(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1周波数帯域は110乃至205KHzであり、前記第2周波数帯域は6.78MHzであり、前記第3周波数帯域は206KHz乃至300KHzであることを特徴とする、請求項3に記載の無線電力受信装置。
前記変更された受信コイルのインダクタンスによって前記無線電力受信装置の使用周波数帯域を前記無線電力送信装置から転送された電力の周波数帯域にマッチングする周波数マッチング部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線電力受信装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に従う無線電力転送システムを説明するための図である。
【0016】
図1を参考すると、無線電力転送システム10は、給電装置100、無線電力送信装置200、無線電力受信装置300、及び負荷400を含むことができる。
【0017】
一実施形態において、給電装置100は無線電力送信装置200に含まれることができる。
【0018】
無線電力送信装置200は、第1送信コイル210を含むことができる。
【0019】
無線電力受信装置300は、受信コイル310及び整流部330を含むことができる。
【0020】
給電装置100の両端は第1送信コイル210の両端と連結される。
【0021】
受信コイル310の両端は整流部330の両端と連結され、負荷400は整流部330の両端に連結される。一実施形態において、負荷400は無線電力受信装置300に含まれることができる。
【0022】
給電装置100で生成された電力は無線電力送信装置200に伝達され、無線電力送信装置200に伝達された電力は電磁気誘導により無線電力受信装置300に伝達される。
【0023】
以下、より具体的に無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力転送過程を説明する。
【0024】
給電装置100は、所定の周波数を有する交流電力を生成して無線電力送信装置200に伝達する。
【0025】
第1送信コイル210と受信コイル310とは誘導結合されている。即ち、第1送信コイル210に給電装置100から供給を受けた電力により交流電流が流れれば、電磁気誘導により物理的に離隔している受信コイル310にも交流電流が誘導されて受信コイル310に交流電力が伝達できる。
【0026】
一実施形態において、第1送信コイル210から受信コイル310に転送される電力が有する周波数帯域は110乃至205KHzであるが、これは例示に過ぎない。
【0027】
その後、受信コイル310に伝達された電力は整流部330を通じて整流されて負荷400に伝達できる。
【0028】
一実施形態において、第1送信コイル210及び受信コイル310はスパイラル構造、ヘリカル構造のうち、いずれか1つの構造を有することができる。
【0029】
無線電力転送で品質指数(Quality Factor)と結合係数(Coupling Coefficient)は重要な意味を有する。即ち、電力転送効率は品質指数及び結合係数が大きい値を有するほど向上できる。
【0030】
品質指数(Quality Factor)は無線電力送信装置200または無線電力受信装置300の付近に縮尺できるエネルギーの指標を意味することができる。
【0031】
品質指数(Quality Factor)は、動作周波数(w)、コイルの形状、寸法、素材などによって変わることができる。品質指数は、数式でQ=w*L/Rのように表現できる。Lはコイルのインダクタンスであり、Rはコイル自体で発生する電力損失量に該当する抵抗を意味する。
【0032】
品質指数(Quality Factor)は0から無限大の値を有することができ、品質指数が大きいほど無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力転送効率が向上できる。
【0033】
結合係数(Coupling Coefficient)は送信側コイルと受信側コイルとの間の磁気的結合の程度を意味するものであって、0から1の範囲を有する。
【0034】
結合係数(Coupling Coefficient)は送信側コイルと受信側コイルの相対的な位置や距離などによって変わることができる。
【0035】
図2は、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力転送システムを説明するための図である。
【0036】
図2を参考すると、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力転送システム20は、給電装置100、無線電力送信装置200、無線電力受信装置300、及び負荷400を含むことができる。
【0037】
一実施形態において、給電装置100は無線電力送信装置200に含まれることができる。
【0038】
無線電力送信装置200は、第1送信コイル210及び第2送信コイル220を含むことができる。
【0039】
第1送信コイル210の両端は給電装置100の両端に連結できる。
【0040】
第2送信コイル220は、第1送信コイル210と一定の距離だけ離隔して配置できる。
【0041】
無線電力受信装置300は、受信コイル310及び整流部330を含むことができる。
【0042】
受信コイル310の両端は整流部330の両端と連結され、負荷400は整流部330の両端に連結される。一実施形態において、負荷400は無線電力受信装置300に含まれることもできる。
【0043】
給電装置100で生成された電力は無線電力送信装置200に伝達され、無線電力送信装置200に伝達された電力は電磁気誘導または共振を通じて無線電力受信装置300に伝達できる。
【0044】
以下、より具体的に無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力転送過程を説明する。
【0045】
給電装置100は、所定の周波数を有する交流電力を生成して無線電力送信装置200の第1送信コイル210に伝達する。第1送信コイル210に伝達された交流電力は電磁気誘導を通じて第2送信コイル220に伝達できる。即ち、第1送信コイル210と第2送信コイル220とは誘導結合されている。給電装置100から供給を受けた交流電力により第1送信コイル210に交流電流が流れれば、電磁気誘導により物理的に離隔している第2送信コイル220にも交流電流が誘導されて第2送信コイル220に交流電力が伝達できる。
【0046】
第2送信コイル220は、第1送信コイル210から伝達を受けた交流電力を共振または電磁気誘導を用いて無線電力受信装置300の受信コイル310に転送することができる。
【0047】
第2送信コイル220が共振を用いて受信コイル310に電力を転送する場合、第2送信コイル220と受信コイル310とは共振周波数帯域で動作するように共振結合されている。第2送信コイル220と受信コイル310との共振結合により、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力転送効率は格段に向上できる。
【0048】
第2送信コイル220が共振を用いて受信コイル310に電力を転送する場合と第2送信コイル220が電磁気誘導を用いて受信コイル310に電力を転送する場合、転送される電力が有する周波数帯域は互いに異なることができる。
【0049】
一実施形態において、第2送信コイル220が共振を用いて受信コイル310に電力を転送する場合、転送される電力が有する周波数帯域は6.78MHzであるが、これは例示に過ぎない。
【0050】
一実施形態において、第2送信コイル220が電磁気誘導を用いて受信コイル310に電力を転送する場合、転送される電力が有する周波数帯域は110乃至205MHzであるが、これは例示に過ぎない。
【0051】
このように、第2送信コイル220が共振または電磁気誘導を用いて受信コイル310に電力を転送する時、電力転送に使われる周波数帯域が異なることによって無線電力受信装置300側で使われる周波数帯域を一致させるように周波数帯域をマッチングする作業が必要である。これに対しては後述する
図5以下の内容を参照して具体的に説明する。
【0052】
図3は、本発明の一実施形態に従う第1送信コイル210の等価回路図である。
【0053】
図3に示すように、第1送信コイル210はインダクタL1及びキャパシタC1で構成されることができ、これらにより適切なインダクタンス及びキャパシタンス値を有する回路を構成するようになる。
【0054】
第1送信コイル210は、インダクタL1の両端がキャパシタC1の両端に連結された等価回路で構成できる。即ち、第1送信コイル210はインダクタL1とキャパシタC1が並列に連結された等価回路で構成できる。
【0055】
キャパシタC1は可変キャパシタであって、キャパシタC1のキャパシタンスが調節されることによってインピーダンスマッチングが遂行できる。第2送信コイル220及び受信コイル310の等価回路図も
図3の図示と同一でありうる。
【0056】
図4は、本発明の一実施形態に従う給電装置100及び無線電力送信装置200の等価回路図である。
【0057】
図4に示すように、第1送信コイル210及び第2送信コイル220は各々所定のインダクタンス値とキャパシタンス値を有するインダクタL1、L2とキャパシタC1、C2で構成できる。
【0058】
図5は、本発明の一実施形態に従う無線電力受信装置300の等価回路図である。
【0059】
図5に示すように、受信コイル310は所定のインダクタンス値とキャパシタンス値を有するインダクタL3とキャパシタC3で構成できる。
【0060】
整流部330は、受信コイル310から伝達を受けた交流電力を、直流電力を整流して整流された直流電力を負荷400に伝達することができる。
【0061】
具体的に、整流部330は整流器及び平滑回路を含むことができる。一実施形態において、整流器はシリコン整流器が使われることができ、
図4に示すように、ダイオードD1に等価化できる。
【0062】
整流器は、受信誘導コイル320から伝達を受けた交流電力を直流電力に変換することができる。
【0063】
平滑回路は、整流器で変換された直流電力に含まれた交流成分を除去して滑らかな直流電力を出力することができる。一実施形態において、平滑回路は
図4に示すように、整流キャパシタC5が使用できるが、これに限定されるものではない。
【0064】
負荷400は、直流電力を必要とする任意の充電池または装置でありうる。例えば、負荷400はバッテリーを意味することができる。
【0065】
無線電力受信装置300は、携帯電話、ノートブック、マウスなど、電力を必要とする電子機器に装着できる。これによって、受信コイル310は電子機器の形態に合う形状を有することができる。
【0066】
無線電力送信装置200は、無線電力受信装置300とインバンド(In band)またはアウトオブバンド(out of band)通信を用いて情報を交換することができる。
【0067】
インバンド(In band)通信は無線電力転送に使われる周波数を有する信号を用いて無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の情報を交換する通信を意味することができる。無線電力受信装置300はスイッチをさらに含むことができ、前記スイッチのスイッチング動作を通じて無線電力送信装置200から送信される電力を受信したり、受信しなかったりすることができる。これによって、無線電力送信装置200は無線電力送信装置200で消耗される電力量を検出して無線電力受信装置300に含まれたスイッチのオンまたはオフ信号を認識することができる。
【0068】
具体的に、無線電力受信装置300は抵抗とスイッチを用いて抵抗で吸収する電力量を変化させて無線電力送信装置200で消耗される電力を変更させることができる。無線電力送信装置200は、前記消耗される電力の変化を感知して無線電力受信装置300の状態情報を獲得することができる。スイッチと抵抗は直列に連結できる。一実施形態において、無線電力受信装置300の状態情報は、無線電力受信装置300の現在の充電量及び充電量の推移に対する情報を含むことができる。
【0069】
より具体的に説明すると、スイッチが開放されれば、抵抗が吸収する電力は0となり、無線電力送信装置200で消耗される電力も減少する。
【0070】
スイッチが短絡されれば、抵抗が吸収する電力は0より大きくなり、無線電力送信装置200で消耗される電力は増加する。無線電力受信装置でこのような動作を繰り返すと、無線電力送信装置200は無線電力送信装置200で消耗される電力を検出して無線電力受信装置300とデジタル通信を遂行することができる。
【0071】
無線電力送信装置200は前記のような動作によって無線電力受信装置300の状態情報を受信し、それに適合した電力を送信することができる。
【0072】
これとは反対に、無線電力送信装置200側に抵抗とスイッチを備えて無線電力送信装置200の状態情報を無線電力受信装置300に転送することも可能である。一実施形態において、無線電力送信装置200の状態情報は無線電力送信装置200が転送することができる最大供給電力量、無線電力送信装置200が電力を提供している無線電力受信装置300の個数及び無線電力送信装置200の使用可能な電力量に対する情報を含むことができる。
【0073】
次に、アウトオブバンド通信について説明する。
【0074】
アウトオブバンド通信は、無線電力転送で使われる周波数帯域でない別途の周波数帯域を用いて電力転送に必要な情報を交換する通信をいう。無線電力送信装置200と無線電力受信装置300は、アウトオブバンド通信モジュールを装着して電力転送に必要な情報を交換することができる。前記アウトオブバンド通信モジュールは給電装置に装着されることもできる。一実施形態において、アウトオブバンド通信モジュールはブルートゥース、ジグビー、無線LAN、NFC(Near Field Communication)のような近距離通信方式を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0075】
次に、
図6乃至
図14を参照して、無線電力転送で使われる周波数帯域によって受信側コイルのインダクタンスを可変させて周波数をマッチングさせる方法について説明する。
【0076】
図6は、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力転送システムを説明するための図である。
【0077】
図6は参照すると、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力転送システム10は、給電装置100、無線電力送信装置200、無線電力受信装置300、及び負荷400を含むことができる。
【0078】
ここで、給電装置100、無線電力送信装置200、及び負荷400は、
図2乃至
図5で説明したものと同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0079】
無線電力受信装置300は、受信コイル310、周波数検出部350、インダクタンス可変部360、周波数マッチング部370、及び整流部330を含むことができる。
【0080】
受信コイル310は、無線電力送信装置200から無線で電力を受信することができる。
【0081】
受信コイル310が無線電力送信装置200から無線で電力を受信する場合、受信コイル310は無線電力送信装置200に備えられた第2送信コイル220と磁気的にカップリングされて第2送信コイル220から磁場を通じて無線で電力を受信することができる。
【0082】
無線電力送信装置200が受信コイル310に無線で電力を転送する場合、無線電力送信装置200から受信コイル310に転送される電力が有する周波数帯域は多様な周波数帯域が使用できる。一実施形態において、多様な周波数帯域の例示として3種類の周波数帯域を含むことができる。
【0083】
第1周波数帯域は110乃至205KHzであって、電磁気誘導を通じて無線で電力を転送する技術規格であるWPC(Wireless Power Consortium)で使われる周波数帯域でありうる。この場合、受信コイル310が有する外径は40mmであるが、これは例示に過ぎない。
【0084】
第2周波数帯域は6.78MHzであって、共振を通じて無線で電力を転送する技術規格であるA4WP(Alliance for Wireless Power)で使われる周波数帯域でありうる。この場合、受信コイル310が有する外径は20mmであるが、これは例示に過ぎない。
【0085】
第3周波数帯域は206乃至300KHzであって、電磁気誘導を通じて無線で電力を転送する技術規格であるPMA(Power Matters Alliance)で使われる周波数帯域でありうる。この場合、受信コイル310が有する外径は35mmであるが、これは例示に過ぎない。
【0086】
しかしながら、前記周波数帯域の数値は例示に過ぎない。
【0087】
受信コイル310はスパイラル(spiral)、ヘリカル(helical)形態を有することができるが、これに限定されるものではなく、多様な形態を有することができる。
【0088】
一実施形態において、無線電力受信装置300が携帯電話のような移動端末機に装着される場合、受信コイル310はスパイラル構造を有することができる。
【0089】
受信コイル310を等価回路で具現すれば、適切なインダクタンスを有するインダクタを含む構成で表現できる。
【0090】
周波数検出部350は、受信コイル310が受信する電力が有する周波数帯域を検出することができる。一実施形態において、周波数検出部350はインバンド通信またはアウトオブバンド通信を通じて受信コイル310が受信する電力が有する周波数帯域を検出することができる。
【0091】
一実施形態において、無線電力受信装置300が無線電力送信装置200から第1周波数帯域の電力を受信する場合、インバンド通信を通じて無線電力送信装置200と通信を遂行することができ、この場合、周波数検出部350は無線電力送信装置200に連結信号(ping)を転送し、それに対する応答信号を通じて周波数帯域を検出することができる。ここで、第1周波数帯域は110乃至205KHzであって、電磁気誘導を通じて無線で電力を転送する技術規格であるWPC(Wireless Power Consortium)で使われる周波数帯域でありうる。
【0092】
連結信号は無線電力受信装置300が無線電力送信装置200から正常に第1周波数帯域の電力を受信していることを確認する信号でありうる。
【0093】
仮に、周波数検出部350が連結信号に対する応答信号を受信できない場合、周波数検出部350は無線電力送信装置200が第2周波数帯域の電力を送信することと判断することによって、周波数帯域が第1周波数帯域なのか、第2周波数帯域なのかを検出することができる。ここで、第2周波数帯域は6.78MHzであって、共振を通じて無線で電力を転送する技術規格であるA4WP(Alliance for Wireless Power)で使われる周波数帯域でありうる。
【0094】
一実施形態において、周波数検出部350は連結信号に対する応答信号を受信できない場合、無線電力送信装置200とインバンド通信を中断し、アウトオブバンド通信を用いて無線電力送信装置200が転送する電力の周波数を検出することができる。
【0095】
周波数検出部350がアウトオブバンド通信を通じて受信コイル310が受信する電力が有する周波数帯域を検出する場合、周波数検出部350はブルートゥース、ジグビー、無線LAN、NFCのうちの1つの近距離通信モジュールを含むことができる。
【0096】
インバンド通信及びアウトオブバンド通信に対する説明は、
図5で説明したものと同一であるので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0097】
インダクタンス可変部360は周波数検出部350で検出された周波数帯域によって受信コイル310のインダクタンスを変更させることができる。具体的に、インダクタンス可変部360は受信コイル310が受信する電力が有する周波数帯域が低いほど受信コイル310のインダクタンスを増加させ、受信コイル310が受信する電力が有する周波数帯域が高いほど受信コイル310のインダクタンスを減少させることができる。これに対する具体的な説明は後述する。
【0098】
インダクタンス可変部360が検出された周波数帯域によって受信コイル310のインダクタンスを変更させた後、周波数マッチング部370は変更されたインダクタンスを用いて特定周波数にマッチングさせることができる。ここで、特定周波数は周波数検出部350で検出された周波数帯域を意味することができる。
【0099】
即ち、周波数マッチング部370は無線電力送信装置200から転送される電力の周波数に一層正確なマッチングを可能にする。
【0100】
周波数マッチング部370は、無線電力受信装置300が使用する周波数帯域を無線電力送信装置200から転送される電力の周波数帯域にマッチングさせた後、マッチングされた状態の交流電力を整流部300に出力することができる。
【0101】
整流部330は、周波数マッチング部370からマッチングが完了した状態の交流電力を受信し、受信した交流電力を直流電力に整流することができる。
【0102】
整流部330は、整流された直流電力を負荷400に伝達して、負荷400を充電させることができる。
【0103】
図7は本発明の更に他の実施形態に従う無線電力受信装置の構成例を説明するための図であり、
図8は本発明の実施形態に従う無線電力受信装置が第1周波数帯域の電力を受信する場合、インダクタンス可変部の動作を説明するための図であり、
図9は本発明の実施形態に従う無線電力受信装置が第2周波数帯域の電力を受信する場合、インダクタンス可変部の動作を説明するための図である。
【0104】
まず、
図7を参照すると、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力受信装置300は、受信コイル310、周波数検出部350、インダクタンス可変部360、周波数マッチング部370、及び整流部330を含むことができる。
【0105】
インダクタンス可変部360は1つ以上のスイッチを含むことができ、各スイッチは受信コイル310の一端を周波数マッチング部370の一端と連結することができ、受信コイル310の他端を周波数マッチング部330の他端と連結することができる。
図7で、インダクタンス可変部360は2つのスイッチを含むものと図示されているが、これに限定されるものではない。
【0106】
一実施形態において、インダクタンス可変部360に含まれたスイッチはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スイッチが使用できる。MEMSは微細電磁気系システムであって、半導体工程技術を基盤に成立されるマイクロン(um)やmmサイズの超小型精密機械製作技術をいう。インダクタンス可変部360に含まれたMEMSスイッチはサイズが非常に小さいため、小型化が求められている無線電力受信装置300への活用に適している。
【0107】
以下、インダクタンス可変部360は第1スイッチ361及び第2スイッチ363の2つのスイッチを含むことを仮定して説明する。
【0108】
インダクタンス可変部360は、周波数検出部350で検出された受信コイル310が受信した電力が有する周波数帯域によってインダクタンスを変更させることができる。即ち、インダクタンス可変部360は検出された周波数帯域によって第1スイッチ361及び第2スイッチ363を動作させて受信コイル310のインダクタンスを変更させることができる。
【0109】
受信コイル310が受信する電力の周波数帯域によって受信コイル310のインダクタンスを変更させる理由は、周波数のマッチングを通じて多様な周波数帯域を有する電力の転送が安定的に遂行されるためであり、これは電磁気波の転送時に使われる周波数とインダクタンスとの間の関係式で確認できる。即ち、周波数(f)と受信コイル310のインダクタンス(L)との間の関係式は、次の<数式1>のように表現できる。
【0111】
周波数(f)が高まるほど相対的にインダクタンス(L)が小さくならなければならず、周波数(f)が低くなるほど相対的にインダクタンス(L)が大きくならなければならない。より具体的には、周波数(f)が高まるほど波長(h)が短くなって(f=c/h)、相対的に小さなインダクタンスが必要であり、周波数(f)が低くなるほど波長(h)が長くなって、相対的に大きいインダクタンスが必要である。
【0112】
インダクタンス可変部360が検出された周波数帯域によって受信コイル310のインダクタンスを変更させた後、周波数マッチング部370は変更されたインダクタンスを用いて特定周波数にマッチングさせることができる。ここで、特定周波数は周波数検出部350で検出された周波数帯域を意味することができる。
【0113】
即ち、周波数マッチング部370は無線電力送信装置200から転送される電力の周波数に一層正確なマッチングを可能にする。
【0114】
一実施形態において、周波数マッチング部370は受信コイル310と連結された1つ以上のキャパシタを含むことができる。キャパシタは固定または可変キャパシタであり、周波数マッチング部370に可変キャパシタが使われる場合、無線電力受信装置300の制御部(図示せず)はインダクタンス可変部360で変更されたインダクタンスによって各周波数帯域にマッチングされるように前記キャパシタのキャパシタンスを調節することができる。即ち、キャパシタのキャパシタンスは変更された受信コイル310のインダクタンスによって転送される周波数帯域にマッチングされるように調節されなければならない。
【0115】
前記キャパシタのキャパシタンスが調節されることによって、周波数マッチング部370は無線電力送信装置200から転送される電力の周波数帯域に無線電力受信装置300の周波数帯域を正確にマッチングさせることができる。
【0116】
本発明の実施形態に従う無線電力受信装置300は、特に、第1周波数帯域の電力を受信する場合と第2周波数帯域の電力を受信する場合によって、インダクタンス可変部360の動作を通じて受信コイル310のインダクタンスを変更させることができる。これによって、無線電力受信装置300は無線電力送信装置200が第1周波数帯域の電力を送信する場合と第2周波数帯域の電力を送信する場合を全てカバーできるので、ユーザの便宜性が増大する。これに対しては
図8及び
図9を参照してより詳細に説明する。
【0117】
図8は無線電力受信装置300が無線電力送信装置200から第1周波数帯域の電力を無線で受信する場合、受信コイル310のインダクタンスを変更させる過程を説明するための図であり、
図9は無線電力受信装置300が無線電力送信装置200から第2周波数帯域の電力を無線で受信する場合、受信コイル310のインダクタンスを変更させる過程を説明するための図である。
【0118】
まず、
図8を参照すると、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第1周波数帯域(110乃至205KHz)の場合、インダクタンス可変部360は第1スイッチ361を受信コイル310の第1端子Aに連結させ、第2スイッチ363を受信コイル310の第3端子Cに連結させる。即ち、第1周波数帯域は第2周波数帯域(6.78MHz)より低いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスを増加させるために受信コイル310の長さが長くなるように第1スイッチ361及び第2スイッチ363の動作を
図8のように制御することができる。ここで、変更された受信コイル310のインダクタンスはL3として表示できる。一実施形態において、インダクタンス(L3)は10〜15uH範囲を有することができる。
【0119】
また、受信コイル310のインダクタンスがL3に変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第1周波数帯域にマッチングされるように、周波数マッチング部370のキャパシタC6のキャパシタンスが調節できる。一実施形態において、キャパシタC6のキャパシタンス値は1.8nFであるが、これは例示に過ぎない。また、キャパシタC6の一端には受信コイル310と直列連結可能であり、周波数マッチングのための別途のキャパシタが備えられる。別途のキャパシタのキャパシタンスは183nFであるが、これは例示に過ぎない。
【0120】
これを通じて、無線電力受信装置300の周波数帯域は無線電力送信装置200から転送された電力の第1周波数帯域にマッチングできる。
【0121】
次に、
図9を参照すると、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第2周波数帯域(6.78MHz)の場合、インダクタンス可変部360は第1スイッチ361を受信コイル310の第2端子Bに連結させ、第2スイッチ363を受信コイル310の第3端子Cに連結させる。即ち、第2周波数帯域は第1周波数帯域より高いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスを減少させるために受信コイル310の長さが短くなるように第1スイッチ361及び第2スイッチ363の動作を
図9のように制御することができる。ここで、変更された受信コイル310のインダクタンスはL4として表示する。一実施形態において、インダクタンス(L4)は1.5〜2uH範囲を有することができる。
【0122】
また、受信コイル310のインダクタンスがL4に変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第2周波数帯域にマッチングされるように周波数マッチング部370のキャパシタC7のキャパシタンスが調節できる。一実施形態において、キャパシタC7のキャパシタンス値は470pFであるが、これは例示に過ぎない。また、キャパシタC7の一端には受信コイル310と直列連結可能であり、周波数マッチングのための別途のキャパシタが備えられる。別途のキャパシタのキャパシタンスは360pFであるが、これは例示に過ぎない。
【0123】
これを通じて、無線電力受信装置300の周波数帯域は無線電力送信装置200から転送された電力の第2周波数帯域にマッチングできる。
【0124】
一実施形態において、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第3周波数帯域(205乃至300KHz)の場合、インダクタンス可変部360は第1スイッチ361を受信コイル310の第1端子Aに連結させ、第2スイッチ363を受信コイル310の第2端子Bに連結させることができる。即ち、第3周波数帯域は第1周波数帯域よりは高く、第2周波数帯域よりは低いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスがL3とL4との間の値を有するように第1スイッチ361及び第2スイッチ363の動作を制御することができる。この場合、インダクタンス(L4)は4〜5uH範囲を有することができる。
【0125】
また、受信コイル310のインダクタンスがL3とL4との間の値を有するように変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第3周波数帯域にマッチングされるように周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスが調節できる。この場合、キャパシタのキャパシタンス値は5nFであるが、これは例示に過ぎない。また、キャパシタの一端には受信コイル310と直列連結可能であり、周波数マッチングのための別途のキャパシタが備えられる。別途のキャパシタのキャパシタンスは120nFであるが、これは例示に過ぎない。
図7乃至
図9で説明したように、本発明の実施形態に従う無線電力受信装置300は無線電力送信装置200から転送される電力の周波数帯域によって受信コイル310のインダクタンスを変更させることができる。
【0126】
これによって、無線電力受信装置300は無線電力送信装置200が電力転送時に使用する周波数帯域が多様であってもこれを全てカバーできるので、ユーザが無線電力受信装置300を備えた端末機を充電する場合、無線電力送信装置200が使用する周波数帯域に関わらず、便利に端末機を充電することができる。
【0127】
一実施形態において、端末機はモバイルフォン、MP3、スマート機器のうちのいずれか1つであるが、これに限定されるものではなく、無線で充電可能な全ての電子機器に適用できる。
【0128】
次に、
図10乃至
図13を参照して、受信コイルの形態によって本発明の実施形態を適用させた例を説明する。
【0129】
まず、
図10及び
図11を参照して、受信コイル310がスパイラル構造を有する場合、受信コイル310のインダクタンスを変更させる例を説明する。
【0130】
図10は本発明の実施形態に従う無線電力受信装置が第1周波数帯域の電力を受信し、受信コイルがスパイラル構造を有する場合、インダクタンス可変部の動作を説明するための図であり、
図11は本発明の実施形態に従う無線電力受信装置が第2周波数帯域の電力を受信し、受信コイルがスパイラル構造を有する場合、インダクタンス可変部の動作を説明するための図である。
【0131】
図10及び
図11を参照すると、無線電力受信装置300は
図6の説明と同様に、受信コイル310、周波数検出部350、インダクタンス可変部360、周波数マッチング部370、及び整流部330を含むことができる。
【0132】
まず、
図10を参照すると、受信コイル310は1つの導線が平面螺旋形態を有するスパイラル構造で形成されている。
【0133】
スパイラル構造を有する受信コイル310の厚さ(T1)は100umであり、線間幅(W1)は600umであり、線間間隔(S1)は100umである。しかしながら、この数値は例示に過ぎない。
【0134】
図10の場合、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第1周波数帯域(110乃至205KHz)の場合、インダクタンス可変部360は第1スイッチ361を受信コイル310の第1端子Aに連結させ、第2スイッチ363を受信コイル310の第3端子Cに連結させる。即ち、第1周波数帯域は第2周波数帯域より低いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスを増加させるために受信コイル310の長さが長くなるように第1スイッチ361及び第2スイッチ363の動作を
図10のように制御することができる。ここで、変更された受信コイル310のインダクタンスはL3として表示されることができ、第1スイッチ361及び第2スイッチ363はMEMSスイッチであって、外部から提供された電源により動作できる。
【0135】
また、受信コイル310のインダクタンスがL3に変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第1周波数帯域にマッチングされるように周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスが調節できる。
【0136】
これを通じて、無線電力受信装置300の周波数帯域は無線電力送信装置200から転送された電力の第1周波数帯域にマッチングできる。
【0137】
図11の場合、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第2周波数帯域(6.78MHz)の場合、インダクタンス可変部360は第1スイッチ361を受信コイル310の第2端子Bに連結させ、第2スイッチ363を受信コイル310の第3端子Cに連結させる。即ち、第2周波数帯域は電磁気誘導を通じて転送された電力の周波数帯域より高いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスを減少させるために受信コイル310の長さが短くなるように第1スイッチ361及び第2スイッチ363の動作を
図11のように制御することができる。ここで、変更された受信コイル310のインダクタンスはL4に変更できる。L4はL3より小さい値である。
【0138】
即ち、
図11に示すように、受信コイル310の長さはインダクタンス可変部360のスイッチング動作により第2端子Bから始まって第3端子Cに連結されることによって短くなり、受信コイル310の第1端子Aから第2端子Bまでの長さだけ受信コイル310の長さが短くなって、受信コイル310のインダクタンスが減少できる。
【0139】
また、受信コイル310のインダクタンスがL4に変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第2周波数帯域にマッチングされるように周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスが調節できる。
【0140】
これを通じて、無線電力受信装置300の周波数帯域は無線電力送信装置200から転送された電力の第2周波数帯域にマッチングできる。
【0141】
一実施形態において、スイッチが連結されない受信コイル310の第1端子Aは開放された状態で置かれることもできるが、
図11に示すように、第3スイッチ365を通じて接地されることもできる。この場合、インダクタンス可変部360は第3スイッチ365をさらに含むことができる。受信コイル310の第1端子Aを接地させる理由は、第2端子Bから第3端子Cにループが形成された受信コイル310と第1端子Aから第2端子Bにループが形成された受信コイル310を電気的に分離させて周波数干渉を防止するためである。
【0142】
即ち、受信コイル310の第1端子Aを接地させて第2端子Bから第3端子Cにループが形成された受信コイル310が無線電力送信装置200から電力を受信する過程で発生する周波数干渉が防止できる。
【0143】
一実施形態において、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第3周波数帯域(205乃至300KHz)の場合、インダクタンス可変部360は第1スイッチ361を受信コイル310の第1端子Aに連結させ、第2スイッチ363を受信コイル310の第2端子Bに連結させることができる。即ち、第3周波数帯域は第1周波数帯域よりは高く、第3周波数帯域よりは低いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスがL3とL4との間の値を有するように第1スイッチ361及び第2スイッチ363の動作を制御することができる。また、受信コイル310のインダクタンスがL3とL4との間の値を有するように変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第3周波数帯域にマッチングされるように周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスが調節できる。
【0144】
次に、
図12及び
図13を参照して、受信コイル310がヘリカル構造を有する場合、受信コイル310のインダクタンスを変更させる例を説明する。
【0145】
図12及び
図13を参照すると、無線電力受信装置300は
図6の説明と同様に、受信コイル310、周波数検出部350、インダクタンス可変部360、周波数マッチング部370、及び整流部330を含むことができる。
【0146】
受信コイル310は1つの導線が立体螺旋形態を有するヘリカル構造で形成されている。ヘリカル構造を有する受信コイル310の厚さ(T2)は100umであり、線間幅(W2)は600umであり、線間間隔(S2)は100umである。しかしながら、この数値は例示に過ぎない。
【0147】
図12の場合、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第1周波数帯域(110乃至205KHz)の場合、インダクタンス可変部360は第1スイッチ361を受信コイル310の第1端子Aに連結させ、第2スイッチ363を受信コイル310の第3端子Cに連結させる。即ち、第1周波数帯域は第2周波数帯域より低いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスを増加させるために受信コイル310の長さが長くなるように第1スイッチ361及び第2スイッチ363の動作を
図12のように制御することができる。ここで、受信コイル310のインダクタンスはL3に変更できる。
【0148】
また、受信コイル310のインダクタンスがL3に変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第1周波数帯域にマッチングされるように周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスが調節できる。
【0149】
これを通じて、無線電力受信装置300の周波数帯域は無線電力送信装置200から転送された電力の第1周波数帯域にマッチングできる。
【0150】
図13の場合、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第2周波数帯域(6.78MHz)の場合、インダクタンス可変部360は第1スイッチ361を受信コイル310の第2端子Bに連結させ、第2スイッチ363を受信コイル310の第3端子Cに連結させる。即ち、第2周波数帯域は第1周波数帯域より高いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスを減少させるために受信コイル310の長さが短くなるように第1スイッチ361及び第2スイッチ363の動作を
図13のように制御することができる。ここで、変更された受信コイル310のインダクタンスはL4に変更できる。L4はL3より小さい値である。
【0151】
また、受信コイル310のインダクタンスがL4に変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第2周波数帯域にマッチングされるように周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスが調節できる。
【0152】
これを通じて、無線電力受信装置300の周波数帯域は無線電力送信装置200から転送された電力の第2周波数帯域にマッチングできる。
【0153】
一実施形態において、スイッチが連結されない受信コイル310の第1端子Aは開放された状態で置かれることもできるが、
図13に示すように、第3スイッチ365を通じて接地されることもできる。この場合、インダクタンス可変部360は第3スイッチ365をさらに含むことができる。受信コイル310の第1端子Aを接地させる理由は、第2端子Bから第3端子Cにループが形成された受信コイル310と第1端子Aから第2端子Bにループが形成された受信コイル310を電気的に分離させて周波数干渉を防止するためである。
【0154】
即ち、受信コイル310の第1端子Aを接地させて第2端子Bから第3端子Cにループが形成された受信コイル310が無線電力送信装置200から電力を受信する過程で発生する周波数干渉が防止できる。
【0155】
一実施形態において、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第3周波数帯域(205乃至300KHz)の場合、インダクタンス可変部360は第1スイッチ361を受信コイル310の第1端子Aに連結させ、第2スイッチ363を受信コイル310の第2端子Bに連結させることができる。即ち、第3周波数帯域は第1周波数帯域よりは高く、第3周波数帯域よりは低いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスがL3とL4との間の値を有するように第1スイッチ361及び第2スイッチ363の動作を制御することができる。また、受信コイル310のインダクタンスがL3とL4との間の値を有するように変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第3周波数帯域にマッチングされるように周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスが調節できる。
【0156】
図14は、本発明の更に他の実施形態に従ってインダクタンス可変部にMEMSスイッチを使用した無線電力受信装置の構成例を説明するための図である。
【0157】
図14を参照すると、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力受信装置300は、受信コイル310、周波数検出部350、インダクタンス可変部360、周波数マッチング部370、及び整流部330を含むことができる。
【0158】
インダクタンス可変部360は、1つ以上のMEMSスイッチを含むことができる。MEMSスイッチは低い挿入損失と高い隔離度(isolation)特性を有し、費用が低廉で、サイズが非常に小さいため、小型化が求められている無線電力受信装置300への適用に適している。
【0159】
図14で、インダクタンス可変部360はSPST(Single Pole Single Throw)タイプを有する3個のMEMSスイッチを使用した場合を仮定して説明するが、これに限定されるものではなく、多様なタイプ及び個数が使用できる。
【0160】
インダクタンス可変部360は3個のMEMSスイッチ、即ち第1MEMSスイッチ366、第2MEMSスイッチ367、及び第3MEMSスイッチ368を含むことができる。
【0161】
各MEMSスイッチは、給電部K、ゲート端子G、ソース端子S、及びドレイン端子Dを含むことができる。
【0162】
給電部Kはゲート端子Gと連結されることができ、ソース端子Sは受信コイル310の一端子と連結されることができ、各ドレイン端子Dは周波数マッチング部370と連結できる。
【0163】
MEMSスイッチは給電部Kにより動作するスイッチであって、MEMSスイッチのゲート端子Gとソース端子Sとの間に印加される電圧によってターンオンまたはターンオフできる。即ち、MEMSスイッチをターンオンさせようとすれば、ゲート端子Gとソース端子Sとの間に5Vを印加すればよく、ターンオフさせようとすれば、ゲート端子Gとソース端子Sとの間に0Vを印加すればよい。ここで、5V及び0Vは例示に過ぎない。
【0164】
具体的に、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第1周波数帯域(110乃至205KHz)の場合、インダクタンス可変部360は給電部Kを通じて第1MEMSスイッチ366をターンオンさせ、第3MEMSスイッチ368をターンオンさせ、第2MEMSスイッチ367をターンオフさせることができる。即ち、第1周波数帯域は第2周波数帯域(6.78MHz)より低いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスを増加させるために受信コイル310の長さが長くなるように各MEMSスイッチの動作を制御することができる。ここで、変更された受信コイル310のインダクタンスはL3として表示できる。
【0165】
また、受信コイル310のインダクタンスがL3に変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第1周波数帯域にマッチングされるように、周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスが調節できる。
【0166】
仮に、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第2周波数帯域(6.78MHz)の場合、インダクタンス可変部360は給電部Kを通じて第1MEMSスイッチ366をターンオフさせ、第2MEMSスイッチ367及び第3MEMSスイッチ368をターンオフさせることができる。即ち、第2周波数帯域は第1周波数帯域(6.78MHz)より大きいので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスを減少させるために受信コイル310の長さが短くなるように各MEMSスイッチの動作を制御することができる。ここで、変更された受信コイル310のインダクタンスはL4として表示できる。
【0167】
また、受信コイル310のインダクタンスがL4に変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第2周波数帯域にマッチングされるように周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスが調節できる。
【0168】
仮に、周波数検出部350で検出された周波数帯域が第3周波数帯域(205乃至300KHz)の場合、インダクタンス可変部360は給電部Kを通じて第1MEMSスイッチ366及び第2MEMSスイッチ367をターンオンさせ、第3MEMSスイッチ368をターンオフさせることができる。即ち、第3周波数帯域は第1周波数帯域よりは高く、第2周波数帯域よりは低いので、インダクタンス可変部360は受信コイル310のインダクタンスがL3とL4との間の値を有するように各MEMSスイッチの動作を制御することができる。
【0169】
また、受信コイル310のインダクタンスがL3とL4との間の値を有するように変更されることによって、無線電力受信装置300の周波数帯域が第3周波数帯域にマッチングされるように周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスが調節できる。
【0170】
次に、
図15を参照して、本発明の一実施形態に従う無線電力受信装置の制御方法について説明する。
【0171】
以下、本発明の一実施形態に従う無線電力受信装置の制御方法を
図6乃至
図14の内容に結び付けて説明する。
【0172】
図15は、本発明の一実施形態に従う無線電力受信装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0173】
まず、無線電力受信装置300の受信コイル310は無線電力送信装置200から無線で電力を受信する(S101)。一実施形態において、無線電力受信装置300が受信する電力の周波数帯域は2つの帯域に区分できる。第1周波数帯域は110乃至205KHzであり、第2周波数帯域は6.78MHzでありうる。
【0174】
無線電力受信装置300の周波数検出部350は無線電力送信装置200から転送された電力の周波数帯域を検出する(S103)。一実施形態において、周波数検出部350はインバンド通信またはアウトオブバンド通信を通じて無線電力送信装置200から転送された電力の周波数帯域を検出することができる。
【0175】
無線電力受信装置300の周波数検出部350は検出された周波数帯域が第1周波数帯域なのかを確認する(S105)。即ち、周波数検出部350は検出された周波数帯域が第1周波数帯域なのか、第2周波数帯域なのかを確認することができる。
【0176】
仮に、検出された周波数帯域が第1周波数帯域の場合、無線電力受信装置300のインダクタンス可変部360はスイッチング動作を通じて適切なインダクタンスを有するように受信コイル310のインダクタンスを増加させる(S107)。電磁気誘導を基盤に使われる周波数帯域は第2周波数帯域より低いので、インダクタンス可変部360はスイッチング動作を通じて受信コイル310の長さを増やしてインダクタンスを増加させることができる。これに対しては
図8、
図10、
図12で説明したので、詳細な説明は省略する。
【0177】
無線電力受信装置300の周波数マッチング部370は、キャパシタを通じて増加した受信コイル310のインダクタンスを組み合わせて無線電力受信装置300の周波数を第1周波数帯域にマッチングさせ、第1周波数帯域にマッチングされた状態の交流電力を整流部330に伝達する(S109)。
【0178】
無線電力受信装置300の整流部330はマッチングされた状態の交流電力を直流電力に整流して負荷400に伝達する(S111)。
【0179】
一方、検出された周波数帯域が第1周波数帯域と確認されていない場合、周波数検出部350は検出された周波数帯域を第2周波数帯域と判断する(S113)。
【0180】
無線電力受信装置300のインダクタンス可変部360は、スイッチング動作を通じて適切なインダクタンスを有するように受信コイル310のインダクタンスを減少させる(S115)。第2周波数帯域は第1周波数帯域より高いので、インダクタンス可変部360はスイッチング動作を通じて受信コイル310の長さを縮めてインダクタンスを減少させることができる。これに対しては
図9、
図11、
図13で説明したので、詳細な説明は省略する。
【0181】
無線電力受信装置300の周波数マッチング部370は、キャパシタを通じて減少した受信コイル310のインダクタンスを組み合わせて無線電力受信装置300の周波数を第2周波数帯域にマッチングさせ、第2周波数帯域にマッチングされた状態の交流電力を整流部330に伝達する(S117)。
【0182】
無線電力受信装置300の整流部330はマッチングされた状態の交流電力を直流電力に整流して負荷400に伝達する(S119)。
【0183】
図16は、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力受信装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0184】
以下、本発明の更に他の実施形態に従う無線電力受信装置の制御方法を
図6乃至
図14の内容に結び付けて説明する。
【0185】
まず、無線電力受信装置300は第1周波数帯域で動作する(S201)。即ち、受信コイル310のインダクタンスは無線電力送信装置200から転送された電力の周波数帯域が第1周波数帯域の場合を仮定して設定された値でありうる。この場合、周波数マッチング部370のキャパシタのキャパシタンスも設定されたインダクタンスによって無線電力受信装置300の周波数帯域が第1周波数帯域にマッチングされるように設定されなければならない。
【0186】
一実施形態において、第1周波数帯域は110乃至205KHzであるが、これは例示に過ぎない。
【0187】
無線電力受信装置300の受信コイル310は無線電力送信装置200から第1周波数帯域の電力を受信する(S203)。一実施形態において、受信コイル310は無線電力送信装置200の第2送信コイル220から電磁気誘導を通じて無線で第1周波数帯域の電力を受信することができる。
【0188】
無線電力受信装置300の周波数検出部350は、インバンド通信を用いて無線電力送信装置200に電力信号を転送する(S205)。インバンド通信は無線電力転送に使われる周波数帯域を用いてスイッチ及び抵抗を通じて情報を転送する通信方式であって、詳細な説明は
図5で説明した内容と同様である。周波数検出部350は、周期的にインバンド通信を通じて電力信号を無線電力送信装置200に転送することができる。一実施形態において、電力信号は無線電力受信装置300が無線電力送信装置200に電力を正常に受信していることを知らせる信号、無線電力受信装置300が無線電力送信装置200に電力転送を増加または減少させるように要求する信号のうちのいずれか1つでありうる。
【0189】
無線電力受信装置300の周波数検出部350は、無線電力送信装置200に周期的に電力信号を転送しながら、無線電力受信装置300が正常に電力を受信しない状態なのか、即ち電力受信状態に異常があるかを確認する(S207)。
【0190】
一実施形態において、周波数検出部350は無線電力送信装置200に3回の電力信号を転送する過程で無線電力受信装置300が正常な電力を受信できないことと確認されれば、電力受信状態に異常があると判断することができ、そうでない場合には電力受信状態に異常がないことと判断することができる。ここで、3回は例示に過ぎない。
【0191】
また、電力受信状態に異常が発生した場合は、無線電力送信装置200から転送された電力の周波数帯域が第1周波数帯域でない場合でありうる。
【0192】
仮に、電力受信状態に異常があると確認されれば、無線電力受信装置300の周波数検出部350はアウトオブバンド通信モジュールの動作を活性化させる(S209)。一実施形態において、周波数検出部350にはアウトオブバンド通信モジュールが備えられる。一実施形態において、アウトオブバンド通信モジュールはブルートゥース、ジグビー、無線LAN、NFC(Near Field Communication)のような近距離通信方式を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0193】
一方、電力受信状態に異常がないと確認されれば、ステップS201に戻る。
【0194】
無線電力受信装置300の周波数検出部350はアウトオブバンド通信モジュールを通じて無線電力送信装置200から転送された電力の周波数帯域が第2周波数帯域なのかを確認する(S211)。即ち、無線電力受信装置300は無線電力送信装置200とアウトオブバンド通信を用いて無線電力送信装置200から転送された電力の周波数帯域が第2周波数帯域なのか確認することができる。一実施形態において、第2周波数帯域は6.78MHzであるが、これは例示に過ぎない。
【0195】
仮に、無線電力送信装置200から転送された電力の周波数帯域が第2周波数帯域であると確認された場合、無線電力受信装置300のインダクタンス可変部360は無線電力受信装置300の周波数帯域を第2周波数帯域にマッチングするために受信コイル310のインダクタンスが減少するように受信コイル310のインダクタンスを変更させる(S213)。これに対しては
図9、
図11、
図13に説明された内容と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0196】
無線電力受信装置300の周波数マッチング部370は、キャパシタを通じて受信コイル310のインダクタンスが変更されることによって無線電力受信装置300の周波数帯域がより正確に第2周波数帯域にマッチングされるようにする(S215)。
【0197】
無線電力受信装置300の整流部330は、第2周波数帯域にマッチングされた状態の交流電力を直流電力に整流して負荷400に伝達する(S217)。
【0198】
一方、無線電力送信装置200から転送された電力の周波数帯域が第2周波数帯域でないことと確認された場合、周波数検出部350は無線電力送信装置200から転送された電力の周波数帯域が第3周波数帯域であると判断する(S219)。一実施形態において、第3周波数帯域は206乃至300KHzであるが、これは例示に過ぎない。
【0199】
無線電力受信装置300のインダクタンス可変部360は無線電力受信装置300の周波数帯域を第3周波数帯域にマッチングするために受信コイル310のインダクタンスが減少するように受信コイル310のインダクタンスを変更させる(S221)。この場合、変更された受信コイル310のインダクタンスはステップS201のインダクタンスより小さいが、ステップS213のインダクタンスよりは大きい。これに対しては
図9、
図11、
図13に説明された内容と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0200】
無線電力受信装置300の周波数マッチング部370は、キャパシタを通じて受信コイル310のインダクタンスが変更されることによって無線電力受信装置300の周波数帯域がより正確に第3周波数帯域にマッチングされるようにする(S223)。
【0201】
無線電力受信装置300の整流部330は第3周波数帯域にマッチングされた状態の交流電力を直流電力に整流して負荷400に伝達する(S225)。
【0202】
前述した本発明に従う無線電力受信装置の電力伝達方法は、コンピュータで実行されるためのプログラムとして製作されてコンピュータにより読取できる記録媒体に格納されることができ、コンピュータにより読取できる記録媒体の例には、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ格納装置などがあり、またキャリアウェーブ(例えば、インターネットを通じての転送)の形態に具現されることも含む。
【0203】
コンピュータにより読取できる記録媒体は、ネットワークにより連結されたコンピュータシステムに分散されて、分散方式でコンピュータにより読取できるコードが格納され実行できる。そして、上記方法を具現するための機能的な(function)プログラム、コード、及びコードセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマーにより容易に推論できる。
【0204】
また、以上、本発明の好ましい実施形態に対して図示及び説明したが、本発明は前述した特定の実施形態に限定されるものではなく、請求範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変形実施が可能であることは勿論であり、このような変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならない。
【0205】
本発明で電磁気誘導により電力を転送する方式はQ値が相対的に低く、密着したカップリング(tightly coupling)を意味し、共振により電力を転送する方式はQ値が相対的に高く、緩いカップリング(loosely coupling)を意味することができる。