の周囲を酸性安定剤で低pH環境等の安定したpHに維持することにより、高湿度環境及び/又はおむつの特定の構成成分への曝露を原因とする予定よりも早期の変化に対して着色剤を安定化させるのに重要な役割を果たすと考えられる。このように安定したpH環境を維持することにより、特に着色剤がpHインジケータである場合、着色剤が最初の乾燥状態の色に保持される。乾燥剤も、湿り度インジケータ組成物を予定よりも早期に活性化する可能性のある遊離水を捕捉することによって組成物を安定化することができる。好適な乾燥剤の例としては、シリカゲル、ベントナイト粘土、活性アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸銅(II)、及び硫酸マグネシウムが挙げられる。
【0051】
適切に機能する湿り度インジケータの重要な特性の1つは、尿との接触後に相応の時間内で顕著な色の変化を示す一方で、様々な保管及び梱包状況下で乾燥状態の色を維持することである。また着色剤は、おむつ内に存在し得る様々な化学物質及び物質に対して安定した状態を保つ必要がある。マトリックスの一部としてロジン中に存在する酸性部分は、乾燥状態の色の保持に役立ち得るものの、おむつ内の高pH構成成分が着色剤の望ましくない、予定よりも早期の変色活性化をもたらし得る一部の新しいおむつの設計には、追加の安定剤成分が必要であることが判明している。着色剤を酸性の乾燥状態の色に維持するには、好適な強度の酸を追加する必要がある。好適な強度は、着色剤及び色を変化させるpH範囲によって規定される。着色剤のpKa値は、選択した安定剤の特性を評価する際に特に重要である。
【0052】
3.8〜5.4のpHで変色するブロモクレゾールグリーンを含むスルホンフタレイン類のようなpHインジケータ着色剤(「The Sigma−Aldrich Handbook of Stains,Dyes and Indicators」、Floyd J.Green著、Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee,WI)参照)の場合、安定剤は、適切に強酸性の部分に寄与し、ブロモクレゾールグリーンをマトリックス中でその黄色状態に保つ。硫酸及び塩化水素酸等の多くの強酸はこれを達成するために好適な低pHを有するが、これらは、無水マトリックスにおける溶解度が低い。更に、これらの強い酸性は、湿潤組成物及びおむつ内に存在する構成成分の一部の構造を化学的に分解し得る。前述したように、ロジン又は重合ロジン等のマトリックス成分中に存在するカルボン酸部分も着色剤を酸性の色の状態に維持するのに役立ち得るものの、カルボン酸は、典型的には弱すぎるため、高湿度及び/又は新しいおむつの設計内の高pH構成成分に曝露された場合には、ブロモクレゾールグリーンの乾燥状態の黄色を維持できない。カルボン酸の強度を増強するために、分子のカルボン酸部分と別の部分との間に電子求引性基を追加できる。ステアリン酸等の脂肪酸は、乾燥状態の色を保持するのに役立ち得るものの、カルボン酸基とアルキル鎖との間にポリオキシエチレン基を挿入してより強力な酸にすることにより、更に効果的にすることができる。これらの種類の分子はエーテルカルボン酸塩と呼ばれ、これらの酸分子は、ブロモクレゾールグリーン等pHインジケータ着色剤の乾燥状態の酸性型を維持するのに効果的となり得る。更に、これらのエーテルカルボン酸塩中に存在するアルキル基は、湿り度インジケータマトリックス中での溶解度を増大させる。最後に、エーテルカルボン酸塩の界面活性は、尿の接触を受けた後で、湿り度インジケータ組成物の色の変化を活性化させるための反応速度の増大に役立ち得る。
【0053】
他の好適な安定剤は、遊離酸型のモノアルキルリン酸塩及び遊離酸型のジアルキルリン酸塩の安定剤である。リン酸塩の酸性部分はカルボン酸基よりも強酸であるので、pHインジケータ着色剤を乾燥酸性状態に保つために必要な低pH環境を維持するのにより効果的となり得る。これらの遊離酸型のアルキルリン酸塩は、高湿度又は新しいおむつの設計に存在する不安定化物質及び/若しくは化学物質を原因とする予定よりも早期の活性化を防止してブロモクレゾールグリーン着色剤の乾燥状態の色を保つのに特に有効であることが判明している。特に有効な遊離酸型のアルキルリン酸塩は、遊離酸型のステアリルリン酸塩、遊離酸型のセチルリン酸塩、及び遊離酸型のセテアリルリン酸塩である。したがって、リン酸塩は、pHインジケータ着色剤を酸性の乾燥状態の形態に保つために好適な強酸であり、親油性のアルキル部分は、湿り度インジケータ組成物中での溶解度を増大させるのに役立つ。更に、遊離酸型のアルキルリン酸塩の界面活性は、湿り度インジケータ組成物が尿の接触を受けた後の色の変化の反応速度を加速するのに役立ち得る。
【0054】
おむつ内の高湿度及び/又は不安定化構成成分に対して湿り度インジケータ処方を安定化させるのに特に有効な他の酸性安定剤には、ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、アスコルビン酸、及びサリチル酸等の低分子量酸等であるが、これらに限定されない有機酸、クエン酸エステル(例えば、クエン酸モノステアリル及びクエン酸モノセチル)、グリコール酸エステル、乳酸エステル等の酸エステル、モノステアリルリン酸塩及びモノセチルリン酸塩等の有機酸含有リン、エーテルカルボン酸、N−アシルサルコシン酸、N−アシルグルタミン酸、N−アシルエチレンジアミン三酢酸、アルカンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホン酸脂肪酸メチルエステル、硫酸エステル、リン酸などの無機酸、及び、これらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な塩基性安定剤の例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロピレントリアミン、ジイソプロピルアミン(diiosopropyl amine)、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン、1,3−ペンタンジアミン等であるが、これらに限定されない有機ジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、及びこれらの組み合わせ等であるが、これらに限定されない無機塩基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
安定剤は、存在する場合には、典型的には、組成物の約0.001重量%〜約30重量%、約0.1重量%〜約15重量%、及び約1重量%〜約10重量%の、着色剤を安定化するのに有効な濃度で組成物中に用いられる。
【0056】
本発明は、HLB(親水性親油性バランス)調整剤、粘度調整剤、硬化剤、湿潤剤、酸化防止剤、抗浸出助剤、及び/又は着色剤可溶化剤のような構造補助剤を包含してもよい。好適な構造補助剤としては、ゴム分子の両端にポリスチレンブロックを有するブロックコポリマーのような高分子増粘剤、上記のエチレンと酢酸ビニルのコポリマー(EVA)、硬化ヒマシ油、ポリマー、脂肪酸の金属塩、シリカ及び/又は誘導体化されたシリカ、変性及び未変性ヘクトライト及びベントナイトのような有機粘土、変性ラポナイト粘土のような変性粘土、ジベンジリデンソルビトール(dibenylidene sorbitol)、アルキルガラクトマンナン、ステアリン酸水酸化アルミニウムマグネシウム/油ブレンド並びにラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドが挙げられる。硬化剤としては、上記のワックス、C14〜22脂肪族アルコール、C14〜22脂肪酸、C23〜60カルボン酸、硬化植物油、ポリマー、ソルビタンエステル及びその他の高分子量エステルが挙げられる。
【0057】
湿潤剤は、界面活性剤又は界面活性剤の混合物であることができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤でもイオン性界面活性剤でもよい。イオン性界面活性剤は、正又は負のいずれかに帯電し得るものである。非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルポリ(エチレンオキシド)、例えばポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)のコポリマー(商業的にポロキサマー又はポロキサミンと呼ばれる)、アルキルポリグルコシド、例えばオクチルグルコシド及びデシルマルトシド、脂肪族アルコール、例えばセチルアルコール、オレイルアルコール、コカミドMEA及びコカミドDEAが挙げられる。イオン性界面活性剤の例としては、アニオン性(例えば、サルフェート、スルホネート、又はカルボキシレートアニオンをベースとする)界面活性剤、例えばs(SDS)、ラウリル硫酸アンモニウム及びその他のアルキル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)としても知られるラウレス硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石鹸、又は脂肪酸塩;並びにカチオン性(例えば、第四級アンモニウムカチオンをベースとする)界面活性剤、例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、別名臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、及びその他のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム(CPC)、ポリエトキシレート化タローアミン(POEA)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT);又は双性イオン性(両性)界面活性剤、例えばドデシルベタイン、ドデシルジメチルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、ココアンホグリシネートが挙げられる。あるいは、湿潤剤は親水性分子であってもよい。親水性分子は、スクロース、グルコース及びグリセロールのような小分子であってもよい。親水性分子は、ポリエチレングリコール及びそのコポリマーのようなポリマーであってもよい。
【0058】
基材
本発明の一実施形態では、本発明の液体活性化処方物剤物は、基材上及び/又は基材中にあってもよい。基材上に存在する場合、液体活性化処方物剤物は、典型的に、水、尿、経血、血液等の液体と接触する基材上及び/又は基材中にある。基材としては、限定するものではないが、構造成分、例えば、織布、不織布、フィルム、スポンジ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。基材は、合成材料及び/又は天然材料を含んでよい。本発明の一実施形態では、任意の基材は、連続不織布のようにそれ自体で物品であってよい。本発明の別の実施形態では、液体活性化処方物剤物が適用されてもよい、又は別の方法で付着されてもよい基材は、バックシート、トップシート、締結具、吸収材料等が挙げられるが、これらに限定されない吸収性物品の構造要素の任意の1つ又はこれらの組み合わせを含むか、又は製品に追加若しくは適用される別個の要素であってよい。本発明の任意の一実施形態では、液体活性化処方物剤物は、吸収性物品の全体に適用される。いくつかの実施形態において、液体活性化処方物剤物は単一層である。このような単一層は、基材又は構造成分に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、単一層処方は、バックシートと吸収性コアとの間に配置されてもよく、他の実施形態では、トップシートと吸収性コアとの間に配置されてもよい。
【0059】
指示材料は、前記基材の表面上に、a)単色カラースキームのみ、二色、又は多色、b)様々な形状及びサイズ、c)模様の画像又は英数字記号及び単語、又はこれらの組み合わせとしてコーティングされてもよい。色遷移は、a)着色から無着色へ、b)無着色から着色へ、c)着色から別の着色へ、又はd)a)とb)とc)との組み合わせ、のいずれかであってもよい。
【0060】
本明細書に用いる基材、吸収性物品、及びその構造要素の製造は、本発明の一部ではない。以下の説明は処方の便宜のためのものであり、本明細書で用いられる基材の種類を限定することを意図するものではない。
【0061】
本発明の一実施形態では、使い捨て吸収性物品は使い捨ておむつである。典型的には、最近の使い捨ておむつは、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、トップシートとバックシートとの少なくとも一部の間に配置されてよい吸収性コア、サイドパネル、弾性脚部カフ、弾性腰部構造部、及び締着装置を含む。一実施形態では、使い捨ておむつの対向する側面が継ぎ合わされるか、又は結合されて、パンツを形成してよい。これにより、この物品が、トレーニングパンツ等のプルオン型おむつとして使用可能になる。使い捨ておむつの構造、組み立て、及び様々な構成要素(バックシート、ダスティング層、上側及び下側カバーシート、並びにウェブ等)についての追加の例示的な、ただし非限定的な情報は、米国特許第3,860,003号(Buell)、米国特許第5,151,092号(Buell)、米国特許第5,221,274号(Buell)、米国特許第5,554,145号(Roe et al.、1996年9月10日)、米国特許第5,569,234号(Buell et al.)、米国特許第5,580,411号(Nease et al.)、米国特許第6,004,306号(Robles et al.)、米国特許第5,938,648号(LaVon et al.)、米国特許第5,865,823号(Curro)、米国特許第5,571,096号(Dobrin et al.)、米国特許第5,518,801号(Chappell et al.)、米国特許第4,573,986号(Minetola et al.)、米国特許第3,929,135号(Thompson)、米国特許第4,463,045号(Ahr et al.)、米国特許第4,609,518号(Curro et al.)、米国特許第4,629,643号(Curro et al.)、米国特許第5,037,416号(Allen et al.)、米国特許第5,269,775号(Freeland et al.)、米国特許第4,610,678号(Weisman et al.)、米国特許第4,673,402号(Weisman et al.)、米国特許第4,888,231号(Angstadt)、米国特許第5,342,338号(Roe)、米国特許第5,260,345号(DesMarais et al.)、米国特許第5,026,364号(Robertson)、米国特許第3,848,594号(Buell)、米国特許第4,846,815号(Scripps)、米国特許第4,946,527号(Battrell)、米国特許第4,963,140号(Robertson et al.)、米国特許第4,699,622号(Toussant et al.)、米国特許第5,591,152号(Buell et al.)、米国特許第4,938,753号(Van Gompel et al.)、米国特許第5,669,897号(LaVon et al.)、米国特許第4,808,178号(Aziz et al.)、米国特許第4,909,803号(Aziz et al.)、米国特許第4,695,278号(Lawson)、及び米国特許第4,795,454号(Dragooに付与)、並びに米国特許出願第10/770,043号(LaVon)、同第7,318,820号(LaVon et al.)、同第6,962,578号(LaVon)、同第7,377,914号(LaVon)、同第11/715,976号(LaVon)、同第10/880,128号(LaVon)、同第11/131,799号(LaVon et al.)、同第11/133,818号(LaVon et al.)、同第11/135,689号(LaVon)、同第11/140,888号(LaVon et al.)、同第11/158,563号(LaVon et al.)、同第11/159,916号(LaVon et al.)、同第11/197,197号(LaVon et al.)、同第11/210,345号(LaVon et al.)、同第11/224,462号(LaVon et al.)、同第11/231,511号(LaVon et al.)、同第11/231,512号(LaVon et al.)、同第11/231,500号(LaVon et al.)、同第7,320,684号(LaVon et al.)、同第11/286,934号(LaVon et al.)、同第11/286,614号(LaVon)、同第11/286,612号(LaVon)、同第11/700,585号(LaVon et al.)、同第11/709,500号(LaVon et al.)、同第11/713,906号(LaVon et al.)、同第11/728,127号(LaVon et al.)、同第61/073,154号(LaVon)、及び同第61/073,169号(LaVon)、米国特許出願公開第2004/0162536号(Becker、2004年2月11日出願)、同第2007/0167928号(Becker、2007年3月13日出願)、同第2007/0179464号(Becker、2007年3月13日出願)、同第2007/0156108号(Becker、2007年3月13日出願)、及び同第2004/0167486号(Busam、2004年2月11日出願)、米国特許出願第60/936,102号(Hundorf、2007年6月18日出願)、同第60/936,109号(Hundorf、2007年6月18日出願)、同第60/936,149号(Hundorf、2007年6月18日出願)、同第60/936,085号(Ashton、2007年6月18日出願)、同第60/936,084号(Ashton、2007年6月18日出願)、同第60/936,150号(Ashton、2007年6月18日出願)、同第60/936,146号(Asthon、2007年6月18日出願)、同第60/936,037号(Ashton、2007年6月18日出願)、及び同第61/091,799号(Hundorf、2008年8月26日)に見出すことができる。
【0062】
本発明の代替の一実施形態では、トップシートの一部又は全部、バリアレグカフの一部又は全部等吸収性物品の一部は、当該技術分野において既知のようにローションで任意にコーティングされてよい。好適なローションの例としては、米国特許第5,607,760号(Roe)、同第5,609,587号(Roe)、同第5,635,191号(Roe et al.)、同第5,643,588号(Roe et al.)、及び同第5,968,025号(Roe et al.)に記載されるものが挙げられるがこれらに限定されない。
【0063】
液体活性化着色剤は、液体活性化処方物剤物の総重量を基準にして約0.01重量%〜約20重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に含まれてもよく、又は約0.02重量%〜約15重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に組み込まれてもよい。液体活性化着色剤は、約0.02重量%〜約10重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に含まれてもよく、又は約0.02重量%〜約2重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に組み込まれてもよい。
【0064】
水発色性イオン化合物は、液体活性化処方物剤物の総重量を基準にして約0.01重量%〜約35重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に含まれてもよく、又は約0.1重量%〜約30重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に組み込まれてもよい。水発色性イオン化合物は、約0.1重量%〜約25重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に含まれてもよく、又は約0.1重量%〜約20重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に組み込まれてもよい。
【0065】
乳白剤は、液体活性化処方物剤物の総重量を基準にして約0.5重量%〜約75重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に含まれてもよく、又は約10重量%〜約50重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に組み込まれてもよい。乳白剤は、約20重量%〜約45重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に含まれてもよく、又は約30重量%〜約40重量%の範囲内の濃度で液体活性化処方物剤物に組み込まれてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、液体活性化着色剤は、液体活性化処方物剤物の約0.1重量%であってもよく、又は液体活性化処方物剤物の約0.01〜約5重量%であってもよい。いくつかの実施形態において、乳白剤は液体活性化処方物剤物の約0.5〜約60重量%であってもよい。二酸化チタン又はその類似物のような乳白剤の場合、重量パーセントは約0.5%〜約2%であってもよい。ケイ酸アルミニウム又はその類似物のような乳白剤の場合、重量パーセントは約30%〜約70%であってもよい。いくつかの実施形態において、水発色性イオン化合物は、水酸化ナトリウムのような強塩基又は塩化水素酸のような強酸については、液体活性化処方物剤物中に約0.1重量%又は約0.05重量%〜0.15重量%で存在してもよい。上記よりも弱い酸及び塩基については、水発色性イオン化合物は、約10重量%で又は約2重量%〜約18重量%の範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、結合マトリックスは、液体活性化処方物剤物の約25重量%〜約75重量%であってもよい。
【実施例】
【0067】
本発明を以下の実施例によって例示するが、これは例示のみを目的とし、本発明の範囲又は本発明を実施できる方法を制限するものとみなしてはならない。特記のない限り、部数及びパーセンテージは重量で与えられる。実施例は、米国特許出願第61/705,861号、発明の名称「Liquid Activated Color Change Ink and Methods of Use」に記載されている組成物及び成分のいずれも包含してもよい。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
実施例1〜5は、以下の方法で調製されてもよい。
【0074】
室温で固体である成分は、最初に約90℃の温度で溶融される。こうした成分には、結合剤、ホットメルト接着剤、ワックス、界面活性剤、及び酸化防止剤のような任意成分が包含される。一般的に、これらの成分を溶融するためには、約80℃〜100℃の温度が必要である。ホットプレート上で液体状態に溶融した後、IKA RW−20(又は類似のミキサー)のようなプロペラミキサーを用いて、混合物が均質になるまで材料を十分に混合する。この混合物を加熱及び混合し続けながら、ケイ酸アルミニウムナトリウム粉末を組成物に均質に混合する。次に、加熱を続けながら、水発色性イオン化合物、炭酸水素ナトリウムを組成物に混合する。最後に、ブロモクレゾールグリーン(遊離酸)のような着色剤を、混合物が均質になるまで組成物に混合する。ワイヤーコーターを用いてフィルムを作製するために組成物に加熱を続けてもよく、又は組成物を室温まで冷却して更に使用してもよい。
【0075】
実施例6a及び6b
上の処方、実施例6aは、水を用いて作製され、変色性能観察のため、ポリエチレンフィルム上にコーティングされる。その下の組成物、実施例6bは、加熱したヘアドライヤーで加熱することによって湿り度インジケータフィルムコーティングから水を除去した後の組成物の濃度である:
【0076】
【表6】
【0077】
実施例6a及び6bは、以下の工程によって調製してもよい:
1)Joncryl 624アクリルポリマーをビーカーに量り分ける。
2)水を量り分けて添加する。外観が均質で乳白色になるまでスパチュラで混合する。
3)この液体にSipernat 820a粉末を添加し、粘稠で白色の均質なペーストが得られるまで混合する。
4)m−クレゾールパープルを計量し、十分に混合する。
5)ポリエチレングリコール3000を加熱により液化し、スパチュラで十分に混合する。
6)水酸化ナトリウムの50%水溶液を添加し、十分に混合する。
【0078】
バー(bird)又はワイヤ式の薄膜塗布デバイスを用いて、ポリエチレン上にフィルムを作製する。
【0079】
一晩かけて水をゆっくりと蒸発させるか、又はヘアドライヤー若しくはその他の好適なデバイスで加熱することによって水の蒸発速度を上げる。
【0080】
本発明の一態様によると、図1〜3は、液体透過性トップシート12と、液体不透過性バックシート14と、トップシート12とバックシート14との間に配置された液体吸収性コア16とを有し、更に液体インジケータ20を含む、未締着で未収縮状態の吸収性物品10を示す。液体インジケータ20は、バックシート14上の、バックシート14と吸収性コア16との間に配置された液体指示インクのコーティング18を含み、その結果コーティング18が体液で湿ったときに視覚的に明らかとなる。液体インジケータは、上記の液体活性化処方物剤物である。液体インジケータは、液体と接触したときに完全に変色してもよく、又は顕著な色調の変化があってもよく、又はほぼ白(従って、着色剤がないように見える)から着色へと変わってもよく、着色から白/無色状態へと変わってもよい。図2は、吸収性物品が湿ったときにどのように見えるかの一例を示し、ここで液体インジケータ20は、湿ったときに目に見える雨粒模様で示されている。液体活性化処方物剤物は単一層であってもよい。
【0081】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0082】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てを本明細書中に参照により援用される。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として援用された文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0083】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
図1
図2
図3