(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013649
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】自己位置合わせ型ブレースバー
(51)【国際特許分類】
G01F 1/84 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
G01F1/84
【請求項の数】20
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-508958(P2016-508958)
(86)(22)【出願日】2014年4月3日
(65)【公表番号】特表2016-515711(P2016-515711A)
(43)【公表日】2016年5月30日
(86)【国際出願番号】US2014032852
(87)【国際公開番号】WO2014172115
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2015年10月14日
(31)【優先権主張番号】61/813,260
(32)【優先日】2013年4月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランハム, グレゴリー トリート
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルバッハ, クリストファー エー.
【審査官】
岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】
特表平09−501493(JP,A)
【文献】
特表2011−516855(JP,A)
【文献】
米国特許第6415668(US,B1)
【文献】
特開2008−241622(JP,A)
【文献】
特開平11−183226(JP,A)
【文献】
Youde Xiong,Formulaire de mecanique Pieces de constructions,Eyrolles,2007年 1月 1日,pp. 3-37
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレースバー(500)であって、
第1の開口(503)と第1のノッチ(505)を含む第1のブレースバー板(501)と、
第2の開口(504)と第2のノッチ(506)を含む第2のブレースバー板(502)を備え、
前記第1の開口(503)及び第2のノッチ(506)は第1の流れ導管に連結するように構成され、前記第2の開口(504)及び第1のノッチ(505)は第2の流れ導管に連結するように構成されている、ブレースバー(500)。
【請求項2】
前記第1のブレースバー板(501)及び第2のブレースバー板(502)は同一である、請求項1に記載のブレースバー(500)。
【請求項3】
前記第1のブレースバー板(501)及び第2のブレースバー板(502)は、形状が大凡矩形である、請求項1に記載のブレースバー(500)。
【請求項4】
前記第1の開口(503)及び第2の開口(504)は形状が大凡円形である、請求項1に記載のブレースバー(500)。
【請求項5】
前記第1のノッチ(505)と第2のノッチ(506)は、円のセグメントとして形成された、請求項1に記載のブレースバー(500)。
【請求項6】
前記第1のノッチ(505)と第2のノッチ(506)は、ろう付け中の逃げを減少させ、且つ前記ブレースバー(500)を整列させる大きさである、請求項1に記載のブレースバー(500)。
【請求項7】
第1の流れ導管(106)、第2の流れ導管(106)及びブレースバー(500)を含む流れ導管アセンブリであって、
第1の開口(503)と第1のノッチ(505)を含む第1のブレースバー板(501)と、
第2の開口(504)と第2のノッチ(506)を含む第2のブレースバー板(502)を備え、
前記第1の開口(503)及び第2のノッチ(506)は第1の流れ導管(106)に連結するように構成され、前記第2の開口(504)及び第1のノッチ(505)は第2の流れ導管(106)に連結するように構成されている、流れ導管アセンブリ。
【請求項8】
前記第1のブレースバー板(501)及び第2のブレースバー板(502)は同一である、請求項7に記載の流れ導管アセンブリ。
【請求項9】
前記第1のブレースバー板(501)及び第2のブレースバー板(502)は、形状が大凡矩形である、請求項7に記載の流れ導管アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の開口(503)及び第2の開口(504)は形状が大凡円形である、請求項7に記載の流れ導管アセンブリ。
【請求項11】
前記第1のノッチ(505)と第2のノッチ(506)は、円のセグメントとして形成された、請求項7に記載の流れ導管アセンブリ。
【請求項12】
前記第1のノッチ(505)と第2のノッチ(506)は、ろう付け中の逃げを減少させ、且つ前記ブレースバー(500)を整列させる大きさである、請求項7に記載の流れ導管アセンブリ。
【請求項13】
第1の流れ導管(106)、第2の流れ導管(106)及びブレースバー(500)を含む振動式流量計を組み立てる方法であって、前記ブレースバー(500)は第1の開口(503)と第1のノッチ(505)を有する第1のブレースバー板(501)と、第2の開口(504)と第2のノッチ(506)を有する第2のブレースバー板(502)を含み、
前記第1のブレースバー板(501)の第1の開口(503)を前記第1の流れ導管(106)上にスライドさせる工程と、
前記第2のブレースバー板(502)の第2の開口(504)を前記第2の流れ導管(106)上にスライドさせる工程と、
前記第1のノッチ(505)を前記第2の流れ導管(106)に着座させる工程と、
前記第2のノッチ(506)を前記第1の流れ導管(106)に着座させる工程とを備える方法。
【請求項14】
前記第1のノッチ(505)を前記第2の流れ導管(106)に着座させる工程、及び前記第2のノッチ(506)を前記第1の流れ導管(106)に着座させる工程は、前記第1のノッチ(505)が前記第2の導管(106)と整列するまで第1のブレースバー板(501)を回転させ、前記第2のノッチ(506)が前記第1の導管(106)と整列するまで第2のブレースバー板(502)を回転させる工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のノッチ(505)を前記第2の流れ導管(106)に着座させる工程、及び前記第2のノッチ(506)を前記第1の流れ導管(106)に着座させる工程は、前記第1のノッチ(505)が前記第2の流れ導管(106)に着座し、且つ前記第2のノッチ(506)が前記第1の導管(106)に着座するまで、前記第1の流れ導管(106)と第2の流れ導管(106)を一緒に動かす工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
更に、前記第1の流れ導管(106)を前記第1の開口(503)及び前記第2のノッチ(506)にろう付けする工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
更に前記第2のノッチ(506)とは反対側の前記第1の開口(503)に充填材を位置させる工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のノッチ(505)と第2のノッチ(506)は、ろう付け中の逃げを減少させ、且つ前記ブレースバー(500)を整列させる大きさである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
更に、前記第1のブレースバー板(501)を前記第2のブレースバー板(502)にろう付けする工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のノッチ(505)と第2のノッチ(506)は、円のセグメントとして形成された、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレースバーに関し、特に自己位置合わせ型のブレースバーに関する。
【背景技術】
【0002】
出願の背景
例えばデンシトメータ、及びコリオリセンサのような振動式流量計は、流れ物質の特性を測定するのに用いられる。例えば振動式流量計は流体に関する密度、質量流量、体積流量、総合質量流量、温度、他の情報を測定する。振動式流量計は1つ以上の流れ導管を備えている。1つ以上の流れ導管は、たとえば直線形状、U字形状または異形形状の如きさまざまな形状を有することが可能である。1つ以上の流れ導管は、たとえば単純曲げモード、ねじれモード、ラジアルモードおよび結合モードを含む固有振動モードのセットを有している。流れ物質の特性を決定する目的から、1つ以上の流れ導管が、これらのモードのうちの1つで少なくとも1つのドライバにより共振周波数で振動させられる。
【0003】
図1は、振動式流量計100の例の断面図である。例えば、振動式流量計100はコリオリ流量計又はセンサである。振動式流量計100は4つのブレースバー、ケース104、2つの流れ導管106及び2つのマニホールド108を含む。振動式流量計100の実施形態において、2つの流れ導管106は各々U字形構成を形成すべく4つの曲げ部を含む。
マニホールド108は、振動式流量計100の入口及び出口で、流れ導管106をケース104に結合させる。ブレースバー102は、流れ導管106をお互いに結合させる。
【0004】
振動式流量計100は正弦波駆動信号をドライブ(図示せず)に送信する1以上の電子機器を更に含み、該電子機器は一般的にマグネット/コイルの結合であって、マグネットは一般に1つの流れ導管106に固定され、コイルは一般的に支持構造又は第2の流れ導管106に固定される。駆動信号により、ドライブは流れ導管106の1つの固有モードにて共振周波数で流れ導管106を振動させる。例えば、駆動信号は、コイルに送信される周期的電流である。
【0005】
振動式流量計100は、流れ導管の動作を検出して、動作を表す正弦波ピックオフ信号を生成する少なくとも1つのピックオフ(図示せず)を含む。 ピックオフ信号は必要ならば、周知の原理に従って、流れ物質の特性を決定し又は駆動信号を調整する1以上の電子機器に送信される。
【0006】
振動式流量計は、一緒に2本の流れ導管106を接続するブレースバー102を含む。振動式流量計は、該流量計の入口又は出口に向かう1つ以上のブレースバーを一般的に含む。振動式流量計100の実施形態にて、4つのブレースバー102は対称的に流れ導管106上に位置する。2つのブレースバー102が、振動式流量計100の入口と出口の各々で、マニホールド108と最初の曲げ部の間に位置する。ブレースバー102により、流れ導管106の固有振動数又は流れ物質の特性を決定すべく流れ導管が一般的に駆動される周波数と、他の要素又はメータに見出される振動モードとが分離される。従って、ブレースバー102の数と位置を変えることにより、種々の振動モードが振動式流量計100内に誘発される周波数はいくばくか制御される。更に、流れ導管が振動する際に、流れ導管106上のストレスを減じるように、特に流れ導管106の入口と出口にて見出されるマニホールド又はフランジ間の接触領域上のストレスを減じるように、ブレースバー102を用いることは望ましい。
【0007】
図2は、ブレースバー102の平面図である。
図2から見られるように、各ブレースバー102は2つの流れ導管106を受け入れる2つの開口202を含み、流れ導管は各開口202を通る。ブレースバー102によって、2つの流れ導管106は1つの振動構成に接続される。しかし、ブレースバーがこの受け入れに効果的であるためには、ブレースバーが適切な調節を維持することは重要である。
【0008】
振動型流量計は3つのスタイルの1つのブレースバーとともに構成される。第1のタイプのブレースバーは、
図1及び
図2に記載された1ピースのブレースバーである。ブレースバー102は、ブレースバーが流れ導管上を位置内にスライドできるような幾何学形状で用いられる。振動式流量計100の例にて、流れ導管106は略円形で断面が均一であると見られる。流れ導管106はまた各同じ曲げ部を備えるように形作られて、流れ導管は夫々の長手方向に沿って互いに等距離であるように位置する。ブレースバー102のデザインは製造がし易い。ブレースバー102の優れた位置合わせはまた、流れ導管106の信頼性のある位置決めを付与する。しかし、振動式流量計とブレースバー102を組み合わせることは課題がある。
【0009】
振動式流量計に一般的に用いられる第2のスタイルのブレースバーは、
図3に示す2ピースのブレースバー300である。ブレースバー300は2つのブレースバー部302、304を含み、該ブレースバー部間にジョイント306を備えている。各ブレースバー部302、304は各流れ導管106用の各開口202を含む。ブレースバー300を組み立てるために、流れ導管106は各ブレースバー部302、304を通る。続いてブレースバー部302、304はジョイント306にて結合される。ブレースバー300はより組み立て易いが、位置合わせに関して新たな問題を提示する。
【0010】
コリオリセンサに用いられる第3のスタイルのブレースバーは、
図4に示す3ピースのブレースバー400である。ブレースバー400は3つの部分402、404、406及び2つのジョイント408、410を含む。ブレースバー400は各部分402、406に流れ導管106を挿入することにより組み立てられる。部分404は次にジョイント408、410を介して部分402、406間で連結される。3ピースデザインのブレースバー400は更に組み立て易いが、更なるジョイントを含み、更なる位置合わせの問題を生じる。
製造し易く、組み立て易く、適切な位置合わせを維持するブレースバーが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
出願の要約
出願の実施形態に従って、ブレースバーが付与される。ブレースバーは、第1の開口と第1のノッチを含む第1のブレースバー板を備える。ブレースバーは更に、第2の開口と第2のノッチを含む第2のブレースバー板を備える。第1の開口及び第2のノッチは第1の流れ導管に連結するように構成されている。第2の開口及び第1のノッチは第2の流れ導管に連結するように構成されている。
【0012】
出願の実施形態に従って、流れ導管アセンブリが付与される。流れ導管アセンブリは少なくとも1つの流れ導管及びブレースバーを備える。ブレースバーは更に、第1の開口と第1のノッチを含む第1のブレースバー板を備える。ブレースバーは更に、第2の開口と第2のノッチを含む第2のブレースバー板を備える。第1の開口及び第2のノッチは第1の流れ導管に連結するように構成されている。第2の開口及び第1のノッチは第2の流れ導管に連結するように構成されている。
【0013】
出願の実施形態に従って、振動式流量計を組み立てる方法が付与される。振動式流量計は、第1の流れ導管と、第2の流れ導管と、ブレースバーを含む。ブレースバーは、第1のブレースバー板及び第2のブレースバー板を備える。第1のブレースバー板は、第1の開口と第1のノッチを含む。第2のブレースバー板は、第2の開口と第2のノッチを含む。方法は、第1のブレースバー板の第1の開口を第1の流れ導管上にスライドさせる工程を含む。方法は更に、第2のブレースバー板の第2の開口を第2の流れ導管上にスライドさせる工程を含む。方法は更に、第1のノッチを第2の流れ導管に着座させる工程を含む。方法は更に、第2のノッチを第1の流れ導管に着座させる工程を含む。
【0014】
ブレースバーの一実施形態において、第1のブレースバー板及び第2のブレースバー板は同じである。
ブレースバーの一実施形態において、第1のブレースバー板及び第2のブレースバー板は形が大凡矩形である。
ブレースバーの一実施形態において、第1の開口及び第2の開口は大凡円形である。
ブレースバーの一実施形態において、第1のノッチ及び第2のノッチは、円形のセグメントとして形成される。
ブレースバーの一実施形態において、第1のノッチ及び第2のノッチは、ろう付け時に芯材を減らし、ブレースバーの位置合わせを行う大きさである。
【0015】
流れ導管アセンブリの一実施形態において、第1のブレースバー板及び第2のブレースバー板は同じである。
流れ導管アセンブリの一実施形態において、第1のブレースバー板及び第2のブレースバー板は形が大凡矩形である。
流れ導管アセンブリの一実施形態において、第1の開口及び第2の開口は大凡円形である。
流れ導管アセンブリの一実施形態において、第1のノッチ及び第2のノッチは、円形のセグメントとして形成される。
流れ導管アセンブリの一実施形態において、第1のノッチ及び第2のノッチは、ろう付け時に芯材を減らし、ブレースバーの位置合わせを行う大きさである。
【0016】
方法の一実施形態において、第1のノッチを第2の流れ導管に位置決めする工程及び第2のノッチを第1の流れ導管に位置決めする工程は、第1のノッチが第1の流れ導管に着座し、第2のノッチが第2の流れ導管に着座するまで、第1の流れ導管及び第2の流れ導管が一緒に動く工程を含む。
方法の一実施形態において、方法は第1の流れ導管を第1の開口及び第2のノッチにろう付けする工程を含む。
方法の一実施形態において、方法は充填材を第2のノッチに対向する第1の開口に位置決めする工程を含む。
方法の一実施形態において、第1のノッチ及び第2のノッチは、ろう付け時に芯材を減らし、ブレースバーの位置合わせを行う大きさである。
方法の一実施形態において、方法は第1のブレースバー板を第2のブレースバー板にろう付けする工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、従来のデザインを用いたブレースバーを含む振動式流量計100の断面図である。
【
図2】
図2は、既存のデザインを用いる1ピースのブレースバー102の平面図である。
【
図3】
図3は、既存のデザインを用いる2ピースのブレースバー300の3-D図である。
【
図4】
図4は、既存のデザインを用いる3ピースのブレースバー400の3-D図である。
【
図5】
図5は、出願の実施形態に従ったブレースバー500の分解図である。
【
図6】
図6は、出願の実施形態に従ったブレースバー500の側面図である。
【
図7】
図7は、出願の実施形態に従ったブレースバー700の3-D図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図5−
図7及び以下の記述は特定の例を記載して、本願の最良のモードを作り使用する方法を当業者に開示する。進歩性を有する原理を開示する目的で、いくつかの従来の態様は単純化されたか省略された。
当業者は、これらの例示から本願の範囲内にある変形例を理解するだろう。当業者は、下記に述べられた特徴が種々の方法で組み合わされて、本願の多数の変形例を形成することを理解するだろう。その結果、本願は、下記に述べられた特定の例にではなく特許請求の範囲とそれらの等価物によってのみ限定される。
【0019】
図5は、本願の実施形態に従ったブレースバー500の分解図であり、
図6は、出願の実施形態に従ったブレースバー500の側面図である。ブレースバー500は、ブレースバー板501、502、開口503、504、及びノッチ505、506を含む。ブレースバー500は、大凡平坦であって丸い角を備えた矩形状である。ブレースバー板501、502も大凡平坦である。実施形態において、ブレースバー板501、502はろう付けに適した金属から製造される。他の実施形態において、ブレースバー板501、502は当該技術分野の熟練者に一般に公知であるように、振動モードを隔離し、ストレスを減じ、振動式流量計アセンブリに安定性を付与するのに適切なあらゆる材料から作られる。
【0020】
ブレースバー板501は開口503を含み、ブレースバー板502は開口504を含む。各開口503、504は夫々の流れ導管(図示せず)を保持するように形成される。実施形態において、開口503、504は該開口に挿入される流れ導管の断面と合致する。
図5及び
図6の実施形態において、開口503、504は円形の流れ導管と一致するように大凡円形である。しかし、これには限定されない。実施形態においては、開口503、504は楕円形、矩形又は他のあらゆる断面形状であり得る。振動式流量計の組み立て時には、ブレースバー板501、502の各開口503、504は、夫々の流れ導管に挿入される。
【0021】
ブレースバー板501は更にノッチ505を含み、ブレースバー板502は更にノッチ506を含む。ブレースバー板の周縁上にインデント、切欠き又は自己の位置の特徴を付与することにより、ノッチ505、506はブレースバー板501、502の位置合わせを可能にし、該ノッチは各ブレースバー板がその開口を介して連結される流れ導管の反対側の流れ導管に各ブレースバー板を着座させるのに用いられる。例えば、ブレースバー板501は開口503を介して第1の流れ導管に連結され、ノッチ505を介して第2の流れ導管に着座される。ブレースバー板502は開口504を介して第2の流れ導管に連結され、ノッチ506を介して第1の流れ導管に着座される。
【0022】
ノッチ505、506は、ブレースバーが対向する流れ導管に対してしっかりと自己位置が合せられるようなあらゆる形状又は形である。ノッチ505、506の形状は更に、一旦ブレースバー500が振動式流量計に組み立てられると、ブレースバー板501、502が取り外されることを防ぐ。
図5及び
図6の実施形態において、ノッチ505、506はブレースバー板501、502の略矩形の周辺内の同じ半円形である。半円形のノッチ505、506は、流れ導管106のような円形断面を有する流れ導管に対してブレースバー板501、502を固定する。しかし、ブレースバー500の例に記載されたノッチ505、506は限定することを意図しない。この出願では非円形のセグメントのノッチ形状もまた考えられる。更に、同じでないノッチを備えたブレースバーもこの出願では考えられる。
【0023】
一旦、各ブレ―スバー板501、502が各流れ導管上にスライドすると、ブレースバー板501、502が回転して、各ノッチ505、506が流れ導管に対向する。流れ導管は次に一緒に動かされて、ノッチ505、506は対向する流れ導管に着座し、又はそうでなければ接触し、各ブレースバー板501、502を所定位置にロックする。一旦ノッチ505、506が対向する流れ導管に着座すると、流れ導管は回転又は動きを阻止されて、ブレースバー500の安定した位置合わせを付与する。
【0024】
図6は完全に組み立てられたブレースバー500を記載している。見られるように、開口503とノッチ506は同軸に整列されて、第1の重なりセクションを形成する。開口504とノッチ505はまた同軸に整列されて、第2の重なりセクションを形成する。
図6に記載しているように、一旦ブレースバー500が組み立てられると、ブレ―スバー板501、502は一緒に連結され、ブレースバーをより安定させる。ブレ―スバー板501、502は、組み立て時に開口503と504の間で重なる領域にてろう付けされる。一般的に、2つのブレースバー板501と502を一緒に連結する方法は、ブレースバー500に用いられる材料に依存する。実施形態にて、ブレ―スバー板501、502は該ブレースバー板間に例えばろう付けペーストのような充填材を置き、ブレースバー板をろう付けすることによって結合される。他の実施形態にて、ブレ―スバー板501、502ははんだ付け、溶着、糊付け又は板を一緒に固定することを含む当該技術分野で一般に公知の他の接着方法を用いて結合されるが、接着方法はこれらに限定されない。
【0025】
実施形態にて、ブレ―スバー板501、502は更に流れ導管に連結されて、より安定した流量計アセンブリを付与する。ブレ―スバー板501、502は接着、はんだ付け、糊付け又は2つの要素を一緒に取り付けるあらゆる公知の方法を用いて連結される。連結の特定の方法は一般に流れ導管106及びブレ―スバー板501、502に用いられる材料に依存する。
【0026】
実施形態において、ブレ―スバー板501、502と流れ導管間のジョイントは一緒にろう付けられる。理想的には、一旦ろう付けされると、充填材は各流れ導管の周縁を囲み、各流れ導管を各ブレ―スバー板501、502にしっかりと連結する。しかし、ブレ―スバー板501、502と流れ導管の間のジョイントからブレ―スバー板501、502間のジョイント内へ充填材が逃げる虞ゆえに、ブレ―スバー板501、502と流れ導管間のジョイントをろう付けすることは問題がある。特に充填材は重なりセグメントを介して逃げ、又は開口503とノッチ506、及び開口504とノッチ505間に見出される逃げ領域を介して逃げる。
【0027】
実施形態にて、ブレースバーの逃げ領域は減縮されて、ろう付け中にブレ―スバー板501、502と流れ導管間の逃げの可能性を減じる。例えば、ブレースバー700はブレースバー板701、702を含み、その3次元図面は
図7にて付与される。ブレースバー板701は、開口703及びノッチ705を含む。ブレースバー板702は、開口704及びノッチ706を含む。ブレースバー700は大凡矩形で平坦である。
図7にて、ブレースバー板701、702は大凡平坦であり、ボトル状の形状の輪郭を有する。ノッチ705、706は、各ブレースバー板のボトル状の形状の頂部を備える。凹状のテーパがノッチ705、706をブレースバー板701、702のボトル状の形状の略矩形の低部に接続する。テーパの凹部及びテーパがノッチ705、706から離れる範囲を定める狭角により、ノッチに直に隣接した領域におけるブレースバー板701、702によって重なる表面領域を減じる。ブレースバー板701、702が重なる表面領域を減じることは、ろう付け中に流れ導管のジョイントから充填材が逃げ出ることを更に減じる。他の実施形態にて、テーパは直線状、凸状、又はあらゆる他の形状であってもよい。
【0028】
ノッチ705は開口704と同軸に整列されて、第1の重なりセグメントを生成し、ノッチ706は開口703と同軸に整列されて、ブレースバー700の第2の重なりセグメントを生成する。ブレースバー700の重なりセグメントは、対応するブレースバー500の重なりセグメントよりも比例して小さくなる。ブレースバー700の重なりセグメントを減じることは、ろう付け中に、ブレースバー700の流れ導管/開口/ノッチジョイントからブレースバー板701、702間の空間に逃げる充填材を更に減少させる。実施形態において、ノッチ705、706は逃げを減じるのに十分小さいが、ブレースバー700の強固な整列を維持するのに十分に大きな開口703、704のセグメントを覆うような大きさである。
【0029】
ブレースバー500、700は形状が略矩形に示され、ブレースバー500は更に丸い角を含む。しかし、本願はこれらの実施形態に限らない。円形、楕円、ひし形又は不規則形状を含むブレースバー板の他の形状が考えられるが、これらに限定されない。同様に、ブレースバー板501、502、701及び702の実施形態例は略平坦に表されるが、本願により非平坦なブレースバー板もまた考えられる。ブレースバー500、700の例にて、ブレースバー板501、502、701及び702の一対は同一として表されるが、実施形態においてブレースバーは非類似のブレースバー板から構成され得る。
【0030】
上記の実施形態の詳細な記述は、本願の範囲内にある発明者によって熟考された全ての実施形態の完全な記述ではない。実際に当業者は、さらに実施形態を作成するために上記実施形態のある要素が種々に組み合わせられるかもしれないし除去されるかもしれないことを認識している、そしてそのような、さらなる実施形態は現在の記述の範囲及び開示の範囲内にある。本願の開示の範囲内にある追加の実施形態を作成するために、上記実施形態の全部或いは一部が組み合わせられるかもしれないことも当業者には明白である。
従って、本願の特定の実施形態が説明の目的のためにここに記述されているが、当業者が認識するように、様々な等価な修正は本願の範囲内で可能である。ここに提供される開示は、他のブレースバーに適用可能であり、上記に記載され添付の図面に示された実施形態だけではない。従って、上記の実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲から決定されるべきである。